JP2019172577A - 竹成分を含む化粧品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】竹に多く含まれる植物性乳酸菌とケイ酸を生かした化粧品及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る化粧品は、竹から抽出した竹エキスを含む。又は、平均粒径20〜500μmの微細竹粉を0.1〜10%含む。また、本発明に係る化粧品素材の製造方法は、竹棹を切削・粉砕して平均粒径20〜500μm、含水率20〜50%の微細竹粉に切削・粉砕する切削・粉砕工程(S001)と、微細竹粉から低温真空乾燥により水分を分離して、竹エキスと乾燥竹粉とに分離する分離工程(S002)とを備える。また、本発明に係る化粧品の製造方法は、竹エキスと水と化粧品配合剤を適当量配合して化粧品を製造する第1の配合工程(S011)を備える。又は、乾燥竹粉と水と化粧品配合剤を適当量配合して化粧品を製造する第2の配合工程(S021)を備える。【選択図】図4

Description

本発明は竹成分を含む化粧品及びその製造方法に関する。詳しくは、多孔質微細竹粉から抽出されたエキス又は抽出の際にエキスから分離される乾燥微細竹粉を含む化粧品及びその製造方法に関する。
竹材は日本の山林に多量(公式には3%となっているが、実際には周囲に拡大・浸食して10%弱まで広がっている)存在する。未利用資源の開発により、再資源化、再利用ができれば循環型社会の実現に向けて大きな前進となる。農水省の進めるバイオマス活用では、「未利用バイオマス」の分野であり、工業製品として量の拡大が出来ればバイオマス活用割合の大幅な向上が図れる。さらに、放置竹林の整備を進めれば、里山の環境整備と生物多様性の復活を図り、地域資源の活用により地域の活性化が図れ、地球温暖化にも貢献できる。
発明者達は、竹の植物性乳酸発酵に着目して、微細竹粉を肥料として利用し、収穫量の増大を図ることができた。ところで、工業製品として活用するためには、微細チップ、微細粉末の製造が極めて重要である。発明者達は特殊なフライス工具を有する竹紛製造機(特許文献1,2参照)を発明して、平均粒径300μmで、水分含有量35%の竹紛を効率的に製造可能にした。さらに、これを原料とした二次粉砕で平均粒径50μmの竹粉を作成することに成功した。
ところで、日本では薬事法により、化粧品に使用する際にはその名称が登録されなければならない。さらに、日本で化粧品登録する為には、米国のPCPC(Personal Care Products Council 米国パーソナルケア製品協議会)にINCI(International Nomenclature of Cosmetic Ingredient 化粧品原料命名法)の登録をすることが前提になる。少なくともINCIに申請しなければ、日本では登録を受け付けてもらえない。本発明に係る化粧品は、国際的INCI及び日本の化粧品工業連合会に登録手続きをしている。
化粧品の容器には、配合されている全成分の名称を記載する。そして、その記載方法も定まっており、「化粧品の成分表示名称リスト」等を利用することとなっている。化粧品の容器に配合されている全成分の名称を表示する意義は、アレルギ一のある消費者が、自分のアレルゲン等を把握したうえで、そのアレルゲンが含まれた化粧品の使用を避けることができるようにということである。しかし、化粧品に配合されている成分には、一物多名称のものが多くある。例えば、「ビタミン」には「アスコルビン酸」という 別名があるし、「力ミツレエキス」には「カモミールエキス」という別名がある。このように一物多名称の成分について各業者が、それぞれ異なる表示を行っていては消費者が混乱し、アレルゲンを避けることができない。そのため、化粧品業界において統一名称を用いることが推奨され、日本化粧品工業連合会による「化粧品の成分表示名称リス卜」が作成されている。
現在竹関連材料でINCIに登録されているのは表9に記載の名称だけである。
特許第5344644号公報 実用新案第3176586号公報
竹には、植物性乳酸菌と共に植物性ケイ酸が多量含まれることから、健康にやさしい次世代商品としての魅力もあるといえる。植物発酵エキス及びエキス抽出後の乾燥粉は、野菜・果物等の一つの素材に含まれている栄養成分をそのまま無駄にすることなく丸ごと使えるものである。ビタミンやミネラルが濃縮されて含まれており、栄養の倉庫といえる。したがって竹からエキスを抽出することができれば、化粧品に応用できる可能性がある。しかしながら、これまで、竹を素材とする化粧品について登録されたものはない。化粧品の素材に使用されるものとして、竹酢液があるが、竹酢液は炭化炉の排ガスから取り出した黒液を蒸留して透明にしたもので、生竹のエキスとは全く別のものである。表9において、竹酢液の下に列挙された竹はインドで生息していて孟宗竹とは別の種である。竹を素材とする化粧品について登録されたものが未だないことから、竹に乳酸菌がいて発酵が行われる事についても、未だ認識がされていないし、それを化粧品に活用して効果があることも認識されていなかったといえる。
