JP2019179706A - 電子銃 - Google Patents

電子銃

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Abstract

【課題】電子銃の構成要素の設計自由度が大きく制約されることなく、電子銃の保守性の向上を図ることが可能な電子銃を提供する。【解決手段】電子ビームを発生する電子発生源と、電子ビームを180度から270度の範囲に偏向し、かつ電子ビームをスポット状に成形する、磁界を発生する磁力発生源と、電子ビームが照射される材料を収容する容器と、磁力発生源に磁気回路接続され、電子ビームの軌道を挟んで配置された、一対の板状の側板ヨークを備え、磁力発生源は、電子発生源から見て容器とは反対の側に配置され、かつ電子ビームの偏向軌道の外に配置されており、側板ヨークは、電子発生源と対向する部分が第1の開口部となっている電子銃を構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、電子発生源から電子ビームを発生させる電子銃に関する。
光学デバイスや電子デバイスを作製するために、半導体基板等に被膜を形成する方法として、電子ビーム蒸着法が知られている。
電子ビーム蒸着法では、被膜の材料に電子ビームを照射して、材料を加熱して蒸発させることにより、半導体基板等に被膜を形成する。
電子ビーム蒸着法に用いられる電子銃の一般的な基本構造を、図5に示す。
この図5に示す電子銃は、図示を省略した電子発生源およびアノードと、走査コイル5と、一対の側板ヨーク7a及び7bと、一対のポールピース8と、水冷機構を備えた水冷ルツボ13を備えている。水冷ルツボ13は、被膜を形成するための蒸着材料14を収容する。また、図示を省略しているが、電子銃および水冷ルツボ13のおおよそ上方に、被膜を形成する対象の基材(半導体基板等)が配置される。
この電子銃では、マイナスの高電位とされた電子発生源と、アース電位とされたアノードとの間に形成される電界によって、電子ビーム4が引き出される。引き出された電子ビーム4は、側板ヨーク7aおよび7bやポールピース8が形成する電子ビーム偏向磁界12によって、270度偏向されてスポット状に成形されて、水冷ルツボ13内に充填された蒸着材料14の表面に照射される。これにより、電子ビーム4が照射された蒸着材料14は、加熱されて蒸発する。ここで、走査コイル5が電子ビーム4との交差空間に形成する交流磁界によって、蒸着材料14の表面に照射される電子ビーム4のスポット21が、図中の軌跡22で示すように、蒸着材料14の表面上を走査されるので、蒸着材料14の表面を均一に加熱することができる。そして、蒸発した蒸着材料14は、上方に配置された基材の表面に堆積する。
このようにして、基材の表面に、蒸着材料14の被膜を形成することができる。
上述した基本構造を備えた、従来の電子銃の一例(従来例1)の概略構成図を、図6に示す。また、図6のA−A´における断面図を図7に示し、図6のB−B´における断面図を図8に示す。なお、図6は、水冷ルツボ13の部分を蒸発材料14が見えるように断面図としており、その他の部分は一方の側方ヨーク7bの側面から見た図としている。
図6〜図8に示す電子銃210は、図5に示した基本構造に加えて、電子発生源1と、電子発生源1を固定する高電圧端子2と、アノード3と、水冷ルツボ13の下方に配置された磁力発生源6と、側板ヨーク7aおよび7bの上部に接続されたポールピース9と、側板ヨーク7aおよび7bの右に接続された磁気調整板11を備えている。
磁力発生源6は、中央部に配置された永久磁石6aと、永久磁石6aの両側面に磁気回路接続されたヨーク6bおよび6cと、磁気調整棒10から構成されている。そして、それぞれ円柱状の永久磁石6aとヨーク6bおよび6cに対して、その中心部を磁気調整棒10が貫通している。
側板ヨーク7aおよび7bは、磁力発生源6の側方に配置されて、磁力発生源6と磁気回路接続されている。
電子発生源1と高電圧端子2、磁力発生源6、走査コイル5は、ケース20内に収容されている。側板ヨーク7a及び7bは、上部のポールピース8,9と接続された部分以外は、ケース20内に収容されている。なお、ケース20は透明または不透明のいずれの構成も可能であるが、図6ではケース20の内部が見えるように、ケース20は断面図で表現している。
この電子銃210では、マイナスの高電位の電子発生源1とアース電位のアノード3との間に形成される電界によって、電子ビーム4が引き出される。引き出された電子ビーム4は、側板ヨーク7aおよび7bやポールピース8とポールピース9が形成する電子ビーム偏向磁界12によって、270度偏向されて、スポット状に成形される。そして、偏向された電子ビーム4は、図5に示した基本構造と同様に、水冷ルツボ13内に充填された蒸着材料14の表面に照射され、蒸着材料14が加熱されて蒸発する。
また、この電子銃210では、適切な太さの磁気調整棒10と、適切な厚さの磁気調整板11を、側板ヨーク7a及び7bに短絡させることにより、電子ビーム偏向磁界12が最適な強度に調整されている。
