JP2019173942A - 車両用駆動装置 - Google Patents

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雄一郎 梅本
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朋也 岡本
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一輝 柳原
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Abstract

【課題】制御基板の冷却性を維持しつつ、シール部材点数を削減し、コストの低減及び組み立て性の向上を図る。【解決手段】車両用駆動装置は、駆動伝達機構を収容するケース(51)と、ケースに設けられた開口部(51a)に挿入された状態で装着される電動オイルポンプ(10)と、を備える。電動オイルポンプ(10)は、モータ(12)と制御基板(16)とを隔絶する隔壁(10e)を有し、電動オイルポンプのフランジ部(10f)と、ケースとの間に、シール部材(24)が開口部の全周に亘って設けられている。制御基板の少なくとも一部がケースの外側に位置し、ポンプ本体(13)の少なくとも一部がケースの内側に位置する。【選択図】図3

Description

電動オイルポンプを備えた車両用駆動装置に関する。
従来、モータの動力によりポンプを作動させる電動オイルポンプを備えた車両用駆動装置が知られている。特許文献1には、変速機に形成された凹部に収容されるように、電動オイルポンプを部分的に埋設することが記載されている。この構成では、電動オイルポンプのモータを駆動する回路基板は変速機の外側にあり、変速機内部の高油温環境から離間させることで回路基板の冷却性を確保可能である。
特開2014−84779号公報
ところで、上記文献に記載の技術では、モータと回路基板と共通の空間に収容されており、回路基板に油が入らないようにする為、変速機内部の空間とモータとモータを仕切るシールや、ポンプギヤとモータを仕切るシール、さらにはポンプギヤから回転軸を伝ってくる油をシールするオイルシールなど多数のシール部材を設ける必要があり、部品点数増加によるコストアップや、組み立て作業の複雑化をまねいていた。
そこで、安価な構造により、制御基板の冷却性を維持しつつ、シール部材点数を削減でき、コストの低減及び組み立て性の向上を図ることができる車両用駆動装置の実現が望まれる。
本技術の一態様は、駆動源と車輪との間で駆動力を伝達する駆動伝達機構と、前記駆動伝達機構を収容するケースと、電力により作動する電動オイルポンプと、を備える車両用駆動装置であって、
前記電動オイルポンプは、吸引した油を加圧して吐出するポンプ本体と、前記ポンプ本体を駆動するモータと、前記モータを駆動制御する制御基板と、前記モータ及び前記制御基板の間に設けられて前記モータと前記制御基板とを隔絶する隔壁とを有し、前記ケースに設けられた開口部に挿入された状態で前記ケースに装着され、
前記電動オイルポンプの外周から前記電動オイルポンプの回転軸に対する外周側に延在するフランジ部と、前記ケースとの間に、シール部材が前記開口部の全周に亘って設けられ、
前記制御基板の少なくとも一部が前記ケースの外側に位置し、前記ポンプ本体の少なくとも一部が前記ケースの内側に位置する。
本技術によれば、上記構成をとることで制御基板の冷却性を維持しつつ、シール部材点数を削減でき、コストの低減及び組み立て性の向上が可能である。
本開示に係る車両用駆動装置の概略図(a)及び自動変速機の側面図(b)。 図1(b)に図示した位置における自動変速機の断面図(a、b)。 電動オイルポンプの断面構成を示す図2(b)の部分拡大図。 ポンプ用の配線構造を説明するための側面図(a)及び断面図(b)。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態に係る車両用駆動装置1について説明する。本実施形態の車両用駆動装置1は、図1(a)、(b)に示すように、駆動源として内燃機関(E/G)2が搭載されるエンジン車両用の駆動装置である。
以下の説明では、特に区別して明記している場合を除き、「上」及び「下」は、車両用駆動装置1を車両に搭載した状態(車両搭載状態)における鉛直方向Zについての上下を表すものとする。また、「前」、「後」、「左」、及び「右」についても、車両搭載状態における車両の前後左右を表すものとする。車両用駆動装置1を構成する各要素の位置及び姿勢については、原則、車両搭載状態の車両用駆動装置1に組み付けられた状態における方向を用いて表す。なお、部材の寸法、位置、姿勢等に関する用語は、製造上許容され得る程度の誤差による差異を有する状態も含む概念として用いている。例えば、2つの回転部材の配置に関する「同軸」には、当該2つの回転部材のそれぞれの回転軸が製造誤差等によりずれている状態も含まれ、2つの部材の配置に関して「平行」には、製造誤差等により傾斜している状態(実質的に平行な状態)も含まれる。
また、以下の説明において、部材の形状に関し、ある方向に「延びる」とは、当該方向を基準方向として、部材の延在方向が基準方向に平行な形状に限らず、部材の延在方向が基準方向に交差する方向であっても、その交差角度が所定範囲内(例えば45度未満)である形状も含む概念として用いている。
また、2つの部材が「ある方向に視て重なる」とは、その視線方向に垂直な仮想平面に2つの部材を投影した平行投影図において、一方の部材の投影領域の少なくとも一部が、他方の部材の投影領域の少なくとも一部と重複することを指す。
