JP2019174154A - アンモニア濃度検出装置 - Google Patents

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和弘 若尾
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Abstract

【課題】アンモニアセンサを用いてガスのアンモニア濃度を検出するアンモニア濃度検出装置において、該ガスのアンモニア濃度をより高精度で検出する。【解決手段】アンモニア濃度検出装置は、アンモニアセンサにおいて生じる混成電位に基づいて被測定ガスのアンモニア濃度を検出する第一検出手段と、アンモニアセンサにおいて生じる酸化電流に基づいて被測定ガスのアンモニア濃度を検出する第二検出手段と、被測定ガスのアンモニア濃度が所定の濃度閾値よりも高くなると想定される所定の条件が成立しているか否かを判定する判定手段と、所定の条件が成立していないと判定される場合には第一検出手段によってアンモニア濃度が検出されるように、所定の条件が成立していると判定される場合には第二検出手段によってアンモニア濃度が検出されるように、被測定ガスのアンモニア濃度の検出を切換える制御手段と、を備える。【選択図】図5A

Description

本発明は、アンモニアセンサを用いてガスのアンモニア濃度を検出するアンモニア濃度検出装置に関する。
内燃機関の排気通路に排気浄化触媒として、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元する選択還元型NOx触媒(以下、SCR触媒と称する。)を設ける場合がある。この場合、SCR触媒にアンモニアを供給すべく、アンモニアの前駆体である尿素を含んだ尿素水や、アンモニアガスを排気中に添加する。SCR触媒にアンモニアが供給されると、該アンモニアが該SCR触媒に吸着される。そして、SCR触媒において、吸着されたアンモニアを還元剤としてNOxが還元される。
このとき、SCR触媒におけるアンモニアの吸着量が適切な量に維持されると、SCR触媒において高いNOx浄化率を発揮させることが可能となる。また、SCR触媒をすり抜けて大気中に放出されてしまうアンモニアの量を可及的に少なくすることができる。そして、SCR触媒におけるアンモニアの吸着量を適切な量に維持するためには、排気のアンモニア濃度を把握する必要がある。そのため、従来、排気のアンモニア濃度を検出するためのアンモニアセンサが開発されている。
アンモニアセンサとしては、酸素イオン伝導性を有する固体電解質体の一方の面に被測定ガス側電極を設けるとともに、該固体電解質体の他方の面に基準ガス側電極を設けることで形成されたセンサ素子を用いたものが知られている。このような構造のセンサ素子を用いたアンモニアセンサにおける、被測定ガスのアンモニア濃度の検出態様の一つとして、被測定ガス側電極と基準ガス側電極との間に電圧を印加したときに両電極間に流れる電流値に基づいて、アンモニア濃度を検出する、酸化電流式の検出態様が挙げられる。また、他の検出態様としては、アンモニアセンサにおける被測定ガス側電極近傍のアンモニア濃度に応じて生じる起電力(混成電位)に基づいて、アンモニア濃度を検出する、混成電位式の検出態様が挙げられる。
そして、特許文献1には、被測定ガスの流路の前段および後段にセンサ素子が2段に配置されたアンモニア測定装置が開示されている。このアンモニア測定装置では、前段のセンサ素子において、被測定ガス側電極が設けられた固体電解質体表面で酸素が還元されて酸素イオンとなり、更に固体電解質の酸素イオンに対するポンプ作用により、被測定ガスから酸素が除去される。そして、後段のセンサ素子においては、被測定ガス中のアンモニアが酸化される。特許文献1に記載のアンモニア測定装置では、このときに後段のセンサ素子に流れる電流値に基づいて、被測定ガスのアンモニア濃度が測定される。
特許第3211513号公報
従来の混成電位式アンモニアセンサでは、被測定ガスのアンモニア濃度が比較的低いときに該被測定ガスのアンモニア濃度を高精度で検出できる一方で、被測定ガスのアンモニア濃度が比較的高いときには、アンモニア濃度の検出精度が低下するという問題があった。
また、特許文献1に記載のアンモニア測定装置では、被測定ガスが、前段に設けられたセンサ素子を流通した後に、後段に設けられたセンサ素子を流通することで、該後段のセンサ素子において被測定ガスのアンモニア濃度が測定される。このような構成では、被測定ガスが前段のセンサ素子を流通する際に、上述した前段センサ素子における作用に起因して、被測定ガス中のアンモニアが酸化され得る。そのため、被測定ガスが後段のセンサ素子に到達する前に、被測定ガス中のアンモニアの一部が消失してしまう傾向がある。その結果、特許文献1に記載のアンモニア測定装置では、被測定ガスのアンモニア濃度の検出精度が低下する虞がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、アンモニアセンサを用いてガスのアンモニア濃度を検出するアンモニア濃度検出装置において、該ガスのアンモニア濃度をより高精度で検出することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るアンモニア濃度検出装置は、固体電解質体の一方の面に被測定ガス側電極が設けられ、該固体電解質体の他方の面に基準ガス側電極が設けられることで形成されたセンサ素子を有するアンモニアセンサと、前記アンモニアセンサの前記被測定ガス側電極と前記基準ガス側電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、を備えるアンモニア濃度検出装置であって、前記アンモニアセンサにおける前記被測定ガス側電極近傍のアンモニア濃度に応じて生じる起電力に基づいて、被測定ガスのアンモニア濃度を検出する第一検出手段と、前記電圧印加手段によって電圧が印加されたときに前記アンモニアセンサに流れる電流値に基づいて、被測定ガスのアンモニア濃度を検出する第二検出手段と、被測定ガスのアンモニア濃度が所定の濃度閾値よりも高くなると想定される所定の条件が成立しているか否かを判定する判定手段と、被測定ガスのアンモニア濃度の検出について、前記第一検出手段による検出と、前記第二検出手段による検出と、の切換えを制御する制御手段であって、前記判定手段によって前記所定の条件が成立していないと判定される場合には、前記第一検出手段によって被測定ガスのアンモニア濃度が検出されるように前記切換えを制御し、前記判定手段によって前記所定の条件が成立していると判定される場合には、前記第二検出手段によって被測定ガスのアンモニア濃度が検出されるように前記切換えを制御する制御手段と、を備える。
このようなアンモニア濃度検出装置では、被測定ガス側電極が被測定ガスに曝され、基準ガス側電極が基準ガス(例えば、大気)に曝される。そして、被測定ガス側電極の反応界面における被測定ガスの電気化学反応と酸素の電気化学反応とのつり合いにより、被測定ガス側電極近傍のアンモニア濃度に応じて起電力(混成電位)が発生する。第一検出手段は、この混成電位に基づいて被測定ガスのアンモニア濃度を検出する。つまり、第一検出手段によるアンモニア濃度の検出態様は、混成電位式の検出態様である。
一方、上記のアンモニア濃度検出装置において、電圧印加手段によって被測定ガス側電極と基準ガス側電極との間に電圧が印加されると、基準ガス側電極において酸素が還元されて酸素イオンとなり、該酸素イオンが固体電解質体を移動する。そして、被測定ガス側電極において、この酸素イオンと、被測定ガスに含まれるアンモニアと、が反応することで、すなわち被測定ガスに含まれるアンモニアが酸化されることで、センサ素子に電流(酸化電流)が流れる。第二検出手段は、この酸化電流に基づいて被測定ガスのアンモニア濃度を検出する。つまり、第二検出手段によるアンモニア濃度の検出態様は、酸化電流式の検出態様である。
ここで、本発明者は、鋭意検討を行った結果、被測定ガスのアンモニア濃度の検出について、第一検出手段による検出と、第二検出手段による検出と、の切換えを制御すること
