JP2019175707A - スパークプラグ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】スパークプラグの細径化と耐電圧の向上との両立が可能になるスパークプラグ及びその製造方法を提供する。【解決手段】中心電極3の基端側の外側面31と、絶縁碍子2の内側面21との間に隙間に導電性ガラス粉末を充填し、加熱し、冷却することにより、スパークプラグ1を製造する。隙間の大きさTmmと導電性ガラス粉末の平均粒子径Xとが下記式Iの関係を満足する。スパークプラグ1においては、内側面21と外側面31との間隔150内における導電性ガラスシール部4内に存在する気孔41のうち、内側面21に隣接する隣接気孔411の最大径Ymmと、間隔150の大きさTmmとが下記式VIの関係を満足する。1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T<5.46 ・・・(I)444Y−13T<26.6 ・・・(VI)【選択図】図3

Description

本発明は、筒状の絶縁碍子と、該絶縁碍子内に挿入された中心電極との間に形成された導電性ガラスシール部を有するスパークプラグに関する。
スパークプラグは、自動車のエンジン等の内燃機関における着火手段として用いられる。スパークプラグは、中心電極と接地電極とを軸方向に対向させてこれらの間に火花放電ギャップを形成している。中心電極と接地電極との間にパルス電圧をかけることにより、火花放電ギャップに火花放電が発生する。
特許文献1には、棒状部と、この棒状部の直径よりも大きな直径を有する頭部とを有する中心電極と、軸孔内の先端側に中心電極が設けられた筒状の絶縁体と、中心電極を軸孔内に固定するシール部とを備えるスパークプラグが開示されている。このスパークプラグは、曲率半径Rが0.1mm以上の連接面をシール部に有している。絶縁体は絶縁碍子ともいわれる。
特許第5449581号公報
近年、エンジンの高効率、高出力化に伴い、エンジンの設計自由度を確保するために、使用するスパークプラグの細径化のニーズがますます高まっている。スパークプラグの細径化のために筒状の絶縁碍子の細径化が求められ、絶縁碍子の外径を小さくするというニーズがある。
しかしながら、絶縁碍子の内径を変えずに、絶縁碍子の外径を小さくすると、絶縁碍子の肉厚が小さくなる。その結果、絶縁碍子の耐電圧が低下してしまう。一方、耐電圧を十分に確保できるように絶縁碍子の肉厚を大きくしようとすると、絶縁碍子の内径を小さくし、絶縁碍子内に配置される中心電極等の部品の外径を小さくする必要がある。このとき、耐電圧確保のために肉厚を可能な限り大きくしようとすると、絶縁碍子の中心電極の基端側の外側面と絶縁碍子の内側面との間の隙間が小さくなる。
中心電極と絶縁碍子との隙間が小さくなると、シール部を形成するための導電性ガラス粉末が隙間に入り難くなり、導電性ガラス粉末の充填密度が低下する。その結果、導電性ガラス粉末の加熱焼結後に形成されるシール部内に粗大な気孔が形成されやすくなる。スパークプラグに大電流が流れたときに、シール部内の粗大な気孔には高電圧が印加されることとなるため、気孔内の空気が電離して部分放電が発生する。その結果、絶縁碍子への電子供給量が増大して耐電圧が低下する。特に、絶縁碍子の内側面に隣接する気孔(つまり隣接気孔)が形成されると、部分放電による耐電圧の低下が起こりやすくなる。
また、絶縁碍子の細径化により絶縁碍子の内径が小さくなると、従来のように連接面の曲率半径Rを十分に大きくすることが困難になる。つまり、曲率半径Rを大きくすると、絶縁碍子の内側面がより中心電極側に近づくため、絶縁碍子と中心電極との隙間がより小さくなる。その結果、導電性ガラス粉末が隙間に一層入り難くなり、シール部内に粗大な気孔がより一層形成されやすくなる。したがって、部分放電による耐電圧の低下がますます起こりやすくなる。つまり、連接面の曲率半径を大きくする方法では、スパークプラグの細径化と耐電圧の向上との両立が困難になる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、スパークプラグの細径化と耐電圧の向上との両立が可能になるスパークプラグ及びその製造方法を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、筒状の絶縁碍子(2)内に長尺状の中心電極(3)を挿入し、該中心電極の基端側の外側面(31)と、上記絶縁碍子の内側面(21)との間に隙間(15)を設けた状態にて上記中心電極を上記絶縁碍子内に配置する挿入工程(S1)と、
上記隙間に導電性ガラス粉末(400)を充填する充填工程(S2)と、
上記隙間内の上記導電性ガラス粉末を軟化させる加熱工程(S3)と、
軟化状態の上記導電性ガラス粉末を冷却することにより、上記中心電極の基端側を上記絶縁碍子内に固着する導電性ガラスシール部(4)を形成する冷却工程(S4)と、を有し、
上記隙間の大きさTmmと上記導電性ガラス粉末の平均粒子径Xとが下記式Iの関係を満足する、スパークプラグ(1)の製造方法。
1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T<5.46 ・・・(I)
本発明の他の態様は、筒状の絶縁碍子(2)と、
該絶縁碍子内に挿入配置された長尺状の中心電極(3)と、