1.駆動装置の全体構成
図1(a)は車両用駆動装置1の模式図であり、図1(b)は自動変速機5を車両の左方から(図1(a)の右側から)視た概略図である。車両用駆動装置1は、内燃機関2と車輪との間で駆動力の伝達を担う駆動伝達機構3と、駆動伝達機構3を収容するケース51と、電動オイルポンプ10と、を備えている。内燃機関2は、機関内部における燃料の燃焼により動力を取り出す原動機(例えば、ガソリンエンジン又はディーゼルエンジン)である。また、車両には、電動オイルポンプ10その他の電力機器に電力を供給する蓄電装置81が搭載される。
駆動伝達機構3は、駆動源と車輪とを結ぶ動力伝達経路に配置され、協働して駆動源の駆動力を車輪に伝達する一群の装置や部材を指す。本実施形態の駆動伝達機構3は、トルクコンバータ(T/C)4及び自動変速機5を備える。トルクコンバータ4は、内燃機関2の出力軸にダンパ又はロックアップクラッチを介して連結されるポンプインペラと、自動変速機5の変速入力軸に連結されたタービンランナと、ケース51に対して固定されたステータとを備え、作動流体であるATF(Automatic Transmission Fluid、以下、単に「油」とする)を介して内燃機関2から自動変速機5にトルクを伝達する。
自動変速機5は、トルクコンバータ4から入力される回転を変速し、駆動輪である車輪の車軸に出力する。トルクコンバータ4及び自動変速機5は、トルクコンバータ4を覆うトルコンハウジング、自動変速機5のケース51、及び後述の油圧制御装置のカバー部材71等によって構成される筐体に収容されている。
図1(b)に示すように、自動変速機5は、変速機構52と、カウンタギヤ53と、差動歯車機構54と、油圧制御装置7と、を備えている。変速機構52は、同一の軸心を中心に回転する変速入力軸及び変速出力部材を有し、トルクコンバータ4から変速入力軸に入力された回転を、特定の変速比で変速して変速出力部材に伝達する。本実施形態の変速機構52は自動有段変速機構である。即ち、変速機構52は油圧式の係合装置を複数備え、各係合装置の係合状態を油圧制御装置7から供給される油圧を用いて制御することにより、複数の変速段のいずれかを実現するように構成される。変速入力軸は、本実施形態において駆動源から伝達される回転が入力される入力軸に相当する。
変速機構52の変速出力部材は、カウンタギヤ53を介して、差動歯車機構54に駆動連結されている。ただし、「駆動連結」とは、2つの回転要素が駆動力を伝達可能に連結された状態を指し、当該2つの回転要素が一体的に回転する場合、及び当該2つの回転要素の間で伝動機構を介して駆動力が伝達される場合を含む概念として用いている。このような伝動機構としては、例えば、軸継手、歯車、ベルト、チェーン等が挙げられる。また、伝動機構には、回転及び駆動力の伝達状態を変更可能であるもの(例えば摩擦係合装置や噛み合い式係合装置)が含まれていてもよい。
差動歯車機構54は差動機構の一例であり、カウンタギヤ53から入力されるトルクを、遊星歯車機構により左右の車軸に分配し、駆動輪である車輪(本実施形態の場合は左右の前輪)に伝達する。このように、車両用駆動装置1は、変速入力軸に入力された回転を、変速機構52によって変速し、カウンタギヤ53及び差動歯車機構54を介して車軸に出力する。これにより、内燃機関2が生み出したトルクが車輪に伝達され、車両を走行させるための駆動力として利用される。
変速機構52を構成する回転部材(例えば、変速入力軸及び変速出力ギヤ)の回転軸である第1軸心X1と、カウンタギヤ53の回転軸である第2軸心X2と、差動歯車機構54の回転軸である第3軸心X3とは、互いに平行に配置されている。鉛直方向Zにおいて、上方から下方に向かって第2軸心X2、第1軸心X1、第3軸心X3の順に配置される。また、特定水平方向Yにおいて、一方側から第1軸心X1、第2軸心X2、第3軸心X3の順に配置されている。ここで、特定水平方向Yは、鉛直方向Z及び各軸心X1〜X3に垂直な方向を指す。つまり、車両搭載状態における各軸心X1〜X3の軸方向が車両の左右方向であるとき、特定水平方向Yは車両の前後方向に相当する。
2.電動オイルポンプ
次に、駆動伝達機構3における油の循環及び電動オイルポンプの作用について説明する。図1(a)、(b)に示すように、車両用駆動装置1は、駆動伝達機構3に油圧を供給する供給源として、蓄電装置81から供給される電力によって駆動される電動オイルポンプ10と、内燃機関2から伝達される機械的動力によって駆動される機械式オイルポンプ(不図示)とを備えている。
電動オイルポンプ10及び機械式オイルポンプのそれぞれは、ケース51の下部に配置されたストレーナ30を介して油を吸入し、油を加圧して吐出する。ストレーナ30は、ケース内の油を濾過するための装置である。本実施形態では、ケース51の内部空間の下部領域が油貯留部として機能し、ストレーナ30はこの油貯留部に配置されている。
電動オイルポンプ10又は機械式オイルポンプから吐出された油は、油圧制御装置7に導かれる。油圧制御装置7は、特定水平方向Yに視て変速機構52と重なる位置に設けられ、例えば図1(b)に示すように鉛直方向Zに沿った起立姿勢で配置される。油圧制御装置7は、特定水平方向Yに開口したケース51の開口部に配置され、当該開口部がカバー部材71に覆われることで、密閉されたケース51の内部空間に収容される。