で、被測定ガスのアンモニア濃度をより高精度で検出できることを見出した。詳しくは、被測定ガスのアンモニア濃度が所定の濃度閾値以下のときには、混成電位式の検出態様によりアンモニア濃度を高精度で検出できることに着目して、被測定ガスのアンモニア濃度が該濃度閾値以下になると想定されるときには、混成電位式の検出態様によりアンモニア濃度が検出されるように、つまり、第一検出手段によって被測定ガスのアンモニア濃度が検出されるようにした。一方、被測定ガスのアンモニア濃度が所定の濃度閾値よりも高いときには、混成電位式の検出態様ではアンモニア濃度の検出精度が低下することに着目して、被測定ガスのアンモニア濃度が該濃度閾値よりも高くなると想定されるときには、酸化電流式の検出態様によりアンモニア濃度が検出されるように、つまり、第二検出手段によって被測定ガスのアンモニア濃度が検出されるようにした。ここで、所定の濃度閾値は、被測定ガスのアンモニア濃度が該濃度閾値以下のときには、混成電位式の検出態様によって被測定ガスのアンモニア濃度を高精度で検出することができ、被測定ガスのアンモニア濃度が該濃度閾値よりも高いときには、酸化電流式の検出態様によって混成電位式の検出態様よりも高い精度で被測定ガスのアンモニア濃度を検出可能な閾値として定義される。
なお、第一検出手段による検出と、第二検出手段による検出と、の切換えの制御は、判定手段による前記所定の条件が成立しているか否かの判定に基づいて実行される。ここで、判定手段は、被測定ガスのアンモニア濃度と相関を有するパラメータに基づいて、前記所定の条件が成立しているか否かを判定することができる。
本発明に係るアンモニア濃度検出装置では、制御手段がこのように切換えを制御することによって、被測定ガスのアンモニア濃度をより高精度で検出することが可能となる。
また、前記制御手段によって、第一検出手段によるアンモニア濃度の検出と、第二検出手段によるアンモニア濃度の検出と、の切換えが制御される際に、被測定ガスの流速が考慮されてもよい。
ここで、混成電位式のアンモニア濃度検出態様においては、被測定ガス側電極に対する被測定ガスのガス当たりが混成電位に影響し易く、被測定ガスの流速が所定の流速閾値よりも高いときに、アンモニア濃度の検出精度が低下し易くなることが判った。詳しくは、被測定ガスの流速が所定の流速閾値よりも高い場合、混成電位式のアンモニア濃度検出態様では、被測定ガスの流速が高くなるほどアンモニア濃度の検出精度が低下し易くなる傾向にある。ここで、所定の流速閾値は、被測定ガスの流速が該流速閾値以下のときには、混成電位式の検出態様によって被測定ガスのアンモニア濃度を高精度で検出し得る閾値として定義される。
そこで、前記判定手段は、被測定ガスの流速が所定の流速閾値よりも高い場合、被測定ガスの流速が高くなるほど前記濃度閾値が低くなるように前記濃度閾値を変更して、前記所定の条件が成立しているか否かを判定してもよい。これによれば、第一検出手段によるアンモニア濃度の検出と、第二検出手段によるアンモニア濃度の検出と、の切換えの制御において、上述した被測定ガスの流速が混成電位に及ぼす影響が考慮されることになる。その結果、被測定ガスのアンモニア濃度をより高精度で検出することが可能となる。
以上に述べたアンモニア濃度検出装置は、内燃機関を備えた車両に適用されてもよい。そして、前記内燃機関は、該内燃機関の排気通路内にアンモニア又はアンモニアの前駆体を還元剤として添加する添加弁と、前記添加弁よりも下流側の前記排気通路に設けられ、アンモニアによって排気中のNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、を備え、前記アンモニアセンサは、前記添加弁よりも下流側の前記排気通路に配置されてもよい。そして、前記判定手段は、前記添加弁からの還元剤の添加量に基づいて、前記所定の条件が成立
しているか否かを判定してもよい。
このような構成によれば、判定手段は、添加弁からの還元剤の添加量に基づいて、排気通路を流通する排気に含まれるアンモニアの濃度を推定し、上記を判定することができる。更に、判定手段は、排気のアンモニア濃度が濃度閾値よりも高くなることが前もって予測される場合には、実際の排気のアンモニア濃度が濃度閾値よりも高くなる前に、前記所定の条件が成立していると判定することができる。これによれば、制御手段による上記の切換え制御が、可及的に早いタイミングで実行され得る。その結果、被測定ガスのアンモニア濃度をより高精度で検出することが可能となる。なお、上述した排気のアンモニア濃度の将来予測は、車両の運転状態に基づいて予測され得る。例えば、車両の走行負荷が高くなると、内燃機関から排出されるNOx量が増加する傾向にある。そのため、この場合、車両の走行負荷に基づいて、添加弁からの還元剤の添加量が定められる。そして、定められた量の還元剤が添加されたと仮定した場合の排気のアンモニア濃度が推定され、上記が予測される。
本発明によれば、アンモニアセンサを用いてガスのアンモニア濃度を検出するアンモニア濃度検出装置において、該ガスのアンモニア濃度をより高精度で検出することができる。
本発明の第一の実施形態に係る内燃機関の吸排気系の概略構成を示す図である。 図1におけるアンモニアセンサ付近の模式的な拡大断面図である。 アンモニアセンサの先端部近傍の縦断面図である。 センサ出力に基づくアンモニア濃度と、分析されたアンモニア濃度と、の相関を表す図である。 本発明の第一の実施形態における切換えが実行される場合の、センサ出力に基づくアンモニア濃度と、分析されたアンモニア濃度と、の相関を表す図である。 本発明の第一の実施形態に係る制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第一の実施形態に係る制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第一の実施形態に係る制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第一の実施形態の変形例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成を示す図である。 本発明の第一の実施形態の変形例に係る制御フローを示す第一のフローチャートである。 本発明の第一の実施形態の変形例に係る制御フローを示す第二のフローチャートである。 センサ出力に基づくアンモニア濃度と、センサ近傍を流通する排気の流速と、の相関を表す図である。 排気の流速に基づいて、混成電位式の検出態様によるアンモニア濃度の検出と、酸化電流式の検出態様によるアンモニア濃度の検出と、が切換えられた場合の、センサ出力に基づくアンモニア濃度と、センサ近傍を流通する排気の流速と、の相関を表す図である。 本発明の第二の実施形態に係る制御フローを示すフローチャートである。 本発明の第三の実施形態に係る制御フローを示す第一のフローチャートである。 本発明の第三の実施形態に係る制御フローを示す第二のフローチャートである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、例示的に詳しく説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(第一の実施形態)
<内燃機関とその吸排気系の構成>
図1は、本実施形態に係る内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)である。ただし、本発明は、ガソリン等を燃料とする火花点火式の内燃機関にも適用することができる。
内燃機関1は、気筒内へ燃料を噴射する燃料噴射弁3を備えている。なお、内燃機関1が火花点火式の内燃機関である場合は、燃料噴射弁3は、吸気ポートへ燃料を噴射するように構成されてもよい。
内燃機関1は吸気通路4と接続されている。吸気通路4には、エアフローメータ40およびスロットル弁41が設けられている。エアフローメータ40は、吸気通路4内を流れる吸気(空気)の量(質量)に応じた電気信号を出力する。スロットル弁41は、吸気通路4におけるエアフローメータ40よりも下流側に配置されている。スロットル弁41は、吸気通路4内の通路断面積を変更することで、内燃機関1の吸入空気量を調整する。
