JP2019177439A - 作業補助具 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業者の腕を容易に取外し可能な作業補助具を提供する。【解決手段】作業者が背負うためのフレーム2と、フレーム2に対して移動可能であって、作業者の腕を保持する腕保持部34と、腕保持部34を回動させるための駆動源と、を備え、腕保持部34は、所定の力により、作業者の腕から取り外し可能である、ことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、作業補助具に関する。
作業者の腕を支持する作業補助具が知られている(例えば、特許文献1参照)。作業補助具は、作業者が腕を上げた姿勢を保つことを補助する。
作業補助具によって作業者の腕を支持するとき、通常時は、作業者の腕の動きにスムースに追従することが好ましい。また、作業者が作業補助具による腕の支持を解除して、腕を自由に動かしたいときは、速やかに取り外せることが望まれる。
本発明の態様は、作業者の腕を容易に取外し可能な作業補助具を提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、作業者が背負うための背負部と、前記背負部に対して移動可能であって、作業者の腕を保持する腕保持部と、前記腕保持部を回動させるための駆動源と、を備え、前記腕保持部は、所定の力により、作業者の腕から取り外し可能である、ことを特徴とする作業補助具が提供される。
本発明の態様によれば、作業者の腕を容易に取外し可能な作業補助具が提供される。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、または実質的に同一のものを含む。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
以下の説明においては、X軸方向を、「左右方向」とする。Y軸方向を、「前後方向」とする。Y軸方向とは、X軸方向に対して直交する方向である。Z軸方向を、「上下方向」とする。Z軸方向とは、X軸方向及びY軸方向に対して直交する方向である。作業補助具1が作業者に背負われた状態で、作業者の右手側を「右」、作業者の左手側を「左」とする。作業補助具1が作業者に背負われた状態で、作業者の背中と対面する側を「後」、「後」側と反対側と「前」とする。
図1ないし図9を参照して、作業補助具1の概要について説明する。図1は、実施形態に係る作業補助具の斜視図である。図2は、実施形態に係る作業補助具の正面図である。図3は、実施形態に係る作業補助具の背面図である。図4は、実施形態に係る作業補助具の右側面図である。図5は、実施形態に係る作業補助具の左側面図である。図6は、実施形態に係る作業補助具の斜視図であり、腕保持部が持ち上げられた状態を示す。図7は、実施形態に係る作業補助具の正面図であり、腕保持部が持ち上げられた状態を示す。図8は、実施形態に係る作業補助具の右側面図であり、腕保持部が持ち上げられた状態を示す。図9は、実施形態に係る作業補助具の左側面図であり、腕保持部が持ち上げられた状態を示す。
作業補助具1は、例えば、電動工具の一種であるハンマドリルを使用して高所の対象物に穴あけ作業を行う際に、作業者の腕を対象物に押し付けることを支援する。作業補助具1は、アシストスーツともいう。図1ないし図5は、作業補助具1の腕保持部34が持ち上げられていない状態を示す。図6ないし図9は、作業補助具1の腕保持部34が持ち上げられた状態を示す。
作業補助具1は、アシスト状態と、姿勢維持状態と、腕解放状態とを取り得る。アシスト状態は、作業補助具1が作業者の腕を対象物に押し付ける力を補助して、作業者を支援する状態である。姿勢維持状態とは、作業補助具1が作業者の腕を所定高さで支持して姿勢を維持する状態である。姿勢維持状態では、作業者の腕を対象物に押し付ける力は作用しない。腕解放状態は、作業者の腕をアシスト状態または姿勢維持状態から解放して、自由に動かせるようにする状態である。
作業補助具1は、フレーム(背負部)2と、保持部3と、ドラム駆動機構4と、アーム駆動機構7とを有する。作業補助具1は、ハンマドリルの駆動状態と連動して駆動または停止する。または、作業補助具1は、駆動または停止するために作業者が操作するための操作部8(図39参照)を有する。作業補助具1は、電力を供給する電工具用のバッテリ9を有する。作業補助具1は、作業者が背中に背負った状態で身体に装着するためのベルト10を有する。作業補助具1は、制御部(コントローラ)100(図38参照)によって制御される。
ベルト10は、フレーム2に配置される。ベルト10は、一対のショルダーベルト11と、ウエストベルト12とを有する。一対のショルダーベルト11は、作業者の上腕部を通して肩部に装着される。一対のショルダーベルト11は、作業者の肩部に接触する位置に緩衝材が配置される。これにより、一対のショルダーベルト11は、作業者の肩部に装着した際に、良好な装着感が得られる。ウエストベルト12は、作業者の腹部に巻き付けて装着される。ウエストベルト12は、作業者の腰部に接触する位置に緩衝材が配置される。これにより、ウエストベルト12は、作業者の腰部に装着した際に、良好な装着感が得られる。このようなベルト10を介して、作業補助具1は、作業者の背中に背負われた状態で装着される。
図10、図11を用いて、フレーム2について説明する。図10は、実施形態に係る作業補助具のフレーム部と保持部との斜視図である。図11は、実施形態に係る作業補助具のフレーム部と保持部との正面図である。フレーム2は、作業補助具1の重量物を支持する。フレーム2には、保持部3に作用する荷重が作用する。フレーム2は、枠状に形成されていることにより、荷重を分散して支持する。フレーム2は、例えば、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber‐Reinforced Plastics)を含む剛性が高く、軽量の素材で形成される。特に、フレーム2は、炭素繊維を用いたCFRP(Carbon Fiber‐Reinforced Plastics)で形成されることが好ましい。フレーム2は、第一フレーム(第一背負部)21と、第二フレーム(第二背負部)22と、第三フレーム23と、連結部24とを有する。フレーム2には、ハウジング29が配置される。
第一フレーム21は、作業者の背中に対面して配置される。第一フレーム21は、第一フレーム部材211と、第二フレーム部材212と、第三フレーム部材213と、第四フレーム部材214と、第五フレーム部材215とを有する。
第一フレーム部材211は、Z軸と平行に延在する。第一フレーム部材211は、作業者が作業補助具1を背負った際に、作業者の肩部から腰部まで達する長さを有する。第一フレーム部材211は、円柱状に形成されている。
第二フレーム部材212は、第一フレーム部材211の上部からX軸と平行に延在する。第二フレーム部材212は、作業者が作業補助具1を背負った際に、作業者の右肩部から左肩部まで達する長さを有する。言い換えると、第二フレーム部材212は、作業者の背中の左右の幅と同程度の長さを有する。第二フレーム部材212は、第一フレーム部材211の上部と第四フレーム部材214の上部との間に配置される。第二フレーム部材212は、円柱状に形成されている。
第三フレーム部材213は、第一フレーム部材211の中間部の上側からX軸と平行に延在する。第三フレーム部材213は、作業者の背中の左右の幅と同程度の長さを有する。第三フレーム部材213は、第一フレーム部材211の中間部の上側と第四フレーム部材214の中間部の上側との間に配置される。第三フレーム部材213は、円柱状に形成されている。
第四フレーム部材214は、第一フレーム部材211と向かい合い、Y軸と垂直に配置される。第四フレーム部材214は、第一フレーム部材211と、作業者の背中の左右の幅と同程度の距離、離間している。第四フレーム部材214は、作業者が作業補助具1を背負った際に、作業者の肩部から腰部まで達する長さを有する。第四フレーム部材214は、円柱状に形成されている。
第五フレーム部材215は、第一フレーム部材211の中間部の下側からX軸と平行に延在する。第五フレーム部材215は、Z軸方向視においてY軸方向に凸状に湾曲した形状である。第五フレーム部材215は、作業者の背中の左右の幅と同程度の長さを有する。第五フレーム部材215は、第一フレーム部材211の中間部の下側と第四フレーム部材214の中間部の下側との間に配置される。第五フレーム部材215は、円柱状に形成されている。
第二フレーム22は、作業者の背中から第一フレーム21よりY軸方向に離間した位置に配置される。第二フレーム22は、第一フレーム21と対面する。第二フレーム22は、第一フレーム部材221と、第二フレーム部材222と、第三フレーム部材223とを有する。
第一フレーム部材221は、Z軸と平行に延在する。第一フレーム部材221は、作業者が作業補助具1を背負った際に、作業者の肩部から背中の中間部の上側まで達する長さを有する。第一フレーム部材221は、Y軸方向視において第一フレーム部材211より第一ハウジング291側に位置する。本実施形態では、第一フレーム部材221は、Y軸方向視において第一フレーム部材211より数cm程度、第一ハウジング291側に位置する。第一フレーム部材221は、作業者が背負った際に、第一フレーム部材211より作業者の背中の中央側に位置する。第一フレーム部材221は、作業者が背負った際に、作業者の背中の中央部と右側部との中間部に位置する。第一フレーム部材221は、上部に保持部3が回動可能に連結される。第一フレーム部材221は、円柱状に形成されている。