油圧制御装置7は、電動オイルポンプ10又は機械式オイルポンプから供給される油圧を調圧して、駆動伝達機構3の各部に供給する。油圧制御装置7の本体であるバルブボディは、電動オイルポンプ10や機械式オイルポンプの吐出圧をライン圧に制御するライン圧制御弁や、変速機構52の変速用係合装置に供給される油圧を制御するための複数の油圧制御弁を備え、ケース51等に形成された油路を介して、油圧で作動する装置(例えば、変速用係合装置のピストンを動作させるための油室)に供給する。また、油圧制御装置7は、調圧時に排出される余剰の油を用いて、駆動伝達機構3の各部を潤滑及び冷却する。駆動伝達機構3から排出された油は、油貯留部であるケース51の下部領域に再び貯留される。このようにして、油はケース51の内部で循環させられる。
本実施形態における電動オイルポンプ10の構成について詳しく説明する。図2(a)、(b)は、図1(b)に示す切断線A−A,B−Bの位置における自動変速機5の断面図である。ただし、油圧制御装置7の図示は省略している。図3は、図2(b)を拡大した拡大断面図である。
図2(a)、(b)に示すように、電動オイルポンプ10はケース51の開口部51aに挿入され、かつ一部がケース51の外側に露出した状態でケース51に固定される。従って、電動オイルポンプ10は、駆動伝達機構3と一体に組み立てられたユニットとして車両に搭載される。電動オイルポンプ10としては、例えば、内接歯車ポンプ、外接歯車ポンプ、或いはベーンポンプ等を用いることができる。
本実施形態では、電動オイルポンプ10が内接歯車ポンプであるものとして説明する。この電動オイルポンプ10は、大まかに内接歯車方式のポンプ本体13と、ポンプ本体13を作動させるモータ12と、モータ12を駆動制御するドライバ16とを備える。
図3に示すように、ポンプ本体13は、インナーロータ21と、アウターロータ22と、ポンプハウジング23と、ポンプカバー14と、軸支持部15と、を備える。アウターロータ22は内歯車を有し、インナーロータ21にはこの内歯車に噛み合う外歯車を有する。インナーロータ21はポンプ軸11の回転軸線を中心にポンプ軸11と一体的に回転する。アウターロータ22は、インナーロータ21に対して偏心した状態で、ポンプハウジング23により回転可能に支持されている。
ポンプ軸11は、軸支持部15により回転可能に支持されている。インナーロータ21とアウターロータ22との間に形成される油室(セル)は、ポンプ軸11の軸方向における一方の側面を軸支持部15によって塞がれている。また、軸方向の他方側に配置されたポンプカバー14には、ポンプ軸11に対して所定の回転位相に到達したセルが連通する位置に、吸入ポートP1及び吐出ポートP2が形成されている。吸入ポートP1は、油路構成部材31に形成された油路を介してストレーナ30(図1(b))に連通しており、ストレーナ30によって濾過された油の吸入経路となる。吐出ポートP2は、油路構成部材31に形成された別の油路を介して油圧制御装置7に連通しており、油圧制御装置7への加圧油の供給経路となる。
このような構成のポンプ本体13は、ポンプ軸11の回転に伴ってストレーナ30を介して油貯留部の油を吸入し、加圧した油を油圧制御装置7へ吐出する。なお、油路構成部材31は、機械式オイルポンプ又はケース51の一部であってもよく、これらとは独立に設けられた部材であってもよい。
本実施形態のモータ12は、電動オイルポンプに使用可能なモータの一例であり、以下の説明ではブラシレスDCモータであるものとする。モータ12は、ポンプ軸11と一体的に回転するロータ28と、ロータ28の外周側に配置され、電動オイルポンプ10のケーシング17に対して固定されたステータ27とによって構成される。ロータ28には、周方向に複数の永久磁石が配列されている。ステータ27は、積層された電磁鋼板等のステータコアにコイル26が巻き回されて構成され、ドライバ16からコイル26に供給される電流によって回転する磁界を発生させる。この回転する磁界とロータ28が有する永久磁石との相互作用によりロータ28が回転し、ポンプ軸11を介してポンプ本体13に回転が伝達される。
ここで、ポンプ軸11はポンプ本体13及びモータ12を貫通するように配置されているが、ポンプ本体13と前記モータ12とは、シール部材を用いることなく隔絶されている。まず、ポンプ軸11の外周面は、軸支持部15の内周面に対して油密状に当接している。また、軸支持部15はケーシング17に嵌合しており、軸支持部15の嵌合面はケーシング17の嵌合面に対して油密状に当接している。これにより、モータ12が収容される空間が油密状となり、ポンプ本体13の内部で流れる油(及び、ケース51の内側で電動オイルポンプ10の外面に接する油)が、モータ12に掛かることが防がれる。
本実施形態の制御基板に相当するドライバ16は、絶縁材料で形成された配線板16aと、配線板16aに配置された複数の電子部品16bとを備え、接続線を介してモータ12の各コイル26に接続されている。電子部品16bには、インバータ回路を構成するスイッチング素子や、プログラムに従ってインバータ回路を制御するマイクロプロセッサが含まれる。詳しくは後述するように、電動オイルポンプ10はケース51の内側に配置されたコネクタ18を有し、コネクタ18に接続される給電ケーブルを介して車両の蓄電装置81(図1(a))に接続される。ドライバ16は、蓄電装置81から供給される直流の電力を用いて、パルス幅変調等の方法により波形制御された駆動電流をコイル26に供給することにより、モータ12の動作を制御する。