内燃機関1は排気通路5と接続されている。排気通路5には、排気の流れに従って順に、燃料添加弁53、酸化触媒51、温度センサ55、尿素水添加弁54、選択還元型NOx触媒52(以下、「SCR触媒52」と称する場合もある。)、およびアンモニアセンサ6が設けられている。SCR触媒52は、筒状のケーシング内に収容された触媒担体に担持されている。このSCR触媒52は、アンモニアを還元剤として排気中のNOxを還元する機能を有する。また、SCR触媒52よりも上流側に設けられている尿素水添加弁54は、排気通路5内を流れる排気中に尿素水を添加し、該尿素水がSCR触媒52に供給される。つまり、SCR触媒52に、アンモニアの前駆体である尿素が供給される。SCR触媒52においては、供給された尿素が加水分解されることで生成されたアンモニアが該触媒に吸着する。そして、このSCR触媒52に吸着したアンモニアを還元剤として、排気中のNOxが還元される。なお、SCR触媒52は、多孔質の基材により形成されたウォールフロー型のフィルタに担持されてもよい。この場合、フィルタによって排気中のPMが捕集され、SCR触媒52によって排気中のNOxが還元される。また、尿素水添加弁54に代えて、アンモニアガスを排気中に添加するアンモニア添加弁を設けてもよい。
また、燃料添加弁53は、排気通路5内を流れる排気中に燃料を添加する。酸化触媒51は、該触媒に流入するHC、CO等を酸化する。ここで、燃料添加弁53によって排気通路5内を流れる排気中に燃料が添加されると、酸化触媒51に該燃料が流入する。その結果、酸化触媒51において該燃料が酸化され、それに伴って熱が発生する。そして、発生した熱が、SCR触媒52に供給されることで、SCR触媒52の温度が該触媒の活性化温度よりも高く維持され得る。
また、温度センサ55は、SCR触媒52に流入する排気の温度に応じた電気信号を出力する。アンモニアセンサ6は、SCR触媒52から流出する排気のアンモニア濃度に応じた電気信号を出力する。なお、アンモニアセンサ6の構造については後述する。そして、アンモニアセンサ6は、回路切換部61と電気的に接続されている。回路切換部61は、アンモニアセンサ6における排気側電極近傍のアンモニア濃度に応じて生じる起電力(
混成電位)に基づいてアンモニア濃度を検出する混成電位回路62と、電圧が印加されたときにアンモニアセンサ6に流れる電流値に基づいてアンモニア濃度を検出する酸化電流回路63と、を切換えるスイッチである。なお、回路切換部61を用いた、アンモニアセンサ6と、混成電位回路62または酸化電流回路63と、の接続の切換えは、後述するECU20によって制御される。アンモニアセンサ6、ECU20、回路切換部61、混成電位回路62、酸化電流回路63等を含んで構成される本実施形態に係るアンモニア濃度検出装置についての詳細は、後述する。
内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されている。ECU20は、内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。ECU20には、上記のエアフローメータ40、温度センサ55に加え、アクセル開度センサ7、およびクランクポジションセンサ8等の各種センサが電気的に接続されている。アクセル開度センサ7は、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)に相関した電気信号を出力するセンサである。クランクポジションセンサ8は、内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)の回転位置に相関する電気信号を出力するセンサである。そして、これらのセンサの出力信号がECU20に入力される。ECU20は、アクセル開度センサ7の出力信号に基づいて内燃機関1の機関負荷を導出し、クランクポジションセンサ8の出力信号に基づいて内燃機関1の機関回転速度を導出する。また、ECU20は、エアフローメータ40の出力値に基づいて、内燃機関1から排出される排気の流量(以下、「排気流量」と称する場合もある。)を推定し、温度センサ55の出力値に基づいてSCR触媒52の温度を推定する。
また、ECU20には、燃料噴射弁3、スロットル弁41、燃料添加弁53、尿素水添加弁54、および回路切換部61等の各種装置が電気的に接続されている。ECU20によって、これら各種装置が制御される。ECU20は、SCR触媒52におけるアンモニアの吸着量が適切な量に維持されるように、尿素水添加弁54からの尿素水の添加量を制御する。仮に、SCR触媒52に供給されるアンモニアの量が多すぎると、該SCR触媒52をすり抜けて大気中に放出されてしまうアンモニアの量も過剰に多くなる虞がある。そこで、ECU20は、アンモニア濃度検出装置(詳細は、後述する。)によって検出される排気のアンモニア濃度に基づいて、尿素水添加弁54からの尿素水の添加量を制御する。詳しくは、ECU20は、SCR触媒52におけるアンモニアの吸着量が維持されつつ、SCR触媒52から流出する排気のアンモニア濃度(これは、上記のアンモニア濃度検出装置によって検出される。)が最小化されるように、尿素水添加弁54からの尿素水の添加量についてフィードバック制御を行う。
なお、図1に示す構成においては、アンモニアセンサ6がSCR触媒52よりも下流側に設けられているが、アンモニアセンサ6は、尿素水添加弁54(アンモニア添加弁)とSCR触媒52との間の排気通路5に設けられてもよい。この場合にも、ECU20は、アンモニア濃度検出装置によって検出される排気のアンモニア濃度に基づいて、SCR触媒52におけるアンモニアの吸着量が適切な量に維持されるように、尿素水添加弁54(アンモニア添加弁)を制御することができる。
<アンモニアセンサの構造>
次に、図2および図3に基づいて、アンモニアセンサ6の構造について簡単に説明する。図2は、図1におけるアンモニアセンサ6付近の模式的な拡大断面図である。また、図3は、アンモニアセンサ6の先端部近傍の縦断面図である。
図2において、アンモニアセンサ6は、後述するセンサ素子10と、該センサ素子10を覆う耐熱性のハウジング部材でありその一部が排気通路5に露出している保護カバー9とを含んで構成される。センサ素子10は保護カバー9に覆われることでその機械的強度が担保される。また、センサ素子10は、上述した混成電位回路62および酸化電流回路
63と電気的に接続されている。
次に、センサ素子10の概略構成について、図3に基づいて説明する。センサ素子10は、固体電解質11を備える。固体電解質11は、酸素イオンを伝導する機能を有する。このような固体電解質11は、例えば酸化ジルコニウム(ジルコニア)によって構成される。そして、センサ素子10において、固体電解質11の一方の面には排気側電極12が設けられ、その他方の面には大気側電極13が設けられる。本実施形態では、排気側電極12はAuが含まれる金属材料で構成され、大気側電極13はPtが含まれる金属材料で構成される。なお、本実施形態においては、排気側電極12が本発明における被測定ガス側電極に相当し、大気側電極13が本発明における基準ガス側電極に相当する。
そして、固体電解質11における大気側電極13が設けられた側の面には、ヒータ層14が積層されている。ヒータ層14にはヒータ15が埋設されていて、ヒータ15は、図示しない外部の電気回路から電力の供給を受けることにより、センサ素子10を所望の活性温度に加熱することができる。なお、この電気回路はECU20と電気的に接続されており、ヒータ15に供給される電力はECU20によって制御される。
そして、固体電解質11とヒータ層14との間には大気室16が形成されている。大気室16は、大気に連通されており、アンモニアセンサ6が排気通路5内に配置された状態であっても、大気側電極13は基準ガス(大気)に曝された状態に維持される。なお、排気側電極12は、アンモニアセンサ6が排気通路5内に配置された状態において、被測定ガス(排気)に曝された状態に維持される。
