JP2019179091A - 印刷版の現像方法および現像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像廃液の処理において、フィルターの目詰まりが抑制され、長期運転可能であり、現像廃液を現像液として再利用可能にすることで現像廃液の廃棄量を低減し、コスト性に優れる印刷版の現像方法を提供する。【解決手段】非水溶性ポリマーを含有する感光性樹脂層を水系現像液で現像する現像方法において、現像に使用された現像廃液を回収して供給部に戻す循環経路を有し、現像廃液の一部または全部を取り出し、セラミックフィルターを用いて、非水溶性ポリマー濃度が高い高濃度現像液と、濃度が低い低濃度現像液とに分離する分離工程を、循環経路の内または外に備え、前記低濃度現像液を循環経路内に戻すこととしており、セラミックフィルターは、表面から深さ100μm以内の表面側領域の平均孔径が表面側領域よりも内部の内部領域の平均孔径より小さいものからなり、分離工程において、セラミックフィルターを複数枚用いている。【選択図】図2
Description
本発明は、非水溶性ポリマーを含有する感光性樹脂層を有する印刷版の現像方法および現像装置に関し、さらに詳しくは、非水溶性ポリマーを含有する感光性樹脂層を有する印刷版の水を主成分とする水系現像液を用いて現像する現像方法および現像装置に関する。
印刷版の現像方法としては各種方法が知られているが、例えば水を主成分とする水系現像液を用いて現像を行う現像方法では、水系現像液中に印刷版を浸漬し、ブラシで水系現像液中に未硬化部分をこすり出すことにより現像が行われている。現像廃液にはこすり出されたポリマー成分が蓄積され、現像液としてそのまま再利用すると新たな印刷版を汚すため、頻繁に現像廃液を廃棄し、新たに調整する必要があった。しかし、これでは大量の廃棄物を発生させるため、環境面から改善が求められていた。
そこで、例えば特許文献1では、現像廃液に凝集剤を添加して凝集させたポリマー成分を現像廃液から除去する方法が提案されている。また、特許文献2では、現像廃液を活性炭が充填された充填層に通過させることにより処理し、現像液として再利用する方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1の凝集剤を用いてポリマー成分を除去した場合、処理後の現像廃液中に凝集剤が残る虞がある。凝集剤が残存する現像廃液を現像液として再利用すると、現像時にこすり出されたポリマー成分が凝集して印刷版やブラシなどに付着する原因となる。
また、特許文献2の技術では、処理能力の高い活性炭を用いて、現像廃液中のポリマー成分を全て除去しているが、除去能力が高い反面、フィルターが目詰まりしやすく、フィルターの洗浄または交換が頻繁に必要であることや処理速度が遅いことなどの問題もあった。
本発明が解決しようとする課題は、現像廃液の処理において、フィルターの目詰まりが抑制され、長期運転可能であり、現像廃液を現像液として再利用可能にすることで現像廃液の廃棄量を低減し、コスト性に優れる印刷版の現像方法を提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係る印刷版の現像方法は、非水溶性ポリマーを含有する感光性樹脂層を有する印刷版材を、水を主成分とする水系現像液を用いて現像することによりレリーフ像を形成する印刷版の現像方法であって、現像に使用された現像廃液を回収して供給部に戻す循環経路を有し、前記現像廃液の一部または全部を取り出し、セラミックフィルターを用いて、非水溶性ポリマー濃度が高い高濃度現像液と、濃度が低い低濃度現像液とに分離する分離工程を、前記循環経路の内または外に備え、前記低濃度現像液を循環経路内に戻すこととしており、前記セラミックフィルターは、表面から深さ100μm以内の表面側領域の平均孔径が前記表面側領域よりも内部の内部領域の平均孔径より小さいものからなり、前記分離工程において、前記セラミックフィルターを複数枚用いていることを要旨とするものである。
本発明に係る印刷版の現像方法において、前記セラミックフィルターの表面電位は、前記現像廃液のゼータ電位と同符号であることが好ましい。前記セラミックフィルターの表面側領域の平均孔径は、0.01〜0.20μmの範囲内であることが好ましい。前記セラミックフィルターの表面には、アルミナ処理が施されていることが好ましい。前記分離工程は、前記循環経路の外に備えられることが好ましい。前記分離工程は、逆洗可能であることが好ましい。
そして、本発明に係る印刷版の現像装置は、非水溶性ポリマーを含有する感光性樹脂層を有する印刷版材を、水を主成分とする水系現像液を用いて現像することによりレリーフ像を形成する印刷版の現像装置であって、水系現像液を用いて印刷版を現像する現像部と、現像に使用された現像廃液を回収して供給部に戻す循環経路と、前記循環経路の内または外に設置され、前記現像廃液の一部または全部を取り出し、セラミックフィルターを用いて、非水溶性ポリマー濃度が高い高濃度現像液と、濃度が低い低濃度現像液とに分離する分離部と、前記低濃度現像液を循環経路内に戻す戻し部とを有し、前記セラミックフィルターは、表面から深さ100μm以内の表面側領域の平均孔径が前記表面側領域よりも内部の内部領域の平均孔径より小さいものからなり、前記分離工程において、前記セラミックフィルターを複数枚用いていることを要旨とするものである。
本発明に係る印刷版の現像装置において、前記セラミックフィルターの表面電位は、前記現像廃液のゼータ電位と同符号であることが好ましい。
本発明に係る分離工程は、セラミックフィルターを用いることにより、フィルターの目詰まりを容易に解消できる為、長期運転が可能となる。また、分離工程は凝集剤を用いない工程であるため、分離後の低濃度現像液に凝集剤が残存する虞がなく、現像液として再利用できる。