電動オイルポンプ10は、ポンプ軸11が変速機構52の変速入力軸等と平行になる姿勢で、ケース51の底部付近に配置されている。即ち、ポンプ軸11の回転軸である第4軸心X4は、第1〜第3軸心X1〜X3と平行に延びている。第4軸心X4は、鉛直方向Zにおいて第3軸心X3よりも下方(従って第1軸心X1よりも下方)に配置されている(図2(b))。また、第4軸心X4は、特定水平方向Yにおいて第1軸心X1と油圧制御装置7との間に位置する(図1(b))。
3.ポンプ取付構造
電動オイルポンプ10を駆動伝達機構3に組み付け、或いは取外しを行うための構成について説明する。上述した通り、電動オイルポンプ10は、駆動伝達機構3のケースに部分的に挿入された状態でケースに固定される。
図3に示すように、電動オイルポンプ10は、ポンプ本体13、モータ12、及びドライバ16がポンプ軸11の軸方向に沿って順に並ぶ構成である。電動オイルポンプ10は、ケース51の外側から内側に向かって、ポンプ本体13がケース51の内部空間に位置するように開口部51aに挿入される。以下、開口部51aに電動オイルポンプ10を挿入する方向を電動オイルポンプ10の「挿入方向D1」(図3の左方向)とする。本実施形態の挿入方向D1は、第1〜第4軸心X1〜X4と実質的に平行(駆動伝達機構の入力軸の軸方向と同じ)である。
電動オイルポンプ10のポンプカバー14、ポンプハウジング23、軸支持部15、及びケーシング17は、挿入方向D1に延びる略円柱形状の円筒部10aを構成している。ケース51の開口部51aは、軸方向から視た円筒部10aの外形に対応する形状であり、装着状態において円筒部10aがケース51の内側に挿入される。
また、電動オイルポンプ10は、ケーシング17の一部が円筒部10aから径方向外側(外周側)に延在するフランジ部10fを有する。このフランジ部10fが開口部51aの周囲でケース51の外面51sに当接することにより、挿入方向D1に関して電動オイルポンプ10が位置決めされる。以下、フランジ部10fがケース51の外面51sに当接する位置を、本実施形態における電動オイルポンプ10の「装着位置」とする。
ケース51の外面51sと、この外面51sに対向するフランジ部10fの対向面17sとの間には、本実施形態の「シール部材」である面シール24が配置される。面シール24は、開口部51aの周囲でケース51の外面51sと対向面17sとの隙間を封止する。つまり、開口部51aの付近において、挿入方向における面シール24の位置(シール位置S1)を境界にして、ケース51の内部空間とケース51の外側とが隔てられている。面シール24としては、例えば、対向面17sに形成された溝に装着されたOリングを用いることができる。
なお、シール部材として、円筒部10aと開口部51aの壁面とを封止するものを用いてもよい。ただし、この構成ではシール部材の摺動摩擦に抗して電動オイルポンプ10を開口部51aに挿入する必要がある。一方、本実施形態のような面シール24を用いれば、摺動摩擦に妨げられることなく、容易に電動オイルポンプ10を装着位置まで挿入することができる。なお、後述のボルト10bにより電動オイルポンプ10をケース51に締結する締結力により、面シール24がシール対象面(17s,51s)に密着した状態となる。
ここで、電動オイルポンプ10が装着位置にある状態で、ドライバ16の少なくとも一部が、ケース51の外側に位置する。これにより、走行中に高油温環境となるケース51の内部からドライバ16を離間させ、ドライバ16の冷却性を確保することができる。具体的には、特定水平方向Yに見た断面において、ドライバ16の配線板16aがシール位置S1よりも挿入方向D1の上流にあると好適である。また、図示した配置のように、電子部品16bを含めたドライバ16の全体がシール位置S1よりも挿入方向D1の上流にあるとさらに好適である。このような配置により、ケース内の油からの熱伝導によるドライバ16の加熱を低減可能である。また、ドライバ16を覆うカバー部材36が外気に触れているため、ドライバ16を効果的に冷却することができる。さらに、ドライバ16の過熱の虞が小さいことから、配線板16a及び電子部品16bに要求される耐熱性の水準が緩和され、設計の自由度が増してコスト低減につながる。
ドライバ16が収容される空間と、モータ12が収容される空間とは、電動オイルポンプ10のケーシング17の一部によって隔絶されている。即ち、ケーシング17は、挿入方向D1においてドライバ16とモータ12との間に位置する隔壁部10eを有し、この隔壁部10eがドライバ16への油の侵入を防いでいる。隔壁部10eは、挿入方向D1に視たとき、少なくともドライバ16とモータ12とが重なっている範囲をカバーする、略円形状の領域を指す。また、隔壁部10eがポンプ軸11に対する径方向外側に延設されることで、上記フランジ部10fが形成されている。なお、隔壁部10eは、本実施形態における「隔壁」であるが、「隔壁」はケーシング17のように電動オイルポンプ10の外殻となる部材とは別部材であってもよい。
ドライバ16を覆うカバー部材36は、金属材料で構成され、ドライバ16を保護する。カバー部材36及びケーシング17は、ポンプ軸11の軸心を囲むように配置される複数のボルト10b(図1(b)参照)により、ケース51に対して共締めされる。これにより、電動オイルポンプ10がケース51に固定される。ボルト10bは本実施形態の「締結具」である。各ボルト10bは、ケース51の外側から着脱操作可能な位置、つまり、電動オイルポンプ10が組み付けられた状態の自動変速機5を挿入方向D1の上流側から視た際に露出する位置に配置される。