<アンモニア濃度検出装置>
本実施形態に係るアンモニア濃度検出装置は、アンモニアセンサ6、ECU20、回路切換部61、混成電位回路62、電圧検出部621、酸化電流回路63、および電流検出部631を含んで構成される。このようなアンモニア濃度検出装置では、ECU20が回路切換部61を制御することによって、アンモニアセンサ6と、混成電位回路62または酸化電流回路63と、の接続が切換えられる。
そして、アンモニアセンサ6と混成電位回路62とが接続される場合は、混成電位に基づいてアンモニア濃度を検出する混成電位式の検出態様によって、排気のアンモニア濃度が検出される。ここで、アンモニアセンサ6においては、排気側電極12の表面における電気化学反応に基づき、排気のアンモニア濃度に応じた起電力(混成電位)が発生する。アンモニアセンサ6と混成電位回路62とが接続されているとき、この混成電位は、混成電位回路62に設けられた電圧検出部621によって検出される。混成電位を検出した電圧検出部621は、該混成電位に相関する電気信号を出力する。そして、この出力信号がECU20に入力される。そうすると、ECU20は、電圧検出部621の出力信号に基づいて排気のアンモニア濃度を算出することができる。なお、このように混成電位に基づいてアンモニア濃度を検出する混成電位回路62、および電圧検出部621が、本発明における第一検出手段に相当する。
一方、アンモニアセンサ6と酸化電流回路63とが接続される場合は、酸化電流に基づいてアンモニア濃度を検出する酸化電流式の検出態様によって、排気のアンモニア濃度が検出される。なお、酸化電流とは、アンモニアセンサ6と酸化電流回路63とが接続されており且つ電圧が印加されたときに、排気側電極12において排気中のアンモニアが酸化されることでセンサ素子10に流れる電流である。詳しくは、排気側電極12と大気側電極13との間に電圧が印加されると、大気側電極13において酸素が還元されて酸素イオンとなり、該酸素イオンが固体電解質11を移動する。そして、排気側電極12が曝されている排気中にアンモニアが存在すると、排気側電極12において下記式1に示す反応が
生じる。
2NH+3O2−→N+3HO+6e ・・・式1
このように、排気側電極12と大気側電極13との間に電圧が印加され、上記の一連の作用が生じると、センサ素子10に電流が流れる。そして、このときの電流値が、排気に含まれるアンモニア濃度に応じた値となる。このような酸化電流は、酸化電流回路63に設けられた電流検出部631によって検出される。酸化電流を検出した電流検出部631は、該酸化電流に相関する電気信号を出力する。そして、この出力信号がECU20に入力される。そうすると、ECU20は、電流検出部631の出力信号に基づいて排気のアンモニア濃度を算出することができる。なお、このように酸化電流に基づいてアンモニア濃度を検出する酸化電流回路63、および電流検出部631が、本発明における第二検出手段に相当する。
ここで、混成電位式の検出態様では、排気のアンモニア濃度が比較的低いときに該排気のアンモニア濃度を高精度で検出できる一方で、排気のアンモニア濃度が比較的高いときには、アンモニア濃度の検出精度が低下するという傾向がある。これについて、図4Aに基づいて以下に説明する。
図4Aは、本実施形態に係るアンモニア濃度検出装置において排気のアンモニア濃度にかかわらず混成電位式の検出態様でアンモニア濃度を検出した場合のセンサ出力に基づくアンモニア濃度と、このときの排気を分析計で定量分析することで得られた分析されたアンモニア濃度と、の相関を表す図である。なお、図4Aの横軸によって表される分析されたアンモニア濃度は、その値が確からしいものとする。
図4Aに示すように、分析されたアンモニア濃度がC1、C2、およびC3の場合には、センサ出力に基づくアンモニア濃度が、分析されたアンモニア濃度と略等しくなっている。これに対して、分析されたアンモニア濃度がC4、およびC5の場合には、センサ出力に基づくアンモニア濃度が、分析されたアンモニア濃度よりも低くなっている。このように、混成電位式の検出態様では、アンモニア濃度が或る濃度よりも高くなると、アンモニア濃度の変化に対する出力の変化が緩慢になる傾向がある。その結果、混成電位式の検出態様では、アンモニア濃度が或る濃度よりも高くなると、アンモニア濃度の検出精度が低下してしまう。
一方で、酸化電流式の検出態様では、排気のアンモニア濃度にかかわらず、アンモニアの検出精度が一定に保たれる傾向にある。しかしながら、排気側電極12および大気側電極13への通電が長時間に亘って行われると、これら電極が劣化してしまう虞がある。
そこで、本実施形態に係るアンモニア濃度検出装置では、ECU20が、排気のアンモニア濃度が所定の濃度閾値以下になると想定されるときには、混成電位式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出されるように回路切換部61を制御し、排気のアンモニア濃度が所定の濃度閾値よりも高くなると想定されるときには、酸化電流式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出されるように回路切換部61を制御する。ここで、所定の濃度閾値は、排気のアンモニア濃度が該濃度閾値以下のときには、混成電位式の検出態様によって該排気のアンモニア濃度を高精度で検出することができ、排気のアンモニア濃度が該濃度閾値よりも高いときには、酸化電流式の検出態様によって混成電位式の検出態様よりも高い精度で該排気のアンモニア濃度を検出可能な閾値として定義され、その値は、例えば200ppmである。なお、ECU20が上記のように回路切換部61を制御することによって、本発明に係る制御手段として機能する。
図4Bは、排気のアンモニア濃度の検出について、ECU20が、混成電位式の検出態
様による検出と、酸化電流式の検出態様による検出と、の切換えを制御した場合のセンサ出力に基づくアンモニア濃度と、このときの排気を分析計で定量分析することで得られた分析されたアンモニア濃度と、の相関を表す図である。なお、図4Bにおいては上記の濃度閾値がC3によって表され、ECU20は、排気のアンモニア濃度がC3以下になると想定されるときには、混成電位式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出されるように回路切換部61を制御し、排気のアンモニア濃度がC3よりも高くなると想定されるときには、酸化電流式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出されるように回路切換部61を制御する。また、上記の図4Aに示した、分析されたアンモニア濃度がC4よりも高いときのセンサ出力に基づくアンモニア濃度と分析されたアンモニア濃度との相関が、図4Bにおいて参考のために点線によって表されている。そうすると、図4Bに示すように、分析されたアンモニア濃度がC4よりも高いときには、酸化電流式の検出態様により排気のアンモニア濃度が検出されることによって、混成電位式の検出態様により排気のアンモニア濃度が検出される場合よりも、排気のアンモニア濃度が高い精度で検出されていることが判る。
ここで、ECU20が実行する制御フローについて、図5Aから図5Cに基づいて説明する。図5Aから図5Cは、本実施形態に係る制御フローを示すフローチャートである。本実施形態では、ECU20によって、本フローが所定の演算周期で繰り返し実行される。
本フローでは、先ず、S101において、アンモニアセンサ6が活性しているか否かが判別される。ここで、アンモニアセンサ6が活性している状態とは、センサ素子10が活性温度以上にされた状態である。S101では、周知の技術に基づいてアンモニアセンサ6が活性しているか否かが判別される。そして、S101において肯定判定された場合、ECU20はS102の処理へ進む。一方、S101において否定判定された場合、この場合はアンモニアセンサ6が活性しておらず後述のようにしてアンモニア濃度が検出されてもその検出精度が確保されない場合であって、本フローの実行が終了される。