本発明に係る化粧品は、国際的INCI及び日本の化粧品工業連合会に登録手続きをしている。INCIに登録するにあたり、竹の学名も記載し、自存する乳酸菌により発酵した竹粉から抽出したエキスと粉末であることも明記している。他の竹関連化粧品は未だ登録されてないので、今回登録されれば本発明にかかる化粧品素材は国際的に初めての化粧品原料であることが証明されることになる。
本発明は、竹に含まれる発酵成分、ミネラル等の成分を生かした化粧品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る化粧品は、竹から抽出した竹エキスを含むことを特徴とする。
ここにおいて、竹エキスには乳酸発酵の発酵液が多く含まれ、また、アミノ酸、ミネラル等竹本来の成分がそっくり含まれている。なお、表5に成分分析表を示すが、これ以外の未検知成分もあり得る。
このように構成すると、竹本来の成分をそっくり含み、これらの成分を生かした竹エキスを含む化粧品を提供できる。竹エキスは液体なので、肌に浸透しやすい。
本発明の第2の態様に係る化粧品は、平均粒径20〜500μmの微細竹粉を0.1〜10%含むことを特徴とする。
ここにおいて、微細竹粉の含有率は典型的には約1重量%(0.5〜2%)である。
このように構成すると、乾燥微細竹粉には竹本来の成分がそっくり含まれるので、これらの竹本来の成分を活かした化粧品を提供できる。微細竹粉には竹由来成分が豊富に含まれる。微細竹粉はスクラブ洗顔剤に利用できる。なお、表6に成分分析表を示すが、これ以外の未検知成分もあり得る。
本発明の第3の態様に係る化粧品素材の製造方法は、例えば図5に示すように、竹棹を切削・粉砕して平均粒径20〜500μm、含水率20〜50%の微細竹粉に切削・粉砕する切削・粉砕工程(S001)と、微細竹粉から低温真空乾燥により水分を分離して、竹エキスと乾燥竹粉とに分離する分離工程(S002)とを備えることを特徴とする。
ここにおいて、竹エキス及び乾燥竹粉のいずれも、化粧品素材として利用できる。さらに、医薬部外品への応用も期待される。
このように構成すると、竹エキス及び乾燥竹粉のいずれにも、竹本来の成分が多く含まれるので、竹本来の成分を生かした化粧品素材の製造方法を提供できる。
本発明の第4の態様に係る化粧品の製造方法は、例えば図6に示すように、請求項3に記載の竹エキスと水と化粧品配合剤とを適当量配合して化粧品を製造する第1の配合工程(S011)を備えることを特徴とする。
このように構成すると、竹本来の成分を生かした竹エキスを含む化粧品の製造方法を提供できる。エキスは液体なので、肌に浸透しやすい。
本発明の第5の態様に係る化粧品の製造方法は、例えば図7に示すように、請求項3に記載の乾燥竹粉と水と化粧品配合剤とを適当量配合して化粧品を製造する第2の配合工程(S021)を備えることを特徴とする。
このように構成すると、竹本来の成分を生かした竹粉を含む化粧品の製造方法を提供できる。微細竹粉には竹由来成分が豊富に含まれる。
本発明によれば、竹に含まれる発酵成分、ミネラル等の成分を生かした化粧品及びその製造方法を提供できる。
特殊竹粉製造機の例の模式図である。 特殊竹粉製造機が備えるフライス工具の例の模式断面図である。 特殊竹粉製造機が備えるフライス工具の例の模式正面図である。 特殊竹粉製造機で製造した竹粉の電子顕微鏡写真の例である。 エキスと乾燥微細竹粉を製造し、両者を分離する個体・液体分離システムフローを示す図である。 竹由来の化粧品素材の製造方法の例の模式フロー図である。 竹エキスを基にした化粧品の製造方法の例の模式フロー図である。 竹の乾燥微粉末を基にした化粧品の製造方法の例の模式フロー図である。
本実施の形態では、多孔質微細竹粉から抽出された竹エキス及び抽出の際に竹エキスから分離される乾燥微細竹粉を化粧品素材として製造する例、及び、竹エキスを素材としてオールインワンジェルを製造する例について説明する。また、乾燥微細竹粉を素材としてスクラブ洗顔剤を製造する例について説明する。ただし、本発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。また、各図において、同一又は相応する部分には同一の符号を用い、重複する説明を省略する。
