JP2019174533A - 画像形成システムおよび画像形成システムの制御プログラム - Google Patents

画像形成システムおよび画像形成システムの制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ジャムが発生した場合における無効紙の増加を抑制するとともに、ユーザーの負担を軽減できる画像形成システムおよび画像形成システムの制御プログラムを提供する。【解決手段】ジャム検出部によりジャムが検出され、ジャムの起因となった起因紙の除去後に搬送路に残留紙がある場合、残留紙の印刷状態および排出順序に基づいて、用紙をリカバリー印刷に使用できるか否かを判断する。【選択図】図1

Description

本発明は、画像形成システムおよび画像形成システムの制御プログラムに関する。
画像形成システムの搬送路において、紙詰まり(ジャム)の発生が検出された場合、画像形成システムは、実行中の印刷ジョブに基づく印刷処理を一時的に中断し、ジャムが発生する前の正常な用紙搬送に復旧させるための処理であるジャム処理を開始する。
画像形成システムは、ジャム処理において、機内の搬送路に残留した用紙(以下、「残留紙」という)を排出可能な一時停止ポイントに移動させた後に用紙搬送を停止させる。そして、ジャムの起因となった起因紙の位置をディスプレイに表示させるなどしてユーザーに起因紙を用紙搬送路から除去するように促す。起因紙は、機械的に除去することが困難である場合が多いため、ユーザーが除去する必要がある。画像形成システムは、ユーザーによって上記起因紙が除去され、ジャム処理が完了した後、一時停止ポイントに停止している残留紙の再搬送を開始する。
これに関連して、特許文献1には、ジャムの発生が検出された場合に、機内の残留紙が有効紙か否かを判断して、有効紙であれば後処理装置のサブトレイに排出することにより、残留紙の有効利用を図ることを目的とした技術が開示されている。
特開2015−13430号公報
しかし、特許文献1の技術では、ジャムの発生を検出した場合、画像形成システムは機内に残留した白紙(未印刷の用紙)をジャム処理の対象として扱い、ユーザーは機内の白紙を除去する必要がある。このため、機内の白紙が多い場合、除去すべき用紙が増加するため、ユーザーに除去作業の負担がかかるとともに、無効紙が増加するという問題もある。さらに、ジャム処理後の再印刷(以下、「リカバリー印刷」という)を実施する際に、印刷ジョブで設定された用紙の排出順序を維持する必要があるため、有効紙を後処理装置のメイントレイとは別のサブトレイに排紙する必要がある。そのため、ユーザーは、リカバリー印刷完了後にメイントレイに排出された有効紙の用紙束と、サブトレイに排出された有効紙の用紙束とを手作業でまとめる必要がある。これでは、用紙束をまとめる作業に手間がかかり、ユーザーに負担がかかるという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、ジャムが発生した場合における無効紙の増加を抑制するとともに、ユーザーの負担を軽減できる画像形成システムおよび画像形成システムの制御プログラムを提供することである。
本発明の上記目的は、下記によって達成される。
(1)用紙を供給する給紙部と、前記用紙を搬送路に沿って搬送する用紙搬送部と、前記用紙に画像を形成する画像形成部と、前記搬送路上の用紙を検出する用紙検出部と、前記搬送路においてジャムの発生を検出するジャム検出部と、前記用紙を機外に排出する排紙部と、前記用紙検出部の検出結果に基づいて、前記給紙部による用紙の供給、前記給紙部から順次供給された少なくとも1枚の用紙の前記用紙搬送部による搬送および前記画像形成部による画像形成を制御するとともに、前記排紙部から前記用紙を排出する排出順序を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記ジャム検出部によりジャムが検出され、前記ジャムの起因となった起因紙の除去後に前記搬送路に残留紙がある場合、前記残留紙の印刷状態および前記排出順序に基づいて、前記残留紙をリカバリー印刷に使用できるか否かを判断する、画像形成システム。
(2)前記制御部は、前記ジャム検出部によりジャムが検出された場合、前記残留紙を用紙搬送方向の下流側の一時停止ポイントに搬送する、上記(1)に記載の画像形成システム。
(3)前記一時停止ポイントは、前記起因紙の除去後に、前記残留紙の再搬送が可能な位置である、上記(2)に記載の画像形成システム。
(4)前記用紙搬送部は、前記画像形成部を通過した用紙を再び前記画像形成部に供給するための循環搬送部を備え、前記制御部は、両面印刷モードにおいて、前記搬送路にリカバリー印刷に使用できる残留紙がある場合、前記起因紙を含むジャム処理対象紙へのリカバリー印刷に使用される残留紙に後続する残留紙を、前記ジャム処理対象紙の両面印刷が完了するまで前記循環搬送部内で循環させるように制御する、上記(2)または(3)に記載の画像形成システム。
(5)前記用紙搬送部は、前記画像形成部を通過した用紙を再び前記画像形成部に供給するための循環搬送部を備え、前記制御部は、片面印刷モードにおいて、前記搬送路に片面印刷済みの残留紙がある場合、前記起因紙を含むジャム処理対象紙をリカバリー印刷する際に、前記残留紙を前記循環搬送部、または前記片面印刷モードでは通常使用されない所定の搬送路に一時停止させるように制御する、上記(2)または(3)に記載の画像形成システム。
(6)前記制御部は、前記残留紙が前記搬送路上で一時停止している時間が規定時間以上になった場合、前記残留紙を機外に排出するように制御する、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の画像形成システム。
(7)前記制御部は、前記残留紙を前記一時停止ポイントに一時停止する際に、前記残留紙の枚数が前記搬送路における前記一時停止ポイントの数よりも多く、前記残留紙を各々の前記一時停止ポイントに搬送しても、すべての前記残留紙を前記一時停止ポイントに停止させられない場合は、前記一時停止ポイントに停止できない前記残留紙をジャム処理対象紙とする、上記(2)〜(5)のいずれか1つに記載の画像形成システム。
