JP2019181860A - インクジェット記録装置、インク画像記録方法 - Google Patents

インクジェット記録装置、インク画像記録方法 Download PDF

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将人 臼井
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Abstract

【課題】布帛の種類に関わらず、インク滴が付着した表面のみならず裏面にも十分な濃度を有する鮮明な画像を記録することが可能なインクジェット記録装置、及びインク画像記録方法を提供すること。【解決手段】記録装置は、布帛Pを支持する環状ベルト12Cと、環状ベルト12Cによって支持される布帛Pの一方面に定められた記録領域へ向けてノズルからインク滴を吐出して、布帛Pに画像を記録するラインヘッド22と、布帛Pの他方面との間で中空空間31を形成するインナーフレーム30と、中空空間31の空気圧を減少させるエアーポンプ35と、布帛Pの厚みを示す厚み情報及び布帛Pの密度を示す密度情報の両方を含むシート情報を取得する情報取得部と、情報取得部によって取得されたシート情報に基づいてエアーポンプ35による減圧量を制御する減圧量制御部と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、記録ヘッドから布地などの布帛にインク滴を吐出して布帛に画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
一般に、記録ヘッドのノズルから布帛などの記録シートにインクを吐出して、記録シートに画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。布帛などの記録シートに画像をプリントすることは捺染と称されており、捺染を行う装置は、捺染印刷機あるいは捺染プリンターとも称されている。当該インクジェット記録装置においては、布帛の表面にインク滴が吐出されると、着弾した位置を中心にインクが周囲へ拡散して、布帛の表面がインク色に染められる。また、着弾した位置から裏面へ向けてインクが浸透して、布帛の内部がインク色に染められる。
この種のインクジェット記録装置においては、布帛の表面のみならず、裏面にも視認可能な鮮明な画像が現れることが望まれる。しかしながら、布帛の裏面までインクを届かせるために、吐出するインク量を増やした場合には、表面におけるインクによるドット径が大きくなり過ぎて、画像品質が低下するおそれがある。
これに対して、記録ヘッドに対向するように自由空間を設け、その自由空間を減圧した状態で織物にインク滴を吐出して織物を印刷する織物の印刷方法が従来技術として知られている(特許文献1参照)。この従来技術によれば、布帛の表面に吐出されたインク滴をその布帛の裏面側に引き寄せるとともに、当該インク滴の表面における拡散を抑制することが可能である。
特表2002−506930号公報
しかしながら、上述の従来技術では、前記自由空間に対して常に一定の減圧量で減圧が行われる。そのため、印刷に用いる布帛の種類によっては、その布帛の裏面に十分な濃度の画像が表れないことがある。
本発明の目的は、布帛の種類に関わらず、インク滴が付着した表面のみならず裏面にも十分な濃度を有する鮮明な画像を記録することが可能なインクジェット記録装置、及びインク画像記録方法を提供することにある。
本発明の一の局面に係るインクジェット記録装置は、シート支持部と、記録ヘッドと、空間形成部と、減圧部と、情報取得部と、減圧量制御部とを備える。前記シート支持部は、厚み方向にインク浸透性を有する記録シートを支持する。前記記録ヘッドは、前記シート支持部によって支持される前記記録シートの一方面に定められた記録領域へ向けてノズルからインク滴を吐出して、前記記録シートに画像を記録する。前記空間形成部は、前記記録シートの他方面との間で中空空間を形成する。前記減圧部は、前記中空空間の空気圧を減少させる。前記情報取得部は、前記記録シートの厚みを示す厚み情報及び前記記録シートの密度を示す密度情報のいずれか一方又は両方を含むシート情報を取得する。前記減圧量制御部は、前記情報取得部によって取得された前記シート情報に基づいて前記減圧部による減圧量を制御する。
本発明の他の局面に係るインク画像記録方法は、厚み方向にインク浸透性を有する記録シートの一方面に定められた記録領域へ向けてノズルからインク滴を吐出して、前記記録シートに画像を記録するインクジェット記録装置で実行され、前記記録シートの厚みを示す厚み情報及び前記記録シートの密度を示す密度情報のいずれか一方又は両方を含むシート情報を取得する情報取得ステップと、前記情報取得ステップによって取得された前記シート情報に基づいて、前記記録シートの他方面との間で形成される中空空間の空気圧の減圧量を制御する減圧量制御ステップと、を含む。
