JP2019180473A - 吹き出しノズルおよび送風装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】送風路内での風量の損失を小さくしつつ、風の到達距離を延長することのできる吹き出しノズルの形状を提供する。【解決手段】送風装置の一例であるヘアドライヤ1には、吹き出しノズル30が取り付けられる。吹き出しノズル30は、風の主流方向に延びる送風路30aを備えている。送風路30aは、風の主流方向の上流側に略円形状の開口部(吸い込み口34)を有している。また、送風路30aは、風の主流方向の長さが、相対的に短い部分(短尺部32)と長い部分(長尺部32)とをそれぞれ有している。長尺部32は、風の主流方向の下流に向かう突形状(突出部33)を有しており、この突形状は、風の主流方向の下流側に向かって徐々に細くなっている。【選択図】図3

Description

本発明は、吹き出しノズル、およびこの吹き出しノズルを備えている送風装置に関する。
送風装置は、例えば、洗濯乾燥機、ヘアドライヤ、ブロワなどの様々な機器に内蔵されている。ヘアドライヤとしては、例えば、特許文献1および2に開示されているものが挙げられる。
従来の送風装置においては、送出される風の速度を高めるために送風口を絞るという方法が採用される。しかしながら、風速を上げるために吹き出し口を絞ると、送風路内における圧損が高まることによって、送風ロスが発生し、風量が減少してしまう。さらに、風量が減少すると、吹き出し面積が同じである場合には風速が低下する。そこで、回転数を上げることによって風速を高めることが検討される。しかし、その結果、消費電力が増加したり、騒音が増大してしまったりする可能性がある。
アスペクト比が1である形状を有する送風路の場合、送風路内でのロスは小さい一方、到達距離は短くなる。吹き出し口が細長形状の場合、到達距離を長くすることができる反面、送風路内でのロスが比較的大きくなる。
例えば、洗濯乾燥機(例えば、縦型およびドラム型)に求められるものは、乾燥時間の短縮、消費電力の低減、乾燥の良質な仕上がり(衣類のしわが少ない)、衣類へのダメージの低減等である。また、例えば、ヘアドライヤに求められるものは、乾燥時間の短縮、消費電力当たりの風量の最大化、毛髪へのダメージの低減等である。すなわち、乾燥機能を有する送風装置には、乾燥時間の短縮、被乾燥物のダメージの低減、並びに高い風速および風量が求められる。
効果的に乾燥を行うためには、風の直進性と風圧とが必要となってくる。風の到達距離が短かったり、風は到達するものの風量が不足していたりすると、乾燥が十分に行えない。被対象物を十分に乾燥できないと、雑菌の繁殖および臭いなどの原因にもなる。吹き出し口と被乾燥物との距離を近づけることで、風が当たる部分に関してはしっかり乾かすことが可能となる。しかし、被乾燥物全体に適用するには非常に大きな送風口が必要となる。また、吹き出し口と被乾燥物との距離を近づけると、被乾燥物へダメージを与えることが懸念される。例えばヘアドライヤおいては、乾燥に有利であるように風速を高めることを目的としたノズルも提案されている。風の吹き出し速度の分布に差を設けることによって、濡れた毛束をほぐすことができることも知られている。乾燥機では速乾性能が求められるが、大きな効果を得るには部品の追加や構造の複雑化などが必要であった。
例えば、特許文献1では、ヘアドライヤのノズル内の流路を、ノズルの中心軸から放射状に延設される仮想平面を挟む両側にて所定幅だけ離間した複数の分割流路に分割させて設けることで、濡れた毛髪の束を効果的にばらして乾燥時間を短縮している。この構成では風速に大きな分布を持たせることができるが、構成が複雑な上に送風路内の圧損となる流路の管長さが増大しているため風量低下は免れない。
また、特許文献2では、吹き出しノズルのノズル開口に複数の山形の収束片が周回状に形成されており、収束片の先端の山部と、隣接する山部の間に形成される谷部とが、交互に、かつ周方向へ等間隔で形成されている。これにより、吹き出しノズルを、収束状態と拡散状態との間で切り換えることができる。しかしながら、周方向に山谷山谷を設けるだけでは、風速分布の差には限界があり、毛髪に到達するまでに風速が均一化してしまうこともあり得る。
特開2008−264391号公報 特開2011−19631号公報
そこで、本発明の一局面では、送風路内での風量の損失を小さくしつつ、風の到達距離を延長することのできる吹き出しノズルの形状を提供する。
本発明の一局面は、送風装置の吹き出しノズルに関する。この吹き出しノズルは、風の主流方向に延びる送風路を備えている。前記送風路は、前記主流方向の上流側に略円形状の開口部を有している。また、前記送風路は、前記主流方向の長さが、相対的に短い部分と長い部分とをそれぞれ有し、前記長い部分は前記主流方向の下流に向かう突形状を有しており、前記突形状は、前記主流方向の下流側に向かって徐々に細くなっている。
また、本発明のもう一つの局面にかかる送風装置は、本発明の一局面にかかる吹き出しノズルを備えている。
本発明の一局面にかかる吹き出しノズルによれば、送風路内での風量の損失を小さくしつつ、風の到達距離をより長くすることができる。この吹き出しノズルを送風装置の送風口(吹き出し口)に取り付けることで、送風装置から吹き出される風の風量および速度を適切な状態に保つことができる。
