JP2019180962A - 衣類乾燥機 - Google Patents

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隆行 本村
金田 至功
Yoshinori Kaneda
至功 金田
賢 磯永
Masaru Isonaga
賢 磯永
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Abstract

【課題】外槽の排気口にフィルタ部材を備えたものにあって、安価な構成で済ませながら、フィルタ部材のメンテナンスを容易に行う。【解決手段】実施形態の衣類乾燥機は、外箱と、前記外箱内に設けられ給気口を有すると共に周面前部寄りに排気口を有する外槽と、前記外槽内に横軸周りに回転可能に設けられ衣類が収容される回転ドラムと、前記給気口と前記排気口との間を前記外槽の外側において連通させるように設けられた循環風路と、前記回転ドラム内の空気を前記循環風路を通して循環させるファン装置と、前記循環風路内の循環風の除湿及び加熱を行う除湿加熱機構と、前記外槽の外周面に前記排気口を塞ぐように装着され循環風からリントを捕獲するフィルタ部材とを備え、前記フィルタ部材は、前記外箱の前面側からの引出しによる取外しが可能に設けられている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、衣類乾燥機に関する。
従来、衣類乾燥機として、ドラム式の洗濯乾燥機が知られている(例えば、特許文献1参照)。このドラム式洗濯乾燥機は、水槽内に、多数の孔を有し衣類が収容されるドラムを回転可能に備えて構成される。そして、水槽に給気口と排気口とを設け、それら給気口と排気口とを水槽外で接続する循環風路に、送風用のファン装置及びヒータを設け、乾燥風を水槽内に循環供給するように構成されている。また、前記排気口部分には、リント捕獲用のフィルタ部材が設けられている。
このとき、上記特許文献1の衣類乾燥機では、フィルタ部材の上部に、該フィルタ部材を清掃する(捕獲したリントを除去する)ためのフィルタ洗浄部が設けられる。このフィルタ洗浄部は、給水管の先端部に噴射ノズルを備え、噴射ノズルから、フィルタ部材の外側から内側に向けて洗浄水を噴射するように構成されている。これにより、フィルタ洗浄部が動作すると、フィルタ部材の表面(内面)に捕獲されていたリントが水槽内に落下し、排水と共に排出される。
特表2015−511852号公報
しかしながら、上記従来構成では、フィルタ部材の清掃のために、フィルタ洗浄部や別途の給水路をわざわざ設けているので、構成が複雑となってコスト高を招いてしまう問題点があった。尚、ユーザがフィルタ部材を水槽から取外して手動でメンテナンス(清掃)することも考えられるが、特許文献1では、ユーザがフィルタ部材を容易に取外しできる構成とはなっていない。
そこで、外槽の排気口にフィルタ部材を備えたものにあって、安価な構成で済ませながら、フィルタ部材のメンテナンスを容易に行うことが可能な衣類乾燥機を提供する。
実施形態の衣類乾燥機は、外箱と、前記外箱内に設けられ給気口を有すると共に周面前部寄りに排気口を有する外槽と、前記外槽内に横軸周りに回転可能に設けられ衣類が収容される回転ドラムと、前記給気口と前記排気口との間を前記外槽の外側において連通させるように設けられた循環風路と、前記回転ドラム内の空気を前記循環風路を通して循環させるファン装置と、前記循環風路内の循環風の除湿及び加熱を行う除湿加熱機構と、前記外槽の外周面に前記排気口を塞ぐように装着され循環風からリントを捕獲するフィルタ部材とを備え、前記フィルタ部材は、前記外箱の前面側からの引出しによる取外しが可能に設けられている。
第1の実施形態を示すもので、洗濯乾燥機の全体構成を概略的に示す右側面図 風路カバー及びフィルタ部材の取外し状態で示す水槽の排気口部分の斜視図 循環風路部分の概略構成を示す縦断背面図 洗濯乾燥機の内部構成を外箱を除いた状態で示す背面側からの斜視図 循環風路及びヒートポンプの構成を模式的に示す図 フィルタ部材を前方に引き出した様子を示す斜視図 フィルタ部材と風路カバーとの関係を示す分解斜視図 風路カバーの前端部の横断面図 外箱前面の扉部分を示す図 水槽の上部部分の縦断正面図 図10のC部を拡大して示す図 第2の実施形態を示すもので、水槽の上部部分の縦断正面図 図12のD部を拡大して示す図 第3の実施形態を示すもので、箱体を風路カバーから一部引出した状態の斜視図 箱体を風路カバー内に収容した状態の斜視図 風路カバー部分の縦断正面図 第4の実施形態を示すもので、風路カバーの前壁部を示す斜視図
