JP2019172626A - フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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一方、特許文献3には、ポリフェノールを含有することによってガラクトース部分分解物のゲル組成物について開示されているが、フィルムへの適用については開示されていな。
すなわち、ガラクトース部分分解物を水に溶解させてゲル組成物とし、このゲル組成物を乾燥して得られたフィルムは、水中に浸漬しても、溶解はしない。しかし、高度に膨潤する。高度に膨潤したフィルムは、強度が大きく低下し、非常に崩壊し易くなる。そのため、実用に耐えなくなる。
しかも、一旦フィルムを形成してからポリフェノールの水溶液に浸漬させる他、予め、ポリフェノールと共にガラクトース部分分解物を水に溶解させた後、乾燥しても、同様のフィルムが製造されることを見出した。
さらに、ポリフェノールの水溶液の濃度に応じて、フィルムの強度を調節できることを見出して、本発明を完成するに至った。
前記ポリフェノールが添加されていない場合よりも強度が高められている。
さらにグリセリンを含有していてもよい。
前記ポリフェノールが、茶抽出物であってもよい。
前記フィルムを製造する方法であって、
ガラクトキシログルカンのガラクトース部分分解物を水に溶解させて得られた溶液を乾燥してなるフィルム状組成物を、ポリフェノールと水とを含有する浸漬液に浸漬する工程を備える。
前記浸漬液が、さらにグリセリンを含有してもよい。
前記浸漬液における前記ポリフェノールの濃度を、0.05〜2.0質量%としてもよい。
前記ポリフェノールとして、茶抽出物を用いてもよい。
前記ポリフェノールが添加されていない場合よりも強度が高められている。
このガラクトキシログルカンは、グルコース、キシロースおよびガラクトースを構成糖として有しており、主鎖としてβ−1,4結合してなるグルコースを有し、側鎖としてキシロースを有し、そのキシロースにさらに結合されたガラクトースを有する。
ガラクトキシログルカンは、いかなる植物由来のガラクトキシログルカンでもよく、例えばタマリンド、ジャトバ、ナスタチウムの種子、大豆、緑豆、インゲンマメ、イネ、オオムギなどの穀物またはリンゴなどの果実の表皮から入手できる。最も入手し易く、含有量も多いことを考慮すると、好ましくは、豆科植物タマリンド種子由来のガラクトキシログルカンである。かかるガラクトキシログルカンとしては、市販のものを採用し得る。市販品としては、例えば、グリロイド(登録商標、DSP五協フード&ケミカル(株)製)等が挙げられる。
なお、本実施形態においてガラクトキシログルカンとは、側鎖ガラクトースが後述する酵素処理による部分分解によって除去されていないガラクトキシログルカン(完全ガラクトキシログルカン)を意味する。また、かかる完全ガラクトキシログルカンは、ネイティブガラクトキシログルカンとも称される場合がある。
上記部分分解には酵素が用いられる。酵素としては、例えば、β−ガラクトシダーゼが挙げられる。
なお、ガラクトースの部分分解率(すなわち、ガラクトースの除去率)は、得られた部分分解物がセルラーゼ分解されることによって生成されるガラクトキシログルカンオリゴ糖量を、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと称する。)(アミノカラム)で測定することにより算出することができる。
植物ポリフェノールは、緑茶(抹茶煎茶など)、紅茶、ウーロン茶、プーアル茶(黒茶)、マテ茶等の茶葉、白色野菜、柑橘類の果皮や種子、ブドウの果皮や種子(赤ワイン、赤ブドウ果汁など)、リンゴ、柿、桃、なし、タマネギの皮、栗、ゴボウ、コーヒー豆、カカオ豆等から、温水等で抽出される抽出物(固体状及び液状状の抽出物を含む)である。この抽出物には、モノマーポリフェノールやポリマーポリフェノールが多く含まれている。
上記フラボノイド類としては、カテキン類、ケルセチン、ルチン、アントシアニン等が挙げられる。
上記カテキン類としては、(+)−カテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピカテキン、(−)−エピガロカテキン、及び、これらの没食子酸エステル等が挙げられる。これらのうち、カテキン類としては、(−)−エピガロカテキンの没食子酸エステル(エピガロカテキンガレート)が好ましい。