該中心電極の基端側の外側面(31)と、上記絶縁碍子の内側面(21)との間に形成された導電性ガラスシール部(4)と、を有し、
上記内側面と上記外側面との間隔(150)内における上記導電性ガラスシール部に存在する気孔(41)のうち、上記絶縁碍子の上記内側面に隣接する隣接気孔(411)の最大径Ymmと、上記間隔の大きさTmmとが下記式VIの関係を満足する、スパークプラグ(1)にある。
444Y−13T<26.6 ・・・(VI)
上記製造方法においては、挿入工程と、充填工程と、加熱工程と、冷却工程とが行われ、中心電極と絶縁碍子との隙間の大きさTmmと導電性ガラス粉末の平均粒子径Xmmとが式(I)の関係を満足する。これにより、隙間の大きさTと平均粒子径Xとの関係が良好になり、中心電極と絶縁碍子との隙間内に導電性ガラス粉末が入り易くなり、隙間内での導電性ガラス粉末の充填密度が向上する。
その結果、導電性ガラスシール部内において、部分放電を生じ易い粗大な気孔の形成が抑制される。さらに、絶縁碍子の内側面に隣接する隣接気孔の形成も抑制される。したがって、絶縁碍子への電界集中が抑制され、耐電圧の低下を十分に防止できるスパークプラグの製造が可能になる。スパークプラグを細径化しても、スパークプラグは優れた耐電圧を示すことができる。
上記スパークプラグにおいては、絶縁碍子と中心電極との間隔における導電性ガラスシール部内に存在する気孔のうち、絶縁碍子の内側面に隣接する隣接気孔の最大径Ymmと、間隔の大きさTmmとが式VIの関係を満足する。これにより、間隔Tと隣接気孔Yとの関係が良好になり、絶縁碍子への電界集中が抑制される。つまり、スパークプラグの耐電圧の低下を十分に防止される。スパークプラグは、絶縁碍子を細径化しても優れた耐電圧を示すことができる。
以上のごとく、上記態様によれば、スパークプラグの細径化と耐電圧の向上との両立が可能になるスパークプラグ及びその製造方法を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
実施形態1における、スパークプラグの全体構造を示す縦断面図である。 実施形態1における、スパークプラグにおける導電性ガラスシール部の拡大断面図である。 実施形態1における、スパークプラグにおける絶縁碍子と中心電極の基端側との間隔の拡大断面図である。 実施形態1における、隣接気孔の第1の形態例を示す説明図である。 実施形態1における、隣接気孔の第2の形態例を示す説明図である。 実施形態1における、隣接気孔の第3の形態例を示す説明図である。 実施形態1における、サブアッセンブリ状態のスパークプラグを製造する方法を示す組付工程図である。 実施形態1における、中心電極が挿入された絶縁碍子の主要部拡大断面図である。 実施形態1における、絶縁碍子と中心電極との隙間内に導電性ガラス粉末が充填された絶縁碍子の主要部拡大断面図である。 変形例1における、スパークプラグにおける導電性ガラスシール部の拡大断面図である。 変形例2における、スパークプラグにおける導電性ガラスシール部の拡大断面図である。 実験例における、中心電極と絶縁碍子の隙間の大きさTと、導電性ガラス粉末の平均粒子径Xと、耐電圧上昇率ΔEとの関係を示すグラフである。 実験例における、中心電極と絶縁碍子の間隔の大きさTと、導電性ガラスシール部内に存在する隣接気孔の最大径Yと、耐電圧上昇率との関係を示すグラフである。 図13における隣接気孔の最大径0.050〜0.070mmの範囲の拡大図。 図13における隣接気孔の最大径0.045〜0.065mmの範囲の拡大図。 図13における隣接気孔の最大径0.040〜0.060mmの範囲の拡大図。 図13における隣接気孔の最大径0.030〜0.050mmの範囲の拡大図。
(実施形態1)
スパークプラグに係る実施形態1について、図面を参照しながら説明する。図1に例示するように、スパークプラグ1は長尺状である。スパークプラグ1は内燃機関用である。内燃機関は、例えば自動車用エンジンであり、スパークプラグ1は、後述の取付金具11によって、図示しないエンジン燃焼室に臨むシリンダヘッドの取付孔に取り付けられる。
本明細書ではスパークプラグ1の長尺方向Dにおける燃焼室内に突出する側を先端側D1といい、その反対側を基端側D2という。つまり、図1における下側が先端側D1であり、上側が基端側D2である。スパークプラグ1の長尺方向Dと直交する方向を径方向という。つまり、図1における左右方向が径方向である。
スパークプラグ1は、取付金具11と、絶縁碍子2と、中心電極3と、導電性ガラスシール部4、48と、抵抗体5と、ステム6と、接地電極7とを具備する。導電性ガラスシール部4、48には、中心電極3の基端側D2と抵抗体5の先端側D1との間に設けられた第1導電性ガラスシール部4と、抵抗体5の基端側D2とステム6の先端側D1との間2に設けられた第2導電性ガラスシール部48とがある。
筒状の取付金具11は内側に絶縁碍子2を保持している。絶縁碍子2は、軸孔210内の先端側D1に中心電極3を保持し、軸孔210内の基端側にステム6の軸部61を保持する。第1導電性ガラスシール部4は、中心電極3の基端側D2を絶縁碍子2の軸孔210内に固定している。第2導電性ガラスシール部48は、ステム6の先端側D1を絶縁碍子2の軸孔210内に固定している。
接地電極7は、絶縁碍子2の軸孔210の先端側D1において中心電極3と対向する。抵抗体5は、絶縁碍子2の軸孔210内において中心電極3とステム6との間に配置される。スパークプラグ1においては、絶縁碍子2と中心電極3とが同軸配置されており、長尺方向Dは、軸方向Dということができる。以下、スパークプラグ1を構成する各部を詳説する。
