JP2019180686A - 照明機構、撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物に対する照射光の入射角と、対象物に対する反射光の反射角とをともにある程度大きくしても、良い艶消し画像を撮像できるようにするための技術を提供する。【解決手段】発光体31から出た照明光は、第1偏光板32を通過して、直線偏光になる。第1偏光板32を通過した直線偏光である照明光は、眼球Xに当たり反射して反射光になる(図4(A))。反射光のうち表面反射光は、その偏光状態が維持されたままであり、第2偏光板33に遮断され、撮像素子12には届かない。他方、内部反射光は、その偏光状態が乱れており、その約半分が第2偏光板33を通過するので、その半分程度が撮像素子12に到達する(図4(B))。照明光は、眼球に対してP偏光である。【選択図】図4

Description

本発明は、撮像を行うための撮像装置に関し、また撮像装置で用いられる照明機構に関する。
撮像を行うときに、撮像の対象となる物である対象物の表面の艶を消した艶消し画像を撮像したい場合がある。
例えば、医療の現場であれば、表面が濡れた内臓を、一般的な撮像装置で撮像して艶消し画像でない画像を得た場合には、その画像に写り込んだ内臓の一部には照明光の反射による白飛びが生じる場合があり、また白飛びが生じないまでも本来の色彩が不明確になる場合がある。他方、撮像した画像が艶消し画像となるようにして撮像を行うことにより、それにより得た画像内に白飛びが無くなり、内臓の表面の色彩をより良く観察できるようになる。また、例えば、眼球を撮像する場合には通常、眼球の正面から撮像を行う限り、涙でその表面が濡れている眼球に、眼球の正面にある撮像装置が必ず写り込んでしまう。眼球を撮像した画像が艶消し画像なのであれば、眼球を撮像した画像に白飛びが生じるのを防止できるのに加えて、撮像装置の写り込みをも防止することができるようになる。
また、産業分野でも同様の課題がある。例えば、検品の目的でその一部に金属を含む部品を撮像しようとした場合には、金属の表面において生じる金属反射によって、撮像した画像に白飛びが生じたり、色彩が不明確になる場合がある。それらを防止するには、艶消し画像となるようにして撮像装置で画像を撮像するのが効果的である。
艶消し画像を撮像するための技術として、本願出願人が過去に提案した技術が存在する。それは2つで1組の直線偏光板を組合せた照明機構を備えた撮像装置である。
直線偏光が、対象物の表面に当たって反射する場合、若干正確性を欠くかもしれないが以下のような現象が生じる。まず、対象物に当って対象物の最表面で直線偏光が反射した場合、その反射光(本願では、これを「表面反射光」と称することにする。)はそのまま偏光状態を保つ。他方、対象物に当って対象物の僅かに内部に入ってから直線偏光が反射した場合、その反射光(本願では、これを「内部反射光」と称することにする。)では偏光性が崩れ、自然光に近づく。反射しても偏光状態を保つ表面反射光が、対象物の艶に関する光なので、直線偏光が対象物に当って生じる表面反射光と内部反射光という2種類の反射光のうち、表面反射光を除去することができれば、結果として撮像される画像は艶消し画像となる。
本願出願人が提案した上記技術は、自然光である照明光を対象物へ照射する光源と、対象物で反射した反射光を撮像する撮像素子を有する撮像装置に関する。ここで、この撮像装置は、上述のように2つで1組の直線偏光板を備えている。1つ目の直線偏光板である第1偏光板は、光源と対象物の間の照明光の光路上に位置させられる。第1偏光板を通過することにより、光源から出た元は自然光であった照明光は、直線偏光になる。2つ目の直線偏光板である第2偏光板は、対象物と撮像素子の間の反射光の光路上に位置させられる。第2偏光板は、それに自然光を通過させた場合に生じる直線偏光の偏光面が、光源からの自然光が第1偏光板を通過することによって生じた直線偏光の偏光面と直交するような関係となるように配されている。反射光には上述のように表面反射光と内部反射光とが含まれるが、偏光性を保ったままの表面反射光は第2偏光板で遮断され、自然光に近づいた内部反射光のうち、第2偏光板を通過できる成分のみが第2偏光板を通過する。第2偏光板を通過した内部反射光のみが撮像素子に到達して撮像素子で撮像されることにより、撮像の結果として得られる画像は、艶消し画像となる。