(1)第1の実施形態
以下、ヒートポンプを備え洗濯運転及び乾燥運転が可能なドラム式洗濯乾燥機に適用した第1の実施形態について、図1から図11を参照しながら説明する。まず、図1から図5を参照して、本実施形態に係る衣類乾燥機としての洗濯乾燥機1の全体構成について述べる。図1、図3に示すように、洗濯乾燥機1の本体を構成する外箱2は、ほぼ矩形箱状をなし、外箱2内には、図2、図4にも示すように、外槽としての円筒状の水槽3が後下がりに傾斜した状態で、図示しない弾性支持機構を介して支持されている。尚、水槽3は、前側の水槽カバーと、後ろ側の水槽本体とを連結して構成されている。
図1に示すように、前記水槽3内には、衣類(洗濯物)が収容される円筒状の回転ドラム4が回転可能に支持されている。この回転ドラム4は、前後方向に延び且つ水平からやや後下がりに傾斜した傾斜軸を中心に回転するように構成されている。この回転ドラム4の周壁部及び後壁部には通水、通気用の多数の孔4aが形成され、また、回転ドラム4の周壁部の内面には、洗濯物撹拌用の図示しない複数個のバッフルが設けられている。
詳しく図示はしないが、前記回転ドラム4の前面部には、衣類が出し入れされる円形の開口部が設けられている。図1、図2に示すように、前記水槽3の前面部には、前記回転ドラム4の開口部に連なる投入口3aが形成されている。図1に示すように、外箱2の前面には、その投入口3aを開閉する投入口扉5が設けられている。外箱2の前面部の上部には、操作パネル6が設けられている。前記外箱2内には、例えばマイクロコンピュータを主体に構成され、洗濯乾燥機1全体の制御を行う制御装置7が設けられている。
図3、図4にも示すように、前記水槽3の後部には、駆動機構を構成する例えばアウタロータ形のブラシレスモータからなるドラムモータ8が配置されている。図1に示すように、このドラムモータ8の回転軸8aの先端は、水槽3の背面を貫通して水槽3内に突出し、前記回転ドラム4の後部中心部に連結固定されている。この構成により、回転ドラム4はドラムモータ8により直接的に回転駆動される。この場合、回転ドラム4は、洗濯運転時の脱水行程においては、正転方向つまり正面から見て時計回り方向に比較的高速で連続回転されるようになっている。洗濯運転時の洗い行程やすすぎ行程、乾燥運転時においては、回転ドラム4は比較的低速で正転、反転が繰り返される。
図示はしないが、前記外箱2内の上部には、給水源としての水道からの水を前記水槽3内に給水するための給水弁等を備えた給水機構が設けられている。一方、図1に示すように、水槽3の下部には、排水管路9が接続され、この排水管路9の途中部には排水弁10が設けられている。排水弁10が閉鎖された状態で給水機構により水槽3内に水が供給された場合に、その水が水槽3内に貯留される。このとき、水槽3内の水位は、図示しない水位センサにより検出される。前記排水弁10が開放されることに伴い、水槽3内の水は、排水管路9を通して機外へ排出される。
図1、図2に示すように、前記水槽3には、外周面の上部右寄り部位に、空気を排出する第1、第2の2個の排気口11、12が設けられている。また、図3に示すように、水槽3の背面部の上部中央寄り部位に乾燥風を供給するための給気口18が設けられている。前記給気口18は、図3に示すように、例えば横並びに設けられた3個の開口部から構成される。
本実施形態では、前記第1、第2の2個の排気口11、12は、水槽3の外周面のうち、正面から見て右斜め上部に、前後に並んで設けられている。そのうち前側の第1の排気口11は、水槽カバーに四角形に開口するように設けられており、水槽3の外周面の前側の1/3の範囲内に位置している。第2の排気口12は、第1の排気口11よりも後ろ側の水槽本体に設けられ、この場合、水槽3の外周面を前後に3等分に分割した場合の中間の1/3の範囲内に位置して、やはり四角形に開口するように設けられている。このとき、詳しくは後述するように、排気口11、12部分には、循環風から糸くず等のリントL(図10参照)を捕獲するためのフィルタ部材16が設けられる。
ちなみに、従来の洗濯乾燥機では、円筒形状をなす排気口の断面積が、3200mm2 程度(直径64mmφ)であったのに対し、本実施形態では、排気口11、12の開口面積は、合計で10000mm2 以上とされている。排気口全体の断面積は、最大で20000mm2 程度とすることができる。このように、排気口11、12全体の開口面積を、従来の排気口の2倍以上、5倍以下程度とすることが望ましい。尚、次に述べる循環風路20の風路断面積は、平均で4000mm2 程度とされている。