取付金具11は、筒状であり、絶縁碍子2を内側に保持する。取付金具11は、長尺方向Dの先端側D1の外周に取付用ネジ部12を有し、基端側D2に、取付用ネジ部12より外径が大きい大径部13を有している。
取付金具11の大径部13の内側には、絶縁碍子2の中間部に設けた大径部22が収容保持され、大径部22の基端縁部24を加締め固定して気密シールしている。取付金具11は、例えば、炭素鋼等の鉄系合金材料からなる。
絶縁碍子2は筒状の取付金具11の内側に保持される。絶縁碍子2は長尺方向Dを貫通する軸孔210を有する。絶縁碍子2の軸孔210内には中心電極3が保持される。絶縁碍子2の先端部23は、取付金具11の先端開口111よりも先端側D1に突出している。絶縁碍子2は、アルミナ等の絶縁性セラミックスからなる。
中心電極3は、スパークプラグ1の長尺方向Dに伸びる長尺状である。中心電極3は、絶縁碍子2の軸孔210内の先端側D1に保持される。中心電極3は、大径の基端部32を有し、基端部32が絶縁碍子2の軸孔210の内周に設けたテーパ状の段差面211上に支持される。一方、中心電極3は、テーパ状の先端部311を有し、先端部311は、絶縁碍子2の先端部23よりも、さらに先端側D1に突出している。
長尺方向Dに伸びる絶縁碍子2の内側面21と段差面211との境界212は曲面形状により形成されていることが好ましい。この場合には、境界212に、非曲面形状が形成されている場合に比べて、境界212に電界集中が起こることを防止できる。非曲面形状としては、例えば境界212にて鈍角などを形成する角部がある。曲面形状は径方向の外方に向けて突出するように形成される。曲面形状は、所謂R形状ともいわれ、この場合には境界212は曲率半径Rを有する。境界212に曲面が形成されている場合には、絶縁碍子2の縮径化に伴って隙間15の大きさがさらに小さくなるため、導電性ガラス粉末400の充填性による上述の問題が顕著になる。したがって、式(I)、式(VI)を満足する等の本形態の構成を採用することによる優位性が顕著になる。
接地電極7は、断面形状全体がL字形(具体的には、図1では逆L字状)に屈曲する板状体であり、基端側D2が取付金具11の先端面に接合固定されている。接地電極7は、中心電極3の側方で軸方向Dに延び、先端部71が径方向の内側に屈曲して中心電極3の先端部311に対向している。これにより、中心電極3の先端部311と接地電極7の先端部71との間に、火花放電ギャップGが形成される。
中心電極3、接地電極7は、例えば、Ni(すなわち、ニッケル)を主成分として含むNi基合金等の金属材料を母材として構成される。電極内部に、熱伝導性に優れた金属、例えば、Cu(すなわち、銅)又はCu合金等の金属材料等からなる芯材を有して構成されていてもよい。中心電極3の先端部311と、接地電極7の先端部71との対向面には、例えば、円柱状に成形された貴金属チップが、溶接等により接合される。貴金属材料としては、例えば、Pt(すなわち、白金)、Ir(すなわち、イリジウム)、Rh(すなわち、ロジウム)等が挙げられ、これら貴金属から選ばれる少なくとも1種類を主成分として含む貴金属又は貴金属合金を用いることができる。
ステム6は、大径の端子部62と、これより小径の軸部61とを備える。軸部61は、端子部62側の基端部611と、これより先端側D1の主軸部612とからなる。主軸部612は、先端側D1の外周にネジ加工又は溝加工を施してなる外周溝部613を有する。外周溝部613は、抵抗体5との間の導電性ガラスシール部48との固着力を向上させる。
図1において、ステム6は、小径の軸部61が絶縁碍子2の軸孔210内に収容されており、絶縁碍子2への組付時に、導電性ガラスシール部48を介して抵抗体5を加圧する。ステム6の大径の端子部62は、絶縁碍子2の軸孔210の基端開口よりも基端側D2に突出し、図示しない高電圧源に接続される。高電圧源は、例えば、車載バッテリに接続されて点火用高電圧を発生する点火コイルであり、図示しない制御装置に接続されている。
絶縁碍子2の軸孔210内において、ステム6の軸部61と中心電極3との間には、導電性ガラスシール部4、48を介して抵抗体5が設けられる。抵抗体5は、導電性材料を含有する円柱状の部材であり、所望の抵抗値に調整されている。抵抗体5は、中心電極3とステム6とを電気的に接続すると共に、電波雑音を吸収する機能を有する。抵抗体5は、例えば、ホウケイ酸ガラス等のガラス材料と骨材とを含む基材に、カーボン材料等の導電性材料が分散した集合体からなる。具体的には、導電性材料の粉末とガラス粉末と骨材粉末とを含む粉末材料を熱処理して得られ、例えば、骨材粉末としてジルコニア粉末等のセラミック粉末が用いられる。導電性材料の粉末は、例えば、カーボン粉末を混合したガラスを主成分とするカーボン−ガラス混合粉末として添加することができる。
抵抗体5と中心電極3、抵抗体5とステム6との間には、それぞれ第1導電性ガラスシール部4と第2導電性ガラスシール部48が設けられている。
第1導電性ガラスシール部4及び第2導電性ガラスシール部48は、導電性の接合ガラスからなり、接合ガラスは、例えば、ガラスに銅粉末を混入させてなる銅ガラスからなる。これにより、外部の高電圧源から、ステム6、第2導電性ガラスシール部48、抵抗体5、第1導電性ガラスシール部4を経て、中心電極3に至る導電パスが形成され、中心電極3と接地電極7との間に高電圧が印加されて火花放電が発生する。