特開平4−214523号公報
ところで、第1偏光板と第2偏光板とを有する上述の撮像装置は、現在は本願出願人のみならず広く実施されるようになっているが、かかる撮像装置では照明光と、反射光とが、可能な限り互いに平行になるように設計するのが常識とされている。対象物が撮像素子に事実上正対する平面であると仮定した場合には、理想的には照明光と反射光の光路は少なくとも対象物の近傍では完全に一致するようにするのが好ましい。この場合、対象物に対する照射光の入射角と、対象物に対する反射光の反射角とは、ともに限りなく0に近くなる。
このようにすべきなのは、対象物に対する照射光の入射角が大きくなるにつれ、「直線偏光である照射光が対象物で反射した場合に生じる表面反射光は、その偏光性を保つ」という性質が維持されなくなるからである。表面反射光が偏光性を保てなくなり自然光に近づくと、内部反射光と同様に、表面反射光のうち第2偏光板を通過することのできる成分が、第2偏光板を通過する。そうすると、撮像される画像は、理想的な艶消し画像ではなくなり、一般的な画像に近づくことになる。
ところが、照明光と反射光とを互いに平行になるようにする設計よりも、両者の間にある程度の角度を付けたい、つまり、対象物に対する照射光の入射角と、対象物に対する反射光の反射角とをともにある程度大きくするような設計を行いたいという場合がある。そのような設計によれば、撮像素子からの光路長がより短い部分に対象物を置くことが可能となり、結果として撮像装置を小型化できる可能性があるからである。
しかしながら、上述のように、「対象物に対する照射光の入射角と、対象物に対する反射光の反射角とをともにある程度大きくする」ということと、「理想的な艶消し画像を得る」ということとはトレードオフの関係にあり、両者をともに満足させることは少なくとも従来の技術常識からすれば難しい。
本願発明は、対象物に対する照射光の入射角と、対象物に対する反射光の反射角とをともにある程度大きくしても、良い艶消し画像を撮像できるようにするための技術を提供することをその課題とする。
上述の課題を解決するため、本願発明者は鋭意研究を重ねた。
その結果、対象物に対する照射光の入射角が大きくなるにつれ、「直線偏光である照射光が対象物で反射した場合に生じる表面反射光は、その偏光性を保つ」という性質が維持されなくなるという上述の現象が生じるのは一般的には事実ではあるが、かかる現象には例外があるということを見出した。
その例外とは、直線偏光である入射光が、ある平面で反射して表面反射光が生じた場合において、入射光の偏光面がその平面に対してP偏光である場合には、仮に入射光の上記平面への入射角がある程度大きかったとしても、表面反射光はその偏光性をよく保つ、ということである。
以上の知見に基いてなされたのが本願発明である。
本願発明は、撮像対象となるものである対象物で反射した反射光を像光として撮像するものであり、前記対象物と事実上正対するように位置させられる撮像素子を有する撮像装置において用いられるものであり、前記対象物に対して正対しない位置から前記対象物に自然光である照明光を照射する光源と、前記光源と前記対象物との間の前記照明光の光路上に位置するものであり、それを通過した前記照明光を直線偏光とする直線偏光板である第1偏光板と、前記対象物と前記撮像素子との間の前記反射光の光路上に位置するものであり、前記第1偏光板を通過して直線偏光となった前記照明光のうち、前記対象物で反射して生じた表面反射光を遮断する向きとされている直線偏光板である第2偏光板と、を備えている、照明機構である。かかる照明機構は、光源と、撮像素子の位置関係を除けば基本的に、艶消し画像を撮像することを目的とする撮像装置で従来から用いられてきた照明機構と変わりはない。
そして、この照明機構では、前記第1偏光板は、それを通過した直線偏光となった前記照明光の偏光面が、前記対象物の表面が前記撮像素子と事実上正対する平面であると仮定した場合の当該平面である境界面との関係で、P偏光となるか、又はP偏光から20°以内の範囲内の関係となるようになっている。