本発明によれば、非水溶性ポリマー濃度の低い低濃度現像液を現像液として再利用する。これにより、現像廃液の廃棄量を抑えつつ、現像液中の非水溶性ポリマー濃度の上昇を抑制できるため、印刷版やブラシ等の汚染を軽減できる。
本発明に係る印刷版の現像方法および現像装置について詳細に説明する。
本発明に係る印刷版の現像方法は、現像工程を備える。現像工程は、水系現像液を用いて、印刷版材の未硬化部の感光性組成物を洗い出し、レリーフ像を形成できる方法であれば特に限定しない。例えば、現像液供給部から現像液をシャワー状に噴射しながらブラシ等で未硬化部の感光性組成物をこすり出す工程が挙げられる。
前記現像工程の後、廃ポリマーを含有する現像廃液は、回収され循環経路を通じて前記現像液供給部に送られ、再び印刷版材の現像に用いられる。循環経路内には、例えば現像液タンクやフィルタータンクのように現像液を一時的に貯蔵する設備を設けてもよい。
本発明に係る印刷版の現像方法は、前記循環経路中の現像廃液の一部または全部を抜き取って、非水溶性ポリマー濃度が高い高濃度現像液と、濃度が低い低濃度現像液とに分離する分離工程を備える。
低濃度現像液は、前記循環経路中に戻され、現像液として再利用される。低濃度現像液を再利用することで、現像液の使用量を減らしつつ、現像液中の非水溶性ポリマー濃度を低くすることができる。
一方、高濃度現像液は分離後、直ちに廃棄されてもよく、分離装置内に留めて、さらに高濃度の非水溶性ポリマーを含有した後に廃棄してもよい。現像廃液の廃棄量を減らす観点から、後者であることが好ましい。
低濃度現像液は、前記循環経路中に戻され、現像液として再利用される。低濃度現像液を再利用することで、現像液の使用量を減らしつつ、現像液中の非水溶性ポリマー濃度を低くすることができる。
一方、高濃度現像液は分離後、直ちに廃棄されてもよく、分離装置内に留めて、さらに高濃度の非水溶性ポリマーを含有した後に廃棄してもよい。現像廃液の廃棄量を減らす観点から、後者であることが好ましい。
前記分離工程は、前記循環経路の経路内に備えてもよく、経路外に備えてもよい。経路内に備えるとは例えば、洗い出し工程後の現像廃液の全部が分離工程に流入し、分離工程後の低濃度現像液が現像液供給部に送られて循環するものを指す。経路外に備えるとは例えば、循環経路内の任意の箇所、例えば現像液タンクから現像廃液の一部を抜き取り、分離工程を経て、低濃度現像液を循環経路内の任意の箇所に流入させるものを指す。
水現像時に汚れ等の原因となるのは非水溶性ポリマーの凝集体である。非水溶性ポリマーの濃度が高くなると、凝集剤を用いなくても、非水溶性ポリマーが凝集しやすくなるため、非水溶性ポリマー濃度を一定濃度以下に保つことが重要である。
一方、水溶性の不純物や少量の非水溶性ポリマー等は、現像液中に残存していても大きな問題とはならない。従来の現像廃液の処理方法では、現像液中の不純物を必要以上に除去していたため、目詰まりを起こしやすかった。
本発明は、現像時に汚れ等が発生しない程度の非水溶性ポリマー濃度を維持し、長時間稼働が可能な分離工程を備えたものである。
一方、水溶性の不純物や少量の非水溶性ポリマー等は、現像液中に残存していても大きな問題とはならない。従来の現像廃液の処理方法では、現像液中の不純物を必要以上に除去していたため、目詰まりを起こしやすかった。
本発明は、現像時に汚れ等が発生しない程度の非水溶性ポリマー濃度を維持し、長時間稼働が可能な分離工程を備えたものである。
本発明は前記分離工程を備えることにより、循環経路内の現像液中の非水溶性ポリマー濃度の上昇を抑制し、好ましい範囲内に維持することができる。現像液中の非水溶性ポリマー濃度の下限としては、0.001g/L以上であることが好ましい。非水溶性ポリマー濃度を0.001g/L以上とすることで、分離工程の負荷が軽減され、長期運転が可能である。一方、現像液中の非水溶性ポリマー濃度の上限としては、15g/L以下であることが好ましい。より好ましくは10g/L以下、さらに好ましくは5g/L以下である。15g/L以下であると、非水溶性ポリマーの凝集を抑えることができる。
前記分離工程は、凝集剤を用いずに、現像廃液を非水溶性ポリマー濃度が高い高濃度現像液と、濃度が低い低濃度現像液とに分離する工程であることが好ましい。分離工程に凝集剤を用いると、分離後の現像液中に凝集剤が残る虞がある。凝集剤が残存する現像液を再利用すると、現像時にこすり出されたポリマー成分が凝集して印刷版やブラシなどに付着する原因となる。
分離工程の方法としては、例えば、フィルターによる分離、沈殿による分離などが考えられるが、沈殿により分離工程を行った場合、分離に時間がかかり、現像廃液を静置するために比較的大きな沈殿槽を設ける必要がある。分離効率等の観点から、フィルターによる分離が好ましい。用いるフィルターとしては、分離能力や耐久性などの観点から、セラミックフィルターであることが好ましい。
セラミックフィルターを用いて分離工程を行った場合、凝集剤を用いずに、非水溶性ポリマーを除去することができ、好ましい濃度範囲とすることができる。また、このとき、水溶性である界面活性剤等の洗浄成分は除去されず、現像液中に残存するため、分離後の低濃度現像液は、洗浄成分を追加することなく現像液として用いることができる。
図3に、セラミックフィルターの一例を示す。セラミックフィルター10において、表面から深さ100μm以内の領域を表面側領域12とし、表面側領域12よりも内部の領域を内部領域14とする。セラミックフィルター10は、角筒状になっており、中心に空隙16を有する。
