〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態を説明する。図1乃至図3は、本実施の形態を示す図である。
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図1は、薬剤供給補助具10の正面図である。
薬剤供給補助具10は、ソフトコンタクトレンズと同一の材質からなり、図1に示すように、装着時に上眼瞼裏側に位置する横長楕円形状の上眼瞼装着部12と、装着時に下眼瞼裏側に位置する横長楕円形状の下眼瞼装着部14と、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16a、16bとを有して構成されている。薬剤供給補助具10は、平面形状が全体としてくびれ形状となっている。
上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14は、公知のコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。
ブリッジ部16a、16bは、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14よりも幅狭であり、装着時に角膜を回避する経路に形成されている。そして、ブリッジ部16a、16bの一端が上眼瞼装着部12に、他端が下眼瞼装着部14に接合されている。ブリッジ部16a、16bで区画される開口部の径は、角膜よりもやや大径となっている。
図2は、薬剤40の形状を示す図であり、(a)は薬剤40の正面図、(b)は正面からみた薬剤40の斜視図、(c)は背面からみた薬剤40の斜視図、(d)は(a)のA−A線に沿った断面図である。
薬剤40は、図2に示すように、扁平楕円板状に形成されている。薬剤40の後面は、上眼瞼装着部12又は下眼瞼装着部14の前面にフィットするように上眼瞼装着部12又は下眼瞼装着部14の前面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。薬剤40の後面には、楕円形状の吸盤孔42が形成されている。吸盤孔42は吸盤構造となっている。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図3は、薬剤40の装着方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は眼20の縦断面図である。図3(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
使用者は、まず、図3に示すように、薬剤40の後面を上眼瞼装着部12の前面に押し当てると、吸盤孔42の吸盤室内が陰圧となって吸盤孔42が上眼瞼装着部12の前面に吸着し、薬剤40が上眼瞼装着部12に装着される。同様に、薬剤40の後面を下眼瞼装着部14の前面に押し当てると、吸盤孔42の吸盤室内が陰圧となって吸盤孔42が下眼瞼装着部14の前面に吸着し、薬剤40が下眼瞼装着部14に装着される。次に、使用者は、薬剤供給補助具10を装着する。薬剤供給補助具10は、ブリッジ部16a、16bの内側に角膜24が収まるようにして装着する。装用時は、上眼瞼装着部12が上眼瞼裏側の深部まで及ぶので、上眼瞼装着部12に装着された薬剤40が溶け出すと、上眼瞼裏側の部位にその成分が供給される。同様に、下眼瞼装着部14が下眼瞼裏側の深部まで及ぶので、下眼瞼装着部14に装着された薬剤40が溶け出すと、下眼瞼裏側の部位にその成分が供給される。また、薬剤40の成分が上眼瞼装着部12から下方に流出し又は下眼瞼装着部14から上方に流出すれば、角膜24周辺の部位にも薬剤40の成分が供給される。
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、薬剤供給補助具10は、上眼瞼裏側及び下眼瞼裏側に分離され、薬剤40が装着可能な上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14と、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16a、16bとを備える。
これにより、上眼瞼装着部12周辺の部位及び下眼瞼装着部14周辺の部位に薬剤40の成分が供給されるので、特許文献2記載のコンタクトレンズに比して、薬剤40の成分を効果的に供給することができる。また、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14がブリッジ部16a、16bで連結されているので、ブリッジ部16a、16bがない構成に比して、眼瞼や眼球の動き等によって上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14の位置がずれる可能性又は度合いを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、ブリッジ部16a、16bは、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14よりも幅狭である。
これにより、装着時にブリッジ部16a、16bが目立ちにくく、見た目の違和感が少ない。
さらに、本実施の形態では、ブリッジ部16a、16bは、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。
これにより、角膜24への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。レンズ等の媒体が角膜24に位置することによる角膜24への干渉としては、例えば、酸素透過性を低下させること、涙液の交換を阻害すること、角膜24に障害を与えること、異物感を増加させることが考えられる。
さらに、本実施の形態では、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14は、装着時に角膜24を回避し結膜の異なる箇所に位置する。
これにより、異なる結膜領域(装着時に結膜に位置する領域)に薬剤40を装着することができる。また、角膜24への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、薬剤供給補助具10は、平面形状が全体としてくびれ形状となっている。
これにより、平面形状が非円形状であるくびれ形状となっているので、円形状の構成に比して、眼瞼や眼球の動き等により薬剤供給補助具10が眼球の表面上で回転する可能性又は度合いを低減することができる。
さらに、本実施の形態では、薬剤40は、薬剤供給補助具10に吸着する吸盤構造を有する吸盤孔42を備える。
これにより、吸盤により薬剤40が薬剤供給補助具10に装着されるので、薬剤40と薬剤供給補助具10との組み合わせを選択又は変更等することができる。例えば、薬剤40を使い切った場合は、薬剤供給補助具10に新たな薬剤40を装着することができる。また例えば、他の薬剤40を用いたい場合は、薬剤供給補助具10ごと交換し、新たな薬剤供給補助具10に他の薬剤40を装着することができる。したがって、特許文献1記載のコンタクトレンズに比して、薬剤40の使い切りや変更等への対応が容易となる。
本実施の形態において、薬剤供給補助具10は、発明1、8乃至10、12若しくは13の眼用器具、又は発明14若しくは15の眼用装着物に対応し、上眼瞼装着部12は、発明1、2、5乃至9、12乃至15の第1装着部に対応し、下眼瞼装着部14は、発明1、2、5乃至9、12乃至15の第2装着部に対応している。また、吸盤孔42は、発明7の吸着手段、又は発明1、7若しくは8の装着手段に対応している。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図4及び図5は、本実施の形態を示す図である。なお、以下、上記第1の実施の形態と異なる部分についてのみ説明し、重複する部分については同一の符号を付して説明を省略する。
まず、本実施の形態の構成を説明する。