S101において肯定判定された場合、次に、S102において、切換え制御フラグSwflgが取得される。切換え制御フラグSwflgは、回路切換部61によって、アンモニアセンサ6と混成電位回路62とが接続されているときに0に設定され、アンモニアセンサ6と酸化電流回路63とが接続されているときに1に設定されるフラグである。この切換え制御フラグSwflgは、後述する処理(S107、S111、S115、S119)によって、その値が設定される。
次に、S103において、S102で取得した切換え制御フラグSwflgが0となっているか否かが判別される。そして、S103において肯定判定された場合、この場合はアンモニアセンサ6と混成電位回路62とが接続されている場合であって、ECU20はS104の処理へ進む。一方、S103において否定判定された場合、この場合はアンモニアセンサ6と酸化電流回路63とが接続されている場合であって、ECU20はS112の処理へ進む。
S103において肯定判定された場合、次に、S104において、混成電位Vmpが取得される。上述したように、アンモニアセンサ6においては、排気側電極12の表面における電気化学反応に基づき、排気のアンモニア濃度に応じた起電力が発生する。S104では、この起電力が混成電位回路62に設けられた電圧検出部621によって検出されることで、混成電位Vmpが取得される。
次に、S105において、S104で取得した混成電位Vmpが電位閾値Vmpth以下となっているか否かが判別される。ここで、電位閾値Vmpthは、上述した濃度閾値
と相関を有する値であって、排気のアンモニア濃度が該濃度閾値であるときの混成電位の値として定義される。したがって、混成電位がこの電位閾値Vmpth以下のときには、排気のアンモニア濃度が濃度閾値以下になると想定され、混成電位式の検出態様によって排気のアンモニア濃度を高精度で検出することが可能となる。そして、S105において肯定判定された場合、ECU20はS106の処理へ進み、S105において否定判定された場合、ECU20はS108の処理へ進む。
S105において肯定判定された場合、次に、S106において、S104で取得した混成電位Vmpに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される。S106では、S104で取得した混成電位Vmpと、ECU20のROMにマップまたは関数として予め記憶された混成電位とアンモニア濃度との相関と、に基づいて排気のアンモニア濃度が算出される。そして、S107において、切換え制御フラグSwflgが0に設定される。そして、S107の処理の後、本フローの実行が終了される。
また、S105において否定判定された場合、次に、S108において、アンモニアセンサ6の接続先が、混成電位回路62から酸化電流回路63へ切換えられる。S108では、ECU20が回路切換部61を制御することで、上記切換えが実行される。
次に、S109において、酸化電流Iocが取得される。S109では、電圧が印加されたときに排気側電極12において排気中のアンモニアが酸化されることでセンサ素子10に流れる電流の値が、酸化電流回路63に設けられた電流検出部631によって検出されることで、酸化電流Iocが取得される。
次に、S110において、S109で取得した酸化電流Iocに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される。S110では、S109で取得した酸化電流Iocと、ECU20のROMにマップまたは関数として予め記憶された酸化電流とアンモニア濃度との相関と、に基づいて排気のアンモニア濃度が算出される。そして、S111において、切換え制御フラグSwflgが1に設定される。そして、S111の処理の後、本フローの実行が終了される。
このように、混成電位Vmpが電位閾値Vmpth以下である場合、すなわち排気のアンモニア濃度が所定の濃度閾値以下になると想定される場合には、混成電位Vmpに基づいて排気のアンモニア濃度が検出され、混成電位Vmpが電位閾値Vmpthよりも高い場合、すなわち排気のアンモニア濃度が所定の濃度閾値よりも高くなると想定される場合には、酸化電流Iocに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される。これにより、排気のアンモニア濃度が所定の濃度閾値以下になると想定される場合には、混成電位式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が高精度で検出され、排気のアンモニア濃度が所定の濃度閾値よりも高くなると想定される場合には、酸化電流式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が高精度で検出される。
一方、S103において否定判定された場合、次に、S112において、酸化電流Iocが取得される。この場合はアンモニアセンサ6と酸化電流回路63とが接続されている場合であって、S112では、上記のS109の処理の説明で述べたのと同様にして酸化電流Iocが取得される。
次に、S113において、S112で取得した酸化電流Iocが電流閾値Iocthよりも大きくなっているか否かが判別される。ここで、電流閾値Iocthは、上述した濃度閾値と相関を有する値であって、排気のアンモニア濃度が該濃度閾値であるときの酸化電流の値として定義される。したがって、酸化電流がこの電流閾値Iocth以下のときには、排気のアンモニア濃度が濃度閾値以下になると想定され、混成電位式の検出態様に
よって排気のアンモニア濃度を高精度で検出することが可能となる。そして、S113において肯定判定された場合、ECU20はS114の処理へ進み、S113において否定判定された場合、ECU20はS116の処理へ進む。
S113において肯定判定された場合、次に、S114において、S112で取得した酸化電流Iocに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される。S114の処理は、上記のS110の処理と実質的に同一である。そして、S115において、切換え制御フラグSwflgが1に設定される。そして、S115の処理の後、本フローの実行が終了される。
また、S113において否定判定された場合、次に、S116において、アンモニアセンサ6の接続先が、酸化電流回路63から混成電位回路62へ切換えられる。S116では、ECU20が回路切換部61を制御することで、上記切換えが実行される。
次に、S117において、混成電位Vmpが取得される。S117では、上記のS104の処理の説明で述べたのと同様にして混成電位Vmpが取得される。
次に、S118において、S117で取得した混成電位Vmpに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される。S118の処理は、上記のS106の処理と実質的に同一である。そして、S119において、切換え制御フラグSwflgが0に設定される。そして、S119の処理の後、本フローの実行が終了される。
このように、酸化電流Iocが電流閾値Iocth以下である場合、すなわち排気のアンモニア濃度が所定の濃度閾値以下になると想定される場合には、混成電位Vmpに基づいて排気のアンモニア濃度が検出され、酸化電流Iocが電流閾値Iocthよりも大きい場合、すなわち排気のアンモニア濃度が所定の濃度閾値よりも高くなると想定される場合には、酸化電流Iocに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される。
なお、ECU20がS105またはS113の処理を実行することによって、本発明に係る判定手段として機能する。そして、例えばS105において、混成電位Vmpが電位閾値Vmpthよりも高くなっていると判定される場合には、排気のアンモニア濃度が所定の濃度閾値よりも高くなると想定される所定の条件が成立していると判定されていることになる。一方、混成電位Vmpが電位閾値Vmpth以下となっていると判定される場合には、本発明に係る上記所定の条件が成立していないと判定されていることになる。