分離工程では、セラミックフィルターを複数枚用いる。図4には、複数枚(4枚)のセラミックフィルターの配置例を示す。複数枚のセラミックフィルター10は、互いに所定の間隔をあけて並べて配置される。分離工程では、現像廃液は、図4に示すように、セラミックフィルター10とセラミックフィルター10の間にある隙間18などからセラミックフィルター10の表面側領域12を通り、表面側領域12から内部領域14を通ってセラミックフィルター10の空隙16に抜ける(図4の矢印Aの方向へ流入する)。逆洗を行う場合には、逆洗液(ろ液)は、セラミックフィルター10の空隙16からセラミックフィルター10の内部領域14を通り、内部領域14から表面側領域12を通ってセラミックフィルター10とセラミックフィルター10の間にある隙間18などに抜ける(図4の矢印Bの方向へ流入する)。分離工程において、セラミックフィルターを複数枚用いると、複数枚のセラミックフィルターの合計の表面積と同じ表面積の1枚のセラミックフィルターを用いた場合よりも、目詰まりが改善するまでの、ろ過液量に対する逆洗液量を少なくすることができ、ろ過効率が向上する。
分離工程において、セラミックフィルターは、同じものを複数枚用いてもよいし、一部または全部が異なるものを複数枚用いてもよい。同じものとは、大きさ、厚み、材質、孔径がすべて同じものをいう。また、同じベース材に対し同じように表面処理されているものをいう。異なるものとは、大きさ、厚み、材質、孔径の少なくとも1つが異なるものをいう。また、同じベース材に対し表面処理されているものと表面処理されていないもの、同じベース材に対し異なる材料で表面処理されているものをいう。
セラミックフィルターは、表面から深さ100μm以内の表面側領域12の平均孔径が、表面側領域12よりも内部の内部領域14の平均孔径よりも小さいことが好ましい。固形分をフィルタリングするためには、孔径は小さいほうがより清浄なろ過液が得られる。しかし、孔径を小さくしすぎると、ろ過効率が悪くなる。これらのバランスを考え、セラミックフィルターの表面側領域12の平均孔径を小さくすることで、より清浄なろ過液を確保し、内部領域14の平均孔径を大きくすることで、平均孔径の小さい区間の長さを短くして液体が通りにくくなることでろ過効率が悪くなるのを抑えることとした。これにより、平均孔径の小さい均一のセラミックフィルターよりも、目詰まりが改善するまでの、ろ過液量に対する逆洗液量を少なくすることができ、ろ過効率が向上する。
セラミックフィルターの表面側領域12と内部領域14の平均孔径が異なるものとするには、例えば均一のベース材に対し所定の深さまで表面処理を行う、異なる材料で積層するなどの方法が考えられる。表面処理については、表面から深さちょうど100μmまで表面処理する必要はなく、表面から深さ50μmまでのような、表面から深さ100μm未満の位置まで表面処理するものであってもよいし、表面から深さ100μm超の位置まで表面処理するものであってもよい。厚み方向の全体にわたって表面処理するものでなければよい。セラミックフィルターは、表面処理することによって、ベース材よりも孔径が小さくなる傾向にある。このため、表面から深さ100μm未満の位置まで表面処理するものであっても、表面処理された分だけ、表面側領域12の平均孔径が内部領域14の平均孔径よりも小さくなる。また、表面から深さ100μm超の位置まで表面処理するものであっても、表面処理されていない分だけ、内部領域14の平均孔径が表面側領域12の平均孔径がよりも大きくなる。
セラミックフィルターは、表面電位が現像廃液のゼータ電位と同符号であることが好ましい。例えば、現像廃液のゼータ電位がプラス(+)である場合には、セラミックフィルターの表面電位もプラス(+)であることが好ましい。また、現像廃液のゼータ電位がマイナス(−)である場合には、セラミックフィルターの表面電位もマイナス(−)であることが好ましい。セラミックフィルターの表面電位と現像廃液のゼータ電位を同符号にすることで、現像廃液の成分とセラミックフィルターの表面が電気的に反発するので、セラミックフィルターの表面に現像廃液の成分が吸着しにくくなり、セラミックフィルターの目詰まりが抑えられやすい。また、逆洗時に現像廃液の成分がセラミックフィルターの表面から取れやすい。これにより、目詰まりが改善するまでの、ろ過液量に対する逆洗液量を少なくすることができ、ろ過効率が向上する。
セラミックフィルターの表面電位は、ベース材の材質、表面処理剤の材質、現像廃液のpH値などで調整することができる。例えば、現像廃液のpHが高いと、ベース材の主成分がアルミナである、もしくはアルミナによる表面処理を行ったセラミックフィルターの表面電位はマイナスとなり、pHが低いと同セラミックフィルターの表面電位はプラスとなる。表面電位は、現像廃液のゼータ電位符号と合わせることが好ましい。
セラミックフィルターの表面側領域12の平均孔径は、比較的小さいことが好ましく、0.01〜0.20μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.01〜0.15μmの範囲内であり、さらに好ましくは0.01〜0.10μmの範囲内である。また、セラミックフィルターの内部領域14の平均孔径は、比較的大きいことが好ましく、0.20〜2.0μmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.20〜1.5μmの範囲内であり、さらに好ましくは0.20〜1.0μmの範囲内である。セラミックフィルターの表面側領域12の平均孔径は、走査型顕微鏡を用いて表面側領域12の断面を観察することにより測定することができる。具体的には、表面側領域12の断面の50×50μmの範囲の任意の5つの孔径を測定し、任意の3箇所について合計15点の測定した孔径の平均値で表すことができる。また、セラミックフィルターの内部領域14の平均孔径も、同様に測定することができる。
セラミックフィルターの厚み(1枚の全体厚み)は、特に限定されるものではないが、セラミックフィルターの強度などの観点から4mm以上であることが好ましい。より好ましくは5mm以上である。また、廃液処理効率などの観点から、8mm以下であることが好ましい。より好ましくは7mm以下である。
前記セラミックフィルターは、表面処理を施してあることが好ましい。表面処理の方法としては、アルミナ処理、酸化チタン処理、酸化クロム処理などが挙げられる。上記の中ではアルミナ処理が好ましい。表面処理を施した場合、非水溶性ポリマーがフィルターに付着し難くなる。アルミナ処理は上記効果が顕著である。
