JP2019176429A - 測定装置、測定方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
Description
OFDMを用いる無線通信では、前のOFDMシンボルの遅延波が次のOFDMシンボルに及ぼすシンボル干渉などを除去するため、各OFDMシンボルの先頭にガード区間であるCP(Cyclic Prefix)が付される。このCPを用いて信号検出する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照。)。
以下、図を参照して本実施形態の測定装置10の概要について説明する。
図1は、本実施形態の無線通信システムの概念の一例を示す図である。無線通信システムにおいて、基地局BSから端末装置TMに対して無線通信を行うダウンリンクDLと、端末装置TMから基地局BSに対して無線通信を行うアップリンクULとによって、基地局BSと端末装置TMとが通信する。なお、同図には示していないが、無線通信システムには、複数の端末装置TMどうしが互いに無線通信するサイドリンクSDLが存在していてもよい。本実施形態の無線通信システムにおいて、これらアップリンクUL、ダウンリンクDL及びサイドリンクSDLは、いずれもOFDM(直交周波数分割多重)信号が用いられる。
測定装置10は、通信エリアAR1内の各位置において、端末装置TMが発信するアップリンクULの無線信号を受信し、その無線信号の強度を推定する。この無線信号の強度は、ある通信エリアAR内におけるアップリンクULの密度、すなわち、ある通信エリアAR内における通信中の端末装置TMの密度を示す。測定装置10は、受信した無線信号の強度の推定結果に基づいて、ある通信エリアAR内における通信中の端末装置TMの密度を判定する。例えば、ある通信エリアAR内に測定装置10がある場合に、受信した無線信号の強度が弱ければ、測定装置10は、その通信エリアARを低密度通信エリアAR21であると判定する。また、受信した無線信号の強度が強ければ、測定装置10は、その通信エリアARを高密度通信エリアAR22であると判定する。
なお、測定装置10は、アップリンクULだけでなく、ダウンリンクDLやサイドリンクSDLの強度を推定することもできる。
この測定装置10の具体的な機能構成の一例について図2を参照して説明する。
図2は、本実施形態の測定装置10の機能構成の一例を示す図である。測定装置10は、受信部20と、記憶部30と、表示装置DSPとに接続される。測定装置10は、例えば、スマートフォンやタブレットなどのパームトップ型の端末として構成されてもよいし、ノートPC(Personal Computer)などのラップトップ型の端末として構成されてもよい。なお、測定装置10は、受信部20と、記憶部30と、表示装置DSPとが一体の装置として構成されていてもよいし、これらの一部が別体の装置として構成されていてもよい。また、記憶部30がネットワークを介して接続されるサーバ装置(例えば、クラウドサーバ)として構成される場合には、測定装置10は、このサーバ装置との通信を行う機能を備えていてもよい。また、この一例において、測定装置10が可搬型の装置であるとして説明するが、これに限られない。測定装置10は、据置型や車載型の装置であってもよい。
参照信号生成部120は、無線信号の受信電力の大きさの基準を示す参照信号RFSを生成する。参照信号生成部120は、生成した参照信号RFSを推定部140に対して供給する。
相関パターン情報取得部130は、記憶部30から、相関パターン情報PDを取得する。ここで、相関パターン情報PDとは、無線信号の受信電力の大きさと参照信号RFSが示す基準電力の大きさとの関係を示す電力比と、当該無線信号と参照信号RFSとの間の周期自己相関のパターンとが対応付けられた情報である。相関パターン情報取得部130は、取得した相関パターン情報PDを推定部140に対して供給する。
重畳部141は、取得した受信信号RXSと参照信号RFSとを重畳して、重畳信号SGを生成する。
信号遅延部142は、重畳部141が生成した重畳信号SGを遅延させて、遅延重畳信号DSGを生成する。
自己相関信号生成部143は、重畳部141が生成した重畳信号SGと、信号遅延部142が生成した遅延重畳信号DSGとに基づいて、時間軸自己相関信号ASを生成する。
高速フーリエ変換部144は、自己相関信号生成部143が生成した時間軸自己相関信号ASに対して時間軸・周波数軸変換を行い、周波数軸自己相関信号を生成する。
二乗値算出部145は、高速フーリエ変換部144が生成した周波数軸自己相関信号の絶対値の二乗値を算出する。以下の説明において、この二乗値算出部145が算出する値を、自己相関信号CAFと称する。なお、自己相関信号CAFは、高速フーリエ変換部144が生成する周波数軸自己相関信号、すなわち複素数の信号であってもよい。この場合、二乗値算出部145は必須ではない。
次に、図4を参照して、測定装置10の動作の一例について説明する。
図4は、本実施形態の測定装置10の動作の一例を示す図である。
なお、同図に示す一例では、受信信号RXSが受信されたタイミングと、参照信号RFSが生成されたタイミングとが、OFDMシンボルのシンボル長SLの半分ずれている。これら2つの信号のOFDMシンボルどうしのずれ時間は、受信信号RXSが受信されたタイミングと、参照信号RFSが生成されたタイミングとの相対時刻差により変化する。