第二フレーム部材222は、第一フレーム部材221の上部からX軸と平行に延在する。第二フレーム部材222の一方の端部は、第一ハウジング291の上部に固定される。第二フレーム部材222は、円柱状に形成されている。
第三フレーム部材223は、第一フレーム部材221の下部からX軸と平行に延在する。第三フレーム部材223の長さは、作業者の背中の左右の幅より短い。第三フレーム部材223の一方の端部は、第一ハウジング291の中間部に固定される。第三フレーム部材223は、円柱状に形成されている。
第三フレーム23は、ドラム駆動機構4などの重量物が載置される。第三フレーム23は、第一フレーム21の下部からY軸方向に突出した矩形状に形成されている。第三フレーム23は、作業者の背中から離間する方向に突出する。第三フレーム23は、複数の円柱状の部材を矩形状に組み付けて形成されている。第三フレーム23には、下側に延びる4つの脚部231を有する。脚部231は、第三フレーム23の角部に配置される。脚部231は、作業補助具1を背中から下ろしたときなどに自立させることが可能である。
連結部24は、第一フレーム21の中間部の上側と第二フレーム22の下部とを連結する。連結部24は、Z軸方向視においてL字型に形成されている。連結部24は、円柱状の部材で形成されている。
第一フレーム21と第二フレーム22とは、連結部24と第一ハウジング291とを介して連結される。第一フレーム21と第二フレーム22とは、Y軸方向に数cm程度離間している。
ハウジング29は、ドラム駆動機構4とアーム駆動機構7の一部とを内部に収容する。ハウジング29は、第一ハウジング291と、第二ハウジング292とを有する。第一ハウジング291は、スプリング72とスライドボリューム73とを内部に収容する。第一ハウジング291は、第二フレーム22に固定される。第一ハウジング291は、箱型に形成されている。第二ハウジング292は、ドラム駆動機構4を内部に収容する。第二ハウジング292は、第一ハウジング291の下部に固定される。第二ハウジング292は、箱型に形成されている。第二ハウジング292は、右側部に、バッテリ装着部294が配置される。第二ハウジング292の下部は、ハウジング49および基部293を介して第三フレーム23に固定される。
バッテリ装着部294について説明する。バッテリ装着部294は、バッテリ9が着脱可能である。バッテリ装着部294は、バッテリ9が装着される装着面2941を有する。バッテリ装着部294は、装着端子を有する。装着端子は、バッテリ装着部294の装着面2941に配置される。
保持部3は、作業者の腕部を保持する。本実施形態では、保持部3は、作業者の右腕の上腕部を保持する。保持部3は、例えば、繊維強化プラスチックを含む剛性が高く、軽量の素材で形成される。保持部3は、作業補助具1によって保持部3を上昇させた状態で、作業者の腕部の重さと作業者が把持したハンマドリルの重さとを支持する。例えば、作業者の腕部の重さは3kg程度、ハンマドリルの重さは5kg程度である。また、保持部3は、ハンマドリルの駆動時には、ハンマドリルを対象物に押し付ける際に反動トルクが作用する。保持部3は、基部31と、腕部32と、ガイドレール33と、腕保持部34とを有する。
図12ないし図15を用いて、基部31について説明する。図12は、実施形態に係る作業補助具の保持部の分解斜視図である。図13は、実施形態に係る作業補助具の保持部の基部の斜視図である。図14は、図13のA−A線断面図である。図15は、図13のB−B線断面図である。基部31は、第一フレーム部材221に連結される。基部31は、第一フレーム部材221(回転軸AX1)を中心として回動可能である。基部31は、第一フレーム部材221を軸にしてXY平面において回動可能である。基部31は、一方の端部に第一フレーム部材221が配置される。基部31は、他方の端部に腕部32が配置される。基部31は、本体部311と、軸孔部312と、腕長孔部313と、調整長孔部314とを有する。
本体部311は、腕部32にかかる重さを支持する。本体部311には、腕部32にかかる反動トルクが作用する。本体部311は、第一フレーム部材221の直径より広い幅と高さとを有する。本体部311は、軸方向の断面形状が長円形状の柱状体である。本体部311は、軸方向がZ軸方向と平行である。
軸孔部312には、第一フレーム部材221が回動可能に挿通される。軸孔部312は、本体部311の一方の端部をZ軸方向に貫通する。軸孔部312は、第一フレーム部材221を挿通可能な径を有する。軸孔部312は、内周面に図示しないスリーブが配置される。軸孔部312は、スリーブ内に第一フレーム部材221が挿通される。
腕長孔部313は、腕部32が進退可能に挿入される。腕長孔部313は、本体部311のZ軸方向の中間部をZ軸方向と直交する方向に形成されている。腕長孔部313は、本体部311の他方の端部から一方の端部に向かって形成されている。腕長孔部313の先端部は、軸孔部312より本体部311の他方の端部側に位置する。言い換えると、腕長孔部313は、軸孔部312と連通していない。腕長孔部313は、調整長孔部314と連通している。
調整長孔部314は、腕部32の位置調整に使用する。調整長孔部314は、腕部32を固定するボルト300が挿通される。調整長孔部314は、本体部311をZ軸方向に貫通する。調整長孔部314は、腕長孔部313の上側と腕長孔部313の下側に亘って形成されている。調整長孔部314は、腕長孔部313と連通している。調整長孔部314は、本体部311の他方の端部から一方の端部に向かって形成されている。調整長孔部314は、軸孔部312より本体部311の他方の端部側に配置される。調整長孔部314は、ボルト300の頭部300aの外形に対応した複数の位置決部315を有する。
複数の位置決部315は、腕部32の位置調整および位置決めに使用する。複数の位置決部315は、腕長孔部313の進退方向に並んで配置される。本実施形態では、位置決部315は、7つ形成されている。隣接する位置決部315は、連通している。位置決部315は、調整長孔部314の上部に配置される。位置決部315は、本体部311の上面311aに対して凹状である。位置決部315は、ボルト300の頭部300aの外形に合わせた形状に形成されている。位置決部315は、ボルト300の移動を規制する。
図11、図13、図16、図17を参照して、位置決部315による位置決めについて説明する。図16は、実施形態に係る作業補助具のフレーム部と保持部との正面図である。図17は、実施形態に係る作業補助具の保持部の基部の斜視図である。図11、図13に示すように、ボルト300が挿通される位置決部315が本体部311の他方の端部に近いほど、腕部32は、腕長孔部313に深く挿入される。これにより、腕部32の曲部321cは、第一フレーム部材221から左右方向に近くなる。図16、図17に示すように、ボルト300が挿通される位置決部315が本体部311の一方の端部に近いほど、腕部32は、腕長孔部313に浅く挿入される。これにより、腕部32の曲部321cは、第一フレーム部材221から左右方向に離間する。
図13に戻って、底壁部315aは、位置決部315の凹状の底部である。底壁部315aは、ボルト300の頭部300aの下面を支持する。言い換えると、ボルト300の頭部300aは、底壁部315a上に載置される。
図10ないし図12、図18、図19を参照して、腕部32について説明する。図18は、実施形態に係る作業補助具の保持部の斜視図である。図19は、実施形態に係る作業補助具の保持部の右側面図である。腕部32は、基部31とアーム駆動機構7のプーリー74とを連結する。腕部32は、基部31に対して左右に移動可能に配置される。より詳しくは、腕部32は、作業者の肩幅に応じて、腕長孔部313を左右に移動させて、第二フレーム22との距離を調整可能である。腕部32は、作業者の肩幅に応じて、調整長孔部314によって基部31に対する取付位置が調節可能である。腕部32は、基部31を介して、第二フレーム22に対して左右に移動可能に配置される。より詳しくは、腕部32は、位置調節をすることで、第二フレーム22の第一フレーム部材221からの直線部321bの距離を調節可能である。腕部32は、本体部321と、締結孔部322とを有する。締結孔部322には、変形防止のための図示しないスリーブが挿入されていてもよい。
本体部321は、Z軸方向視においてL字型に形成されている。本体部321は、板状材で形成されている。本体部321は、一方の端部が基部31に連結される。本体部321は、他方の端部がアーム駆動機構7のプーリー74に連結される。本体部321は、直線部321aと、直線部321aと直交する直線部321bと、直線部321aと直線部321bとの間に配置された曲部321cとを有する。直線部321aと直線部321bと曲部321cとは、一体に形成されている。
直線部321aは、腕長孔部313に挿入される。直線部321aには、締結孔部322が配置される。直線部321bは、アーム駆動機構7のプーリー74に連結される。
締結孔部322は、ボルト300が挿通される。締結孔部322は、直線部321aの先端部に配置される。締結孔部322は、直線部321aをZ軸方向に貫通する。
このような構成の腕部32は、締結孔部322と位置決部315とを同一軸線上に位置付けた状態で、ボルト300で締結されると、基部31に固定される。腕部32は、基部31に連動して、第一フレーム部材221を中心として回動可能である。
