JP2019172758A - タール酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫黄化合物の含有量が少ないタール酸の製造方法を提供すること。【解決手段】粗製タール酸を脱水する脱水工程と、脱水された粗製タール酸を脱ピッチ化する脱ピッチ工程と、脱ピッチ化された粗製タール酸を連続蒸留する、連続蒸留工程とを含み、脱水工程の後、かつ、脱ピッチ工程の前または脱ピッチ工程において、脱水された粗製タール酸に酸化剤を添加し、かつ、脱ピッチ工程における蒸留塔の塔底温度が160℃以下である、タール酸の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、タール酸の製造方法に関する。
コールタールを蒸留して得られるカルボル油およびナフタレン油は、タール酸を含む。カルボル油およびナフタレン油に含まれるタール酸をアルカリ処理および酸処理することで、粗製タール酸が得られる。そして、その粗製タール酸を蒸留によって精製することで、フェノール、クレゾール、またはキシレノールを主成分とする精製タール酸が得られる。
精製タール酸は、光学樹脂、化粧品、農薬などの原料として使用される。しかし、このようなコールタール由来の精製タール酸には、硫黄化合物が混入するため、精製タール酸から硫黄化合物を除去する必要がある。
コールタールから得られた粗製タール酸を蒸留することによって、タール酸を製造する方法が従来知られている。例えば、特許文献1には、タール酸塩および/または粗製タール酸を、キノンおよび/またはハイドロキノンとアルカリ金属化合物との存在下に酸素含有ガスおよび/または過酸化水素で処理することを特徴とする、高純度タール酸の製造方法が記載されている。
特開平6−41544号公報
しかしながら、従来は、精製タール酸に含まれる硫黄化合物を、十分に低減することができなかった。
そこで本発明は、硫黄化合物の含有量が少ないタール酸の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るタール酸の製造方法は、
粗製タール酸を蒸留して、脱水された粗製タール酸を得る脱水工程と、
前記脱水された粗製タール酸を蒸留して、脱ピッチ化された粗製タール酸を得る脱ピッチ工程と、
前記脱ピッチ化された粗製タール酸を連続蒸留する、連続蒸留工程とを含み、
前記脱水工程の後、かつ、前記脱ピッチ工程の前または前記脱ピッチ工程において、前記脱水された粗製タール酸に酸化剤を添加し、かつ、
前記脱ピッチ工程における蒸留塔の塔底温度が160℃以下である、タール酸の製造方法である。
本発明に係るタール酸の製造方法の一実施形態では、
前記脱ピッチ工程における蒸留塔の塔底から回収した混合油を蒸留して、硫黄化合物が除去された塔底油を得る硫黄化合物除去工程と、
前記硫黄化合物が除去された塔底油を蒸留して、キシレノールを含む留出油を得る工程とをさらに含み、
前記硫黄化合物除去工程における蒸留塔の塔底温度が、142℃以上である。
本発明に係るタール酸の製造方法によれば、硫黄化合物の含有量が少ないタール酸の製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るタール酸の製造方法のフローを示す概略図である。 図2は、本発明の他の実施形態に係るタール酸の製造方法のフローを示す概略図である。 図3は、塔底温度に対する硫黄化合物の積算留出率の関係を示したグラフである。
以下、本発明のタール酸の製造方法について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されない。なお、フローを示す図面においては、各蒸留塔の上方から出た矢印は、塔頂から留出した留分および留出油の移動を示し、各蒸留塔の下方から出た矢印は、塔底から回収した留分および塔底油の移動を示している。
(タール酸の製造方法)
本発明に係るタール酸の製造方法は、
粗製タール酸を蒸留して、脱水された粗製タール酸を得る脱水工程と、
前記脱水された粗製タール酸を蒸留して、脱ピッチ化された粗製タール酸を得る脱ピッチ工程と、
前記脱ピッチ化された粗製タール酸を連続蒸留する、連続蒸留工程とを含み、
前記脱水工程の後、かつ、前記脱ピッチ工程の前または前記脱ピッチ工程において、前記脱水された粗製タール酸に酸化剤を添加し、かつ、
前記脱ピッチ工程における蒸留塔の塔底温度が160℃以下である、タール酸の製造方法である。