ドライバ16がケース51の外側に配置されるのに対し、本実施形態のコネクタ18は、ケース51の内側に配置される。つまり、仮に給電ケーブルを取り外したとすると(図3の状態)、コネクタ18の端子19が、面シール24によってケース外部から隔離されたケース51の内部空間に露出する配置となっている。従って、給電ケーブルとコネクタ18とは、ケース51の内側で接続される。なお、端子19は、電動オイルポンプ10のケーシング17と樹脂材料等によって一体的に形成されるカバーによって覆われている。
このようにコネクタ18をケース51の内側に配置することで、カバー部材36に水滴や泥が付着したり、さらにはケース51の下部が水没したりする場合であっても、給電ケーブルとコネクタ18との隙間に水が侵入することを防ぐことができる。つまり、ドライバ16がケース51の外側に配置する一方で、コネクタ18をケース51の内側に配置したため、ドライバ16の放熱性を確保しつつ、コネクタ18の防水性を高めることが可能になっている。また、コネクタ18がケース51の外部に露出していないため、車輪に跳ね上げられた小石等によりコネクタ18がダメージを受ける可能性が低減される。
なお、ドライバ16は、電動オイルポンプ10のケーシング17とカバー部材36とによって形成される空間に配置されている。ケーシング17とカバー部材36との間に設けられたシール部材25によってこの空間が密閉されることで、ドライバ16の防水性が確保されている。
4.ポンプ配線構造
次に、電動オイルポンプ10の配線構造について説明する。図1(a)に模式的に示すように、電動オイルポンプ10は、車両の電源である蓄電装置81から電力供給を受けるように構成される。駆動伝達機構3のケース51には外部コネクタ41が設けられ、蓄電装置81から延びる電源線42が外部コネクタ41に接続される。そして、外部コネクタ41と電動オイルポンプ10のコネクタ18とが、ケース51の内部を配索される給電ケーブル40によって接続されることで、電動オイルポンプ10が蓄電装置81に電気的に接続される。
給電ケーブル40及び外部コネクタ41は、本実施形態の「配線構造」であり、蓄電装置81及び電源線42は、本実施形態の「電源回路」である。また、電動オイルポンプ10のコネクタ18を本実施形態の「第1コネクタ」としたとき、外部コネクタ41は、本実施形態の「第2コネクタ」に相当する。
図4(a)、(b)を用いて配線構造の詳細を説明する。図4(a)は、変速機構52の軸方向から視た自動変速機5の模式図であり、給電ケーブル40の配線経路を模式的に表している。図4(b)は、図4(a)に示す切断線A−Aの位置において、特定水平方向Yを向いて視た断面図である。
図4(a)における波状の仮想線は、車両が冠水した場合の水面を表しており、基準水位Lwは、駆動伝達機構3が許容できる水位の上限を表している。例えば、ケース51に配置されケース内の気圧を調整するブリーザは、鉛直方向Zにおいて基準水位Lwより上方となるように配置される。ただし、基準水位Lwは、車両全体の設計により、同一構成の駆動伝達機構3であっても異なる位置に設定される場合があり、図示したものは基準水位の一例を示している。水面を表す仮想線及び基準水位Lwについての定義は、図1(b)において共通である。
また、図4(b)における波状の仮想線は、油圧の供給が停止した状態における油面を表し、静止油面位置Lfは鉛直方向Zにおける油面の平均高さを表している。ただし、油圧の供給が停止した状態とは、電動オイルポンプ10及び機械式オイルポンプの駆動の両方が停止しており、かつ、停止前に変速機構52等に供給されていた潤滑油が重力により流下して、ケース51の下部領域に貯留された状態を指す。また、静止油面位置Lfは、推奨すべき油量として予め規定された量の油がケース51に注入され、かつ車両が平坦路にある状態で測定されるものとする。油面を表す仮想線及び静止油面位置Lfについての定義は、図2の各図及び図3において共通である。
図4(a)、(b)に示すように、外部コネクタ41は、ケース51の内部で給電ケーブル40に接続される第1端子41aと、ケース51の外部で電源線42に接続される第2端子41bと、第2端子41bを覆う端子カバー41cとを有する。外部コネクタ41はL字状の形状を有し、第1端子41aが鉛直方向Zの下方に向かって開放され、第2端子41bが水平方向に向かって開放されている。図示した構成例の場合、第2端子41bは特定水平方向Yに向かって開放されている。
外部コネクタ41はケース51の上部に配置され、ケース51に形成された開口部に固定されている。具体的には、第1端子41aの位置が第2軸心X2より上方である。また、特定水平方向Yにおいて、第1端子41aは、油圧制御装置7を覆うカバー部材71とケース51との接合面と第1軸心X1との間に位置する。
給電ケーブル40は、電線が絶縁体によって被覆されたケーブルであり、ケース51の内部を大まかに上下に配索されて電動オイルポンプ10と外部コネクタ41とを接続している。つまり、給電ケーブル40のポンプ側端子40aは、ケース51内の下部において電動オイルポンプ10のコネクタ18に接続されている。また、給電ケーブル40の電源側端子40bは、ケース51内の上部において、外部コネクタ41の第1端子41aと接続されている。なお、図示した構成例では電動オイルポンプ10のコネクタ18が第4軸心X4より上方に位置するが、第4軸心X4より下方に配置されていてもよい(破線参照)。