第1偏光板の角度が上述したようなものであると、第1偏光板を通過して直線偏光となった照明光の偏光面が、境界面との関係でP偏光となるか、それに近くなる。そうすると、本願出願人が得た上述の知見の通り、照明光が対象物で反射することによって生じた反射光に含まれる表面反射光は、照明光の入射角が仮にある程度大きかったとしても(例えば、45°内外(←適当です)であったとしても)、その偏光性をよく保つ。それにより、第2偏光板を通過する成分を殆ど含まない表面反射光は、第2偏光板でよく遮断されるため、結果として撮像素子に到達する反射光は、反射光に含まれた内部反射光のうち第2偏光板を通過する成分のみとなる。したがって、撮像素子が撮像を行うことによって得られる画像は、良い艶消し画像となる。
なお、本願の照明機構を有する撮像装置では、撮像時において撮像素子は、対象物と「事実上」正対する。対象物から撮像素子までの反射光の光路(より正確には、その中央の光軸)が直線であれば、撮像素子は対象物と正しく正対する。他方、反射光の光軸が、例えば反射鏡やプリズムによって曲げられた場合には、少なくとも物理的な位置関係という観点からすれば、対象物に対して撮像素子は正対しない。もっとも、反射光の光軸が曲げられたとしても、撮像素子で撮像される画像に差が出ず、光軸が曲げられていない場合と、光軸が曲げられた場合とで、光学系として見た場合に両者が等価であると評価できる場合がある。物理的に撮像素子と対象物とが正対している場合のみでなく、物理的には撮像素子と対象物とが正対していない場合であっても採用されている光学系が物理的に撮像素子と対象物とが正対している場合と等価である場合をも含む意味で、本願では、『撮像素子が「事実上」対象物に正対している』という表現を用いる。
他方、本願の照明機構を有する撮像装置では、撮像時において光源は、対象物に対して正対しない位置に位置する。これは要するに、対象物の上述した境界面に対して照明光が斜めに照射される、という意味である。
なお、第1偏光板は、光源から出た光のうち、照明光となる光(最終的に撮像素子で撮像され得る光)を通過させるようになっていれば良く、光源から出た光のうち撮像素子での撮像に寄与しない光は通過させるようになっていなくても良い。また、第2偏光板は、反射光のうち最終的に撮像素子で撮像される光を通過させるようになっていればよく、反射光のうち撮像素子での撮像に寄与しない光は通過させるようになっていなくても良い。
本願発明において、光源の中で光を発する存在は、1つであっても構わない。他方、前記光源は、そのそれぞれが前記対象物に前記照明光を照射する複数の小光源を含んでいても良い。複数の小光源を光源が含む場合、前記第1偏光板は、すべての前記小光源から前記対象物へ向かう前記照明光がそれを通過するようになっている。
小光源の配置はどのようにすることも可能であるが、例えば、小光源は、直線状に一列に配列されていてもよい。
また、光源は1つでも良いが複数でも良い。例えば、前記光源は、前記反射光の光路を挟んで、例えば、反射光の光路に対して対象の位置に、2つ存在しても良い。そのようにすることで、撮像時に対象物の表面に影が生じにくくなる。光源が2つある場合、前記第1偏光板は、それぞれの光源から前記対象物へ向かう前記照明光がそれを通過するように、前記光源のそれぞれに対応して2つ設けられてもよい。
光源が2つである場合、2つの前記光源はそれぞれ、そのそれぞれが前記対象物に前記照明光を照射する複数の小光源を含んでいても良い。この場合、前記小光源は、前記照明光の光路を挟み且つ前記照明光の光路と垂直となるようにして、直線状に一列に配列されていても良い。
以上の照明機構は、撮像素子に組合せて用いられることにより、撮像装置を構成する。この場合、撮像装置はどのような対象物を撮像対象物とするものであっても構わない。例えば、撮像装置の用途は、医療用、産業用等適宜に選択可能である。
本願発明者は、以上で説明した照明機構を含む撮像装置をも、本願発明の一態様として提案する。かかる撮像装置の効果は、本願発明における照明機構の効果に等しい。
一例となる撮像装置は、撮像対象となるものである対象物で反射した反射光を像光として撮像するものであり、前記対象物と事実上正対するように位置させられる撮像素子と、前記対象物に対して正対しない位置から前記対象物に自然光である照明光を照射する光源と、前記光源と前記対象物との間の前記照明光の光路上に位置するものであり、それを通過した前記照明光を直線偏光とする直線偏光板である第1偏光板と、前記対象物と前記撮像素子との間の前記反射光の光路上に位置するものであり、前記第1偏光板を通過して直線偏光となった前記照明光のうち、前記対象物で反射して生じた表面反射光を遮断する向きとされている直線偏光板である第2偏光板と、を備えている、撮像装置である。