図4は、薬剤供給補助具10の正面図である。
薬剤供給補助具10は、図4に示すように、上記第1の実施の形態に比して縦長楕円形状となっており、装着時に上眼瞼裏側に位置し下弦三日月形状(三日月形状の2つの弧のうち短い弧を下に向けた形状)の上眼瞼装着部12と、装着時に下眼瞼裏側に位置し上弦三日月形状(三日月形状の2つの弧のうち短い弧を上に向けた形状)の下眼瞼装着部14と、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16a、16bとを有して構成されている。
上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14は、公知のコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。
ブリッジ部16a、16bは、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14よりも幅狭であり、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。そして、ブリッジ部16a、16bの一端が上眼瞼装着部12の下辺左右両端に、他端が下眼瞼装着部14の上辺左右両端に接合されている。ブリッジ部16a、16bで区画される開口部は、上下にやや扁平の球殻形状となっており、その径は角膜24よりも大径(1.3倍程度)となっている。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
図5は、薬剤40の装着方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は眼20の縦断面図である。図5(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
使用者は、まず、図5に示すように、薬剤40の後面を上眼瞼装着部12の前面に押し当てると、吸盤孔42の吸盤室内が陰圧となって吸盤孔42が上眼瞼装着部12の前面に吸着し、薬剤40が上眼瞼装着部12に装着される。同様に、薬剤40の後面を下眼瞼装着部14の前面に押し当てると、吸盤孔42の吸盤室内が陰圧となって吸盤孔42が下眼瞼装着部14の前面に吸着し、薬剤40が下眼瞼装着部14に装着される。次に、使用者は、薬剤供給補助具10を装着する。薬剤供給補助具10は、ブリッジ部16a、16bの内側に角膜24が収まるようにして装着する。装用時は、上眼瞼装着部12が上眼瞼裏側の深部まで及ぶので、上眼瞼装着部12に装着された薬剤40が溶け出すと、上眼瞼裏側の部位にその成分が供給される。同様に、下眼瞼装着部14が下眼瞼裏側の深部まで及ぶので、下眼瞼装着部14に装着された薬剤40が溶け出すと、下眼瞼裏側の部位にその成分が供給される。また、薬剤40の成分が上眼瞼装着部12から下方に流出し又は下眼瞼装着部14から上方に流出すれば、角膜24周辺の部位にも薬剤40の成分が供給される。
次に、本実施の形態の効果を説明する。
本実施の形態では、薬剤供給補助具10は、平面形状が全体として縦長楕円形状となっている。
これにより、平面形状が非円形状である楕円形状となっているので、円形状の構成に比して、眼瞼や眼球の動き等により薬剤供給補助具10が眼球の表面上で回転する可能性又は度合いを低減することができる。特に、縦長楕円形状となっているので、結膜の深部まで薬剤を供給しやすい。また、平面形状に角部を有さないので、眼瞼や眼球への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。眼瞼や眼球への干渉としては、例えば、眼瞼や眼球に障害を与えること、異物感を増加させることが考えられる。
〔変形例〕
なお、上記第1及び第2の実施の形態の変形例として、次の構成を採用することができる。以下の構成中、眼用装着物、眼用器具及び装着手段のバリエーションについては、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例を採用することができる。
〔1層構造:1層目内装着構成〕
この構成は、眼球に装着する吸盤構造その他の装着手段を有する眼用装着物(1層目)を備え、眼用装着物を眼球に装着する構成である。
〔2層構造:2層目内装着構成〕
この構成は、眼球に装着可能な眼用器具(1層目)と、眼用器具に装着する吸盤構造その他の装着手段を有する眼用装着物(2層目)とを備え、眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。上記第1及び第2の実施の形態がこの構成である。
〔2層構造:1層目外装着構成〕
この構成は、眼用装着物(2層目)と、眼用装着物に装着する吸盤構造その他の装着手段を有し眼球に装着可能な眼用器具(1層目)とを備え、眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。例えば、図6の変形例を採用することができる。
図6の変形例は、薬剤供給補助具10に吸盤構造を設けた構成である。
図6は、薬剤40及び上眼瞼装着部12の縦断面図である。
薬剤40は、図6に示すように、扁平円板状に形成されている。上眼瞼装着部12の前面には吸盤孔12aが形成されている。吸盤孔12aは、薬剤40よりもやや小径で吸盤構造となっている。これにより、薬剤40の後面を上眼瞼装着部12の前面に押し当てると、吸盤孔12aの吸盤室内が陰圧となって吸盤孔12aが薬剤40の後面に吸着し、薬剤40が上眼瞼装着部12に装着される。
下眼瞼装着部14にも、上眼瞼装着部12と同様に吸盤構造を設けることができる。これにより、薬剤40の後面を下眼瞼装着部14の前面に押し当てると、吸盤孔の吸盤室内が陰圧となって吸盤孔が薬剤40の後面に吸着し、薬剤40が下眼瞼装着部14に装着される。
〔2層構造:1、2層両装着構成〕
この構成は、眼球に装着可能な眼用器具(1層目)と、眼用装着物(2層目)と、眼用器具及び眼用装着物を装着する吸盤構造その他の装着手段とを備え、眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。眼用器具の装着手段及び眼用装着物の装着手段がそれぞれ相手に装着する構成(〔2層構造:2層目内装着構成〕及び〔2層構造:1層目外装着構成〕)のほか、眼用器具の装着手段及び眼用装着物の装着手段が雄及び雌のように対応して装着する構成が含まれる。
〔3層構造:2層目両装着構成〕
この構成は、眼球に装着可能な眼用器具(1層目)と、眼用装着物(3層目)と、眼用器具及び眼用装着物に装着する吸盤構造その他の装着手段を有する眼用アダプタ(2層目)とを備え、眼用アダプタを介して眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。例えば、図7の変形例を採用することができる。
図7の変形例は、眼用アダプタ50の前面及び後面に吸盤構造を設けた構成である。
図7は、薬剤40、眼用アダプタ50及び上眼瞼装着部12の縦断面図である。
薬剤40は、図7に示すように、扁平円板状に形成されている。薬剤40は、眼用アダプタ50を介して薬剤供給補助具10に装着される。眼用アダプタ50の前面には吸盤孔50aが、後面には吸盤孔50bがそれぞれ形成されている。吸盤孔50aは、薬剤40よりもやや小径で吸盤構造となっている。吸盤孔50bは吸盤構造となっている。これにより、薬剤40の後面を眼用アダプタ50の前面に押し当てると、吸盤孔50aの吸盤室内が陰圧となって吸盤孔50aが薬剤40の後面に吸着し、薬剤40が眼用アダプタ50に装着される。次に、眼用アダプタ50の後面を上眼瞼装着部12の前面に押し当てると、吸盤孔50bの吸盤室内が陰圧となって吸盤孔50bが上眼瞼装着部12の前面に吸着し、眼用アダプタ50を介して薬剤40が上眼瞼装着部12に装着される。
