JP2019178984A - グリースの品質判定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基油に増ちょう剤としてのリチウム石けんを含有させて製造されたグリースの品質を簡易に判定することができる方法を提供する。【解決手段】本発明は、基油に、増ちょう剤としてのリチウム石けん又はそのリチウム石けんの原料を添加し、所定の温度で加熱処理を施すことによって製造されたグリースの品質判定方法であって、グリースの製造過程での加熱処理における温度が、使用した基油の種類に応じて決定される所定の温度範囲内であったか否かを判断する品質判定工程を含むことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、基油と増ちょう剤としてのリチウム石けんとを含むグリースの品質判定方法に関するものである。
グリースに用いる増ちょう剤は、有機系と無機系に大別される。有機系の増ちょう剤の代表例としては、ウレア化合物、金属石けん等が挙げられる。その中でも、金属石けんは、古くから使用されており、金属元素の選択により固有の性能を発現するという特徴があるため、全世界的に広く使用されているグリースの増ちょう剤である。
例えば、金属石けんとしてリチウム金属石けん系は、耐熱性、耐水性、せん断安定性に優れている。例えば、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムは、万能な増ちょう剤として多くのグリースに用いられている。
金属石けんの生成反応としては、複分解法と直接法とに大別される。具体的に、複分解法は、例えば下記反応式(i)で示すように、金属元素を交換することによって目的とする金属石鹸を得る方法である。また、直接法は、例えば下記反応式(ii)に示すように、脂肪酸と金属(Li)酸化物または金属水酸化物とを直接反応させる方法である。
[複分解法の反応例]
RCOONa+LiCl→RCOOLi+NaCl ・・・(i)
[直接法の反応例]
RCOOH+Li(OH)・HO→RCOOLi+2HO ・・・(ii)
リチウム石けんの場合、脂肪酸と水酸化リチウムとを反応させる直接法により生成させるのが一般的である。具体的には、リチウム石けんとして、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを生成させる場合、12−ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウム一水和物とを原料として、これらを脂肪酸の融点付近の温度で直接反応させる。
さて、リチウム石けんを増ちょう剤とするグリースの製造においては、原料の基油中に脂肪酸と水酸化リチウムを添加して加熱することによってけん化反応を生じさせると、板状の構造から繊維状の構造(繊維による網目構造)に転移したリチウム石けんが生成することが知られている(例えば非特許文献1)。グリース中のリチウム石けんの結晶構造(繊維状の結晶構造)は、リチウム石けん自身の構造と変わらず、その繊維の形状はリチウム石けんの種類によって異なる。
また、グリースの劣化の形態として、グリース中のリチウム石けんの繊維構造のL/D(長さ/径)比が減少し、最終的には繊維構造を維持できなくなることが知られている(非特許文献1参照)。そして、リチウム石けんにおいて、良好な繊維構造が維持できなくなると、増ちょう剤としての機能が奏されず、適したちょう度を維持できなくなる。
このように、リチウム石けんを増ちょう剤とするグリースにおいて、そのリチウム石けんの繊維構造は、グリースの品質に大きく影響するものである。したがって、最適な繊維構造となるようにリチウム石けんを成長させて製造されたグリースでは、適したちょう度を有するとともに、優れた特性を有する品質の良好なグリースであるといえる。
従来、製造されたグリースの品質を判定するに際しては、実際にちょう度を測定し、また、例えば摩擦係数等を測定して所望とする潤滑性を有するか否かの判断を行っていた。もちろん、このような方法によれば実測値として品質を判定することができて有効であるが、例えば一次判定としてより簡易に品質を判定することができる方法があれば、より精度高くグリースの品質を判定評価することができると考えられる。
日本トライボロジー学会グリース研究会編:「潤滑グリースの基礎と応用」、養賢堂、2007年発行、p.77
