JP2019180738A - 粒子線治療システム、及び粒子線治療システムの照射位置制御方法 - Google Patents

粒子線治療システム、及び粒子線治療システムの照射位置制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019180738A
JP2019180738A JP2018074599A JP2018074599A JP2019180738A JP 2019180738 A JP2019180738 A JP 2019180738A JP 2018074599 A JP2018074599 A JP 2018074599A JP 2018074599 A JP2018074599 A JP 2018074599A JP 2019180738 A JP2019180738 A JP 2019180738A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
irradiation
particle beam
position correction
spot
therapy system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018074599A
Other languages
English (en)
Inventor
貴啓 山田
Takahiro Yamada
貴啓 山田
風太郎 えび名
Futaro Ebina
風太郎 えび名
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2018074599A priority Critical patent/JP2019180738A/ja
Publication of JP2019180738A publication Critical patent/JP2019180738A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Radiation-Therapy Devices (AREA)

Abstract

【課題】ビーム軸の調整によるスポット照射位置の変化を抑制することができる粒子線治療システムを提供する。【解決手段】粒子線を発生させる加速器20と、照射野を形成する照射ノズル40を有し、加速器20で発生させた粒子線を患部51に対して照射する照射装置と、照射パターン毎に関連付けられたスポット位置補正データを記憶する記憶部11aを有し、加速器20および照射装置を制御する全体制御装置11と、を備え、全体制御装置11は、ビーム軸が調整されたとき、ビーム軸の変化量に基づきスポット位置補正データを修正し、照射パターンおよびスポット位置補正データに基づき粒子線を照射する。【選択図】 図1

Description

本発明は、シンクロトロンやサイクロトロンなどの加速器により加速された粒子線をがん患部に照射してがん治療を行う粒子線治療システム及びその照射位置制御方法に関する。
特許文献1には、治療前の事前の照射で得られた結果に基づき、スポット毎の位置を補正して照射することで照射精度を向上させる陽子線治療システムが開示されている。
特許6150879号
粒子線治療において患部に粒子線を照射させる方法として、荷電粒子を直接走査しながら照射対象に照射するスキャニング照射法が知られている。
このスキャニング照射法では、3次元的な患部形状を深さ方向の複数の層に分割し、更に、各層を2次元的なスポットに分割する。深さ方向には粒子線のエネルギーを変更して各層を選択的に照射し、各層内では照射する粒子線を電磁石により2次元的に走査することで各スポット位置に所定の線量を与える。以下では、走査をせずに原点に向かって照射する際の照射ノズル内のビーム軌道をビーム軸と呼ぶ。
照射の際、スポットの位置・サイズおよび線量は照射ノズル内に設置されたモニタによって逐次計測され、照射制御に使用される。スポットの位置およびサイズはプロファイルモニタによって計測される。また、スポットの線量は線量モニタによって計測される。
各スポットの照射量は、患部に所定の線量が照射されるように計画されている。スポット毎の線量分布には空間的広がりがあるため、患部の周辺に在る組織にも線量が付与される。この線量分布の空間的広がりをスポットサイズと呼ぶ。患部以外への照射量を低減する為にスポット位置精度の向上が求められている。
上述した特許文献1には、電磁石の渦電流と磁化が原因となりスポットの位置に誤差が生じることが示されている。また、特許文献1では、治療前の事前の照射で得られた結果に基づき、スポット毎の位置を補正して照射することで照射精度を向上させる陽子線治療システムが開示されている。このスポット毎の位置の補正量は、複数日に渡って実施される治療期間の中では一定に保たれる。
このように、スキャニング照射を行う場合には、治療を実施する前に事前照射を実施してスポット毎の位置補正量を算出し、照射野毎にテーブルとして保存している。その上で、治療の際は、このテーブル中の位置補正量を計画スポット位置に加算した目標スポット位置補正データを用いて照射を行っている。