下眼瞼装着部14についても同様である。薬剤40の後面を眼用アダプタ50の前面に押し当てると、吸盤孔50aの吸盤室内が陰圧となって吸盤孔50aが薬剤40の後面に吸着し、薬剤40が眼用アダプタ50に装着される。次に、眼用アダプタ50の後面を下眼瞼装着部14の前面に押し当てると、吸盤孔50bの吸盤室内が陰圧となって吸盤孔50bが下眼瞼装着部14の前面に吸着し、眼用アダプタ50を介して薬剤40が下眼瞼装着部14に装着される。
〔3層構造:2層目内装着構成〕
この構成は、眼球に装着可能な眼用器具(1層目)と、眼用装着物(3層目)と、眼用器具に装着する吸盤構造その他の装着手段を有する眼用アダプタ(2層目)とを備え、眼用アダプタを介して眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。眼用アダプタ及び眼用装着物は吸着以外の方法で接合する。ここで、眼用アダプタ及び眼用器具の関係は〔2層構造:2層目内装着構成〕と同じである。例えば、図8の変形例を採用することができる。
図8の変形例は、眼用アダプタ50の後面に吸盤構造を設けた構成である。
図8は、薬剤40、眼用アダプタ50及び上眼瞼装着部12の縦断面図である。
図7の変形例では、眼用アダプタ50の前面に吸盤孔50aを形成したが、図8の変形例では、吸盤孔50aを形成せず、薬剤40の後面と眼用アダプタ50の前面を接着等により接合する。その他、薬剤40を表面張力により眼用アダプタ50の前面に取り付けてもよい。
〔3層構造:2層目外装着構成〕
この構成は、眼球に装着可能な眼用器具(1層目)と、眼用装着物(3層目)と、眼用装着物に装着する吸盤構造その他の装着手段を有する眼用アダプタ(2層目)とを備え、眼用アダプタを介して眼用装着物を眼用器具に装着する構成である。眼用アダプタ及び眼用器具は吸着以外の方法で接合する。ここで、眼用アダプタ及び眼用装着物の関係は〔2層構造:1層目外装着構成〕と同じである。例えば、図7の変形例では、眼用アダプタ50の後面に吸盤孔50bを形成したが、吸盤孔50bを形成せず、眼用アダプタ50の後面と上眼瞼装着部12の前面を接着等により接合する。その他、眼用アダプタ50を表面張力により上眼瞼装着部12の前面に取り付けてもよい。
〔前後方向外装着構成〕
この構成は、水平方向、上下方向その他前後方向以外の方向に眼用装着物同士を装着し、装着した複数の眼用装着物を眼用器具又は眼球に装着する構成である。
また、上記第1の実施の形態の変形例として、図9乃至図14の変形例を採用することができる。
図9の変形例は、薬剤供給補助具10の角度を変えて装着する構成である。
図9は、薬剤供給補助具10の正面図である。図9(a)(b)中、二点鎖線で示す円は結膜の外縁を示している。
図9(a)の変形例では、図1の薬剤供給補助具10を右に45度回転させて装着する。薬剤供給補助具10は、ブリッジ部16a、16bの内側に角膜24が収まるようにして装着する。装用時は、上眼瞼装着部12が上眼瞼裏側の深部まで及ぶので、上眼瞼装着部12に装着された薬剤40が溶け出すと、上眼瞼裏側の部位にその成分が供給される。同様に、下眼瞼装着部14が下眼瞼裏側の深部まで及ぶので、下眼瞼装着部14に装着された薬剤40が溶け出すと、下眼瞼裏側の部位にその成分が供給される。また、薬剤40の成分が上眼瞼装着部12から左下方に流出し又は下眼瞼装着部14から右上方に流出すれば、角膜24周辺の部位にも薬剤40の成分が供給される。
また、図9(b)の変形例では、図1の薬剤供給補助具10において上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14を図1よりも幅狭に構成し、これを右に90度回転させて装着する。薬剤供給補助具10は、ブリッジ部16a、16bの内側に角膜24が収まるようにして装着する。装用時は、上眼瞼装着部12が右結膜まで及ぶので、上眼瞼装着部12に装着された薬剤40が溶け出すと、右結膜周辺の部位にその成分が供給される。同様に、下眼瞼装着部14が左結膜まで及ぶので、下眼瞼装着部14に装着された薬剤40が溶け出すと、下眼瞼裏側の部位にその成分が供給される。また、薬剤40の成分が上眼瞼装着部12から左方に流出し又は下眼瞼装着部14から右方に流出すれば、角膜24周辺の部位にも薬剤40の成分が供給される。
このほか、薬剤供給補助具10は、任意の角度で装着することができる。
図10の変形例は、上眼瞼装着部12の位置を変えて設けた構成である。
図10は、薬剤供給補助具10の正面図である。図10中、二点鎖線で示す円は結膜の外縁を示している。
図10の変形例では、薬剤供給補助具10は、装着時に右結膜に位置する縦長楕円形状の右結膜装着部18aと、下眼瞼装着部14と、右結膜装着部18a及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16a、16bとを有して構成されている。
右結膜装着部18aは、公知のコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。右結膜装着部18aの幅は、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14よりも幅狭となっている。
ブリッジ部16a、16bは、右結膜装着部18a及び下眼瞼装着部14よりも幅狭であり、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。そして、ブリッジ部16a、16bの一端が右結膜装着部18aに、他端が下眼瞼装着部14に接合されている。
このほか、装着部は、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に構成することができる。また、装着部の連結の仕方も任意である。例えば、3つ以上の装着部をカスケード又はアレイ状に連結することもできる。上記第1及び第2の実施の形態並びに他の変形例についても同様である。
図11の変形例は、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14を1つのブリッジ部16aで連結した構成である。
図11は、薬剤供給補助具10の正面図である。図11(a)(b)中、二点鎖線で示す円は結膜の外縁を示している。
図11(a)の変形例では、ブリッジ部16aは、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。そして、ブリッジ部16aの一端が上眼瞼装着部12に、他端が下眼瞼装着部14に接合されている。
また、図11(b)の変形例では、ブリッジ部16aは、装着時に角膜24を縦断する直線状の経路に形成されている。そして、ブリッジ部16aの一端が上眼瞼装着部12に、他端が下眼瞼装着部14に接合されている。
このほか、ブリッジ部は、任意の数、任意の大きさ、任意の幅、任意の形状、任意の経路で、任意の箇所に構成することができる。上記第1及び第2の実施の形態並びに他の変形例についても同様である。
図12の変形例は、角膜24に位置する角膜装着部18を設けた構成である。
図12は、薬剤供給補助具10の正面図である。図12(a)〜(c)中、二点鎖線で示す円は結膜の外縁を示している。
図12(a)の変形例では、薬剤供給補助具10は、上眼瞼装着部12と、装着時に角膜24に位置する角膜装着部18と、下眼瞼装着部14と、上眼瞼装着部12及び角膜装着部18を連結するブリッジ部16aと、角膜装着部18及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16bとを有して構成されている。
角膜装着部18は、公知のコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。角膜装着部18の径は、角膜24よりもやや大径となっている。
ブリッジ部16a、16bは、上眼瞼装着部12、下眼瞼装着部14及び角膜装着部18よりも幅狭であり、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。そして、ブリッジ部16aの一端が上眼瞼装着部12に、他端が角膜装着部18に接合されている。また、ブリッジ部16bの一端が角膜装着部18に、他端が下眼瞼装着部14に接合されている。