(8)用紙を供給する給紙部と、前記用紙を搬送路に沿って搬送する用紙搬送部と、前記用紙に画像を形成する画像形成部と、前記搬送路上の用紙を検出する用紙検出部と、前記搬送路においてジャムの発生を検出するジャム検出部と、前記用紙を機外に排出する排紙部と、前記用紙検出部の検出結果に基づいて、前記給紙部による用紙の供給、前記給紙部から順次供給された少なくとも1枚の用紙の前記用紙搬送部による搬送および前記画像形成部による画像形成を制御するとともに、前記排紙部から前記用紙を排出する排出順序を制御する制御部と、を有する画像形成システムの制御プログラムであって、前記搬送路上においてジャムを検出したか否かを判断する手順(a)と、ジャムを検出した場合、前記ジャムの起因となった起因紙の除去後に前記搬送路に残留紙があるか否かを判断する手順(b)と、前記残留紙の印刷状態および前記排出順序に基づいて、前記残留紙をリカバリー印刷に使用できるか否かを判断する手順(c)と、をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
本発明によれば、ジャム処理後における機内の残留紙を可能な限りリカバリー印刷に使用するので、ジャム処理に伴う無効紙の枚数を削減できる。また、有効紙は、すべて後処理装置のメイントレイに排出されるので、印刷物を手作業でまとめる必要がない。したがって、ユーザーの負担を軽減できる。
一実施の形態に係る画像形成システムの構成を例示する概略断面図である。 図1に示す画像形成システムの構成を例示する概略ブロック図である。 図2に示す画像形成装置の制御部の構成を例示する概略ブロック図である。 画像形成システムにおける印刷処理の処理手順を例示するフローチャートである。 図4Aに後続するフローチャートである。 図4Bのリカバリー印刷(S111)の処理手順を例示するサブルーチンフローチャートである。 片面印刷モードにおいて、画像形成システム内の残留紙を使用したリカバリー印刷を例示する図である。 図6Aに後続する図である。 図6Bに後続する図である。 図6Cに後続する図である。 両面印刷モードかつステイプルモードである場合において、図4Bのリカバリー印刷(S111)の処理手順を例示するサブルーチンフローチャートである。 画像形成システム内の残留紙を使用したリカバリー印刷を例示する図である。 図8Aに後続する図である。 図8Bに後続する図である。 図8Cに後続する図である。 図8Dに後続する図である。 図8Eに後続する図である。 図8Fに後続する図である。 図8Gに後続する図である。
以下、添付した図面を参照して画像形成システムおよび画像形成システムの制御プログラムの実施の形態を説明する。なお、図中、同一の部材には同一の符号を用いた。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<画像形成システム100>
図1は本発明の一実施形態に係る画像形成システム100の概略構成を示す図であり、図2は図1に示す画像形成システムの構成を例示する概略ブロック図である。また、図3は、図2に示す画像形成装置の制御部の構成を例示する概略ブロック図である。画像形成システム100は、給紙装置200、画像形成装置300、用紙反転装置400、および後処理装置500を有する。なお、図1に示す画像形成システム100の構成は一例であり、画像形成システム100に含まれる装置の種類および台数は図1に示す例に限定されない。以下、給紙装置200、画像形成装置300、用紙反転装置400、および後処理装置500の各々の構成について順に説明する。
<給紙装置200>
給紙装置200は、画像形成装置300の指示に従って、画像形成装置300に用紙を供給する。図1および図2に示すように、給紙装置200は、画像形成システム100において最上流に配置され、給紙部210、用紙搬送部220、通信部230、および制御部240を有する。これらの構成要素は、内部バス201により相互に通信可能に接続されている。
給紙部210は、複数の用紙トレイ211〜213を備え、印刷に使用される記録材としての用紙を供給する。各々の用紙トレイ211〜213には、たとえばA4サイズ、A3サイズなどサイズの異なる用紙が収容されうる。
用紙搬送部220は、用紙を搬送路に沿って搬送し、画像形成装置300へ供給する。用紙搬送部220は、搬送路と、複数の搬送ローラーと、搬送路に設置された用紙検出センサー(不図示)と、を有する。用紙検出センサーは、搬送路の分岐の直前など、複数の位置において用紙の搬送を検出できるように複数配置されうる。用紙検出センサーの検出結果は、制御部240に伝達される。
通信部230は、画像形成装置300と通信回線101を通じて通信可能に接続され、データを送受信する。
制御部240は、給紙部210、用紙搬送部220、および通信部230を制御する。
<画像形成装置300>
画像形成装置300は、原稿から画像を読み取り、読み取った画像を用紙に形成(印刷)する。また、画像形成装置300は、ネットワークを通じて外部のクライアント端末からPDL(Page Description Language)形式の印刷データおよび印刷設定データを含む印刷ジョブを受信し、これに基づいて用紙に画像を形成する。クライアント端末は、たとえばパーソナルコンピューター、タブレット端末、スマートフォンなどでありうる。
画像形成装置300は、給紙装置200と用紙反転装置400との間に配置され、画像読取部310、画像処理部320、画像形成部330、給紙部340、用紙搬送部350、定着部360、通信部370、操作表示部380、および制御部390を有する。これらの構成要素は、内部バス301により相互に通信可能に接続されている。
画像読取部310は、ミラー、レンズなどから構成される光学系と読取センサーとを備え、読取面に載置された原稿またはADF(Auto Document Feeder)によって搬送された原稿を読み取って画像信号を出力する。
画像処理部320は、画像読取部310から受信した画像信号に対して各種の画像処理を実施し、印刷画像データを生成する。また、画像処理部320は、通信部370により受信された印刷ジョブに含まれる印刷設定データおよび印刷データに基づいて、印刷画像データを生成する。生成された印刷画像データは、画像形成部330に送信される。