本発明によれば、布帛などの記録シートに対して、インク滴が付着した表面のみならず裏面にも十分な濃度を有する鮮明な画像を記録することが可能である。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す図である。 図2は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置における記録部の構成を示す図である。 図4は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるラインヘッドの構成を示す図である。 図5は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるインナーフレームの構成を示す図である。 図6は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置におけるインナーフレームの構成を示す図である。 図7は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置で用いられる第1テーブルデータの一例を示す図である。 図8は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置で実行される空気圧調整処理の一例を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置を用いた実験結果を示す図である。 図10は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置を用いた実験結果を示す図である。 図11は、本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置を用いた実験結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明を具体化した一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
図1乃至図4を参照して、本発明の一実施形態に係る捺染用のインクジェット記録装置10(以下「記録装置10」と略称する。)について説明する。図1は、記録装置10の構成を示す図である。
記録装置10は、入力される画像データに基づいて、不織布や布地などのようなロール状の布帛P(図6参照)にインクを吐出して、布帛Pの繊維をインクで染めることにより、布帛Pに画像を印刷する装置であり、所謂、捺染印刷機(捺染プリンター)である。ここで、布帛Pは、厚み方向にインク浸透性を有する記録シートの一例である。図1及び図2に示されるように、記録装置10は、搬送部11、搬送ユニット12(本発明のシート支持部の一例)、昇降機構13、メンテナンスユニット14、キャップユニット15、記録部20、インナーフレーム30(本発明の空間形成部の一例)、エアーポンプ35(本発明の減圧部の一例)、制御部40、操作表示部50(本発明の表示部の一例)、検出部60、及びこれらを収容又は支持する本体フレーム16などを備えている。
搬送部11は、供給ローラー11Aと、搬送ローラー11Bと、搬送ローラー11Cと、巻取ローラー11Dとを有する。供給ローラー11Aは、印刷対象となる布帛Pが巻き付けられるローラーである。供給ローラー11Aに巻き付けられた布帛Pは、供給ローラー11Aから引き出されて、搬送ローラー11B、搬送ユニット12の環状ベルト12C、及び搬送ローラー11Cに巻き架けられて、巻取ローラー11Dに固定される。搬送部11では、制御部40からの制御信号によって搬送ローラー11B、搬送ローラー11C、及び巻取ローラー11Dが図1の時計回り方向に回転駆動される。これにより、供給ローラー11Aと巻取ローラー11Dとの間に架け渡された布帛Pは、搬送方向D1へ搬送される。なお、図1には、布帛Pの搬送経路R1が二点鎖線によって示されている。
搬送ユニット12は、布帛Pの搬送経路R1において搬送ローラー11Bと搬送ローラー11Cとの間に設けられる。搬送ユニット12は、布帛Pを支持するとともに搬送方向D1の下流側へ布帛Pを搬送するものである。搬送ユニット12は、駆動ローラー12Aと、従動ローラー12Bと、駆動ローラー12A及び従動ローラー12Bに掛け渡された環状ベルト12Cとを有する。搬送ユニット12においても、駆動ローラー12Aが回転駆動されることで、環状ベルト12Cの搬送面F1に支持された布帛Pが搬送方向D1へ向けて搬送される。ここで、搬送面F1は、環状ベルト12Cにおけるベルト上部12C1の上面である。
本実施形態では、布帛Pの上側の面である表面(一方面)において予め定められた記録領域が記録部20の記録ヘッド23による記録位置(記録ヘッド23の下方の位置)まで搬送されると、布帛Pの搬送が停止される。そして、記録ヘッド23による前記記録領域への画像記録(印刷)が終了すると、布帛Pにおける次の前記記録領域を前記記録位置に搬送するために、再び搬送方向D1へ向けて布帛Pが搬送される。その後、次の前記記録領域が前記記録位置に到達すると、再び搬送が停止される。つまり、布帛Pは、記録ヘッド23による画像記録が行われるたびに、前記記録領域の搬送方向D1の長さ分だけ搬送方向D1へ間欠的に搬送される。
搬送ユニット12の環状ベルト12Cは、環状ベルト12Cの厚み方向に通気性を有する部材で形成されている。例えば、環状ベルト12Cは、複数の微小孔が形成された樹脂製ベルトである。このため、環状ベルト12Cの内部側に形成された後述のインナーフレーム30の中空空間31(図1参照)が負圧にされると、環状ベルト12Cに形成された複数の微小孔を通って搬送面F1上の布帛Pを介して空気が中空空間31に移動する。