前記分離工程は、逆洗可能な機構を備えることが好ましい。長期運転時などにフィルター等が目詰まりした場合、逆洗を行うことで容易に目詰まりを解消することができ、メンテナンスが容易である。また、逆洗可能な機構を備え、定期的に逆洗を行うことで、さらなる長時間の稼働が可能となる。逆洗可能な機構とは例えば、分離装置内に低濃度現像液を逆流させるポンプ等を備え、セラミックフィルター上に堆積した非水溶性ポリマーを除去するものである。逆洗は自動化されてもよいし、手動で行われてもよい。
本発明において用いられる印刷版材は、水を主成分とする水系現像液を用いて現像を行う印刷版材である。好ましい印刷版材としては以下のようなものである。
印刷版材は、感光層を有するものからなる。感光層は、例えば基板上に形成される。基板としては、例えばPETフィルムなどのプラスチックフィルム(プラスチックシート)、ステンレス、アルミニウムなどの金属シート、ブタジエンゴムなどのゴムシートなどが挙げられる。
感光層は、感光性樹脂組成物を層状に成形したものである。感光性樹脂組成物は、樹脂、ゴム、ラテックスなどのポリマー成分、光重合性モノマー、光重合開始剤を含み、必要に応じて添加剤などをさらに含むものから構成される。本発明に係る現像方法は、感光層が非水溶性あるいは疎水性のポリマー成分を含有する場合に効果的である。他に水溶性あるいは親水性のポリマー成分を含んでもよい。
ポリマー成分の樹脂としては、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。ゴムとしては、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴムなどが挙げられる。
水系現像液を用いて現像を行う場合、感光性樹脂組成物の現像液で洗い出される成分としては、水溶性あるいは親水性成分や非水溶性あるいは疎水性成分がある。水溶性成分に含まれる水溶性ポリマーあるいは親水性ポリマーとしては、ポリアミドに親水性成分を導入した水溶性または水膨潤性ポリアミド(25℃/24時間の水浸漬で、水に完全溶解又は完全分散するポリアミド)や、部分ケン化ポリ酢酸ビニルやその誘導体などが挙げられる。非水溶性成分に含まれる非水溶性ポリマーあるいは疎水性ポリマーとしては、各種ミラブルゴムが挙げられる。具体的には、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、スチレンイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、塩素化ポリエチレンなどが挙げられる。
非水溶性ポリマーを含む感光性樹脂組成物では、ポリマー成分の少なくとも一部が溶解しないで分散するので、洗い出し液の粘性が低く、廃液処理を行いやすい利点がある。
印刷版材のうちフレキソ印刷版材の感光性樹脂組成物としては、例えば、水分散ラテックス、ミラブルゴム、光重合性モノマー、光重合開始剤、を含有するものを挙げることができる。
水分散ラテックスとは、重合体粒子を分散質として水中に分散したものである。この水分散ラテックスから水を除去することにより、重合体が得られる。水分散ラテックスは、感光性樹脂組成物に水現像性を付与することができる。
水分散ラテックスとしては、具体的には、ポリブタジエンラテックス、天然ゴムラテックス、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ラテックス、ポリクロロプレンラテックス、ポリイソプレンラテックス、ポリウレタンラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体ラテックス、ビニルピリジン重合体ラテックス、ブチル重合体ラテックス、チオコール重合体ラテックス、アクリレート重合体ラテックスなどの水分散ラテックス重合体や、これら重合体にアクリル酸やメタクリル酸などの他の成分を共重合して得られる重合体などを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併合して用いても良い。
ミラブルゴムは、感光性樹脂組成物のゴム弾性を増加させることができる。これにより、例えば、種々の被刷体に印刷しやすくできるなどの効果が期待できる。ミラブルゴムとしては、具体的には、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、イソプレンゴム、スチレンイソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−プロピレン共重合体、塩素化ポリエチレンなどを挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併合して用いても良い。
このうち、感光性樹脂組成物の水現像性、乾燥性、画像再現性を向上できるなどの観点から、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)が好ましい。さらには、感光性樹脂組成物中でゴム成分が特に微分散しやすく、これにより、微細形状の再現性に優れ、より一層、画像再現性を向上できるなどの観点から、ブタジエンゴム(BR)が好ましい。
光重合性モノマーは、感光性樹脂組成物を硬化させ、あるいは、架橋させることができる。光重合性モノマーとしては、エチレン性不飽和化合物を挙げることができる。エチレン性不飽和化合物としては、(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリルオリゴマー、(メタ)アクリル変性重合体などを挙げることができる。(メタ)アクリル変性重合体としては、例えば(メタ)アクリル変性ブタジエンゴム、(メタ)アクリル変性ニトリルゴムなどを挙げることができる。