図1は、本発明のタール酸の製造方法の一例のフローを示す概略図である。図1の例においては、粗製タール酸を脱水塔に装入して脱水蒸留を行い、脱水塔の塔底から、脱水された粗製タール酸を得る(脱水工程)。脱水された粗製タール酸に酸化剤を添加し、その粗製タール酸を脱ピッチ塔に装入して脱ピッチ化を行い、脱ピッチ塔の塔頂から、脱ピッチ化された粗製タール酸を得る(脱ピッチ工程)。次いで、脱ピッチ化された粗製タール酸を、軽沸塔、フェノール塔、o−クレゾール塔、m,p−クレゾール塔において連続蒸留を行う(連続蒸留工程)。フェノール塔、o−クレゾール塔、m,p−クレゾール塔では、蒸留によって、それぞれ、フェノール、o−クレゾール、m,p−クレゾールが得られる。
粗製タール酸は、従来公知の方法によって製造することができる。粗製タール酸は、例えば、上述したように、コールタールを蒸留して得られるカルボル油およびナフタレン油を、アルカリ処理および酸処理することで得られる。
<脱水工程>
本発明に係る粗製タール酸の製造方法の脱水工程では、粗製タール酸を蒸留して、脱水された粗製タール酸を得る。粗製タール酸の脱水は、従来公知の方法によって行うことができる。一例においては、粗製タール酸を脱水塔に装入して蒸留することで、水を塔頂から留出させ、脱水塔の塔底から脱水された粗製タール酸を得る。
脱水塔の塔底温度(最高温度)は、適宜調節すればよい。脱水塔の塔底温度は、例えば、114℃〜116℃である。
<酸化剤の添加>
脱水工程の後、かつ、前記脱ピッチ工程の前または前記脱ピッチ工程において、前記脱水された粗製タール酸に酸化剤を添加する。酸化剤の添加により、脱水された粗製タール酸に含まれている硫黄化合物を重質化し、後述する脱ピッチ工程において除去することができる。
酸化剤は、脱水工程の後であれば、脱ピッチ工程の前に添加してもよく、脱ピッチ工程において添加してもよく、またはその両方において添加してもよい。例えば、脱水塔から脱ピッチ塔まで脱水された粗製タール酸を運ぶ配管の任意の地点において、酸化剤を配管内に添加してもよいし、脱ピッチ塔での蒸留前または蒸留中に、脱ピッチ塔内に酸化剤を添加してもよい。
酸化剤の種類は、特に限定されず、従来公知の酸化剤を用いることができる。一例においては、酸化剤は、過酸化水素、過マンガン酸塩、硝酸および酸素ガスからなる群より選ばれる少なくとも一つである。一実施形態では、酸化剤は過酸化水素である。
添加する酸化剤の形態は、特に限定されず、適宜選択すればよい。例えば、酸化剤が過酸化水素である場合、過酸化水素のまま添加してもよいし、水溶液として添加してもよい。水溶液として添加する場合、過酸化水素の濃度は、例えば、30重量%程度である。
酸化剤の添加量は、特に限定されず、適宜調節すればよい。一例においては、脱水された粗製タール酸に対する酸化剤の添加量は、脱水された粗製タール酸100重量部に対し、0.1重量部〜0.5重量部である。
<脱ピッチ工程>
本発明に係る粗製タール酸の製造方法の脱ピッチ工程では、脱水された粗製タール酸を蒸留して、脱ピッチ化された粗製タール酸を得る。そして、脱ピッチ工程における脱ピッチ塔の塔底温度は160℃以下である。
理論に束縛されることを望むものではないが、本発明の製造方法では、脱水工程後の粗製タール酸に酸化剤を添加して、粗製タール酸中の硫黄化合物を重質化し、かつ、脱ピッチ工程において、塔底温度を160℃以下として脱ピッチ化することにより、重質化した硫黄化合物の熱分解を抑制することができ、脱ピッチ塔の塔頂から留出する留出油(粗製タール酸)に含まれる硫黄化合物を低減することができるものと推測される。そして、その重質化した硫黄化合物は、脱ピッチ塔の塔底油として除去される。そのため、後述する連続蒸留工程にもちこされる硫黄化合物の量が減少し、硫黄化合物の含有量が少ないタール酸を製造することができるものと推測される。
本明細書において、「ピッチ」は、粗製タール酸を蒸留したときの残留物を指す。
脱ピッチ塔の塔底温度は、160℃以下であれば特に限定されない。一例において、脱ピッチ塔の塔底温度は、158.5℃以下、155℃以下、150℃以下、147℃以下、145℃以下、143℃以下または、142.3℃以下であり;110℃以上、115℃以上、120℃以上、125℃以上、128℃以上、130℃以上、135℃以上または140℃以上である。好ましくは、脱ピッチ塔の塔底温度の上限温度は、硫黄化合物の留出量を1重量%以下に抑える点から142.3℃以下である。
<連続蒸留工程>
本発明に係る粗製タール酸の製造方法の連続蒸留工程では、脱ピッチ化された粗製タール酸を連続蒸留する。
