JP2019173606A - オイルレベル判定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルレベルの検出精度を向上させる。【解決手段】オイルレベル判定装置は、オイルパン内のオイルレベルを検出するオイルレベルセンサ(検出部)154と、前回の運転期間における車両の駆動状態を示す駆動状態情報に基づいて、オイルレベルセンサ154により検出されるオイルレベルからオイルパン内のオイル貯留量が不足しているか否か判定する判定処理の実行可否を決定する実行決定部172と、実行決定部172により判定処理の実行が決定された場合、判定処理を実行する判定部174と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明は、オイルレベル判定装置に関する。
特許文献1には、エンジン停止時を起点としてオイルレベルを検出するオイルレベル検出装置について開示がある。
しかし、ハイブリッド車両においては、エンジンが停止された状態でモータにより車両を走行させる場合がある。このようなハイブリッド車両において、エンジン停止時を起点としてオイルレベルを検出してしまうと、エンジン停止後にモータで走行した際の振動により、オイルレベルの検出精度が悪化するという問題があった。
そこで、本発明は、オイルレベルの検出精度を向上させるオイルレベル判定装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のオイルレベル判定装置は、オイルパン内のオイルレベルを検出する検出部と、前回の運転期間における車両の駆動状態を示す駆動状態情報に基づいて、前記検出部により検出される前記オイルレベルから前記オイルパン内のオイル貯留量が不足しているか否か判定する判定処理の実行可否を決定する実行決定部と、前記実行決定部により前記判定処理の実行が決定された場合、前記判定処理を実行する判定部と、を備える。
前記実行決定部は、前記前回の運転期間における前記車両の走行中の加速度が所定の範囲内である場合に、前記判定処理を実行し、前記前回の運転期間における前記車両の走行中の加速度が前記所定の範囲外である場合に、前記判定処理を不実行としてもよい。
前記実行決定部は、前記前回の運転期間においてスタートスイッチがオフされる際の前記車両の加速度が所定の範囲内である場合に、前記判定処理を実行し、前記前回の運転期間において前記スタートスイッチがオフされる際の前記車両の加速度が前記所定の範囲外である場合に、前記判定処理を不実行としてもよい。
前記実行決定部は、前記前回の運転期間におけるオイルの温度が所定温度以上である場合に、前記判定処理を実行し、前記前回の運転期間における前記オイルの温度が前記所定温度未満である場合に、前記判定処理を不実行としてもよい。
前記実行決定部は、前記前回の運転期間においてエンジンを駆動した場合に、前記判定処理を実行し、前記前回の運転期間において前記エンジンを駆動しなかった場合に、前記判定処理を不実行としてもよい。
本発明によれば、オイルレベルの検出精度を向上させることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、車両100の構成を示す図である。車両(自動車)100は、内燃機関(エンジン)と電動機(モータ)を動力源として備えたハイブリッド車両である。ここでは、本実施形態の特徴に関係する構成について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
エンジン110は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンで構成される。エンジン110は、燃料タンク112から供給される燃料(ガソリン、ディーゼル等)を燃焼させることで駆動力を得る。エンジン110は、得られた駆動力を、クラッチ114を介してトランスミッション116に伝達する。エンジン110は、エンジンコントロールユニット(以下、単にECUという)118と接続され、ECU118の制御指令に基づいて駆動力が調整される。
モータ120は、インバータ122を介してバッテリ124から供給される電力により駆動力を得る。モータ120は、得られた駆動力をトランスミッション116に伝達する。また、モータ120は、電力の供給を受けていないタイミングで、発電機としても機能する。モータ120によって発電された電力は、インバータ122を介してバッテリ124に蓄積される。また、インバータ122は、ECU118と接続され、ECU118の制御指令に基づいて供給電力(モータ120の駆動力)を調整する。