ECU20が、以上に説明したような制御を実行することにより、電極の劣化を抑制しつつ、排気のアンモニア濃度をより高精度で検出することができる。
(第一の実施形態の変形例)
次に、上述した第一の実施形態の変形例について説明する。なお、本変形例において、上述した第一の実施形態と実質的に同一の構成については、その詳細な説明を省略する。
第一の実施形態では、ECU20が、回路切換部61を用いて、アンモニアセンサ6と、混成電位回路62または酸化電流回路63と、の接続の切換えを制御することによって、アンモニア濃度検出態様の切換え制御が実行される。これに対して、本変形例では、SCR触媒52よりも下流の排気通路5に2つのアンモニアセンサが配置される。そして、SCR触媒52から流出する排気のアンモニア濃度に応じて、各アンモニアセンサが出力を行う。ここで、アンモニア濃度検出装置による排気のアンモニア濃度の検出値としては、これらセンサの出力に基づいて算出されるアンモニア濃度のうちのいずれかのみが採用される。そこで、ECU20は、アンモニア濃度検出装置による排気のアンモニア濃度の
検出値の算出に用いられるセンサ出力が、想定される排気のアンモニア濃度に応じて切換えられるように制御する。
図6は、本変形例に係る内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図である。ここで、排気通路5には、排気の流れに従って順に、燃料添加弁53、酸化触媒51、温度センサ55、尿素水添加弁54、SCR触媒52、およびアンモニアセンサ6a,6bが設けられている。そして、アンモニアセンサ6aは、電圧検出部621と電気的に接続されている。また、アンモニアセンサ6bは、電流検出部631と電気的に接続されている。なお、これらアンモニアセンサ6a,6bの構造は、第一の実施形態で述べたアンモニアセンサ6の構造と同一である。
そして、本変形例に係るアンモニア濃度検出装置は、アンモニアセンサ6a,6b、ECU20、電圧検出部621、および電流検出部631を含んで構成される。
本変形例では、アンモニアセンサ6aおよび電圧検出部621を用いて、混成電位式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出される。また、アンモニアセンサ6bおよび電流検出部631を用いて、酸化電流式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出される。なお、電圧検出部621が本発明における第一検出手段に相当し、電流検出部631が本発明における第二検出手段に相当する。
ここで、ECU20が実行する制御フローについて、図7に基づいて説明する。図7は、本変形例に係る制御フローを示す第一のフローチャートである。本変形例では、ECU20によって、本フローが所定の演算周期で繰り返し実行される。
本フローでは、先ず、S201において、アンモニアセンサ6a,6bが活性しているか否かが判別される。S201の処理は、上記の図5Aに示したS101の処理と実質的に同一である。そして、S201において肯定判定された場合、ECU20はS202の処理へ進み、S201において否定判定された場合、本フローの実行が終了される。
S201において肯定判定された場合、次に、S202において、混成電位Vmpおよび酸化電流Iocが取得される。アンモニアセンサ6aにおける排気側電極12の表面における電気化学反応に基づき、排気のアンモニア濃度に応じて生じる起電力が、電圧検出部621によって検出されることで、混成電位Vmpが取得される。また、電圧が印加されたときに、排気側電極12において排気中のアンモニアが酸化されることでセンサ素子10に流れる電流の値が、電流検出部631によって検出されることで、酸化電流Iocが取得される。
次に、S203において、S202で取得した混成電位Vmpが電位閾値Vmpth以下となっているか否かが判別される。つまり、想定される排気のアンモニア濃度が濃度閾値以下となっているか否かが判別される。なお、電位閾値Vmpthは、第一の実施形態の説明で述べたとおりである。そして、S203において肯定判定された場合、ECU20はS204の処理へ進み、S203において否定判定された場合、ECU20はS205の処理へ進む。
S203において肯定判定された場合、次に、S204において、S202で取得した混成電位Vmpに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される。つまり、ここでは、アンモニアセンサ6aの出力(混成電位)に基づいて算出されるアンモニア濃度が、アンモニア濃度検出装置による排気のアンモニア濃度の検出値として採用されることになる。なお、S204の処理は、上記の図5Aに示したS106の処理と実質的に同一である。そして、S204の処理の後、本フローの実行が終了される。
また、S203において否定判定された場合、次に、S205において、S202で取得した酸化電流Iocに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される。つまり、ここでは、アンモニアセンサ6bの出力(酸化電流)に基づいて算出されるアンモニア濃度が、アンモニア濃度検出装置による排気のアンモニア濃度の検出値として採用されることになる。なお、S205の処理は、上記の図5Aに示したS110の処理と実質的に同一である。そして、S205の処理の後、本フローの実行が終了される。
このように、本変形例では、ECU20が、排気のアンモニア濃度の検出について、アンモニアセンサ6aおよび電圧検出部621を用いた検出と、アンモニアセンサ6bおよび電流検出部631を用いた検出と、の切換えを混成電位Vmp(想定される排気のアンモニア濃度)に応じて制御する。なお、ECU20は、このような切換えを酸化電流Iocに応じて制御してもよい。これについて、図8に基づいて以下に説明する。
図8は、本変形例に係る制御フローを示す第二のフローチャートである。本変形例では、ECU20によって、本フローが所定の演算周期で繰り返し実行される。なお、図8に示す各処理において、上記の図7に示した処理と実質的に同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図8に示すフローでは、S202の処理の後に、S303において、S202で取得した酸化電流Iocが電流閾値Iocthよりも大きくなっているか否かが判別される。つまり、想定される排気のアンモニア濃度が濃度閾値よりも高くなっているか否かが判別される。なお、電流閾値Iocthは、第一の実施形態の説明で述べたとおりである。そして、S303において肯定判定された場合、ECU20はS204の処理へ進み、S303において否定判定された場合、ECU20はS205の処理へ進む。
ECU20が、以上に説明したような制御を実行することによっても、排気のアンモニア濃度をより高精度で検出することができる。
(第二の実施形態)
次に、本発明の第二の実施形態について説明する。なお、本実施形態において、上述した第一の実施形態と実質的に同一の構成については、その詳細な説明を省略する。
第一の実施形態では、想定される排気のアンモニア濃度区分に基づいて、アンモニア濃度検出態様の切換え制御が実行される。これに対して、本実施形態では、排気のアンモニア濃度区分に加えて排気の流速に基づいて、アンモニア濃度検出態様の切換え制御が実行される。
ここで、混成電位式のアンモニア濃度検出態様においては、排気側電極12に対する排気のガス当たりが混成電位に影響し易く、排気の流速が或る流速よりも高いときに、アンモニア濃度の検出精度が低下することが判った。これについて、図9Aに基づいて以下に説明する。
図9Aは、本実施形態に係るアンモニア濃度検出装置において排気の流速にかかわらず混成電位式の検出態様でアンモニア濃度を検出した場合のセンサ出力に基づくアンモニア濃度と、このときにセンサ近傍を流通する排気の流速と、の相関を表す図である。なお、図9Aにおいては、定量分析されたアンモニア濃度C2の排気がセンサに流入しているものとする。