本発明の一実施形態にかかるヘアドライヤの外観構成を示す側面図である。 図1に示すヘアドライヤの吹き出しノズルを示す斜視図である。 図2に示す吹き出しノズルを通過する風の流れを示す模式図である。 図2に示す吹き出しノズルの送風路内の風の流れを示す模式図である。 第2の実施形態にかかるヘアドライヤの吹き出しノズルを示す斜視図である。 図5に示す吹き出しノズルを示す上面図である。 図6に示す吹き出しノズルを通過する風の流れを示す模式図である。 図6に示す吹き出しノズルの吸い込み口の形状を示す模式図である。 (a)は、図6に示す吹き出しノズルの側面図である。(b)は、図6の破線で示す位置における吹き出し口の投影面の形状を示す模式図である。 吹き出しノズルの吹き出し面積の大きさ(対吸い込み面積)に対する風速(m/s)の変化を示すグラフである。 吹き出しノズルの吹き出し面積の大きさ(対吸い込み面積)に対する風量(m/分)の変化を示すグラフである。 吹き出しノズルの吹き出し面積の大きさ(対吸い込み面積)に対する乾燥時間(分)の変化を示すグラフである。 第3の実施形態にかかるヘアドライヤの吹き出しノズルを示す上面図である。 図13に示す吹き出しノズルを通過する風の流れを示す模式図である。 第4の実施形態にかかるヘアドライヤの吹き出しノズルを示す側面図である。 第5の実施形態にかかるヘアドライヤの吹き出しノズルを示す斜視図である。 第6の実施形態にかかる縦型洗濯乾燥機の内部構成を示す断面図である。 第7の実施形態にかかるブロワの外観を示す斜視図である。 図18に示すブロワの使用例を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施形態>
本実施形態では、送風装置の一例として、ヘアドライヤ1を例に挙げて説明する。ヘアドライヤ1には、本発明の一実施形態にかかる吹き出しノズル30が取り付けられている。実施形態では、吹き出しノズル30は、ヘアドライヤの本体部と別部材であって、本体部の吹き出し口から取り外し可能に構成される。但し、本発明はこのような構成に限定はされない。例えば、本発明の別の態様として、ヘアドライヤと一体型の吹き出しノズルが挙げられる。
(ヘアドライヤの全体構成)
先ず、本発明の一実施形態にかかるヘアドライヤ1の全体構成について、図1を用いて説明する。ここでは、本明細書で説明する各実施形態に適用可能なヘアドライヤの概略的な構成について説明する。そのため、図1では、吹き出しノズル30は概略的に図示している。
図1に示すように、ヘアドライヤ1は、主として、本体部10と、吹き出しノズル30とで構成されている。吹き出しノズル30は、本体部10の風の吹き出し口12に取り付けて使用される。
本明細書では、ヘアドライヤ1の各構成要素の形状および位置関係などを説明するにあたって、便宜上、ヘアドライヤ1(並びに、本体部10および吹き出しノズル30)をX(X1−X2)方向(幅方向)、Y(Y1−Y2)方向(上下方向)、Z(Z1−Z2)方向(前後方向)という三方向の座標軸で規定する。図1では、X方向の矢印は省略されているが、図1におけるYZ平面に直交する方向がX方向となる。図3には、X(X1−X2)方向の矢印も図示している。
図1などに示すように、ヘアドライヤ1の外観形状は、使用時の状態で、側面視において略T字形状を有する。本体部10の外形は、主として、プラスチックなどで形成された筐体で構成されている。筐体は、Z方向に延びる本体部10と、本体部10から略Y2方向に延びる持ち手部20とで構成されている。なお、本実施形態では、持ち手部20は、折り畳みできるようになっているが、折り畳みできない構造であってもよい。
Z1−Z2方向に延びる本体部10の一方の端部(例えば、Z2側の端部)には、空気の吸い込み口(図示せず)が設けられており、本体部10の他方の端部(例えば、Z1側の端部)には、風の吹き出し口12が設けられている。
持ち手部20には、操作部21が設けられている。ヘアドライヤ1の使用時に、ユーザが操作部21を操作することで、ヘアドライヤ1が動作を開始したり停止したりする。また、操作部21が操作されることで、吹き出し口12から吹き出す風の種類(温風/冷風)および風量などが調節される。
持ち手部20の下端部(Y2方向の端部)には、電源コード22が設けられている。
本体部10の内部には、吸い込み口側から吹き出し口12に向かって延在する送風路が形成されている。この送風路内にはファン(図示せず)が収容されている。ファンが回転すると、外部からの空気が、吸い込み口を介して送風路内に流入し、送風路内を通って吹き出し口12側へ流れる。すなわち、ファンは、吸い込み口側から吹き出し口12に向かって送風する。
送風路においてファンにはモータ(図示せず)が接続されている。モータは、ファンに連結された出力軸を有している。この出力軸がファンとともに回転する。
また、送風路においてファンの下流側にはヒータ(図示せず)が配置されている。ヒータは、ユーザが操作部21を操作することで動作モードを切り換えることができるようになっている。すなわち、操作部21に設けられたスイッチを操作することによって、ヒータを作動させて、吹き出し口12から温風が吹き出るようにしたり、ヒータを作動させないで、吹き出し口12から冷風が吹き出るようにしたりすることができる。
送風路においてファンの下流側には、モータを支持する整流翼(図示せず)が設けられている。より具体的には、整流翼は、モータを支持する略円筒状の筒状部と、この筒状部から外方に向かって延びる翼部とを有している。翼部を通過した空気は、一部がヒータ側へ流れ、他の一部がイオン流路(図示せず)側へ流れる。
イオン流路は、本体部10内の持ち手部20側に設けられている。イオン流路はヒータと隣り合っており、ヒータとイオン流路との間には仕切壁が設けられている。イオン流路内には、イオン発生装置が備えられており。これにより、ヘアドライヤ1から吹き出す風にイオンを含有させることができる。