上記縮合型のタンニンとしては、プロアントシアニジン類等が挙げられ、該プロアントシアニジン類としては、テアルビジンやプロデルフィニジン等が挙げられる。
上記加水分解型のタンニンとしては、タンニン酸、ガロタンニンや、エラグタンニン等が挙げられる。
なお、上記植物ポリフェノールは、上記のものに特に限定されるものではなく、ポリフェノールを含有する植物から得られるものであれば、いずれでもよい。
なお、ポリフェノールは、1種又は複数種の混合物として用いられてもよい。
例えば、フィルム中のガラクトース部分分解物の含有量は、2〜60質量%が好ましく、5〜50質量%がより好ましい。
該フィルム中のガラクトース部分分解物の含有量が、2質量%以上であることによって、過剰な水分を含有することなく、強度を発揮できるという利点がある。
該フィルム中のガラクトース部分分解物の含有量が、60質量%以下であることによって、湿潤性及び柔軟性に優れるという利点がある。
該フィルム状組成物の厚みが、0.005mm以上であることによって、ポリフェノール溶液への浸漬によるフィルムの作製といった加工の際、破れにくいという利点がある。
該フィルム状組成物の厚みが、0.2mm以下であることによって、様々な形状に追随し易く、ポリフェノールへの浸漬によるフィルムの作製の際、フィルムを作製しやすくなるという利点がある。
該フィルムの厚みが、0.05mm以上であることによって、破れ難く、一定強度を有するフィルムを作製し易くなるという利点がある。
該フィルムの厚みが、0.5mm以下であることによって、様々な形状に追随し易くなるという利点がある。
該フィルムの水分含量が、40質量%以上であることによって、湿潤性及び柔軟性に優れるという利点がある。
該フィルムの水分含量が、98質量%以下であることによって、過剰な水分を含有することなく強度を発揮し得るという利点がある。
上記水分含量は、フィルムの表面に付着している過剰な水分をティッシュ等で取り除いた後、フィルムの質量(乾燥前質量)を測定し、50℃、30分間の加熱送風乾燥後の質量を測定し、乾燥前後の質量の減少分を、乾燥前質量に対する百分率として算出される値である。
該フィルムの強度が、0.005MPa以上であることによって、破れ難くなるという利点がある。
該フィルムの強度が、4MPa以下であることによって、より良好な触感を有するという利点がある。
上記本実施形態のフィルムを製造する方法であって、
ガラクトキシログルカンのガラクトース部分分解物を水に溶解させて得られた溶液を乾燥してなるフィルム状組成物を、ポリフェノールと水とを含有する浸漬液に浸漬する工程(浸漬工程)を備える。
ガラクトキシログルカンのガラクトース部分分解物を水に溶解して得られた溶液を乾燥することによってフィルム状組成物を形成する工程(フィルム状組成物の形成工程)と、
形成されたフィルム状組成物を、ポリフェノールと水とを含有する浸漬液に浸漬する工程(浸漬工程)とを備える。
フィルム状組成物の形成工程は、例えば、
ガラクトース部分分解物を水に冷却しながら溶解させて水溶液を形成する溶解工程と、
得られた溶液を乾燥することによってフィルム状組成物を得る乾燥工程(溶液の乾燥工程)とを備える。
なお、乾燥工程において、ガラクトース部分分解物の水溶液はゲル化する場合がある。このようにゲル化した状態で乾燥を一旦停止し、その後、再乾燥させてもよい。
溶解においては、従来公知の溶解に使用される装置が適宜使用される。
なお、ガラクトース部分分解物を水に溶解させることが可能であれば、冷却しなくてもよい。
溶解工程においては、ガラクトース部分分解物及び水の他、前述したような添加剤を添加してもよい。
乾燥においては、従来公知の乾燥に使用される装置が適宜使用される。
本実施形態のフィルム状組成物の厚みは、例えば、前述した通り、0.005〜0.2mmが好ましく、0.05〜0.1mmがより好ましい。
浸漬工程においては、例えば、得られたフィルム状組成物を、容器に収容された上記浸漬液に浸漬する。
浸漬液中のポリフェノール水溶液の濃度は、特に限定されず、後の工程で得られるフィルムの強度が所望の強度となるように、適宜設定され得る。