エンジン110やモータ120といった駆動源から出力された駆動力は、トランスミッション116により、トルク、回転数、回転方向が調整されてプロペラシャフト126に伝達される。プロペラシャフト126に伝達された駆動力は、フロントデファレンシャルギヤ128、フロントドライブシャフト130を介して前輪132に伝達される。また、4WD走行時には、プロペラシャフト126に伝達された駆動力は、電子制御カップリング134、ピニオンギヤシャフト136、リアデファレンシャルギヤ138、および、リアドライブシャフト140を介して後輪142にも伝達される。
電子制御カップリング134は、前輪132に伝達されるトルク(駆動力)と、後輪142に伝達されるトルク(駆動力)との比を調整可能に構成されている。本実施形態では、前輪132は、トランスミッション116から直接駆動力を得て、後輪142は、電子制御カップリング134を介して駆動力を得ている。しかし、後輪142は、トランスミッション116から直接駆動力を得て、前輪132は、電子制御カップリング134を介して駆動力を得るようにしてもよい。
制御部144は、中央処理装置(CPU)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路で構成される。制御部144は、車両100全体を統括制御する。また、本実施形態において、制御部144は、走行モード切換部166、駆動切換部168、カップリング制御部170、実行決定部172、判定部174としても機能する。制御部144には、シフトポジションセンサ146、ブレーキペダルセンサ148、車速センサ150、アクセルペダルセンサ152、オイルレベルセンサ(検出部)154、オイル温度センサ156、水温センサ158、加速度センサ(Gセンサ)160、外気温センサ162等の各センサが接続され、各センサの検出信号を取得する。
また、制御部144には、スタートスイッチ164が接続され、スタートスイッチ164から出力される出力信号を取得する。本実施形態では、オイルレベルセンサ154と、スタートスイッチ164と、実行決定部172と、判定部174とで、オイルレベル判定装置が構成される。なお、制御部144の不図示のメモリには、詳しくは後述するが、前回の運転期間(ドライビングサイクル)における車両100の駆動状態を示す駆動状態情報が記憶されている。ここで、駆動状態情報とは、例えば、車両100の加速度に関する情報、エンジン110の駆動に関する情報、エンジン110内を循環するオイルの温度に関する情報等である。また、運転期間とは、スタートスイッチ164がオンされてからオフされるまでの期間のことをいう。制御部144は、現在の運転期間において駆動状態情報を随時更新しながら不図示のメモリに記憶させる。
具体的に、制御部144は、現在の運転期間における車両100の走行中の加速度に関する情報を不図示のメモリに記憶させる。現在の運転期間における車両100の走行中の加速度に関する情報とは、例えば、現在の運転期間における車両100の走行中の加速度に関するフラグである。フラグは、例えば、現在の運転期間において車両100の走行中の加速度が±0.3m/s2(所定の範囲)を超えた場合、「1」に設定される。また、フラグは、現在の運転期間において車両100の走行中の加速度が一度も±0.3m/s2を超えなかった(すなわち、走行中の加速度が±0.3m/s2以内であった)場合、「0」に設定される。ここで、車両100の加速度は、加速度センサ160により検出されている加速度(車両の前後方向、左右方向に作用するそれぞれの加速度)の値である。
また、制御部144は、現在の運転期間におけるエンジン110の駆動に関する情報を不図示のメモリに記憶させる。現在の運転期間におけるエンジン110の駆動に関する情報とは、例えば、現在の運転期間におけるエンジン110の駆動に関するフラグである。フラグは、例えば、現在の運転期間においてエンジン110を駆動(始動)させた場合、「1」に設定される。また、フラグは、現在の運転期間においてエンジン110を一度も駆動(始動)させなかった場合、「0」に設定される。
また、制御部144は、現在の運転期間におけるオイルの温度に関する情報を不図示のメモリに記憶させる。現在の運転期間におけるオイルの温度に関する情報とは、例えば、現在の運転期間におけるオイルの温度に関するフラグである。フラグは、例えば、現在の運転期間においてオイルの温度が所定温度(例えば、60℃)以上である場合、「1」に設定される。また、フラグは、現在の運転期間においてオイルの温度が所定温度未満である場合、「0」に設定される。