第1導電性ガラスシール部4は、中心電極3の基端部32を絶縁碍子2の軸孔210内に固定している。図2及び図3に例示されるように、中心電極3の基端部32の外側面31と、絶縁碍子2の内側面21との間には間隔150が設けられており、第1導電性ガラスシール部4は間隔150を埋めている。
第1導電性ガラスシール部4内には気孔41が形成されることがある。気孔41の大きさは小さいことが好ましく、気孔41の数は少ないことが好ましい。上述の間隔150内に存在する第1導電性ガラスシール部4内にも気孔41が存在することある。図3に例示されるように、間隔150内の第1導電性ガラスシール部4内に存在する気孔41のうち、隣接気孔411の最大径Yと、間隔150の大きさTとが式VIの関係を満足する。なお、間隔150の大きさTは、絶縁碍子2の内側面21と中心電極3基端部32の外側面との距離である。具体的には、図1〜図3に例示されるスパークプラグ1の断面において長尺方向Dにそれぞれ平行に伸びる内側面21と外側面31との距離である。したがって、間隔150の大きさTに関しては、絶縁碍子2のテーパ状の段差面211と中心電極3との距離は考慮されない。後述の隙間15についても同様である。
444Y−13T<26.6 ・・・(VI)
式(VI)を満足しない場合、つまり444Y−13T≧26.6の場合には、耐電圧の向上効果が得られないおそれがある。耐電圧をより十分に向上させるという観点から、隣接気孔411の最大径Yと、間隔150の大きさTとは、式(VII)を満足することが好ましく、式(VIII)を満足することがより好ましく、式IXを満足することがさらに好ましい。
444Y−13T≦23.6 ・・・(VII)
444Y−13T≦21.6 ・・・(VIII)
444Y−13T≦16.6 ・・・(IX)
隣接気孔411は、絶縁碍子2の内側面21に隣接する気孔のことである。隣接気孔411の形状、内側面21への隣接形態は、特に限定されるものではないが、例えば図4〜図6に例示される形態がある。隣接気孔411の最大径は、以下のようにして測定される。具体的には、まず、抵抗体5を含むスパークプラグ1を、軸線を含む半断面状態にし、第1導電性ガラスシール部4の断面を研磨する。次いで、走査型電子顕微鏡(SEM)により、研磨面を観察し、隣接気孔411の最大径Yを測定する。具体的には、最大径の測定は、走査型電子顕微鏡として例えば日本電子社製のJSM−6480LAを用いて、加速電圧20kV、観察倍率50倍という測定条件にて行うことができる。
間隔150の大きさTは、下記の式Xを満足することが好ましい。この場合には、スパークプラグ1の十分な細径化が可能になり、細径化により間隔150の大きさが小さくなっても、上述の式VIを満足させることにより、耐電圧の向上が可能になる。つまり、細径化と耐電圧の向上との両立をより高いレベルで実現することができる。
T≦0.2 ・・・(X)
次に、スパークプラグ1の製造方法について、図7〜図9を参照して説明する。スパークプラグ1は、挿入工程S1、充填工程S2、加熱工程S3、冷却工程S4を行うことにより製造される。まずは、絶縁碍子2内に、中心電極3、抵抗体5、ステム6を組み付けてサブアッセンブリ状態のスパークプラグ100を製造する。
まず、挿入工程S1において、絶縁碍子2の軸孔210内に中心電極3を挿入して配置する。このとき、図8に例示されるように、中心電極3の基端部32の外側面31と絶縁碍子2の内側面21との間には隙間15が形成される。なお、隙間15と上述の間隔150とは、実質的に同じ大きさであるが、隙間15は絶縁碍子2の内側面21と中心電極3の基端部の外側面31との間の空間を意味し、間隔150は、第1導電性ガラスシール部4が存在する絶縁碍子2の内側面21と中心電極3の基端側の外側面31との間を意味する。また、絶縁碍子2の内側面21や中心電極3の基端部32の外側面31がテーパ状又は段差状になっており、間隔150や隙間15が一定でない場合には、最短距離が間隔150や隙間15の大きさTとなる。
図1、図7に例示されるように、挿入工程S1においては、中心電極3の先端部311を絶縁碍子2の先端部23から突出させる。中心電極3におけるその先端側よりも大径の基端部32は、軸孔210内周の段差面211上に当接支持される。
次に、充填工程S2においては、軸孔210内へ、加熱後に第1導電性ガラスシール部4となる第1導電性ガラス粉末400を充填する。充填は、中心電極3が挿入された軸孔210内に第1導電性ガラス粉末400を入れ、加圧治具199にて加圧することにより行われる。第1導電性ガラス粉末400としては、銅ガラス粉末などを用いることができる。第1導電性ガラス粉末400は、絶縁碍子2の内側面21と中心電極3の基端部32の外側面31との間の隙間15内にも充填される。
隙間15の大きさTmmと第1導電性ガラス粉末400の平均粒子径Xmmとは式Iの関係を満足する。隙間の大きさT(単位:mm)は、第1導電性ガラス粉末400が充填される絶縁碍子2の軸孔210の内径d1(単位:mm)と、中心電極3の基端部32の外径d2(単位:mm)とから式(XI)にて算出される。第1導電性ガラス粉末400の平均粒子径Xは、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における体積積算値50%での粒径である。具体的には、平均粒子径は、堀場製作所製のLA−920を用いて、反復回数30回という条件にて測定することができる。なお、式(I)の詳細については後述するが、第1導電性ガラス粉末400の平均粒子径Xと、隙間15の大きさTと、従来品からの耐電圧上昇率ΔVとの関係から、従来よりも耐電圧が上昇する関係式として導き出したものである。