図9Aに示すように、排気の流速がV1、V2、およびV3の場合には、センサ出力に
基づくアンモニア濃度がC2と略等しくなっている。これに対して、排気の流速がV4、およびV5の場合には、センサ出力に基づくアンモニア濃度がC2よりも高くなっている。このように、混成電位式の検出態様では、排気の流速が或る流速よりも高くなると、アンモニア濃度の検出精度が低下してしまう。詳しくは、排気の流速が或る流速よりも高い場合、混成電位式のアンモニア濃度検出態様では、排気の流速が高くなるほどアンモニア濃度の検出精度が低下する傾向にある。
そこで、本実施形態に係るアンモニア濃度検出装置では、ECU20が、排気の流速が所定の流速閾値よりも高い場合、排気の流速が高くなるほど濃度閾値が低くなるように濃度閾値を変更して、排気のアンモニア濃度が該濃度閾値よりも高くなると想定される所定の条件が成立しているか否かを判定する。ここで、所定の流速閾値は、排気の流速が該流速閾値以下のときには、混成電位式の検出態様によって排気のアンモニア濃度を高精度で検出し得る閾値として定義され、その値は、例えば40m/secである。
図9Bは、本実施形態に係るアンモニア濃度検出装置において、排気の流速に基づいて、混成電位式の検出態様によるアンモニア濃度の検出と、酸化電流式の検出態様によるアンモニア濃度の検出と、が切換えられた場合のセンサ出力に基づくアンモニア濃度と、このときにセンサ近傍を流通する排気の流速と、の相関を表す図である。なお、図9Bにおいても、定量分析されたアンモニア濃度C2の排気がセンサに流入しているものとする。そして、図4Bにおいて、排気の流速がV3以下のときには、混成電位式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出され、排気の流速がV3よりも高いときには、酸化電流式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出されている。そうすると、図9Bに示すように、排気のアンモニア濃度が高精度で検出されていることが判る。
ここで、ECU20が実行する制御フローについて、図10に基づいて説明する。図10は、本実施形態に係る制御フローを示すフローチャートである。本実施形態では、ECU20によって、本フローが所定の演算周期で繰り返し実行される。なお、図10に示す各処理において、上記の図5Aから図5Cに示した処理と実質的に同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10に示すフローでは、S103において肯定判定された場合、次に、S401において、混成電位Vmpおよび排気流速Velが取得される。混成電位Vmpは、上記の図5Aに示したS104の処理の説明で述べたのと同様にして取得される。また、排気流速Velは、アンモニアセンサ6が配置されている排気通路5を流通する排気の流速であって、排気流量(上述したように、エアフローメータ40の出力値に基づいて推定される。)に基づいて取得される。
次に、S402において、S401で取得した排気流速Velが流速閾値Velth以下となっているか否かが判別される。ここで、流速閾値Velthは、上述した所定の流速閾値である。そして、S402において肯定判定された場合、ECU20はS403の処理へ進み、S402において否定判定された場合、ECU20はS404の処理へ進む。
S402において肯定判定された場合、次に、S403において、電位閾値Vmpthが電位閾値の基準値Vmpth0にされる。ここで、電位閾値Vmpthは、上記の所定の条件が成立しているか否かを判定するための判定閾値である。そして、基準値Vmpth0は、濃度閾値と相関を有する値であって、排気のアンモニア濃度が、実験等によって予め定められた濃度閾値であるときの混成電位の値である。この基準値Vmpth0は、ECU20のROMに予め記憶されている。そして、S403の処理の後、次に、S105において、S401で取得した混成電位VmpがS403で定めた電位閾値Vmpth
以下となっているか否かが判別される。つまり、排気流速Velが流速閾値Velth以下の場合、予め定められた濃度閾値に基づいて、所定の条件が成立しているか否かが判定されることになる。
一方、S402において否定判定された場合、次に、S404において、電位閾値Vmpthが、電位閾値の基準値Vmpth0とS401で取得した排気流速Velとに基づいて算出される。S404では、電位閾値Vmpthが基準値Vmpth0よりも低くなるように算出され、排気流速Velが高くなるほど基準値Vmpth0からより低くなるように、電位閾値Vmpthが算出される。そして、S404の処理の後、次に、S105において、S401で取得した混成電位VmpがS404で算出した電位閾値Vmpth以下となっているか否かが判別される。つまり、排気流速Velが流速閾値Velthよりも高い場合、排気流速Velが高くなるほど濃度閾値が低くなるように該濃度閾値が変更されて、所定の条件が成立しているか否かが判定されることになる。
また、図10に示すフローでは、S103において否定判定された場合、次に、S405において、酸化電流Iocおよび排気流速Velが取得される。酸化電流Iocは、上記の図5Bに示したS109の処理の説明で述べたのと同様にして取得される。また、排気流速Velは、S401の処理の説明で述べたのと同様にして取得される。
次に、S406において、S405で取得した排気流速Velが流速閾値Velth以下となっているか否かが判別される。S406の処理は、S402の処理と実質的に同一である。そして、S406において肯定判定された場合、ECU20はS407の処理へ進み、S406において否定判定された場合、ECU20はS408の処理へ進む。
S406において肯定判定された場合、次に、S407において、電流閾値Iocthが電流閾値の基準値Iocth0にされる。ここで、電流閾値Iocthは、上記の所定の条件が成立しているか否かを判定するための判定閾値である。そして、基準値Iocth0は、濃度閾値と相関を有する値であって、排気のアンモニア濃度が、実験等によって予め定められた濃度閾値であるときの酸化電流の値である。この基準値Iocth0は、ECU20のROMに予め記憶されている。そして、S407の処理の後、次に、S113において、S405で取得した酸化電流IocがS407で定めた電流閾値Iocthよりも大きくなっているか否かが判別される。
一方、S406において否定判定された場合、次に、S408において、電流閾値Iocthが、電流閾値の基準値Iocth0とS405で取得した排気流速Velとに基づいて算出される。S408では、電流閾値Iocthが基準値Iocth0よりも小さくなるように算出され、排気流速Velが高くなるほど基準値Iocth0からより小さくなるように、電流閾値Iocthが算出される。そして、S408の処理の後、次に、S113において、S405で取得した酸化電流IocがS408で定めた電流閾値Iocthよりも大きくなっているか否かが判別される。
ECU20が、以上に説明したような制御を実行することにより、電極の劣化を抑制しつつ、排気のアンモニア濃度をより高精度で検出することができる。
(第三の実施形態)
次に、本発明の第三の実施形態について説明する。なお、本実施形態において、上述した第一の実施形態と実質的に同一の構成については、その詳細な説明を省略する。
本実施形態では、尿素水添加弁54からの尿素水の添加量に基づいて、SCR触媒52から流出する排気のアンモニア濃度が推定される。そして、推定されたアンモニア濃度が
所定の濃度閾値よりも高いか否かが判定される。