画像形成部330は、帯電、露光、現像、および転写の各工程を含む電子写真方式などの周知の作像プロセスを用いて、印刷画像データに基づいて画像を用紙上に形成する。画像形成部330は、像担持体としての感光体ドラムおよびその周囲に配置された帯電部、光書込部、現像装置、および転写部を有して構成される。
給紙部340は、記録材としての用紙を画像形成部330に供給する。給紙部340は、上段トレイ341および下段トレイ342を有し、各々のトレイには、たとえばA4サイズやA3サイズなどのサイズの異なる用紙が収容されうる。
用紙搬送部350は、画像形成装置300内において用紙を搬送する。用紙搬送部350は、搬送路と、レジストローラー対を含む複数の搬送ローラーと、搬送路に設置された用紙検出センサー(不図示)と、を有する。用紙検出センサーは、搬送路の分岐の直前など、複数の位置において用紙の搬送を検出できるように複数配置されうる。用紙検出センサーの検出結果は、制御部390に伝達される。
また、用紙搬送部350は、ADU(Auto Duplex Unit)内に用紙反転部351および循環搬送部352を備える。用紙反転部351は、定着部360を通過した用紙をスイッチバックすることにより表裏を反転する。また、循環搬送部352は、用紙反転部351によって表裏が反転された用紙を再び画像形成部330に供給する。画像形成装置300は、用紙反転部351および循環搬送部352により、定着後の用紙の表裏を反転して排出したり、あるいは用紙の両面に画像を形成したりすることができる。
本実施形態では、用紙反転部351および循環搬送部352は、ジャム発生時に搬送中の用紙を一時的に停止させジャム処理後に再搬送するための一時停止ポイントをそれぞれ有する。片面印刷モードでは、用紙反転部351および循環搬送部352は、ジャム処理後のリカバリー印刷の際に、印刷済みの残留紙を排出順序にしたがって機外に排出するため、上記残留紙の後処理装置500への搬送開始まで一時的に退避場所として使用される。また、両面印刷モードでは、用紙反転部351および循環搬送部352は、残留紙の印刷を排出順序に合わせて行うための退避場所として使用される。片面印刷済みの残留紙は、他方の面の印刷が開始されるまで循環搬送部352内を循環する。
給紙装置200または給紙部340から供給された用紙は、搬送路を画像形成部330へ向けて搬送される。用紙は、搬送路のレジストローラー対において、感光体ドラムに形成されたトナー画像と同期がとられ、転写部に搬送されるタイミングが制御される。転写部によってトナー画像が転写された用紙は、定着部360に搬送される。
定着部360は、用紙に形成されたトナー画像を定着する。定着部360は、内部にヒーターが配置された中空の加熱ローラーと、加熱ローラーに対向する加圧ローラーとを備える。加熱ローラーおよび加圧ローラーは、ヒーターにより所定温度(たとえば100℃以上)に制御され、用紙に加熱・加圧処理を施し、トナー画像を定着する。
通信部370は、ネットワークを経由して、クライアント端末に接続し、印刷ジョブなどのデータを送受信する。また、通信部370は、給紙装置200、用紙反転装置400、および後処理装置500と通信回線101を通じて通信可能に接続され、データを送受信する。
操作表示部380は、入力部および出力部を有する。入力部は、たとえば、キーボードまたはタッチパネルを備え、文字入力、各種設定、スタート指示などの各種指示(入力)をユーザーが行うために使用される。また、出力部は、ディスプレイを備え、機器構成、印刷ジョブの実施状況、ジャムの発生、ジャム処理方法、エラーの発生状況、現在変更可能な設定などを、ユーザーに提示するために使用される。
制御部390は、画像読取部310、画像処理部320、画像形成部330、給紙部340、用紙搬送部350、定着部360、通信部370、および操作表示部380を制御する。また、制御部390は、画像形成システム100の全体の制御を行う。
図3に示すように、制御部390は、CPU(Central Processing Unit)391、補助記憶部392、RAM(Random access memory)393、およびROM(Read Only Memory)394を有する。これらは、内部バス395により電気的に接続されている。CPU391は、画像形成装置用の制御プログラムを実行し、様々な機能を実現する。上記制御プログラムは、補助記憶部392に記憶されており、CPU391によって実行される際に、RAM393にロードされる。補助記憶部392は、たとえば、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)などの大容量の記憶装置を備える。RAM393には、CPU391の実行に伴う演算結果、印刷ジョブなどが格納される。また、ROM394には、各種のパラメーター、各種プログラムなどが記憶されている。
制御部390は、画像形成システム100の各装置が備える用紙検出センサーとともに用紙検出部およびジャム検出部として機能する。制御部390は、用紙検出部の検出結果に基づいて、給紙装置200による用紙の供給、給紙装置200から順次供給された用紙の用紙搬送部350による搬送、および画像形成部330による印刷を制御する。また、ジャム検出部は、たとえば用紙が搬送路の同じ場所に所定時間を超えて滞留している場合などを検出することにより、ジャムの発生を検出する。また、制御部390は、印刷ジョブの印刷設定に応じて、後処理装置500の排紙部530から排出される用紙の排出順序を管理する。
<用紙反転装置400>
用紙反転装置400は、画像形成装置300からの指示にしたがって、画像形成装置300から供給された用紙の表裏を反転または反転せずに後処理装置500に搬送する。用紙反転装置400は、画像形成装置300と後処理装置500との間に配置され、用紙搬送部410、通信部420、および制御部430を有する。用紙搬送部410、通信部420、および制御部430は、内部バス401により相互に通信可能に接続されている。
用紙搬送部410は、搬送路と、複数の搬送ローラーと、搬送路に設置された用紙検出センサー(不図示)と、を有する。用紙検出センサーは、搬送路の分岐の直前など、複数の位置において用紙の搬送を検出できるように複数配置されうる。用紙検出センサーの検出結果は、制御部430に伝達される。