一方、ビーム軸は季節的に変動する。例えば、外気温などによって治療システムを支えるコンクリート等の基礎が微妙に伸縮することで生じるものである。このような季節的な変動の為、変動量が大きくなった場合や、週に1度や月に1度という頻度でビーム軸は調整されることがある。
しかしながら、特許文献1に示された方法では、スポット毎の位置補正量は治療期間中で一定である為、治療期間中にビーム軸の調整が行われた場合、その調整によりスポット毎の照射位置が変化する可能性がある、との問題があることが本発明者らの検討によって明らかとなった。
本発明は、ビーム軸の調整によるスポット照射位置の変化を抑制することができる粒子線治療システムを提供する。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、患者の患部に対して粒子線を照射する粒子線治療システムであって、前記粒子線を発生させる粒子線源と、照射野を形成する照射ノズルを有し、前記粒子線源で発生させた前記粒子線を前記患部に対して照射する照射装置と、照射パターン毎に関連付けられたスポット位置補正データを記憶する記憶領域を有し、前記粒子線源および前記照射装置を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記照射ノズルに入射する前記粒子線のビーム軸が調整されたとき、前記ビーム軸の変化量に基づき前記スポット位置補正データを修正し、照射パターンおよび前記スポット位置補正データに基づき前記粒子線を照射することを特徴とする。
本発明によれば、ビーム軸の調整によってスポット毎の照射位置が変化することを抑制することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態の粒子線治療システムの全体構成を示す図である。 本実施形態の粒子線治療システムの粒子線スキャニング照射ノズルの概略を示す図である。 患部をスキャニング照射していく時の、同じエネルギーで照射する層と粒子線と照射スポットを示す図である。 患部をスキャニング照射していく時の深さ方向の線量分布を示す図である。 患者および照射野と関連付けられたスポット位置補正テーブルを示す図である。 スポット位置補正テーブルの内容を示す図である。 本実施形態の粒子線治療システムにおいて、ビーム軸を調整した際のディスプレイの表示画面を示す図である。 従来技術でビーム軸を調整した場合のスポット位置誤差の変化を示す図である。 本実施形態の粒子線治療システムにおいてビーム軸調整した場合のスポット位置誤差の変化を示す図である。
以下に本発明の粒子線治療システム、及び粒子線治療システムの照射位置制御方法の実施形態について図1乃至図9を用いて説明する。
最初に、粒子線治療システムの全体構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態の粒子線治療システムの全体構成を示す図である。
図1において、粒子線治療システムは、患者5の患部51(図2参照)に対して粒子線を照射するシステムであり、粒子線90(以下、ビーム90、図2参照)を加速する加速器20と、加速されたビーム90を照射ノズル40まで輸送するビーム輸送系30と、患部にビームを照射する照射ノズル40と、治療台50と、全体制御装置11と、加速器・ビーム輸送系制御装置12と、照射制御装置13と、ディスプレイ14と、を備える。
加速器20は、入射器21とシンクロトロン加速器22を備える。加速器20で光速の6〜7割まで加速されたビーム90は加速器20からビーム輸送系30に出射され、ビーム輸送系30に配置された偏向電磁石31により真空中を磁場で曲げられながら照射ノズル40まで輸送される。ビーム輸送系30は患者5の周りを回転して照射方向を決定する所謂、回転ガントリーである。
ビーム輸送系30内のビーム90の軌道は、ガントリー取り合い点(回転ガントリーと加速器20との接続箇所)に設けられたビーム位置計測器32により計測され、ステアリング電磁石33で調整可能に構成されている。なお、図1においてビーム位置計測器32およびステアリング電磁石33はそれぞれ1台が描かれているが、実際は複数台ずつ設置される。
照射ノズル40はビーム90を照射領域の形状に合致するように整形する装置であり、整形されたビーム90が照射対象に照射される。照射対象は、例えば治療台50に横になった患者5の患部51などである。
次に、粒子線スキャニング照射ノズルの詳細について図2乃至図4を用いて説明する。図2は粒子線スキャニング用の照射ノズル40の概略を示す図である。図3は患部をスキャニング照射していく時の、同じエネルギーで照射する層と粒子線と照射スポットを示す図である。図4は患部をスキャニング照射していく時の深さ方向の線量分布を示す図である。
図2に示すように、照射ノズル40内には、走査電磁石41A,41B、線量モニタ42、位置モニタ43、リッジフィルタ44、レンジシフタ45が配置されている。