そして、その撮像装置における前記第1偏光板は、それを通過した直線偏光となった前記照明光の偏光面が、前記対象物の表面が前記撮像素子と事実上正対する平面であると仮定した場合の当該平面である境界面との関係で、P偏光となるか、又はP偏光から20°以内の範囲内の関係となるようになっている。
かかる撮像装置の撮像対象は、例えば、人間その他の動物の眼球とすることができる。つまり、撮像装置は、前記対象物が眼球であることにより眼球カメラとして機能するようになっていてもよい。
眼球カメラとして機能する場合、撮像装置は、開口を有するケースを備えていてもよい。この場合、前記撮像素子、前記光源、前記第1偏光板、前記第2偏光板が、前記ケースに設けられており、眼球の周囲に前記開口の縁を当接させた状態で、外光を遮光した状態で、前記撮像素子により、前記光源からの前記照明光に由来する前記反射光による眼球の撮像を行えるようになっていてもよい。
一実施形態における眼球撮像装置の外観を概略的に示す斜視図。 図1に示した眼球撮像装置の頭部の水平断面図。 図1に示した眼球撮像装置の垂直断面図。 図1に示した眼球撮像装置で撮像を行うときにおける照明光と反射光の振る舞いを説明するための図。 図1に示した眼球撮像装置で撮像を行うときにおける照明光と反射光の振る舞いを説明するための他の図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に、この実施形態における眼球撮像装置の外観を示す斜視図を示す。この眼球撮像装置は、本願発明における照明機構を含んでおり、また、本願発明における撮像装置の一例となるものである。
この実施形態における眼球撮像装置では、撮像の対象となる物である対象物は当然に眼球である。眼球を撮像する目的は様々であるが、例えば、患者の眼振の観察を行なうこと、患者の瞳孔の拡縮の動画による撮像を行うことがその目的となる。もちろん、その目的はこれら以外であってもよい。とりあえず、この実施形態では患者の眼振の観察を行うことがこの眼球撮像装置の目的であるものとする。
眼球撮像装置は、手持ち可能とされた把持部10と、把持部10の前側に設けられた頭部20とを備えている。
把持部10と頭部20は、これには限られないが例えば不透明な樹脂製である。少なくとも頭部20は、不透明な素材でできている必要がある。それらの内部は中空であり、後述するようにしてその内部に種々の部品が内蔵され、或いは取付けられる。把持部10及び頭部20は部品が内蔵されるので、部品が内蔵される事実上のケースとして機能する。
把持部10は、片手で手持ちすることができる形状となっており、これには限られないがこの実施形態では棒状或いは円柱状の形状とされている。
頭部20は先端に向かってやや広がる断面略矩形状の筒であり、不透明な素材例えば不透明な樹脂でできている。頭部20の先端(使用時に、患者の顔に対面される側、図1における手前側)には開口21が設けられている。これには限られないが、この実施形態における開口21は、その四隅が丸められた横長の略矩形である。この眼球撮像装置は、患者自身、或いは患者以外の医師等がその把持部10を把持して、頭部20の先端の開口21の縁を患者のいずれかの目の周囲に当接させた状態で用いられる。開口21の縁を隙間なく患者の目の周りに押付けることにより、頭部20を構成する樹脂が不透明なこともあり、頭部20の内側に外光が入り込まない状態を作り出せるようになっている。
図2に眼球撮像装置における頭部20の水平断面図を、図3に眼球撮像装置全体の垂直断面図をそれぞれ示す。
頭部20の内部の図1における手前側には、レンズ11、発光体31、及び第1偏光板32が設けられている。また、頭部20の内部の図1における奥側には、第2偏光板33及び撮像素子12が設けられている。
この実施形態において、発光体31は複数である。発光体31は、照明光としての自然光を発するものである。それが可能な限り発光体31は電球、LED等適宜のもので構成することができる。この実施形態における発光体31はこれには限られないがLEDである。発光体31は、ある程度の指向性をもって対象物たる眼球の表面に向けて光を発するようになっている。後述するように、撮像時において、眼球は、開口21の略中央に位置することになるので、各発光体31から照射される光の光軸は、概ね開口21の中央の方向を向いている。それにより、撮像時に眼球が位置することが予定された一定の範囲は、発光体31からの照明光によりある程度一様の明るさで照明されることになる。なお、発光体31は、頭部20に固定された基板に固定されているが、基板の図示は省略している。