ここで、ECU20が実行する制御フローについて、図11に基づいて説明する。図11は、本実施形態に係る制御フローを示す第一のフローチャートである。本実施形態では、ECU20によって、本フローが所定の演算周期で繰り返し実行される。なお、図11に示す各処理において、上記の図5Aから図5Cに示した処理と実質的に同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図11に示すフローでは、S102の処理の後に、S501において、SCR触媒52から流出する排気のアンモニア濃度の現在値Canowが推定される。ここで、現在値Canowは、尿素水添加弁54からの尿素水の添加量と相関を有する。また、現在値Canowは、尿素水添加弁54からの尿素水の添加量に加えて、SCR触媒52におけるアンモニアの吸着量やSCR触媒52の温度と相関を有する。そのため、S501では、これらパラメータに基づいて、現在値Canowが推定される。
次に、S502において、S501で推定した現在値Canowが濃度閾値Cath以下となっているか否かが判別される。ここで、濃度閾値Cathは、第一の実施形態の説明で述べた所定の濃度閾値である。そして、S502において肯定判定された場合、ECU20はS103の処理へ進み、S502において否定判定された場合、ECU20はS503の処理へ進む。
そして、S502において肯定判定された場合には、混成電位Vmpが取得され(S104)、取得した混成電位Vmpに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される(S106)。したがって、S502において肯定判定された場合に、アンモニアセンサ6が酸化電流回路63に接続されているときには(S103において否定判定される場合には)、アンモニアセンサ6の接続先が、酸化電流回路63から混成電位回路62へ切換えられる(S116)。
一方、S502において否定判定された場合には、次に、S503において、S102で取得した切換え制御フラグSwflgが1となっているか否かが判別される。そして、S503において肯定判定された場合、この場合はアンモニアセンサ6と、酸化電流回路63とが接続されている場合であって、ECU20はS112の処理へ進む。一方、S503において否定判定された場合、この場合はアンモニアセンサ6と混成電位回路62とが接続されている場合であって、ECU20はS108の処理へ進む。そして、S108において、アンモニアセンサ6の接続先が、混成電位回路62から酸化電流回路63へ切換えられる。その後に、酸化電流Iocが取得され(S112)、取得した酸化電流Iocに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される(S114)。
これによれば、現在値Canowが濃度閾値Cath以下であるときには、混成電位式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出され、現在値Canowが濃度閾値Cathよりも高いときには、酸化電流式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出されることになる。
更に、本実施形態では、ECU20は、排気のアンモニア濃度が濃度閾値Cathよりも高くなることが前もって予測される場合には、実際の排気のアンモニア濃度が濃度閾値Cathよりも高くなる前に、混成電位式の検出態様による検出と、酸化電流式の検出態様による検出と、の切換えを制御することができる。これについて、図12に基づいて説明する。
図12は、本実施形態に係る制御フローを示す第二のフローチャートである。本実施形
態では、ECU20によって、本フローが所定の演算周期で繰り返し実行される。なお、図12に示す各処理において、上記の図11に示した処理と実質的に同一の処理については、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図12に示すフローでは、S102の処理の後に、S601において、SCR触媒52から流出する排気のアンモニア濃度の将来値Canextが推定される。S601では、内燃機関1が搭載された車両の走行負荷に基づいて、今後内燃機関1から排出されると予測されるNOxの量が推定される。このように排出NOx量が推定されると、尿素水添加弁54からの尿素水の添加量が定められる。S601では、このようにして定められた尿素水の添加量および上述したパラメータに基づいて、将来値Canextが推定される。
次に、S602において、S601で推定した将来値Canextが濃度閾値Cath以下となっているか否かが判別される。そして、S602において肯定判定された場合、ECU20はS103の処理へ進む。一方、S602において否定判定された場合、この場合は今後排気のアンモニア濃度が濃度閾値Cathよりも高くなると予測される場合であって、ECU20はS503の処理へ進む。
そして、S602において否定判定された場合には、酸化電流Iocが取得され(S112)、取得した酸化電流Iocに基づいて排気のアンモニア濃度が検出される(S114)。このように、排気のアンモニア濃度が濃度閾値Cathよりも高くなると予測される場合には、実際の排気のアンモニア濃度が濃度閾値Cathよりも高くなる前に、酸化電流式の検出態様によって排気のアンモニア濃度が検出され得る。これによれば、電極の劣化を抑制しつつ、排気のアンモニア濃度をより高精度で検出することができる。
1・・・・内燃機関
3・・・・燃料噴射弁
4・・・・吸気通路
5・・・・排気通路
6・・・・アンモニアセンサ
10・・・センサ素子
11・・・固体電解質
12・・・排気側電極
13・・・大気側電極
20・・・ECU
52・・・SCR触媒
54・・・尿素水添加弁
61・・・回路切換部
62・・・混成電位回路
63・・・酸化電流回路
621・・電圧検出部
631・・電流検出部

Claims (3)

  1. 固体電解質体の一方の面に被測定ガス側電極が設けられ、該固体電解質体の他方の面に基準ガス側電極が設けられることで形成されたセンサ素子を有するアンモニアセンサと、
    前記アンモニアセンサの前記被測定ガス側電極と前記基準ガス側電極との間に電圧を印加する電圧印加手段と、
    を備えるアンモニア濃度検出装置であって、
    前記アンモニアセンサにおける前記被測定ガス側電極近傍のアンモニア濃度に応じて生じる起電力に基づいて、被測定ガスのアンモニア濃度を検出する第一検出手段と、
    前記電圧印加手段によって電圧が印加されたときに前記アンモニアセンサに流れる電流値に基づいて、被測定ガスのアンモニア濃度を検出する第二検出手段と、
    被測定ガスのアンモニア濃度が所定の濃度閾値よりも高くなると想定される所定の条件が成立しているか否かを判定する判定手段と、
    被測定ガスのアンモニア濃度の検出について、前記第一検出手段による検出と、前記第二検出手段による検出と、の切換えを制御する制御手段であって、前記判定手段によって前記所定の条件が成立していないと判定される場合には、前記第一検出手段によって被測定ガスのアンモニア濃度が検出されるように前記切換えを制御し、前記判定手段によって前記所定の条件が成立していると判定される場合には、前記第二検出手段によって被測定ガスのアンモニア濃度が検出されるように前記切換えを制御する制御手段と、
    を備えるアンモニア濃度検出装置。
  2. 前記判定手段は、被測定ガスの流速が所定の流速閾値よりも高い場合、被測定ガスの流速が高くなるほど前記濃度閾値が低くなるように前記濃度閾値を変更して、前記所定の条件が成立しているか否かを判定する、
    請求項1に記載のアンモニア濃度検出装置。
  3. 前記アンモニア濃度検出装置は、内燃機関を備えた車両に適用され、
    前記内燃機関は、該内燃機関の排気通路内にアンモニア又はアンモニアの前駆体を還元剤として添加する添加弁と、前記添加弁よりも下流側の前記排気通路に設けられ、アンモニアによって排気中のNOxを還元する選択還元型NOx触媒と、を備え、
    前記アンモニアセンサは、前記添加弁よりも下流側の前記排気通路に配置され、
    前記判定手段は、前記添加弁からの還元剤の添加量に基づいて、前記所定の条件が成立しているか否かを判定する、
    請求項1又は2に記載のアンモニア濃度検出装置。
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