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、基油に増ちょう剤としてのリチウム石けんを含有させて製造されたグリースの品質を簡易に判定することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上述した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、グリースの品質は基油に含まれるリチウム石けんの繊維構造の成長度合いと関係し、グリース製造過程にて施された加熱処理の温度範囲がリチウム石けんの繊維構造の成長を左右するものであり、またその加熱処理の温度範囲は原料となる基油の種類に依存することを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)本発明の第1の発明は、基油に、増ちょう剤としてのリチウム石けん又は該リチウム石けんの原料を添加し、所定の温度で加熱処理を施すことによって製造されたグリースの品質判定方法であって、前記グリースの製造過程での前記加熱処理における温度が、使用した前記基油の種類に応じて決定される所定の温度範囲内であったか否かを判断する品質判定工程を含む、グリースの品質判定方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記品質判定工程では、前記グリースの製造過程での前記加熱処理における温度が、示差走査熱量計により測定される前記基油中の前記リチウム石けんの融点(DSC融点)を基準として、DSC融点+5℃〜DSC融点+12℃の範囲であったか否かを判断する、グリースの品質判定方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第1の発明において、示差走査熱量計により測定される前記基油中の前記リチウム石けんの融点(DSC融点)が2段階で存在する場合、前記品質判定工程では、前記グリースの製造過程での前記加熱処理における温度が、示差走査熱量計により測定される前記DSC融点のうちの2段階目の融点を基準として、2段階目のDSC融点−3℃〜2段階目のDSC融点+3℃の範囲であったか否かを判断する、グリースの品質判定方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記品質判定工程では、前記加熱処理における温度が前記所定の温度範囲内であった場合には、製造された前記グリースの品質が良好であると判定する、グリースの品質判定方法である。
本発明によれば、基油に増ちょう剤としてのリチウム石けんを含ませて製造されたグリースの品質を簡易に判定することができる。
グリース中のリチウム石けんの繊維構造の様子を示したSEM像である。 実験例1として基油にパラフィン系鉱物油Aを用いて製造したグリースにおけるリチウム石けんの繊維構造を示すSEM像であり、(A)は試料a、試料c〜試料eの観察像であり、(B)は試料bの観察像である。 実験例2として基油に二塩基酸エステル油Fを用いて製造したグリースにおけるリチウム石けんの繊維構造を示すSEM像であり、(A)は試料g〜試料jの観察像であり、(B)は試料fの観察像である。 実験例3として基油に高粘度ポリαオレフィンEを用いて製造したグリースにおけるリチウム石けんの繊維構造を示すSEM像であり、(A)は試料k、試料m〜試料nの観察像であり、(B)は試料lの観察像である。 実験例4として基油にナフテン系鉱物油Bを用いて製造したグリースにおけるリチウム石けんの繊維構造を示すSEM像であり、(A)は試料p〜試料rの観察像であり、(B)は試料oの観察像である。
以下、本発明の具体的な実施形態(以下、「本実施の形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。
≪1.概要≫
本実施の形態に係るグリースの品質判定方法は、基油に、増ちょう剤としてのリチウム石けん又はそのリチウム石けんの原料を添加し、所定の温度で加熱処理を施すことによって製造されたグリースの品質判定方法である。
具体的に、このグリースの品質判定方法は、グリースの製造過程での加熱処理における温度が、使用した基油の種類に応じて決定される所定の温度範囲内であったか否かを判断する品質判定工程を含む、ことを特徴としている。そして、その品質判定工程では、加熱処理における温度が特定の温度範囲内であった場合には、製造されたグリースの品質が良好であると判定する。
例えば、品質判定工程では、グリースの製造過程での加熱処理における温度が、示差走査熱量計により測定される基油中のリチウム石けんの融点(DSC融点)を基準として、「DSC融点+5℃〜DSC融点+12℃」の範囲であったか否かを判断する。また、示差走査熱量計により測定される基油中のリチウム石けんのDSC融点が2段階で存在する場合、その品質判定工程では、グリースの製造過程での加熱処理における温度が、示差走査熱量計により測定されるDSC融点のうちの2段階目の融点を基準として、「2段階目のDSC融点−3℃〜2段階目のDSC融点+3℃」の範囲であったか否かを判断する。