また、照射制御装置13は、照射ノズル制御装置13A、線量モニタ制御装置72、位置モニタ制御装置73、走査電磁石電源制御装置71、走査電磁石電源61A,61Bを有している。
照射ノズル40では、ビーム90の通過方向に対して垂直な平面(x方向およびy方向)にビーム90を走査する走査電磁石41A,41Bにより二次元平面内にビーム90が走査される。走査電磁石41A,41Bにより走査されたビーム90は、患部51に照射される。
線量モニタ42は各スポットに照射されるビーム90の線量を演算するために、ビーム90の通過によって生じた電子を収集するためのモニタである。線量モニタ42の検出信号(電子を収集して得られたパルス信号)は線量モニタ制御装置72に入力される。
線量モニタ制御装置72は、線量モニタ42から入力された検出信号に基づいて各照射スポットに照射される照射量を演算し、演算した照射量を照射ノズル制御装置13Aに出力する。
位置モニタ43は各照射スポットの位置(例えば重心の位置)を演算するために、ビーム90の通過によって生じた電子を収集するためのモニタである。位置モニタ43の検出信号(電子を収集して得られたパルス信号)は位置モニタ制御装置73に入力される。
位置モニタ制御装置73は、位置モニタ43から入力された検出信号に基づいて各照射スポットにおける線量をカウントし、演算したカウント値を位置モニタ43から入力された検出信号とともに照射ノズル制御装置13Aに出力する。
照射ノズル制御装置13Aは、位置モニタ43で計測された検出信号よりビーム90の通過位置を求め、求めた通過位置のデータから照射スポットの位置および幅の演算を行い、ビーム90の照射位置を確認する。
リッジフィルタ44は、ブラッグピークを太らせるために必要な場合に使用する。レンジシフタ45は、ビーム90の到達位置を調整する際に挿入することができる。
本実施形態の粒子線治療システムで用いられるスキャニング照射では、あらかじめ治療計画装置(図示省略)で患部を一様な線量で照射するための照射スポットの位置と各照射スポットに対する目標照射量とを計算する。粒子線スキャニング照射の模式図を図3に示す。
図3に示すように、スキャニング照射では、患部51を層52に分割し、各層52内は同じエネルギーのビーム90で照射していく。一つの層52内には照射スポット53が1つ以上配置される。
治療計画装置で計算された患者毎のデータは、治療計画装置から図1に示す粒子線治療システムの全体制御装置11に送られる。全体制御装置11は、加速器・ビーム輸送系制御装置12にエネルギー変更、ビームの出射信号又は出射停止信号などを出力する。
また、全体制御装置11は、各スポットの座標値とそのスポットへの照射量とのデータを照射制御装置13内の照射ノズル制御装置13Aに送信する。照射スポットの座標値は、照射ノズル制御装置13Aにおいて走査電磁石41A,41Bの励磁電流値に変換されて、走査電磁石電源制御装置71に送られる。
走査電磁石電源制御装置71は、入力された励磁電流値が走査電磁石41A,41Bにおいて得られるよう、走査電磁石電源61A,61Bに対して指令信号を出力し、走査電磁石電源61Aは走査電磁石41Aに対して指令量の電流を供給し、走査電磁石電源61Bは走査電磁石41Bに対して指令量の電流を供給する。
更に、本実施形態の全体制御装置11は、照射パターン毎に関連付けられたスポット位置補正テーブルや、照射ノズル40に入射する粒子線のビーム軸の位置を記憶する記憶部11a(記憶領域)を有している。全体制御装置11は、各スポットの座標値とそのスポットへの照射量とのデータを照射ノズル制御装置13Aに送信する際に、記憶部11aに記憶されたスポット位置補正テーブルについても併せて照射ノズル制御装置13Aに送信する。なお、記憶部11aは、全体制御装置11の内部になくてもよく、データサーバなどネットワークを介して接続されている構成でもよい。
照射ノズル制御装置13Aは、受領した各スポットの座標値とそのスポットへの照射量とのデータ、スポット位置補正テーブルに基づいて、走査電磁石41A,41Bの励磁量を制御し、所定の位置への所定量の粒子線の照射を実現する。
治療計画装置で配置されたある照射スポット53に対して、定められた照射量のビーム90を照射すると、次の照射スポット53を照射する。ある層52の照射が完了すると、次の層52の照射を行う。
ビーム進行方向、すなわち患部深さ方向の照射位置変更には、ビームのエネルギーを変更する。ビームのエネルギーが変化すると、ビームの体内到達位置が変わる。エネルギーの高い粒子線は体内の深い位置まで到達し、エネルギーの低い粒子線は体内の浅い位置までしか到達しない。
スキャニング照射では、深さ方向の一様な線量分布形成にビームのエネルギーを変更して、照射量を適切に配分することにより深さ方向のSOBP(Spread Out Bragg Peak)を形成する。各エネルギーの照射量を適切に配分することで各エネルギーのブラッグカーブ81を重ね合わせて、図4に示すように深さ方向に一様な線量分布SOBP82を形成する。