また、制御部144は、現在の運転期間におけるスタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度に関する情報を不図示のメモリに記憶させる。現在の運転期間におけるスタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度に関する情報とは、例えば、現在の運転期間におけるスタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度に関するフラグである。フラグは、例えば、スタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度が±0.3m/s2(所定の範囲)を超えた場合、「1」に設定される。また、フラグは、スタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度が±0.3m/s2を超えなかった(すなわち、スタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度が±0.3m/s2以内である)場合、「0」に設定される。ここで、車両100の加速度は、加速度センサ160により検出されている加速度(車両の前後方向、左右方向に作用するそれぞれの加速度)の値である。
そして、現在の運転期間が終了し、次にスタートスイッチ164がオンされたとき、オイルレベル判定装置(実行決定部172)は、不図示のメモリに記憶された各フラグを前回の運転期間における車両100の駆動状態を示す駆動状態情報として参照する。そして、参照した駆動状態情報に基づいてオイルレベル判定処理を実行する。
シフトポジションセンサ146は、トランスミッション116のシフトレンジが、前進レンジ(Dレンジ)、後進レンジ(Rレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)、パーキングレンジ(Pレンジ)のいずれに位置しているかを検出する。ブレーキペダルセンサ148は、不図示のブレーキペダルの踏み込み量を検出する。車速センサ150は、車両100の速度を検出する。アクセルペダルセンサ152は、不図示のアクセルペダルの踏み込み量を検出する。制御部144は、ECU118を介して、エンジン110やモータ120の駆動力を制御する。
オイルレベルセンサ154は、エンジン110の下方に配置された不図示のオイルパン内のオイル(潤滑油)のレベル(以下、オイルレベルという)が所定レベルに達したことに応じてオンオフが切り換わるオイルレベルスイッチを備える。オイルレベルスイッチは、不図示のオイルパンに対して設けられている。オイルパンは、オイルをエンジン110との間で循環可能に貯留するオイル貯留槽である。オイルパン内には、不図示のフロートが設けられている。フロートは、オイルに対して浮力を有しており、オイルパン内に貯留されたオイルの表面(油面)が上下方向に変位することに応じて、上下方向に変位する。
本実施形態のオイルレベルスイッチは、フロートが近接することに応じてオンされるスイッチである。オイルレベルスイッチは、オイルのオイルレベル(油面位置)が所定レベル(所定高さ)以上である場合にオンされ、所定レベル未満である場合にオフされる。このように、オイルレベルスイッチは、オイルパン内のオイルレベル(油面位置)が所定レベル以上であるか否かを検出することができる。
オイル温度センサ156は、エンジン110を流通するオイルの温度を検出する。水温センサ158は、エンジン110を流通するエンジン冷却水の温度を検出する。加速度センサ160は、車両100の進行方向に作用する加速度を検出する。外気温センサ162は、車外の気温(外気温)を検出する。スタートスイッチ164は、車両100を走行開始および走行終了させるための運転者による操作を受け付ける。
車両(ハイブリッド車両)100では、走行モードとして、バッテリ124の残量が十分な場合にエンジン110に優先してモータ120で走行するモータ走行モード、および、バッテリ124の残量が少ない場合にモータ120とエンジン110とを併用して走行するエンジン併用モードが準備される。そして、走行モード切換部166は、その時点の走行状態に応じて、走行モードを切り換える。ただし、本実施形態においては、運転者が要求する駆動力(アクセルペダルの踏み込み量)に応じて、モータ走行モード中においても一時的にエンジン110を始動する場合がある。
駆動切換部168は、車両100の駆動状態(2WD走行、4WD走行)を切り換える。駆動切換部168は、例えば、運転者の操作によって2WD走行あるいは4WD走行が選択されることに応じて、2WD走行と4WD走行とを切り換える。また、駆動切換部168は、車両100の走行状態(例えば、車両100の車速やアクセルペダルの踏込み量等)に応じて、2WD走行と4WD走行とを自動的に切り換えてもよい。