ここで、外部コネクタ41の第2端子41bは、ケース51の内側で電動オイルポンプ10に接続されている配線構造が、ケース51の外側に延出して、車両の電源回路に接続される接続部として機能する。つまり、給電ケーブル40のポンプ側端子40aを配線構造の「第1接続部」としたとき、第2端子41bは配線構造の「第2接続部」に相当する。
本実施形態では、第2端子41bが、少なくとも変速機構52の回転軸心である第1軸心X1より上方に配置される。第2端子41bは、駆動伝達機構3を構成する各機構の回転軸心X1〜X3の内、最も上方に位置するもの(本実施形態の場合、第2軸心X2)より上方に配置することが好ましい。また、油圧制御装置7を覆うカバー部材71とケース51との接合面の最高位置と重なる位置、又はそれより高い位置に第2端子41bを配置すると好適である。
また、電源線42との接続の容易さを向上し、かつ稼働中に高温となり得る内燃機関2からの距離を確保する観点から、外部コネクタ41は、変速機構52の軸方向において内燃機関2から遠い側、かつ鉛直方向Zにおいて上方側のケース周縁部に配置すると好適である。このケース周縁部とは、外部コネクタ41を通る断面を特定水平方向Yから視た場合において、ケース51の上面部51c(図4(b)参照)と内燃機関2から遠い側の側面部51dとが交わる部分を指す。また、本実施形態のように上面部51cと側面部51dとが傾斜面51eによって接続された断面形状を有する場合、傾斜面51eが周縁部に対応する。
図4(a)、(b)に示すように、ケース51の内部において、給電ケーブル40は配索方向における複数の位置においてクランプ37a,37bに保持されることで、配索経路を規定されている。「保持部」の一例であるクランプ37a,37bは、ケース51、又は変速機構52の外郭を構成するドラム状部材等に取付けられている。
給電ケーブル40は変速機構52と油圧制御装置7との間の空間を用いて配索される。電動オイルポンプ10は、変速機構52の下方に、鉛直方向Zに視て変速機構52と少なくとも一部が重なるように配置される。コネクタ18は、特定水平方向Yにおいて、車両搭載状態における第1軸心X1を含む鉛直面と油圧制御装置7との間に位置する。給電ケーブル40は、コネクタ18から変速機構52を避けるように湾曲した形状を描くように上方に延びている。そして、図4(b)の視点で変速機構52と油圧制御装置7とが重なる領域において、給電ケーブル40は特定水平方向Yにおける変速機構52と油圧制御装置7との間を通過する。つまり、特定水平方向Yに視て、給電ケーブル40は、油圧制御装置7と重なる部分及び変速機構52と重なる部分を有している。
なお、本実施形態において、電動オイルポンプ10の挿入方向D1と、コネクタ18と給電ケーブル40のポンプ側端子40aとの接続が行われる接続方向とは同じ方向である。また、クランプ37a,37bの内、ポンプ側端子40aに最も近いクランプ37bにより、ポンプ側端子40aを、電動オイルポンプ10の挿入方向D1への移動を規制した状態で、かつ挿入方向D1の上流側に向けた姿勢で保持させると好適である。クランプ37bにより保持されるポンプ側端子40aの位置は、電動オイルポンプ10が装着位置にある場合にコネクタ18と接続される位置とする。これにより、電動オイルポンプ10をケース51の開口部51aに挿入する動作により、電動オイルポンプ10のコネクタ18と給電ケーブル40のポンプ側端子40aとが自動的に接続されるため、製造時の生産性やポンプ交換時の作業性を向上可能である。
この場合において、クランプ37b及びコネクタ18の少なくとも一方に、挿入方向D1に沿って端子19,40a(図3も参照)を接続相手の端子に近づく方向に付勢するバネ等の付勢部材を配置することで、端子同士をより確実に接触させることが可能である。また、電動オイルポンプ10をケース51から取り外した状態で挿入方向D1に視たとき、給電ケーブル40のポンプ側端子40aがケース51の開口部51aの内側に露出するように配置すると好適である。
5.本実施形態のまとめ
本実施形態は、駆動源(2)と車輪との間で駆動力を伝達する駆動伝達機構(3)と、前記駆動伝達機構(3)を収容するケース(51)と、電力により作動する電動オイルポンプ(10)と、を備える車両用駆動装置(1)であって、
前記電動オイルポンプ(10)は、吸引した油を加圧して吐出するポンプ本体(13)と、前記ポンプ本体(13)を駆動するモータ(12)と、前記モータ(12)を駆動制御する制御基板(16)と、前記モータ(12)及び前記制御基板(16)の間に設けられて前記モータ(12)と前記制御基板(16)とを隔絶する隔壁(10e)とを有し、前記ケース(51)に設けられた開口部(51a)に挿入された状態で前記ケース(51)に装着され、
前記電動オイルポンプ(10)の外周から前記電動オイルポンプの回転軸(X4)に対する外周側に延在するフランジ部(10f)と、前記ケース(51)との間に、シール部材(24)が前記開口部(51a)の全周に亘って設けられ、
前記制御基板(16)の少なくとも一部が前記ケース(51)の外側に位置し、前記ポンプ本体(13)の少なくとも一部が前記ケース(51)の内側に位置する。
上記構成をとることで制御基板の冷却性を維持しつつ、シール部材点数を削減でき、コストの低減及び組み立て性の向上が可能である。
また、本実施形態において、前記制御基板(16)は前記ケース(51)の外側に位置し、