なお、従来例1の電子銃210の永久磁石6aの代わりに電磁石が設けられている構成が、特許文献1に開示されている。
次に、上述した基本構造を備えた、従来の電子銃の他の例(従来例2)の概略構成図を、図10に示す。なお、図10は、水冷ルツボ13の部分を蒸発材料14が見えるように断面図としており、その他の部分は一方の側方ヨーク7bの側面から見た図としている。
図10に示す電子銃220は、図5に示した基本構造に加えて、電子発生源1と、電子発生源1を固定する高電圧端子2と、アノード3と、電子発生源1の下方に配置された磁力発生源6と、側板ヨーク7aおよび7bの右に接続された磁気調整板11を備えている。
磁力発生源6は、中央部に配置された永久磁石6aと、永久磁石6aの両側面に磁気回路接続されたヨーク6bおよび6cと、磁気調整棒10から構成されている。そして、それぞれ円柱状の永久磁石6aとヨーク6bおよび6cに対して、その中心部を磁気調整棒10が貫通している。
側板ヨーク7aおよび7bは、磁力発生源6の側方に配置されて、磁力発生源6と磁気回路接続されている。
電子発生源1と高電圧端子2、磁力発生源6、走査コイル5、側板ヨーク7a及び7bは、ケース20内に収容されている。なお、図10では、図6と同様にケース20の内部が見えるように、ケース20は断面図で表現している。
また、図10のA−A´における断面図を、図11Aと図11Bにそれぞれ示す。図11Aは、内部ポールピースが構成された場合(標準構成)の断面図である。図11Bは、内部ポールピースが構成されていない場合の断面図である。
図11Aに示す断面図では、側板ヨーク7aおよび7bから、それぞれ電子ビーム4の軌道に向けて内側に延びるように、上下2対4本の内部ポールピース18が配置されている。これらの内部ピールピース18によって、図中左向きの磁界19が形成される。この磁界19によって、磁力発生源6の永久磁石6aからの漏れ磁界15によって電子ビーム4に作用するローレンツ力16aを補正することができる。図11Bでは電子ビーム4が発散する方向にローレンツ力16aが作用しているが、図11Aでは電子ビーム4が発散しない方向にローレンツ力16aが補正されている。
なお、図5に示した基本構造では側板ヨーク7a及び7bの横にポールピース8が接続されていたが、この電子銃220では、側板ヨーク7aおよび7bに接続されたポールピース8が、側板ヨーク7aおよび7bの上方に延びた構成となっている。また、図11A及び図11Bに示すように、ポールピース8は、さらに上部が内側に延びて形成され、電子ビーム4の軌道を囲う構成となっている。
この電子銃220では、マイナスの高電位の電子発生源1とアース電位のアノード3との間に形成される電界によって、電子ビーム4が引き出される。引き出された電子ビーム4は、側板ヨーク7aおよび7bやポールピース8が形成する電子ビーム偏向磁界12によって、図11Aの場合はさらに内部ポールピース18が形成する磁界19にもよって、270度偏向され、スポット状に成形される。そして、偏向された電子ビーム4は、図5に示した基本構造と同様に、水冷ルツボ13内に充填された蒸着材料14の表面に照射され、蒸着材料14が加熱されて蒸発する。
また、この電子銃220では、適切な太さの磁気調整棒10と、適切な厚さの磁気調整板11を、側板ヨーク7a及び7bに短絡させることにより、電子ビーム偏向磁界12が最適な強度に調整されている。
なお、従来例2の電子銃220と磁力発生源の配置等が同様である構成が、特許文献2に開示されている。
特許第6195662号明細書 特許第5131547号明細書
しかしながら、従来例1の電子銃210では、図6及び図7に示すように、水冷ルツボ13の下方に磁力発生源6が配置されているため、水冷ルツボ13の寸法や配置の設計自由度が大きな制約を受けていた。
また、水冷ルツボ13の下方に磁力発生源6が配置されているため、磁力発生源6の永久磁石6aからの漏れ磁界15によって、水冷ルツボ13付近の電子ビーム4にはローレンツ力16bが作用して大きく偏向する。このため、蒸着材料14の蒸発消耗によって蒸着材料14の表面の高さが低下するにつれて、電子ビーム4のスポット位置が電子発生源1の方向に次第にずれていく。
これに対して、従来例2の電子銃220では、図10に示すように、電子発生源1の下方に磁力発生源6が配置されているため、水冷ルツボ13の寸法や配置の設計自由度が制約を受けることはない。また、磁力発生源6が水冷ルツボ13から離れるため、水冷ルツボ13付近の電子ビーム4への漏れ磁界15の影響は小さくなる。
従来例2の電子銃220では、電子発生源1の側方に側板ヨーク7aおよび7bが配置されているため、図示しないが、電子発生源1の上方に電子銃開口部を設けて、上方から電子発生源1を脱着できるような構造としている。
しかしながら、電子銃開口部との緩衝を回避するため、走査コイル5等の寸法や配置の設計自由度が大きな制約を受ける。