これにより、角膜装着部18に薬剤40を装着することができる。
また、図12(a)の変形例では、角膜装着部18に孔を形成しなかったが、これに限らず、図12(b)の変形例のように、角膜装着部18の中央には、瞳孔領域(装着時に瞳孔22に位置する領域)を開口する貫通孔18cを形成することもできる。貫通孔18cの径は、瞳孔22よりもやや大径となっている。
これにより、瞳孔22への光学的干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。
なお、図12(b)の変形例において、貫通孔18cは、瞳孔領域を開口する孔として形成したが、これに限らず、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に形成することができる。例えば、貫通孔18cは、角膜領域(装着時に角膜24に位置する領域)を開口する孔として形成することもできるし、角膜装着部18の面方向に開口させることもできる。また、孔18cは貫通孔として形成したが、これに限らず、前面を開口とする凹部(一部又は全部が底となる場合を含む。以下、同様である。)又は後面を開口とする凹部(以下これらを総称して「凹部」という。)として形成することもできる。薬剤40の成分が薬剤供給補助具10を拡散等により透過する場合は、必ずしも貫通している必要はないからである。また、孔18cそのものを設けなくてもよい。
また、図12(a)の変形例において、下眼瞼装着部14及びブリッジ部16bを設けたが、これに限らず、図12(c)の変形例のように、下眼瞼装着部14及びブリッジ部16bを設けずに構成することもできる。
なお、図12の変形例において、角膜装着部18の形状等を例示したが、これに限らず、角膜装着部18は、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に構成することができる。また、角膜装着部18を設けなくてもよい。
図13の変形例は、3つ以上の装着部を設けた構成である。
図13は、薬剤供給補助具10の正面図である。図13(a)〜(c)中、二点鎖線で示す円は結膜の外縁を示している。
図13(a)の変形例では、薬剤供給補助具10は、上眼瞼装着部12と、下眼瞼装着部14と、装着時に左結膜に位置する縦長楕円形状の左結膜装着部18bと、上眼瞼装着部12及び左結膜装着部18bを連結するブリッジ部16aと、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16bと、左結膜装着部18b及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16cとを有して構成されている。
左結膜装着部18bは、公知のコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。左結膜装着部18bの幅は、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14よりも幅狭となっている。
ブリッジ部16a〜16cは、上眼瞼装着部12、下眼瞼装着部14及び左結膜装着部18bよりも幅狭であり、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。そして、ブリッジ部16aの一端が上眼瞼装着部12に、他端が左結膜装着部18bに接合されている。また、ブリッジ部16bの一端が上眼瞼装着部12に、他端が下眼瞼装着部14に接合されている。また、ブリッジ部16cの一端が左結膜装着部18bに、他端が下眼瞼装着部14に接合されている。
これにより、左結膜装着部18bに薬剤40を装着することができる。
また、図13(b)の変形例では、薬剤供給補助具10は、上眼瞼装着部12と、下眼瞼装着部14と、右結膜装着部18aと、左結膜装着部18bと、上眼瞼装着部12及び左結膜装着部18bを連結するブリッジ部16aと、上眼瞼装着部12及び右結膜装着部18aを連結するブリッジ部16bと、左結膜装着部18b及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16cと、右結膜装着部18a及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16dとを有して構成されている。
ブリッジ部16a〜16dは、上眼瞼装着部12、下眼瞼装着部14、右結膜装着部18a及び左結膜装着部18bよりも幅狭であり、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。そして、ブリッジ部16aの一端が上眼瞼装着部12に、他端が左結膜装着部18bに接合されている。また、ブリッジ部16bの一端が上眼瞼装着部12に、他端が右結膜装着部18aに接合されている。また、ブリッジ部16cの一端が左結膜装着部18bに、他端が下眼瞼装着部14に接合されている。また、ブリッジ部16dの一端が右結膜装着部18aに、他端が下眼瞼装着部14に接合されている。
これにより、右結膜装着部18a及び左結膜装着部18bに薬剤40を装着することができる。
また、図13(c)の変形例では、薬剤供給補助具10は、上眼瞼装着部12と、下眼瞼装着部14と、右結膜装着部18aと、左結膜装着部18bと、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16aと、右結膜装着部18a及び左結膜装着部18bを連結するブリッジ部16bとを有して構成されている。
ブリッジ部16a、16bは、中央(瞳孔領域)で接合されている。また、ブリッジ部16a、16bは、上眼瞼装着部12、下眼瞼装着部14、右結膜装着部18a及び左結膜装着部18bよりも幅狭であり、装着時に角膜24を縦断及び横断する十字状の経路に形成されている。そして、ブリッジ部16aの一端が上眼瞼装着部12に、他端が下眼瞼装着部14に接合されている。また、ブリッジ部16bの一端が右結膜装着部18aに、他端が左結膜装着部18bに接合されている。
また、上記第2の実施の形態の変形例として、図14乃至図21の変形例を採用することができる。
図14及び図15の変形例は、薬剤40の成分を貯留可能な2つのプールを薬剤供給補助具10に形成した構成である。
図14は、薬剤供給補助具10の正面図である。
図15は、薬剤40の装着方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は眼20の縦断面図である。図15(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
薬剤供給補助具10は、図14に示すように、上眼瞼装着部12と、下眼瞼装着部14と、ブリッジ部16a、16bと、ブリッジ部16a、16bの上部同士を連結するブリッジ部16cと、ブリッジ部16a、16bの下部同士を連結するブリッジ部16dとを有して構成されている。
ブリッジ部16c、16dは、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14よりも幅狭であり、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。そして、ブリッジ部16cの一端がブリッジ部16aの上部に、他端がブリッジ部16bの上部に接合されている。また、ブリッジ部16dの一端がブリッジ部16aの下部に、他端がブリッジ部16bの下部に接合されている。
ここで、上眼瞼装着部12及びブリッジ部16a、16b、16cで区画される領域が、薬剤40の成分を貯留可能なプール19aを構成する。また、下眼瞼装着部14及びブリッジ部16a、16b、16dで区画される領域が、薬剤40の成分を貯留可能なプール19bを構成する。