以上の構成により、本体部10の吹き出し口12から風を吹き出すことができる。本体部10の吹き出し口12を毛髪方向に向けることで、吹き出し口12からの風を毛髪へ当てることができる。これにより、毛髪を乾燥させることができる。
本実施形態では、上記の構成を有する本体部10の吹き出し口12に吹き出しノズル30が取り付けられる。本体部10に吹き出しノズル30を取り付けた状態でヘアドライヤ1を稼働させると、吹き出し口12から吹き出される風は、吹き出しノズル30を通過して、吹き出しノズル30の先端部からユーザの頭部およびその近傍へ導かれる。
(吹き出しノズルの構成)
続いて、第1の実施形態にかかる吹き出しノズル30のより具体的な構成について、図2から図4を参照しながら説明する。図2から図4では、第1の実施形態にかかる吹き出しノズル30を、本体部10から取り外した状態(吹き出しノズル30単体の図)で示す。
図2および図3に示すように、吹き出しノズル30は、本体部10の吹き出し口12に連結される吸い込み口(開口部)34を一端(Z2側)に有するとともに、吹き出し口35を他端(Z1側)に有する筒体で構成されている。吹き出しノズル30は、本体部10に着脱可能となっている。
吸い込み口(開口部)34は、略円形状を有している。また、吹き出しノズル30を構成する筒体の内部は、送風路30aになっている。送風路30aは、風の主流方向に延びている。ここで、風の主流方向とは、送風装置本体の吹き出し口(例えば、ヘアドライヤ1の本体部10の吹き出し口12)から吹き出される風の主たる吹き出し方向を意味する。図3には、風の主流方向を矢印で示している。この主流方向は、吸い込み口34の吸い込み面に対して略垂直な方向である。
吸い込み口34は、風の主流方向の上流側に位置する。また、吹き出し口35は、風の主流方向の下流側に位置する。送風路30aを形成している筒体は、主流方向の長さが、相対的に短い部分(すなわち、短尺部32)と、相対的に長い部分(すなわち、長尺部31)とをそれぞれ有している。これにより、送風路30aにも、主流方向の長さが、相対的に短い部分と、相対的に長い部分とが形成される。
長尺部31は、主流方向の下流に向かって突形状を有している突出部33を有している。図2などに示すように、突出部33は、主流方向の下流側に向かって徐々に細くなっている。本実施形態にかかる吹き出しノズル30では、長尺部31は、最大長さL1を有している(図3参照)。
短尺部32は、筒体の周方向の略半周にわたって設けられており、全体にわたってほぼ一定の長さL2を有している(図3参照)。長尺部31は、短尺部32の各端部から徐々に前方へ突出する突出部33を有している。長尺部31の最前方部(Z1側の端部)には、頂部31aが設けられている。また、図4に示すように、長尺部31の幅(X方向の長さ)は、頂部31aに向かって徐々に小さくなっている。
(風の到達距離を向上させるための送風路の形状について)
ここで、吹き出しノズルの送風路における風量の損失(ロス)と、吹き出しノズルから吹き出された後の風量の損失について説明する。
送風路内のロスは、送風路の断面積と濡れ縁長さ(送風路の主流方向において、周囲を取り囲む長さ)によって変化する。例えば、送風路の断面積が一定の場合には、濡れ縁長さが長い程、流路の摩擦抵抗が増加するため、送風路内のロスが増加する。つまり、送風路のアスペクト比が1に近い形状であり、かつ、断面形状の変化が少ない場合、濡れ縁長さが短いため、送風路内でのロスが小さいという利点がある。その一方で、送風路出口を出た空気の到達距離は短くなる。また、送風路の断面積は一定であっても、送風路が急に折れ曲がっていたり、急に幅が広がっていたりすると、流路の形状変化に風流の追従させることができずに、圧損が高まったり、縮流が起きたりする。そのため、送風路内で送風効率の低下が発生する。また、吹き出し口を細長形状とすると、吹き出される風の到達距離を延ばすことができるが、送風路内でのロスが比較的大きくなる。
このように、吹き出しノズルから吹き出される風の到達距離を阻害する要因としては、(1)送風路内の形状に起因した送風効率の低下、および(2)吹き出しノズルを出た後に風速が侵食されることによる送風能力の低下が挙げられる。
続いて、吹き出しノズル30において、吹き出された風の到達距離を向上させるための方法について説明する。
噴流の流速は、送風路の出口から吹出された直後から減衰する。噴流の到達距離は、噴流のポテンシャルコアの長さに関係する。一般に、送風路の出口から流出した噴流は、両側から発達する自由混合層によって侵食されて減少し、ある距離のところで消滅する。この部分はくさび状であって、ポテンシャルコアとよばれる。静止流体中に流出する自由噴流の場合、ポテンシャルコアの長さは、送風路の出口形状、送風路の出口壁面に沿う境界層の状態、初期乱れ等によって異なるが、このポテンシャルコアの長さが長くなるにつれて、噴流の到達距離が延長される。
そこで、本実施形態にかかる吹き出しノズル30の送風路30aでは、吹き出し口35の壁面形状を工夫するとともに、吹き出し口35の壁面に沿う境界層に新たなエネルギーを付与している。これにより、噴流のポテンシャルコアを延長することができ、流速の減衰を抑制することができる。そのため、吹き出しノズル30からの吹き出される風(流体)の到達距離が従来と比較して延長されている。