また特に、図11Aに示した内部ポールピース18を設けた構成においては、電子銃を長時間連続稼働させる場合、電子発生源1からの輻射熱によって内部ポールピース18の温度が次第に上昇して、磁界19の強度が弱くなる。このように磁界19が弱くなると、電子ビーム4のスポットの位置や絞りの安定性が低下する問題が生じる。
上述した問題の解決のために、本発明においては、ルツボ、走査コイルなどの電子銃の構成要素の設計自由度が大きく制約されることなく、電子銃の保守性の向上を図ることが可能な電子銃を提供するものである。
本発明の電子銃は、電子ビームを発生する電子発生源と、電子ビームを180度から270度の範囲に偏向し、かつ前記電子ビームをスポット状に成形する、磁界を発生する磁力発生源と、電子ビームが照射される材料を収容する容器と、磁力発生源に磁気回路接続され、電子ビームの軌道を挟んで配置された、一対の板状の側板ヨークを備える。
そして、本発明の電子銃では、磁力発生源は、電子発生源から見て、容器とは反対の側に配置され、かつ電子ビームの偏向軌道の外に配置され、側板ヨークは、電子発生源と対向する部分が第1の開口部となっている
本発明の電子銃において、磁力発生源を、中央部に配置された第1のヨークと、この第1のヨークの両外側にそれぞれ接続された磁石と、各磁石の外側に配置された第2のヨークとから構成することもできる。
本発明の電子銃において、電子銃の構成要素を冷却する冷却部をさらに備え、側板ヨークが冷却部の外側に接しており、側板ヨークの磁力発生源の外側の面と対向する部分が第2の開口部となっており、磁力発生源と側板ヨークの第2の開口部における端面とが接続されている構成とすることもできる。
上述の本発明の電子銃によれば、磁力発生源は、電子発生源から見て、電子ビームが照射される材料を収容する容器とは反対の側に配置され、かつ電子ビームの偏向軌道の外に配置されている。これにより、容器の設計の自由度が向上すると共に、容器内の材料に照射される電子ビームのスポットの位置のずれをほとんど無くすことができる。また、磁力発生源からの漏れ磁界の電子ビームに作用する影響を低減することができる。
従って、容器の設計の自由度を向上し、電子ビームのスポットの位置や絞りの安定性を向上することができる。
また、上述の本発明の電子銃によれば、側板ヨークは電子発生源と対向する部分が第1の開口部となっているので、電子発生源を側板ヨークの第1の開口部から容易に取り出すことができる。これにより、電子銃の構成要素の寸法や配置の設計自由度を向上し、電子銃の保守性を向上することができる。
本発明の電子銃の一実施の形態の概略構成図である。 図1のA−A´における断面図である。 図1のB−B´における断面図である。 実施形態の電子銃で水冷ブロックを設けた場合の概略構成図である。 電子ビーム蒸着法に用いられる電子銃の一般的な基本構造を示す図である。 従来の電子銃の一例(従来例1)の概略構成図である。 図6のA−A´における断面図である。 図6のB−B´における断面図である。 A、B 従来例1の電子銃で水冷ブロックを設けた場合の概略構成図である。 従来の電子銃の他の例(従来例2)の概略構成図である。 A、B 図10のA−A´における断面図である。Aは内部ポールピースが構成された場合の図である。Bは内部ポールピースが構成されていない場合の図である。 A、B 従来例2の電子銃で水冷ブロックを設けた場合の概略構成図である。
本発明の電子銃の具体的な実施の形態の説明に先立ち、まず、本発明の概要を説明する。
本発明の電子銃は、電子ビームを発生させて、容器に収容された材料に電子ビームを照射することによって、材料を加熱して、加熱された材料を、蒸発または溶融させるものである。本発明の電子銃を、例えば、電子ビーム蒸着法や電子ビーム溶融法に用いることができる。
本発明の電子銃は、電子ビームを発生する電子発生源と、磁力発生源と、電子ビームが照射される材料を収容する容器と、磁力発生源に磁気回路接続され、電子ビームの軌道を挟んで配置された、一対の板状の側板ヨークを備えている。
磁力発生源は、電子ビームを180度から270度の範囲に偏向し、かつ電子ビームをスポット状に成形する、磁界を発生する。そして、磁力発生源は、電子発生源から見て、容器とは反対の側に配置され、かつ電子ビームの偏向軌道の外に配置されている。
側板ヨークは、電子発生源と対向する部分が第1の開口部となっている。
電子発生源は、例えば、フィラメントが組み込まれて構成される。
フィラメントが通電されて加熱されることにより熱電子が放出され、アノードと電子発生源の電位差によって形成される電界で熱電子を加速することにより、電子ビームを生成することができる。
フィラメントは、繰り返しの使用により消耗していくので、消耗して劣化したフィラメントの交換が必要になる。フィラメントを交換する際には、電子発生源を電子銃から取り出す。
磁力発生源は、磁石と、磁石に磁気回路接続されたヨークとを備えて構成する。
磁石には、永久磁石または電磁石のいずれを用いても構わない。
磁力発生源の磁石及びヨークは、例えば、四角形や多角形の角柱状もしくは円柱状のように、一方向に長い構成とすることが好ましい。