このような品質判定方法によれば、グリースの製造過程で施された加熱処理を確認するという簡易な方法により、例えば一次判定として、製造されたグリースの品質の良否を判定することができる。
≪2.グリースの製造プロセスについて≫
本実施の形態に係るグリースの品質判定方法をより具体的に説明するに先立ち、増ちょう剤としてリチウム石けんを用いたグリースの製造プロセスについて簡単に説明する。
上述したように、品質判定の対象となるグリースは、基油と、増ちょう剤としてのリチウム石けんと、を含むグリースである。このグリースは、例えば、基油に、リチウム石けん又はリチウム石けんの原料を添加してリチウム石けんを生成させる第1工程と、加熱処理を施すことによってリチウム石けんを成長させる第2工程と、冷却してグリース化する第3工程と、を有するプロセスを経て製造することができる。
[第1工程]
第1工程では、原料の基油に、増ちょう剤であるリチウム石けんの原料となる脂肪酸と水酸化リチウムを添加し、けん化反応を生じさせることにより、その基油中にリチウム石けんを生成させる。また、第1工程では、基油に対し、いわゆるプリメイドのリチウム石けんを添加して、基油中にリチウム石けんを生成させてもよい。なお、「リチウム石けんを生成させる」とは、このようにプリメイドのリチウム石けんを添加する場合においては、基油中にそのリチウム石けんを存在させることを意味する。
基油としては、特に限定されず、従来から一般的に使用されているものを用いることができる。例えば、パラフィン系鉱物油、ナフテン系鉱物油、ポリα−オレフィン等の合成炭化水素油、ジアルキルジフェニルエーテル油、アルキルトリフェニルエーテル油、アルキルテトラフェニルエーテル油などのエーテル油、ジエステル油、ペンタエリスリトールエステル油、ネオペンチル型ポリオールエステル油、これらのコンプレックスエステル油、芳香族エステル油などのエステル油、ポリプロピレングリコール等のポリグリコール系合成油、シリコーン系合成油、フッ素系合成油、等が挙げられる。
増ちょう剤は、油を保持するために成分であり、基油と共にベースグリースを構成し、グリースのちょう度を調整する。本実施の形態に係る製造方法により製造されるグリースにおいては、増ちょう剤としてリチウム石けんを含有する。
増ちょう剤であるリチウム石けんとは、リチウム石けんのみならずリチウム複合石けんを含む。リチウム石けんとしては、ステアリン酸リチウム、12−ヒドロキシステアリン酸リチウム、ラウリン酸リチウム等が挙げられる。また、リチウム複合石けんとしては、ステアリン酸や12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪族カルボン酸のリチウム塩と二塩基酸リチウム塩との複合石けんが挙げられる。二塩基酸としては、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
リチウム石けんは、潤滑性が良好であり、増ちょう剤として好適に用いることができる。その中でも、12−ヒドロキシステアリン酸リチウムが特に好ましい。
第1工程は、上述したように、リチウム石けんを基油中に生成させる工程である。より具体的に、第1工程では、例えば反応釜等の容器に基油を装入した後、その基油中に、リチウム石けんの原料となる脂肪酸を添加する。そして徐々に昇温させるとともに水酸化リチウム水溶液を添加して、80℃〜100℃程度の温度に加熱し、また撹拌することによって、けん化反応を生じさせる。これにより、基油中にリチウム石けんが生成する。
また、プリメイドのリチウム石けんを用いる場合は、反応釜等の容器に基油およびリチウム石けんを装入し、徐々に昇温しながら、撹拌することによって分散させる。なお、プリメイドのリチウム石けんとしては、市販のものを用いることもできる。
[第2工程]
第2工程では、加熱処理を施すことによって、基油中のリチウム石けんを繊維状に成長させる。第1工程にて基油中に生成するリチウム石けんは、板状又は粒子状の形状を呈している。この第2工程では、所定の温度で加熱処理を施すことで、基油中に生成したリチウム石けんを繊維状の構造(繊維構造)へと転移させ、成長させる。
また、第2工程では、リチウム石けんの繊維構造を成長させるとともに、所望とする性質のグリースとするための各種の添加剤を添加することができる。なお、添加剤は、後述する第3工程にて添加してもよい。