ここで、全体制御装置11は、照射前に、図5に示すような、治療計画を参照することで患者5の照射野毎のスポット位置補正テーブルを作成し、記憶部11aに保存しておく。このスポット位置補正テーブルの作成にあたっては、全体制御装置11は、治療計画の情報中の患者ID及びフィールドID(ガントリ回転角度情報、照射角度情報)を用いて患者及び照射野を識別して、治療を実施する前の事前照射によって予め求めた各フィールド毎のスポット位置座標毎の位置補正量のデータからフィールドIDに対して1対1で対応する位置補正量のデータを特定し、スポット位置補正テーブルとして保存する。
なお、以後の説明では「テーブル」という表現にて本発明の情報を説明するが、これら情報は必ずしもテーブルによるデータ構造で表現されていなくても良く、「リスト」、「DB(データベース)」、「キュー」等のデータ構造やそれ以外で表現されていても良い。そのため、データ構造に依存しないことを示すために「テーブル」、「リスト」、「DB」、「キュー」等については、単に「情報」や「データ」と呼ぶこともできる。
スポット位置補正テーブルは、図6に示すように、患者ID、フィールドIDおよび各フィールドID中のスポット毎の照射位置補正量が保存されているテーブルデータである。スポット毎の照射位置補正量は、図6に示すように、2台の走査電磁石41A,41Bで走査するx方向、y方向のそれぞれの方向に対して設定される。
スポット位置補正テーブルを持つ照射野を照射する場合、全体制御装置11は照射制御装置13の照射ノズル制御装置13Aにスポット位置補正テーブルを送信する。照射ノズル制御装置13Aは、治療計画装置で計算されたスポット毎の座標値に、スポット位置補正テーブルの補正値を加算してスポット毎の座標値を補正する。
以下、上述したスポット毎の照射位置補正量の算出方法を説明する。
スポット毎の照射位置補正量を算出するために、治療の前に事前照射を実施する。この事前照射とは、数日から数十日間にわたって行われる治療の開始数日前に、治療台50の上に患者5が乗っていない状態で、治療時と同じガントリー角度で、治療計画通りのスポット位置を目標照射位置とする治療ではない照射のことである。
事前照射で照射されたスポットの位置は照射ノズル40内の位置モニタ43で計測され、照射ノズル制御装置13Aに記録される。スポット毎の照射位置補正量は治療計画のスポット位置と上述の事前照射において計測された照射位置との差分として算出される。
より具体的には、あるスポットの計画位置Xpに対する事前照射でのスポット位置が位置Xiであった場合、位置補正量は−(Xi−Xp)と求まる。このように全てのスポットに対して位置補正量を算出し、スポット位置補正テーブルとして記憶部11aに保存しておく。
なお、事前照射であることを全体制御装置11が認識する為に、全体制御装置11に治療モードと事前照射モードとを分けて設定する機能を設けておく、全体制御装置11内に既照射のフィールドIDを保存しておき、その中に照射したフィールドIDがなければ事前照射であると判定する機能を設けておく、等、様々な方法で認識できるようにすることが望ましい。
次に、ビーム軸の調整時の位置補正方法を説明する。
スポット照射位置の補正での位置計測とは異なり、ビーム輸送系30のビーム軌道はビーム位置計測器32により計測される。ビーム軌道は事前照射の最中もしくは前後に計測され、計測結果はスポット位置補正テーブルIDと関連づけて全体制御装置11に保存される。
ビーム軸を調整する際は、ビーム位置計測器32により計測されたビーム軌道に基づき、予め設定された目標位置にビーム軌道を調整する為に必要なステアリング電磁石33の励磁量を算出する。また、調整後のステアリング電磁石33の励磁量を用いて実際に照射して、調整後のビーム軌道を計測する。調整前後のビーム軌道は全体制御装置11の記憶部11aで保存される。
なお、計測点(ビーム位置計測器32)におけるビーム軌道の変化に対する照射ノズル40内のビーム軸の変化は、ビームの輸送計算によって求めることが出来る。この際の輸送計算のパラメータは設計値でも良いし、実測に基づき設定しても良い。
また、ビーム位置計測器32の位置におけるビーム軌道の変化に対する照射ノズル40内のビーム軸の変化はビーム輸送計算で求めることができるため、ビーム輸送系30が回転ガントリーの場合、照射ノズル40内のビーム軸の変化は、ガントリー角度毎に計測する必要はなく、ビーム位置計測器32によって計測されたビーム軌道の変化量からガントリー角度毎に輸送計算によって求めることができる。
本実施例の全体制御装置11では、ビーム軌道が調整された際には、スポット位置補正テーブルの位置補正量から、スポット位置補正テーブル作成時のビーム軸の位置とビーム軌道調整後のビーム軸の位置との差分を減算する。
具体的には、スポット位置補正テーブルのスポット位置補正量と、スポット位置補正テーブル作成時、すなわちーム軌道調整前のビーム軸の位置と、ビーム軌道調整後のビーム軸の位置とをそれぞれΔX、Xo、Xcとすると、ビーム軌道調整後の各スポット位置補正量はΔX−(Xo−Xc)となる。