発光体31が発する照明光の波長には特に制限はない。一般的な白色光を発光体31が発するようになっていても良い。もっとも、患者の目へ生理的な影響を与えないようにすることを重視するのであれば、赤外領域の波長の光とされている。この実施形態の発光体31は、赤外領域のうちの特定の波長範囲の波長の光を選択的に発生させるLEDにて構成されている。この実施形態の発光体31が照射する光の波長は、患者に視認されないことを主な理由に、900nm或いはそれよりも長いものとされている。波長を長くしても、この実施形態における第1偏光板32と第2偏光板33に用いられる直線偏光板(より詳細には、ワイヤグリッド偏光板、これらについては後述する。)によって艶消しの画像を得ることに対する影響は生じない。しかしながら波長が長いと、一般的な撮像素子12による撮像は行いにくくなる。このような点を考慮し、照明光の波長を900nmよりも長い範囲で適当に選択すべきである。
上述したように、この実施形態における発光体31は、これには限られないが複数である。各発光体31は、頭部20の開口21付近に位置しており、この実施形態では、開口21の図1における水平方向の両外側における頭部20の壁のやや内側に位置している。開口21の右側と左側に位置する発光体31はそれぞれ、直線状に、より正確には、図1における鉛直方向に、この実施形態では複数個ずつ並んでいる。開口21の右側と左側に位置する発光体31はそれぞれ、照明光の光路(光軸)を挟み且つ照明光の光路(光軸)と垂直となるようにして直線状に並んでいる。図3に示したように、開口21の右側において上下方向に並ぶ発光体31の数は6つであり、開口21の左側においても同様である。もっとも、当然に開口21の右側と左側上下方向に並べた発光体31の数は6つずつである必要がなく、もっと言えば複数である必要もない。
この実施形態では、開口21の右側に位置する上下方向に並んだ6つの発光体31が一組とされ、本願発明でいう光源を構成している。また、この実施形態では、開口21の左側に位置する上下方向に並んだ6つの発光体31が一組とされ、本願発明でいう光源を構成している。
頭部20において上下方向に並んだ1組の発光体31によって構成される光源それぞれの手前には、それを通過した自然光である照明光を直線偏光にする偏光板である第1偏光板32が1枚ずつ配置されている。この実施形態における第1偏光板32は、図1、図3に示されたように、縦長の矩形であり、その限りではないが、この実施形態では、開口21の下端から上端にわたるようにして開口21の先端付近に配されている。この実施形態では、発光体31から出た光のうち、撮像素子12によって後述するように行われる撮像に寄与する照明光はすべて、第1偏光板32を通過するようになっており、第1偏光板32の幅はその観点から設計されている。なお、撮像素子12による撮像に寄与する照明光がすべて第1偏光板32を通過するようにするために、これには限られないが、この実施形態では、レンズ11の周囲にその内縁が隙間なく接し、且つその外縁が頭部20の内周面に隙間なく接する、ドーナツ型であり光を通さない壁である隔壁19が、頭部20内に設けられている。隔壁19は、頭部20内の空間を、レンズ11の前側の空間と後側の空間とに区切るものである。かかる隔壁19の存在により、各発光体31から発せられた光のうち、第1偏光板32を通過していないものがレンズ11の後側の撮像素子12が存在する空間に到達しないようになる。
この実施形態における第1偏光板32は、赤外領域の波長の光に対して偏光板として機能するものとなっている。必ずしもこの限りではないが、この実施形態における第1偏光板32は、ワイヤグリッド偏光板である。ワイヤグリッド偏光板は、樹脂の板に、非常に細い金属線を所定間隔で平行に配したものであり、通常の偏光板が偏光板として機能しない赤外領域の波長の光に対しても偏光板として機能する。ワイヤグリッド偏光板の例としては、旭化成イーマテリアルズ株式会社が製造販売する「Asahi Kasei WGF(商標)」を挙げることができる。なお、以上については、第2偏光板33も同じである。