用紙搬送部410は、画像形成装置300から供給された用紙の表裏を反転せずにそのまま後処理装置500へ搬送するための用紙搬送経路411と、用紙の表裏を反転して後処理装置500へ搬送するための反転搬送経路412と、を有する。
通信部420は、画像形成装置300と通信回線101を通じて通信可能に接続され、データを送受信する。
制御部430は、画像形成装置300の指示に応じて、画像形成装置300から供給された用紙の表裏を反転して後処理装置500へ搬送するように用紙搬送部410を制御する。本実施形態では、片面印刷モードの場合、用紙の印刷済みの面が下を向いた状態で後処理装置500のメイントレイ531またはサブトレイ532に排出されるように制御される。また、両面印刷モードの場合、用紙の表面が下を向いた状態でメイントレイ531またはサブトレイ532に排出されるように制御される。
<後処理装置500>
後処理装置500は、用紙反転装置400から供給された用紙を後処理して機外へ排出する。あるいは、後処理装置500は、用紙反転装置400から供給された用紙を後処理せずに搬送してそのまま機外へ排出する。
後処理装置500は、画像形成システム100の最下流に配置され、用紙搬送部510、後処理部520、排紙部530、通信部540、および制御部550を有する。用紙搬送部510、後処理部520、排紙部530、通信部540、および制御部550は、内部バス501により相互に通信可能に接続されている。
用紙搬送部510は、後処理装置500内において用紙を搬送する。用紙搬送部510は、搬送路と、複数の搬送ローラーと、搬送路に設置された用紙検出センサー(不図示)と、を有する。用紙検出センサーは、搬送路の分岐の直前など、複数の位置において用紙の搬送を検出できるように複数配置されうる。用紙検出センサーの検出結果は、制御部550に伝達される。
用紙搬送部510は、給紙口511から排紙部530のメイントレイ531へ至る第1搬送経路512と、給紙口511から後処理部520へ至る第2搬送経路513と、給紙口511から排紙部530のサブトレイ532へ至る第3搬送経路514と、を有する。
後処理部520は、用紙に対して、たとえばステイプル処理、パンチ処理、中綴じ処理などを含む後処理のうち少なくともいずれかを実施する。
排紙部530は、用紙を機外へ排出する。排紙部530は、メイントレイ531およびサブトレイ532を有する。
制御部550は、用紙反転装置400から供給された用紙が有効紙であり、後処理を実施しない場合、第1搬送経路512に沿って用紙を搬送し、メイントレイ531から機外に排出するように用紙搬送部510を制御する。
また、制御部550は、用紙反転装置400から供給された用紙が有効紙であり、後処理を実施する場合、第2搬送経路513に沿って用紙を搬送し、用紙に対して後処理を実施するように用紙搬送部510および後処理部520を制御する。そして、後処理部520において後処理された用紙を、メイントレイ531から機外に排出するように用紙搬送部510を制御する。
また、制御部550は、用紙反転装置400から供給された用紙が無効紙である場合、第3搬送経路514に沿って用紙を搬送し、サブトレイ532から機外に排出するように用紙搬送部510を制御する。
<画像形成システム100の制御方法>
以下、本実施形態の画像形成システム100における印刷処理について説明する。図4Aおよび図4Bは、画像形成システム100における印刷処理の処理手順を例示するフローチャートである。また、図5は、図4Bのリカバリー印刷(S111)の処理手順を例示するサブルーチンフローチャートである。なお、図4A、図4B、および図5のフローチャートおよびサブルーチンフローチャートの処理は、CPU391が制御プログラムを実行することにより実現される。また、図6A〜図6Dは、片面印刷モードにおいて、画像形成システム100内の残留紙を使用したリカバリー印刷を例示する図である。
(実施例1:片面印刷モードの場合)
図4Aに示すように、画像形成システム100は、印刷を開始する(ステップS101)。たとえば、ユーザーがクライアント端末から印刷の実行を指示した場合、クライアント端末から画像形成システム100に印刷ジョブが送信される。画像形成システム100は、印刷ジョブを受信し、印刷ジョブの印刷設定に応じて、給紙装置200から画像形成装置300に用紙を順次供給する。
画像形成装置300は、印刷ジョブの印刷データに応じて、用紙に画像を形成する。画像が形成された用紙は、用紙反転装置400に順次搬送され、画像形成装置300の指示に応じて用紙の表裏が反転され、後処理装置500に供給される。
続いて、印刷動作中にジャムの発生を検出したか否かを判断する(ステップS102)。ジャム検出部は、画像形成システム100内の搬送路においてジャムの発生を常時監視する。ジャムの発生を検出していない場合(ステップS102:NO)、図4BのステップS112の処理に移行し、印刷処理が完了したか否かを判断する。制御部390は、印刷処理が完了していない場合(ステップS112:NO)、ステップS101の処理へ戻り、印刷処理が完了している場合(ステップS112:YES)、処理を終了する。印刷処理が完了したか否かの判断は、たとえば、実行中の印刷ジョブについて、所定の部数の印刷が完了したか否かによってなされる。
一方、ジャムの発生を検出した場合(ステップS102:YES)、用紙搬送を一時停止する(ステップS103)。図6Aに示すように、ジャムの発生時において、用紙S1(1)は後処理装置500内を搬送され、用紙S2(2)は用紙反転装置400内を搬送され、用紙S3(3)は画像形成装置300の用紙出口を搬送されている。また、用紙S4(4),S5(5)は画像形成装置300内を搬送され、用紙S6(6)は給紙装置200内を搬送されている。また、S7(7)は、次に画像形成装置300に供給される用紙として、用紙トレイ211の最上位に載置されている。
なお、用紙に関する表記は以下のとおりである。給紙装置200から供給されたn番目の用紙をSnで表す。また、Snの後の丸括弧内の数字は、Snに対応する印刷ジョブのページを表わす。たとえば、図6Aに示す例では、「S1(1)」は、1枚目の用紙S1に印刷ジョブの第1ページが対応づけられていることを示す。すなわち、S1(1)は、印刷済みの用紙であるので、給紙装置200から供給された1番目の用紙に印刷ジョブの第1ページが印刷されていることを表す。一方、印刷前の用紙では、Snの後の丸括弧内の数字は、印刷予定のページを表わす。