送風装置において大風量と高風速の両立が要求される局面では、円形状の吹き出し口は、風量の低下は抑えられる一方、風速は小さくなる。吹き出し口を細長形状で構成すると、風速は高まるが、風量が減少する上に、送風される範囲が細長形状に限定される。ヘアドライヤ1の本体部10の内部の送風機構で発生した風は、本体部10の吹き出し口12から吹き出しノズル30の吸い込み口34へ流入し、さらに吹き出しノズル30の吹き出し口35へと、送風路30aの内側面に沿って流れる。
吹き出しノズル30の構成によると、長尺部31に沿った風は先が細くなるにしたがって、細くなった形状に風が沿いながら風の幅が減少することで、風量が徐々に風速に変換され、風速が高められてゆく。これにより、長尺部31を形成している突出部33の頂部31aより縦渦成分が発生する(図3参照)。風の縦渦成分は、境界層内に新たな運動エネルギーを与えることができ、回転を与えることで風をより遠くまで到達させることができる。また、縦渦成分は減衰が遅いため、主流が誘引気流により侵食されてしまうのを防ぎ、遠くに離れてもポテンシャルコア(風速成分)を維持しやすくなる。これらの作用により、吹き出しノズル30から吹き出される風のうちの高速成分(高速部)の流速の減衰が、縦渦によって抑制される。
また、吹き出しノズル30の送風路30a内の短尺部32に沿った風は、吸い込み口34への流入時の風速を維持し、その箇所でロスなく大風量成分(大風量部)を含む風として送出することができる。
以上のように、本実施形態にかかる吹き出しノズル30によれば、大風量を損なうこともなく高速風を生みだし、ヘアドライヤ1の風を吹き出すことができる。また、吹き出しノズル30の吹き出し口35の形状を細長い形状としていないため、送風される範囲を比較的広くすることができる。
したがって、本実施形態にかかるヘアドライヤ1によれば、送風路内での風量の損失を小さくしつつ、風の到達距離を延長することができる。また、本実施形態にかかるヘアドライヤ1では、本体部10に対して吹き出しノズル30を取り付けることで、大風量かつ高風速の風を吹き出すことが可能となる。そのため、本体部10内の部品の追加および構造の複雑化を抑えつつ、乾燥時間を短縮することが可能となる。
<第2の実施形態>
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、吹き出しノズル130の構成が第1の実施形態とは異なっている。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様の構成を適用することができる。そこで、以下では、第1の実施形態とは異なる構成を中心に説明する。
図5から図7には、第2の実施形態にかかる吹き出しノズル130の外観を示す。本実施形態にかかる吹き出しノズル130は、第1の実施形態と同様に、ヘアドライヤ1の本体部10に取り付けて用いられる。図5から図7では、吹き出しノズル130を、本体部10から取り外した状態(吹き出しノズル130単体の図)で示す。
吹き出しノズル130は、本体部10の吹き出し口12に連結される吸い込み口(開口部)34を一端(Z2側)に有するとともに、吹き出し口35を他端(Z1側)に有する筒体で構成されている。吹き出しノズル130は、本体部10に着脱可能となっている。
吸い込み口(開口部)34は、略円形状を有している。また、吹き出しノズル130を構成する筒体の内部は、送風路130aになっている。送風路130aは、風の主流方向に延びている。送風路130aを形成している筒体は、主流方向の長さが、相対的に短い部分(すなわち、短尺部32)と、相対的に長い部分(すなわち、長尺部131)とをそれぞれ有している。
長尺部131は、主流方向の下流に向かって突形状を有している突出部133aおよび133bを有している。図5などに示すように、本実施形態では、2つの突出部133aおよび133bが設けられている。2つの突出部133aおよび133bの間には、谷部133cが形成されている。図7には、吹き出しノズル130の送風路130a内の風の流れを矢印で示す。また、図7には、長尺部131の各部分(突出部133aおよび133b、並びに谷部133c)に沿って吹き出される風の速度分布を示す。
吹き出しノズル130では、突出部が2つ形成されていることで、送風路130a内の長尺部131側を通る風は、2つに分かれる。図7に示すように、長尺部131側を通る風の速度は、突出部133aおよび133bの各頂部付近で最も大きくなる。またこのとき、2つに分岐される高速風には、縦渦がそれぞれ発生する(図7参照)。これにより、風の到達距離がより長くなる。
図7に示す2つの突出部133aおよび133bの突出方向は、主流方向より若干中央に向かって傾斜している。すなわち、各突出部133aおよび133bは、互いに平行ではなく、主流方向の下流側へ向かうにしたがって、互いに近づくような方向へ突出している。これにより、各突出部133aおよび133bに沿って流れる風は、やや内向きに吹き出される。これらの2つに分岐された高速風は、下流側で近づき交わることになるが、それによって下流側での最大風速がより高まる。1つの突出部で高速風を生みだしても、風速の遅い部分に高速風が侵食されるが、2つに分岐された高速風が下流側で交われば、1つの突出部で生み出された高速風と比較してロス(侵食)が少ないため、より高い風速が得られる。
また、2つの突出部133aおよび133bの間(すなわち、谷部133c付近)を通過する風の速度は、突出部133aおよび133bの頂部を通過する風と比較して小さい(図7参照)。このように、吹き出しノズル130の構成によれば、風速分布に大きなムラを設けることができる。これにより、濡れて束になった髪の毛などを分散させる効果を向上させることができる。