ビーム軌道を調整した場合、図7に示すように、調整前のx方向およびy方向のビーム軸の位置とx方向およびy方向のビーム軸の傾きと、調整後のx方向およびy方向のビーム軸の位置とx方向およびy方向のビーム軸の傾きとをディスプレイ14において比較表示し、スポット位置補正テーブルに反映させるかどうかの判断を全体制御装置11の操作者(医師等)に求める。
操作者は表示された調整前後の計測結果を見比べ、ビーム軌道調整によるスポット位置補正テーブルの補正の要否を判断する。補正が必要であると判断した際は図7に示すYesボタン14aを選択し、必要でないと判断した際は図7に示すNoボタン14bを選択する。
操作者によってYesボタン14aが選択され事を認識したときは、全体制御装置11は、記憶部11aに記憶されているスポット位置補正テーブルの各患者IDの各フィールドIDの各スポットΔx,Δyの補正量から、ビーム軸補正量を減算し、更新記憶する。照射の際は、全体制御装置11は、更新後のスポット位置補正テーブルを用いる。
治療期間中にビーム軌道の調整を複数回実施する場合は、直近のビーム軌道調整時のビーム軸の値を使用することでスポット位置誤差を抑制できる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
上述した本実施形態の患者5の患部51に対して粒子線を照射する粒子線治療システムは、粒子線を発生させる加速器20と、照射野を形成する照射ノズル40を有した、加速器20で発生させた粒子線を患部51に対して照射する照射装置と、加速器20および照射装置を制御する全体制御装置11と、照射パターン毎に関連付けられたスポット位置補正テーブルを記憶する記憶部11aと、を備え、全体制御装置11は、ビーム軸が調整された時はビーム軸の変化量に基づきスポット位置補正テーブルを修正し、照射パターンおよびスポット位置補正テーブルに基づき粒子線を照射するものである。
以下、図8乃至9を用いて、本発明によるビーム軌道調整のために生じるスポット位置誤差の抑制効果を説明する。図8は、従来方法における、治療開始日からの日数に対するビーム軸位置及びスポット位置誤差を示す図である。図9は、本発明における、治療開始日からの日数に対するビーム軸位置及びスポット位置誤差を示す図である。
図8に示すように、従来技術によっても、治療開始直後はスポット位置補正テーブルによりスポット位置誤差は小さく抑えられるが、ビーム軸位置の変動によりスポット位置誤差は増大する。ビーム軌道を調整した後では、従来技術では、図8に示すように、ビーム軸位置は原点に近づけることができる。しかしながら、スポット位置補正テーブルはビーム軌道の調整前後で一定である為、図8に示すように、ビーム軌道を調整した分だけスポット位置誤差が発生する、との問題がある。
一方、本発明においても、図9に示すように、治療開始直後はスポット位置補正テーブルによりスポット位置誤差は小さく抑えられるが、季節要因によってビーム軸位置の変動は避けることができず、徐々にスポット位置誤差は増大する。しかしながら、本発明では、ビーム軌道を調整するとビーム軸位置は原点に近づく。これとともに、ビーム軸の移動量をスポット位置補正テーブルから減算補正しているため、図9に示すように、ビーム軸の調整量分だけスポット位置補正も補正され、スポット位置誤差が発生することが抑制される。従って、本発明によれば、従来に比べてスポット照射位置の誤差を低減することができる、との効果が得られる。
また、全体制御装置11は、粒子線の照射時にスポット位置補正テーブル作成のための事前照射であるか否かを判定し、事前照射であると判定された場合は、事前照射の際に照射ノズル40に入射するビーム軸を求めるため、スポット位置補正テーブル作成時に同時にビーム軸を求めることができ、ビーム軸の計測のみの照射が不要となり、効率的にスポット位置補正テーブルの補正が可能となる。
更に、粒子線を加速器20から照射装置へ輸送するビーム輸送系30を更に備え、照射ノズル40に入射するビーム軸は、ビーム輸送系30に設置されたビーム位置計測器32の計測結果に基づき算出することで、ビーム軸の計測がガントリー取り合い点のみの計測で済む、との効果が得られる。これにより、ガントリーの回転角度毎にビーム軸を計測する必要がなくなり、計測負荷を軽減することができる。
また、ビーム軸が調整された時に、ビーム軸の変化量に基づきスポット位置補正テーブルを補正するか否かの選択画面を表示するディスプレイ14を更に備えたため、ビーム軸の補正量がスポット詳細値の精度に影響を与えない水準であると判断した場合にまでスポット位置補正テーブルの修正を行うことを防ぐことができ、ビーム軸調整の負荷を軽減することができる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では、スポット間でビーム電流を停止する離散スポット照射法を例に説明したが、スポット間でビーム電流を停止しない連続スポット照射法にも同様に適用することができる。