ガイドレール33は、腕保持部34をガイドする。ガイドレール33は、腕保持部34がスライド可能に配置される。ガイドレール33は、直線状に延びる一対の棒状体である。ガイドレール33は、平行に配置される。ガイドレール33は、一方の端部がアーム駆動機構7のプーリー74の可動部7411に連結され、他方の端部に腕保持部34が挿通される。ガイドレール33は、アーム駆動機構7のプーリー74の可動部7411に連動して回動可能である。ガイドレール33は、プーリー74のアーム軸744(回転軸AX2)を中心に可動部7411に連動して回動する。これにより、ガイドレール33は、先端側が下方に降りた状態と、上方に持ち上げられた状態とを取り得る。なお、ガイドレール33は、腕保持部34の一つの部材としてもよい。
図18ないし図21を参照して、腕保持部34について説明する。図20は、実施形態に係る作業補助具の保持部の平面図である。図21は、実施形態に係る作業補助具の腕保持部の斜視図である。腕保持部34は、作業者の腕部を保持する。本実施形態では、腕保持部34は、作業者の上腕部を保持する。腕保持部34は、腕部32に対して回動可能に配置される。腕保持部34は、ガイドレール33の回動に連動して、図1ないし図5に示すような下方に降りた状態と、図6ないし図9に示すような上方に持ち上げられた状態とを取り得る。腕保持部34は、基部341と、湾曲部342とを有する。基部341と湾曲部342とは一体に形成されている。
基部341は、ガイドレール33がスライド可能に挿通される。基部341には、一対のガイド孔343が形成されている。ガイド孔343は、基部341を貫通している。ガイド孔343は、平行に形成されている。ガイド孔343には、ガイドレール33が挿通される。
湾曲部342は、作業者の上腕部の外側の下部を保持する。湾曲部342の内周面342aは、作業者の上腕部の外側の下部に沿うように湾曲している。内周面342aは、曲率半径Rの円弧状である。内周面342aは、基点部342bと先端部342cとで規定される円弧状である。曲率半径Rで、始点を基点部342b、終点を先端部342cとする円弧の中心角θは、180°より小さい。言い換えると、内周面342aの円弧の弧長は、曲率半径Rで中心角が180°の円弧の弧長より短い。
このように構成された湾曲部342は、作業者が上腕部を湾曲部342に載置したとき、作業者の上腕部の下部の全範囲を保持するのではなく、外側の下部を保持する形状である。湾曲部342は、作業者の上腕部の下部を保持する範囲が深過ぎず適切な範囲となる。
また、このように構成された湾曲部342は、作業者が作業補助具1から腕部を外したいとき、作業者が腕部を内側に引くと、腕部から容易に外れる形状である。
湾曲部342の内周面342aには、磁石(吸着部材)344が配置される。磁石344は、腕保持部34が作業者の腕部の動作に追従しやすくする。磁石344は、作業者の腕部に装着されたアームバンド15(図40参照)の金属部材(吸着部材)154を引き付ける。磁石334は、腕保持部34が作業者の腕部の動作に追従し、かつ、作業者が腕部を内側に引くと取り外れる程度の磁力を有する。本実施形態では、磁石344は、湾曲部342の内周面342aの中で、作業者の上腕部が載置されたとき、上腕部の下部に向かい合う位置に配置されている。磁石344は、ガイドレール33のスライド方向と平行に2つ配置される。なお、磁石344の数は、これに限定されず、1つでも複数でもよい。
図22ないし図25を参照して、ドラム駆動機構4について説明する。図22は、実施形態に係る作業補助具のフレーム部と保持部との右側面図である。図23は、図22のC−C線断面図である。図24は、実施形態に係る作業補助具のドラム駆動機構の斜視図である。図25は、実施形態に係る作業補助具のドラム駆動機構の断面図であり、図26のE−E線断面図である。ドラム駆動機構4は、保持部3のガイドレール33を回動させて、腕保持部34を上昇または下降させる動力を発生させる。ドラム駆動機構4は、充電式のバッテリ9から供給される電力によって駆動する。ドラム駆動機構4は、モータ(駆動源)41と、ギヤユニット42と、ドラム43と、モータ41を冷却する冷却ファン44と、ハウジング49とを有する。モータ41とギヤユニット42とドラム43とは、回転軸AX3を中心に回転可能である。
モータ41は、作業補助具1の駆動源である。モータ41は、バッテリ9から供給される電力によって駆動する。モータ41の回転力は、ギヤユニット42を介して伝達される。モータ41の回転軸AX3は、X軸と平行である。モータ41は、ブラシレスモータである。モータ41は、インナーロータである。モータ41は、図示しないリード線を介して、制御部100に接続される。モータ41は、制御部100からの制御信号によって駆動と停止とが制御される。より詳しくは、モータ41は、円筒状のステータ411と、ステータ411の内側に配置されたロータ412と、モータ軸413とを有する。ロータ412は、回転軸AX3を中心に回転する。ロータ412の回転軸は、モータ軸413である。モータ軸413は、一方の端部がモータ軸受421に回転可能に支持される。
ギヤユニット42は、減速機構である。ギヤユニット42は、モータ41の回転力を減速してスピンドル424に伝達可能に出力する。ギヤユニット42は、モータ軸受421と、第一遊星歯車機構422と、第二遊星歯車機構423と、スピンドル424と、スピンドル軸受425と、ギヤカバー429とを有する。
モータ軸受421は、モータ軸413を回転可能に支持する。モータ軸受421は、モータ41のステータ411とロータ412とより左側で、ギヤユニット42の右側に配置される。
第一遊星歯車機構422は、少なくとも一部がモータ軸413上に配置される。第一遊星歯車機構422は、回転軸AX3を中心に回転する。第一遊星歯車機構422は、モータ軸受421の左側に配置される。第一遊星歯車機構422は、モータ41の回転力を減速して第二遊星歯車機構423に伝達する。
第一遊星歯車機構422は、出力軸4221と、連結軸4222とを有する。出力軸4221の左側の端部は、連結軸4222の右側の端部に嵌合される。出力軸4221と連結軸4222とは、回転軸AX3を中心に一体として回転する。連結軸4222の左側の端部は、第二遊星歯車機構423に嵌合される。第一遊星歯車機構422は、出力軸4221と連結軸4222とを介して、第二遊星歯車機構423に回転力を伝達する。
第一遊星歯車機構422は、リング状の内歯ギヤ4223と、内歯ギヤ4223と噛み合う複数の遊星ギヤ4224と、遊星ギヤ4224の軸である複数のピン4225とを有する。内歯ギヤ4223は、ギヤカバー429内に回転が規制された状態で配置される。複数の遊星ギヤ4224は、内歯ギヤ4223の内側に配置される。遊星ギヤ4224は、ピン4225を軸として回転可能である。このような構成の第二遊星歯車機構423は、複数段配置されていてもよい。
第二遊星歯車機構423は、少なくとも一部が連結軸4222上に配置される。第二遊星歯車機構423は、回転軸AX3を中心に回転する。第二遊星歯車機構423の回転軸AX3は、連結軸4222である。第二遊星歯車機構423は、第一遊星歯車機構422の左側に配置される。第二遊星歯車機構423は、第一遊星歯車機構422から伝達されたモータ41の回転力を減速して、スピンドル424に伝達可能である。
第二遊星歯車機構423は、リング状の内歯ギヤ4231と、内歯ギヤ4231と噛み合う複数の遊星ギヤ4232とを有する。内歯ギヤ4231は、後述するソレノイド機構5によって回転がロックされたりロックが解除されたりする。内歯ギヤ4231は回転がロックされると、モータ41からの出力が第一遊星歯車機構422を介してスピンドル424に伝わる。内歯ギヤ4231は回転のロックが解除されると、空転する。複数の遊星ギヤ4232は、内歯ギヤ4231の内側に配置される。遊星ギヤ4232は、軸を中心に回転可能である。
スピンドル424は、第一遊星歯車機構422と第二遊星歯車機構423とを介してモータ軸413と連結可能である。スピンドル424には、第一遊星歯車機構422と第二遊星歯車機構423とを介してモータ41の回転力が伝達可能である。スピンドル424は、モータ41から回転力が伝達されると、回転軸AX3を中心に回転する。スピンドル424は、伝達されたモータ41の回転力をドラム43に伝達する。
スピンドル424は、円筒状の本体部4241と、本体部4241から右側に突出して円筒状に形成された大径部4242と、大径部4242から右側に突出して円盤状に形成された円盤状部4243と、本体部4241から左側に突出して円筒状に形成された小径部4244とを有する。本体部4241は、大径部4242より外径が小さい形状である。本体部4241は、小径部4244より外径が大きい形状である。本体部4241と大径部4242と円盤状部4243と小径部4244とは一体に形成されている。スピンドル424は、スピンドル軸受425とスピンドル軸受44とによって回転可能に支持される。
スピンドル軸受425は、ドラム43より右側で、スピンドル424の円盤状部4243より左側に配置される。スピンドル軸受425は、大径部4242を回転可能に支持する。
ギヤカバー429は、左右の端部が開口した筒状に形成されている。ギヤカバー429は、ギヤユニット42を内部に収容する。より詳しくは、ギヤカバー429は、モータ軸受421と第一遊星歯車機構422と第二遊星歯車機構423とスピンドル424の一部とスピンドル軸受425とを内部に収容する。ギヤカバー429は、右側の開口にモータ軸413が挿通される。ギヤカバー429は、左側の開口からスピンドル424の一部が突出する。