使用者は、図15に示すように、薬剤供給補助具10を装着する。薬剤供給補助具10は、ブリッジ部16a〜16dの内側に角膜24が収まるようにして装着する。装用時は、上眼瞼結膜26a及び眼球の表面が蓋となってプール19aの開口を前後に閉鎖するので、上眼瞼装着部12に装着された薬剤40が溶け出すと、プール19aにその成分が貯留され、時間をかけて結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。同様に、下眼瞼結膜26b及び眼球の表面が蓋となってプール19bの開口を前後に閉鎖するので、下眼瞼装着部14に装着された薬剤40が溶け出すと、プール19bにその成分が貯留され、時間をかけて結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。
これにより、長時間にわたって薬剤40を供給することができる。また、ブリッジ部16c、16dが角膜24を回避する経路に形成されているので、角膜24への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。さらに、複数のプール19a、19bに薬剤が貯留されるので、同一の領域を1つのプールで構成する場合に比して、薬剤の偏りが少なくなり、一部の部位に薬剤40が供給されない可能性又は度合いを低減することができる。
また、図16及び図17の変形例は、薬剤40の成分を貯留可能な3つのプールを薬剤供給補助具10に形成した構成である。
図16は、薬剤供給補助具10の正面図である。
図17は、薬剤40の装着方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は眼20の縦断面図である。図17(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
薬剤供給補助具10は、図16に示すように、上眼瞼装着部12と、下眼瞼装着部14と、ブリッジ部16a、16bと、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14を連結するブリッジ部16c、16d、16eとを有して構成されている。
ブリッジ部16c〜16eは、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14よりも幅狭であり、装着時に角膜24を通過する三叉状の経路に形成されている。そして、ブリッジ部16cの一端が上眼瞼装着部12の下辺中央に、ブリッジ部16dの一端が下眼瞼装着部14の上辺右部に、ブリッジ部16eの一端が下眼瞼装着部14の上辺左部に接合されている。また、ブリッジ部16c〜16eの他端は、中央(瞳孔領域)で接合されている。
ここで、上眼瞼装着部12及びブリッジ部16a、16c、16eで区画される領域が、プール19aを構成する。また、上眼瞼装着部12及びブリッジ部16b、16c、16dで区画される領域が、プール19bを構成する。また、下眼瞼装着部14及びブリッジ部16d、16eで区画される領域が、薬剤40の成分を貯留可能なプール19cを構成する。
使用者は、図17に示すように、薬剤供給補助具10を装着する。薬剤供給補助具10は、ブリッジ部16a、16bの内側に角膜24が収まるようにして装着する。装用時は、上眼瞼結膜26a及び眼球の表面が蓋となってプール19a、19bの開口の一部を前後に閉鎖するので、上眼瞼装着部12に装着された薬剤40が溶け出すと、プール19a、19bにその成分が貯留され、時間をかけて結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。同様に、下眼瞼結膜26b及び眼球の表面が蓋となってプール19a、19b、19cの開口の一部を前後に閉鎖するので、下眼瞼装着部14に装着された薬剤40が溶け出すと、プール19a、19b、19cにその成分が貯留され、時間をかけて結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。
これにより、長時間にわたって薬剤40を供給することができる。また、複数のプール19a〜19cに薬剤が貯留されるので、同一の領域を1つのプールで構成する場合に比して、薬剤の偏りが少なくなり、一部の部位に薬剤40が供給されない可能性又は度合いを低減することができる。
また、図18及び図19の変形例は、薬剤40の成分を貯留可能な4つのプールを薬剤供給補助具10に形成した構成である。
図18は、薬剤供給補助具10の正面図である。
図19は、薬剤40の装着方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は眼20の縦断面図である。図19(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
薬剤供給補助具10は、図18に示すように、上眼瞼装着部12と、下眼瞼装着部14と、装着時に瞳孔22に位置する瞳孔装着部18dと、ブリッジ部16a、16bと、上眼瞼装着部12、下眼瞼装着部14又はブリッジ部16a、16b及び瞳孔装着部18dを連結するブリッジ部16c、16d、16e、16fとを有して構成されている。
瞳孔装着部18dは、公知のコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。瞳孔装着部18dの径は、瞳孔22よりもやや大径となっている。
ブリッジ部16c〜16fは、上眼瞼装着部12、下眼瞼装着部14及び瞳孔装着部18dよりも幅狭であり、装着時に角膜24を縦断及び横断する十字状の経路に形成されている。そして、ブリッジ部16cの一端が上眼瞼装着部12の下辺中央に、他端が瞳孔装着部18dの上端に接合されている。また、ブリッジ部16dの一端がブリッジ部16bの中央に、他端が瞳孔装着部18dの右端に接合されている。また、ブリッジ部16eの一端が下眼瞼装着部14の上辺中央に、他端が瞳孔装着部18dの下端に接合されている。また、ブリッジ部16fの一端がブリッジ部16aの中央に、他端が瞳孔装着部18dの左端に接合されている。
ここで、上眼瞼装着部12及びブリッジ部16a、16c、16fで区画される領域が、プール19aを構成する。また、上眼瞼装着部12及びブリッジ部16b、16c、16dで区画される領域が、プール19bを構成する。また、下眼瞼装着部14及びブリッジ部16b、16d、16eで区画される領域が、プール19cを構成する。また、下眼瞼装着部14及びブリッジ部16a、16e、16fで区画される領域が、薬剤40の成分を貯留可能なプール19dを構成する。
使用者は、図19に示すように、薬剤供給補助具10を装着する。薬剤供給補助具10は、瞳孔装着部18dを瞳孔22に位置させ、ブリッジ部16a、16bの内側に角膜24が収まるようにして装着する。装用時は、上眼瞼結膜26a及び眼球の表面が蓋となってプール19a、19bの開口の一部を前後に閉鎖するので、上眼瞼装着部12に装着された薬剤40が溶け出すと、プール19a、19bにその成分が貯留され、時間をかけて結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。同様に、下眼瞼結膜26b及び眼球の表面が蓋となってプール19c、19dの開口の一部を前後に閉鎖するので、下眼瞼装着部14に装着された薬剤40が溶け出すと、プール19c、19dにその成分が貯留され、時間をかけて結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。
これにより、長時間にわたって薬剤40を供給することができる。また、瞳孔装着部18dに薬剤40を装着することができる。さらに、複数のプール19a〜19dに薬剤が貯留されるので、同一の領域を1つのプールで構成する場合に比して、薬剤の偏りが少なくなり、一部の部位に薬剤40が供給されない可能性又は度合いを低減することができる。
なお、図18及び図19の変形例において、瞳孔装着部18dの形状等を例示したが、これに限らず、瞳孔装着部18dは、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に構成することができる。また、瞳孔装着部18dを設けなくてもよい。
また、図20及び図21の変形例は、薬剤40の成分を貯留可能な6つのプールを薬剤供給補助具10に形成した構成である。