従って、例えば、かかる観点を考慮して、ポリフェノール水溶液の濃度は、通常、0.05〜2.0質量%とすることができ、0.1〜1.5質量%とすることが好ましく、0.1〜1.0質量%とすることがより好ましい。
ポリフェノール水溶液の濃度を0.05〜2.0質量%とすることによって、ポリフェノール水溶液が調製しやすくなり、ガラクトース部分分解物とポリフェノールとの反応性を向上させることができるため、より強度の高いフィルムを、より短時間で製造し得る。
浸漬時間は、特に限定されないが、例えば、2〜10分(最小の時間として)とし得る。
浸漬液には、ポリフェノール及び水の他、前述したような添加剤を添加してもよい。
なお、かかる乾燥を行うことなく、フィルムを得てもよい。
なお、水分含量は、前述した測定方法によって測定される値である。
ガラクトキシログルカンのガラクトース部分分解物とポリフェノールとを含有し、
前記ポリフェノールが添加されていない場合よりも強度が高められている。
さらにグリセリンを含有することが好ましい。
さらにグリセリンを含有することによって、柔軟性が高くなる。
前記ポリフェノールが、茶抽出物であることが好ましい。
ポリフェノールが茶抽出物であることによって、ガラクトース部分分解物との反応性が向上するため、より強度が高くなる。
本実施形態のフィルムを製造する方法であって、
ガラクトキシログルカンのガラクトース部分分解物を水に溶解させて得られた溶液を乾燥してなるフィルム状組成物を、ポリフェノールと水とを含有する浸漬液に浸漬する工程を備える。
また、浸漬液に種々の成分を含有させることによって、かかる成分をフィルムに含有させることができるため、浸漬液に浸漬させていないフィルム(上記フィルム状組成物)と比較して、幅広い成分を含有し得る。
前記浸漬液が、さらにグリセリンを含有することが好ましい。
これによって、より柔軟性が高いフィルムが得られる。
前記浸漬液における前記ポリフェノールの濃度を、0.05〜2.0質量%とすることが好ましい。
ポリフェノール濃度が上記範囲であることによって、より強度が高められたフィルムを、より短時間で製造し得る。
前記ポリフェノールとして、茶抽出物を用いることが好ましい。
ポリフェノールが茶抽出物であることによって、ガラクトース部分分解物との反応性が向上するため、より強度が高いフィルムが得られる。
この点を考慮すれば、ポリフェノール水溶液に浸漬してフィルムを形成した後、そのままポリフェノール水溶液に浸漬させた状態で保管してもよい。
この他、該ポリフェノール水溶液から取り出した後、そのまま濡れている状態で包装容器等に収容して保管してもよい。このようにポリフェノール水溶液によって濡れている状態が維持されていれば、強度の低下が抑制される。使用する際には、収納容器から取り出せば、そのまま使用できる。
例えば、ガラクトース部分分解物、ポリフェノール、水、及び、任意の添加剤とを冷却しながら溶解して水溶液とした後、加熱してゲル状組成物とし、得られたゲル状組成物を乾燥することによってフィルムを製造してもよい。
ガラクトキシログルカン(DSP五協フード&ケミカル(株)製、グリロイド(登録商標))1gを水99gに添加し、75℃で15分撹拌し、基質を1質量%含有する1質量%ガラクトキシログルカン水溶液を得た。精製酵素β−ガラクトシダーゼを用い、1質量%ガラクトキシログルカン水溶液を、酵素濃度2.4×10−5質量%、pH5.6、50℃で反応させた後、100℃で20分間加熱することにより、反応を停止させた。反応溶液は、反応開始後約15時間でゲル化し、これにより、ゲル状の組成物を得た。得られたゲル状の組成物におけるガラクトース除去率を、以下の方法で算出した。
<ポリフェノールの有無とフィルムの強度との関係>
容量1000mLのステンレスビーカーに脱イオン水592.5gを入れ、製造例1で得られたガラクトース部分分解物7.5gを加えて室温で混合後、氷温水中で撹拌し、ガラクトース部分分解物の1.25質量%水溶液を調製した。
容量50mLのポリプロピレンチューブにポリフェノールとしてサンフェノンEGCg−OP(エピガロカテキンガレート、太陽化学(株)製)600mgを入れ、脱イオン水を加えて混合し、30gのサンフェノンEGCg−OPの2質量%水溶液を調製した。得られたサンフェノンEGCg−OPの2質量%水溶液を脱イオン水で希釈し、0.1、0.25、0.50、1.00質量%EGCg水溶液を調製した。