また、加速器は、シンクロトロン加速器22の他に、サイクロトロン加速器やシンクロサイクロトロン加速器などの様々な公知の加速器を用いることができる。また、加速器で加速する荷電粒子は特に限定されず、例えば陽子や炭素等の重粒子等とすることができる。
更に、ビーム軸の測定をビーム輸送系30中に設けられたビーム位置計測器32によって計測して輸送計算によって求める場合について説明したが、照射ノズル40中の位置モニタ43を用いてビーム軸を直接計測してもよいし、位置モニタ43により直接計測するとともに、輸送計算により求めた結果とを併せて用いてもよい。
また、記憶部11aが全体制御装置に設けられている場合について説明したが、照射制御装置13内や、治療装置内の他の装置内に設けることや、更には独立した記憶装置として設けることができる。
更に、ビーム輸送系30が設けられた場合について説明したが、加速器20から照射ノズル40に直接ビームを輸送することができる。この場合、照射ノズル40内の位置モニタ43によってビーム軸を計測することでビーム軸の調整を行うことが望ましい。
5…患者
11…全体制御装置(制御装置)
11a…記憶部(記憶領域)
12…加速器・ビーム輸送系制御装置
13…照射制御装置
13A…照射ノズル制御装置
14…ディスプレイ(選択表示装置)
20…加速器(粒子線源)
21…入射器
22…シンクロトロン加速器
30…ビーム輸送系
32…ビーム位置計測器
33…ステアリング電磁石
40…照射ノズル
41A…走査電磁石
41B…走査電磁石
42…線量モニタ
43…位置モニタ
44…リッジフィルタ
45…レンジシフタ
50…治療台
51…患部
52…同じエネルギーで照射する患部の層
53…照射スポット
61A…走査電磁石電源
61B…走査電磁石電源
71…走査電磁石電源制御装置
90…ビーム

Claims (7)

  1. 患者の患部に対して粒子線を照射する粒子線治療システムであって、
    前記粒子線を発生させる粒子線源と、
    照射野を形成する照射ノズルを有し、前記粒子線源で発生させた前記粒子線を前記患部に対して照射する照射装置と、
    照射パターン毎に関連付けられたスポット位置補正データを記憶する記憶領域を有し、前記粒子線源および前記照射装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記照射ノズルに入射する前記粒子線のビーム軸が調整されたとき、前記ビーム軸の変化量に基づき前記スポット位置補正データを修正し、照射パターンおよび前記スポット位置補正データに基づき前記粒子線を照射する
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  2. 請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記制御装置は、前記粒子線の照射時にスポット位置補正データ作成のための事前照射であるか否かを判定し、事前照射であると判定された場合は、前記事前照射の際に前記照射ノズルに入射する前記ビーム軸を求める
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  3. 請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記粒子線を前記粒子線源から前記照射装置へ輸送する輸送系を更に備え、
    前記照射ノズルに入射する前記ビーム軸は、前記輸送系に設置された位置計測器の計測結果に基づき算出される
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  4. 請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記ビーム軸が調整されたとき、前記ビーム軸の変化量に基づき前記スポット位置補正データを補正するか否かの選択画面を表示する選択表示装置を更に備えた
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  5. 請求項1に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記スポット位置補正データは、治療計画のスポット位置と事前照射において計測された照射位置との差分である照射位置補正量を含む
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  6. 請求項5に記載の粒子線治療システムにおいて、
    前記スポット位置補正データの修正では、前記照射位置補正量から、前記ビーム軸の変化量を減算する
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
  7. 照射野を形成する照射ノズルを有し、粒子線を患部に対して照射する照射装置と、