上述したように、第1偏光板32を通過した照明光は直線偏光になる。ここで、第1偏光板32を通過した直線偏光である照明光の偏光面は、図1において水平となるようになっている。そうすることにより、第1偏光板32は、それを通過した直線偏光となった照明光の偏光面(より正確には、照明光の光軸の偏光面)が、眼球である対象物の表面が撮像素子と事実上正対する平面であると仮定した場合の当該平面である境界面との関係で、P偏光となる。照明光の偏光面が境界面との関係でP偏光となることについての詳細な説明は後に譲る。
レンズ11は、照明光が眼球である対象物で反射して生じる反射光を撮像素子12に結像させるためのものである。それが可能な限りにおいて、レンズ11は一枚である必要はないし、レンズ11以外の必要な光学部品を含んでいても良い。また、レンズ11は像の拡大の機能を持っていてもよいし、それ以外の機能を持っていても良い。
撮像素子12は、反射光を捉え撮像を行うものである。この実施形態の撮像素子12は赤外領域の波長の光による撮像を行えるものであればどのようなものでも構わない。撮像素子12は例えばCCDであり、或いはCMOSにより構成することができる。撮像素子12は撮像により得た画像のデータを生成する。撮像素子12が撮像する画像は、本来的には静止画であっても、動画であっても良いが、この実施形態の眼球撮像装置の使用目的は、眼振の観察を行うことなので、この実施形態の撮像素子12が撮像する画像は動画であり、撮像素子12が生成する画像のデータはビデオ信号である。
撮像素子12は、接続線12aにて処理回路13に接続されている。処理回路13は撮像素子12が生成した画像のデータを接続線12aを介して撮像素子12から受取るようになっている。処理回路13は、ビデオ信号の外部への出力に先んじて必要な処理、例えば明るさの調整や、必要であればアナログ/デジタル変換などを行う。
処理回路13は接続線13aを介して出力端子14に接続されている。出力端子14は、図示を省略のケーブルを介して外部機器との接続を行うものである。外部機器は、典型的にはディスプレイであり、或いは記録装置である。ディスプレイは、出力端子14からケーブルを介して受取ったビデオ信号に基いて動画を表示する。記録装置は、出力端子14からケーブルを介して受取ったビデオ信号を記録し、後にそのビデオ信号を所定のディスプレイで見られるようにする。この実施形態では、出力端子14は、ケーブルを介して図外のディスプレイに接続されている。なお、眼球撮像装置によって生成されたビデオ信号の外部機器への出力は、この実施形態のように有線で行われる必要はない。ビデオ信号の出力が無線で行われる場合には、眼球撮像装置は、出力端子14に代えて、例えばBluetooth(商標)による通信を外部機器と行うための公知或いは周知の通信機構を備えることになる。もちろん、外部機器との接続を、有線と無線の双方で行えるようにすることも可能である。
第2偏光板33は、上述したように第1偏光板32と同じものでできているものの、その機能が第1偏光板32と異なる。第2偏光板33は、第1偏光板32によって直線偏光とされた照明光が眼球である対象物の表面で反射することによって生じた反射光のうちの表面反射光に含まれる直線偏光の成分を遮断する機能を有している。
照明光と反射光の光軸を軸として見れば、第1偏光板32と第2偏光板33とは、それらを通過した光の直線偏光における偏光面が直交するような向きとなるようになっている。この実施形態でいえば、自然光が第2偏光板33を反射光と同じ向きで通過した場合、第2偏光板33を通過することによって生じた直線偏光の偏光面は、図1における鉛直方向となるようになっている。
眼球からの反射光は、レンズ11を通り、更には第2偏光板33を通過してから撮像素子12で撮像される。したがって、撮像素子12で撮像に寄与する光は、反射光のうち、第2偏光板33を通過できる成分のみとなる。なお、第2偏光板33は、撮像素子12と対象物との間の反射光の光路上に存在すれば良く、例えば、レンズ11の眼球側に存在しても良いし、また、例えばレンズ11が複数枚のレンズからなるのであれば、複数枚のレンズの間に位置すれば良い。
次に、この眼球撮像装置の使用方法を説明する。
眼球撮像装置を用いる場合には、患者又は医師等がその把持部10を把持し、その頭部20における開口21の周囲を、眼振の観察を行うべき患者の目の周囲に押し当てる。このとき、開口21の周囲から頭部20の内部に外光が入り込まないように注意する。