1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T<5.46 ・・・(I)
T=(d1−d2)/2 ・・・(XI)
式(I)の関係を満足しない場合には、スパークプラグ1の耐電圧が不十分になる。これは、隙間15内に第1導電性ガラス粉末400が十分に充填されず、加熱後の導電性ガラスシール部4内に粗大な気孔が形成され、耐電圧に悪影響を及ぼす隣接気孔411が形成されやすくなるためであると考えられる。スパークプラグ1の耐電圧をより高めるという観点から、平均粒子径Xと、隙間15の大きさTとは、式IIを満足することが好ましく、式IIIを満足することがより好ましく、式IVを満足することがさらに好ましい。
1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T≦2.46 ・・・(II)
1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T≦0.46 ・・・(III)
1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T≦−4.74 ・・・(IV)
隙間15の大きさTmmが下記の式(V)を満足することが好ましい。この場合には、スパークプラグ1の十分な細径化が可能になり、細径化により間隔150の大きさが小さくなっても、上述の式VIを満足させることにより、耐電圧の向上が可能になる。つまり、細径化と耐電圧の向上との両立をより高いレベルで実現することができる。
T≦0.2 ・・・(V)
次に、抵抗粉末の充填工程S21を行う。具体的には、加熱後に抵抗体5となる抵抗粉末50を軸孔210内に入れ、加圧治具199にて加圧する。抵抗粉末50としては、例えばカーボン−ガラス混合粉末を用いることができる。
次に、第2導電性ガラス粉末401の充填工程S22を行う。具体的には、加熱後に第2導電性ガラスシール部48となる第2導電性ガラス粉末401を軸孔210内に入れ、加圧治具199にて加圧する。第2導電性ガラス粉末401としては、例えば第1導電性ガラス粉末400と同様のものを用いることができる。
次に、ステム6の挿入工程S23を行う。具体的には、軸孔210内にステム6の軸部61を挿入する。その後、加熱工程S3を行う。
加熱工程S3では、充填工程S2、S21、S22、S23後の絶縁碍子2を加熱する。加熱は例えば加熱炉19内で行うことができる。これにより、第1導電性ガラス粉末400、第2導電性ガラス粉末401、抵抗粉末50が軟化し、流動可能になる。加熱温度はガラス材料の例えば軟化温度以上である。第1導電性ガラス粉末400、第2導電性ガラス粉末401、及び抵抗粉末50が軟化状態にあるときに、ステム6の基端側末端の端子部62を軸孔210内に押し込むことにより、ステム6をさらに軸孔210内に圧入する。軟化時には、各粉末のガラスが溶融していてもよいし、完全に溶融していなくてもよく、少なくとも表面が軟化状態であればよい。
次に、冷却工程S4を行う。冷却工程S4においては、ステム6の圧入後に冷却を行い、軟化状態のガラス材料を固化させる。これにより、第1導電性ガラスシール部4、抵抗体5、及び第2導電性ガラスシール部48が形成される。このようにして、サブアッセンブリ状態のスパークプラグ100が得られる。以下、サブアッセンブリ状態のスパークプラグのことをサブアッセンブリという。
サブアッセンブリ100は、図1に例示されるように、筒状の取付金具11に組み付けられる。このとき、絶縁碍子2が取付金具11内に保持される。このようにして、図1に例示されるスパークプラグ1が得られる。
本形態では、挿入工程と、充填工程と、加熱工程と、冷却工程とを行うことにより、サブアッセンブリ100を製造している。絶縁碍子2の内側面21と中心電極3の大径の基端部32の外側面31との隙間15の大きさTmmと、導電性ガラス粉末400の平均粒子径Xmmとが、式Iの関係を満足する。したがって、隙間15の大きさTmmと平均粒子径のXmmとの関係が良好になる。これにより、絶縁碍子2と導電性ガラス粉末400との摩擦抵抗の上昇を抑制し、隙間15内に導電性ガラス粉末400が入り易くなる。また、隙間15の大きさを十分に確保することができるため、隙間15内に充填性よく導電性ガラス粉末400が充填される。したがって、隙間15内での導電性ガラス粉末400の充填密度が向上する。
その結果、加熱後に形成される導電性ガラスシール部4内における粗大気孔の発生が抑制され、これにより部分放電の原因となる隣接気孔411が小さくなる。したがって、部分放電が抑制され、耐電圧低下の防止を図ることができる。スパークプラグ1を細径化して絶縁碍子2を細径化しても、スパークプラグ1は優れた耐電圧を示すことができる。
上記製造方法により、絶縁碍子2の内側面21に隣接する隣接気孔411の最大径Ymmと、間隔150の大きさTmmとが式VIの関係を満足するスパークプラグ1を得ることができる。このような構成のスパークプラグ1は、部分放電の原因となる隣接気孔411の最大径Yが小さい。したがって、部分放電が抑制され、絶縁碍子2への電界集中が抑制される。その結果、スパークプラグ1の耐電圧の低下を防止することができる。