図20は、薬剤供給補助具10の正面図である。
図21は、薬剤40の装着方法を説明するための図であり、(a)は眼20の正面図、(b)は眼20の縦断面図である。図21(a)中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
薬剤供給補助具10は、図20に示すように、上眼瞼装着部12と、下眼瞼装着部14と、角膜領域を開口するリング状の内リング部18eと、ブリッジ部16a、16bと、上眼瞼装着部12、下眼瞼装着部14又はブリッジ部16a、16b及び内リング部18eを連結するブリッジ部16c、16d、16e、16f、16g、16hとを有して構成されている。
内リング部18eは、公知のコンタクトレンズと同様に眼球の表面形状に沿った球面形状となっている。その後面は、眼球の表面にフィットするように眼球の表面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。内リング部18eの内径は、角膜24よりもやや大径となっている。
ブリッジ部16c〜16hは、上眼瞼装着部12及び下眼瞼装着部14よりも幅狭であり、装着時に角膜24を回避する経路に形成されている。そして、ブリッジ部16cの一端が上眼瞼装着部12の下辺中央に、他端が内リング部18eの上端に接合されている。また、ブリッジ部16dの一端がブリッジ部16bの上部に、他端が内リング部18eの右上端に接合されている。また、ブリッジ部16eの一端がブリッジ部16bの下部に、他端が内リング部18eの右下端に接合されている。また、ブリッジ部16fの一端が下眼瞼装着部14の上辺中央に、他端が内リング部18eの下端に接合されている。また、ブリッジ部16gの一端がブリッジ部16aの下部に、他端が内リング部18eの左下端に接合されている。また、ブリッジ部16hの一端がブリッジ部16aの上部に、他端が内リング部18eの左上端に接合されている。
ここで、上眼瞼装着部12、内リング部18e及びブリッジ部16a、16c、16hで区画される領域が、プール19aを構成する。また、上眼瞼装着部12、内リング部18e及びブリッジ部16b、16c、16dで区画される領域が、プール19bを構成する。また、内リング部18e及びブリッジ部16b、16d、16eで区画される領域が、プール19cを構成する。また、下眼瞼装着部14、内リング部18e及びブリッジ部16b、16e、16fで区画される領域が、プール19dを構成する。また、下眼瞼装着部14、内リング部18e及びブリッジ部16a、16f、16gで区画される領域が、薬剤40の成分を貯留可能なプール19eを構成する。また、内リング部18e及びブリッジ部16a、16g、16hで区画される領域が、薬剤40の成分を貯留可能なプール19fを構成する。
使用者は、図21に示すように、薬剤供給補助具10を装着する。薬剤供給補助具10は、内リング部18eの内側に角膜24が収まるようにして装着する。装用時は、上眼瞼結膜26a及び眼球の表面が蓋となってプール19a、19b及びプール19c、19fの開口の一部を前後に閉鎖するので、上眼瞼装着部12に装着された薬剤40が溶け出すと、プール19a、19b、19c、19fにその成分が貯留され、時間をかけて結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。同様に、下眼瞼結膜26b及び眼球の表面が蓋となってプール19d、19e及びプール19c、19fの開口の一部を前後に閉鎖するので、下眼瞼装着部14に装着された薬剤40が溶け出すと、プール19c、19d、19e、19fにその成分が貯留され、時間をかけて結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。
これにより、長時間にわたって薬剤40を供給することができる。また、内リング部18eが角膜領域を開口しているので、角膜24への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。さらに、複数のプール19a〜19fに薬剤が貯留されるので、同一の領域を1つのプールで構成する場合に比して、薬剤の偏りが少なくなり、一部の部位に薬剤40が供給されない可能性又は度合いを低減することができる。
なお、図14乃至図21の変形例においては、プール19a〜19fの形状等を例示したが、これに限らず、プールは、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に構成することができる。例えば、ブリッジ部を格子状に形成することにより複数のプールをアレイ状に形成することもできる。また、プールは、薬剤供給補助具10の厚さ方向に複数形成することもでき、例えば、前面を開口とする第1プールと、後面を開口とする第2プールとを厚さ方向に対向して形成することができる。また、プールは、前後方向に貫通する領域(例えば、貫通孔)として形成することもでき、凹部として形成することもできる。他の形状として、袋状、壺状、窟状、路状、ケース状、又は薬剤を挟むサンドイッチ状に形成することもできる。また、プールの深さ方向が薬剤供給補助具10の径方向となるように薬剤供給補助具10の周面に形成することもできる。また、プールは、装着部又はブリッジ部の面方向に開口させることもできる。また、薬剤40を装着する場合に限らず、薬剤供給補助具10上に点眼薬を点眼することによっても、又は薬剤供給補助具10上(プール19a〜19f上を含む。)に軟膏薬を塗布することによっても、長時間にわたる薬剤の供給を実現することができる。
また、図14乃至図21の変形例においては、薬剤供給補助具10の厚さについて特に説明しなかったが、例えば、プール19a〜19fの径が同一であれば深いほど薬剤の貯留容量が増すので、例えば、プール19a〜19fの深さが2倍程度になるように薬剤供給補助具10の厚さをこれに合わせて2倍程度に設定した構成を採用することもできる。もっとも、薬剤供給補助具10の厚さ及びプール19a〜19fの深さは特に限定されるものではなく、任意の厚さ及び深さに設定することができる。
また、図14及び図15の変形例においては、上眼瞼装着部12に1つのプール19aを形成したが、これに限らず、図16乃至図21の変形例のように、装着時に上眼瞼裏側に位置するプール19aを1又は多岐のブリッジ部で複数のプールに区画することもできる。同様に、下眼瞼装着部14に1つのプール19bを形成したが、これに限らず、図16乃至図21の変形例のように、装着時に下眼瞼裏側に位置するプール19bを1又は多岐のブリッジ部で複数のプールに区画することもできる。これにより、複数のプールに薬剤が貯留されるので、同一の領域を1つのプールで構成する場合に比して、薬剤の偏りが少なくなり、一部の部位に薬剤が供給されない可能性又は度合いを低減することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例において、薬剤供給補助具10は、装着時に眼瞼裏側の結膜(眼瞼結膜又は球結膜)に位置する領域を有して構成したが、これに限らず、結膜円蓋部領域(装着時に結膜円蓋部に位置する領域)を有して構成することもできる。これにより、結膜円蓋部領域に薬剤40を装着することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤40を薬剤供給補助具10に装着した後、薬剤供給補助具10を眼20に装着する装着方法を説明したが、これに限らず、薬剤供給補助具10を眼20に装着した後、薬剤40を薬剤供給補助具10に装着する装着方法を採用することもできる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10を眼球に直接装着したが、これに限らず、1又は複数の媒体(例えば、部材)を介して薬剤供給補助具10を間接的に眼球に装着することもできる。例えば、図22の変形例を採用することができる。
図22は、コンタクトレンズ60の縦断面図である。