記録部20は、搬送ユニット12の上側に設けられている。記録部20は、ヘッドフレーム21、及びヘッドフレーム21に保持された4つのラインヘッド22を備えている。ヘッドフレーム21は、搬送ユニット12の環状ベルト12Cの搬送面F1と対向する位置に設けられており、本体フレーム16によって水平となるように支持されている。ラインヘッド22は、その下側を搬送される布帛Pの上面に向けてインク滴を吐出して、布帛Pの前記記録領域の全域に対してインク滴による画像を記録する。4つのラインヘッド22それぞれは、搬送方向D1に沿って水平方向に所定間隔を隔てられて、ヘッドフレーム21に固定されている。
また、ラインヘッド22は、環状ベルト12Cの搬送面F1に対して所定間隔だけ離間する高さに支持される。前記所定間隔は、ラインヘッド22と搬送面F1との間に布帛Pが移動する空間を確保することが可能な間隔であって、例えば、布帛Pの厚みに微小間隔(例えば1mm)を加えた間隔である。
図3は、記録装置10の搬送ユニット12及び記録部20を上方から見た図である。図4は、記録部20において最も右側(搬送方向D1の上流側)に配置されたラインヘッド22Aを示す斜視図である。なお、図4では、その他のラインヘッド22の図示が省略されている。
図3及び図4に示されるように、各ラインヘッド22は、それぞれ、複数の記録ヘッド23を有する。ラインヘッド22それぞれの記録ヘッド23は、それぞれに対応するインクタンク(不図示)にインクチューブ(不図示)によって接続されており、前記インクタンクに貯留されている4色(シアン、マゼンタ、イエロー、及びブラック)のインクが前記インクチューブによって対応する色のラインヘッド22に供給される。なお、本実施形態におけるラインヘッド22或いは記録ヘッド23が、本発明の記録ヘッドの一例である。
図3に示されるように、ラインヘッド22は、それぞれ、3つの記録ヘッド23を有する。各ラインヘッド22において、3つの記録ヘッド23は、搬送方向D1と直交する幅方向D2に沿って千鳥状に配列されている。3つの記録ヘッド23によって、布帛Pの前記記録領域における幅方向D2の全域に一斉にインク滴が吐出される。
記録ヘッド23それぞれの下端部には、ヘッド部(不図示)が設けられている。前記ヘッド部は、複数の吐出ノズル24(本発明のノズルの一例)が形成されたインク吐出面F2を有する。言い換えると、記録ヘッド23の下端面がインク吐出面F2であり、そのインク吐出面F2に複数の吐出ノズル24が形成されている。吐出ノズル24は、搬送方向D1に沿って複数列形成されている。吐出ノズル24は、下部開口を有する。この下部開口は、布帛Pの表面にインク滴を吐出するためのインク吐出口である。
各記録ヘッド23は、制御部40からの制御信号によって制御されることで、外部コンピューターから受信した画像データに応じて、環状ベルト12Cによって間欠的に搬送される布帛Pに向かって吐出ノズル24からインク滴を吐出する。これにより、環状ベルト12C上の布帛Pは、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの4色のインクによって繊維が染められて、各色が重ね合わされたカラー画像が記録される。
搬送ユニット12の下方には、昇降機構13が設けられている。昇降機構13は、搬送ユニット12を昇降させるものであり、搬送ユニット12を支持するリフト板13Aと、リフト板13Aに取り付けられたリンクアーム13Bと、リンクアーム13Bを上下に移動させる動力を伝達する本体部13Cとにより構成することができる。なお、昇降機構13はこのような構成に限られず、搬送ユニット12を昇降させる機構であれば如何なる構成のものでも適用可能である。昇降機構13は、搬送ユニット12を下方から支持しており、搬送ユニット12をラインヘッド22に対して上下に昇降させる。即ち、昇降機構13は、搬送ユニット12をラインヘッド22に対して相対的に移動させることにより、搬送ユニット12とラインヘッド22とを離間又は接近させる。具体的には、昇降機構13は、記録部20による印刷が可能な印刷可能位置(図1に実線で示す位置)と、前記印刷可能位置から下方へ所定距離を隔てたメンテナンス位置(図1に破線で示す位置)との間で搬送ユニット12を移動させる。
また、昇降機構13は、制御部40からの制御信号によって制御されることで、搬送ユニット12の搬送面F1上の布帛Pの厚みに応じて、搬送面F1と記録ヘッド23のインク吐出面F2(図3参照)との間隔を適切な距離に調整することができる。
搬送ローラー11Cの下方にはメンテナンスユニット14及びキャップユニット15が配置されている。メンテナンスユニット14は、インク吐出面F2を拭き取ってインク吐出面F2の洗浄を行うワイピング動作を行うものである。メンテナンスユニット14は、ワイピング動作を実行する際に記録部20の下方に移動される。キャップユニット15は、記録ヘッド23のインク吐出面F2をキャッピングする際に記録部20の下方に移動される。さらに、キャップユニット15は、記録部20の下方から上方に移動することで、記録ヘッド23の下面のインク吐出面F2を被覆して、乾燥から保護する。
搬送ユニット12の環状ベルト12Cの内部にインナーフレーム30が設けられている。インナーフレーム30は、上側が開放された開口部31A(図5参照)を有する複数の中空空間31を有する。各中空空間31は、それぞれ、同じ形状に形成されており、各ラインヘッド22それぞれに対応して、各ラインヘッド22に対向する位置に配置されている。