(変形例1)
本例は、中心電極3の大径の基端部32に、外径が変化する段差面が形成されたスパークプラグ1の例について説明する。なお、変形例1以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図10に例示されるように、本例のスパークプラグ1は、中心電極3の基端部32の形状が実施形態1とは異なる。具体的には、基端部32が大径部321と小径部322とを有し、基端部32が基端側D2に縮径している。大径部321の外径d2と小径部322の外径d3とがd2>d3の関係を満足する。第1導電性ガラスシール部4の形成領域における絶縁碍子2の内径d1は、実施形態1と同様に一定である。
したがって、図10に例示されるように、絶縁碍子2の内側面21と、中心電極3の基端部32の外側面31との距離が一定ではないが、径方向における間隔150の最短距離が上述の間隔150の大きさTとなり、T=(d1−d2)/2である。本例の構成においても、実施形態1における式Iや式VIを満足することにより、スパークプラグ1の細径化と耐電圧の向上との両立が可能になる。その他の構成及び効果は実施形態1と同様である。
本発明は本実施形態、後述の変形例、実験例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
(変形例2)
本例は、中心電極3の基端部32の末端に羽根形状部が形成されたスパークプラグ1の例である。図11に例示されるように、本例のスパークプラグ1は、中心電極3の基端部32の末端形状が実施形態1とは異なる。具体的には、基端部32の末端形状が羽根形状である。
図11に例示されるように、基端部32の末端形状が羽根形状であるものの、中心電極3の基端部32の外径d2は一定である。一方、第1導電性ガラスシール部4の形成領域における絶縁碍子2の内径d1も一定である。したがって、実施形態1と同様に、第1導電性ガラスシール部4の形成領域において、絶縁碍子2の内側面21と、中心電極33の基端部32の外側面31との間隔150の大きさTは一定である。
本例のスパークプラグ1においても、上述の式(I)や式(VI)を満足することにより、スパークプラグ1の細径化と耐電圧の向上との両立が可能になる。その他の構成及び効果は実施形態1と同様である。
(実験例)
本例は、導電性ガラス粉末(具体的には、第1導電性ガラス粉末400)の平均粒子径X、絶縁碍子2の内径d1、中心電極3の基端部の外径d2を変更して、複数のスパークプラグを製造し、その耐電圧を比較評価する例である。具体的には、まず、後述の表1に示すように、平均粒子径の異なる複数の導電性ガラス粉末400を準備した。導電性ガラス粉末400の平均粒子径Xは、篩を用いた分級により調整した。
本例で用いた導電性ガラス粉末400は、ガラス粉末50mass%と、金属粉末50mass%との混合粉であり、微小の金属粉末がガラス粒子に担持されている。また、抵抗粉末は、ガラス粉末78mass%と、セラミック粉末20mass%と、カーボンブラック2mass%との混合粉である。
また、第1導電性ガラスシール部4の形成領域において所定の内径d1を有する絶縁碍子2、基端部32の外径d2が異なる複数の中心電極3を準備した。これらの絶縁碍子2と中心電極3とを組み合わせることにより、絶縁碍子2の内側面21と、中心電極3の基端部32における外側面31との間隔150の大きさTを表1に示すように調整することができる。
スパークプラグ1は、実施形態1における製造方法と同様にして製造される。このようにして、表1に示すように、試料1〜試料15のスパークプラグ1を製造した。
各試料のスパークプラグ1を絶縁油中に入れ、スパークプラグ1のステム6にオープン波形の電圧を印加した。印加電圧は、イグニッションコイルの2次電圧を20kVから20秒間に1kVの割合で増加させた。そして、絶縁破壊を引き起こすときの電圧を、オシロスコープを用いて読み取った。その結果を耐電圧として表1に示す。試料15が従来品であり、試料15の耐電圧に対する他の試料の耐電圧の上昇率ΔEを表1に示す。
また、上述の測定結果に基づき、中心電極3と絶縁碍子2との隙間15の大きさTと、導電性ガラス粉末400の平均粒子径Xと、耐電圧上昇率ΔEとの関係を図12に示す。さらに、中心電極3と絶縁碍子2との間隔150の大きさTと、導電性ガラスシール部内の隣接気孔411の最大径Yと耐電圧上昇率ΔEとの関係を図13〜図17に示す。図14〜図17は、図13の所定範囲における拡大図である。
Figure 2019175707
表1より知られるように、試料2〜試料4、試料7〜試料9、試料11〜試料14は、従来の構成の試料15に比べて耐電圧が上昇している。図12に示される隙間15の大きさTと平均粒子径Xと耐電圧上昇率ΔEとの関係に基づいて、これらの関係式(XII)を統計的手法(具体的には多変量解析)により導出した。
ΔE=−1056(X−0.144)2−204(X−0.144)(T−0.2)−10.6X+40.6T+5.46 ・・・(XII)