    前記照射装置を制御する制御装置と、を備える粒子線治療システムの照射位置制御方法において、
    照射パターン毎に関連付けられたスポット位置補正データを記憶し、
    前記照射ノズルに入射する前記粒子線のビーム軸が調整されたとき、前記ビーム軸の変化量に基づき前記スポット位置補正データを修正し、
    照射パターンおよび前記スポット位置補正データに基づき前記粒子線を照射する
    ことを特徴とする照射位置制御方法。
JP2018074599A 2018-04-09 2018-04-09 粒子線治療システム、及び粒子線治療システムの照射位置制御方法 Pending JP2019180738A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018074599A JP2019180738A (ja) 2018-04-09 2018-04-09 粒子線治療システム、及び粒子線治療システムの照射位置制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018074599A JP2019180738A (ja) 2018-04-09 2018-04-09 粒子線治療システム、及び粒子線治療システムの照射位置制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019180738A true JP2019180738A (ja) 2019-10-24

Family

ID=68337324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018074599A Pending JP2019180738A (ja) 2018-04-09 2018-04-09 粒子線治療システム、及び粒子線治療システムの照射位置制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019180738A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111867227A (zh) * 2020-07-22 2020-10-30 中国科学院近代物理研究所 核孔膜生产终端束斑自动校准调束装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111867227A (zh) * 2020-07-22 2020-10-30 中国科学院近代物理研究所 核孔膜生产终端束斑自动校准调束装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5722559B2 (ja) 治療計画装置
JP5485469B2 (ja) 粒子線治療装置、および粒子線治療装置の照射線量設定方法
JP5822167B2 (ja) 荷電粒子照射装置および方法
JP4877784B2 (ja) 照射計画装置、粒子線照射システム、及び、これらに用いるコンピュータプログラム
JP2012045166A (ja) 荷電粒子線照射装置、荷電粒子線照射方法及び荷電粒子線照射プログラム
JP5395912B2 (ja) 粒子線照射システム
JP5976353B2 (ja) 荷電粒子照射システムおよび照射計画装置
US20150133713A1 (en) Method For Compensating The Deviation Of A Hadron Beam Produced By A Hadron-Therapy Installation
JP4673450B1 (ja) 粒子線照射装置及び粒子線治療装置
WO2015155868A1 (ja) 粒子線照射装置
US9937361B2 (en) Particle beam irradiation apparatus
JP5676741B2 (ja) 粒子線照射装置及び粒子線治療装置
WO2018116354A1 (ja) 放射線照射計画装置、臨床判断支援装置およびプログラム
JP2019180738A (ja) 粒子線治療システム、及び粒子線治療システムの照射位置制御方法
JP2021194349A (ja) 荷電粒子ビーム照射装置
JP5777749B2 (ja) 粒子線治療装置、および照射線量設定方法
JP2012029821A (ja) 粒子線治療システム及び粒子線照射方法
JP2018143680A (ja) 粒子線治療システム
JP2014028310A (ja) 粒子線照射システム
JP7220403B2 (ja) 粒子線治療システム、計測粒子線ct画像生成方法、およびct画像生成プログラム
JP6063982B2 (ja) 粒子線治療システム
JP7165559B2 (ja) 治療計画システム
JP6968761B2 (ja) 放射線治療システムおよび治療計画データの検証方法
JP6839987B2 (ja) 治療計画装置および粒子線治療システム
WO2019163291A1 (ja) 粒子線照射システムおよび照射計画装置