図5は、インナーフレーム30の一部を示す斜視図である。図6は、インナーフレーム30の構造を模式的に示す断面図である。図5には、ラインヘッド22Aに対応する中空空間31が示されている。図5に示されるように、インナーフレーム30は、例えば樹脂成形品であり、その上面30A(図5参照)に対して下方に凹む凹部34が一体形成されている。その凹部34の内部に中空空間31が区画される。中空空間31は、3つの記録ヘッド23の配置に対応した形状に形成されている。
インナーフレーム30の上面30Aは、環状ベルト12Cのベルト上部12C1の裏面に近接している。したがって、ベルト上部12C1の上面である搬送面F1に布帛Pが支持された状態では、中空空間31の開口部31Aは、ベルト上部12C1及び布帛Pによって閉塞される。つまり、布帛Pの下側の面である裏面(他方面)と、インナーフレーム30の凹部34とによって、四方が概ね閉塞された中空空間31が区画形成される。
エアーポンプ35は、本体フレーム16(図1参照)に取り付けられている。エアーポンプ35は、中空空間31内の空気の圧力を調整するものである。エアーポンプ35は、制御部40からの制御信号によって内部モーターが回転駆動されることにより、その回転方向に応じて、空気を吹き出すよう動作し、又は空気を吸引するよう動作する。インナーフレーム30の凹部34の内側面には貫通孔32が形成されており、この貫通孔32とエアーポンプ35の吹き出し口とがエアーチューブ33によって連結されている。したがって、エアーポンプ35が吸引動作をすると中空空間31内の空気が吸引されて、中空空間31が負圧にされる。上述したように、環状ベルト12Cには、複数の微小孔が形成されているため、中空空間31が負圧にされると、搬送面F1上の布帛Pの上側の空気が開口部31A側へ移動し、布帛P及び環状ベルト12Cの微小孔を通って中空空間31に至る方向に空気が移動する空気の引き込みが生じる。凹部34には、中空空間31内の空気の圧力を検知する不図示の圧力センサーが設けられている。制御部40は、前記圧力センサーの検知結果に基づいて、中空空間31の空気の圧力が予め定められた値の負圧となるようにエアーポンプ35をフィードバック制御する。
図2に示されるように、制御部40は、CPU41、ROM42、RAM43、フラッシュメモリ44等を有している。ROM42は不揮発性の記憶装置、RAM43は揮発性の記憶装置、フラッシュメモリ44は不揮発性の記憶装置である。RAM43、フラッシュメモリ44は、演算装置であるCPU41が実行する各種の処理の一時記憶メモリーとして使用される。ROM42には、所定の制御プログラムや、後述の空気圧調整処理を実行するための空気圧調整プログラムなどが記憶されている。制御部40は、記録装置10の各構成要素と電気的に接続されており、制御信号を送出することにより、それらの各構成要素の動作を制御する。また、制御部40は、外部から入力される画像データに基づいて記録装置10の各構成要素を統括的に制御することにより、その画像データに対応する画像を布帛Pに印刷させる。また、制御部40は、図8に示されるフローチャートの手順に従って前記空気圧調整処理を実行する。
操作表示部50は、制御部40からの制御指示に応じて各種の情報を表示する液晶ディスプレーなどの表示部、及びユーザーの操作に応じて制御部40に各種の情報を入力する操作キー又はタッチパネルなどの操作部を有する。
検出部60は、布帛Pの厚みを検出することが可能である。図1に示されるように、検出部60は、搬送経路R1上に設けられる。例えば、検出部60は、発光部61及び受光部62を有する透過型の光センサーである。発光部61は、受光部62へ向けて光を射出する。受光部62は、受光量に応じた電気信号を出力する。発光部61及び受光部62は、布帛Pの搬送経路R1を挟んで対向して設けられる。検出部60は、発光部61から射出された光が直接受光部62に照射される場合の受光部62における受光量と、発光部61から射出された光が布帛Pを介して受光部62に照射される場合の受光部62における受光量との差に基づいて、布帛Pの厚みを検出する。なお、検出部60は、発信部及び受信部を有する超音波センサーなどであってもよい。
ところで、記録装置10においては、布帛Pの表面にインク滴が吐出されると、着弾した位置を中心にインクが周囲へ拡散して、布帛Pの表面がインク色に染められる。また、着弾した位置から裏面へ向けてインクが浸透して、布帛Pの内部がインク色に染められる。
ここで、記録装置10においては、布帛Pの表面のみならず、裏面にも視認可能な鮮明な画像が現れることが望まれる。しかしながら、布帛Pの裏面までインクを届かせるために、吐出するインク量を増やした場合には、表面におけるインクによるドット径が大きくなり過ぎて、画像品質が低下するおそれがある。これに対し、中空空間31を減圧した状態で布帛Pにインク滴を吐出することで、布帛Pの表面に吐出されたインク滴をその布帛Pの裏面側に引き寄せるとともに、当該インク滴の表面における拡散を抑制することが可能である。
しかしながら、中空空間31に対して常に一定の減圧量で減圧が行われる場合、印刷に用いられる布帛Pの種類によっては、その布帛Pの裏面に十分な濃度の画像が表れないことがある。これに対して、本発明の実施形態に係る記録装置10では、以下に説明するように、布帛Pの種類に関わらず、インク滴が付着した表面のみならず裏面にも十分な濃度を有する鮮明な画像を記録することが可能である。