図3〜図5にも示すように、外箱2内部には、水槽3の外部に位置して、乾燥運転時に水槽3(回転ドラム4)内に乾燥風即ち温風を循環供給するための循環風路20が設けられる。この循環風路20の入口は、水槽3の前記排気口11、12に接続され、循環風路20の出口が前記給気口18に接続されている。本実施形態では、循環風路20には、循環風の除湿及び加熱を行って乾燥風を生成する除湿加熱機構としてのヒートポンプ21(冷凍サイクル)が組込まれている。これと共に、排気口11、12から排出された空気を、循環風路20内を矢印A方向に循環させながら給気口18から水槽3ひいては回転ドラム4内に供給するファン装置22が設けられている。
具体的には、前記循環風路20は、排気ダクト13と、後部ダクト23と、ヒートポンプダクト24と、給気ダクト25とを備えている。図1等に示すように、そのうち排気ダクト13は、前端側が前記排気口11、12に連通し、水槽3の外周面の右側上部を後方に延びて設けられ、前記排気口11、12から排出された乾燥風を後方に流す。排気ダクト13は円筒形の水槽3の円筒面と矩形箱状をなす外箱2の角面とにより構成される空間内に設けることで、極力断面積の大きなダクトとすることができる。この排気ダクト13の後端部に、後部ダクト23の上端部が接続されている。図3、図4にも示すように、後部ダクト23は、水槽3の後方を下方に延び、その下端がヒートポンプダクト24の基端部(図3で左側)に接続されている。
ヒートポンプダクト24は、外箱2内の底部の後寄り部位を右左方向に延びて固定的に設けられている。このヒートポンプダクト24の先端側(図3で右端側)に前記ファン装置22が設けられている。このファン装置22は、例えばファンケーシング32内に遠心ファン33及びそれを駆動するファンモータ34を備えて構成されている。前記ファンケーシング32の出口部に、前記給気ダクト25の基端部(下端部)が接続されている。給気ダクト25は、外箱2内の左側の水槽3の後方を上方に延び、その先端部(上端部)が前記給気口18に接続されている。
このとき、図3等に示すように、後部ダクト23の下端とヒートポンプダクト24との間は、第1の接続ダクト14により接続されている。この第1の接続ダクト14は、ゴム等の可撓性を有する材料から蛇腹状の円筒状に構成され、振動の吸収が可能な構成となっている。また、図3に示すように、ヒートポンプダクト24(ファンケーシング32)と給気ダクト25の下端部との間は、第2の接続ダクト15により接続されている。この第2の接続ダクト15も、ゴム等の可撓性を有する材料から蛇腹状の円筒状に構成され、振動吸収が可能とされている。
図5に示すように、前記ヒートポンプダクト24内には、ヒートポンプ21を構成する蒸発器27及び凝縮器28が、右左(図3で左右)に順に位置して配置されている。前記ヒートポンプ21は、圧縮機29と、前記凝縮器28と、減圧手段たる絞り弁30と、前記蒸発器27とを、冷媒配管31により閉ループ状に接続して構成されている。ヒートポンプ21の内部には、所要量の冷媒が封入され、冷媒配管31を矢印B方向に循環する。このとき、凝縮器28が乾燥風を加熱する加熱手段として機能し、また、蒸発器27が乾燥風から湿気を除去する除湿手段として機能する。
このヒートポンプ21は、乾燥運転時において、圧縮機29が駆動されることにより、圧縮機29から吐出された気体冷媒が、凝縮器28に流入し、該凝縮器28における熱交換により凝縮されて液体冷媒とされる。凝縮器28から流出した液体冷媒が絞り弁30によって膨張させて霧状とされ、その霧状の冷媒が、蒸発器27に流入される。そして、蒸発器27において、外気との熱交換により冷媒が気化され、その気体冷媒が圧縮機29に戻される。圧縮機29にて冷媒が圧縮されて高温、高圧とされて吐出されるという循環が行われる。
このヒートポンプ21の駆動と共に、ファン装置22が駆動されることにより、図3、図5に矢印Aで示すように、水槽3(回転ドラム4)内の空気が、排気口11、12から排気ダクト13、後部ダクト23を通ってヒートポンプダクト24に至る。そして、後部ダクト23を通った空気は、ヒートポンプダクト24内を流れて蒸発器27及び凝縮器28を順に通った後、給気ダクト25に流れ、給気口18及び孔4aを通って回転ドラム4内に供給されるという循環が行われる。
この空気の循環により、水槽3(回転ドラム4)内の衣類から湿気を奪って多量の蒸気を含んだ空気が、ヒートポンプダクト24内の蒸発器27部分を通って冷却されることにより、蒸気が凝縮(あるいは昇華)されて除湿される。そして、その除湿空気が引き続き凝縮器28部分を通ることにより加熱されて乾いた温風となり、再び給気ダクト25を通して回転ドラム4内に供給され、衣類の乾燥に供されるようになる。