また、図5に示すように、吹き出しノズル130の送風路130aの周方向において、長尺部131の占める範囲Aと、短尺部32の占める範囲Bとは、およそ半分ずつになっている。そして、長尺部131と短尺部32との間は滑らかに繋がっている。
この構成によれば、長尺部131における風の高速化の機能と、短尺部32における大風量化の機能とを約半分ずつに分けることにより、大風量部と高風速部とをバランスよく分けることが可能となる。そして、高速部では風のさらなる高速化が実現でき、大風量部では大風量化をより促進させることができる。
また、送風路130a内を通過する風は、送風路130aの壁面に沿って流れる。そのため、送風路130a内の壁面が滑らかに形成されていることにより、風量減少の度合いを抑制できる。
ここで、吹き出しノズル130の吸い込み口34の面積(吸い込み面積X(図8参照))と吹き出し口35の面積(吹き出し面積Y(図9(b)参照))との比について、図8から図12を参照しながら説明する。
なお、吹き出し面積Yは、吹き出し口35の全周(すなわち、吹き出しノズル130の吹き出し側における端部の全周)を、吹き出しノズル130の最下流の位置(すなわち、各突出部133aおよび133bの頂部)における風の主流方向に垂直な面に投影して得られる形状の面積と定義される。図9(a)には、風の主流方向を矢印で示している。この主流方向は、吸い込み口34の吸い込み面に対して略垂直な方向である。
図10から図12には、吹き出しノズル130において、吸い込み面積Xに対する吹き出し面積Yの面積比を様々に変更したときの風速、風量、および乾燥時間を測定した結果を示す。図10には、面積比Y/Xに対するヘアドライヤ1の風速(m/s)の変化を示す。図11には、面積比Y/Xに対するヘアドライヤ1の風量(m/分)の変化を示す。図12には、面積比Y/Xに対するヘアドライヤ1の乾燥時間(分)の変化を示すグラフである。図10から図12には、比較対象として、ヘアドライヤ1の本体部10単体(ノズルなし)で使用した場合、および、本体部10に円筒形状のノズルを取り付けた場合の結果も示す。
これらの結果より、吸い込み面積Xに対する吹き出し面積Yの面積比を、0.6以上1.3以下の範囲内とすることで、乾燥時間を5%以上短縮できることが確認された。また、吹き出しノズル130において、面積比Y/Xを0.9としたときのヘアドライヤ1の乾燥時間(3.17分)は、ノズルをつけない場合(3.85分)と比較して15%短縮できることが確認された。
以上のように、本実施形態にかかる吹き出しノズル130が取り付けられたヘアドライヤ1によれば、送風路130a内に流入した風の速度を、送風路130a内の場所に応じて異ならせることができる。そのため、濡れて束になった毛髪をばらすことが可能になり、乾燥時間を短縮することができる。
なお、本実施形態の変形例として、長尺部131に形成された谷部133cが、短尺部32よりも上流側に位置するような構成も可能である。この構成によれば、谷部133cに沿って流れる風の速度は、短尺部32の風速よりも遅くなる。したがって、送風路130a内の長尺部131側において風速の差がより顕著となるため、被乾燥物をより効果的に分散させることができる。
<第3の実施形態>
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、吹き出しノズルを構成する突出部の構成が第2の実施形態とは異なっている。それ以外の構成については、第2の実施形態と同様の構成を適用することができる。そこで、以下では、第2の実施形態とは異なる構成を中心に説明する。
図13には、第3の実施形態にかかる吹き出しノズル230の外観を示す。本実施形態にかかる吹き出しノズル230は、第1の実施形態と同様に、ヘアドライヤ1の本体部10に取り付けて用いられる。図13では、吹き出しノズル230を、本体部10から取り外した状態(吹き出しノズル230単体の図)で示す。
図13に示すように、吹き出しノズル230は、本体部10の吹き出し口12に連結される吸い込み口(開口部)34を一端(Z2側)に有するとともに、吹き出し口35を他端(Z1側)に有する筒体で構成されている。吹き出しノズル230は、本体部10に着脱可能となっている。
吸い込み口(開口部)34は、略円形状を有している。また、吹き出しノズル230を構成する筒体の内部は、送風路になっている。送風路は、風の主流方向に延びている。送風路を形成している筒体は、主流方向の長さが、相対的に短い部分(すなわち、短尺部32)と、相対的に長い部分(すなわち、長尺部231)とをそれぞれ有している。
長尺部231は、主流方向の下流に向かって突形状を有している突出部233aおよび233bを有している。本実施形態では、2つの突出部233aおよび233bが設けられている。2つの突出部233aおよび233bの間には、谷部233cが形成されている。
また、本実施形態では、2つの突出部233aおよび233bは、互いに略平行な向きに突出している(図13参照)。この構成によれば、高速風を平行な向きに吹き出すことができる。
図14には、吹き出しノズル230の送風路内の風の流れを矢印で示す。また、図14には、長尺部231の各部分(突出部233aおよび233b、並びに谷部233c)に沿って吹き出される風の速度分布を示す。
吹き出しノズル230の構成によれば、図14に示すように、各突出部233aおよび233bからの風の成分が交わることがない。そのため、各突出部233aおよび233bの頂部からより高速の風を吹き出すことができ、より遠くまで風を到達させることができる。
<第4の実施形態>