信号遅延部142は、重畳信号SGを遅延させた遅延重畳信号DSGを生成する。この遅延重畳信号DSGには、受信信号RXSを遅延させた遅延受信信号DRXSの成分と、参照信号RFSを遅延させた遅延参照信号DRFSの成分とが含まれる。
自己相関信号生成部143は、重畳信号SGと遅延重畳信号DSGとに基づいて、時間軸自己相関信号ASを生成する。
高速フーリエ変換部144及び二乗値算出部145は、時間軸自己相関信号ASを時間軸から周波数軸に変換して、その二乗値を算出し、自己相関信号CAFを生成する。
自己相関信号CAFには、信号の波形の周期性に応じて、様々な特徴が出現する。例えば、OFDM信号x(t)についてのx(t)x(t−τ)においては、τ=±TUにおいて、TU+TCPの周期でピークが出現する。この結果、パラメータτ=±TU及びα=n/(TU+TCP)(ただし、nは整数)において、自己相関信号CAFはピークを有することとなる。また、これらの値以外のパラメータでは、自己相関信号CAFは、ピークを有しない(すなわち、自己相関信号CAFの値は0に近くなる)こととなる。
上述した記憶部30には、参照信号RFSと受信信号RXSとの間のOFDMシンボルのずれ量を様々に変化させた場合の様々な出現パターンが、相関パターン情報PDとして記憶されている。また、記憶部30には、参照信号RFSと受信信号RXSとの間の電力比を様々に変化させた場合の様々な出現パターンが、相関パターン情報PDとして記憶されている。換言すれば、相関パターン情報PDには、参照信号RFSと受信信号RXSとの様々な組み合わせによって得られる様々な自己相関信号CAFの出現パターンが、OFDMシンボルのずれ量及び電力比に対応付けられて予め記憶されている。
図6は、電力比が0である場合の自己相関信号CAFの一例を示す図である。同図には横軸を周波数とし縦軸を振幅とした場合の自己相関信号CAFの一例を示す。測定装置10は、受信部20が無線信号を受信していない場合には、参照信号RFSのみによって自己相関信号CAFを生成する。この場合、自己相関信号CAFには、高調波hm11〜高調波hm18の各高調波hmが出現する。換言すれば、この図6に示す自己相関信号CAFの出現パターンは、測定装置10が無線信号を受信していない場合の出現パターンである。
ここで、参照信号生成部120が生成する参照信号RFSの電力の大きさを基準にした、観測対象信号取得部110が取得する受信信号RXSの電力の大きさを「2信号間の電力比」とすると、測定装置10が無線信号を受信していない場合とは、2信号間の電力比が0である場合ともいえる。すなわち、この図6に示す自己相関信号CAFの出現パターンは、2信号間の電力比が0である場合の出現パターンであるともいえる。
パラメータ推定部146は、相関パターン情報PDとのパターンマッチング(上述したステップS50)の結果、この図6に示す出現パターンにマッチングした場合には、電力比が0であると推定する。
パラメータ推定部146は、相関パターン情報PDとのパターンマッチング(上述したステップS50)の結果、この図7に示す出現パターンにマッチングした場合には、電力比が1であり、OFDMシンボルのずれ量がシンボル長SLの半分であると推定する。
この場合、パラメータ推定部146は、相関パターン情報PDとのパターンマッチング(上述したステップS50)の結果、この図8に示す出現パターンにマッチングした場合には、電力比が0.7であり、OFDMシンボルのずれ量がシンボル長SLの半分であると推定する。
この場合、パラメータ推定部146は、相関パターン情報PDとのパターンマッチング(上述したステップS50)の結果、この図9に示す出現パターンにマッチングした場合には、電力比が0.5であり、OFDMシンボルのずれ量がシンボル長SLの半分であると推定する。
以上説明したように、本実施形態の測定装置10は、受信信号RXSと参照信号RFSとの様々な組み合わせによる自己相関信号CAFの出現パターンを示す相関パターン情報PDに基づいて、参照信号RFSに対する受信信号RXSの電力比を推定する。ここで、測定装置10は、参照信号生成部120を備えており、参照信号RFSを自ら生成する。したがって、測定装置10は、参照信号RFSの信号強度(すなわち、基準電力)を既知として、受信信号RXSの電力比を推定する。つまり、本実施形態の測定装置10は、参照信号RFSを絶対基準にして受信信号RXSの電力比を推定することができる。一例として、測定装置10がアップリンクULを受信信号RXSとして受信するように設定される場合、受信信号RXS(すなわちアップリンクUL)の電力比を推定することにより、測定装置10が存在する位置の通信エリアARにおけるアップリンクULの電波の量を推定することができる。このように構成された測定装置10によれば、端末装置TMによる電波利用状況を推定することができる。この測定装置10が推定する端末装置TMの電波利用状況に基づいて、通信エリアAR内において通信中の端末装置TMの密度を求めることができるため、例えば、基地局BSの新設などの設備投資計画を立てることができる。
また、本実施形態の一例においては、測定装置10は、受信信号RXSを受信すると同時に推定部140における推定を行うものとして説明したが、これに限られない。受信信号RXSの受信タイミング及び受信振幅が記憶されていれば、測定装置10は、この記憶された受信信号RXSの情報に基づいて推定してもよい。
さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
Claims (6)
- 受信された無線信号を観測対象信号として取得する観測対象信号取得部と、
無線信号の受信電力の大きさの基準を示す参照信号を生成する参照信号生成部と、
無線信号の受信電力の大きさと前記参照信号が示す基準電力の大きさとの関係を示す電力比と、当該無線信号と前記参照信号との間の周期自己相関のパターンとが対応付けられて相関パターン情報として記憶されている記憶部から、前記相関パターン情報を取得する相関パターン情報取得部と、
前記観測対象信号取得部が取得する前記観測対象信号と前記参照信号生成部が生成する前記参照信号との間の周期自己相関のパターンと、前記相関パターン情報取得部が取得する周期自己相関のパターンとが比較された比較結果と、前記参照信号が示す基準電力の大きさとに基づいて、前記観測対象信号の受信電力の大きさを推定する推定部と、
前記推定部が推定する前記観測対象信号の受信電力の大きさを示す受信電力情報を出力する受信電力情報出力部と、
を備える測定装置。 - 前記参照信号生成部は、
前記比較結果に基づいて、前記参照信号が示す基準電力の大きさを可変に制御し、
前記推定部は、前記参照信号生成部によって制御された前記基準電力の大きさに基づいて、前記観測対象信号の受信電力の大きさを推定する
請求項1に記載の測定装置。 - 前記参照信号は、無線信号の受信タイミングの基準をさらに示し、
前記記憶部には、無線信号の受信タイミングと、前記参照信号が示す基準タイミングとのタイミングの差の大きさと、当該無線信号と前記参照信号との間の周期自己相関のパターンとがさらに対応付けられて前記相関パターン情報として記憶されており、
前記推定部は、前記比較結果と、前記参照信号が示す基準タイミングとに基づいて、前記観測対象信号の受信タイミングと前記基準タイミングとの差の大きさを推定する
請求項1又は請求項2に記載の測定装置。 - 前記参照信号は、無線信号との間の周期自己相関の奇数次高調波の出現パターンに基づいて定められている
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の測定装置。 - 受信された無線信号を観測対象信号として取得する観測対象信号取得ステップと、
無線信号の受信電力の大きさの基準を示す参照信号を生成する参照信号生成ステップと、
無線信号の受信電力の大きさと前記参照信号が示す基準電力の大きさとの関係を示す電力比と、当該無線信号と前記参照信号との間の周期自己相関のパターンとが対応付けられて相関パターン情報として記憶されている記憶部から、前記相関パターン情報を取得する相関パターン情報取得ステップと、
前記観測対象信号取得ステップにおいて取得される前記観測対象信号と前記参照信号生成ステップにおいて生成される前記参照信号との間の周期自己相関のパターンと、前記相関パターン情報取得ステップにおいて取得される周期自己相関のパターンとが比較された比較結果と、前記参照信号が示す基準電力の大きさとに基づいて、前記観測対象信号の受信電力の大きさを推定する推定ステップと、
前記推定ステップにおいて推定される前記観測対象信号の受信電力の大きさを示す受信電力情報を出力する受信電力情報出力ステップと、
を有する測定方法。 - 測定装置が備えるコンピュータに、
受信された無線信号を観測対象信号として取得する観測対象信号取得ステップと、
無線信号の受信電力の大きさの基準を示す参照信号を生成する参照信号生成ステップと、
無線信号の受信電力の大きさと前記参照信号が示す基準電力の大きさとの関係を示す電力比と、当該無線信号と前記参照信号との間の周期自己相関のパターンとが対応付けられて相関パターン情報として記憶されている記憶部から、前記相関パターン情報を取得する相関パターン情報取得ステップと、
前記観測対象信号取得ステップにおいて取得される前記観測対象信号と前記参照信号生成ステップにおいて生成される前記参照信号との間の周期自己相関のパターンと、前記相関パターン情報取得ステップにおいて取得される周期自己相関のパターンとが比較された比較結果と、前記参照信号が示す基準電力の大きさとに基づいて、前記観測対象信号の受信電力の大きさを推定する推定ステップと、
前記推定ステップにおいて推定される前記観測対象信号の受信電力の大きさを示す受信電力情報を出力する受信電力情報出力ステップと、
を実行させるためのプログラム。
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WO2009145326A1 (ja) * | 2008-05-27 | 2009-12-03 | 日本電気株式会社 | コグニティブ無線システム、コグニティブ無線機および無線信号検出方法 |
JP2016136696A (ja) * | 2015-01-23 | 2016-07-28 | 株式会社Kddi研究所 | 無線品質推定装置、制御方法、及びプログラム |
JP2016139858A (ja) * | 2015-01-26 | 2016-08-04 | 株式会社Kddi研究所 | 推定装置、制御方法、及びプログラム |
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