さて、グリース中に存在する増ちょう剤であるリチウム石けんは、例えば図1の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察像に示すように、繊維状の構造を有しており、網目状に繊維を張り巡らせている(繊維によって網目構造を形成している)。このような繊維による網目構造により、基油を保持して、グリースのちょう度に寄与している。したがって、グリースの製造においては、基油中に生成させたリチウム石けんの繊維を良好に成長させた状態で基油中に分散させることが好ましい。これにより、グリースのちょう度を所望の範囲に適切に調整させ、良好な潤滑性を発揮する高品質なグリースとすることができる。
第2工程での加熱処理においては、所定の加熱温度で所定時間保持する。したがって、例えば加熱処理に際しては、所定の加熱温度まで加熱してその温度で所定時間保持するようにしてもよいが、あるいは、所定の加熱温度を超える温度まで加熱して、基油中にリチウム石けんを分散させたのち、その所定の加熱温度にまで徐々に冷却し、その温度で所定時間保持するようにしてもよい。
保持時間としては、特に限定されないが、5分〜120分程度とすることが好ましい。
[第3工程]
第3工程では、リチウム石けんを成長させた基油に対して冷却処理を施し、グリース化する。この第3工程では、第2工程における加熱処理にて所定時間保持していた温度(基油に応じて決定される最適温度)から徐々に降温させる冷却処理を施す。このような冷却処理により、所定のちょう度のグリースが構成される(グリース化される)。
なお、この第3工程では、冷却処理を施すとともに、酸化防止剤や極圧剤等の添加剤を添加することができる。添加剤を添加する場合には、基油を撹拌しながら冷却することで、基油中に添加剤を均一に分散させることができる。
≪3.グリースの品質判定方法について≫
本件発明者は、種々の研究を行った結果、基油中のリチウム石けんを繊維状に成長させるに際し(製造プロセスにおける第2工程)、その加熱処理の温度として最適な温度範囲があることを見出し、その最適温度範囲にて加熱処理が施されて製造されたグリースでは、基油中に含まれるリチウム石けんの繊維構造が最も成長したものであって、品質が良好なものであることが分かった。また、その最適温度範囲は、グリースを構成する基油の種類に依存性があり、使用する基油に応じて決定される温度に制御されて製造されたグリースでは、高品質なリチウム石けんを含むグリースとなることが分かった。さらに、その最適温度範囲は、その基油中に含まれた状態のリチウム石けんの、示差走査熱量計により測定される融点を基準とする温度範囲と相関性があることが分かった。
そこで、本実施の形態に係るグリースの品質判定方法においては、グリースの製造過程での加熱処理における温度が、使用した基油の種類に応じて決定される所定の温度範囲内であったか否かを判断する品質判定工程を実行する。そして、品質判定工程では、加熱処理における温度がその所定の温度範囲内であった場合には、製造されたグリースの品質が良好であると判定することができる。
具体的に、基油の種類に応じて決定される温度とは、示差走査熱量計により測定される基油中のリチウム石けんの融点(DSC融点)を基準として、「DSC融点+5℃〜DSC融点+12℃」の範囲である。また、好ましくは、「DSC融点+7℃〜DSC融点+11℃」の範囲であり、より好ましくは、「DSC融点+10℃」である。ここで、基油の種類に応じて決定される温度については「最適温度」と称し、その温度範囲は「最適温度範囲」と称する。
なお、DSC融点は、およそ160℃〜220℃の温度範囲に現れる吸熱シグナルピークであり、シグナルの発生時からピーク高さが最大(ピークトップ)に至るまでの変曲点の温度である。
また、各種の基油中のリチウム石けんにおいて、示差走査熱量計により測定されるDSC融点が2段階で存在する場合、その基油の種類に応じて決定される温度は、2段階目の融点を基準として、「2段階目のDSC融点−3℃〜2段階目のDSC融点+3℃」の範囲とすることができる。
ここで、下記表1に、各種の特定の基油中に存在するリチウム石けんのDSC融点と、そのDSC融点を基準とする最適温度範囲(DSC融点+5℃〜DSC融点+12℃の範囲)の一覧を例示する。なお、このグリースに使用することができる基油は、これらに限定されるものではない。
表1に示したDSC融点の測定は、示差走査熱量計(メトラー・トレド社製,DSC1)を用いて、以下のように行った。すなわち、各種の基油と混合したリチウム石けんの試料を、室温から10℃/分の昇温条件で昇温させて測定したときの吸熱ピーク温度を観測して、得られた変曲点を融点(DSC融点)とした。