前記ポンプ本体(13)及び前記モータ(12)は、前記ケース(51)の内側に位置する。
この構成により、制御基板の冷却性を確保しつつ、電動オイルポンプの内、少なくともポンプ本体及びモータがケース内側に位置してケース外部への突出が抑えられるため、駆動伝達機構の小型化及び搭載性向上を図ることができる。
また、本実施形態において、前記電動オイルポンプ(10)が前記ケース(51)の外側から前記開口部(51a)に挿入された状態で、前記フランジ部(10f)を前記ケース(51)に締結する締結具(10b)をさらに備え、
前記締結具(10b)は、前記ケース(51)の外側から着脱可能な位置に設けられている。
この構成により、一部がケースの内側に位置し、他の一部がケースの外側に露出するような電動オイルポンプを、ケースの外側から装着及び取外しすることが可能となる。これにより、車両用駆動装置を製造する場合、又は電動オイルポンプの交換を行う場合の作業性を高めることができる。
また、本実施形態において、前記電動オイルポンプ(10)は、前記制御基板(16)に電力を供給する配線部材(40)が接続されるコネクタ(18)をさらに有し、
前記コネクタ(18)が前記ケース(51)の内側に配置され、
前記電動オイルポンプ(10)が前記開口部(51a)に挿入される場合の挿入方向(D1)と、前記コネクタ(18)と前記配線部材(40)の接続方向は、同じ方向である。
この構成によれば、ケースの開口方向と、コネクタ及び配線部材の接続方向とが同じであるため、電動オイルポンプをケースの開口部に挿入する際に、同時に電動オイルポンプが配線構造に接続されることになり、電動オイルポンプの組付けを容易に行うことができる。
また、本実施形態において、前記配線部材の端部(40a)を、前記挿入方向(D1)への変位を規制した状態で、かつ前記電動オイルポンプ(10)が前記開口部(51a)に挿入された場合に前記コネクタ(18)と接続された状態となる位置に保持する保持部(37b)を備える。
この構成により、電動オイルポンプを開口部に挿入する動作により、自動的にコネクタが配線部材の端部と接続されるため、車両用駆動装置を製造する場合、又は電動オイルポンプの交換を行う場合の作業性をより一層高めることができる。
また、本実施形態において、前記フランジ部(10f)は、前記開口部(51a)の周囲において、前記ケース(51)の外面(51s)に対して、前記開口部(51a)に対する前記電動オイルポンプ(10)の挿入方向(D1)に対向する対向面(17s)を有し、
前記シール部材(24)は、前記ケース(51)の前記外面(51s)と前記対向面(17s)との間に配置される。
この構成によれば、電動オイルポンプの内、開口部の壁面に対向する位置にシール部材を配置する構成に比べて、電動オイルポンプをケースの開口部に挿入する際にシール部材による摺動抵抗が発生しないため、容易に電動オイルポンプの装着作業を行うことができる。
また、本実施形態において、前記隔壁(10e)は、前記モータ(12)が収容される空間と、前記制御基板(16)が収容される空間との間を油密状に封止し、
前記フランジ部(10f)は、前記隔壁(10e)から、前記電動オイルポンプ(10)の回転軸(X4)に対する外周側に延在する。
この構成によれば、フランジ部が隔壁から延在するため、簡単な構成により、制御基板の冷却性を維持しつつ、シール部材点数を削減することができる。
また、本実施形態において、前記電動オイルポンプ(10)は、前記モータ(12)の動力を前記ポンプ本体(13)に伝達するポンプ軸(11)と、前記ポンプ軸(11)を回転可能に支持する軸支持部(15)と、前記軸支持部(15)が嵌合されると共に前記モータ(12)を収容するケーシング(17)と、をさらに有し、
前記ポンプ軸(11)の外周面が、前記軸支持部(15)の内周面に対して油密状に当接し、前記軸支持部(15)の嵌合面が、前記ケーシング(17)の嵌合面に対して油密状に当接しており、
前記ポンプ軸(11)の外周面と前記軸支持部(15)の内周面との間、及び前記軸支持部(15)の嵌合面と前記ケーシング(17)の嵌合面との間には、シール部材が配置されていない。
この構成によれば、ポンプ軸と軸支持部との間、及び軸支持部とケーシングとの間にシール部材を配置することなくポンプ本体とモータとを隔絶することができ、シール部材点数を削減することができる。
6.その他の実施形態
上述した形態以外の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、電動オイルポンプと車両の電源回路とを接続するための配線構造が、給電ケーブル40と外部コネクタ41とによって構成されるものとして説明した。しかしながら、給電ケーブル40がケースに形成された開口部に挿通され、給電ケーブル40の電源側端子がケースの外部に露出する構成としてもよい。
(2)上記の実施形態では、ケース内部を配索される給電ケーブル40とケース外の電源回路とが、第2コネクタとしての外部コネクタ41によって接続されるものとして説明した。しかしながら、第2コネクタはケースの内側と外側の配線を接続するものであればよく、例えばケースに固定された端子ボックスのようなものであってもよい。
(3)上記の実施形態では、第4軸心X4が第1軸心X1と平行に配置された構成を例として説明した。しかし、本技術はこれに限定されず、第4軸心X4が、第1軸心X1に対して交差する向きに配置される構成とすることもできる。