従来品よりもの耐電圧が大きくなる範囲を規定するために、関係式(XII)の左辺に0を代入することにより、耐電圧が従来品よりも向上する条件となる式(I)を導出した。つまり、隙間15の大きさTと平均粒子径Xとが式(I)の関係を満足することにより、従来品よりもスパークプラグ1の耐電圧を高めることが可能になり、スパークプラグ1の細径化と耐電圧の向上との両立が可能になる。なお、Tを小さくすることにより細径化が可能になり、例えばT<0.25とすることが好ましい。細径化と耐電圧の向上との両立をより高いレベルに向上させるという観点から、T≦0.2であることがより好ましい。
1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T<5.46 ・・・(I)
また、式(XII)の左辺にそれぞれ3、5、10を代入することにより、耐電圧が従来品よりも3%、5%、10%向上する式(II)、(III)、(IV)がそれぞれ導出される。つまり、式(II)〜(IV)を満足することにより、従来品よりもスパークプラグ1の耐電圧を、それぞれ、3%以上、5%以上、10%以上向上させることが可能になる。
1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T≦2.46 ・・・(II)
1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T≦0.46 ・・・(III)
1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T≦−4.74 ・・・(IV)
また、図13に示される中心電極3と絶縁碍子2との間隔150の大きさTと、導電性ガラスシール部内の隣接気孔411の最大径Yと耐電圧上昇率ΔEとの関係に基づいて、これらの関係式(XIII)を統計的手法(具体的には多変量解析)により導出した。
ΔE=−444Y+13T+26.6 ・・・(XIII)
従来品よりも耐電圧が大きくなる範囲を規定するために、関係式(XIII)の左辺に0を代入することにより、耐電圧が従来品よりも向上する条件となる式(VI)を導出した。つまり、間隔150の大きさTと隣接気孔411の最大径Yとが式(VI)の関係を満足することにより、従来品よりもスパークプラグ1の耐電圧を高めることが可能になり、スパークプラグ1の細径化と耐電圧の向上との両立が可能になる。
444Y−13T<26.6 ・・・(VI)
図14は、図13における0.050≦Y≦0.070の範囲の拡大図である。図14に示すグラフにおいては、耐電圧上昇率ΔE=0を示す実線より上の領域が従来品よりも耐電圧が高い領域となる。また、式(VI)のTに、T=0.15、0.20、0.25をそれぞれ代入すると、下記表2のようになる。
Figure 2019175707
表2の関係は、図14中に図示される。図14中に示される2点鎖線より左側の領域が表2におけるT=0.15でY<0.0643となる領域である。図14中に示される破線より左側の領域が表2におけるT=0.20でY<0.0658となる領域である。図14中に示される1点鎖線より左側の領域がT=0.25でY<0.0672となる領域である。つまり、図14において、耐電圧上昇率ΔE=0となる実線よりも上であり、かつ2点鎖線、破線、又は1点鎖線よりもそれぞれ左側の領域であれば、T=0.15、0.20、0.25の各間隔において、耐電圧が従来品よりも向上する。
また、式(XIII)の左辺にそれぞれ3、5、10を代入することにより、耐電圧が従来品よりも3%、5%、10%向上する式(VII)、(VIII)、(IX)がそれぞれ導出される。つまり、式(VII)〜(IX)を満足することにより、従来品よりもスパークプラグ1の耐電圧を、それぞれ、3%以上、5%以上、10%以上向上させることが可能になる。
444Y−13T≦23.6 ・・・(VII)
444Y−13T≦21.6 ・・・(VIII)
444Y−13T≦16.6 ・・・(IX)
図15は、図13における0.045≦Y≦0.065の範囲の拡大図である。図15に示すグラフにおいては、耐電圧上昇率ΔE=3を示す実線より上の領域が従来品よりも3%以上耐電圧が高い領域となる。また、式(VII)のTに、T=0.15、0.20、0.25をそれぞれ代入すると、下記表3のようになる。
Figure 2019175707
図16は、図13における0.040≦Y≦0.060の範囲の拡大図である。図16に示すグラフにおいては、耐電圧上昇率ΔE=5を示す実線より上の領域が従来品よりも5%以上耐電圧が高い領域となる。また、式(VIII)のTに、T=0.15、0.20、0.25をそれぞれ代入すると、下記表4のようになる。
Figure 2019175707
図17は、図13における0.030≦Y≦0.050の範囲の拡大図である。図17に示すグラフにおいては、耐電圧上昇率ΔE=10を示す実線より上の領域が従来品よりも10%以上耐電圧が高い領域となる。また、式(IX)のTに、T=0.15、0.20、0.25をそれぞれ代入すると、下記表5のようになる。
Figure 2019175707
表3〜表5の関係は、図15〜図17中にそれぞれ図示される。図15〜図17中に示される2点鎖線より左側の領域は、それぞれ、表3におけるT=0.15でY≦0.0575となる領域、表4におけるT=0.15でY≦0.0530となる領域、表5におけるT=0.15でY≦0.0418となる領域を示す。図15〜図17に示される破線より左側の領域は、それぞれ、表3におけるT=0.20でY≦0.0590となる領域、表4におけるT=0.20でY≦0.0545となる領域、表5におけるT=0.20でY≦0.0432となる領域を示す。図15〜図17中に示される1点鎖線より左側の領域は、それぞれ、表3におけるT=0.25でY≦0.0605となる領域、表4におけるT=0.25でY≦0.0560となる領域、表5におけるT=0.25でY≦0.0447となる領域を示す。