尚、ヒートポンプ21や循環風路20の要部には、冷媒の温度や乾燥風の温度を検出するための複数個の温度センサ35が設けられている。後述する制御装置7は、ヒートポンプ21及びファン装置22を駆動すると共に、前記回転ドラム4を一方向に回転することにより、乾燥運転を実行する。このとき、制御装置7は、温度センサ35群の検出温度に基づいて、ヒートポンプ21(圧縮機29)やファン装置22を駆動制御するようになっている。
さて、前記フィルタ部材16及び排気ダクト13部分の構成について、図6〜図11も参照して詳述する。前記フィルタ部材16は、前記外槽3の外周面に前記排気口11、12を塞ぐように装着され循環風からリントLを捕獲する機能を果たす。本実施形態では、フィルタ部材16は、前記外箱2の前面側からの引出しによる取外しが可能に設けられる。
具体的には、図7等に示すように、フィルタ部材16は、プラスチック製の支持枠16aに、例えば不織布やメッシュ状の織物等からなるリントフィルタ16bを保持させて構成されている。この場合、図10等にも示すように、フィルタ部材16は、全体として、前後方向に長尺な長方形の薄板状をなすと共に、前後方向に見て水槽3の外周面に沿うような緩やかな湾曲を有した形態とされ、水槽3の外面側から両排気口11、12全体を塞ぐように配置される。
このフィルタ部材16は、水槽3の外周面に沿って、前後方向にスライド移動可能に設けられており、両排気口11、12を塞ぐ装着位置から前方への引き出しが可能とされる。このとき、図2に示すように、外槽3の外周面部には、フィルタ部材16を出し入れする際の前後方向のガイドとなるガイド部26が設けられている。このガイド部26は、フィルタ部材16が前方から差し込まれるようにして、フィルタ部材16の長手方向に延びる両辺部を上方への抜け止め状態としながら前後方向にスライド移動するように案内する構成とされている。
また、本実施形態では、図1、図4に示すように、前記排気ダクト13は、水槽3の外面に、前記排気口11、12と連通するように風路カバー19を取付けることにより構成されている。図6、図7、図10にも示すように、この風路カバー19は、主として上壁と右側壁とを有し、下面と左側面の大部分、つまり水槽3に接する部分が開口した、前後方向に長いほぼ矩形箱状に構成されている。また、図6、図7に示すように、この風路カバー19の前壁部には、フィルタ部材16を出し入れするための出入口19aが設けられている。尚、風路カバー19の後端部は前記後部ダクト23につながっている。
そして、前記フィルタ部材16の支持枠16aの前端部には、該フィルタ部材16の装着状態で前記出入口19aを閉塞する蓋部材17が一体的に連結されている。この蓋部材17の前面部には、ユーザが手指を掛けるための手掛け部17aが設けられている。この蓋部材17が風路カバー19の前壁部に装着された状態で、蓋部材17が出入口19aを塞ぐと共に、フィルタ部材16が正規の装着位置、即ち両排気口11、12を塞ぐ位置に配置される。このとき、図7、図8に示すように、風路カバー19の出入口19aの周囲部には、蓋部材17の周縁部の内面との間をシールして風漏れ等を防止するためのパッキン36が設けられている。
また、図9に示すように、前記外箱2の前部には前記蓋部材17の前方、つまり投入口扉5の右上部に位置して、フィルタ部材16の出し入れ用の開口部2a及びその開口部2aを開閉する扉37が設けられている。この場合、詳しく図示はしないが、扉37は、右辺部でヒンジにより回動可能に設けられている。扉37の前面の左上部には、取手部37aが設けられている。これにて、ユーザは、外箱2の前面側から、扉37を開放することにより、蓋部材17を介してフィルタ部材16を引き出して取り外すことができる。また、取り外し時と逆の手順で、フィルタ部材16を水槽3に装着することができる。
更に、本実施形態では、図10及び図11に示すように、前記水槽3には、洗濯運転時に、回転ドラム4から穴4aを通して水槽3の内周面に飛散した水を、フィルタ部材16の表面に沿って流れるように導くための導水部38が設けられている。この導水部38は、水槽3の外周面の、排気口11、12の円周方向両側の縁部に位置して、排気口11、12側(フィルタ部材16側)に凸なるような突起状をなし、内周側を向く面が斜面状をなすように構成されている。これにより、図11に矢印Eで示すように、水槽3の内周面に向けて飛散した水が、導水部38の斜面に当たって、フィルタ部材16の表面に沿うように反射する役割が期待されている。尚、図10及び図11では、フィルタ部材16の表面で捕獲したリントを符号Lで示している。