直径90mmのプラスチックディッシュに、上記ガラクトース部分分解物水溶液8g及び0.1質量%EGCg水溶液0.1mLを添加した(実施例1)。
直径90mmのプラスチックディッシュに、上記ガラクトース部分分解物水溶液8g、0.1質量%EGCg水溶液0.1mL、及び、50質量%グリセリン(グリセロール)水溶液80μLを添加した(実施例2)。
その後、各混合液を、35℃の乾燥機内に静置し、オーバーナイトで乾燥することによって、フィルムを調製した。
このようにディッシュ上に形成したフィルムを、市販のベルトポンチを用いて直径約24mmの円形状フィルムを切り出して試料とした。
得られた試料について、下記の方法で、強度の測定、柔軟性の評価を行った。結果を表1に示す。
直径90mmのプラスチックディッシュに、上記ガラクトース部分分解物水溶液8gを添加した(比較例1)。
直径90mmのプラスチックディッシュに、上記ガラクトース部分分解物水溶液8g及び50質量%グリセリン水溶液80μLを添加した(比較例2)。
その後、35℃の乾燥機内に静置し、オーバーナイトで乾燥し、ガラクトース部分分解物フィルムを調製した。
このようにプラスチックディッシュ上に形成したフィルムを、プラスチックディッシュから取り出し、市販のベルトポンチを用いて直径約24mmの円形状フィルムに切り出して、試料とした。
得られた試料について、下記の方法で、破断強度の測定、柔軟性の評価を行った。結果を表1に示す。
直径18mmの穴を有するアクリル板を2枚重ね合わせて1組とし、下側のアクリル板の上に、アクリル板と同じ位置に同じ形状及び大きさの穴を有するシリコーンゴムを置き、シリコーンゴムの穴を覆うように試料(円形状フィルム)を置き、その上に上側のアクリル板を重ね合わせ、シリコーンゴムを挟む2枚のアクリル板の両端をダブルクリップ(左右各1個)で固定した後、固定された試料の破断応力を、クリープメーター(型式:RE2−33005S、(株)山電社製)を用いて測定した(5mmプランジャー、1mm/secの速度、単位:Pa)。結果を表1に示す。
なお、表1の破断応力については、それぞれ2回の試験結果の平均値を示す。
試料(円形状フィルム)を両手で掴み、左右外向きに力を加えながら曲げ、このときに試料が割れるか否かによって柔軟性を調べ、下記の評価基準で評価した。
試料が割れない:○(柔軟性がある)
試料が割れる :×(柔軟性がない)
<フィルム状組成物のポリフェノール水溶液への浸漬によるフィルムの強度>
直径90mmのプラスチックディッシュに、上記1.25質量%ガラクトース部分分解物水溶液16gを添加し、35℃の乾燥機内に静置し、オーバーナイトで乾燥することによって、フィルム状組成物を調製した。用いたフィルム状組成物の水分含量は、3.7±1.2%(平均値±標準偏差, n=10)であった。
フィルム状組成物の水分含量は、上記プラスチックディッシュに添加したガラクトース部分分解物水溶液に含まれるガラクトース部分分解物質の質量と、乾燥後のフィルム状組成物の質量との差を、乾燥後のフィルム状組成物の質量に対する百分率として算出した({(乾燥後のフィルム状組成物の質量−ガラクトース部分分解物の質量)/乾燥後のフィルム状組成物の質量}×100)。
前述したEGCg−OPの2質量%水溶液を脱イオン水で希釈し、0.05、0.1、0.2、0.5、1、2質量%のEGCg水溶液を調製した。
フィルム状組成物の調製で得られたプラスチックディッシュ上のフィルム状組成物に、0.05、0.1、0.2、0.5、1、2質量%のEGCg水溶液をそれぞれ5mL添加した後、プラスチックディッシュのふたを閉め、表2に示す一定時間(浸漬時間)、室温で静置し、ポリフェノール溶液を浸漬させることによって、フィルムを作製した。
フィルム状組成物の調製で得られたプラスチックディッシュ上のフィルム状組成物に、EGCg水溶液を添加せず(0質量%)、脱イオン水のみにフィルム状組成物を浸漬させることによってフィルムを調製した。
そして、切り出した試料の厚みと水分含量とを測定した(n=7)。結果を表2に示す。なお、厚みはノギスを用いて測定した。