また、図6Aなどの図中において、給紙装置200から供給された未印刷(白紙)の用紙は、中が塗りつぶされていない矩形状の図形で表わされている。(たとえば、図6Aの用紙S5(5))。また、片面印刷済みの用紙は、印刷面に対応する側の半分が黒く塗りつぶされた矩形状の図形で表されている(たとえば、図6Aの用紙S4(4))。
以下、片面印刷モードにおいて、給紙装置200から順次供給された用紙S1(1)〜S6(6)の搬送中に用紙S3(3)がジャムを起こした場合を想定する。なお、図中において、ジャムの発生位置は「×」で表されている。
制御部390は、画像形成システム100内を搬送中の用紙を用紙搬送方向の下流側における所定の一時停止ポイントに搬送し、停止させる。ジャムの発生時において、用紙S4(4)は既に印刷済みであり、用紙S5(5)は画像形成部330の直前の搬送路に位置する。制御部390は、用紙S4(4)の搬送により、ジャムを起こした起因紙S3(3)と用紙S4(4)とが干渉することがないように、用紙S4(4)を循環搬送部352へ向けて搬送する。また、制御部390は、用紙S5(5)に印刷ジョブの第5ページを印刷後、用紙S5(5)の搬送により、起因紙S3(3)と用紙S5(5)とが干渉することがないように、用紙S5(5)を循環搬送部352へ向けて搬送する。
図6Bに示すように、制御部390は、画像形成装置300内の印刷済み用紙S4(4),S5(5)をそれぞれ循環搬送部352および用紙反転部351に搬送し一時停止ポイントに停止させる。なお、用紙反転部351および循環搬送部352は、片面印刷モードでは通常使用されないが、本実施形態では、残留紙の一時退避場所として使用される。
また、制御部390は、給紙装置200内の用紙を、給紙装置200内の搬送路の一時停止ポイント、または画像形成装置300のレジスト部の一時停止ポイントに停止させる。図6Bには、用紙S6(6),S7(7)を、給紙装置200内の搬送路の一時停止ポイントに停止させる場合について例示されている。
なお、制御部390は、搬送路上で一時停止している時間が規定時間以上になった場合、再利用の対象とせずに、残留紙を機外に排出するように制御する。これは、残留紙が搬送路上で長時間にわたり同じ位置に滞留することにより変形したり、搬送路に貼り付いたりするなどの不具合が生じることを回避するためである。
続いて、機内の有効紙を搬送する(ステップS104)。図6Bに示す例では、制御部390は、起因紙S3(3)の下流側に残留した用紙S1(1),S2(2)を有効紙として、メイントレイ531に排出するように制御する。なお、用紙S1(1),S2(2)は、表面を下向きにしてメイントレイ531に排出するため、用紙反転装置400において表裏が反転される。一方、印刷設定により、有効紙に対して後処理が必要な場合は、制御部390は、有効紙を後処理部520へ搬送するように制御する。
続いて、ジャム処理対象紙を決定する(ステップS105)。制御部390は、画像形成システム100の各々装置における用紙検出センサーの検出結果に基づいて、搬送中のすべての用紙が一時停止ポイントに停止しているか判断する。制御部390は、一時停止ポイントに停止できない用紙がある場合、この用紙を起因紙S3(3)に加えて、ジャム処理対象紙とする。
たとえば、各々の装置において、残留紙の枚数が、搬送路における一時停止ポイントの数よりも多い場合は、残留紙を各々の一時停止ポイントに搬送しても、すべての残留紙を一時停止ポイントに停止させられない。この場合、制御部390は、一時停止ポイントに停止できない残留紙をジャム処理対象紙とする。
図6Bに示す例では、一時停止ポイントに停止できない用紙はないので、ジャム処理対象紙は、起因紙S3(3)のみとなる。
続いて、ジャム処理を実施する(ステップS106)。制御部390は、ユーザーにジャム処理対象紙(起因紙S3(3))の位置を操作表示部380のディスプレイに表示させるなどして、ユーザーにジャム処理対象紙を搬送路から除去するように促す。ユーザーは、ディスプレイの指示に従って、ジャム処理対象紙を搬送路から除去する。
続いて、搬送路に残留紙があるか否かを判断する(ステップS107)。制御部390は、各装置の用紙検出センサーの検出結果に基づいて、搬送路に用紙が残留しているか、すなわち残留紙があるか否かを判断する。その結果、用紙S4(4)〜S7(7)が残留していると判断する。
続いて、残留紙をリカバリー印刷に使用できるか否かを判断する(ステップS108)。制御部390は、用紙S4(4)〜S7(7)の印刷状態および排出順序に基づいて、用紙S4(4)〜S7(7)をリカバリー印刷に使用できるか否かを判断する。図6Bに示す例では、制御部390は、給紙装置200に残留している用紙S6(6)が未印刷の状態にあり、排出順序を考慮して、用紙S2(2)に後続する用紙としてリカバリー印刷に使用できると判断する。したがって、制御部390は、起因紙S3(3)の第3ページの印刷を用紙S6に割り当てる(以下、「S6(3)」と表記する)。また、制御部390は、印刷ジョブの第6ページの印刷を用紙S7(7)に割り当て(以下、「S7(6)」)、印刷ジョブの第7ページの印刷を給紙装置200から新たに供給する用紙S8に割り当てる。
続いて、リカバリー印刷の搬送経路上に残留紙があるか否かを判断する(ステップS109)。より具体的には、制御部390は、リカバリー印刷の先頭の用紙S6(3)から後処理装置500のメイントレイ531へ至る搬送経路上に残留紙があるか否かを判断する。リカバリー印刷の搬送経路上に残留紙がある場合(ステップS109:YES)、それらの残留紙はリカバリー印刷の先頭の用紙S6(3)よりも後に排出する必要があり、そのままメイントレイ531へ排出すると印刷ジョブの排出順序を維持できない。このため、制御部390は、リカバリー印刷の搬送経路上の残留紙を無効紙としてサブトレイ532に排出する(ステップS110)。無効紙は、再利用できない用紙、いわゆる「ヤレ紙」である。図6Bに示す例では、リカバリー印刷の搬送経路上には残留紙は存在しないので、サブトレイ532に排出される残留紙はない。