コンタクトレンズ60は、図22に示すように、ソフトコンタクトレンズからなる内レンズ62と、内レンズ62の前面に対面して配置されるソフトコンタクトレンズからなる外レンズ64とを有して構成されている。内レンズ62及び外レンズ64は、ソフトコンタクトレンズとして従来周知の基本形状であり、全体として球殻形状となっている。
内レンズ62及び外レンズ64は開閉可能に下端が接合されている。内レンズ62と外レンズ64の接合部66以外は開口しており、被収容物は、この開口から挿入可能となっている。コンタクトレンズ60は、内レンズ62及び外レンズ64を一体成形により製造することができる。なお、内レンズ62及び外レンズ64の一方又は両方には、薬剤40の成分を通過させるための孔(貫通孔又は凹部)(以下「薬剤通過孔」という。)を形成することもできる。
薬剤供給補助具10は、内レンズ62及び外レンズ64と同様に全体として球殻形状となっている。具体的には、薬剤供給補助具10の後面は、内レンズ62の前面にフィットするように内レンズ62の前面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。同様に、薬剤供給補助具10の前面は、外レンズ64の後面にフィットするように外レンズ64の後面と同一又は近い曲率となる球面形状となっている。
使用者は、内レンズ62と外レンズ64との間を開き、外レンズ64の後面に薬剤供給補助具10を取り付け、内レンズ62と外レンズ64との間を閉じる。これにより、薬剤供給補助具10は、内レンズ62の前面と外レンズ64の後面との間で挟持される。そして、使用者は、薬剤供給補助具10を挟持した状態でコンタクトレンズ60を装着する。装用時は、薬剤40が溶け出すと、内レンズ62及び外レンズ64の境界から流出し又は内レンズ62若しくは外レンズ64の薬剤通過孔を通過して結膜や角膜等の部位にその成分が供給される。
なお、図22の変形例では、コンタクトレンズ60は、内レンズ62及び外レンズ64を有して構成したが、これに限らず、コンタクトレンズ60は、内レンズ62だけの構成とすることもできる。この場合、薬剤供給補助具10は、吸着その他の装着手段により内レンズ62の前面に装着し、内レンズ62を介して眼球に装着する。また、コンタクトレンズ60は、外レンズ64だけの構成とすることもできる。この場合、薬剤供給補助具10は、吸着その他の装着手段により外レンズ64の後面に装着し、眼球に直接装着する。また、内レンズ62又は外レンズ64として、市販のコンタクトレンズを利用することもできるし、1又は複数の薬剤通過孔を形成した孔空きコンタクトレンズを利用することもできる。薬剤通過孔は、内レンズ62及び外レンズ64の一方又は両方に設けることができ、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に設けることができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤40の形状を例示したが、これに限らず、扁平中実円板状、シート状、直方体状、板状、棒状又はアーム状その他の幾何学形状など、任意の形状を採用することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤40の数、大きさ、形状及び装着位置を例示したが、これに限らず、薬剤40は、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に装着することができる。例えば、図14乃至図21の変形例において、プール19a〜19fに薬剤40を装着することもできる。この場合、プール19a〜19dは、薬剤40が挿入可能な開口並びに薬剤40を装着及び貯留可能な内空を有する孔(貫通孔又は凹部)として形成する。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤40の後面から窪む凹型の吸盤構造としたが、これに限らず、薬剤40の後面から突出する凸型の吸盤構造とすることもできる。すなわち、吸盤構造として凹型の吸盤構造又は凸型の吸盤構造を採用することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤40に楕円形状の吸盤孔42を形成したが、これに限らず、吸盤孔42は、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に形成することができる。例えば、薬剤40の後面全体を吸盤構造とすることができる。すなわち、吸盤構造は、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に設けることができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、吸盤孔42の材質について説明しなかったが、薬剤40よりも溶解速度が遅い可溶性の材質で構成することができる。これにより、吸盤孔42を薬剤40とともに溶解させることができるとともに、薬剤40の溶解に伴って吸盤孔42の吸盤効果が失われる度合いを低減することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、吸盤構造により薬剤40を薬剤供給補助具10に装着したが、これに限らず、吸盤構造以外の吸着手段により薬剤40を装着することもでき、さらには吸着以外の装着手段により薬剤40を装着することもできる。装着手段は任意である。吸着以外の装着手段としては、例えば、粘着、接着、表面張力による取り付け、ヒンジ構造、ねじ構造、かしめ構造、ソケット構造、インロー嵌合構造、嵌め込み構造、差し込み構造、組み付け構造、連結構造その他任意の結合構造を採用することができる。ねじ構造としては、例えば、(1)薬剤供給補助具10及び薬剤40を貫通する雌ねじを形成し、これに雄ねじをねじ込んで接合する構造、(2)薬剤供給補助具10及び薬剤40の一方に雄ねじを形成し、他方に雌ねじを形成し、一方を他方にねじ込んで接合する構造を採用することができる。嵌め込み構造としては、例えば、薬剤供給補助具10及び薬剤40の一方に突起を形成し、この突起を受けるための孔(貫通孔又は凹部)を他方に形成し、一方を他方に嵌め込んで接合する構造を採用することができる。差し込み構造としては、例えば、薬剤供給補助具10及び薬剤40の一方に、他方に差し込み可能な突起(例えば、先端を尖らせた形状等の突起)を形成し、一方を他方に差し込んで接合する構造を採用することができる。連結構造としては、例えば、継手、連結器その他の連結手段で薬剤供給補助具10及び薬剤40を連結する構造を採用することができる。また、結合構造として、例えば、(1)薬剤供給補助具10及び薬剤40を直接結合する構造、(2)1又は複数の媒体(例えば、部材)を介して薬剤供給補助具10及び薬剤40を間接的に結合する構造を採用することができる。また、結合構造として、例えば、(1)薬剤供給補助具10又は薬剤40が取り外し可能な構造を採用することもでき、(2)さらに薬剤供給補助具10又は薬剤40が再結合可能な構造を採用することもできる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10の前面に薬剤40を装着したが、これに限らず、薬剤供給補助具10の後面に薬剤40を装着することもできる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤40にレンズを設けなかったが、これに限らず、薬剤40の一部をレンズで構成することもできる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10に薬剤40を装着したが、これに限らず、薬剤40を装着しなくてもよい。この場合、例えば、特許文献1記載のコンタクトレンズのように、薬剤40の成分を原料樹脂内に混入して薬剤供給補助具10を構成することができる。また例えば、薬剤供給補助具10に代えて、薬剤供給補助具10と同様の形状に形成した薬剤その他の眼用装着物を用いることができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、ブリッジ部16a、16bの幅(横方向の長さ)について特に説明しなかったが、例えば、図23に示すように、ブリッジ部16aの幅L1を、開眼時に露出する左結膜26cの横方向の長さL2よりも狭くし、ブリッジ部16bの幅L3を、開眼時に露出する右結膜26dの横方向の長さL4よりも狭くする構成を採用することができる。これにより、装着時にブリッジ部16a、16bが目立ちにくく、見た目の違和感が少ない。