ドラム43は、ギヤユニット42の左側に配置される。ドラム43は、スピンドル424を介してギヤユニット42に連結される。ドラム43は、回転軸AX3を中心に回転する。ドラム43の回転軸は、スピンドル424である。ドラム43は、モータ41が回転して、ギヤユニット42を介して回転力が伝達されると回転する。
ドラム43は、円筒状に形成されている。ドラム43は、第一ワイヤ711が巻き付けられる本体部431と、本体部431の右側に突出して円盤状に形成された円盤状部432と、本体部431の左側に突出して円盤状に形成された円盤状部433とを有する。本体部431と円盤状部432と円盤状部433とは一体に形成されている。本体部431は、円盤状部432および円盤状部433より外径が小さい形状である。
スピンドル軸受44は、ドラム43より左側に配置される。スピンドル軸受44は、スピンドル424の小径部4244を回転可能に支持する。
冷却ファン44は、モータ41の回転時、冷却風を発生させて、モータ41の発熱を抑制する。
ハウジング49は、モータ41とギヤユニット42とドラム43とスピンドル軸受44とを収容する箱型に形成されている。ハウジング49は、さらに、スピンドルロック機構(一方向回転保持機構)6とを収容する。ハウジング49は、第二ハウジング292に固定される。ハウジング49は、基部293に取り付けられ、第三フレーム23に載置されて固定される。またハウジング49は、基部293を介さずに、第三フレーム23に直接載置されてもよい。
図25ないし図31を参照して、ソレノイド機構5について説明する。図26は、実施形態に係る作業補助具のドラム駆動機構の断面図であり、図25のD−D線断面図である。図27は、実施形態に係る作業補助具のドラム駆動機構の平面図である。図28は、図27のF−F線断面図である。図29は、図28のG−G線断面図である。図30は、図27のF−F線断面図であり、ソレノイドが駆動した状態を示す。図31は、図28のG−G線断面図であり、ソレノイドが駆動した状態を示す。ソレノイド機構5は、ギヤユニット42の第二遊星歯車機構423の内歯ギヤ4231の回転をロックしたり、ロックを解除したりする。ソレノイド機構5は、ギヤユニット42が噛み合い、モータ41の動力を出力側に伝達可能な状態と、ギヤユニット42が噛み合っておらず、モータ41の動力を出力側に伝達しない状態とを切り替える。ソレノイド機構5は、ソレノイド51と、プランジャ52と、ソレノイドレバー53と、ストッパ54と、ソレノイド検出部55とを有する。
ソレノイド51は、バッテリ9から供給される電力によって駆動する電磁ソレノイドである。ソレノイド51は、作業補助具1がアシスト状態のとき、または、姿勢維持状態のとき、電力が供給され駆動する。ソレノイド51は、駆動時にプランジャ52に対する吸着力を生じる。ソレノイド51は、作業補助具1が腕解放状態のとき、電力の供給が停止されて駆動を停止する。
プランジャ52は、磁性を有する金属材で棒状に形成されている。プランジャ52は、ソレノイド51の内部に進退可能に配置される。プランジャ52は、ソレノイド51の駆動と停止とに連動して進退する。より詳しくは、プランジャ52は、ソレノイド51の駆動時、ソレノイド51の吸着力によって上側に移動する。プランジャ52は、ソレノイド51の停止時、ソレノイド51の吸着力が作用しなくなるので自重とバネ56とによって下側に移動する。
ソレノイドレバー53は、プランジャ52の進退に連動して可動する。ソレノイドレバー53は、ストッパ54を上下動する。ソレノイドレバー53は、棒状材で形成されている。ソレノイドレバー53は、一方の端部がプランジャ52の下部に連結される。ソレノイドレバー53は、他方の端部がストッパ54の上部に連結される。ソレノイドレバー53は、中間部がギヤカバー429に連結される。
図28、図29に示すように、ソレノイドレバー53は、プランジャ52が下側に移動すると、他方の端部が上側に移動して、ストッパ54を持ち上げる。図30、図31に示すように、ソレノイドレバー53は、プランジャ52が上側に移動すると、他方の端部が下側に移動して、ストッパ54を押し下げる。
ストッパ54は、内歯ギヤ4231の溝部4231aに進退可能である。これにより、ストッパ54は、内歯ギヤ4231の回転をロックしたりロックを解除したりする。図30、図31に示すように、ストッパ54は、ソレノイド51が駆動すると、ソレノイドレバー53によって押し下げられる。ストッパ54は、溝部4231aに進入してピン4233に接触する。ストッパ54がピン4233に接触すると、内歯ギヤ4231の回転をロックする。
図28、図29に示すように、ストッパ54は、ソレノイド51が停止すると、ソレノイドレバー53によって持ち上げられる。このとき、ストッパ54に作用する力について詳しく説明する。図30、図31に示すように、ソレノイド51が停止した直後は、ストッパ54は、溝部4231aに進入してピン4233に接触した状態である。この状態において、内歯ギヤ4231にかかるトルクは、ピン4233と、ギヤカバー429内に配置されたピン4291とを介して、ストッパ54が受けている。これにより、ストッパ54とピン4233、ストッパ54とピン4291の転がり摩擦によって、ストッパ54は、小さな力で持ち上がる。このようにして、図28、図29に示すように、ストッパ54が、溝部4231aに配置されたピン4233から離間する。ストッパ54がピン4233から離間すると、内歯ギヤ4231は、回転のロックが解除されて空転する。
ソレノイド検出部55は、ストッパ54の状態を検知する。ソレノイド検出部55は、制御部100からの制御信号と、検知したストッパ54の状態とを比較して、一致していないと、エラー信号を制御部100に出力する。エラー信号は、作業補助具1とハンマドリルとを停止する指令信号である。
このように構成されたソレノイド機構5は、ドラム駆動機構4のギヤユニット42の第二遊星歯車機構423とスピンドル424との間で、動力を伝達するか否かを切り替える。ソレノイド機構5は、ソレノイド51の駆動時、第二遊星歯車機構423とスピンドル424との間で、回転力の伝達を可能にする。ソレノイド機構5は、ソレノイド51の停止時、第二遊星歯車機構423とスピンドル424との間で、回転力の伝達を切り離す。
より詳しくは、ソレノイド機構5は、ソレノイド51の駆動時、ストッパ54が内歯ギヤ4231の溝部4231aに進入することで、内歯ギヤ4231の回転をロックする。この状態は、いわゆるギヤが噛み合った状態である。モータ41側から回転力が伝達されると、遊星ギヤ4232を介して、スピンドル424が回転する。これにより、モータ41の回転力は、遊星ギヤ4232からスピンドル424に伝達される。
また、ソレノイド機構5は、ソレノイド51の停止時、ストッパ54が内歯ギヤ4231の溝部4231aから離間することで、内歯ギヤ4231のロックを解除する。ロックが解除された状態のとき、内歯ギヤ4231は、空転する。より詳しくは、スピンドル424側から回転力が伝達されると、遊星ギヤ4232が回転するとともに、内歯ギヤ4231が空転する。これにより、スピンドル424側からの回転力は、遊星ギヤ4232よりモータ41側に伝達されない。
スピンドルロック機構6(図25参照)は、一方向クラッチである。スピンドルロック機構6は、腕保持部34を上昇した状態で保持するとともに、スプリング部材への力の蓄積を可能にする。スピンドルロック機構6は、第一遊星歯車機構422の出力軸4221の左側の端部と連結軸4222の右側の端部との連結部である。スピンドルロック機構6は、第二遊星歯車機構423より右側に配置されている。スピンドルロック機構6は、モータ41からスピンドル424へは回転力を伝達する。スピンドルロック機構6は、スピンドル424からモータ41へは回転力の伝達を規制する。
スピンドルロック機構6は、ソレノイド機構5の駆動と停止とによって、有効と無効とが切り替わる。より詳しくは、スピンドルロック機構6は、ソレノイド51の駆動時は、内歯ギヤ4231の回転がロックされるので、有効になる。スピンドルロック機構6が有効であるとき、腕保持部34が上昇した状態で保持するとともに、スプリング部材への力の蓄積を可能にする。スピンドルロック機構6は、ソレノイド51の停止時は、内歯ギヤ4231が空転するので、無効になる。
図23、図32ないし図37を参照して、アーム駆動機構7について説明する。図32は、実施形態に係る作業補助具のスプリングの断面図である。図33は、実施形態に係る作業補助具の保持部とアーム駆動機構との正面図である。図34は、図33のH−H線断面図である。図35は、図37のI−I線断面図である。図36は、図37のI−I線断面図である。図37は、図35のJ−J線断面図である。アーム駆動機構7は、保持部3を上下動させ、作業者の腕を押し付ける力を作用させるための機構である。アーム駆動機構7は、ワイヤ71と、スプリング72と、スライドボリューム73と、プーリー74とを有する。
ワイヤ71は、保持部3を上下動させる。ワイヤ71は、第一ワイヤ711と、第二ワイヤ712と、ワイヤケース719とを有する。
第一ワイヤ711は、一方の端部がドラム43に固定される。第一ワイヤ711は、ドラム43の回転に連動して、ドラム43によって巻き取り可能である。第一ワイヤ711は、他方の端部がスプリング72の第二キャップ723に固定される。