続いて、図4Bに示すように、制御部390は、リカバリー印刷を実施し(ステップS111)、印刷処理が完了したか否かを判断する(ステップS112)。制御部390は、印刷処理が完了した場合、処理を終了する。一方、印刷処理が完了していない場合、図4AのステップS101の処理に移行する。
<リカバリー印刷S111の処理について>
図5に示すように、まず、給紙装置200に一時停止している用紙を搬送して印刷する(ステップS201)。図6Cに示すように、制御部390は、用紙S6(3)を画像形成部330へ搬送し、印刷ジョブの第3ページを印刷する。なお、給紙装置200内に一時停止している用紙がない場合は、給紙装置200の用紙トレイ211から新たな用紙が供給される。
続いて、次に排出予定の用紙がADU内に一時停止している用紙か否かを判断する(ステップS202)。制御部390は、次に排出予定の用紙がADU内に一時停止している用紙ではない場合(ステップS202:NO)、ステップS201の処理に戻る。
一方、次に排出予定の用紙がADU内に一時停止している用紙である場合(ステップS202:YES)、ADUに一時停止している用紙を搬送する(ステップS203)。図6Dに示すように、制御部390は、それぞれADU内の循環搬送部352および用紙反転部351の一時停止ポイントに停止している用紙S4(4)およびS5(5)を、後処理装置500のメイントレイ531へ向けて順次搬送する。
なお、用紙S4(4)およびS5(5)は、片面印刷済みであるので、制御部390は、画像形成部330では印刷を実施せずに、そのまま通過させる。また、用紙S4(4)およびS5(5)は、用紙反転部351において用紙の表裏が反転されているので、用紙反転装置400を搬送される際は、用紙の反転処理は実施されない。
続いて、給紙装置200に一時停止している残りの用紙を搬送して印刷する(ステップS204)。制御部390は、給紙装置200に残留している用紙S7(7)を使用して、第6ページを印刷する。続いて、制御部390は、用紙トレイ211から新たに供給された用紙S8に第7ページを印刷する。そして、これらの用紙は、後処理装置500へ向けて搬送され、メイントレイ531に排出される。なお、用紙S7(6),S8(7)は、表面を下向きにしてメイントレイ531に排出するため、用紙反転装置400において表裏が反転される。
以上のように図4Aおよび図4Bのフローチャートに示す処理では、ジャム処理対象紙の除去後に搬送路に用紙が残留している場合、残留紙の印刷状態および排出順序に基づいて、残留紙をリカバリー印刷に使用できるか否かを判断する。そして、図5のフローチャートに示す処理では、片面印刷モードにおいて、起因紙S3(3)をリカバリー印刷する際に、搬送路に片面印刷済みの残留紙S4(4),S5(5)を用紙反転部351または循環搬送部352に一時停止させるように制御する。
このように、片面印刷済みの残留紙を用紙反転部351または循環搬送部352に一時停止させることにより、残留紙の排出順序になるまで残留紙を退避させておくことができる。したがって、従来のように排出順序を維持するために、有効紙をメイントレイおよびサブトレイの両方に排出する必要がなくなる。その結果、ユーザーは、メイントレイおよびサブトレイに排出された用紙束を後でまとめるといった煩雑な作業を回避できる。
(実施例2:両面印刷モードかつステイプルモードである場合)
図4A、図4B、図7、図8A〜図8Hを参照して、両面印刷モードかつステイプルモードである場合の画像形成システム100の動作について説明する。図7は、両面印刷モードかつステイプルモードである場合において、図4Bのリカバリー印刷(S111)の処理手順を例示するサブルーチンフローチャートである。なお、図7のサブルーチンフローチャートの処理は、CPU391が制御プログラムを実行することにより実現される。また、図8A〜図8Hは、画像形成システム100内の残留紙を使用したリカバリー印刷を例示する図である。
図4Aに示すように、画像形成システム100は、印刷ジョブを受信し、印刷を開始する(ステップS101)。給紙装置200は、用紙S1〜S7を画像形成装置300へ順次供給し、画像形成装置300は、供給された用紙S1〜S7に順次画像を形成する。以下では、用紙S1〜S7の搬送中に用紙S2がジャムを起こした場合を想定する。
まず、印刷動作中にジャムの発生を検出したか否かを判断する(ステップS102)。ジャム検出部は、印刷動作中に用紙S2のジャムの発生を検出する。
図8Aに示すように、ジャム発生時において、用紙S1(1),S2(2)は、後処理装置500内を搬送され、用紙S3(3)は用紙反転装置400内を搬送され、用紙S4(4)〜S7(7)は画像形成装置300内を搬送されている。
制御部390は、用紙搬送を一時停止する(ステップS103)。図8Bに示すように、制御部390は、画像形成装置300内の両面印刷済み用紙S4(4)を排紙部の一時停止ポイントに停止させる。また、制御部390は、片面印刷済み用紙S5(5),S6(6)をそれぞれADU内の循環搬送部352および用紙反転部351の一時停止ポイントに停止させる。なお、用紙S7(7)は、すでにレジスト部の一時停止ポイントに停止している。
また、制御部390は、両面印刷済みの用紙S1(1)を有効紙として後処理部520へ搬送するように制御する(ステップS104)。
続いて、制御部390は、ジャム処理対象紙を決定する(ステップS105)。制御部390は、搬送中の用紙S3(3)〜S7(7)がすべて一時停止ポイントに停止していると判断する。したがって、図8Bに示す例では、起因紙S2以外にジャム処理対象紙となる用紙はない。
続いて、ジャム処理を実施する(ステップS106)。制御部390は、ユーザーにジャム処理対象紙(起因紙S2)の位置をディスプレイに表示させるなどしてユーザーにジャム処理対象紙を搬送路から除去するように促す。ユーザーは、ディスプレイの指示に従って、ジャム処理対象紙を搬送路から除去する。
続いて、搬送路に残留紙があるか否かを判断する(ステップS107)。制御部390は、各装置の用紙検出センサーの検出結果に基づいて、搬送路に用紙が残留しているか、すなわち残留紙があるか否かを判断する。その結果、用紙S3(3)〜S7(7)が残留していると判断する。
