JP2019176119A - 固体レーザ装置 - Google Patents
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(1)利得幅内の縦モード数が実質的に3本以下のレーザ光を出力する固体レーザ装置は、光共振器を構成する一対の反射手段と、前記一対の反射手段間に配置され、励起されて光を放出するレーザ媒質と、前記一対の反射手段間に配置され、前記レーザ媒質が放出する放出光を偏光する偏光制御手段と、を備え、前記偏光制御手段はフォトニック結晶で形成されている、ことを特徴とする。
本実施形態の固体レーザ装置1は、励起光源2と本体3を備える。励起光源2はレーザ媒質33を励起するために用いられる。励起光源2の光源11が生成した励起光BEは、ファイバーを介して出力端12から出射される。本実施形態では波長808nmの励起光BEが出力端12から出射される。なおファイバーと出力端12を用いず、励起光BEが光源11から直接出射されてもよい。
本実施形態の第1反射部31は、励起光BEを透過させ、レーザ媒質33から放出される放出光を反射させる全反射ミラーとして作用する。本実施形態の第1反射部31は誘電体多層膜で形成されている。レーザ媒質33と可飽和吸収体35の接合面とは反対側の端面に第1反射部31が形成(蒸着)されている。
本実施形態のレーザ媒質33は光活性物質を含有しており、励起光源2(例えば、レーザダイオード)から出射される励起光BEが入射されることで光活性物質が励起され、その光活性物質から放出光を発生するものである。レーザ媒質33としては、母材としてのYAG結晶中のイットリウム(Y)を他の希土類元素で置換したものを用いることができる。本実施形態では、レーザ媒質33として、例えばNd:YAG結晶を用いている。Nd:YAG結晶は、レーザ媒質として多く使用されており、安価であって取り扱い性に優れているからである。レーザ媒質33としては、Nd:YAG結晶に限られることなく、例えばYb:YAG結晶などを用いることもできる。
本実施形態の可飽和吸収体35は、光吸収の飽和により光吸収率が小さくなるものであって、光共振器において受動Qスイッチとして作動する。本実施形態の可飽和吸収体35をQスイッチと呼んでもよい。可飽和吸収体35は、光強度が小さいときには光吸収率が大きく、光強度が所定値を超えると光吸収が飽和して光吸収率が急に小さくなる特性を有する。本実施形態では可飽和吸収体35を、固体レーザ装置1からレーザ光BLのパルス(ジャイアントパルス)を出力するために用いている。この可飽和吸収体35は、レーザ媒質33に接合されている。本実施形態では、可飽和吸収体35として、例えばCr:YAG結晶を用いている。本実施形態において、可飽和吸収体35の厚さ(図1の紙面左右方向)は、例えば3〜5mm程度であり、透過率が30〜50%になるように決定される。なお、この透過率は30〜50%に限られることなく、例えば透過率20%程度になるように、可飽和吸収体35の厚さを決めることもできる。
本実施形態の第2反射部41は、レーザ媒質33からの放出光の一部を透過させ残部を反射させるハーフミラーとして作用する。また本実施形態の第2反射部41は更に、レーザ光BL(レーザ媒質33が放出する放出光)に対する偏光制御の作用も有する。なお本実施形態の第2反射部41はレーザ光BLを直線偏光する。詳細には、励起光BEに基づきレーザ媒質33から放出される放出光は、光共振器内で発振して、第2反射部41からレーザ光BLとして出力される。第2反射部41の作用に着目すると、可飽和吸収体35の光吸収率が小さくなると、放出光は光共振器を構成する第1反射部31と第2反射部41とで反射(つまり発振)しつつ第2反射部41からレーザ光BLとして出力される。ここで放出光(レーザ光BL)が第2反射部41で反射する際に、第2反射部41によって直線偏光化が行われる。なお本実施形態の第2反射部41は、入射光の40%程度(例えば30〜50%の範囲内)を反射し、入射光の90%以上を透過する特性を有する。本実施形態の第2反射部41は入射光に対して、反射、偏光、および透過を行う。このように本実施形態の第2反射部41は、光共振器を構成する出力ミラーとしての作用とレーザ光BLを偏光制御する作用とを兼ね備える。
図5は本実施形態の固体レーザ装置1が生成するレーザ光BLの特性を示す。図5にて点線で示す曲線は、レーザ媒質33の利得特性を示す。図5にて符号P1,符号P2,符号P2で示す実線は、本実施形態の固体レーザ装置1の縦モードを示す。本実施形態の固体レーザ装置1は短い光共振器長であるため、縦モード数が単一に近づけられている。本実施形態の固体レーザ装置1は、レーザ媒質33の利得幅内の縦モード数が実質的に3本以下、又はレーザ媒質33の利得特性において、半値幅Q内に存在する縦モード数が実質的に2本以下である。なお、利得幅内の縦モード数が単一(1本:縦モードシングル)に近づくほど好ましい。
図12〜15を併用し、本実施形態の固体レーザ装置1を用いた実験例を説明する。図12は、実験に用いた固体レーザ装置の全体構成図である。図1と同じ符号箇所の説明は省略する。