具体的に、制御部40は、図2に示されるように、情報取得部45、減圧量制御部46、及び吐出量制御部47を含む。具体的に、制御部40のCPU41は、ROM42に記憶された前記空気圧調整プログラムを実行する。これにより、制御部40は、情報取得部45、減圧量制御部46、及び吐出量制御部47として機能する。
情報取得部45は、布帛Pの厚みを示す厚み情報及び布帛Pの密度(体積密度)を示す密度情報の両方を含むシート情報を取得する。
例えば、情報取得部45は、検出部60を用いて前記厚み情報を取得する。
また、情報取得部45は、前記シート情報のうち前記密度情報の入力に用いられる入力画面を操作表示部50に表示させて、当該入力画面で入力された情報を前記密度情報として取得する。
なお、前記入力画面は、前記密度情報と共に前記厚み情報を入力可能な画面であってもよい。この場合、情報取得部45は、検出部60による検出結果及び前記入力画面で入力された前記厚み情報のうち、いずれか一方を前記厚み情報として取得してもよい。
また、記録装置10は、検出部60を備えていなくてもよい。この場合、前記入力画面は、前記密度情報と共に前記厚み情報を入力可能な画面であってよい。
また、前記入力画面は、布帛Pの型番のような、布帛Pの種類を示す情報を入力可能な画面であってもよい。この場合、情報取得部45は、前記入力画面で入力された布帛Pの種類を示す情報に基づいて、その布帛Pの厚み及び密度を特定してもよい。具体的に、情報取得部45は、布帛Pの種類と、その布帛Pの厚み及び密度とが対応付けられたデータベースを備える外部の情報処理装置と通信を行って、布帛Pの厚み及び密度を特定してもよい。この場合、情報取得部45は、前記外部の情報処理装置に布帛Pの種類を示す情報を送信する。また、前記外部の情報処理装置は、記録装置10から送信された布帛Pの種類を示す情報及び前記データベースに基づいて、その布帛Pの厚み及び密度を特定し、特定された布帛Pの厚み及び密度を示す情報を記録装置10に送信する。
減圧量制御部46は、情報取得部45によって取得された前記シート情報に基づいて、エアーポンプ35による減圧量を制御する。
例えば、記録装置10では、布帛Pの厚み及び密度の組み合わせと、エアーポンプ35による減圧量との対応関係を示す第1テーブルデータTD1(図7参照)が予め制御部40のフラッシュメモリ44に格納されている。なお、第1テーブルデータTD1は、後述する記録装置10を用いた実験の結果(図9〜図11参照)などに基づいて定めることが可能である。
ここで、第1テーブルデータTD1では、布帛Pの密度が同一である場合に、布帛Pの厚みが厚いほどエアーポンプ35による減圧量が多くなるように、布帛Pの厚み及び密度の組み合わせと、エアーポンプ35による減圧量との対応関係が定められている。例えば、図7に示されるように、第1テーブルデータTD1では、布帛Pの密度が0.24[g/cm3]である場合に、布帛Pの厚みが0.5[mm]、0.7[mm]、0.9[mm]と厚くなるに従って、エアーポンプ35による減圧量が−0.02[MPa]、−0.04[MPa]、−0.06[MPa]と多くなっている。
また、第1テーブルデータTD1では、布帛Pの厚みが同一である場合に、布帛Pの密度が高いほどエアーポンプ35による減圧量が多くなるように、布帛Pの厚み及び密度の組み合わせと、エアーポンプ35による減圧量との対応関係が定められている。例えば、図7に示されるように、第1テーブルデータTD1では、布帛Pの厚みが0.5[mm]である場合に、布帛Pの密度が0.24[g/cm3]、0.31[g/cm3]、0.38[g/cm3]と高くなるに従って、エアーポンプ35による減圧量が−0.02[MPa]、−0.04[MPa]、−0.06[MPa]と多くなっている。
減圧量制御部46は、情報取得部45によって前記シート情報が取得された場合に、当該シート情報及び第1テーブルデータTD1に基づいて、エアーポンプ35による減圧量を決定する。そして、減圧量制御部46は、決定された減圧量だけ中空空間31の空気圧が減少するように、エアーポンプ35の駆動を制御する。
なお、第1テーブルデータTD1は、記録装置10で用いられるインクの種類ごとに用意されていてもよい。この場合、前記入力画面は、記録装置10で用いられるインクの種類を示す情報を入力可能な画面であってもよい。また、減圧量制御部46は、前記入力画面で入力されたインクの種類を示す情報に基づいて、減圧量の制御に用いる第1テーブルデータTD1を特定してもよい。
吐出量制御部47は、情報取得部45によって取得された前記シート情報に含まれる前記厚み情報に基づいて、記録ヘッド23の吐出ノズル24から吐出されるインクの量を制御する。
具体的に、吐出量制御部47は、前記厚み情報が示す布帛Pの厚みが厚いほど、吐出ノズル24から吐出されるインクの量が多くなるように、吐出ノズル24から吐出されるインクの量を制御する。
例えば、記録装置10では、布帛Pの厚みと、吐出ノズル24から吐出されるインクの量との対応関係を示す第2テーブルデータ(不図示)が予め制御部40のフラッシュメモリ44に格納されている。なお、前記第2テーブルデータは、記録装置10を用いて、予め定められた布帛Pの厚みごとにその布帛Pの表裏両面に略同一の濃度の画像を表すことが可能なインクの吐出量を調査する実験の結果に基づいて定めることが可能である。この実験において、エアーポンプ35による減圧量は、前記シート情報に基づいて制御されてよい。