この状態で、医師は患者の眼球を観察する。発光体31からの照明は、第1偏光板32を通過してから、開口21の略中央に位置する眼球で反射し、レンズ11及び第2偏光板33を通過して撮像素子12に至る。撮像素子12は、眼球からの反射光を捉え、撮像を行う。撮像素子12が生成した動画についてのビデオ信号は、処理回路13で必要な処理をなされてから接続線13aを介して出力端子14に至る。上述したように、この実施形態の眼球観察装置は、図外のディスプレイに出力端子14に接続されたケーブルを介して接続されている。したがって、医師は、ディスプレイに拡大して表示される患者の眼球の動画を見ながら眼振の観察を行うことができる。
ディスプレイに表示される眼球の動画がどのようなものであるかについて説明する。
発光体31が点灯している場合に撮像素子12で撮像される反射光がどのようなものかということを、概念的に図4に示す。
図4(A)は眼球の最表面で反射する表面反射光を、図4(B)は眼球の表面から若干眼球内に入って反射する内部反射光の振る舞いを示している。また、太線の○印の中に引かれた直線は当該部分における照明光又は反射光の偏光面の向きを示しており、○印の中に放射状に線が引かれているのは当該部分における照明光又は反射光の直線偏光性が乱れている(例えば自然光化している。)ことを示している。
発光体31から出た照明光は、第1偏光板32を通過する。第1偏光板32を通過した照明光は直線偏光になる。その場合の照明光である直線偏光の偏光面は、図1における水平方向である。ここまでは、図4(A)、(B)で共通である。
第1偏光板32を通過した直線偏光である照明光は、眼球Xに当たり、眼球Xからの反射光となる。眼球Xの表面で反射した反射光のうち表面反射光は、その偏光状態が理想的には維持されたままである。直線偏光である表面反射光は、自然光を通過させたときに生じる直線偏光の偏光面の向きが第1偏光板32と直交するようにされている第2偏光板33に遮断され、撮像素子12には届かない(図4(A))。
他方、内部反射光は、その偏光状態が乱れている。内部反射光は、その中に含まれる光のうち、表面反射光に含まれる直線偏光の偏光面と直交する方向で振動するものが、第2偏光板33を通過するので、その半分程度が撮像素子12に到達することになる(図4(B))。
結果として、発光体31からの照明光を用いて撮像素子12が画像を撮像するために利用される光は、内部反射光のみということになる。したがって、撮像素子12が撮像を行うことにより生成される画像は艶消し画像ということになり、ディスプレイに表示される画像も艶消し画像ということになる。
とはいえ、この実施形態において、照明光と表面反射光とは、眼球で反射が生じるときの入射角と、反射角とがともに実質的に0°であるとは言えない。このような場合、表面反射光は、基本的には直線偏光である照明光が持っていた偏光性をそのまま維持してはいるものの、反射角の大きさに応じたある割合の偏光性を失った成分を含むことになる。そのような偏光性を失った成分を表面反射光が含むのであれば、その成分の一部は第2偏光板33を通過することができることになる。したがって、撮像素子12で撮像される反射光は、内部反射光に由来するものが大半であるものの、表面反射光に由来するものが含まれることになる。
しかしながら、この実施形態における第1偏光板32は、それを通過した直線偏光となった照明光の偏光面が、対象物である眼球の表面が撮像素子12と事実上正対する平面であると仮定した場合の当該平面である境界面との関係で、P偏光となるようになっているため、表面反射光に含まれることになる偏光性を失った成分の光の割合が低く抑えられることになる。
この点をより詳述する。図5において、Vが仮想面である境界面である。境界面は、撮像素子12の中心を通る撮像素子12の撮像面に垂直な直線と眼球とが交わる点を含む、撮像素子12の撮像面に平行な面である。そして、Mが入射光の光軸、Nが反射光の光軸である。入射光の光軸は、光源に含まれる発光体31が1つである場合には、当該発光体31の光軸であるが、この実施形態のように複数の発光体31が存在する場合には、複数の発光体31の中央から出た照明光が撮像素子12の中心に向かうと仮定した場合における照明光の光路である。また、照明光Mと反射光Nの双方を含む平面Wが入射面である。この実施形態では、直線偏光である照明光Mの振動面は、入射面W内に存在する。これは、直線偏光である照明光Mが、境界面Vに対してP偏光であるということを意味する。このような関係にあれば、反射光Nに含まれる表面反射光に含まれることになる偏光性を失った成分は、少なくなる。