続いて、残留紙をリカバリー印刷に使用できるか否かを判断する(ステップS108)。制御部390は、用紙S5(5)〜S7(7)の印刷状態および排出順序に基づいて、用紙S5(5)〜S7(7)をリカバリー印刷に使用できるか否かを判断する。図8Bに示す例では、制御部390は、レジスト部の一時停止ポイントに停止している用紙S7(7)は、未印刷状態であり、排出順序を考慮し、用紙S1(1)に後続する用紙としてリカバリー印刷に使用できると判断する。したがって、制御部390は、起因紙S2(2)の第2ページの印刷は、用紙S7(7)に割り当てられる(「S7(2)」と表記する)。
一方、用紙S3(3),S4(4)については、片面印刷済みであり、用紙S7(2)の用紙搬送方向下流に位置するので、排出順序を考慮すると、リカバリー印刷に使用できないと判断される。制御部390は、給紙装置200から新たに供給する用紙S8,S9をそれぞれ印刷ジョブの第3および第4ページの印刷に割り当て、用紙S10を印刷ジョブの第7ページの印刷に割り当てる。
続いて、リカバリー印刷の搬送経路上に残留紙があるか否かを判断する(ステップS109)。より具体的には、制御部390は、リカバリー印刷の先頭の用紙S7(2)から後処理装置500のメイントレイ531へ至る搬送経路上に残留紙があるか否かを判断する。リカバリー印刷の搬送経路上に残留紙がある場合(ステップS109:YES)、それらの残留紙はリカバリー印刷の先頭の用紙S7(2)よりも後に排出する必要があり、そのままメイントレイ531へ排出すると印刷ジョブの排出順序を維持できない。このため、制御部390は、リカバリー印刷の搬送経路上の残留紙を無効紙としてサブトレイ532に排出する(ステップS110)。図6Bに示す例では、用紙S3(3),S4(4)は用紙S7(2)に後続する用紙であり、用紙S7(7)の搬送を妨げる。このため、図8Cに示すように、制御部390は、無効紙となる用紙S3(3),S4(4)をサブトレイ532へ排出する。
続いて、図4Bに示すように、制御部390は、リカバリー印刷を実施し(ステップS110)、印刷処理が完了したか否かを判断する(ステップS112)。制御部390は、印刷処理が完了した場合(ステップS112:YES)、処理を終了する。一方、印刷処理が完了していない場合(ステップS112:NO)、図4AのステップS101の処理に移行する。
<リカバリー印刷S111の処理について>
図7に示すように、まず、給紙装置200に一時停止している用紙を搬送して印刷する(ステップS301)。図8Dに示すように、制御部390は、用紙S8(3),S9(4)を画像形成部330へ搬送し、それぞれ第3および第4ページの表面を印刷する。
続いて、次に印刷予定の用紙がADU内に一時停止している用紙か否かを判断する(ステップS302)。制御部390は、次に印刷予定の用紙がADU内に一時停止している用紙ではない場合(ステップS302:NO)、ステップS301の処理に戻る。
一方、次に印刷予定の用紙がADU内に一時停止している用紙である場合(ステップS302:YES)、ADUに一時停止している用紙を搬送して印刷する(ステップS303)。用紙S9(4)の印刷後、次に印刷予定の用紙は、ADU内に一時停止している用紙S5(5)である。図8Eに示すように、制御部390は、それぞれADU内の循環搬送部352および用紙反転部351の一時停止ポイントに停止している用紙S5(5)およびS6(6)を、後処理装置500の画像形成部330へ向けて順次搬送する。そして、制御部390は、用紙S5(5)およびS6(6)にそれぞれ印刷ジョブの第5および第6ページの裏面を印刷する。これにより、印刷ジョブの第5および第6ページの両面印刷が完了する。続いて、制御部390は、用紙S7(2),S8(3),S9(4)の裏面を印刷する。
続いて、給紙装置200に一時停止している残りの用紙を搬送して印刷する(ステップS304)。制御部390は、用紙S9(4)の裏面の印刷が開始された後、用紙S10(7)の搬送を開始する。図8Fに示すように、制御部390は、用紙S9(4)の裏面の印刷が完了後、用紙S10(7)を使用して、印刷ジョブの第7ページの表面を印刷する。また、制御部390は、用紙S5(5),S6(6)をそれぞれADU内の循環搬送部352および用紙反転部351に搬送し循環させる。
さらに、図8Gに示すように、制御部390は、用紙S10(7)に印刷ジョブの第7ページの裏面を印刷するために、循環搬送部352により、用紙S10(7)を画像形成部330に向けて再搬送する。この際、画像形成部330に先に到達する用紙S5(5),S6(6)については、すでに両面印刷が完了しているので、印刷を行わずに後処理装置500のメイントレイ531へ向けて搬送する。また、後処理部520の用紙S1(1),S7(2),S8(3)は、ステイプル処理されて、メイントレイ531に束排出される。
そして、図8Hに示すように、用紙S9(4),S5(5),S6(6),S10(7)が順に後処理部520に搬送され、ステイプル処理されて、メイントレイ531に束排出される。なお、用紙S5(5),S6(6)については、両面印刷後、用紙反転部351により表裏が反転されているので、用紙反転装置400において再度用紙の表裏を反転する。一方、用紙S5(5),S6(6)以外の用紙S1(1),S7(2),S8(3),S9(4),S10(7)については、両面印刷後に用紙反転部351を通過していないので、用紙反転装置400において表裏の反転を行う必要はない。
以上のように、図7のサブルーチンフローチャートに示す処理では、起因紙S2(2)のリカバリー印刷に使用される用紙S7(2)に後続する用紙S5(5),S6(6)を、起因紙S2(2)の両面印刷が完了するまで1周回または複数周回循環搬送部内を循環させるように制御する。このように、片面印刷済みの残留紙を循環搬送部352内で循環させることにより、残留紙の排出順序になるまで残留紙を退避させておくことができる。
以上で説明した本実施形態の画像形成システム100は、下記の効果を奏する。
ジャム処理後における機内の残留紙を可能な限りリカバリー印刷に使用するので、ジャム処理に伴う無効紙の枚数を削減できる。また、有効紙は、すべて後処理装置500のメイントレイ531に排出されるので、印刷物を手作業でまとめる必要がない。したがって、ユーザーに負担を軽減できる。
以上のように、実施の形態において、本発明の画像形成システム100および画像形成システム100の制御プログラムについて説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