吐出量制御部47は、情報取得部45によって前記シート情報が取得された場合に、当該シート情報に含まれる前記厚み情報及び前記第2テーブルデータに基づいて、吐出ノズル24から吐出されるインクの量を決定する。そして、吐出量制御部47は、決定された量だけ吐出ノズル24からインクが吐出されるように、記録ヘッド23による吐出ノズル24からのインクの吐出量を制御する。
なお、吐出量制御部47は、布帛Pの厚みに関わらず、予め定められた量のインクが吐出ノズル24から吐出されるように、記録ヘッド23による吐出ノズル24からのインクの吐出量を制御してもよい。
[空気圧調整処理]
以下、図8を参照しながら、記録装置10において制御部40により実行される空気圧調整処理の手順の一例とともに、本発明のインク画像記録方法の一例について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部40により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記空気圧調整処理は、記録装置10において布帛Pに画像を印刷する印刷処理の実行が指示された場合に実行される。
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部40は、前記入力画面を操作表示部50に表示させる。これにより、ユーザーは、前記入力画面において前記密度情報を入力することが可能である。
<ステップS12>
ステップS12において、制御部40は、ステップS11で表示された前記入力画面において、入力内容を確定させる操作が行われたか否かを判断する。
ここで、制御部40は、前記入力内容を確定させる操作が行われたと判断すると(S12のYes側)、処理をステップS13に移行させる。また、前記入力内容を確定させる操作が行われていなければ(S12のNo側)、制御部40は、ステップS12で前記入力内容を確定させる操作が行われるのを待ち受ける。
<ステップS13>
ステップS13において、制御部40は、ステップS11で表示された前記入力画面における入力内容から、前記密度情報を取得する。
<ステップS14>
ステップS14において、制御部40は、前記厚み情報を取得する。具体的に、制御部40は、検出部60を用いて布帛Pの厚みを検出し、検出結果を前記厚み情報として取得する。ここに、ステップS11〜ステップS14までの処理が、本発明における情報取得ステップの一例であって、制御部40の情報取得部45により実行される。
<ステップS15>
ステップS15において、制御部40は、エアーポンプ35による減圧量を決定する。具体的に、制御部40は、ステップS13で取得された前記密度情報、ステップS14で取得された前記厚み情報、及び第1テーブルデータTD1に基づいて、エアーポンプ35による減圧量を決定する。
<ステップS16>
ステップS16において、制御部40は、記録ヘッド23の吐出ノズル24から吐出されるインクの量を決定する。具体的に、制御部40は、ステップS14で取得された前記厚み情報、及び前記第2テーブルデータに基づいて、吐出ノズル24から吐出されるインクの量を決定する。
<ステップS17>
ステップS17において、制御部40は、ステップS15で決定された減圧量だけ中空空間31の空気圧が減少するように、エアーポンプ35の駆動を制御する。ここに、ステップS15及びステップS17の処理が、本発明における減圧量制御ステップの一例であって、制御部40の減圧量制御部46により実行される。
<ステップS18>
ステップS18において、制御部40は、記録部20を用いて、布帛Pの表面における前記記録領域に画像を印刷する。ここで、制御部40は、ステップS16で決定された量だけ吐出ノズル24からインクが吐出されるように、記録ヘッド23による吐出ノズル24からのインクの吐出量を制御する。ここで、ステップS16及びステップS18の処理は、制御部40の吐出量制御部47により実行される。
<ステップS19>
ステップS19において、制御部40は、エアーポンプ35の駆動を停止させて、中空空間31の空気圧をステップS17による減圧が行われる前の状態に戻す。
<ステップS20>
ステップS20において、制御部40は、布帛Pへの画像の印刷が終了したか否かを判断する。例えば、制御部40は、ステップS18の実行回数に基づいて、布帛Pへの画像の印刷が終了したか否かを判断する。
ここで、制御部40は、布帛Pへの画像の印刷が終了したと判断すると(S20のYes側)、前記空気圧調整処理を終了させる。また、布帛Pへの画像の印刷が終了していなければ(S20のNo側)、制御部40は、処理をステップS21に移行させる。
<ステップS21>
ステップS21において、制御部40は、布帛Pにおける次の前記記録領域が記録ヘッド23による前記記録位置に配置されるように、搬送部11及び搬送ユニット12に布帛Pを搬送させる。その後、ステップS20で印刷が終了したと判断されるまで、ステップS17〜ステップS21の処理が繰り返し実行されて、布帛Pへの画像の印刷が行われる。