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、吹き出しノズルを構成する筒体の形状が第1の実施形態とは異なっている。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様の構成を適用することができる。そこで、以下では、第1の実施形態とは異なる構成を中心に説明する。
図15には、第4の実施形態にかかる吹き出しノズル330の外観を示す。本実施形態にかかる吹き出しノズル330は、第1の実施形態と同様に、ヘアドライヤ1の本体部10に取り付けて用いられる。図15では、吹き出しノズル330を、本体部10から取り外した状態(吹き出しノズル330単体の図)で示す。
図15に示すように、吹き出しノズル330は、本体部10の吹き出し口12に連結される吸い込み口(開口部)34を一端(Z2側)に有するとともに、吹き出し口35を他端(Z1側)に有する筒体で構成されている。吹き出しノズル330は、本体部10に着脱可能となっている。
吸い込み口(開口部)34は、略円形状を有している。また、吹き出しノズル330を構成する筒体の内部は、送風路になっている。送風路は、風の主流方向に延びている。送風路を形成している筒体は、主流方向の長さが、相対的に短い部分(すなわち、短尺部32)と、相対的に長い部分(すなわち、長尺部31)とをそれぞれ有している。長尺部31は、主流方向の下流に向かって突形状を有している突出部33を有している。
第1の実施形態では、吹き出しノズル30を構成する筒体は、略円柱形の外形を有している。これに対して、本実施形態にかかる吹き出しノズル330では、筒体の形状は、風の主流方向の下流側に向かって送風路の内径が狭まるような形状となっている。具体的には、筒体は、長尺部31側の送風路が狭まるように主流方向に沿って傾斜している。
この構成によれば、長尺部31を形成している突出部33の頂部31aから吹き出される高速風を内側方向に規定できる。そのため、高速風が外側に拡散することを抑制することができ、速度をより維持しやすくなる。また、吹き出し口35を絞ることにもなるので、風速アップの効果が得られやすい。
なお、送風路の断面積の変化率は、ほぼ一定であることが好ましい。この構成によれば、筒体の内径を単に狭める場合に比較して、効率の良い送風が可能となる。そのため、風量を下げずに風速を上げることが可能となる。なお、この場合の送風路の幅の狭め方は、送風路が連続的に滑らかに狭まり、かつ、長尺部31の傾斜角度が10°以内であることが好ましい。
<第5の実施形態>
続いて、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、吹き出しノズルの構成が第1の実施形態とは異なっている。それ以外の構成については、第1の実施形態と同様の構成を適用することができる。そこで、以下では、第1の実施形態とは異なる構成を中心に説明する。
図16には、第5の実施形態にかかる吹き出しノズル430の外観を示す。本実施形態にかかる吹き出しノズル430は、第1の実施形態と同様に、ヘアドライヤ1の本体部10に取り付けて用いられる。図16では、吹き出しノズル430を、本体部10から取り外した状態(吹き出しノズル430単体の図)で示す。
図16に示すように、吹き出しノズル430は、本体部10の吹き出し口12に連結される吸い込み口(開口部)34を一端(Z2側)に有するとともに、吹き出し口35を他端(Z1側)に有する筒体で構成されている。吹き出しノズル430は、本体部10に着脱可能となっている。
吸い込み口(開口部)34は、略円形状を有している。また、吹き出しノズル430を構成する筒体の内部は、送風路になっている。送風路は、図16中、矢印で示す風の主流方向に延びている。送風路を形成している筒体は、主流方向の長さが、相対的に短い部分(すなわち、短尺部432)と、相対的に長い部分(すなわち、長尺部431aおよび431b)とをそれぞれ有している。各長尺部431aおよび431bは、主流方向の下流に向かって突形状を有している突出部433をそれぞれ有している。
このように、本実施形態にかかる吹き出しノズル430では、長尺部および短尺部が各2つずつ形成されている。具体的には、長尺部431aは、ヘアドライヤ1の上方側(Y1側)に位置し、長尺部431bは、ヘアドライヤ1の下方側(Y2側)に位置する。また、2つの短尺部432および432は、ヘアドライヤ1の左右両側(X1側およびX2側)にそれぞれ位置する。
このような構成によれば、各長尺部431aおよび431bを形成している突出部433の頂部から縦渦成分をそれぞれ発生させることができる。これにより、ヘアドライヤ1の上方側(Y1側)および下方側(Y2側)から高速風を吹き出すことができる。また、短尺部432が位置する吹き出し口35の中央部からは大風量の風を吹き出すことができる。
<第6の実施形態>
以下、本発明の第6の実施形態について説明する。上述した第1から第5の実施形態では、送風装置の一例としてヘアドライヤを挙げて説明した。これに対して、第6の実施形態では、送風装置が洗濯乾燥機である場合の構成について説明する。
図17には、本実施形態にかかる縦型洗濯乾燥機700の内部構成を示す。縦型洗濯乾燥機700は、主な構成として、外筐部701、洗濯槽702、蓋部703などを備えている。
外筐部701は、上方に開口した開口部を有している。洗濯槽702は、外筐部701の内側に設けられている。洗濯槽702内には、開口部を介して洗濯物が入れられる。蓋部703は、ヒンジ機構によって、外筐部701に対して上下に回動可能となるように取り付けられている。蓋部703を回動させることによって、開口部を開閉することができる。縦型洗濯乾燥機700は、洗濯槽702内に入れられた洗濯物を洗濯する洗濯動作、および、乾燥対象物を乾燥させる乾燥動作を行う。