カップリング制御部170は、4WD走行が行われている間、電子制御カップリング134を駆動し、走行状態に応じ、前輪132と後輪142のデューティーを調整して後輪142への最適な動力伝達を行う。カップリング制御部170は、2WD走行が行われている間、電子制御カップリング134の駆動を停止し、後輪142への動力伝達を遮断する。
実行決定部172は、オイルレベルセンサ154により検出されるオイルレベルからオイルパン内のオイル貯留量が不足しているか否か判定する判定処理(以下、オイルレベル判定ともいう)の実行可否を決定する。実行決定部172の具体的な処理については、後述する。
判定部174は、実行決定部172によりオイルレベル判定の実行が決定された場合、オイルレベル判定を実行する。具体的に、オイルレベルセンサ154から送信される検出信号に基づき、オイルパンにおけるオイルのオイルレベル(油面高さ)を検出する処理を行う。また、判定部174は、検出したオイルレベルに関する情報を不図示の表示部(警告灯)に表示させる。
ここで、車両(ハイブリッド車両)100においては、エンジン110が停止された状態でモータ120により車両100を走行させる場合がある。このようなハイブリッド車両において、エンジン停止時を起点としてオイルレベルを検出してしまうと、エンジン停止後にモータ120で走行した際の振動により、オイルレベルの検出精度が悪化するという問題があった。
そこで、本実施形態の実行決定部172は、ハイブリッド車両におけるオイルレベルの検出精度を向上させるべく、エンジン停止状態であることに加えて、所定の判定条件を満足した場合にのみオイルレベル判定を実行させる。以下に、本実施形態の実行決定部172におけるオイルレベル判定処理について詳述する。
図2は、オイルレベル判定処理のフローチャートを示す図である。実行決定部172は、スタートスイッチ164がオンされると、オイルレベルの警告灯を消灯する(ステップS100)。すなわち、実行決定部172は、スタートスイッチ164がオンされた後、すぐにオイルレベルの警告灯を消灯する処理を実行する。これは、詳しくは後述するように、実行決定部172は、所定の判定条件を満足しないとオイルレベル判定を実行させないため、警告灯が点灯したあと運転者がオイルを補充しても、オイルレベル判定が実行されない限り、オイルレベルの警告灯が点灯し続けてしまうことを防止するためである。
オイルレベルの警告灯を消灯した後、実行決定部172は、現在、スタートスイッチ164がオン状態であるか否かを判定する(ステップS102)。スタートスイッチ164がオン状態である場合(ステップS102においてYES)、ステップS104に進み、スタートスイッチ164がオフ状態である場合(ステップS102においてNO)、ステップS122に進む。ステップS122の詳細については後述するが、ステップS122では、実行決定部172は、判定部174にオイルレベル判定を実行させない。
スタートスイッチ164がオン状態である場合、実行決定部172は、制御部144に接続される各センサの検出信号(検出値)に基づき、各センサの検出値の相関を利用した故障診断(コリレーション診断)によって異常の有無を判定する(ステップS104)。各センサに異常がない場合(ステップS104においてYES)、ステップS106に進み、各センサに異常がある場合(ステップS104においてNO)、ステップS122に進む。
各センサに異常がない場合、実行決定部172は、車速が0(ゼロ)であるか否か(すなわち、車両100が停止しているか否か)判定する(ステップS106)。車速が0である場合(ステップS106においてYES)、ステップS108に進み、車速が0でない場合(ステップS106においてNO)、ステップS122に進む。これは、車速が0でない場合、すなわち、モータ120の駆動力によって車両100が走行している場合、車両100の振動によりオイルレベルが変動してしまい、オイルレベルの検出精度が悪化してしまうためである。したがって、本実施形態では、車速が0でない場合、実行決定部172は、判定部174にオイルレベル判定を実行させないようにしている。なお、本実施形態では、車速が0であるか否かを判定しているが、これに限定されず、例えば、車速が所定値(例えば、5km/h)以上であるか否か判定してもよい。ここで、所定値は、車速が所定値未満であれば、オイルレベル判定を実行する際のオイルレベルの変動を許容できるとみなせる値である。