図1は、ポリフェノールの濃度ごと(0質量%〜2質量%)に、浸漬時間と破断応力の関係を示したグラフであり、図2は、ポリフェノールの濃度ごと(0質量%〜2質量%)に、10分以内の浸漬時間と破断応力の関係を示したグラフである。
得られた試料(円形状のフィルム)を両手で持ち、ゲルに左右外向きに力を加えることによってフィルム強度を調べ、下記の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
破れ難い:○
破れ易い:×
図1に示すように、ポリフェノール濃度が0.5質量%以上になると、濃度の増加に伴う強度の増加は小さくなった。この結果は、前述した表2に示される厚みの低下の傾向と類似している。
図2に示すように、ポリフェノールの浸漬による強度の向上は、短時間から発現したが、この後2日間まで測定しても、大きな強度の増加は見られなかった。
従って、強度の増加は、少なくとも数日間は、極めて安定であると考える。
よって、フィルム状組成物をポリフェノール水溶液に浸漬することによって、安定して強度が増加したフィルムを製造し得ることがわかった。
以上の結果から、ポリフェノール水溶液に浸漬して得られたフィルムでは、水のみに浸漬して得られたフィルムに比べて、比較的短時間でポリフェノールがガラクトース部分分解物の分子間内に入りこみ、これによって、分子間に存在する一部の水分子の排除や、それに伴うポリフェノールによる分子間の架橋や凝集が引き起こされ、その結果、強度が発現されると推測される。
<ガラクトース部分分解物水溶液の濃度を変えて作製したフィルム状組成物をポリフェノール水溶液に浸漬したときのフィルムの強度>
容量500mLのステンレスビーカーに脱イオン水298.5g、292.5g、285gをそれぞれ入れ、製造例1で得られたガラクトース部分分解物1.5g、7.5g、15gをそれぞれ加えて室温で混合後、氷温水中で撹拌し、ガラクトース部分分解物の0.5質量%、2.5質量%、5質量%水溶液をそれぞれ調製した。
直径90mmのプラスチックディッシュに、上記ガラクトース部分分解物水溶液0.5質量%を40g、2.5質量%を8g、5質量%を16g、それぞれ添加し、35℃の乾燥機内に静置し、オーバーナイトで乾燥することによって、フィルム状組成物を調製した。
前述した試験例1と同様に0.1質量%EGCg水溶液を調製後、フィルム状組成物の調製で得られたプラスチックディッシュ上の各フィルム状組成物に対し、0.5質量%および2.5質量%のフィルム状組成物には、0.1質量%EGCg水溶液をそれぞれ5mL添加し、一方、5質量%のフィルム状組成物には、0.1質量%EGCg水溶液を20mL添加し、各プラスチックディッシュのふたを閉め、30時間、室温で静置することによって、ポリフェノール溶液を浸漬させて、フィルムを作製した。
試験例1と同様に、得られたフィルムを、プラスチックディッシュから取り出し、市販のベルトポンチを用いて直径約24mmの円形状フィルムに切り出して、試料とした。
また、実施例51に示すように、ガラクトース部分分解物水溶液の濃度を5質量%とさらに高くしても、強度に優れたフィルムを作製することができた。
Claims (7)
- ガラクトキシログルカンのガラクトース部分分解物とポリフェノールとを含有し、
前記ポリフェノールが添加されていない場合よりも強度が高められた、フィルム。 - さらにグリセリンを含有する請求項1に記載のフィルム。
- 前記ポリフェノールが、茶抽出物である、請求項1または2に記載のフィルム。
- 請求項1に記載のフィルムを製造する方法であって、
ガラクトキシログルカンのガラクトース部分分解物を水に溶解させて得られた溶液を乾燥してなるフィルム状組成物を、ポリフェノールと水とを含有する浸漬液に浸漬する工程を備えた、フィルムの製造方法。 - 前記浸漬液が、さらにグリセリンを含有する、請求項4に記載のフィルムの製造方法。
- 前記浸漬液における前記ポリフェノールの濃度を、0.05〜2.0質量%とする、請求項4または5に記載のフィルムの製造方法。
- 前記ポリフェノールとして、茶抽出物を用いる、請求項4〜6のいずれかに記載のフィルムの製造方法。
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