連続蒸留は、従来公知の方法によって行うことができる。連続蒸留は、例えば、軽沸塔による蒸留、フェノール塔による蒸留、o−クレゾール塔による蒸留、m,p−クレゾール塔による蒸留を含んでいてもよい。
従来のタール酸の製造方法では、脱ピッチ工程後に、酸化剤を添加して、軽沸塔やフェノール塔などでの連続蒸留を行っていた。しかし、この場合、重質化した硫黄化合物は、塔頂からは留出せず、塔底油に混入して後続の蒸留塔に装入されるため、最終的な蒸留塔、例えば、m,p−クレゾール塔からのキシレノールを多く含む塔底油に重質化した硫黄化合物が濃縮してしまい、キシレノールの純度を高めることが困難であった。これに対して、本発明に係るタール酸の製造方法では、酸化剤の添加タイミングと、その直後の脱ピッチ工程での脱ピッチ塔の塔底温度を160℃以下に制御することによって、純度の高い各種タール酸を得ることができる。
一例においては、図1に示したように、脱ピッチ化された粗製タール酸を連続蒸留することによって、各種のタール酸(フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、およびキシレノールなど)を得る。
本発明のタール酸の製造方法の一実施形態では、連続蒸留工程において得られるタール酸は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールおよびキシレノールからなる群より選ばれる一種以上である。
連続蒸留工程において得られたタール酸は、製品スペックに応じて、そのまま製品としてもよく、さらに回分蒸留を施して製品としてもよい。
本発明のタール酸の製造方法の一実施形態では、本発明の製造方法により得られるキシレノール中の硫黄化合物の量を例えば、従来のタール酸の製造方法、すなわち、脱ピッチ工程後の粗製タール酸に酸化剤を添加する方法に比べて、約99%低減することができる。
本発明のタール酸の製造方法の他の実施形態は、上述した工程に加えて、任意に、硫黄化合物除去工程と、キシレノールを含む留出油を得る工程とをさらに含む。
図2は、本発明のタール酸の製造方法の他の実施形態の一例のフローを示す概念図である。図2の例においては、上述した脱水工程および脱ピッチ工程の後、脱ピッチ塔の塔底から混合油を回収する。混合油を硫黄除去塔に装入して塔底温度142℃以上で蒸留し、硫黄除去塔の塔底から、硫黄化合物が除去された塔底油を得る(硫黄化合物除去工程)。硫黄化合物が除去された塔底油を、図2の例においてはキシレノール塔に装入して蒸留し、キシレノール塔の塔頂から、キシレノールを含む留出油を得る(キシレノールを含む留出油を得る工程)。
<硫黄化合物除去工程>
硫黄化合物除去工程では、脱ピッチ工程における蒸留塔の塔底から回収した混合油を蒸留して、硫黄化合物が除去された塔底油を得る。そして、硫黄化合物除去工程における蒸留塔の塔底温度は142℃以上である。
上記脱ピッチ塔の塔底から回収した混合油には、重質化した硫黄化合物の他に、キシレノールなどのタール酸が含まれ得る。この混合油を、塔底温度を142℃以上として硫黄除去塔において蒸留することにより、重質化した硫黄化合物を熱分解させる。そして、熱分解した硫黄化合物は、沸点が低下するため硫黄除去塔の塔頂から除去される。そのため、硫黄除去塔の塔底からは、硫黄化合物が除去され、キシレノールを多く含む塔底油が得られる。
硫黄除去塔の塔底温度は、142℃以上であれば特に限定されない。一例において、硫黄除去塔の塔底温度は、145℃以上または147℃以上であり;175℃以下、170℃以下、168℃以下、165℃以下または160℃以下である。
<キシレノールを含む留出油を得る工程>
キシレノールを含む留出油を得る工程では、硫黄化合物が除去された塔底油を蒸留して、キシレノールを含む留出油を得る。これにより、上述した連続蒸留工程から得られるタール酸に加えて、連続蒸留工程に至らずに脱ピッチ塔の塔底油に含まれていたキシレノールなどのタール酸を回収することができる。そのため、タール酸の製造の歩留まりをより向上することができる。
一例においては、図2に示すように、硫黄化合物が除去された塔底油をキシレノール塔に装入して蒸留することによって、キシレノールを得る。
キシレノール塔の蒸留温度は、適宜調節すればよい。
キシレノールを含む留出油は、キシレノールの他に、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾールからなる群より選ばれる一種以上のタール酸を含み得る。