車速が0である場合、実行決定部172は、不図示のメモリに記憶されている前回(過去)の運転期間(ドライビングサイクル)における車両100の駆動状態を示す駆動状態情報を参照する。具体的に、実行決定部172は、前回の運転期間における車両100の走行中の加速度に関する情報(フラグ)を参照する。
実行決定部172は、不図示のメモリに記憶されたフラグを参照することにより、前回の運転期間における車両100の走行中の加速度が所定の範囲(±0.3m/s2)内であるか否かを判定する(ステップS108)。実行決定部172は、前回の運転期間における車両100の走行中の加速度が所定の範囲内であった場合(ステップS108においてYES)、ステップS110に進む。一方、実行決定部172は、前回の運転期間における車両100の走行中の加速度が所定の範囲外であった場合(ステップS108においてNO)、ステップS122に進む。ここで、エンジン各部を潤滑するオイル(潤滑油)の一部は、各部を潤滑するため所定の区画(例えば、エンジンヘッドの一部)に貯留され、通常、オイルパンに戻らないことがある。しかし、車両100が急ブレーキ、急発進、あるいは、急旋回など行った場合に、所定の区画に貯留されていたオイルがオイルパンに戻されてしまうことがある。このような場合にオイルレベル判定を実行してしまうとオイルレベルの検出精度が悪化してしまう。したがって、本実施形態では、前回の運転期間における車両100の走行中の加速度が所定の範囲外であった場合、実行決定部172は、判定部174にオイルレベル判定を実行させないようにしている。
前回の運転期間における車両100の走行中の加速度が所定の範囲内であった場合、実行決定部172は、不図示のメモリに記憶されている前回の運転期間におけるエンジン110の駆動に関する情報(フラグ)を参照する。
実行決定部172は、不図示のメモリに記憶されたフラグを参照することにより、前回の運転期間におけるエンジン駆動の有無を判定する(ステップS110)。実行決定部172は、前回の運転期間においてエンジン110を駆動した場合(ステップS110においてYES)、ステップS112に進む。一方、実行決定部172は、前回の運転期間においてエンジン110を駆動しなかった場合(ステップS110においてNO)、ステップS122に進む。これは、エンジン110を駆動しなかった場合は、エンジン各部にオイルが供給されないことから、オイルが消費されておらずオイルレベル判定を実行する必要がないためである。したがって、本実施形態では、前回の運転期間においてエンジン110を駆動しなかった場合、実行決定部172は、判定部174にオイルレベル判定を実行させないようにしている。ただし、これに限定されず、前回の運転期間においてエンジン110を駆動しなかった場合に、判定部174にオイルレベル判定を実行させるようにしてもよい。
前回の運転期間においてエンジン110を駆動した場合、実行決定部172は、不図示のメモリに記憶されている前回の運転期間におけるオイルの温度に関する情報(フラグ)を参照する。
実行決定部172は、不図示のメモリに記憶されたフラグを参照することにより、前回の運転期間におけるオイルの温度が所定温度以上であるか否かを判定する(ステップS112)。実行決定部172は、前回の運転期間におけるオイルの温度が所定温度以上である場合(ステップS112においてYES)、ステップS114に進む。一方、実行決定部172は、前回の運転期間におけるオイルの温度が所定温度未満である場合(ステップS112においてNO)、ステップS122に進む。オイルの温度が所定温度未満である場合、オイルの動粘度が高く、オイルがオイルパンに戻り難くなる。そのため、前回の運転期間において、このような条件でエンジン110を駆動させた後にオイルレベル判定を行うと、オイルレベルの検出精度の低下を招くおそれがある。したがって、本実施形態では、前回の運転期間におけるオイルの温度が所定温度未満である場合、実行決定部172は、判定部174にオイルレベル判定を実行させないようにしている。
前回の運転期間におけるオイルの温度が所定温度以上である場合、実行決定部172は、不図示のメモリに記憶されている前回の運転期間におけるスタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度に関する情報(フラグ)を参照する。スタートスイッチ164がオフされる際に車両100に作用する加速度は、重力加速度によるものであり、この加速度に基づいて車両100の傾きを推定することができる。