つまり、図15において、耐電圧上昇率ΔE=3となる実線よりも上の領域であり、かつ2点鎖線、破線、又は1点鎖線よりもそれぞれ左側の領域であれば、T=0.15、0.20、0.25の各間隔において、耐電圧が従来品よりも3%以上向上する。同様に、図16においては、実線よりも上の領域であり、かつ2点鎖線、破線、又は1点鎖線よりもそれぞれ左側の領域であれば、耐電圧が従来品よりも5%以上向上し、図17においては、実線よりも上の領域であり、かつ2点鎖線、破線、又は1点鎖線よりもそれぞれ左側の領域であれば、耐電圧が従来品よりも10%以上向上する。
以上のように、本例によれば、中心電極3の基端側の外側面31と、絶縁碍子2の内側面21との隙間15の大きさTmmと導電性ガラス粉末400の平均粒子径X、あるいは、外側面31と内側面21と間隔150の大きさTと、隣接気孔411の最大径Yとが、上述の関係式を満足することにより、スパークプラグ1の細径化と耐電圧の向上との両立が可能になることがわかる。
1 スパークプラグ
2 絶縁碍子
21 内側面
3 中心電極
31 外側面
4 導電性ガラスシール部
400 導電性ガラス粉末
41 気孔
411 隣接気孔

Claims (10)

  1. 筒状の絶縁碍子(2)内に長尺状の中心電極(3)を挿入し、該中心電極の基端側の外側面(31)と、上記絶縁碍子の内側面(21)との間に隙間(15)を設けた状態にて上記中心電極を上記絶縁碍子内に配置する挿入工程(S1)と、
    上記隙間に導電性ガラス粉末(400)を充填する充填工程(S2)と、
    上記隙間内の上記導電性ガラス粉末を軟化させる加熱工程(S3)と、
    軟化状態の上記導電性ガラス粉末を冷却することにより、上記中心電極の基端側を上記絶縁碍子内に固着する導電性ガラスシール部(4)を形成する冷却工程(S4)と、を有し、
    上記隙間の大きさTmmと上記導電性ガラス粉末の平均粒子径Xmmとが下記式Iの関係を満足する、スパークプラグ(1)の製造方法。
    1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T<5.46 ・・・(I)
  2. 上記隙間の間隔Tmmと上記導電性ガラス粉末の平均粒子径Xmmとが下記の式IIの関係を満足する、請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
    1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T≦2.46 ・・・(II)
  3. 上記隙間の間隔Tmmと上記導電性ガラス粉末の平均粒子径Xmmとが下記式IIIを満足する、請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
    1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T≦0.46 ・・・(III)
  4. 上記隙間の間隔Tmmと上記導電性ガラス粉末の平均粒子径Xmmとが下記式IVを満足する、請求項1に記載のスパークプラグの製造方法。
    1056(X−0.144)2+204(X−0.144)(T−0.2)+10.6X−40.6T≦−4.74 ・・・(IV)
  5. 上記隙間の間隔Tmmが下記の式(V)を満足する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパークプラグの製造方法。
    T≦0.2 ・・・(V)
  6. 筒状の絶縁碍子(2)と、
    該絶縁碍子内に挿入配置された長尺状の中心電極(3)と、
    該中心電極の基端側の外側面(31)と、上記絶縁碍子の内側面(21)との間に形成された導電性ガラスシール部(4)と、を有し、
    上記内側面と上記外側面との間隔(150)内における上記導電性ガラスシール部に存在する気孔(41)のうち、上記絶縁碍子の上記内側面に隣接する隣接気孔(411)の最大径Ymmと、上記間隔の大きさTmmとが下記式VIの関係を満足する、スパークプラグ(1)。
    444Y−13T<26.6 ・・・(VI)
  7. 上記最大径Ymmと上記間隔の大きさTmmとが下記式VIIの関係を満足する、請求項6に記載のスパークプラグ。
    444Y−13T≦23.6 ・・・(VII)
  8. 上記最大径Ymmと上記間隔の大きさTmmとが下記式VIIの関係を満足する、請求項6に記載のスパークプラグ。
    444Y−13T≦21.6 ・・・(VIII)
  9. 上記最大径Ymmと上記間隔の大きさTmmとが下記式IXの関係を満足する、請求項6に記載のスパークプラグ。
    444Y−13T≦16.6 ・・・(IX)
  10. 上記間隔の大きさTmmが下記の式(X)を満足する、請求項6〜9のいずれか1項に記載のスパークプラグ。
    T≦0.2 ・・・(X)
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