(4)上記の実施形態では、機械式オイルポンプと電動オイルポンプ10とが併用されるものとして説明した。しかしながら、車両用駆動装置が、油圧供給源として電動オイルポンプのみを備える構成としてもよい。また、電動オイルポンプは1つに限らず、複数搭載されていてもよい。
(5)上記の実施形態では、内燃機関2と変速機構52とを結ぶ動力伝達経路に、トルクコンバータ4が設けられる構成について説明したが、例えばトルクコンバータに代えて、係合装置及び回転電機が配置されるハイブリッド車両用の駆動装置に本技術を適用してもよい。この場合、内燃機関2及び回転電機が車両の駆動源であり、いずれかの駆動源の駆動を変速機構52に伝達する係合装置は、駆動伝達機構3の一部を構成する。また、駆動源として、回転電機のみを備える電動車両に本技術を適用してもよい。
(6)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、本願の特許請求の範囲に記載されていない構成に関しては、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、電力により作動する電動オイルポンプを備えた任意の車両用駆動装置に利用することができる。
1…車両用駆動装置/2…駆動源(内燃機関)/3…駆動伝達機構/7…油圧制御装置/10…電動オイルポンプ/10b…締結具(ボルト)/10e…隔壁(隔壁部)/10f…フランジ部/11…ポンプ軸/12…モータ/13…ポンプ本体/15…軸支持部/16…制御基板(ドライバ)/17…ケーシング/17s…対向面/18…コネクタ/24…シール部材(面シール)/37b…保持部(クランプ)/40…配線部材(給電ケーブル)/40a…配線部材の端部(ポンプ側端子)/51…ケース/51a…ケースの開口部/51s…ケースの外面/D1…挿入方向/X4…電動オイルポンプの回転軸(第4軸心)/Z…鉛直方向

Claims (8)

  1. 駆動源と車輪との間で駆動力を伝達する駆動伝達機構と、前記駆動伝達機構を収容するケースと、電力により作動する電動オイルポンプと、を備える車両用駆動装置であって、
    前記電動オイルポンプは、吸引した油を加圧して吐出するポンプ本体と、前記ポンプ本体を駆動するモータと、前記モータを駆動制御する制御基板と、前記モータ及び前記制御基板の間に設けられて前記モータと前記制御基板とを隔絶する隔壁とを有し、前記ケースに設けられた開口部に挿入された状態で前記ケースに装着され、
    前記電動オイルポンプの外周から前記電動オイルポンプの回転軸に対する外周側に延在するフランジ部と、前記ケースとの間に、シール部材が前記開口部の全周に亘って設けられ、
    前記制御基板の少なくとも一部が前記ケースの外側に位置し、前記ポンプ本体の少なくとも一部が前記ケースの内側に位置する、
    車両用駆動装置。
  2. 前記制御基板は前記ケースの外側に位置し、
    前記ポンプ本体及び前記モータは、前記ケースの内側に位置する、
    請求項1に記載の車両用駆動装置。
  3. 前記電動オイルポンプが前記ケースの外側から前記開口部に挿入された状態で、前記フランジ部を前記ケースに締結する締結具をさらに備え、
    前記締結具は、前記ケースの外側から着脱可能な位置に設けられている、
    請求項1又は2に記載の車両用駆動装置。
  4. 前記電動オイルポンプは、前記制御基板に電力を供給する配線部材が接続されるコネクタをさらに有し、
    前記コネクタが前記ケースの内側に配置され、
    前記電動オイルポンプが前記開口部に挿入される場合の挿入方向と、前記コネクタと前記配線部材の接続方向は、同じ方向である、
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  5. 前記配線部材の端部を、前記挿入方向への変位を規制した状態で、かつ前記電動オイルポンプが前記開口部に挿入された場合に前記コネクタと接続された状態となる位置に保持する保持部を備える、
    請求項4に記載の車両用駆動装置。
  6. 前記フランジ部は、前記開口部の周囲において、前記ケースの外面に対して、前記開口部に対する前記電動オイルポンプの挿入方向に対向する対向面を有し、
    前記シール部材は、前記ケースの前記外面と前記対向面との間に配置される、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  7. 前記隔壁は、前記モータが収容される空間と、前記制御基板が収容される空間との間を油密状に封止し、
    前記フランジ部は、前記隔壁から、前記電動オイルポンプの回転軸に対する外周側に延在する、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
  8. 前記電動オイルポンプは、前記モータの動力を前記ポンプ本体に伝達するポンプ軸と、前記ポンプ軸を回転可能に支持する軸支持部と、前記軸支持部が嵌合されると共に前記モータを収容するケーシングと、をさらに有し、
    前記ポンプ軸の外周面が、前記軸支持部の内周面に対して油密状に当接し、前記軸支持部の嵌合面が、前記ケーシングの嵌合面に対して油密状に当接しており、
    前記ポンプ軸の外周面と前記軸支持部の内周面との間、及び前記軸支持部の嵌合面と前記ケーシングの嵌合面との間には、シール部材が配置されていない、
    請求項1乃至7のいずれか1項に記載の車両用駆動装置。
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