そして、磁石の外側にヨークを接続することにより、磁石とヨークとを磁気回路接続させる。これにより、磁石の両外側の磁極(S,N)から発生する磁界が、磁石の外側に接続されたヨークを通るので、磁石の外側に何も接続しない場合と比較して、磁石からの漏れ磁界を大幅に低減することができる。ただし、磁石の外側にヨークを接続しても、磁石のヨークと接続されていない側面の周囲に漏れ磁界が発生する。
一対の側板ヨークは、磁力発生源に磁気回路接続される。これにより、磁力発生源(磁石、ヨーク)から発生した磁界を、側板ヨークに通すことができ、図5に示した基本構造と同様に、一対の側板ヨークの間に電子ビーム偏向磁界を形成する。
そして、一対の側板ヨークは、電子ビームの軌道を挟んで配置されているので、側板ヨークからの電子ビーム偏向磁界によって、電子ビームを180度から270度の範囲に偏向することができる。
容器は、電子ビームが照射される材料を収容する。
容器としては、例えば、ルツボ、ハース(トラフ)、その他箱状の容器、等が挙げられる。
容器に収容された材料は、電子発生源から発生した電子ビームが照射されることによって、加熱される。
例えば、電子銃を電子ビーム蒸着法に用いる場合には、容器に収容された蒸着材料(液体または固体)を、電子ビームの照射により加熱して蒸発させて、容器の上方に配置された基板に蒸着させて、基板上に被膜を形成する。
また例えば、電子銃を電子ビーム溶融法に用いる場合には、容器に収容された固体材料を、電子ビームの照射により加熱して溶融させて融液とする。融液は、例えば、所望の形状の型に収容して冷却固化させることにより、所望の形状とすることができる。
本発明の電子銃では、特に、磁力発生源は、電子発生源から見て、容器とは反対の側に配置され、かつ電子ビームの偏向軌道の外に配置されている。
これにより、容器と磁力発生源とが離れて配置されているので、容器の設計の自由度が向上すると共に、磁力発生源からの漏れ磁界によって電子ビームが受けるローレンツ力が極めて小さくなり、ローレンツ力によって電子ビームを偏向させる作用を抑制することができる。従って、容器内の材料に照射される電子ビームのスポットの位置が電子発生源の方向にずれることをほとんど無くすことができる。
また、電子発生源1の下に磁力発生源6が配置された、図6の従来例2の電子銃220の構成よりも、電子発生源から磁力発生源が離れて配置されるので、磁力発生源の磁石からの漏れ磁界の電子ビームに作用する影響を低減することができる。従って、電子ビームの絞りの安定性を向上することができる。
即ち、磁力発生源を上述した配置としたことにより、容器の設計の自由度を向上し、電子ビームのスポットの位置や絞りの安定性を向上することができる。
また、本発明の電子銃では、特に、側板ヨークは、電子発生源と対向する部分が第1の開口部となっている。これにより、電子発生源のフィラメントを交換する場合等、電子発生源を取り出す際に、電子発生源を、その側方にある側板ヨークの第1の開口部から取り出すことができる。このため、電子銃開口部を上方に設けて電子発生源1を上方に取り出す必要がある、従来例2の電子銃220と比較して、電子銃の構成要素(走査コイルや水冷部など)の寸法や配置の設計自由度が大きくなる。また、電子発生源を側方に取り出す際に、他の構成要素と緩衝することがなく、電子発生源の取り出しが容易になり、電子銃の保守性が向上する。
即ち、側板ヨークを上述した第1の開口部を有する構成としたことにより、電子銃の構成要素の寸法や配置の設計自由度を向上し、電子銃の保守性を向上することができる。
本発明の電子銃において、より好ましくは、磁力発生源を、中央部に配置された第1のヨークと、第1のヨークの両外側にそれぞれ接続された磁石と、各磁石の外側に配置された第2のヨークとから構成する。
これにより、電子ビームの軌道が通過する中央部には、永久磁石ではなく第1のヨークが配置されているため、永久磁石からの漏れ磁界によって電子ビームが受けるローレンツ力は小さくなり、かつローレンツ力は電子ビームが収束する方向に作用する。
従って、永久磁石からの漏れ磁界による電子ビームの軌道への影響を小さくして、電子ビームの軌道をずれにくくすることができる。
本発明の電子銃において、より好ましくは、電子銃の構成要素を冷却する冷却部をさらに備え、側板ヨークが冷却部の外側に接しており、側板ヨークの磁力発生源の外側の面と対向する部分が第2の開口部となっており、磁力発生源と側板ヨークの第2の開口部における端面とが接続されている構成とする。
これにより、磁力発生源や冷却部の寸法に製造上のばらつきがあっても、そのばらつきの側方ヨークへの影響を大幅に低減することができ、かつ側板ヨークの第2の開口部における端面で磁力発生源と隙間無く確実に接続させることができる。そして、磁力発生源と側板ヨークとの隙間に起因する磁気抵抗が発生しないので、磁気抵抗のばらつきに起因する電子ビーム偏向磁界の強度の電子銃個体差の発生を抑制して、電子銃の不良率を低減することができる。
続いて、本発明の電子銃の具体的な実施の形態を説明する。
本発明の電子銃の一実施の形態の概略構成図を、図1に示す。