乾燥動作を行う場合には、洗濯槽702に温風が供給される。乾燥動作を行うために、縦型洗濯乾燥機700は、乾燥ユニット704を備えている。乾燥ユニット704は、外筐部701の後部の上面板上に配置されている。乾燥ユニット704は、送風機構やヒータなどを備えている。
送風機構は、吸気口から吸入された空気を送風口から洗濯槽702内へ送出する。ヒータは、吸気口から吸入された空気を温める。送風口には、吹き出しノズル30が取り付けられている。吹き出しノズル30は、第1の実施形態で説明した吹き出しノズル30と同様の構成を有している。これにより、乾燥ユニット704は、乾燥動作の実行時に、洗濯槽702内に温風を供給することができる。
また、蓋部703の出入口に対向する面(内側の面)には、ハンガー720を掛けるためのフック705が設けられている。これにより、ユーザは、蓋部703を開けた状態で、衣類(乾燥対象物)を取り付けたハンガー720をフック705に掛けることが可能である。
この状態から、ユーザによって蓋部703が閉じられることにより、洗濯槽702内において衣類を吊り下げた状態とすることが可能である。このようにして、縦型洗濯乾燥機700は、ハンガーを用いて吊り下げられた衣類に対し、吊り干乾燥を行うことが可能となっている。吊り干乾燥によれば、洗濯槽702の底に積まれている衣類を乾燥させるような場合に比べて、一般的に乾燥効率が良く、また、皺等が付き難いため、好ましい状態での仕上がりが期待される。
洗濯乾燥機において、効果的に乾燥を行うためには、風の直進性と大風量が所望される。従来の縦型洗濯乾燥機では、被乾燥物を十分に乾かすことができない場合があった。あるいは、十分に乾燥させるためには長時間かかってしまうという問題があった。これは、風の到達距離が短い場合と、風は到達するものの風量が不足している場合とが考えられる。被乾燥物をしっかりと短時間で乾燥させるために、ファンの静圧を上げずに到達距離を延ばすことが望まれる。一方、静圧を上げずに風速を高め、到達距離を延ばす方法として、吹き出し口を絞って吹き出し風速を高めるという方法がある。しかし、吹き出し口を単に絞るだけでは、圧損が高まることにより、風量が激減し、被乾燥物を十分に乾燥させるだけの風量が得られなくなる。
これに対して、本実施形態にかかる縦型洗濯乾燥機700には、乾燥ユニット704の送風口に吹き出しノズル30が取り付けられている。これにより、縦型洗濯乾燥機700において乾燥動作を行うときに、乾燥ユニット704から洗濯槽702内へ大風量かつ高風速の風を送出することができる。これにより、より短時間で被乾燥物を乾かすことができる。
なお、縦型洗濯乾燥機700に吹き出しノズル30を取り付ける場合には、送風路30a内を長尺部31と短尺部32との間で分割してもよい。これにより、送風路30a内が大風量部と高風速部とに分割される。このような構成は、被乾燥物をハンガー720に掛けた状態で乾燥を行う場合に、好適に利用できる。また、このような構成は、ドラム式洗濯乾燥機の場合にも好適に利用される。高風速部となる一方の送風路からの高速の風は、ドラム式洗濯乾燥機のドラム槽内で団子状になっている被乾燥物(洗濯物)を分散させるために有効である。大風量部となる他方の送風路からの大風量の風は、乾燥時間の短縮化に有効である。また、一方の送風路からの高速の風は、吹き出しノズル30にふとんなどの被乾燥物が被さった状態でも遠くまで到達させることできる。
なお、縦型洗濯乾燥機700には、吹き出しノズル30の代わりに、上述の各実施形態で説明した他の吹き出しノズル130・230・330・430の何れかを取り付けることもできる。
<第7の実施形態>
以下、本発明の第7の実施形態について説明する。第7の実施形態では、送風装置がブロワである場合の構成について説明する。
図18には、第7の実施形態にかかるブロワ800の構成を示す。ブロワ800は、風を送ることで周辺に存在する物などを吹き飛ばそうとするものである。図18に示すように、ブロワ800は、主な構成として、本体部801、操作部802、送風パイプ803、および吹き出しノズル130などを備えている。
本体部801内には、送風機構が収容されている。操作部802は、本体部801の上面に設けられている。ブロワ800の使用時に、ユーザが操作部802を操作することで、ブロワ800が動作を開始したり停止したりする。送風パイプ803は、本体部801内の送風機構から外部へと延びる管状の部材である。吹き出しノズル130は、送風パイプ803の先端に取り付けられている。
図19には、ブロワ800の使用例を示す。図19に示すブロワ800には、本体部801の上部に把持部804が設けられている。また、図19に示すブロワ800では、送風パイプ803が、複数本のパイプを連結させて形成されている。そのため、送風パイプ803をより長くすることができる。図19に示すブロワ800によれば、ユーザが把持部804を把持し、操作部802を操作することで、地面に存在する木の葉などを吹き飛ばすことができる。
また、本実施形態にかかるブロワ800には、送風パイプ803に吹き出しノズル130が取り付けられている。これにより、高速の風を吹き出すことができるため、木の葉などを剥がすことができる。また、大風量の風を吹き出すことができるため、多くの葉っぱを動かすことができる。
なお、吹き出しノズル130を、送風パイプ803に対して回動自在な構成とすることもできる、これにより、送風パイプ803の下側から高速の風を吹き出すことができる。したがって、湿って地面にへばりついた木の葉なども持ち上げることが可能となる。