実行決定部172は、不図示のメモリに記憶されたフラグを参照することにより、前回の運転期間においてスタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度が所定の範囲内であるか否かを判定する(ステップS114)。つまり、実行決定部172は、スタートスイッチ164がオフされる際(すなわち、車両が停車している際)の車両100の傾きが所定の角度以内であるか否かを判定する。実行決定部172は、前回の運転期間においてスタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度が所定の範囲内である場合(ステップS114においてYES)、ステップS116に進む。一方、実行決定部172は、前回の運転期間においてスタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度が所定の範囲外である場合(ステップS114においてNO)、ステップS122に進む。
例えば、エンジン停止したときに車両100が停止している路面の状況(例えば勾配等)によってはオイルの表面(油面)が水平状態から傾く。オイルの表面が水平状態から傾くと、オイルレベルの検出精度の低下を招く。したがって、本実施形態では、前回の運転期間においてスタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度が所定の範囲外である場合、実行決定部172は、判定部174にオイルレベル判定を実行させないようにしている。
前回の運転期間においてスタートスイッチ164がオフされる際の車両100の加速度が所定の範囲内である場合、実行決定部172は、現在、エンジン110が停止状態であるか否かを判定する(ステップS116)。エンジン110が停止状態である場合(ステップS116においてYES)、ステップS118に進み、エンジン110が停止状態でない場合(ステップS116においてNO)、ステップS122に進む。エンジン110が停止状態でない場合は、オイルパンのオイルがエンジン各部に供給され、正確なオイルレベルを判定することができなくなる。したがって、本実施形態では、エンジン110が停止状態でない場合、実行決定部172は、判定部174にオイルレベル判定を実行させないようにしている。
エンジン110が停止状態である場合、実行決定部172は、水温センサ158および外気温センサ162の検出信号に基づき、エンジン冷却水の温度と外気温との温度差が所定範囲内(±10℃以内)であるか否か判定する(ステップS118)。温度差が±10℃以内である場合(ステップS118においてYES)、ステップS120に進み、温度差が±10℃を超える場合(ステップS118においてNO)、ステップS122に進む。ここで、実行決定部172は、エンジン冷却水の温度と外気温との温度差が±10℃を超える場合、スタートスイッチ164がオフ(すなわち、前回の運転期間が終了)されてから所定時間(例えば、3時間)が経過していないと判定する。すなわち、実行決定部172は、エンジン冷却水の温度と外気温との温度差に基づいて、前回の運転期間終了時からの経過時間を判定している。前回の運転期間終了時から所定時間が経過していないと、オイルが完全にオイルパンに戻っておらず、正確なオイルレベルを判定することができなくなる。したがって、本実施形態では、エンジン冷却水の温度と外気温との温度差が±10℃を超える場合、実行決定部172は、判定部174にオイルレベル判定を実行させないようにしている。
エンジン冷却水の温度と外気温との温度差が±10℃以内である(すなわち、上記ステップS102〜118のすべてにおいてYESである場合)、実行決定部172は、オイルレベル判定の実行を決定する。実行決定部172によりオイルレベル判定の実行が決定された場合、判定部174は、オイルレベル判定を実行し(ステップS120)、オイルレベル判定処理を終了する。
以下、ステップS120において判定部174が実行するオイルレベル判定について説明する。図3は、ステップS120で実行されるオイルレベル判定のフローチャートを示す図である。ここで、オイルレベルセンサ154は、制御部144に対し、所定時間ごとにオイルレベルスイッチの検出信号(オン信号またはオフ信号)を送信している。
判定部174は、オイルレベルセンサ154から送信される検出信号を受信している。判定部174は、受信した検出信号がオン信号であるか否かを判定する(ステップS202)。判定部174は、受信した検出信号がオン信号である場合(ステップS202においてYES)、ステップS204に進む。判定部174は、受信した検出信号がオン信号でない(すなわち、オフ信号である)場合(ステップS202においてNO)、ステップS206に進む。
判定部174は、オイルレベルセンサ154から送信される信号がオン信号である場合、カウント数Nをクリア(N=0)する(ステップS204)。また、判定部174は、オイルレベルセンサ154から送信される信号がオフ信号である場合、カウント数Nをアップ(N→N+1)する(ステップS206)。
