JP2019178713A - レンジ判定装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は本発明の一実施の形態であるレンジ判定装置10が搭載された車両11の構成例を示す概略図である。図1に示すように、車両11には、エンジン12および自動変速機13を備えたパワーユニット14が搭載されており、自動変速機13の変速出力軸15には、デファレンシャル機構16等を介して車輪17が連結されている。また、自動変速機13には前後進切替機構18や変速機構19が組み込まれており、自動変速機13には前後進切替機構18等に作動油を供給制御するバルブユニット20が設けられている。さらに、車両11には、バルブユニット20を介して自動変速機13の作動状態を制御するため、マイコンや駆動回路等からなるコントローラ21が設けられている。なお、前後進切替機構18は、変速機構19の入力軸である変速入力軸22の回転方向を切り替える機構であり、図示しない遊星歯車列、前進クラッチおよび後退ブレーキ等によって構成される。
車両11には、パワーユニット14の作動状態を制御する複数の制御レンジが設定されている。これらの制御レンジとして、例えば、前進走行用の前進レンジ(Dレンジ)、後退走行用の後退レンジ(Rレンジ)、動力切断用の中立レンジ(Nレンジ)がある。これら制御レンジのうち、何れの制御レンジを使用するかについては、後述する乗員のシフトレバー操作によって決定される。以下、前進レンジについてはDレンジと記載し、後退レンジについてはRレンジと記載し、中立レンジについてはNレンジと記載する。
前述した制御レンジを乗員の手動操作によって切り替えるため、車両11には乗員によって操作されるレバーユニット29が設けられている。レバーユニット29は、所定の移動経路に沿って移動自在に設けられるシフトレバー(操作レバー)30と、シフトレバー30の位置を検出する複数のセンサS1〜S3からなる第1センサ群31と、シフトレバー30の位置を検出する複数のセンサS4〜S6からなる第2センサ群32と、を有している。なお、シフトレバー30の位置を検出するセンサS1〜S6としては、ホール素子やMRセンサ等を用いることができる。また、乗員に操作されるシフトレバー30は、セレクトレバーやチェンジレバーとも呼ばれている。
図3はレンジ判定装置10が備える第1および第2センサ群31,32の構造の一例を示す図である。図3に示すように、レバーユニット29には、シフトレバー30の位置を検出する第1および第2センサ群31,32が設けられている。第1センサ群31は、3つのセンサS1〜S3によって構成されており、第2センサ群32は、3つのセンサS4〜S6によって構成されている。また、レバーユニット29には、シフトレバー30に連動して移動するマグネット33が設けられている。このマグネット33がセンサS1〜S6に近づくと、センサS1〜S6はコントローラ21に向けてON信号を出力する。一方、マグネット33がセンサS1〜S6から離れると、センサS1〜S6はコントローラ21に向けてOFF信号を出力する。なお、ON信号とは所定電圧を上回る電圧信号であり、OFF信号とは所定電圧を下回る電圧信号である。
図8は各センサS1〜S6からの出力信号とシフトレバー30の位置との関係を示す図である。まず、図7(a)に示すように、シフトレバー30がホーム位置PHに移動すると、マグネット33はセンサS1,S4に対して対向する。このため、図8に示すように、レバー位置がホーム位置PHである場合には、センサS1,S4からON信号が出力され、センサS2,S3,S5,S6からOFF信号が出力される。