以上のように構成された洗濯乾燥機1は、上記のように、制御装置7により制御される。即ち、制御装置7には、操作パネル6から運転コースの設定等の操作信号が入力されると共に、前記水位センサ、前記温度センサ35群からの検知信号が入力される。そして、制御装置7は、各センサからの入力信号や予め記憶された制御プログラムに基づいて、前記給水弁、排水弁10、ドラムモータ8、ファン装置22(ファンモータ34)、ヒートポンプ21の圧縮機29等を制御し、設定された運転コースに応じて、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程からなる洗濯運転や、乾燥運転を自動で実行する。これら洗濯運転や乾燥運転の各行程の詳細については、周知であるので説明を省略する。
次に、上記構成の洗濯乾燥機1の作用について述べる。洗濯乾燥機1においては、例えば、回転ドラム4内に投入された衣類の洗濯運転が行われ、引続き、所定時間の乾燥運転が実行される。この乾燥運転では、圧縮機29が駆動されてヒートポンプ21が運転されると共に、ファン装置22が駆動される。また、ドラムモータ8の駆動により回転ドラム4が低速で正逆両方向に回転される。これにより、図1、図3、図5に矢印Aで示すように、水槽3(回転ドラム4)内の空気が、排気口11、12から循環風路20を通り、給気口18を通って水槽3内に供給される循環が行われる。
これにて、水槽3の背面側の給気口18から、循環風(乾いた温風)が水槽3内に供給される。その乾いた高温の空気は回転ドラム4内を通って衣類の乾燥(水分の蒸発)に供され、その後、湿気を含み温度も低下した空気が、排気口11、12から排出される。このとき、衣類から出たリントL(糸くず)等が、循環風と共に排気口11、12を通る際に、フィルタ部材16のリントフィルタ16bにより捕獲される。従って、リントLを、それ以降の循環風路20に流すことなく済ませることができ、リントLの循環風路20内への流出に伴う悪影響を防止することができる。
ここで、乾燥運転においてフィルタ部材16に捕獲されたリントLは、フィルタ部材16の内面に付着し、堆積していく。そのため、乾燥運転が繰り返えされることに伴い、フィルタ部材16の内面のリントLの堆積が多くなり、乾燥運転時の風量の低下を招いてしまう虞がある。そこで、フィルタ部材16にリントLがある程度溜まったタイミングで、ユーザは、以下のようにして、フィルタ部材16を外箱2から取り出して清掃の作業を行い、再び装着することができる。
即ち、フィルタ部材16を取出すにあたっては、ユーザは、外箱2前面の扉37を開いて開口部2aを開放する。開口部2aの奥に、風路カバー19の前壁部に取付けられた蓋部材17が位置しており、ユーザは、手掛け部17aを持って蓋部材17を手前に引き出せば、図6に示すように、蓋部材17と共にフィルタ部材16を取出すことができる。ユーザは、フィルタ部材16を取出してリントLの除去等の清掃を行うことができる。この場合、外箱2の前面側から容易にフィルタ部材16の取出しの作業を行うことができる。
清掃後のフィルタ部材16を装着するにあたっては、上記とは逆に、扉37の開放状態で、手掛け部17aを持って、フィルタ部材16を後端側から風路カバー19の出入口19aに差し込んでいく。このとき、ユーザは、ガイド部26に沿ってフィルタ部材16を出し入れすれば良いので、フィルタ部材16の着脱の作業を、より簡単(スムーズ)に行うことができるようになる。蓋部材17により出入口19aを閉塞させることにより、フィルタ部材16の装着が完了し、その後、扉37を閉じれば良い。このフィルタ部材16の装着状態では、蓋部材17によりフィルタ部材16が所定位置つまり、リントフィルタ16bが両排気口11、12を塞ぐ位置に保持される。また、蓋部材17により出入口19aが密に塞がれて風が漏れないようになり、排気ダクト13としての機能が保たれる。
また、詳しい説明は省略するが、洗濯運転においては、洗い、すすぎ、脱水等の行程が実行される。洗いやすすぎの行程では、水槽3内に水を溜め、回転ドラム4を回転させることが行われる。特に、脱水の行程では、回転ドラム4の高速での回転により、衣類に含まれる水分を遠心力で弾き飛ばすことが行われ、その水は孔4aを通して水槽3の内周面に飛散する。或いは槽洗浄の行程においても、回転ドラム4の高速回転により、水を水槽3の内周面に向けて飛散させることが行われる。