キシレノールを含む留出油は、製品スペックに応じて、そのまま製品としてもよく、さらに回分蒸留を施して製品としてもよい。
キシレノールを含む留出油を得る工程から得られる留出油中の硫黄化合物の量は、例えば、従来のタール酸の製造方法におけるm,p−クレゾール塔の塔底から得られるキシレノールを含む混合油中の硫黄化合物の量と同程度以下になる。
(実施例1)
図1に示したフローの脱水塔の塔底から得られた脱水された粗製タール酸を用いて、本発明の効果を検証した。脱水された粗製タール酸に過酸化水素を添加し、塔底温度と硫黄化合物の留出との関係を調査した。
まず、重量238gの脱水された粗製タール酸に、重量2.38gの30重量%の過酸化水素水溶液を添加した。脱水されたタール酸に含まれる硫黄化合物の重量は、0.264gであった。次いで、その脱水された粗製タール酸を図1の脱ピッチ塔を想定した蒸留塔に装入した。蒸留塔内の圧力を3.0kPaとした。塔底温度を90.5℃から185℃まで上昇させた。表1に示す塔底温度の範囲それぞれにおいて、塔頂からの留分を回収した。回収した各留分について、各留分の重量(g)、および各留分に含まれる硫黄化合物の重量(g)を求めた。各留分および釜残の重量の合計は、229gであった。また、各留分および釜残に含まれていた硫黄化合物の重量の合計は、0.264gであった。
塔底温度と、各重量から求めた留分の積算留出率および硫黄化合物の積算留出率の結果を表1に示す。また、塔底温度に対する硫黄化合物の積算留出率を表したグラフを図3に示す。図3では、各留分について、塔底温度の最高値(例えば、表1の留分番号1においては、113.3℃)を横軸にとり、縦軸に硫黄化合物の積算留出率(%)をとった。
表1および2中、留分の積算留出率(%)と、硫黄化合物の積算留出率(%)は、それぞれ、以下の式から求めた。
留分の積算留出率(%)=[その時点までの留分の合計重量/各留分および釜残の合計重量]×100
硫黄化合物の積算留出率(%)=[その時点までの硫黄化合物の合計重量/各留分および釜残に含まれていた硫黄化合物の合計重量]×100
Figure 2019172758
(比較例1)
実施例1において、脱水された粗製タール酸に過酸化水素を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に蒸留を行った。
具体的には、まず、重量300gの脱水された粗製タール酸を、実施例1と同様の蒸留塔に装入した。脱水されたタール酸に含まれる硫黄化合物の重量は、0.309gであった。蒸留塔内の圧力を3.0kPaとした。塔底温度を90.5℃から185℃まで上昇させた。表2に示す塔底温度の範囲それぞれにおいて、塔頂からの留分を回収した。各留分および釜残の重量の合計は、288gであった。また、各留分および釜残に含まれていた硫黄化合物の含有量の合計は、0.309gであった。
塔底温度と、各積算留出率の結果を表2に示す。また、塔底温度に対する硫黄化合物の積算留出率を表したグラフを図3に示す。
Figure 2019172758
表1,2および図3からわかるように、脱水した粗製タール酸に酸化剤を添加し、脱ピッチ塔の塔底温度を160℃以下で蒸留することにより、硫黄化合物の含有量の少ない粗製タール酸を製造することができた。
本発明に係るタール酸の製造方法によれば、硫黄化合物の含有量が少ないタール酸の製造方法を提供することができる。

Claims (2)

  1. 粗製タール酸を蒸留して、脱水された粗製タール酸を得る脱水工程と、
    前記脱水された粗製タール酸を蒸留して、脱ピッチ化された粗製タール酸を得る脱ピッチ工程と、
    前記脱ピッチ化された粗製タール酸を連続蒸留する、連続蒸留工程とを含み、
    前記脱水工程の後、かつ、前記脱ピッチ工程の前または前記脱ピッチ工程において、前記脱水された粗製タール酸に酸化剤を添加し、かつ、
    前記脱ピッチ工程における蒸留塔の塔底温度が160℃以下である、タール酸の製造方法。
  2. 前記脱ピッチ工程における蒸留塔の塔底から回収した混合油を蒸留して、硫黄化合物が除去された塔底油を得る硫黄化合物除去工程と、
    前記硫黄化合物が除去された塔底油を蒸留して、キシレノールを含む留出油を得る工程とをさらに含み、
    前記硫黄化合物除去工程における蒸留塔の塔底温度が、142℃以上である、請求項1に記載のタール酸の製造方法。
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