ステップS204またはS206の後、判定部174は、カウント数Nが2以上であるか否かを判定する(ステップS208)。判定部174は、カウント数Nが2以上である場合(ステップS208においてYES)、ステップS210に進む。判定部174は、カウント数Nが2未満(すなわち、N=0または1)である場合(ステップS208においてNO)、ステップS212に進む。
判定部174は、カウント数Nが2以上(N≧2)である場合、警告灯を点灯させる(ステップS210)。判定部174は、カウントが0(N=0)である場合、警告灯を消灯させる(ステップS212)。また、判定部174は、カウントが1(N=1)である場合も、警告灯を消灯させる(ステップS212)。これは、オイルパン内のオイルのオイルレベルが本来ならば所定レベル以上ある場合に、外乱等により一時的に所定レベル未満のオイルレベルを検出してしまった際に、誤って警告灯が点灯してしまう不具合を防止するためである。したがって、判定部174は、カウントが2以上(N≧2)ある場合に、オイルパン内のオイル貯留量が不足している(すなわち、オイルレベルが所定レベル未満である)ことを報知するために、警告灯を点灯させる。
図2に戻り、上記ステップS102〜118のうちいずれかがNOである場合、実行決定部172は、オイルレベル判定の実行を決定しない。実行決定部172によりオイルレベル判定の実行が決定されない場合、判定部174は、オイルレベル判定を実行せずに、前回のオイルレベル判定結果を保持し(ステップS122)、オイルレベル判定処理を終了する。
このように、本実施形態のオイルレベル判定装置によれば、所定の判定条件(上記ステップS102〜118)を満足した場合にのみオイルレベル判定を実行することで、ハイブリッド車両におけるオイルレベルの検出精度を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
上記実施形態では、実行決定部172は、ステップS102〜118の全てがYESの場合にオイルレベル判定の実行を決定した。しかし、これに限定されず、前回の運転期間における車両の駆動状態を示す駆動状態情報に基づいて、オイルレベル判定処理の実行可否を決定できれば、上記ステップの全てがYESでなくてもオイルレベル判定の実行可否を決定してもよい。また、上記ステップの判定条件に別の条件を加えてオイルレベル判定の実行可否を決定してもよい。
本発明は、オイルレベル判定装置に利用できる。
154 オイルレベルセンサ(検出部)
172 実行決定部
174 判定部
172 実行決定部
174 判定部
Claims (5)
- オイルパン内のオイルレベルを検出する検出部と、
前回の運転期間における車両の駆動状態を示す駆動状態情報に基づいて、前記検出部により検出される前記オイルレベルから前記オイルパン内のオイル貯留量が不足しているか否か判定する判定処理の実行可否を決定する実行決定部と、
前記実行決定部により前記判定処理の実行が決定された場合、前記判定処理を実行する判定部と、
を備えたオイルレベル判定装置。 - 前記実行決定部は、
前記前回の運転期間における前記車両の走行中の加速度が所定の範囲内である場合に、前記判定処理を実行し、
前記前回の運転期間における前記車両の走行中の加速度が前記所定の範囲外である場合に、前記判定処理を不実行とする
請求項1に記載のオイルレベル判定装置。 - 前記実行決定部は、
前記前回の運転期間においてスタートスイッチがオフされる際の前記車両の加速度が所定の範囲内である場合に、前記判定処理を実行し、
前記前回の運転期間において前記スタートスイッチがオフされる際の前記車両の加速度が前記所定の範囲外である場合に、前記判定処理を不実行とする
請求項1または2に記載のオイルレベル判定装置。 - 前記実行決定部は、
前記前回の運転期間におけるオイルの温度が所定温度以上である場合に、前記判定処理を実行し、
前記前回の運転期間における前記オイルの温度が前記所定温度未満である場合に、前記判定処理を不実行とする
請求項1から3のうちいずれか1項に記載のオイルレベル判定装置。 - 前記実行決定部は、
前記前回の運転期間においてエンジンを駆動した場合に、前記判定処理を実行し、
前記前回の運転期間において前記エンジンを駆動しなかった場合に、前記判定処理を不実行とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載のオイルレベル判定装置。
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