図10と図11を併用し、本実施形態の固体レーザ装置1とフォトニック結晶を用いない比較用の固体レーザ装置(固体レーザ装置110,固体レーザ装置120)とを比較する。固体レーザ装置110,固体レーザ装置120は共に、マイクロチップレーザ(又は縦モードが単一に近づけられたレーザ)であるものとする。なお図10と図11において図1と同じ符号箇所は同じ部材であるため説明を省略する。
図7に示す第1変容例の固体レーザ装置101は入力素子28を備え、入力素子28はフォトニック結晶が形成されている第1反射部52を有する。また第1変容例の固体レーザ装置101は、誘電体多層膜が形成されている第2反射部83を備える。第1反射部52には2次元型又は3次元型のフォトニック結晶が形成されており、レーザ光BLの直線偏光と全反射が可能である。ここで第1反射部52は更に、励起光BEを通過させる特性も有する。第2反射部83は比較用の固体レーザ装置110と同じ部材であるため説明を省略する。
次いで図8を用いて第2変容例の固体レーザ装置102を説明する。第2変容例の固体レーザ装置102は、励起光BEをレーザ光BLの出力側(つまり出力ミラー側)から入射させる。第1反射部54(全反射ミラー)にはフォトニック結晶が形成されている。詳細には、可飽和吸収体35の片面にフォトニック結晶がコーティングで形成されている。第1反射部54はレーザ光BLの全反射の作用とレーザ光BLの偏光制御の作用を有する。
次いで図9を用いて第3変容例の固体レーザ装置103を説明する。第3変容例の固体レーザ装置103は、偏光制御用の部材が独立して設けられている。第3変容例の固体レーザ装置103は、レーザ光BLに対する偏光制御の作用は偏光制御素子29(偏光制御手段)で行い、レーザ光BLに対するハーフミラーの作用は第2反射部83(反射手段)で行う。なお第2反射部88と基板87は比較用の固体レーザ装置120と同じであるため説明を省略する。偏光制御素子29は偏光制御部57と基板58を備える。偏光制御部57はフォトニック結晶であり、フォトニック結晶は透明な板状部材である基板58の片面に形成されている。偏光制御素子29ではレーザ光BLの直線偏光が行われる。
図6は一例として、本実施形態の固体レーザ装置1を搭載した眼科用レーザ治療装置200を示す。なお図6は、後述する選択的レーザー線維柱帯形成術の場合を示している。本実施形態の眼科用レーザ治療装置200は、患者眼Epに第1波長の治療レーザ光を照射する第1照射手段8と、患者眼Epに第2波長の治療レーザ光を照射する第2照射手段9とを備える。眼科用レーザ治療装置200は更に、患者眼Epを観察するための観察手段7を備える。観察手段は対物レンズ69とダイクロイックミラー68を第1照射手段8等と兼用し、変倍レンズ群71と術者眼Eoが覗く接眼レンズ72を備える。本実施形態では第1照射手段8と第2照射手段9と観察手段7は筐体6に収容されている。本実施形態では第1照射手段8と第2照射手段9とで固体レーザ装置1を共用する。
なお本開示の固体レーザ装置はレーザ光BLをパルス出力するため可飽和吸収体35を備えるが、可飽和吸収体35を備えない固体レーザ装置の態様であってもよい。つまりフォトニック結晶を用いた偏光制御で光共振器長を短くできればよい。また本開示の固体レーザ装置は光共振器の光損失を変化させるQスイッチとして可飽和吸収体35(言い換えるなら受動Qスイッチ)を用いるが、これに限るものでは無く、Qスイッチで光共振器の光損失を変化できればよい。例えば能動Qスイッチ(AOM,EOM等)を用いてもよい。Qスイッチとフォトニック結晶を組み合わせて、例えば、共振器長を抑制しつつ、直線偏光されたレーザ光BLをパルス(ジャイアントパルス)として出力できればよい。なおフォトニック結晶を形成する箇所は、光共振器を構成する反射手段(図1の第2反射部41等)、又は偏光制御用として独立した部材(図9の偏光制御部57)に限らない。例えばレーザ媒質33や可飽和吸収体35の表面に、偏光制御するためのフォトニック結晶を形成してもよい。つまりレーザ媒質33や可飽和吸収体35の表面に、フォトニック結晶をコーティングで形成してもよい。光共振器間に偏光制御するためのフォトニック結晶が配置されればよい。
31 第1反射部
33 レーザ媒質
41 第2反射部
Claims (4)
- 利得幅内の縦モード数が実質的に3本以下のレーザ光を出力する固体レーザ装置は、
光共振器を構成する一対の反射手段と、
前記一対の反射手段間に配置され、励起されて光を放出するレーザ媒質と、
前記一対の反射手段間に配置され、前記レーザ媒質が放出する放出光を偏光する偏光制御手段と、
を備え、
前記偏光制御手段はフォトニック結晶で形成されている、
ことを特徴とする固体レーザ装置。 - 請求項1に記載の固体レーザ装置であって、前記偏光制御手段は前記レーザ媒質が放出する放出光を直線偏光する、ことを特徴とする固体レーザ装置。
- 請求項1または2に記載の固体レーザ装置は、前記一対の反射手段間に配置され、前記光共振器の光損失を変化させるQスイッチを備える、ことを特徴とする固体レーザ装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体レーザ装置は、前記一対の反射手段の少なくともいずれかに前記フォトニック結晶が形成されており、前記フォトニック結晶は前記レーザ媒質が放出する放出光に対して反射と偏光を行う、ことを特徴とする固体レーザ装置。
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