また、図1のA−A´における断面図を図2に示し、図1のB−B´における断面図を図3に示す。
図1〜図3に示す電子銃100は、電子発生源1と、電子発生源1を固定する高電圧端子2と、アノード3と、走査コイル5と、磁力発生源6と、一対の側板ヨーク7aおよび7bと、ポールピース8と、磁気調整板11と、水冷機構を備えた水冷ルツボ13を備えている。
水冷ルツボ13は、図示しない水冷機構を備え、被膜を形成するための蒸着材料14を収容する。
ポールピース8は、図5に示した基本構造と同様に、一対の側板ヨーク7aおよび7bのそれぞれに1個ずつ接続され、2個のポールピース8が水冷ルツボ13の両側に延びて形成されている。
磁気調整板11は、側板ヨーク7aおよび7bの図1の左上の部分に接続されている。
また、図示を省略しているが、電子銃および水冷ルツボ13のおおよそ上方に、被膜を形成する対象の基材(半導体基板等)が配置される。
電子発生源1と高電圧端子2,磁力発生源6、走査コイル5、側板ヨーク7aおよび7b、磁気調整板11は、ケース20内に収容されている。
なお、ケース20は、透明または不透明のいずれの構成も可能であるが、図1では、図6や図10と同様に、ケース20の内部が見えるように、ケース20を断面図で表現している。
この電子銃100では、マイナスの高電位の電子発生源1とアース電位のアノード3との間に形成される電界によって、電子ビーム4が引き出される。引き出された電子ビーム4は、側板ヨーク7aおよび7bやポールピース8が形成する電子ビーム偏向磁界12によって、270度偏向されて、スポット状に成形される。そして、偏向された電子ビーム4は、図5に示した基本構造と同様に、水冷ルツボ13内に充填された蒸着材料14の表面に照射され、蒸着材料14が加熱されて蒸発する。
ここで、走査コイル5が電子ビーム4との交差空間に形成する交流磁界によって、蒸着材料14の表面に照射される電子ビーム4のスポットが、蒸着材料14の表面上を走査されるので、蒸着材料14の表面を均一に加熱することができる。そして、蒸発した蒸着材料14は、上方に配置された基材の表面に堆積する。
このようにして、基材の表面に、蒸着材料14の被膜を形成することができる。
また、この電子銃100では、適切な太さと適切な厚さの磁気調整板11を、側板ヨーク7a及び7bに短絡させることにより、電子ビーム偏向磁界12が最適な強度に調整されている。
本実施の形態の電子銃100では、特に、磁力発生源6が、電子発生源1から見て水冷ルツボ13とは反対の側に配置され、かつ電子ビーム4の偏向軌道の外に配置されている。具体的には、図1において、電子発生源1の右側の上方に水冷ルツボ13が配置され、電子発生源1の左に磁力発生源6が配置されている。
これにより、磁力発生源6が水冷ルツボ13の下に配置された、従来例1の電子銃210と比較して、水冷ルツボ13の設計の自由度が向上する。
また、磁力発生源6が、電子発生源1から見て水冷ルツボ13とは反対の側に配置され、電子ビーム4の偏向軌道の外に配置されているので、磁力発生源6が水冷ルツボ13から離れて配置されている。これにより、永久磁石6aからの漏れ磁界15による、電子ビーム4を偏向させるローレンツ力の作用は、極めて小さくなっている。このため、蒸着材料14の蒸発消耗によって蒸着材料14の表面の高さが低下しても、電子ビーム4のスポットの位置が電子発生源1の方向にずれることがほとんど無くなる。
また、本実施の形態の電子銃100では、一対の側板ヨーク7aおよび7bは、電子発生源1に対向する部分に四角形状の切り欠きを有していて、電子発生源1と対向する部分が開口(第1の開口部)となっている。
これにより、電子発生源1を、その側方にある、側板ヨーク7aおよび7bの第1の開口部から、容易に取り出すことができる。このため、電子銃開口部を上方に設けて電子発生源1を上方に取り出す必要がある、従来例2の電子銃220と比較して、走査コイル5などの寸法や配置の設計自由度が大きくなる。また、電子発生源1を側方に取り出す際に、他の部品と緩衝することがなく、電子発生源1の取り出しが容易になり、電子銃の保守性が向上する。
また、本実施の形態の電子銃100では、磁力発生源6を、従来例1の電子銃210や従来例2の電子銃220とは異なる構成としている。
従来例1の電子銃210や従来例2の電子銃220では、図8や図11Aおよび図11Bに示すように、磁力発生源6を、中央部に1個の永久磁石6aが配置され、この永久磁石6aの両側面にヨーク6bおよび6cが配置された構成としている。そして、永久磁石6aと、ヨーク6bおよび6cとが、磁気回路接続されている。
このような構成の磁力発生源6では、中央部に永久磁石6aが配置されているので、永久磁石6aから電子ビーム4の軌道までの距離が比較的小さくなり、永久磁石6aからの漏れ磁界15によって電子ビーム4に作用するローレンツ力が大きくなる。
特に、従来例2の電子銃220では、磁力発生源6が電子発生源1の下に配置されているので、図11Bに示した内部ポールピースが構成されてない場合において、ローレンツ力16aは、電子ビーム4が発散する方向に作用する。電子ビーム4が発散する方向にローレンツ力16aが作用すると、電子ビーム4の軌道が側方にずれやすくなる。