なお、前記空気圧調整処理において、ステップS16の処理は省略されてもよい。この場合、ステップS18では、予め定められた量だけ吐出ノズル24からインクが吐出されるように、記録ヘッド23による吐出ノズル24からのインクの吐出量が制御されてよい。
このように、記録装置10では、布帛Pの厚み及び密度に基づいて、エアーポンプ35による減圧量が制御される。これにより、布帛Pの種類に関わらず、インク滴が付着した表面のみならず裏面にも十分な濃度を有する鮮明な画像を記録することが可能である。
なお、前記シート情報は、前記厚み情報のみを含み、前記密度情報を含まないものであってもよい。この場合、減圧量制御部46は、布帛Pの厚みが厚いほどエアーポンプ35による減圧量が多くなるように、エアーポンプ35の駆動を制御してよい。
また、前記シート情報は、前記密度情報のみを含み、前記厚み情報を含まないものであってもよい。この場合、減圧量制御部46は、布帛Pの密度が高いほどエアーポンプ35による減圧量が多くなるように、エアーポンプ35の駆動を制御してよい。また、前記密度情報は、布帛Pの体積密度を示す情報、及び布帛Pの面密度を示す情報のいずれであってもよい。
また、本発明は、予め定められたサイズにカットされたシート状の布帛Pを給紙トレイから記録部20による記録位置を経由して本体フレーム16の外部に設けられた排紙トレイへ搬送するインクジェット記録装置に適用されてもよい。また、本発明は、記録ヘッド23が幅方向D2に移動可能に設けられた所謂スキャン方式のインクジェット記録装置に適用されてもよい。
[実験例]
以下、記録装置10を用いて行われた実験について説明する。第1テーブルデータTD1は、以下に説明する実験の結果などに基づいて定めることが可能である。
[実験例1〜実験例4]
記録装置10において、エアーポンプ35による減圧量を−0.02[MPa]に定めて、布帛Pの厚み及び密度の変化と、その布帛Pの表裏両面に印刷される画像の濃度との関係を調査する実験を行った。実験結果を図9に示す。なお、この実験には、布帛Pに綿金巾を用いた。また、この実験では、吐出ノズル24からのインクの吐出量を11[pL]と定めて、記録装置10に予め定められた色のベタ画像を布帛Pに印刷させた。また、この実験では、布帛Pの表裏両面に略同一の濃度の画像が表れたか否かを目視で判断して、略同一の濃度の画像が表れたと判断される場合は「成功」と評価し、略同一の濃度の画像が表れていないと判断される場合は「失敗」と評価した。
図9に示されるように、布帛Pの厚みが0.5[mm]、密度が0.24[g/cm3]である場合(実験例1)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れた。
一方、図9に示されるように、布帛Pの厚みが0.5[mm]、密度が0.31[g/cm3]である場合(実験例2)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れなかった。具体的に、布帛Pの裏面に現れた画像の濃度が表面に印刷された画像の濃度よりも薄かった。また、布帛Pの厚みが0.7[mm]、密度が0.24[g/cm3]である場合(実験例3)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れなかった。具体的に、布帛Pの裏面に現れた画像の濃度が表面に印刷された画像の濃度よりも薄かった。また、布帛Pの厚みが0.7[mm]、密度が0.31[g/cm3]である場合(実験例4)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れなかった。具体的に、布帛Pの裏面に現れた画像の濃度が表面に印刷された画像の濃度よりも薄かった。
[実験例5〜実験例8]
実験例1に用いられた布帛Pを用いて、エアーポンプ35による減圧量を−0.04[MPa]に変更して、実験例1と同様の実験を行った。また、実験例2に用いられた布帛Pを用いて、エアーポンプ35による減圧量を−0.04[MPa]に変更して、実験例2と同様の実験を行った。また、実験例3に用いられた布帛Pを用いて、エアーポンプ35による減圧量を−0.04[MPa]に変更して、実験例3と同様の実験を行った。また、実験例4に用いられた布帛Pを用いて、エアーポンプ35による減圧量を−0.04[MPa]に変更して、実験例4と同様の実験を行った。実験結果を図10に示す。
図10に示されるように、布帛Pの厚みが0.5[mm]、密度が0.31[g/cm3]である場合(実験例6)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れた。また、布帛Pの厚みが0.7[mm]、密度が0.24[g/cm3]である場合(実験例7)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れた。
一方、図10に示されるように、布帛Pの厚みが0.5[mm]、密度が0.24[g/cm3]である場合(実験例5)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れなかった。具体的に、布帛Pの裏面に現れた画像の濃度が表面に印刷された画像の濃度よりも濃かった。また、布帛Pの厚みが0.7[mm]、密度が0.31[g/cm3]である場合(実験例8)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れなかった。具体的に、布帛Pの裏面に現れた画像の濃度が表面に印刷された画像の濃度よりも薄かった。