続いて、複数の制御レンジ(Nレンジ,Dレンジ,Rレンジ)から乗員によって選択された選択レンジを確定するレンジ確定制御について説明する。まず、図1に示すように、コントローラ21には、レンジ確定制御を実行するため、センサ異常判定部40、レバー位置検出部41、レンジ確定部42、確定時間設定部43および操作通知部44が設けられている。後述するように、センサ異常判定部40は、センサS1〜S6から取得した出力信号に基づき、センサS1〜S6が異常であるか否かを判定する。また、レバー位置検出部41は、センサS1〜S6からの出力信号に基づきレバー位置を検出し、レンジ確定部42は、検出されたレバー位置に基づき乗員が選択した選択レンジを確定する。また、確定時間設定部43は、選択レンジを確定する際に用いる所定の確定時間T1,T2を設定し、操作通知部44は、後述する異常時レンジ確定処理において乗員にシフトレバー30の操作方法を通知する。また、コントローラ21にはコンビネーションメータ45が接続されており、コンビネーションメータ45には各種情報を表示する表示パネル46が設けられている。
図9のステップS12に示した正常時レンジ確定処理の実行手順について説明する。前述したように、正常時レンジ確定処理は、第1および第2センサ群31,32の双方が正常に機能している場合、つまり第1および第2センサ群31,32からのセンサ信号が正常である場合に実行される。ここで、図10は正常時レンジ確定処理の実行手順の一例を示すフローチャートである。図10に示したフローチャートは、コントローラ21によって所定周期毎に実行される。
続いて、異常時レンジ確定処理におけるレバー位置の検出状況について説明する。前述したように、異常時レンジ確定処理は、第1および第2センサ群31,32の一方に異常が発生している場合、つまり第1または第2センサ群31,32からのセンサ信号が異常である場合に実行される。ここで、図11および図12は、異常時レンジ確定処理における実際のレバー位置と検出されるレバー位置との関係を示す図である。図11には第2センサ群32に異常が発生した状況が示され、図12には第1センサ群31に異常が発生した状況が示されている。
図9のステップS15に示した異常時レンジ確定処理の実行手順について説明する。前述したように、異常時レンジ確定処理は、第1および第2センサ群31,32の一方に異常が発生している場合、つまり第1または第2センサ群31,32からのセンサ信号が異常である場合に実行される。ここで、図13は異常時レンジ確定処理の実行手順の一例を示すフローチャートである。図13に示したフローチャートは、コントローラ21によって所定周期毎に実行される。
続いて、乗員がシフトレバー30を前進位置PDに操作することにより、選択レンジとしてDレンジが確定される迄の過程をタイミングチャートに沿って説明する。図14は正常時レンジ確定処理における選択レンジの確定状況の一例を示すタイミングチャートであり、図15は異常時レンジ確定処理における選択レンジの確定状況の一例を示すタイミングチャートである。なお、図14および図15においては、乗員によってシフトレバー30が同様に操作され、選択レンジがRレンジからDレンジに切り替えられる過程が示されている。
前述したように、第1センサ群31と第2センサ群32との双方が正常である場合には、確定時間T1を用いた正常時レンジ確定処理が実行される。図14に示すように、正常時レンジ確定処理において、シフトレバー30がホーム位置PHからニュートラル位置PNに移動すると(符号a1)、センサS1〜S4からOFF信号が出力され、センサS5,S6からON信号が出力される。このとき、乗員に操作されるシフトレバー30はニュートラル位置PNを単に通過するため、シフトレバー30が確定時間T1に渡ってニュートラル位置PNに保持されることはなく、選択レンジは直近のRレンジのまま維持される。つまり、符号α1で示すように、確定時間T1が経過する前にセンサS5からOFF信号が出力されるため、選択レンジは直近のRレンジのまま維持される。
これに対し、第2センサ群32が異常である場合、つまり第1センサ群31を用いて選択レンジを確定させる場合には、確定時間T1よりも長い確定時間T2を用いた異常時レンジ確定処理が実行される。図15に示すように、異常時レンジ確定処理において、シフトレバー30がホーム位置PHから中間位置Phnに移動すると(符号a1)、センサS1〜S3からOFF信号が出力される。このとき、センサS1〜S3からOFF信号が出力される状況は、乗員に操作されるシフトレバー30が、ニュートラル位置PN、中間位置Pndを通過し(符号a2,a3)、前進位置PDに達するまで継続される(符号a4)。