エチレン性不飽和化合物は、エチレン性不飽和結合を1個だけ有する化合物であっても良いし、エチレン性不飽和結合を2つ以上有する化合物であっても良い。
エチレン性不飽和結合を1個だけ有するエチレン性不飽和化合物としては、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート・3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート・β−ヒドロキシ−β’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート・エチル(メタ)アクリレート・プロピル(メタ)アクリレート・ブチル(メタ)アクリレート・イソアミル(メタ)アクリレート・2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート・ラウリル(メタ)アクリレート・ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート、クロロエチル(メタ)アクリレート・クロロプロピル(メタ)アクリレート等のハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート・エトキシエチル(メタ)アクリレート・ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート・ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等のフェノキシアルキル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート・メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート・メトキシジプロピレングレコール(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート、2、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート・2,2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート・2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート・3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
エチレン性不飽和結合を2つ以上有するエチレン性不飽和化合物としては、具体的には、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキルジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルに不飽和カルボン酸や不飽和アルコール等のエチレン性不飽和結合と活性水素を持つ化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和エポキシ化合物とカルボン酸やアミンのような活性水素を有する化合物を付加反応させて得られる多価(メタ)アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド等の多価(メタ)アクリルアミド、ジビニルベンゼン等の多価ビニル化合物等を挙げることができる。
光重合開始剤は、光重合性モノマーの光重合を開始させるものであれば特に限定されず、例えば、アルキルフェノン類、アセトフェノン類、ベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、アントラキノン類、ベンジル類、ビアセチル類等の光重合開始剤を挙げることができる。具体的には、例えば、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、メチル−O−ベンゾイルベンゾエート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどを挙げることができる。
感光性樹脂組成物における水分散ラテックスとミラブルゴムの配合比率は、水分散ラテックスとミラブルゴムの合計質量に対する水分散ラテックスの質量の比率で20%以上であることが好ましい。より好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上である。この質量比率が20%以上であると、高速で水現像を行うことができる。これは、感光性樹脂組成物への水系現像液の浸透性が高くなるためと推察される。
感光性樹脂組成物においては、水現像性を向上するなどの目的で、界面活性剤を含有することができる。界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤のうち、アニオン性界面活性剤が特に好ましい。
アニオン性界面活性剤としては、具体的には、ラウリン酸ナトリウム・オレイン酸ナトリウム等の脂肪族カルボン酸塩、ラウリル硫酸エステルナトリウム・セチル硫酸エステルナトリウム・オレイル硫酸エステルナトリウム等の高級アルコール硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸エステル塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩・ドデシルスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩、アルキルジスルホン酸塩・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム・ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム・トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルアリルスルホン酸塩、ラウリルリン酸モノエステルジナトリウム・ラウリルリン酸ジエステルナトリウム等の高級アルコールリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸モノエステルジナトリウム・ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ジエステルナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等を挙げることができる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併合して用いても良い。なお、具体例としてナトリウム塩を挙げたが、特にナトリウム塩に限定されるものではなく、カルシウム塩、アンモニア塩などでも同様の効果を得ることができる。