また、ブロワ800には、吹き出しノズル130の代わりに、上述の各実施形態で説明した他の吹き出しノズル30・230・330・430の何れかを取り付けることもできる。ブロワ800の用途に応じて、送風パイプ803に取り付ける吹き出しノズルを適宜変更することができる。
(まとめ)
本発明の一局面は、送風装置の吹き出しノズル(例えば、吹き出しノズル30・130・230・330・430)に関する。この吹き出しノズルは、風の主流方向に延びる送風路(例えば、送風路30a)を備えている。前記送風路は、前記主流方向の上流側に略円形状の開口部(例えば、吸い込み口34)を有している。また、前記送風路は、風の主流方向の長さが、相対的に短い部分(すなわち、短尺部)と長い部分(すなわち、長尺部)とをそれぞれ有し、前記長い部分は風の主流方向の下流に向かう突形状(例えば、突出部33)を有している。前記突形状は、風の主流方向の下流側に向かって徐々に細くなっている。
上記の本発明の一局面にかかる吹き出しノズルは、前記突形状を少なくとも2つ有していてもよい。例えば、第2の実施形態にかかる吹き出しノズル130のように、2つの突出部133aおよび133bを有していてもよい。なお、別の態様にかかる吹き出しノズルでは、3つ以上の突出部を有していてもよい。
上記の本発明の一局面にかかる吹き出しノズルでは、前記送風路の周方向における略半周が、前記短い部分(すなわち、短尺部)となっており、前記短い部分の各端部から前記突形状が形成されていてもよい。
上記の本発明の一局面にかかる吹き出しノズルでは、前記吹き出しノズルの吹き出し面積(例えば、吹き出し面積Y)が、前記開口部の面積(例えば、吸い込み面積X)に対して、0.6倍以上1.3倍以下の範囲内であってもよい。ここで、前記吹き出しノズルの吹き出し面積は、前記吹き出しノズルの吹き出し側における端部全周を、前記吹き出しノズルの最下流の位置における前記主流方向に垂直な面に投影して得られる形状の面積と定義される。
上記の本発明の一局面にかかる吹き出しノズルにおいて、前記突形状は、複数個設けられており、各突形状は、前記主流方向の下流側へ向かうにしたがって、互いに近づく方向へ突出していてもよい。例えば、第2の実施形態にかかる吹き出しノズル130のように、先端へ向かかうにしたがって主流方向からやや中央に向かって傾斜している2つの突出部133aおよび133bを有していてもよい。
また、上記の本発明の一局面にかかる吹き出しノズルにおいて、前記突形状は、複数個設けられており、各突形状は互いに略平行な向きに突出していてもよい。例えば、第3の実施形態にかかる吹き出しノズル230のように、互いに略平行な2つの突出部233aおよび233bを有していてもよい。なお、別の態様にかかる吹き出しノズルでは、互いに略平行な3つ以上の突出部を有していてもよい。
また、本発明のもう一つの局面は、上記の何れかの構成を有する吹き出しノズルを備えている送風装置に関する。送風装置としては、例えば、ヘアドライヤ、洗濯乾燥機、ブロワなどが挙げられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
1 :ヘアドライヤ(送風装置)
10 :本体部
12 :(本体部の)吹き出し口
30 :吹き出しノズル
31 :長尺部
32 :短尺部
33 :突出部
34 :(吹き出しノズルの)吸い込み口(開口部)
35 :(吹き出しノズルの)吹き出し口
130 :吹き出しノズル
131 :長尺部
133a:突出部
133b:突出部
230 :吹き出しノズル
330 :吹き出しノズル
430 :吹き出しノズル
X :吸い込み面積
Y :吹き出し面積

Claims (7)

  1. 送風装置の吹き出しノズルであって、
    風の主流方向に延びる送風路を備え、
    前記送風路は、前記主流方向の上流側に略円形状の開口部を有し、かつ、
    前記送風路は、前記主流方向の長さが、相対的に短い部分と長い部分とをそれぞれ有し、前記長い部分は前記主流方向の下流に向かう突形状を有しており、前記突形状は、前記主流方向の下流側に向かって徐々に細くなっている、
    吹き出しノズル。
  2. 前記突形状を少なくとも2つ有している。請求項1に記載の吹き出しノズル。
  3. 前記送風路の周方向における略半周が、前記短い部分となっており、前記短い部分の各端部から前記突形状が形成されている、請求項1または2に記載の吹き出しノズル。
  4. 前記吹き出しノズルの吹き出し面積が、
    前記吹き出しノズルの吹き出し側における端部全周を、前記吹き出しノズルの最下流の位置における前記主流方向に垂直な面に投影して得られる形状の面積
    として定義されるとき、
    前記吹き出し面積は、前記開口部の面積に対して、0.6倍以上1.3倍以下の範囲内である、請求項1から3の何れか1項に記載の吹き出しノズル。
  5. 前記突形状は、複数個設けられており、各突形状は、前記主流方向の下流側へ向かうにしたがって、互いに近づく方向へ突出している、請求項1から4の何れか1項に記載の吹き出しノズル。
  6. 前記突形状は、複数個設けられており、各突形状は互いに略平行な向きに突出している、請求項1から4の何れか1項に記載の吹き出しノズル。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の吹き出しノズルを備えている送風装置。
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