第二ワイヤ712は、一方の端部がスプリング72のストッパ726に固定される。第二ワイヤ712は、他方の端部がプーリー74の内部に配置される。第二ワイヤ712の他方の端部は、プーリー74の内部から進退可能である。第二ワイヤ712は、先端部にリング712aが配置されている。リング712aは、第二ワイヤ712の先端部がプーリー74から抜け出ることを規制する。
ワイヤケース719は、筒状に形成されている。ワイヤケース719は、可撓性を有する。ワイヤケース719は、第二ワイヤ712を収容する。ワイヤケース719は、第二ワイヤ712を保護する。ワイヤケース719は、一方の端部がスプリングケース729の上部に配置される。ワイヤケース719は、他方の端部がプーリー74に接続される。
スプリング72は、スピンドルロック機構6とともに、腕保持部34に対して上方に押し付ける力を作用させた状態を保持するように機能する。スプリング72の圧縮状態において、スピンドルロック機構6が有効であり、第二ワイヤ712をドラム43側に引っ張る引張力が作用した状態が保持されて、腕保持部34には、上方に押し付ける力が継続して作用する。スプリング72は、スプリング部材721と、第一キャップ722と、第二キャップ723と、第三キャップ724と、弾性部材725と、ストッパ726と、スプリングケース729とを有する。
スプリング部材721は、圧縮バネである。スプリング部材721は、伸縮可能である。スプリング部材721は、スプリングケース729の内部に収容される。スプリング部材721は、一方の端部が第一キャップ722に固定される。スプリング部材721は、一方の端部が固定端である。スプリング部材721は、Z軸方向と平行に配置される。スプリング部材721は、他方の端部が第二キャップ723に固定される。スプリング部材721は、他方の端部が自由端である。スプリング部材721は、軸方向と平行に第一ワイヤ711が進退可能に挿通される。スプリング部材721は、ソレノイド51の駆動時、第一ワイヤ711がドラム43に巻き取りされると、圧縮される。スプリング部材721は、ソレノイド51の停止時、伸長する。
第一キャップ722は、スプリング部材721の一方の端部が固定される。第一キャップ722は、スプリングケース729の一方の端部の開口に固定される。第一キャップ722は、両端部が開口した筒状である。第一キャップ722は、開口を介して軸方向と平行に第一ワイヤ711が進退可能に挿通される。
第二キャップ723は、スプリングケース729の他方の端部の開口に固定される。第二キャップ723は、キャップ部材7231とキャップ部材7232とキャップ部材7233がと一体に組み付けられ形成される。キャップ部材7231は、両端部が開口した筒状に形成されている。キャップ部材7231は、スプリング部材721の他方の端部が固定される。キャップ部材7231は、開口を介して軸方向と平行に第一ワイヤ711が進退可能に挿通される。キャップ部材7232は、両端部が開口した筒状に形成されている。キャップ部材7232は、キャップ部材7231の上側に組み付けられる。キャップ部材7232は、開口を介して挿通された第一ワイヤ711がスプリング部材721側に抜け出ないように固定する。キャップ部材7233は、一方の端部が開口した筒状に形成されている。キャップ部材7233は、キャップ部材7232の上側に組み付けられる。
このように構成された第二キャップ723は、スプリング部材721の伸縮に連動して、スプリングケース729の内部で一体で上下動する。
第三キャップ724は、スプリングケース729の他方の端部の開口に固定される。第三キャップ724は、両端部が開口した筒状である。第三キャップ724は、開口を介して軸方向と平行に第二ワイヤ712が進退可能に挿通される。第三キャップ724は、弾性部材725の上側に配置される。
弾性部材725は、例えば、ゴムなどの弾性体である。弾性部材725は、第二キャップ723の上側で第三キャップ724の下側に配置される。弾性部材725は、第二キャップ723が上方に移動したとき、緩衝材として作用する。
ストッパ726は、スプリングケース729の他方の端部の開口に固定される。ストッパ726は、両端部が開口した筒状である。ストッパ726は、開口を介して軸方向と平行に第二ワイヤ712が進退可能に挿通される。ストッパ726は、開口を介して挿通された第二ワイヤ712がスプリングケース729から抜け出ないように固定する。ストッパ726は、第三キャップ724の上側に配置される。
スプリングケース729は、両端が開口した筒状である。スプリングケース729は、内部にスプリング部材721と第一キャップ722と第二キャップ723と第三キャップ724と弾性部材725とストッパ726とを収容する。スプリングケース729は、一方の端部の開口を介して、第一ワイヤ711が進退可能に挿通される。スプリングケース729は、他方の端部の開口を介して、第二ワイヤ712が進退可能に挿通される。
このようなスプリングケース729は、第一ハウジング291の内部に移動可能に配置されている。スプリングケース729は、第一ハウジング291の内部を上下動する。スプリングケース729の第一ハウジング291の内部における停止位置は、モータ41の出力と、スプリング部材721の弾性係数と、ハンマドリルに作用する反力とによって定まる。
スライドボリューム73は、スプリング部材721が蓄えた圧縮力を検出する。スライドボリューム73は、スプリングケース729に固定される。スライドボリューム73は、可動部材731と、ガイド部材732と、ケース739とを有する。スライドボリューム73は、操作部8のアシスト力調整ダイヤル813(図39)において設定されたアシスト力に応じた設定値まで、スプリング部材721の圧縮を許容する。
可動部材731は、スプリング部材721の伸縮に連動して可動する。可動部材731は、スプリング部材721の上端部の位置を示す。可動部材731は、キャップ部材7231とキャップ部材7232との間に一方の端部が配置される。これにより、可動部材731は、スプリング部材721の伸縮に連動して、第二キャップ723に連動して可動する。可動部材731は、ガイド部材732によってガイドされて移動する。可動部材731の移動量は、図示しない検出部によって検出されて、制御部100に出力される。可動部材731の移動量は、スプリング部材721が蓄えた圧縮力に対応する。
ガイド部材732は、可動部材731の移動をガイドする。ガイド部材732は、ケース739にスプリングの伸縮方向と平行に延在する。ガイド部材732は、スプリング部材721が伸縮可能な範囲に合わせた長さを有する。
ケース739は、スプリングケース729の上部に固定される。
プーリー74について説明する。プーリー74は、第二ワイヤ712が連結されている。また、プーリー74には、ガイドレール33が連結されている。プーリー74は、腕側基部741および肩側基部742で形成された基部743と、アーム軸744とを有する。
腕側基部741は、腕部32が配置される。腕側基部741は、可動部7411を有する。可動部7411は、腕側基部741に重ね合わされている。可動部7411は、アーム軸744を中心に腕側基部741に対して回動可能に配置されている。可動部7411は、円形状に形成されている。可動部7411は、ガイドレール33がアーム軸744を中心に回動可能に配置される。可動部7411は、区画壁7431が固定されている。
肩側基部742は、腕側基部741と対面して配置される。肩側基部742は、腕側基部741に対応した形状に形成されている。肩側基部742は、腕側基部741と対面した状態で一体に組み付けられる。
基部743は、腕側基部741と肩側基部742とを一体に組み付けて形成される。基部743は、腕側基部741と肩側基部742とによって外形が規定される箱型に形成される。基部743の内部の空間は、区画壁7431によって複数の空間に区画される。本実施形態では、基部743の内部の空間は、区画壁7431によって少なくともスペース7432とスペース7433とに区画される。また、基部743は、第二ワイヤ712が進退可能な進退口7434を有する。
図34を参照してスペース7432とスペース7433とについて説明する。スペース7432とスペース7433とは、渦状の区画壁7431によって区画される。スペース7432は、進退口7434と連通している。スペース7432は、進退口7434から基部743の外周にそって形成されている。スペース7432は、基部743の周方向に半分程度の長さを有する。スペース7433は、開口7435を介してスペース7432と連通している。スペース7433は、アーム軸744の回りに渦状に形成されている。開口7435は、第二ワイヤ712の先端部に配置されたリング712aより小さい。開口7435は、第二ワイヤ712の余長部分が進退可能である。開口7435は、リング712aがスペース7432側に移動することを規制する。
図35を参照してストッパ7436について説明する。ストッパ7436は、基部743の内部の空間に配置される。ストッパ7436は、第二ワイヤ712が引っ張られると、腕部32の連結部323の外周と当接して、プーリー74の回転を規制する。ストッパ7436は、プーリー74が過大に回動して、腕保持部34が過大に上昇することを規制する。
図37を参照して、アーム軸744について説明する。アーム軸744は、基部743に腕部32を回転可能に支持する。アーム軸744は、回転軸AX4を中心に回転する。