このうち、より一層、感光性樹脂組成物の水現像性に優れるなどの観点から、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩などのスルホン酸系界面活性剤が好ましい。
感光性樹脂組成物における界面活性剤の含有量は、水分散ラテックスとミラブルゴムと界面活性剤の合計質量に対する界面活性剤の質量の比率として、0.1〜20%の範囲内であることが好ましい。より好ましくは0.1〜15%の範囲内、さらに好ましくは0.1〜10%の範囲内である。この質量比率を0.1%以上にすることにより、短時間で水現像を行うことができる。これは、感光性樹脂組成物への水系現像液の浸透性が高くなるためと推察される。また、この質量比率を20%以下にすることにより、乾燥性が良くなる。
感光性樹脂組成物においては、混練時の熱安定性を高める、貯蔵安定性を高めるなどの観点から、熱重合禁止剤(安定剤)を添加することができる。熱重合禁止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類のものなどを挙げることができる。感光性樹脂組成物における熱重合禁止剤の含有量は、0.001〜5質量%の範囲内が一般的である。
本発明に使用できる感光性樹脂組成物としては、上記の他に各種添加剤を添加したものを使用してもよい。
本発明において用いられる現像液は、水を主成分とする水系現像液である。好ましい水系現像液としては以下のようなものである。
水系現像液としては、水のみからなる液であってもよく、水に可溶な化合物を添加した水溶液であってもよい。水に可溶な化合物としては、界面活性剤、酸、塩基、塩などが挙げられる。現像効率の向上などの観点から水に可溶な化合物を添加することが好ましい。
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を挙げることができる。詳しくは、上記した各種界面活性剤が挙げられる。
酸としては、硫酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、マレイン酸、パラトルエンスルホン酸などの無機酸や有機酸が挙げられる。塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。
また、水系現像液としては、水に可溶な有機溶媒を含んでいてもよい。このような有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、セロソルブ、グリセリン、ポリエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトンなどが挙げられる。
次に、上記に示した本発明に係る印刷版の現像装置を説明するために、図1および図2の概略図で具体的に示す。
本発明に係る印刷版の現像装置は、水系現像液を用いて、レリーフ像を形成する現像部1を有する。現像部1で使用された現像液は、配管L1およびL2からなる循環経路を通って現像部1に戻される。循環経路には、現像液を一時的に貯蔵する現像液タンク3や、現像液の循環を促すためのポンプ4などが設置される。
本発明に係る印刷版の現像装置は、非水溶性ポリマー濃度が高い高濃度現像液と、濃度が低い低濃度現像液とに分離する分離部2を有する。分離部2は、セラミックフィルターを用いて分離する装置である。
分離部2は、例えば、図1のように、循環経路の内に設置され、配管L1から現像廃液を供給されてもよく、図2のように、循環経路の外に設置され、循環経路とは別の配管L3に接続され、現像廃液を供給されてもよい。
分離部2は、例えば、図1のように、循環経路の内に設置され、配管L1から現像廃液を供給されてもよく、図2のように、循環経路の外に設置され、循環経路とは別の配管L3に接続され、現像廃液を供給されてもよい。
図1のように、分離部2が循環経路の内に設置された場合、低濃度現像液は、循環経路の配管L2を通って現像部1に戻される。
図2のように、分離部2が循環経路の外に設置された場合、分離部2に現像廃液を供給するL3と、低濃度現像液を循環経路に戻す配管L4と、ポンプ5とを有する。配管L3およびL4は、循環経路内の任意の箇所に接続される。図2の例では現像液タンク3に接続される。現像液タンク3には、現像液が貯蔵されているため、接続箇所として都合がよい。
分離部2で分離された高濃度現像液は、分離部2に留まり、分離工程を繰り返し行うことで、非水溶性ポリマー濃度がより高い高濃度現像液に濃縮される。濃縮された高濃度現像液はバルブ6を開放することにより、配管L5から排出することができる。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。
(感光性樹脂組成物の調製)
水分散ラテックス54.6質量部(固形分としての重合体は30質量部)と、アクリル変性液状BR10質量部と、アクリルモノマー10質量部とを混合し、120℃に加熱した乾燥機で2時間水分を蒸発させて、水分散ラテックスから得られた重合体と光重合性モノマーとの混合物を得た。この混合物と、BR25質量部と、界面活性剤8質量部(固形分としての重合体は4質量部)と、可塑剤10質量部と、をニーダー中で45分間混練した。その後、ニーダー中に、熱重合禁止剤0.2質量部と、光重合開始剤を1質量部とを投入し、5分間混練して、感光性樹脂組成物を得た。