たとえば、画像形成システム100の制御プログラムは、USBメモリー、フレキシブルディスク、CD−ROMなどのコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよい。あるいは、上流機用の制御プログラムおよび下流機用の制御プログラムは、インターネットなどのネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリーやストレージなどに転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、画像形成装置300の一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
100 画像形成システム、
200 給紙装置、
210 給紙部、
211〜213 用紙トレイ、
220 用紙搬送部、
230 通信部、
240 制御部、
300 画像形成装置、
310 画像読取部、
320 画像処理部、
330 画像形成部、
340 給紙部、
341 上段トレイ、
342 下段トレイ、
350 用紙搬送部、
351 用紙反転部、
352 循環搬送部、
360 定着部、
370 通信部、
380 操作表示部、
390 制御部、
400 用紙反転装置、
410 用紙搬送部、
420 通信部、
430 制御部、
500 後処理装置、
510 用紙搬送部、
520 後処理部、
530 排出部、
531 メイントレイ、
532 サブトレイ、
540 通信部、
550 制御部。

Claims (8)

  1. 用紙を供給する給紙部と、
    前記用紙を搬送路に沿って搬送する用紙搬送部と、
    前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
    前記搬送路上の用紙を検出する用紙検出部と、
    前記搬送路においてジャムの発生を検出するジャム検出部と、
    前記用紙を機外に排出する排紙部と、
    前記用紙検出部の検出結果に基づいて、前記給紙部による用紙の供給、前記給紙部から順次供給された少なくとも1枚の用紙の前記用紙搬送部による搬送および前記画像形成部による画像形成を制御するとともに、前記排紙部から前記用紙を排出する排出順序を制御する制御部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記ジャム検出部によりジャムが検出され、前記ジャムの起因となった起因紙の除去後に前記搬送路に残留紙がある場合、前記残留紙の印刷状態および前記排出順序に基づいて、前記残留紙をリカバリー印刷に使用できるか否かを判断する、画像形成システム。
  2. 前記制御部は、
    前記ジャム検出部によりジャムが検出された場合、前記残留紙を用紙搬送方向の下流側の一時停止ポイントに搬送する、請求項1に記載の画像形成システム。
  3. 前記一時停止ポイントは、
    前記起因紙の除去後に、前記残留紙の再搬送が可能な位置である、請求項2に記載の画像形成システム。
  4. 前記用紙搬送部は、
    前記画像形成部を通過した用紙を再び前記画像形成部に供給するための循環搬送部を備え、
    前記制御部は、
    両面印刷モードにおいて、前記搬送路にリカバリー印刷に使用できる残留紙がある場合、前記起因紙を含むジャム処理対象紙へのリカバリー印刷に使用される残留紙に後続する残留紙を、前記ジャム処理対象紙の両面印刷が完了するまで前記循環搬送部内で循環させるように制御する、請求項2または3に記載の画像形成システム。
  5. 前記用紙搬送部は、
    前記画像形成部を通過した用紙を再び前記画像形成部に供給するための循環搬送部を備え、
    前記制御部は、
    片面印刷モードにおいて、前記搬送路に片面印刷済みの残留紙がある場合、前記起因紙を含むジャム処理対象紙をリカバリー印刷する際に、前記残留紙を前記循環搬送部、または前記片面印刷モードでは通常使用されない所定の搬送路に一時停止させるように制御する、請求項2または3に記載の画像形成システム。
  6. 前記制御部は、
    前記残留紙が前記搬送路上で一時停止している時間が規定時間以上になった場合、前記残留紙を機外に排出するように制御する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
  7. 前記制御部は、
    前記残留紙を前記一時停止ポイントに一時停止する際に、前記残留紙の枚数が前記搬送路における前記一時停止ポイントの数よりも多く、前記残留紙を各々の前記一時停止ポイントに搬送しても、すべての前記残留紙を前記一時停止ポイントに停止させられない場合は、前記一時停止ポイントに停止できない前記残留紙をジャム処理対象紙とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の画像形成システム。
  8. 用紙を供給する給紙部と、
    前記用紙を搬送路に沿って搬送する用紙搬送部と、
    前記用紙に画像を形成する画像形成部と、
    前記搬送路上の用紙を検出する用紙検出部と、
    前記搬送路においてジャムの発生を検出するジャム検出部と、
    前記用紙を機外に排出する排紙部と、
    前記用紙検出部の検出結果に基づいて、前記給紙部による用紙の供給、前記給紙部から順次供給された少なくとも1枚の用紙の前記用紙搬送部による搬送および前記画像形成部による画像形成を制御するとともに、前記排紙部から前記用紙を排出する排出順序を制御する制御部と、を有する画像形成システムの制御プログラムであって、
    前記搬送路上においてジャムを検出したか否かを判断する手順(a)と、
    ジャムを検出した場合、前記ジャムの起因となった起因紙の除去後に前記搬送路に残留紙があるか否かを判断する手順(b)と、
    前記残留紙の印刷状態および前記排出順序に基づいて、前記残留紙をリカバリー印刷に使用できるか否かを判断する手順(c)と、をコンピューターに実行させるための制御プログラム。
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