表1に示すように、基油中に存在するリチウム石けんのDSC融点は、その基油の種類に応じて変わることが分かる。したがって、グリースの品質判定にあたっては、使用した基油ごとに、その基油中に含まれた状態のリチウム石けんのDSC融点を予め測定しておき、そのDSC融点を基準として算出される最適温度範囲に基づいて製造過程で行われた加熱処理の温度と比較することに、製造されたグリースの品質を判定することができる。
すなわち、品質判定工程では、グリースの製造過程での加熱処理における温度が、示差走査熱量計により測定される基油中の前記リチウム石けんの融点(DSC融点)を基準として、「DSC融点+5℃〜DSC融点+12℃」の範囲であったか否かを判断する。
あるいは、示差走査熱量計により測定される基油中の前記リチウム石けんのDSC融点が2段階で存在する場合、品質判定工程では、グリースの製造過程での加熱処理における温度が、示差走査熱量計により測定されるDSC融点のうちの2段階目の融点を基準として、「2段階目のDSC融点−3℃〜2段階目のDSC融点+3℃」の範囲であったか否かを判断する。
そして、品質判定工程では、グリースの製造過程で行われた加熱処理における温度が、例えば、「DSC融点+5℃〜DSC融点+12℃」の範囲内であった場合、または(DSC融点が2段階で存在する場合)「2段階目のDSC融点−3℃〜2段階目のDSC融点+3℃」の範囲内であった場合には、製造されたグリースの品質が良好であると判定することができる。
例えば、基油としてパラフィン系鉱物油(表1中の「パラフィン系鉱物油A」)を使用してグリースを製造した場合、表1からパラフィン系鉱物油AのDSC融点は197℃であり、「DSC融点+5℃〜DSC融点+12℃」で表される範囲(最適温度範囲)は202℃〜209℃となる。したがって、グリースの品質判定では、その製造されたグリースの製造過程での加熱処理において(第2工程)、加熱した温度が202℃〜209℃の温度範囲内であったか否かを判定する。より好ましくは、202℃〜209℃の温度範囲内に加熱して所定時間(例えば5分〜120分程度)保持したか否かを判定する。
パラフィン系鉱物油Aを用いてリチウム石けん又はその原料を添加し、上記温度範囲内の温度で加熱処理を施して得られるグリースでは、基油中のリチウム石けんの繊維構造が良好に成長したものになっていると推測することできる。このことから、製造されたグリースに関して、加熱処理を202℃〜209℃の温度範囲内で実行したと判断されると、そのグリースは良好な品質を有するものであると判定することができる。
このように、本実施の形態に係るグリースの品質判定方法によれば、グリースの製造過程で施された加熱処理を確認するという簡易な方法により、例えば一次判定として、製造されたグリースの品質の良否を判定することができる。
以下、本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
≪1.実験例1:加熱処理における保持温度によるリチウム石けんの繊維構造の観察≫
[グリースの製造]
基油としてパラフィン系鉱物油A(表1も参照)を用い、その基油中に、リチウム石けんである12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを添加して(プリメイド品を添加)、グリースを製造した。
グリースの製造にあたって、予め、基油であるパラフィン系鉱物油A中のリチウム石けんの融点について、示差走査熱量計により測定した。具体的には、基油であるパラフィン系鉱物油Aにリチウム石けんを添加した試料に対し、示差走査熱量計(メトラー・トレド社製,型番DSC1)により、室温から10℃/分の昇温条件で昇温させて測定したときの吸熱ピーク温度を観測して、得られた変曲点を融点(DSC融点)とした。その結果、DSC融点は197℃であった。
グリースの製造は、具体的には、基油であるパラフィン系鉱物油Aに12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを添加したのち(第1工程)、加熱処理を施すことによって基油中に12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを分散させた(第2工程)。
ここで、第2工程における加熱処理では、試料を5つに分け(試料a〜試料e)、試料ごとに200℃(試料a)、206℃(試料b)、210℃(試料c)、220℃(試料d)、及び230℃(試料e)の5つの温度条件で10分間保持する処理を行った。
その後、各試料を徐々に冷却してグリース化した(第3工程)。
[評価]