このように構成されたアーム駆動機構7について説明する。腕保持部34を上昇させて、作業者の腕を対象物に押し付ける力を補助するときについて説明する。まず、第一ワイヤ711がドラム43に巻き取りされる。第一ワイヤ711の撓みが解消されると、第二ワイヤ712がスプリング72を介してドラム43側に引っ張られる。そして、第二ワイヤ712の基部743内における撓みが解消される。そして、第二ワイヤ712のリング712aが、区画壁7431に当接する。そして、区画壁7431がリング712aを介して第二ワイヤ712によって引っ張られて、可動部7411が回動する。そして、可動部7411およびアーム軸744の回動とともにガイドレール33が回動して、腕保持部34が上昇する。そして、腕保持部34が所望の高さに達すると、ハンマドリルの先端工具が天井に押し付けられて、可動部7411とアーム軸744とガイドレール33との回動が規制される。回動が規制された状態で、第一ワイヤ711によって第二キャップ723が下方に引っ張られて、スプリング72が圧縮される。そして、スライドボリューム73が検出したスプリング部材721が蓄えた圧縮力が閾値以上になると、第一ワイヤ711の巻き取りを停止する。このようにして、アーム駆動機構7は、圧縮されたスプリング72によって、第二ワイヤ712をドラム43側に引っ張る引張力が作用した状態が保持されることで、腕保持部34を上方に押し付ける力を継続して作用させる。
作業者の腕を解放するときについて説明する。ソレノイド51が停止されることで、ストッパ54が外れて内歯ギヤ4231の固定が無効となり、スプリング部材721の圧縮が内歯ギヤ4231の空転として解放され、第二ワイヤ712をドラム43側に引っ張る引張力が解除される。これにより、可動部7411に対する引っ張りが解除されて、ガイドレール33がプーリー74に対して自由に回動可能になる。また、スプリング72の圧縮が解放されると、第一ワイヤ711と第二ワイヤ712とは、腕の動きに応じて撓みを生じる。
図38、図39を参照して、操作部8について説明する。図38は、実施形態に係る作業補助具を示す機能ブロック図である。図39は、実施形態に係る作業補助具の操作部の概略図である。操作部8は、作業補助具1の起動と停止とを含む動作状態を変更するための各種の操作を行うボタンと、動作状態を表示する表示部とを有する。操作部8は、連動モード選択スイッチ811と、速度調整ダイヤル812と、アシスト力調整ダイヤル813と、照明LED(Light Emitting Diode)814と、エラー表示815と、ギヤ状態表示816と、アシスト表示817と、腕上げスイッチ818と、解放スイッチ819と、照明LEDスイッチ820と、ブザー821とを有する。
連動モード選択スイッチ811は、作業補助具1をハンマドリルの動作に連動した動作をさせるか、連動した動作をさせないかを切り替えるために操作される。連動モード選択スイッチ811はロッカースイッチで構成されており、押される方向に応じて、ハンマドリルの動作に連動させる連動モードに設定することと、設定を解除することとを切り替える。連動モード選択スイッチ811は、制御部100に連動モード選択信号を出力する。
速度調整ダイヤル812は、作業補助具1の動作時の上昇速度を調整するために操作される。速度調整ダイヤル812は、例えば、一方の方向に回転されると、上昇速度を徐々に増加させる。速度調整ダイヤル812は、例えば、反対の方向に回転されると、上昇速度を徐々に減少させる。速度は、モータ41の回転速度によって制御される。速度調整ダイヤル812は、制御部100にモータ41の回転速度を制御する信号を出力する。
アシスト力調整ダイヤル813は、作業補助具1の動作時のアシスト力、言い換えると、天井側への押し付け力の強さを切り替えるために操作される。アシスト力調整ダイヤル813は、例えば、一方の方向に回転されると、アシスト力の強さを徐々に増加させる。アシスト力調整ダイヤル813は、例えば、反対の方向に回転されると、アシスト力の強さを徐々に減少させる。アシスト強さが大きいほど、天井に押し付ける力を強くする。アシスト力調整ダイヤル813は、設定されたアシスト力の大きさに応じて、スプリング部材721の圧縮力の閾値を設定する指令信号を制御部100に送信し、その値に応じてスライドボリューム73によって検出された圧縮力と閾値比較し、モータ41を停止するタイミングを決定する。
照明LED814は、照明用のLEDである。照明LED814は、照明LEDスイッチ820の操作に基づく指令信号によって点灯・消灯する。
エラー表示815は、作業補助具1における各種のエラーを表示する。ギヤ状態表示816は、ドラム駆動機構4のギヤの状態を表示する。アシスト表示817は、作業補助具1が動作してアシストしているか否かを表示する。エラー表示815は、制御部100からの指令信号に基づいてエラー表示をする。
腕上げスイッチ818は、腕保持部34を上昇させるために操作される。腕上げスイッチ818は、押下されると、ソレノイド51が停止している場合はソレノイド51を駆動し、モータ41を駆動する指令信号を出力する。
解放スイッチ819は、腕保持部34を下降させるために操作される。解放スイッチ819は、押下されると、ソレノイド51を停止し、モータ41が駆動している場合はモータ41も停止する指令信号を出力する。
照明LEDスイッチ820は、照明用のLEDの点灯と消灯とを切り替えるために操作される。照明LEDスイッチ820は、照明LED814の点灯と消灯とを切り替える指令信号を照明LED814に出力する。
ブザー821は、作業補助具1にエラーが発生したときに、警報音を出力する出力装置である。ブザー821は、制御部100からの指令信号に基づいて音声を出力する。
このような構成の操作部8は、作業補助具1に組み付けられていてもよいし、遠隔操作が可能なリモートコントローラであってもよい。
主電源操作部85は、作業補助具1の主電源を入り切りするために操作される。主電源操作部85は、主電源スイッチ851と、主電源LED852とを有する。主電源スイッチ851は、作業補助具1の主電源を入り切りするために操作される。主電源スイッチ851は、操作されるたびに、作業補助具1の主電源を入り切りする。主電源LED852は、作業補助具1の主電源の入り切り状態に連動して点灯または消灯する。
このような構成の主電源操作部85は、作業補助具1に組み付けられていてもよいし、遠隔操作が可能なリモートコントローラであってもよい。主電源操作部85は、操作部8から独立していてもよいし、操作部8に組み付けられていてもよい。
図25を参照して、バッテリ9について説明する。バッテリ9は、作業補助具1に電力を供給する。本実施形態では、バッテリ9は、充電式の電動工具用のバッテリである。バッテリ9は、バッテリ端子を有する。バッテリ端子は、バッテリ9の左側面に配置される。バッテリ9は、バッテリ9の上部において左側に隆起する隆起部9aを有する。
バッテリ9は、バッテリ装着部294に着脱可能である。バッテリ9をバッテリ装着部294に装着するとき、バッテリ9の左側面と装着面2941とが対向するように、バッテリ9をバッテリ装着部294の上側から下側へスライドさせる。バッテリ9をスライドさせることによって、隆起部9aの下部がバッテリ装着部294の上部に当接する。また、バッテリ9の左側面にはバッテリ9の左側面から突出するバッテリ爪9bが設けられる。バッテリ爪9bは、弾性部材により左側方に付勢される。バッテリ爪9bは、バッテリ装着部294の前部に設けられたバッテリ装着凹部2942に挿入される。これにより、バッテリ9とバッテリ装着部294とが位置決めされ、バッテリ9がバッテリ装着部294に装着される。
バッテリ9がバッテリ装着部294に装着された状態において、バッテリ9の左側面と装着面2941とが対向する。また、バッテリ9がバッテリ装着部294に装着された状態において、バッテリ端子と装着端子とが接続される。これにより、バッテリ9とバッテリ装着部294に設けられる図示しないターミナルとが接続される。ターミナルは、制御部100と接続される。
バッテリ装着部294からバッテリ9を外すとき、バッテリボタン9cが操作される。バッテリボタン9cは、バッテリ爪9bを付勢する弾性部材と接続される。したがって、バッテリボタン9cが操作されることにより、バッテリ爪9bがバッテリ装着凹部2942から外れ、バッテリ装着部294からバッテリ9が解放される。バッテリ装着部294からバッテリ9を上方にスライドさせることによって、バッテリ装着部294からバッテリ9が外される。
図38を参照して、制御部100について説明する。制御部100は、作業補助具1を制御する。制御部100は、制御回路基板を含み、第二ハウジング292の内部に配置される。制御部100は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリと、入出力回路を含むインターフェースとを含む。
制御部100は、CPU101と、アクチュエータドライブ102とを有する。制御部100には、モータ41と、ソレノイド51と、ソレノイド検出部55と、スライドボリューム73と、操作部8と、主電源操作部85と、バッテリ9とが接続される。
CPU101は、制御部100のプロセッサである。CPU101は、ソレノイド検出部55とスライドボリューム73と操作部8と主電源操作部85とバッテリ9とから出力された信号に基づいて、アクチュエータドライブ102を介して、作業補助具1の各種のアクチュエータの動作を制御する。