[実験例9〜実験例11]
実験例6に用いられた布帛Pを用いて、エアーポンプ35による減圧量を−0.06[MPa]に変更して、実験例6と同様の実験を行った。また、実験例7に用いられた布帛Pを用いて、エアーポンプ35による減圧量を−0.06[MPa]に変更して、実験例7と同様の実験を行った。また、実験例8に用いられた布帛Pを用いて、エアーポンプ35による減圧量を−0.06[MPa]に変更して、実験例8と同様の実験を行った。実験結果を図11に示す。
図11に示されるように、布帛Pの厚みが0.7[mm]、密度が0.31[g/cm3]である場合(実験例11)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れた。
一方、図11に示されるように、布帛Pの厚みが0.5[mm]、密度が0.31[g/cm3]である場合(実験例9)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れなかった。具体的に、布帛Pの裏面に現れた画像の濃度が表面に印刷された画像の濃度よりも濃かった。また、布帛Pの厚みが0.7[mm]、密度が0.24[g/cm3]である場合(実験例10)には、布帛Pの両面に略同一の濃度の画像が表れなかった。具体的に、布帛Pの裏面に現れた画像の濃度が表面に印刷された画像の濃度よりも濃かった。
10 インクジェット記録装置
11 搬送部
12 搬送ユニット
13 昇降機構
14 メンテナンスユニット
15 キャップユニット
16 本体フレーム
20 記録部
21 ヘッドフレーム
22 ラインヘッド
23 記録ヘッド
24 吐出ノズル
30 インナーフレーム
34 凹部
35 エアーポンプ
40 制御部
45 情報取得部
46 減圧量制御部
47 吐出量制御部
50 操作表示部
60 検出部

Claims (8)

  1. 厚み方向にインク浸透性を有する記録シートを支持するシート支持部と、
    前記シート支持部によって支持される前記記録シートの一方面に定められた記録領域へ向けてノズルからインク滴を吐出して、前記記録シートに画像を記録する記録ヘッドと、
    前記記録シートの他方面との間で中空空間を形成する空間形成部と、
    前記中空空間の空気圧を減少させる減圧部と、
    前記記録シートの厚みを示す厚み情報及び前記記録シートの密度を示す密度情報のいずれか一方又は両方を含むシート情報を取得する情報取得部と、
    前記情報取得部によって取得された前記シート情報に基づいて前記減圧部による減圧量を制御する減圧量制御部と、
    を備えるインクジェット記録装置。
  2. 前記シート情報は、少なくとも前記厚み情報を含み、
    前記減圧量制御部は、前記厚み情報が示す前記記録シートの厚みが厚いほど前記減圧部による減圧量を多くする、
    請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記シート情報は、少なくとも前記密度情報を含み、
    前記減圧量制御部は、前記密度情報が示す前記記録シートの密度が高いほど前記減圧部による減圧量を多くする、
    請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記シート情報は、少なくとも前記厚み情報を含み、
    前記記録シートの厚みを検出する検出部を備え、
    前記情報取得部は、前記検出部を用いて前記厚み情報を取得する、
    請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記情報取得部は、前記シート情報の入力に用いられる入力画面を表示部に表示させて、当該入力画面で入力された情報を前記シート情報として取得する、
    請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記シート情報は、少なくとも前記厚み情報を含み、
    前記インクジェット記録装置は、前記情報取得部によって取得された前記シート情報に含まれる前記厚み情報が示す前記記録シートの厚みが厚いほど前記ノズルから吐出されるインクの量を多くする吐出量制御部を備える、
    請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記記録シートは、不織布又は布帛である、
    請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  8. 厚み方向にインク浸透性を有する記録シートの一方面に定められた記録領域へ向けてノズルからインク滴を吐出して、前記記録シートに画像を記録するインクジェット記録装置で実行されるインク画像記録方法であって、
    前記記録シートの厚みを示す厚み情報及び前記記録シートの密度を示す密度情報のいずれか一方又は両方を含むシート情報を取得する情報取得ステップと、
    前記情報取得ステップによって取得された前記シート情報に基づいて、前記記録シートの他方面との間で形成される中空空間の空気圧の減圧量を制御する減圧量制御ステップと、
    を含むインク画像記録方法。
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