製造したグリース(5試料:試料a〜試料e)のそれぞれについて、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてリチウム石けんの繊維構造について観察した。図2は、基油にパラフィン系鉱物油Aを用いて製造したグリースにおけるリチウム石けんの繊維構造を示すSEM像(倍率15,000倍)であり、(A)は試料a、試料c〜試料eの観察像であり、(B)は試料bの観察像である。
図2(A)に示されるように、試料a、試料c〜試料eのグリースでは、繊維状のリチウム石けんの存在は確認できるものの、例えば、温度200℃で加熱保持した試料aでは繊維構造が短繊維であり十分に繊維が成長していないことが分かる。また、温度210℃〜230℃で加熱保持した試料c〜試料eでは、一部において、繊維の網目構造が破壊されて繊維状態を維持できなくなっていることが分かる。
一方で、図2(B)に示されるように、温度206℃で加熱保持した試料bでは、リチウム石けんのきれいな繊維が確認され、各繊維によって良好な網目構造を形成していることが分かる。なお、試料bにて施した加熱処理における206℃という保持温度は、基油であるパラフィン系鉱物油A中のリチウム石けんのDSC融点の「197℃」を基準としたとき、DSC融点+5℃(202℃)〜DSC融点+12℃(209℃)の範囲にある。
以上の実験例1での結果に示されるように、リチウム石けんは、グリースの製造過程における加熱保持の温度によって、その繊維の成長に違いが生じ、最適な繊維構造にするための最適な加熱保持温度(最適温度)があることが分かった。
なお、試料bのグリースは、所望とするちょう度に適切に制御されたものであった。このように、グリースの製造過程において、最適温度に加熱し所定時間保持することによって、良好に繊維化したリチウム石けんを分散させたグリースが得られ、所望とするちょう度に適切に制御した高品質なグリースを製造できることが分かった。
≪2.実験例1:パラフィン系鉱物油Aを用いて製造したグリースの品質判定≫
実験例1にて製造した、試料bのグリースと、試料eのグリースについて、品質判定を行った。具体的には、試料bのグリースと、試料eのグリースのそれぞれの製造過程での加熱処理における温度が、DSC融点(197℃)を基準としたとき、「DSC融点+5℃〜DSC融点+12℃」の202℃〜209℃の範囲内であったか否かを判断した。
上述したように、試料bのグリースでは、基油にリチウム石けんを添加した後に206℃の温度に加熱保持して製造し、試料eのグリースでは、基油にリチウム石けんを添加した後に230℃の温度に加熱保持して製造した。このことから、試料bのグリースでは、製造過程における加熱温度が202℃〜209℃の範囲“内”であったと判断され、試料eのグリースでは、製造過程における加熱温度が202℃〜209℃の範囲“外”であったと判断された。
このような判断結果から、DSC融点を基準とした上記の温度範囲内の温度で加熱処理が施されて製造された試料bのグリースは、品質が良好なものであると判定した。一方で、DSC融点を基準とした上記の温度範囲外の温度で加熱処理が施されて製造された試料eのグリースは、品質が劣るものであると判定した。
ここで、試料eのグリースでは、目視による外観観察により、液体にダマがあるような状態であることが確認され、グリースとして不適であると判断された。一方で、試料bのグリースは、外観観察からも、良好なグリースであることが確認された。
このような結果から、製造されたグリースにおいて、製造過程での加熱処理の温度が所定の温度範囲(使用した基油に種類に応じて決定される温度範囲)内であったか否かを判断することによって、簡易に、製造されたグリースの品質を判定できることが分かった。
≪3.実験例2〜4:基油の種類に応じた最適温度の違いについての検証≫
次に、基油の種類を変えてグリースを製造し、加熱処理における保持温度の条件を変更したときのリチウム石けんの繊維構造について調べた。
[実験例2〜4でのグリースの製造]
(実験例2)
実験例2では、基油として二塩基酸エステル油F(表1も参照)を用い、その基油中に、リチウム石けんである12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを添加して(プリメイド品を添加)、グリースを製造した。具体的には、基油である二塩基酸エステル油Fに12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを添加したのち(第1工程)、加熱処理を施すことによって基油中に12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを分散させた(第2工程)。その後、徐々に冷却してグリース化した(第3工程)。