そこで、上述したローレンツ力16aの電子ビーム4への作用を抑制するために、図11Aに示すように内部ポールピース18を構成すれば、内部ポールピース18により生じる磁界19によって、永久磁石6aからの漏れ磁界15を補正することができる。
しかしながら、図11Aに示すように内部ポールピース18を構成すると、図1に示したように電子発生源1の側方に対向する部分の側板ヨーク7aおよび7bに開口部を設けることができないので、電子発生源1は上方に取り出すしかなくなる。また、内部ポールピース18があるため、電子発生源1を上方に取り出す際の空間が狭くなり取り出しが煩雑になる。
これに対して、本実施の形態の電子銃100では、図2および図3に示すように、磁力発生源6を、2個の永久磁石6aと、2個の永久磁石6aの間に磁気回路接続された第1のヨーク6dと、永久磁石6aの外側に磁気回路接続された第2のヨーク6bおよび6cとを有する構成としている。即ち、電子ビーム4の軌道が通過する中央部には、永久磁石6aではなく第1のヨーク6dが配置され、中央部の第1のヨーク6dを挟んで両側にそれぞれ永久磁石6aが配置されている。
このように磁力発生源6の中央部に第1のヨーク6dが構成されているため、永久磁石6aからの漏れ磁界15によって電子ビーム4が受けるローレンツ力16cの大きさは小さい上に、ローレンツ力16cは電子ビーム4が収束する方向に作用する。
従って、永久磁石6aからの漏れ磁界15による電子ビーム4の軌道への影響を小さくして、電子ビーム4の軌道をずれにくくすることができる。
また、図11Aに示した内部ポールピース18を設ける必要がなく、図1に示すように電子発生源1の側方に対向する部分の側板ヨーク7aおよび7bに開口部を設けて、電子発生源1を側方に取り出すことができる。
さらに、本実施の形態の電子銃100では、特に、側方ヨーク7aおよび7bが、磁力発生源6の側方の部分にも切り欠き(第2の開口部)を有している。そして、磁力発生源6の外側の第2のヨーク6bおよび6cと、板状の側方ヨーク7aおよび7bとの接続が、側方ヨーク7aおよび7bの側面(板の主面)ではなく、側方ヨーク7aの第2の開口部の端面(板の非主面)となっている。
これにより、磁力発生源6などにおいて、寸法に製造上のばらつきがあっても、そのばらつきの側方ヨーク7aおよび7bへの影響を大幅に低減することができる。
上述の製造上のばらつきの側方ヨーク7aおよび7bへの影響を大幅に低減する効果は、電子銃100の各部を冷却するための冷却部を、一対の側方ヨーク7aおよび7bに接してそれらの間に設けた場合に顕著である。
ここで、従来例1の電子銃210、従来例2の電子銃220、本実施の形態の電子銃100のそれぞれにおいて、一対の側方ヨーク7aおよび7bの間に、かつ側方ヨーク7aおよび7bと接して、冷却部として冷却ブロック17aを設けた構成を、比較して示す。
従来例1の電子銃210に水冷ブロック17aを設けた構成を、図9Aおよび図9Bに示す。従来例2の電子銃220に水冷ブロック17aを設けた構成を、図12Aおよび図12Bに示す。本実施の形態の電子銃100に水冷ブロック17aを設けた構成を、図4Aおよび図4Bに示す。なお、これらの図面において、水冷ブロック17a、磁力発生源6、および側板ヨーク7aおよび7b以外の電子銃構成要素は、説明を簡略化するために図示を省略している。
それぞれの構成において、水冷ブロック17aは、側方ヨーク7aおよび7bに接しており、これにより、側方ヨーク7aおよび7bを十分に冷却することができる。また、水冷ブロック17aは、電子発生源1や走査コイル5など、他の部品も冷却する。
本実施の形態の電子銃100の図4Aおよび図4Bでは、破線で示すように、水冷ブロック17aの中心部に凹部が形成され、この凹部の内部に空間17cを有しており、空間17c内に走査コイル5などの他の部品が配置される。従来例1の電子銃210や従来例2の電子銃220の水冷ブロック17aでも、図示しないが他の部品が配置される空間を有している。
なお、従来例1の電子銃210では、水冷ブロック17aの下に、さらに別の水冷ブロック17bが設けられている。
従来例1の電子銃210では、図9Bに示すように、水冷ブロック17aの横に側方ヨーク7aおよび7bが接して設けられていると共に、磁力発生源6の外側のヨーク6bおよび6cの横に側方ヨーク7aおよび7bが設けられている。これにより、側方ヨーク7aおよび7bが水冷ブロック17aによって十分に冷却されると共に、磁力発生源6のヨーク6bおよび6cと側方ヨーク7aおよび7bが磁気回路接続される。
従来例2の電子銃220では、図12Bに示すように、従来例1の電子銃210と同様に、水冷ブロック17aの横に側方ヨーク7aおよび7bが接して設けられていると共に、磁力発生源6の外側のヨーク6bおよび6cの横に側方ヨーク7aおよび7bが設けられている。
これら従来例1の電子銃210および従来例2の電子銃220では、理想的には、水冷ブロック17aの幅寸法L1と磁力発生源6の幅寸法L2が同一寸法とされる。