なお、照明光における直線偏光の偏光面は、最大で20°入射面Wから傾くことは許容される。仮にそうなったとしても上述の効果はある程度維持される。もっとも、照明光における直線偏光の偏光面が入射面Wと事実上一致した方がこの効果はより良く得られる。
10 把持部
11 レンズ
12 撮像素子
20 頭部
31 発光体
32 第1偏光板
33 第2偏光板

Claims (8)

  1. 撮像対象となるものである対象物で反射した反射光を像光として撮像するものであり、前記対象物と事実上正対するように位置させられる撮像素子を有する撮像装置において用いられるものであり、
    前記対象物に対して正対しない位置から前記対象物に自然光である照明光を照射する光源と、
    前記光源と前記対象物との間の前記照明光の光路上に位置するものであり、それを通過した前記照明光を直線偏光とする直線偏光板である第1偏光板と、
    前記対象物と前記撮像素子との間の前記反射光の光路上に位置するものであり、前記第1偏光板を通過して直線偏光となった前記照明光のうち、前記対象物で反射して生じた表面反射光を遮断する向きとされている直線偏光板である第2偏光板と、
    を備えている、照明機構であって、
    前記第1偏光板は、それを通過した直線偏光となった前記照明光の偏光面が、前記対象物の表面が前記撮像素子と事実上正対する平面であると仮定した場合の当該平面である境界面との関係で、P偏光となるか、又はP偏光から20°以内の範囲内の関係となるようになっている、
    照明機構。
  2. 前記光源は、そのそれぞれが前記対象物に前記照明光を照射する複数の小光源を含んでおり、前記第1偏光板は、すべての前記小光源から前記対象物へ向かう前記照明光がそれを通過するようになっている、
    請求項1記載の照明機構。
  3. 前記小光源は、直線状に一列に配列されている、
    請求項2記載の照明機構。
  4. 前記光源は、前記反射光の光路を挟んで2つ存在し、前記第1偏光板は、それぞれの光源から前記対象物へ向かう前記照明光がそれを通過するように、前記光源のそれぞれに対応して2つ設けられている
    請求項1記載の照明機構。
  5. 2つの前記光源はそれぞれ、そのそれぞれが前記対象物に前記照明光を照射する複数の小光源を含んでおり、前記小光源は、前記照明光の光路を挟み且つ前記照明光の光路と垂直となるようにして、直線状に一列に配列されている、
    請求項4記載の照明機構。
  6. 撮像対象となるものである対象物で反射した反射光を像光として撮像するものであり、前記対象物と事実上正対するように位置させられる撮像素子と、
    前記対象物に対して正対しない位置から前記対象物に自然光である照明光を照射する光源と、
    前記光源と前記対象物との間の前記照明光の光路上に位置するものであり、それを通過した前記照明光を直線偏光とする直線偏光板である第1偏光板と、
    前記対象物と前記撮像素子との間の前記反射光の光路上に位置するものであり、前記第1偏光板を通過して直線偏光となった前記照明光のうち、前記対象物で反射して生じた表面反射光を遮断する向きとされている直線偏光板である第2偏光板と、
    を備えている、撮像装置であって、
    前記第1偏光板は、それを通過した直線偏光となった前記照明光の偏光面が、前記対象物の表面が前記撮像素子と事実上正対する平面であると仮定した場合の当該平面である境界面との関係で、P偏光となるか、又はP偏光から20°以内の範囲内の関係となるようになっている、
    撮像装置。
  7. 前記対象物が眼球であることにより眼球カメラとして機能するようになっている、
    請求項6記載の撮像装置。
  8. 開口を有するケースを備えているとともに、前記撮像素子、前記光源、前記第1偏光板、前記第2偏光板が、前記ケースに設けられており、
    眼球の周囲に前記開口の縁を当接させた状態で、外光を遮光した状態で、前記撮像素子により、前記光源からの前記照明光に由来する前記反射光による眼球の撮像を行えるようになっている、
    請求項7記載の撮像装置。
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