続いて、比較例として、第2センサ群32が異常である場合、つまり第1センサ群31を用いて選択レンジを確定させる場合に、短い確定時間T1を用いて選択レンジが確定されたときの状況について説明する。ここで、図16は比較例として選択レンジの確定状況の一例を示すタイミングチャートである。なお、図16に示したシフトレバー30の操作状況は、図14および図15に示したシフトレバー30の操作状況と同じである。
前述したように、異常時レンジ確定処理においては、確定時間T1よりも長い確定時間T2を採用している。これにより、センサ信号がノイズの影響を受けた場合であっても、誤った選択レンジの確定を回避することが可能である。ここで、図17は異常時レンジ確定処理における選択レンジの確定状況の一例を示すタイミングチャートである。図17において、前述した図15に示す状況と同じ状況については、同一の符号を付してその説明を省略する。また、図18は比較例として選択レンジの確定状況の一例を示すタイミングチャートである。図18において、前述した図16に示す状況と同じ状況については、同一の符号を付してその説明を省略する。なお、図17および図18においては、第2センサ群32が異常である状態のもとで、シフトレバー30が前進位置PDからホーム位置PHに戻る際に、ノイズの影響を受けたセンサS2から誤ってON信号が出力される状況が示されている(符号x1)。
11 車両
30 シフトレバー(操作レバー)
31 第1センサ群
31a 第1電源
32 第2センサ群
32a 第2電源
41 レバー位置検出部
42 レンジ確定部
43 確定時間設定部
44 操作通知部
S1〜S6 センサ
PH ホーム位置(初期位置)
PN ニュートラル位置(レンジ位置)
PD 前進位置(レンジ位置)
PR 後退位置(レンジ位置)
T1 確定時間(第1時間)
T2 確定時間(第2時間)
Claims (4)
- 複数の制御レンジを備えた車両に搭載され、前記複数の制御レンジから乗員によって選択された選択レンジを判定するレンジ判定装置であって、
初期位置と前記複数の制御レンジに対応する複数のレンジ位置とに移動自在であり、乗員によって前記複数のレンジ位置の何れかに操作され、乗員の操作解除によって前記初期位置に戻される操作レバーと、
第1電源から電力が供給され、前記操作レバーの位置に応じて信号を出力する複数のセンサからなる第1センサ群と、
第2電源から電力が供給され、前記操作レバーの位置に応じて信号を出力する複数のセンサからなる第2センサ群と、
前記第1および第2センサ群からの出力信号に基づき、乗員に操作された前記操作レバーの位置を検出するレバー位置検出部と、
前記操作レバーが確定時間に渡って同じ前記レンジ位置に保持された場合に、保持された前記レンジ位置に基づき前記選択レンジを確定するレンジ確定部と、
前記第1および第2センサ群からの出力信号が正常である場合には、前記確定時間として第1時間を設定する一方、前記第1または第2センサ群からの出力信号が異常である場合には、前記確定時間として前記第1時間よりも長い第2時間を設定する確定時間設定部と、
を有する、レンジ判定装置。 - 請求項1に記載のレンジ判定装置において、
前記レバー位置検出部は、
前記第1および第2センサ群からの出力信号が正常である場合には、前記第1センサ群と前記第2センサ群との双方からの出力信号に基づき、前記操作レバーの位置を検出する一方、
前記第1または第2センサ群からの出力信号が異常である場合には、前記第1センサ群と前記第2センサ群との一方からの出力信号に基づき、前記操作レバーの位置を検出する、
レンジ判定装置。 - 請求項1または2に記載のレンジ判定装置において、
前記第1センサ群からの出力信号は、前記レンジ位置毎に相違し、
前記第2センサ群からの出力信号は、前記レンジ位置毎に相違する、
レンジ判定装置。 - 請求項1〜3の何れか1項に記載のレンジ判定装置において、
前記確定時間として前記第2時間が設定された場合に、前記操作レバーの操作方法を乗員に通知する操作通知部、を有する、
レンジ判定装置。
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