水分散ラテックス54.6質量部(固形分としての重合体は30質量部)と、アクリル変性液状BR10質量部と、アクリルモノマー10質量部とを混合し、120℃に加熱した乾燥機で2時間水分を蒸発させて、水分散ラテックスから得られた重合体と光重合性モノマーとの混合物を得た。この混合物と、BR25質量部と、界面活性剤8質量部(固形分としての重合体は4質量部)と、可塑剤10質量部と、をニーダー中で45分間混練した。その後、ニーダー中に、熱重合禁止剤0.2質量部と、光重合開始剤を1質量部とを投入し、5分間混練して、感光性樹脂組成物を得た。
以下に、本実施例において用いた成分を具体的に示す。
・水分散ラテックス(日本ゼオン株式会社製、ニポールLX111NF)から得られた重合体。
・BR:[日本ゼオン株式会社製、ニポールBR1220]
・アクリル変性液状BR:[大阪有機化学株式会社製、BAC−45]
・アクリルモノマー:[日油株式会社製、1,9−ノナンジオールジメタクリレート]
・光重合開始剤:[チバ・ジャパン株式会社製、イルガキュア651]
・界面活性剤:[日油社製、ニューレックスR]
・可塑剤:[エッソ石油株式会社製、クリストール70]
・熱重合禁止剤:[精工化学株式会社製、MEHQ(ハイドロキノンモノメチルエーテル)]
・水分散ラテックス(日本ゼオン株式会社製、ニポールLX111NF)から得られた重合体。
・BR:[日本ゼオン株式会社製、ニポールBR1220]
・アクリル変性液状BR:[大阪有機化学株式会社製、BAC−45]
・アクリルモノマー:[日油株式会社製、1,9−ノナンジオールジメタクリレート]
・光重合開始剤:[チバ・ジャパン株式会社製、イルガキュア651]
・界面活性剤:[日油社製、ニューレックスR]
・可塑剤:[エッソ石油株式会社製、クリストール70]
・熱重合禁止剤:[精工化学株式会社製、MEHQ(ハイドロキノンモノメチルエーテル)]
(印刷版材の作製)
このようにして得られた感光性樹脂組成物を、厚さ125μmのPETフィルムの片面に予め接着剤を塗布した基板と、厚さ100μmのPETフィルムの片面に予め粘着防止剤を塗布した保護フィルムとの間に挟み、感光性樹脂組成物の厚みが1mmになるように120℃に加熱したプレス機でプレスすることにより、基板上に、接着剤層、感光性樹脂組成物よりなる感光層、粘着防止剤層、保護フィルムがこの順で積層された印刷版材を作製した。
このようにして得られた感光性樹脂組成物を、厚さ125μmのPETフィルムの片面に予め接着剤を塗布した基板と、厚さ100μmのPETフィルムの片面に予め粘着防止剤を塗布した保護フィルムとの間に挟み、感光性樹脂組成物の厚みが1mmになるように120℃に加熱したプレス機でプレスすることにより、基板上に、接着剤層、感光性樹脂組成物よりなる感光層、粘着防止剤層、保護フィルムがこの順で積層された印刷版材を作製した。
(現像工程)
80Wのケミカル灯を15本並べた露光装置を用い、印刷版材の基板側から紫外線を照射して土台を形成した後、保護フィルムを剥がし、感光層の上に画像再現性評価用ネガフィルム(網点「150Lpi/2%」と「独立点φ120μm」を有する)を真空密着させ、ネガフィルム上から上記露光装置で15cmの距離から6分間露光(主露光)した。その後、ネガフィルムを除去し、界面活性剤(1質量%)の入った水系現像液を用いて10分間洗い出しを行った後、50℃の熱風で十分に乾燥させた。以上により、印刷版を作製した。
80Wのケミカル灯を15本並べた露光装置を用い、印刷版材の基板側から紫外線を照射して土台を形成した後、保護フィルムを剥がし、感光層の上に画像再現性評価用ネガフィルム(網点「150Lpi/2%」と「独立点φ120μm」を有する)を真空密着させ、ネガフィルム上から上記露光装置で15cmの距離から6分間露光(主露光)した。その後、ネガフィルムを除去し、界面活性剤(1質量%)の入った水系現像液を用いて10分間洗い出しを行った後、50℃の熱風で十分に乾燥させた。以上により、印刷版を作製した。
(実験例1−12)
図2に記載の装置において、表1に記載のセラミックフィルターを分離部に用い、1〜20枚までの印刷版の現像試験と排出された現像廃液のろ過試験を連続で行った。現像廃液のろ過においては、1分毎に5秒間の逆洗を行うサイクルとした。試験では、印刷版の汚れと、ろ過/逆洗収支量の確認を行った。図2において、L4から出てくるろ液の量は、順方向にろ過を行った液量と逆方向に逆洗を行った液量の差であり、フィルターの目詰まりにつれて、順方向にろ過を行った液量は少なくなる。このため、(ろ過液量)と(逆洗液量)の差を評価した。この差が大きい場合をろ過・逆洗が良好でフィルターの目詰まりが抑制されやすいといえる。
図2に記載の装置において、表1に記載のセラミックフィルターを分離部に用い、1〜20枚までの印刷版の現像試験と排出された現像廃液のろ過試験を連続で行った。現像廃液のろ過においては、1分毎に5秒間の逆洗を行うサイクルとした。試験では、印刷版の汚れと、ろ過/逆洗収支量の確認を行った。図2において、L4から出てくるろ液の量は、順方向にろ過を行った液量と逆方向に逆洗を行った液量の差であり、フィルターの目詰まりにつれて、順方向にろ過を行った液量は少なくなる。このため、(ろ過液量)と(逆洗液量)の差を評価した。この差が大きい場合をろ過・逆洗が良好でフィルターの目詰まりが抑制されやすいといえる。
(実験例13)
分離部を設けず、現像廃液をそのまま現像部に戻した以外は実験例1と同様にした。
分離部を設けず、現像廃液をそのまま現像部に戻した以外は実験例1と同様にした。
(印刷版の汚れ)