側板ヨーク7aおよび7bは、水冷ブロック17aの両側面に当てて固定することで、間接的に冷却されることから、側板ヨーク7aおよび7bの間隔は、水冷ブロック17aの幅寸法L1によって規定される。
しかしながら、磁力発生源6の永久磁石6aやヨーク6bおよび6cと、水冷ブロック17aとには、それぞれ製造上のばらつきが若干生じることがあり、それぞれの幅寸法L1およびL2を完全に一致させることが難しい。そして、冷却ブロック17aが側板ブロック7aおよび7bと接していないと、冷却の効果が大幅に低下してしまう。これらのことから、従来例1の電子銃210および従来例2の電子銃220では、磁力発生源6の幅寸法L2を、水冷ブロック17aの幅寸法L1より僅かに小さくなるように、設計している。このとき、図9Bおよび図12Bに示す、磁力発生源6のヨーク6bおよび6cと側板ヨーク7aおよび7bとの合わせ面MSには、設計上(L1−L2)の隙間が生じる。この隙間は、磁気回路において磁気抵抗となり、この磁気抵抗の大きさは、製造の際に隙間の寸法公差の範囲でばらつくため、電子ビーム偏向磁界12の強度において電子銃個体差が大きくなる。そして、ごく一部の個体では、標準的な強度範囲を外れて製品不良となる問題を生じることとなる。
本実施の形態の電子銃100では、図4Aに示すように、水冷ブロック17aの横に側方ヨーク7aおよび7bが接して設けられている。これにより、側方ヨーク7aおよび7bが水冷ブロック17aによって十分に冷却される。また、側方ヨーク7aおよび7bの間隔は、水冷ブロック17aの幅寸法L1によって規定される。
本実施の形態の電子銃100では、さらに、前述したように、側方ヨーク7aおよび7bが、磁力発生源6(第2のヨーク6bおよび6c)の側方の部分に、切り欠き(第2の開口部)を有している。
また、図4Bに示すように、第2のヨーク6bおよび6cの形状を、従来例1の電子銃210および従来例2の電子銃220の円柱形から角柱形に変更している。そして、角柱形の第2のヨーク6bおよび6cの図4B中右側の側面に、側方ヨーク7aおよび7bの第2の開口部の端面(板の非主面)を接続させている。
これにより、磁力発生源6と側方ヨーク7aおよび7bを磁気回路接続させることができる。また、側板ヨーク7aおよび7bが、第2のヨーク6bおよび6cの外側の面に接続してなくても、磁力発生源6と磁気回路接続されていることから、磁力発生源6の幅寸法L2は、水冷ブロック17aの幅寸法L1と等しくする必要がない。
そして、水冷ブロック17aの幅寸法L1と磁力発生源6の幅寸法L2とに製造上のばらつきが生じても、側板ヨーク7aおよび7bを水冷ブロック17aと第2のヨーク6bおよび6cとの両方に隙間無く接続させることができる。これにより、第2のヨーク6bおよび6cと側板ヨーク7aおよび7bの間に磁気抵抗が発生しないので、磁気抵抗のばらつきに起因する電子ビーム偏向磁界12の強度の電子銃個体差の発生を抑制することができる。
また、第2のヨーク6bおよび6cの形状を角柱形としたことにより、円柱形とした場合と比較して、側方ヨーク7aおよび7bの第2の開口部の端面との接触面積を十分に確保することができる。これにより、第2のヨーク6bおよび6cの寸法などに製造上のばらつきを生じても、側方ヨーク7aおよび7bの第2の開口部の端面と確実に接続することができる。
上述の本実施の形態の電子銃100によれば、磁力発生源6が、電子発生源1から見て水冷ルツボ13の反対の側に配置され、かつ電子ビーム4の偏向軌道の外に配置されている。このため、従来例1の電子銃210と比較して、水冷ルツボ13の設計の自由度が向上し、また磁力発生源6が水冷ルツボ13から離れて配置される。従って、磁力発生源6の永久磁石6aからの漏れ磁界15によるローレンツ力の影響が、電子ビーム4を偏向させるには極めて小さくなり、蒸着材料14の表面の高さが低下しても、電子ビーム4のスポットの位置が電子発生源1の方向にずれることがほとんど無くなる。
また、磁力発生源6が、従来例2の電子銃220と比較して、より電子発生源1から離れて配置されているので、電子ビーム4が磁力発生源6の永久磁石6aからの漏れ磁界15によって受ける影響が小さくなる。
また、本実施の形態の電子銃100によれば、電子発生源1と対向する部分の側板ヨーク7aおよび7bに、切り欠き(開口部)を有しているため、電子発生源1を側方に取り出すことができ、従来例2の電子銃220と比較して、走査コイル5や水冷ブロック17aなどの寸法や配置の設計自由度が向上する。
また、本実施の形態の電子銃100によれば、磁力発生源6の中央部に第1のヨーク6dが構成され、第1のヨーク6dの両外側にそれぞれ永久磁石6aが配置されている。このため、永久磁石6aの漏れ磁界15が電子ビーム4に作用するローレンツ力16cは極めて小さくなり、電子ビーム4のスポットの位置や絞りの安定性を向上させることができる。