第2工程における加熱処理では、試料を5つに分け(試料f〜試料j)、試料ごとに193℃(試料f)、200℃(試料g)、210℃(試料h)、220℃(試料i)、及び230℃(試料j)の5つの温度条件で10分間保持する処理を行った。
なお、グリースの製造にあたっては、予め、基油である二塩基酸エステル油F中のリチウム石けんの融点について、実験例1と同様に示差走査熱量計により測定した。その結果、DSC融点は184℃であった。
(実験例3)
実験例3では、基油として高粘度ポリαオレフィン油(PAO40)E(表1も参照)を用い、その基油中に、リチウム石けんである12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを添加して(プリメイド品を添加)、グリースを製造した。具体的には、基油である高粘度ポリαオレフィン油Eに12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを添加したのち(第1工程)、加熱処理を施すことによって基油中に12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを分散させた(第2工程)。その後、徐々に冷却してグリース化した(第3工程)。
第2工程における加熱処理では、試料を4つに分け(試料k〜試料n)、試料ごとに200℃(試料k)、210℃(試料l)、220℃(試料m)、及び230℃(試料n)の4つの温度条件で10分間保持する処理を行った。
なお、グリースの製造にあたっては、予め、基油である高粘度ポリαオレフィン油E中のリチウム石けんの融点について、実験例1と同様に示差走査熱量計により測定した。その結果、DSC融点は195℃(2段階目の融点:210℃)であった。
(実験例4)
実験例4では、基油としてナフテン系鉱物油B(表1も参照)を用い、その基油中に、リチウム石けんである12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを添加して(プリメイド品を添加)、グリースを製造した。具体的には、基油であるナフテン系鉱物油Bに12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを添加したのち(第1工程)、加熱処理を施すことによって基油中に12−ヒドロキシステアリン酸リチウムを分散させた(第2工程)。その後、徐々に冷却してグリース化した(第3工程)。
第2工程における加熱処理では、試料を4つに分け(試料o〜試料r)、試料ごとに200℃(試料o)、210℃(試料p)、220℃(試料q)、及び230℃(試料r)の4つの温度条件で10分間保持する処理を行った。
なお、グリースの製造にあたっては、予め、基油であるナフテン系鉱物油B中のリチウム石けんの融点について、実験例1と同様に示差走査熱量計により測定した。その結果、DSC融点は190℃であった。
[評価]
実験例2〜4にて製造したグリース(各試料)について、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いてリチウム石けんの繊維構造について観察した。
(実験例2の評価)
図3は、基油に二塩基酸エステル油Fを用いて製造したグリースにおけるリチウム石けんの繊維構造を示すSEM像(倍率15,000倍)であり、(A)は試料g〜試料jの観察像であり、(B)は試料fの観察像である。
図3(A)に示されるように、試料g〜試料jのグリースでは、繊維状のリチウム石けんの存在はわずかに確認できるものの、繊維構造が短繊維であり十分に繊維が成長しておらず、また、一部においては繊維の網目構造が破壊されて繊維状態を維持できなくなっていることが分かる。
一方で、図3(B)に示されるように、温度193℃で加熱保持した試料fでは、リチウム石けんのきれいな繊維が確認され、各繊維によって良好な網目構造を形成していることが分かる。なお、試料fにて施した加熱処理における193℃という保持温度は、基油である二塩基酸エステル油F中のリチウム石けんのDSC融点の「184℃」を基準としたとき、DSC融点+5℃(189℃)〜DSC融点+12℃(196℃)の範囲にある。
(実験例3の評価)
図4は、基油に高粘度ポリαオレフィンEを用いて製造したグリースにおけるリチウム石けんの繊維構造を示すSEM像(倍率15,000倍)であり、(A)は試料k、試料m〜試料nの観察像であり、(B)は試料lの観察像である。
図4(A)に示されるように、特に試料m〜試料nのグリースでは、繊維状のリチウム石けんの存在は確認できるものの、全般的にその繊維構造が短繊維であり十分に繊維が成長しておらず、また、一部においては繊維の網目構造が破壊されて繊維状態を維持できなくなっていることが分かる。