上記試験において、20枚現像後の印刷版にて印刷版の表面を確認し、印刷版上に非水溶性ポリマーの凝集体が確認されたか否かで判断した。非水溶性ポリマーの凝集体が確認されなかった場合を「○」、確認された場合を「×」とした。
上記試験において、20枚現像後の印刷版にて印刷版の表面を確認し、印刷版上に非水溶性ポリマーの凝集体が確認されたか否かで判断した。非水溶性ポリマーの凝集体が確認されなかった場合を「○」、確認された場合を「×」とした。
(ろ過/逆洗収支)
上記試験において、20枚現像後の現像廃液について、分離部から5分間に流出するろ液量を測定し、1分間当たりに換算したろ液量を算出した。このろ液量が130mL/min.以上であった場合を良好「○」、ろ液量が65mL/min.以上であった場合を可「△」、ろ液量が65mL/min.未満、あるいは20枚現像までにフィルターの目詰まりが発生した場合を不良「×」とした。
上記試験において、20枚現像後の現像廃液について、分離部から5分間に流出するろ液量を測定し、1分間当たりに換算したろ液量を算出した。このろ液量が130mL/min.以上であった場合を良好「○」、ろ液量が65mL/min.以上であった場合を可「△」、ろ液量が65mL/min.未満、あるいは20枚現像までにフィルターの目詰まりが発生した場合を不良「×」とした。
実験例の1と7の比較から、分離工程において、セラミックフィルターを複数枚用いると、複数枚のセラミックフィルターの合計の表面積と同じ表面積の1枚のセラミックフィルターを用いた場合よりも、目詰まりが改善するまでの、ろ過液量に対する逆洗液量を少なくすることができ、ろ過効率が向上することがわかる。また、実験例の1と3の比較から、分離工程において、セラミックフィルターの表面側領域の平均孔径が内部領域の平均孔径よりも小さいと、目詰まりが改善するまでの、ろ過液量に対する逆洗液量を少なくすることができ、ろ過効率が向上することがわかる。そして、実験例の3,6,9から、表面側領域の平均孔径が内部領域の平均孔径より大きいと、長期運転においてフィルターの目詰まりが生じることがわかる。
実験例の1と4の比較から、分離工程において、セラミックフィルターの表面電位が現像廃液のゼータ電位と同符号であると、目詰まりが改善するまでの、ろ過液量に対する逆洗液量を少なくすることができ、ろ過効率が向上することがわかる。そして、実験例の4〜6、10〜12から、セラミックフィルターの表面電位が現像廃液のゼータ電位と異符号であると、長期運転においてろ過効率が悪化することが分かる。
以上、本発明の実施形態・実施例について説明したが、本発明は上記実施形態・実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
1 現像部
2 分離部
3 現像液タンク
4、5 ポンプ
6 バルブ
10 セラミックフィルター
12 表面側領域
14 内部領域
16 空隙
18 隙間
2 分離部
3 現像液タンク
4、5 ポンプ
6 バルブ
10 セラミックフィルター
12 表面側領域
14 内部領域
16 空隙
18 隙間
Claims (8)
- 非水溶性ポリマーを含有する感光性樹脂層を有する印刷版材を、水を主成分とする水系現像液を用いて現像することによりレリーフ像を形成する印刷版の現像方法であって、
現像に使用された現像廃液を回収して供給部に戻す循環経路を有し、
前記現像廃液の一部または全部を取り出し、セラミックフィルターを用いて、非水溶性ポリマー濃度が高い高濃度現像液と、濃度が低い低濃度現像液とに分離する分離工程を、前記循環経路の内または外に備え、
前記低濃度現像液を循環経路内に戻すこととしており、
前記セラミックフィルターは、表面から深さ100μm以内の表面側領域の平均孔径が前記表面側領域よりも内部の内部領域の平均孔径より小さいものからなり、前記分離工程において、前記セラミックフィルターを複数枚用いていることを特徴とする印刷版の現像方法。 - 前記セラミックフィルターの表面電位は、前記現像廃液のゼータ電位と同符号であることを特徴とする請求項1に記載の印刷版の現像方法。
- 前記セラミックフィルターの表面側領域の平均孔径が、0.01〜0.20μmの範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の印刷版の現像方法。
- 前記セラミックフィルターの表面に、アルミナ処理が施されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の印刷版の現像方法。
- 前記分離工程を、前記循環経路の外に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の印刷版の現像方法。
- 前記分離工程が、逆洗可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の印刷版の現像方法。
- 非水溶性ポリマーを含有する感光性樹脂層を有する印刷版材を、水を主成分とする水系現像液を用いて現像することによりレリーフ像を形成する印刷版の現像装置であって、
水系現像液を用いて印刷版を現像する現像部と、
現像に使用された現像廃液を回収して供給部に戻す循環経路と、
前記循環経路の内または外に設置され、前記現像廃液の一部または全部を取り出し、セラミックフィルターを用いて、非水溶性ポリマー濃度が高い高濃度現像液と、濃度が低い低濃度現像液とに分離する分離部と、
前記低濃度現像液を循環経路内に戻す戻し部とを有し、
前記セラミックフィルターは、表面から深さ100μm以内の表面側領域の平均孔径が前記表面側領域よりも内部の内部領域の平均孔径より小さいものからなり、前記分離部において、前記セラミックフィルターを複数枚用いていることを特徴とする印刷版の現像装置。 - 前記セラミックフィルターの表面電位は、前記現像廃液のゼータ電位と同符号であることを特徴とする請求項7に記載の印刷版の現像装置。
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