さらに、本実施の形態の電子銃100によれば、磁力発生源6は、側板ヨーク7aおよび7bの水冷ブロック17aとの合わせ面(板の主面)とは異なる、側板ヨーク7aおよび7bの端面(板の非主面)で磁気回路接続されている。このため、磁力発生源6と水冷ブロック17aの製造上のばらつきがあっても、磁力発生源6と側板ヨーク7aおよび7bとを隙間無く接続することができるので、隙間の発生による磁気抵抗が無くなる。これにより、隙間による磁気抵抗の製造上のばらつきに起因する、電子ビーム偏向磁界強度の電子銃個体差を抑制することができ、電子銃100の不良率を低減することができる。
従って、本実施の形態の電子銃100の構成によって、電子銃100の歩留まりの改善および保守性向上、蒸着装置の設計自由度向上、並びに、蒸着プロセスの再現性向上を図ることができる。
上述の実施の形態の電子銃100では、電子ビーム偏向角度が270度の場合を例に挙げたが、電子ビーム偏向角度は180度〜270度の範囲内であれば、同様の効果が得られる。
上述の実施の形態の電子銃100では、磁力発生源6に永久磁石6aを用いた構成であったが、磁力発生源に電磁石を用いても同様の効果が得られる。
さらに、複数の磁力発生源を並列に配置して、それぞれの磁力発生源を側板ヨークと磁気回路接続させても、同様の効果が得られる。
上述の実施の形態の電子銃100では、図2および図3に示すように、第1のヨーク6dの外側に配置された、磁力発生源6の2個の永久磁石6aと2個の第2のヨーク6b,6cを、それぞれ電子ビーム4の軌道を中心としてほぼ対称な配置としている。
磁力発生源の中央部に第1のヨーク6dが配置されていれば、漏れ磁界15によるローレンツ力16cを小さくする効果が得られるので、2個の永久磁石6aと2個の第2のヨーク6b,6cは電子ビーム4の軌道を中心としてほぼ対称な配置に限定されない。例えば、2個の永久磁石6aや2個の第2のヨーク6b,6cが、長さや電子ビーム4の軌道からの距離にある程度差を有する構成も、可能である。また、2個の永久磁石6aが、磁力にある程度差を有する構成も、可能である。
また、第1のヨーク6dの両外側の永久磁石6aは、片側1個ずつ合計2個に限定されない。第1のヨーク6dの両外側に、それぞれ複数個の永久磁石を配置することも可能である。
上述の実施の形態の電子銃100では、磁力発生源6の構成を従来例1の電子銃210や従来例2の電子銃220とは異なり、中央部には第1のヨーク6dを配置して、第1のヨーク6dの両外側に永久磁石6aを配置した構成としていた。
本発明では、従来例1の電子銃210や従来例2の電子銃220と同様に、磁力発生源6の構成を中央部に永久磁石6a(電磁石でも構わない)を配置した構成としてもよい。
本発明では、図1に示した実施の形態の電子銃100のように、磁力発生源は、電子発生源から見て水冷ルツボとは反対の側に配置されるので、従来例1の電子銃210や従来例2の電子銃220と比較して、より電子発生源から離れて配置される。そのため、磁力発生源の中央部に永久磁石や電磁石を配置しても、永久磁石や電磁石からの漏れ磁界の電子ビームに作用する影響が小さくなる。
1 電子発生源、2 高電圧端子、3 アノード、4 電子ビーム、5 走査コイル、6 磁力発生源、6a 永久磁石、6b,6c (第2の)ヨーク、6d 第1のヨーク、7a,7b 側方ヨーク、8,9 ポールピース、10 磁気調整棒、11 磁気調整板、12 電子ビーム偏向磁界、13 水冷ルツボ、14 蒸着材料、15 漏れ磁界、16a,16b,16c ローレンツ力、17a,17b 水冷ブロック、17c 空間、18 内部ポールピース、19 磁界、20 ケース、21 (電子ビームの)スポット、100 電子銃、MS (ヨークと側方ヨークの)合わせ面

Claims (3)

  1. 電子ビームを発生する電子発生源と、
    前記電子ビームを180度から270度の範囲に偏向し、かつ前記電子ビームをスポット状に成形する、磁界を発生する磁力発生源と、
    前記電子ビームが照射される材料を収容する容器と、
    前記磁力発生源に磁気回路接続され、前記電子ビームの軌道を挟んで配置された、一対の板状の側板ヨークを備え、
    前記磁力発生源は、前記電子発生源から見て、前記容器とは反対の側に配置され、かつ前記電子ビームの偏向軌道の外に配置されており、
    前記側板ヨークは、前記電子発生源と対向する部分が第1の開口部となっている
    電子銃。
  2. 前記磁力発生源は、中央部に配置された第1のヨークと、前記第1のヨークの両外側にそれぞれ接続された磁石と、各前記磁石の外側に配置された第2のヨークとから構成されている
    請求項1に記載の電子銃。
  3. 電子銃の構成要素を冷却する冷却部をさらに備え、
    前記側板ヨークは、前記冷却部の外側に接しており、
    前記側板ヨークの前記磁力発生源の外側の面と対向する部分が第2の開口部となっており、前記磁力発生源と前記側板ヨークの前記第2の開口部における端面とが接続されている
    請求項1または請求項2に記載の電子銃。
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