図23は、ブリッジ部16a、16bの幅を示す図であり、眼20の正面図である。図23中、点線で示す最外円は結膜の外縁を示している。
なお、図23の変形例は、ブリッジ部16a、16bの間隔が角膜24の直径よりも大きい構成に限定されるものではなく、ブリッジ部16a、16bが角膜24、左結膜26c、右結膜26d等に位置する変形例及び他のブリッジ部16c〜16hについても同様に適用することができる。ブリッジ部16a〜16hが角膜24に位置する場合は、ブリッジ部16a〜16hが幅広の構成に比して、角膜24への酸素透過性を向上することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例において、薬剤供給補助具10は、ソフトコンタクトレンズと同一の材質で構成したが、これに限らず、ハードコンタクトレンズと同一の材質その他の材質で構成することもできる。例えば、薬剤その他の眼用装着物として構成することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例において、薬剤供給補助具10は、平面形状を全体としてくびれ形状又は縦長楕円形状に形成したが、これに限らず、任意の形状を採用することができる。例えば、全体として非円形状に形成すれば、眼瞼や眼球の動き等により薬剤供給補助具10が眼球の表面上で回転する可能性又は度合いを低減することができる。また、全体として横長楕円形状に形成すれば、結膜炎等の症状時に眼瞼結膜への干渉が生じる可能性又は度合いを低減することができる。このほか、薬剤供給補助具10の全体の大きさについても任意の大きさを採用することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例において、薬剤供給補助具10は、角膜領域を開口して構成したが、これに限らず、この開口部は、任意の数、任意の大きさ、任意の形状で、任意の箇所に形成することができる。例えば、開口部は、少なくとも瞳孔領域を開口する孔として形成することもできるし、薬剤供給補助具10の面方向に開口させることもできる。また、眼球の動き量は上下方向よりも左右方向の方が大きいので、角膜24への干渉が生じる可能性又は度合いを低減する観点からは、開口部の幅(横方向の長さ)は開口部の高さ(縦方向の長さ)よりも大きくする構成を採用することができる。同様の観点から、眼球の上下方向の動き量は下方向よりも上方向の方が大きいので、開口部において装着時に正面を向いた角膜24の中心に位置する基準点から上端までの長さは、同基準点から下端までの長さよりも大きくする構成を採用することができる。この2点を考慮すると、開口部は、例えば、上部が膨張する横長楕円形状(幅が高さよりも大きく、基準点から上端までの長さが下端までの長さよりも大きい形状)とする構成を採用することができる。この場合、眼瞼や眼球の動き等により薬剤供給補助具10が眼球の表面上で回転すると、角膜24に対する開口部の相対位置が変化してしまうので、薬剤供給補助具10が回転する可能性又は度合いを低減する観点からは、例えば、薬剤供給補助具10の上縁が上眼瞼結膜円蓋部に、下縁が眼瞼結膜円蓋部に位置(接触又は近接)するように薬剤供給補助具10の大きさを設定する構成を採用することができる。また、開口部を設けない構成を採用することもできる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10の材質について説明しなかったが、可溶性の材質で構成することができる。これにより、薬剤供給補助具10を薬剤40とともに溶解させることができる。この場合、薬剤供給補助具10の材質として薬剤40よりも溶解速度が遅い材質を採用することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤40を眼用装着物として採用したが、これに限らず、眼に装着可能な眼用装着物であれば任意の眼用装着物を採用することができる。眼用装着物としては、例えば、(1)電子デバイス、(2)ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズその他のレンズ、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ等の光学デバイス、(3)薬剤供給補助具、(4)矯正具、(5)薬剤、(6)サプリメント、(7)磁性流体、又は(8)その他の眼用装着物を採用することができる。ここで、眼用装着物が電子デバイスの場合、(1)眼に対し情報の提供を行うデバイス(例えば、投影機)、(2)眼に関する情報の収集を行うデバイス(例えば、カメラ、生体センサその他のセンサ)、(3)眼の外側に対し情報の提供を行うデバイス(例えば、ディスプレイ)、(4)眼の外側に関する情報の収集を行うデバイス(例えば、カメラ、生体センサその他のセンサ)、(5)眼に対し機能の維持、回復若しくは付与又は作用を行うデバイス(例えば、医療機器、発光素子、圧電素子、振動素子、発熱素子)、又は(6)眼の外側に対し機能の付与又は作用を行うデバイス(例えば、医療機器、発光素子、圧電素子、振動素子、発熱素子)を採用することができる。また、電子デバイスに代えて光学デバイスその他の眼用デバイスを採用する場合も、同様に上記(1)〜(6)の機能を備えるデバイスを採用することができる。また、眼用装着物がハードコンタクトレンズの場合、ハードコンタクトレンズが眼球に直接接触しにくいので装用感を向上することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10を眼用器具として採用したが、これに限らず、眼に装着可能な眼用器具であれば任意の眼用器具を採用することができる。眼用器具としては、例えば、(1)電子デバイス、(2)ソフトコンタクトレンズ、ハードコンタクトレンズその他のレンズ、光ファイバー、光導波路、光アイソレータ、半導体レーザ等の光学デバイス、(3)薬剤供給補助具、(4)矯正具、又は(5)その他の眼用器具を採用することができる。また、薬剤供給補助具10としては、これら(1)〜(5)以外に、眼に装着可能な眼用装着物を採用することができる。眼用装着物としては、例えば、これら(1)〜(5)以外に、(6)薬剤、(7)サプリメント、(8)磁性流体、又は(9)その他の眼用装着物を採用することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例において、眼用装着物は、例えば、粒状に構成することもできる。この場合、粒状の眼用装着物を粘着シートに多数敷き詰め、粘着シートを剣山上に押しつけることにより眼用装着物に吸盤孔を形成することができる。その後、薬剤供給補助具10の前面に粘着シートを押し当てると、吸盤孔の吸盤室内が陰圧となって吸盤孔が薬剤供給補助具10の前面に吸着し、眼用装着物が薬剤供給補助具10に装着される。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、本発明に係る眼用器具を眼球の表面に装着したが、これに限らず、例えば、人工水晶体又はその機能を補完するものとして構成し、眼球内に装着することもできる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例は相互に適用することができる。
また、上記第1及び第2の実施の形態並びにその変形例においては、薬剤供給補助具10に薬剤40を装着する場合について本発明を適用したが、これに限らず、本発明の主旨を逸脱しない範囲で他の場合にも適用可能である。