本実施形態では、上記のような洗濯運転の脱水時や槽洗浄時に、回転ドラム4の回転により水槽3側に飛散した水で、排気口11、12部分に臨むフィルタ部材16の表面を洗浄する、即ち、捕獲していたリントLを流し落とすことができる。特に、導水部38が設けられていることにより、図11に矢印Eで示すように、フィルタ部材16の表面側へ水を導くことができ、より一層効率的な洗浄を行うことができる。このように、洗濯運転の脱水時や槽洗浄時において、フィルタ部材16の清掃を一定程度行うことができ、その分フィルタ部材16のリントLの堆積を抑制し、ユーザによるフィルタ清掃の頻度を少なく済ませることができる。
ところで、給気口18が水槽3の背面に設けられているのに対し、従来では、排気口は水槽3の前端側に設けられ、乾燥風がショートカットしてすぐに抜けてしまうことを抑えるようにしていた。ところが、本発明者らの研究によれば、排気口を前から中央部まで長く延ばして、面積を大きくしても、乾燥風の抜けにより乾燥効率が減少することはなく、むしろ循環風の風量を多くすることができ、乾燥効率が向上することが確認された。そこで、排気口11、12を、前後方向に並んで設けることにより、衣類の乾燥効率を高めることができる。この場合、循環風の風量を増加させるために、ファン装置22(ファンモータ34)の回転数を上げなくても済むので、ファン装置22の騒音を抑えることができる。
そして、それら2個の排気口11、12に関し、1個のフィルタ部材16でリントLの捕獲を行うことができる。尚、排気口を単純に後ろ側に大きく広げる等、1個の大形の排気口を設けるようにしても、乾燥風の流れとしては良くなるが、それでは、水槽3の強度低下を招いてしまう虞がある。これに対し、本実施形態のように、排気口11、12を複数に分け、水槽カバーと水槽本体との夫々に設けることにより、形成も容易で、そのような水槽3の強度低下を抑えることができる。
このように本実施形態の洗濯乾燥機1によれば、次のような効果を得ることができる。即ち、本実施形態では、乾燥風からリントLを捕獲するフィルタ部材16は、外箱2の前面側からの引出しによる取外しが可能に設けられているので、ユーザは、フィルタ部材16を容易に取外すことができ、フィルタ部材16で捕獲したリントLの廃棄、フィルタ部材16の清掃の作業を容易に行うことができる。フィルタ部材16の清掃のためのフィルタ洗浄部を別途に設けることもないので、安価な構成で済ませることができる。この結果、水槽3の排気口11、12にフィルタ部材16を備えたものにあって、安価な構成で済ませながら、フィルタ部材16のメンテナンスを容易に行うことが可能となるという優れた効果を得ることができる。
特に本実施形態では、フィルタ部材16に、風路カバー19の一部を構成する蓋部材17を連結し、外箱2の開口部2aから出し入れ可能に構成したので、比較的簡単な構成でありながら、ユーザにとっての、フィルタ部材16を出し入れする際の操作性を良好とすることができる。このとき、水槽3の外周面に、フィルタ部材16の出し入れをガイドするガイド部26を設けたので、フィルタ部材16の着脱の作業を、より簡単に、よりスムーズに行うことができるようになる。
更に本実施形態では、洗濯運転時に、回転ドラム4から水槽3の内周面に飛散した水を、フィルタ部材16の表面に沿って流れるように導くための導水部38を設けるようにしたので、別途にフィルタ洗浄部を設けることなく、いわば自動でフィルタ部材16の一定の清掃を行うことができ、メンテナンス性をより一層向上することができる。本実施形態では、2個の排気口11、12を、前後方向に並んで設けることにより、衣類の乾燥効率を高めることができながら、それら排気口11、12に関し、1個のフィルタ部材16でリントLの捕獲を行うことができ、フィルタ部材16部分の構成の複雑化を防止することができる。
(2)第2〜第4の実施形態、その他の実施形態
図12及び図13は、第2の実施形態を示している。この第2の実施形態が上記第1の実施形態と異なるところは、水槽3の排気口11、12を塞ぐように装着され循環風からリントLを捕獲するためのフィルタ部材41の構成にある。即ち、フィルタ部材41は、やはり、支持枠41aにリントフィルタ41bを保持させて構成され、全体として、前後方向に長尺な長方形の薄板状をなしている。このとき、フィルタ部材41は、軸方向つまり前後方向に見て、水槽3の外周側に凸となる緩やかな湾曲形状を、円周方向に2つつなげた形状、いわゆるカモメ形状に構成されている。
このフィルタ部材41の形状は、支持枠41aを予め上記形状に成形しておくことにより実現される。これにより、フィルタ部材41(支持枠41a)の円周方向の中央部に、導水部42が、水槽3の内周側に向けて凸形状(V形状)となるように設けられている。この場合、洗濯運転の脱水時や槽洗浄時に、図13に矢印Fで示すように、回転ドラム4の回転によりフィルタ部材41に向けて飛散した(掛かった)水を、導水部42の両側に振り分けるようにしながら流すことができる。