アクチュエータドライブ102は、作業補助具1の各種のアクチュエータに対して指令信号を出力する。より詳しくは、アクチュエータドライブ102は、モータドライブ103と、ソレノイドドライブ104とを有する。モータドライブ103は、モータ41に対する指令信号を出力する。ソレノイドドライブ104は、ソレノイド51に対する指令信号を出力する。
モータドライブ103は、制御部100が腕上げスイッチ818からの指令信号を受信すると、モータ41を駆動する。または、モータドライブ103は、連動モードに設定されているとき、制御部100がハンマドリルから駆動を知らせる信号を受信すると、モータ41を駆動する。モータドライブ103は、スプリング部材721が蓄えた圧縮力が閾値より小さくなったとき、モータ41を駆動する。
モータドライブ103は、制御部100が速度調整ダイヤル812から信号を受信すると、モータドライブ103にモータ41の回転速度を制御するようにモータ41を駆動する。
モータドライブ103は、制御部100が解放スイッチ819からの指令信号を受信すると、モータ41を停止する。モータドライブ103は、連動モードに設定されているとき、制御部100がハンマドリルから停止したことを知らせる信号を受信すると、モータ41を停止する。モータドライブ103は、スプリング部材721が蓄えた圧縮力が閾値以上になったとき、モータ41を停止する。
モータドライブ103は、作業補助具1にエラーが発生したとき、モータ41を停止する指令信号を出力する。モータドライブ103は、制御部100がソレノイド検出部55からエラー信号を受信すると、モータ41を停止する指令信号を出力する。
ソレノイドドライブ104は、作業補助具1がアシスト状態、または、姿勢維持状態であるとき、ソレノイド51の駆動を維持している。
ソレノイドドライブ104は、作業補助具1が腕解放状態であるとき、ソレノイド51への電力供給を遮断する。
このように構成された作業補助具1は、ベルト10によって作業者の背中に装着される。作業者は、上腕部にアームバンド15を装着する。作業補助具1は、作業者の上腕部に装着されたアームバンド15と腕保持部34とが吸着する。
図40ないし図45を参照して、アームバンド15について説明する。図40は、実施形態に係る作業補助具のアームバンドを装着した状態を示す概略図である。図41は、実施形態に係る作業補助具のアームバンドの表面の平面図である。図42は、実施形態に係る作業補助具のアームバンドの裏面の平面図である。図43は、実施形態に係る作業補助具のアームバンドを装着する状態を示す概略図である。図44は、実施形態に係る作業補助具のアームバンドを装着する状態を示す概略図である。図45は、実施形態に係る作業補助具をアームバンドから取り外す状態を示す概略図である。アームバンド15は、作業者の上腕部に巻き付けられ装着される。アームバンド15は、作業補助具1の腕保持部34を吸着する。アームバンド15は、バンド151と、面ファスナ152と、面ファスナ153と、複数の金属部材154と、リング155とを有する。
バンド151は、作業者の上腕部に巻き付けられる。バンド151は、帯状に形成されている。バンド151は、可撓性と伸縮性とを有する。バンド151は、表面151aと、表面151aと反対側の裏面151bとを有する。表面151aには、面ファスナ152と面ファスナ153とが配置される。裏面151bには、複数の金属部材154が配置される。バンド151は、長手方向の一方の端部にリング155を有する。
面ファスナ152は、バンド151の表面151aの長手方向の他方の端部より中央部側に配置される。面ファスナ152は、メス面ファスナまたはオス面ファスナである。
面ファスナ153は、バンド151の表面151aの長手方向の他方の端部に配置される。面ファスナ153は、オス面ファスナまたはメス面ファスナである。面ファスナ153は、面ファスナ152と面で接着可能である。
金属部材154は、バンド151の裏面151bの長手方向の他方の端部に配置される。金属部材154は、磁性を有する。金属部材154は、アームバンド15を作業者の上腕部に装着した状態で、腕保持部34の磁石344と吸着する。金属部材154は、アームバンド15を作業者の上腕部に装着した状態で、作業者が上腕部を内側に引くと、磁石344から容易に外れる。
リング155は、バンド151の一方の端部に配置されている。リング155は、バンド151を作業者の上腕部に巻き付ける際に、バンド151を他方の端部側で折り返した部分が挿通可能である。
このような構成のアームバンド15は、バンド151の他方の端部を反対側の腕で把持され、リング155に挿通されて折返され、面ファスナ152と面ファスナ153とが接着される。アームバンド15を作業者の上腕部に装着した状態で、面ファスナ152と面ファスナ153とは、バンド151を折り返した部分の内側で向かい合う。また、アームバンド15を作業者の上腕部に装着した状態で、金属部材154は、バンド151を折り返した部分の外側に露出する。金属部材154が作業補助具1の腕保持部34の磁石344の位置に向かい合うように、巻き付けたアームバンド15を上腕部の回りでずらして位置を調節する。
次に、図46を参照して、このように構成された作業補助具1による作業の補助方法と作用について説明する。図46は、実施形態に係る作業補助具の動作の遷移の一例を示す図である。作業者が肩部より上側にハンマドリルを天井に押し付けて穴あけ作業を行う場合、作業補助具1は、保持部3を介して上腕部に対して上方に押し上げる力を作用させることで、作業者がハンマドリルを天井に押し付ける際に要する力を補助する。
作業者は、作業者の肩幅に応じて、調整長孔部314によって基部31に対する腕部32の取付位置を調節する。より詳しくは、作業者は、肩幅に応じて適切な位置に腕部32が位置するように、位置決部315を選択して、腕部32を基部31に固定する。
作業者は、アームバンド15を右腕の上腕部に装着する。また、作業者は、ベルト10によって作業補助具1を背中に装着する。作業者は、金属部材154が作業補助具1の腕保持部34の磁石344の位置に向かい合うように、アームバンド15を左手でずらして位置を調節する。作業補助具1の腕保持部34の磁石344とアームバンド15の金属部材154とが吸着する。作業者は、作業補助具1の主電源を入れる。
まず、作業補助具1をハンマドリルの動作に連動させる連動モードで使用する場合について説明する。作業者は、操作部8の連動モード選択スイッチ811を押下して、作業補助具1を連動モードに設定する。
作業補助具1を背中に装着した作業者は把持したハンマドリルを天井に押し付けて、ハンマドリルのトリガスイッチを引いて穴あけを開始する。
作業補助具1は、ハンマドリルの駆動を検知すると、ソレノイド51が駆動され、モータ41が駆動される。そして、プーリー74を介して保持部3のガイドレール33をアーム軸744を中心に回動させて、腕保持部34を上昇させる。
より詳しくは、モータ41が駆動されると、ドラム43に第一ワイヤ711が巻き取られる。そして、第二ワイヤ712がスプリング72を介してドラム43側に引っ張られて、可動部7411が回動する。そして、可動部7411の回動とともにガイドレール33が回動して、腕保持部34が上昇する。そして、腕保持部34が所定の高さに達すると、ハンマドリルの先端工具が天井に押し付けられて、ガイドレール33の回動が規制される。そして、第二キャップ723を介してスプリング部材721が下方に押し下げられて圧縮される。そして、スライドボリューム73が検出したスプリング部材721が蓄えた圧縮力が閾値以上になると、モータ41が停止されて、第一ワイヤ711の巻き取りが停止される。このようにして、圧縮されたスプリング部材721によって、第二ワイヤ712をドラム43側に引っ張る引張力が作用した状態が保持されることで、腕保持部34を上方に押し付ける力を継続して作用させる。
穴あけ作業時、ハンマドリルによって天井に開けられる穴の深さに応じて、ハンマドリルの先端工具が上方に移動する。そして、スプリング部材721が蓄えた圧縮力が閾値より小さくなると、モータ41が駆動する。そして、スプリング部材721が蓄えた圧縮力が閾値以上になると、モータ41が停止する。このような動作が、穴あけ作業が終了するまで繰り返される。このようにして、穴あけ作業時、スプリング部材721が蓄えた圧縮力によって、第二ワイヤ712をドラム43側に引っ張る引張力が作用した状態が保持されることで、腕に対して天井に押し付ける力を作用させて、腕を天井に押し付けることを支援する。穴あけ作業時、作業補助具1が腕に対して天井に押し付ける力を作用させるので、作業補助具1を使用しない場合に比べて、作業者が腕を天井に押し付ける力は小さくてよい。
穴あけ作業が終わり、作業者がトリガスイッチから手を離すと、ハンマドリルは停止する。
作業補助具1は、ハンマドリルが停止したことを検知すると、ソレノイド51が停止されて、ストッパ54が外れて内歯ギヤ4231の固定が無効となり、スプリング部材721の圧縮が内歯ギヤ4231の空転として解放されて、第一ワイヤ711、第二ワイヤ712に作用していた引張力が解除される。これにより、ガイドレール33がプーリー74に対して自由に回動することができる。このようにして、作業者は腕を下げることが可能になる。
つづいて、作業補助具1を操作部8によって操作する場合について説明する。作業補助具1は、解放状態において腕上げスイッチ818が押下されたことを検知すると、ハンマドリルの駆動を検知したときと同様に動作する。
作業補助具1は、腕上げスイッチ818から手が離されたことを検知すると、モータ41を停止して、姿勢維持状態になる。ソレノイド51は駆動したままであり、スピンドルロックが有効である。姿勢維持状態は、保持部3が上昇した姿勢を維持する。姿勢維持状態では、スピンドルロックが有効であるので、腕保持部34が上昇された状態が保持される。