一方で、図4(B)に示されるように、温度210℃で加熱保持した試料lでは、リチウム石けんのきれいな繊維が確認され、各繊維によって良好な網目構造を形成していることが分かる。なお、試料lにて施した加熱処理における210℃という保持温度は、基油である高粘度ポリαオレフィンE中のリチウム石けんのDSC融点の「195℃」を基準としたとき、DSC融点+5℃(200℃)〜DSC融点+12℃(207℃)の範囲にある。また、この210℃という保持温度は、高粘度ポリαオレフィンE中のリチウム石けんの2段階目の融点(210℃)と同一の温度であり、当然にこの2段階目の融点を基準としたとき、2段階目DSC融点−3℃(207℃)〜2段階目DSC融点+3℃(213℃)の範囲にある。
(実験例4の評価)
図5は、基油にナフテン系鉱物油Bを用いて製造したグリースにおけるリチウム石けんの繊維構造を示すSEM像(倍率15,000倍)であり、(A)は試料p〜試料rの観察像であり、(B)は試料oの観察像である。
図5(A)に示されるように、試料p〜試料rのグリースでは、繊維状のリチウム石けんの存在は確認できるものの、全般的にその繊維構造が短繊維であり十分に繊維が成長しておらず、また、一部においては繊維の網目構造が破壊されて繊維状態を維持できなくなっていることが分かる。
一方で、図5(B)に示されるように、温度200℃で加熱保持した試料oでは、リチウム石けんのきれいな繊維が確認され、各繊維によって良好な網目構造を形成していることが分かる。なお、試料oにて施した加熱処理における200℃という保持温度は、基油であるナフテン系鉱物油B中のリチウム石けんのDSC融点190℃を基準としたとき、DSC融点+5℃(195℃)〜DSC融点+12℃(202℃)の範囲にある。
以上の実験例2〜4での結果からも、リチウム石けんは、グリースの製造過程における加熱保持の温度によって、その繊維の成長に違いが生じ、最適な繊維構造にするための最適な加熱保持温度(最適温度)があることが分かった。
また、基油の種類を変えたこの実験例2〜4の結果から、基油の種類によって、加熱処理における最適な加熱保持温度の範囲(最適温度範囲)が異なることが分かり、使用する基油の種類に応じて決定される温度で所定時間保持して製造されたグリースでは、リチウム石けんが良好な繊維状に成長していることが分かった。
そして、実験例2〜4のうちのリチウム石けんが良好に繊維化したグリースでは、所望とするちょう度に適切に制御されたものであった。
したがって、実験例2〜4の結果からも、製造されたグリースに関して、その製造過程での加熱処理の温度が所定の温度範囲(使用した基油に種類に応じて決定される温度範囲)内であったか否かを判断することによって、簡易に、製造されたグリースの品質を判定できることが分かった。

Claims (4)

  1. 基油に、増ちょう剤としてのリチウム石けん又は該リチウム石けんの原料を添加し、所定の温度で加熱処理を施すことによって製造されたグリースの品質判定方法であって、
    前記グリースの製造過程での前記加熱処理における温度が、使用した前記基油の種類に応じて決定される所定の温度範囲内であったか否かを判断する品質判定工程を含む
    グリースの品質判定方法。
  2. 前記品質判定工程では、
    前記グリースの製造過程での前記加熱処理における温度が、示差走査熱量計により測定される前記基油中の前記リチウム石けんの融点(DSC融点)を基準として、DSC融点+5℃〜DSC融点+12℃の範囲であったか否かを判断する
    請求項1に記載のグリースの品質判定方法。
  3. 示差走査熱量計により測定される前記基油中の前記リチウム石けんの融点(DSC融点)が2段階で存在する場合、
    前記品質判定工程では、
    前記グリースの製造過程での前記加熱処理における温度が、示差走査熱量計により測定される前記DSC融点のうちの2段階目の融点を基準として、2段階目のDSC融点−3℃〜2段階目のDSC融点+3℃の範囲であったか否かを判断する
    請求項1に記載のグリースの品質判定方法。
  4. 前記品質判定工程では、
    前記加熱処理における温度が前記所定の温度範囲内であった場合には、製造された前記グリースの品質が良好であると判定する
    請求項1乃至3のいずれかに記載のグリースの品質判定方法。
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CN114295677A (zh) * 2021-12-31 2022-04-08 西南石油大学 一种基于铝热熔融效应的废弃油气井封堵实验方法

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