従って、本実施形態によれば、洗濯運転時に水槽3の内周面に飛散した水により、フィルタ部材41の表面に堆積していたリントLを剥がす効果を、より一層高めることができる。ひいては、フィルタ部材41のいわば自動での洗浄をより一層効率的に行うことができ、メンテナンス性をより高めることができる。第1の実施形態と同様に、安価な構成で済ませながら、フィルタ部材16のメンテナンスを容易に行うことが可能となるという効果が得られることは勿論である、尚、この場合においても、上記第1の実施形態で説明したと同様に、水槽3側の導水部38を併せて設けるようにしても良く、より効果的となる。
図14〜図16は、第3の実施形態を示すものである。この第3の実施形態が上記第1の実施形態と異なる点は、水槽3の排気口11、12を塞ぐように装着され循環風からリントLを捕獲するためのフィルタ部材51部分の構成にある。ここで、排気ダクトを構成する風路カバー52は、主として上壁と右側壁とを有した、前後方向に長いほぼ矩形箱状に構成されている。風路カバー52の前面は開口し、フィルタ部材51を出し入れする出入口52aとされている。
そして、図16に一部示すように、前記フィルタ部材51は、やはり支持枠51aにリントフィルタ51bを保持して構成され、前後方向に長く、水槽3の外周面に沿う湾曲を有した長方形薄板状をなしている。本実施形態では、フィルタ部材51は、前記出入口52aを通して前面側からの出し入れが可能な引出状の箱体53に取付けられている。図14、図15にも示すように、この箱体53は、風路カバー52の上壁の内面に配置される上壁部と、風路カバー52の右側壁の内面に配置される右側壁部と、前記出入口52aを開閉するように位置される前面の蓋部材54とを有している。
前記フィルタ部材51は、図16に示すように、円周方向両側の辺部が、箱体53の上壁部の左辺部下面と、箱体53の右側壁部の下辺内面との間に掛け渡されるように連結されている。図14、図15に示すように、前記蓋部材54の前面部には、手掛け部54aが設けられている。また、蓋部材54の上辺部及び右側辺部には、風路カバー52との固定のための留め具55がヒンジを介して取付けられている。
この構成においては、通常時(使用時)には、図15に示すように、箱体53が風路カバー52内に収容され、この状態で、フィルタ部材51が排気口11、12を塞ぐように配置される。また、この状態では、留め具55によって蓋部材54が出入口52aを閉塞する状態にロックされ、風の漏れなどが防止される。そして、フィルタ部材51を清掃する際には、ユーザは、留め具55によるロックを外した上で、図14に示すように、蓋部材54の手掛け部54aに手を掛けて箱体53を前方に引き出すことにより、フィルタ部材51を取り出すことができる。フィルタ部材51の清掃後は、再び箱体53を風路カバー52内に収容し、留め具55によるロックを行えば良い。
従って、この第3の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、ユーザが、フィルタ部材51を容易に取外すことができ、フィルタ部材51の清掃の作業を容易に行うことができる。フィルタ部材51の清掃のためのフィルタ洗浄部を設けた場合に比べ、安価な構成で済ませることができる。この結果、水槽3の排気口11、12にフィルタ部材51を備えたものにあって、安価な構成で済ませながら、フィルタ部材51のメンテナンスを容易に行うことが可能となるという優れた効果を得ることができる。
図17は、第4の実施形態を示すものであり、次の点が上記第1の実施形態等と異なる。即ち、図示はしないが、フィルタ部材16は、全体として、前後方向に長尺な長方形の薄板状をなすと共に、前後方向に見て水槽3の外周面に沿うような緩やかな湾曲を有した形態とされている。これに対し、排気ダクトを構成する風路カバー61の前壁部には、前記フィルタ部材16を出し入れできる程度の湾曲スリット状の出入口61aが形成されている。そして、その出入口61aを塞ぐように、蓋部材62が配置されている。
このとき、蓋部材62は、フィルタ部材16の支持枠の前端部に一体に設けられており、蓋部材62とフィルタ部材16とが連結されている。蓋部材62の前面には手掛け部62aが設けられている。このような構成によっても、上記第1の実施形態等と同様に、ユーザが、前面側からフィルタ部材16を容易に取外すことができる。従って、水槽3の排気口11、12にフィルタ部材16を備えたものにあって、安価な構成で済ませながら、フィルタ部材16のメンテナンスを容易に行うことが可能となるという優れた効果を得ることができる。