作業補助具1は、姿勢維持状態において、腕上げスイッチ818が押下されたことを検知すると、解放状態において腕上げスイッチ818が押下されたときと同様の動作を行う。
作業補助具1は、姿勢維持状態において、解放スイッチ819が押下されたことを検知すると、ハンマドリルが停止したことを検知したときと同様に動作する。
このようにして、作業補助具1は、保持部3を介して上腕部に対して上方に押し上げる力を作用させることで、作業者がハンマドリルを天井に押し付ける際に要する力を補助する。
作業補助具1の腕保持部34の磁石344とアームバンド15の金属部材154とが吸着している状態で、作業者が腕を動かすと、腕保持部34は腕の動きに追従して移動する。より詳しくは、作業者が腕を動かすと、腕保持部34は、ガイドレール33に沿ってスライドし、スムースに動作する。
また、作業者が保持部3から腕を外したいときは、作業者が腕保持部34が支持された上腕部を内側に引くことで、金属部材154が磁石344から容易に外れて、腕保持部34から上腕部が容易に外れる。
以上説明したように、本実施形態は、アームバンド15の金属部材154が、腕保持部34の磁石344と吸着する。本実施形態では、金属部材154と磁石334とは、腕保持部34が作業者の腕部の動作に追従し、かつ、作業者が腕部を内側に引くと取り外れる程度の磁力を有する。これらにより、本実施形態によれば、アームバンド15を装着した作業者が上腕部を内側に引くと、磁石344から容易に外れ、腕を自由にすることができる。
本実施形態は、湾曲部342の内周面342aが、作業者の上腕部の外側の下部に沿うように湾曲している。また、本実施形態では、内周面342aの円弧の弧長は、曲率半径Rで中心角が180°の円弧の弧長より短い。これらにより、本実施形態では、作業者が上腕部を湾曲部342に載置したとき、作業者の上腕部の下部の全範囲を保持するのではなく、外側の下部を保持することができる。本実施形態では、湾曲部342は、作業者の上腕部の下部を保持する範囲が深過ぎず適切な範囲にすることができる。本実施形態によれば、作業者が作業補助具1から腕部を外したいとき、作業者が腕部を内側に引くと、腕部から容易に外すことができる。
本実施形態は、磁石344が、湾曲部342の内周面342aの中で、作業者の上腕部が載置されたとき、上腕部の下部に向かい合う位置に配置されている。これにより、本実施形態は、腕保持部34が作業者の腕部の動作に追従しやすく、かつ、作業者が腕部を内側に引くと容易に取り外すことができる。
また、本実施形態は、磁石344が、ガイドレール33のスライド方向と平行に2つ配置される。言い換えると、本実施形態では、磁石344が、腕保持部34が持ち上げられたり下げられたりする際の移動方向と異なる方向に配置されている。本実施形態によれば、腕保持部34が作業者の腕部の動作に追従しやすく、かつ、作業者が腕部を内側に引くと容易に取り外すことができる。
これに対して、例えば、磁石344が、湾曲部342の内周面342aの中で、先端部342cに近い位置に配置される場合について説明する。この場合は、作業者の上腕部が載置されたとき、上腕部の体側に近い側である内側の側部を保持する。このため、作業者が腕部を内側に引いて取り外すために、より大きな力を要するおそれがある。さらに、磁石344を腕保持部34が持ち上げられたり下げられたりする際の移動方向と平行に並べると、腕保持部34の動作に追従しにくいおそれがある。
本実施形態は、第一フレーム21と第二フレーム22とが、枠状に形成されている。本実施形態は、作業者の腕に大きな荷重が作用する場合でも、基部31に作用する荷重を第一フレーム部材221を介して第二フレーム22の全体に分散して支持することができる。本実施形態は、大きな荷重に耐えうる強度を有することができる。
上記では、作業補助具1は、バッテリから供給される電力によって駆動するものとして説明したが、商用電源等の交流電源から供給される電力によって駆動するものであってもよい。また、作業補助具1とハンマドリルとが1つのバッテリを共用してもよい。
調整長孔部314がZ軸方向に平行であるものとして説明したが、Y軸方向と平行であってもよい。この場合、調整長孔部314は、第一フレーム21またはベルト10に干渉しない位置に配置する。
上記では、作業補助具1は、ハンマドリルを使用した穴あけ作業時に、保持部3を介して上腕部に対して上方に押し上げる力を作用させて、作業者がハンマドリルを天井に押し付ける際に要する力を補助するものとして説明したが、使用の用途はこれに限定されない。作業補助具1は、作業者の上腕部を持ち上げた状態を補助するものであってもよい。例えば、作業者の肩部より上側の枝についている果実を収穫する場合、作業補助具1は、肩部より上側に上げた右腕を支えてもよい。例えば、作業者の肩部より上側の樹木の剪定を行う場合に、作業補助具1は、剪定用の工具を把持した右腕を支えてもよい。
アームバンド15に配置された吸着部材は、磁石として説明したが、これに限定されない。吸着部材は、アームバンド15と腕保持部34とを吸着する機能を有するものであればよい。吸着部材は、例えば、面ファスナ、ファスナ、スナップ、ボタン、ゴムバンドとバンジーコードとを含む引っ張りループ材料、電磁石、クリップ、粘着テープ、フックなどであってもよい。
1…作業補助具、2…フレーム(背負部)、21…第一フレーム、22…第二フレーム、221…第一フレーム部材、23…第三フレーム、24…連結部、29…ハウジング、291…第一ハウジング、292…第二ハウジング、294…バッテリ装着部、3…保持部、31…基部、311…本体部、312…軸孔部、313…腕長孔部、314…調整長孔部、315…位置決部、32…腕部、33…ガイドレール、34…腕保持部、341…基部、342…湾曲部、343…ガイド孔、344…磁石(吸着部材)、4…ドラム駆動機構、41…モータ(駆動源)、42…ギヤユニット、421…モータ軸受、422…第一遊星歯車機構、423…第二遊星歯車機構、4231…内歯ギヤ、4232…遊星ギヤ、424…スピンドル、425…スピンドル軸受、429…ギヤカバー、43…ドラム、49…ハウジング、5…ソレノイド機構、51…ソレノイド、52…プランジャ、53…ソレノイドレバー、54…ストッパ、55…ソレノイド検出部、6…スピンドルロック機構(一方向回転保持機構)、7…アーム駆動機構、71…ワイヤ、711…第一ワイヤ、712…第二ワイヤ、72…スプリング、729…スプリングケース、73…スライドボリューム、74…プーリー、8…操作部、85…主電源操作部、9…バッテリ、10…ベルト、15…アームバンド、154…金属部材(吸着部材)、100…制御部、102…アクチュエータドライブ、103…モータドライブ、104…ソレノイドドライブ、300…ボルト、AX1…回転軸、AX2…回転軸、AX3…回転軸、AX4…回転軸。
Claims (9)
- 作業者が背負うための背負部と、
前記背負部に対して移動可能であって、作業者の腕を保持する腕保持部と、
前記腕保持部を回動させるための駆動源と、
を備え、
前記腕保持部は、所定の力により、作業者の腕から取り外し可能である、
ことを特徴とする作業補助具。 - 前記腕保持部と作業者の腕との少なくともどちらかに配置され、前記腕保持部と作業者の腕とを吸着するための吸着部材、
を備え、
前記腕保持部は、所定の力により、前記吸着部材による前記腕保持部と作業者の腕との吸着が解除されて、作業者の腕から取り外し可能になる、請求項1に記載の作業補助具。 - 前記吸着部材は、前記腕保持部に配置された金属または磁石、および、作業者の腕に配置された磁石または金属である、請求項2に記載の作業補助具。
- 前記腕保持部は、作業者の腕に沿うように湾曲した湾曲部、を有し、
前記湾曲部は、内周面に前記吸着部材である金属または磁石が配置される、請求項2に記載の作業補助具。 - 前記湾曲部は、作業者の腕の下部と対面する内周面に前記吸着部材が配置される、請求項4に記載の作業補助具。
- 前記吸着部材は、面ファスナと、ファスナと、スナップと、ボタンと、ゴムバンドとバンジーコードとを含む引っ張りループ材料と、電磁石と、クリップと、粘着テープと、フックとの少なくともいずれかである、請求項2に記載の作業補助具。
- 前記背負部は、前記作業者の背中に対面した枠状に形成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の作業補助具。
- 前記駆動源は、バッテリから供給される電力によって駆動するモータである、請求項1から7のいずれか一項に記載の作業補助具。
- 前記モータは、ブラシレスモータである、請求項8に記載の作業補助具。
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Cited By (1)
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CN116584906A (zh) * | 2023-05-31 | 2023-08-15 | 徐州市永康电子科技有限公司 | 基于复杂室内场景下相位比较的生命体征检测方法和装置 |
-
2018
- 2018-03-30 JP JP2018067655A patent/JP2019177439A/ja active Pending
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