尚、上記各実施形態では、水槽3に2個の排気口11、12を設けるようにしたが、3個以上の排気口を前後方向に並べて設けるようにしても良く、水槽3の外周面の後部1/3の位置にも排気口を配置する構成としても良い。排気口11、12の大きさ(開口面積)などの具体的数値についても、一例を示したに過ぎず、適宜変更して実施することができる。排気口は、1個であっても良い。その他、例えば除湿加熱機構としては、ヒートポンプを備えるものに限らず、水冷式の除湿及びヒータ加熱による温風生成を行うものであっても良い等、衣類乾燥機の各部のハードウエア構成についても、様々な変更が可能である。洗濯機能を備えない乾燥のみを行う衣類乾燥機であっても良い。
上記各実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、1は洗濯乾燥機(衣類乾燥機)、2は外箱、2aは開口部、3は水槽(外槽)、4は回転ドラム、4aは孔、7は制御装置、8はドラムモータ、11、12は排気口、13は排気ダクト、16、41、51はフィルタ部材、16a、41a、51aは支持枠、16b、41b、51bはリントフィルタ、17、54、62は蓋部材、17a、54a、62aは手掛け部、18は給気口、19、52、61は風路カバー、19a、52a、61aは出入口、20は循環風路、21はヒートポンプ(除湿加熱機構)、22はファン装置、23は後部ダクト、24はヒートポンプダクト、25は給気ダクト、26はガイド部、36はパッキン、37は扉、38、42は導水部、53は箱体、55は留め具、Lはリントを示す。

Claims (6)

  1. 外箱と、
    前記外箱内に設けられ給気口を有すると共に周面前部寄りに排気口を有する外槽と、
    前記外槽内に横軸周りに回転可能に設けられ衣類が収容される回転ドラムと、
    前記給気口と前記排気口との間を前記外槽の外側において連通させるように設けられた循環風路と、
    前記回転ドラム内の空気を前記循環風路を通して循環させるファン装置と、
    前記循環風路内の循環風の除湿及び加熱を行う除湿加熱機構と、
    前記外槽の外周面に前記排気口を塞ぐように装着され循環風からリントを捕獲するフィルタ部材とを備え、
    前記フィルタ部材は、前記外箱の前面側からの引出しによる取外しが可能に設けられている衣類乾燥機。
  2. 前記回転ドラム内の衣類を洗濯する洗濯機能を備えるものであって、
    洗濯運転時に、前記回転ドラムから前記外槽の内周面に飛散した水を、前記フィルタ部材の表面に沿って流れるように導くための導水部が設けられている請求項1記載の衣類乾燥機。
  3. 前記導水部は、前記フィルタ部材の中央部に、内周側に凸形状となるように設けられている請求項2記載の衣類乾燥機。
  4. 前記外槽の外周面部には、前記フィルタ部材を出し入れする際のガイドとなるガイド部が設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の衣類乾燥機。
  5. 前記外箱の前部には、フィルタ部材出入用の開口部及びその開口部を開閉する扉が設けられ、
    前記循環風路の一部を構成する排気ダクトの前壁部には、前記開口部の奥部に位置して、前記フィルタ部材の出入口が設けられていると共に、
    前記フィルタ部材の前端側には、手掛け部を有し該フィルタ部材の装着状態で前記出入口を閉塞する蓋部材が一体的に連結されている請求項1から4のいずれか一項に記載の衣類乾燥機。
  6. 前記排気口は、前後方向に並んで複数が設けられており、
    前記フィルタ部材は、それら複数の排気口を塞ぐように、前後方向に長尺に構成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の衣類乾燥機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110786642A (zh) * 2019-11-08 2020-02-14 邵阳县源美科技时尚有限公司 一种美容美发用带有清洁装置的工具车
WO2024125206A1 (zh) * 2022-12-15 2024-06-20 重庆海尔滚筒洗衣机有限公司 一种衣物处理设备的烘干装置及衣物处理设备

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