〔微細竹粉の製造〕
図1に本発明で使用する特殊竹粉製造機の例の模式図を示す。
本発明に係る化粧品又はその素材の製造方法で用いる特殊竹粉製造機31は、乾式竹粉製造機に属する。孟宗竹又は真竹の外形8cm以上の竹(竹素材)Wの枝葉を落とし、良く洗浄して両端の外径を把握して位置決めし、右端のすり鉢状のフライス工具32の本体の端面35に放射線状に超硬インサートチップ34を配置したカッター33を配し、これをカッター駆動部36で回転させて、左端から竹素材Wを回転させずにカッター33に向かって送り機構37で送り込みながら切削することで微細竹粉を作るものである(特許文献1,2参照)。竹素材Wは、支持手段38に支持され、スライド可能な基台39に搭載されてカッター33に向かって移動する。なお、本発明に係る竹粉は、これに限られない。例えば、生竹から粉砕した竹粉であれば特に制限されない。
図2A及び図2Bに特殊竹粉製造機が備えるフライス工具の例の模式図を示す。図2Aは回転中心軸を含む断面図、図2Bは正面図である。
フライス工具32は、切れ刃であるチップ34が取り付けられる工具本体の端面35に、複数個のチップ34を放射状に並べて延びたチップ列を周方向に有するフラスカッター33を複数列備え、フライスカッター33は隣接する一対のチップ列のチップ34それぞれが、回転中心軸からの径方向距離を交互に異にした千鳥状に配設されている。本発明で用いる竹粉は、フライス工具32を用いて粉砕された微細竹粉であり、水分含有率が5〜40質量%であり、電子顕微鏡写真により竹維管束の多孔質構造が観測される。
図3に特殊竹粉製造機で製造した竹粉の電子顕微鏡写真の例を示す。
竹素材Wは中空円筒状で、竹棹の内部に軸方向に無数の竹維管束(水分・養分の通り道)の管が開いているところを、軸に直角に切削して製造した竹粉には内部に20μmの蜂の巣状の多孔質になっている。
竹粉の粉末粒度は5〜500μmで、内部には粉砕直後は10〜10程度の数の乳酸菌が生息している。これを袋で密閉し、約2週間寝かせて、発酵を促進させて、乳酸菌数を10〜1011もの数に増殖させたものである。本発明で用いる竹粉は、天然竹粉の枝葉を除いた竹棹を特殊竹粉製造機で粉砕した多孔質保持の微細竹粉であることが好ましい。
本発明で用いる竹粉は、特殊竹粉製造機により粉砕した竹粉である。目視でわかる糸状の繊維がなく、竹維管束の多孔質が保持されている粉末であればよい。竹粉の寸法は特に制限はないが、5〜500μmが好ましい。また、水分含有率が20〜50質量%であるものが好ましい。竹粉が低温(例えば55℃)で真空吸引されるので、圧力が下がり、沸点が下がる。これにより、竹粉に含まれる水分の蒸発が促進されるので、何ら溶媒に浸漬しなくても竹エキスの抽出が可能である。
〔竹紛の効果〕
竹紛の各種成分(ミネラル、アミノ酸、食物繊維、ケイ酸)を表1〜表4に示す。ミネラル、アミノ酸、植物繊維、ケイ酸を多く含む。平均粒径300μmの竹紛と平均粒径50μmの竹紛を比較すると、微小粒の方で水分含有率が少なく、ミネラル、アミノ酸、植物繊維含有率がいずれも大きくなっている。これら各種成分は動物にも植物にも良いとされている。また、竹はイネ科の植物であることから、竹粉に含まれるケイ酸量が3300mg/100gと多い。また、多孔質であることから、一次竹粉の乳酸発酵時の乳酸菌数は約10/g個程度であるが、発酵により、乳酸菌が約10/g個に増殖する。
シリカ(=ケイ素)は、ケイ酸塩として皮膚や骨、毛髪、爪、血管、細胞壁など、人の身体内に含まれる。シリカは肌の保湿、骨や毛髪、爪、コラーゲンの再生などを手助けする。健やかな素肌や強い骨、しなやかな髪には、シリカの働きが関係しており、肌の弾力を保つのに必要なエラスチンや、潤い成分であるヒアルロン酸を結びつけ肌を丈夫にする働きがある。また、健やかな肌の角質層は、水分を含んだ角質細胞が積み重なり、その隙間をセラミドなどの保湿物質が満たして、紫外線やチリ・ホコリなどの外部刺激をはね返す、バリア機能を担っている。ところが、強い紫外線、保湿ケア不足、摩擦などの刺激があると、角質層の水分や保湿物質は減少し。バリア機能が低下する。かかる状態では肌は、外部刺激から肌を守るために、急ピッチで細胞を産生。角質層を厚くしようとはたらき、その結果、水分や保湿物質が十分につくられないまま、未熟な角質層になることがある。したがって、シリカは肌に重要な成分といえる。
乳酸菌は腸の中に入ると、バリヤー機能を持ち腸内の有害な病原菌などから、人体を守る働きをする。肌の上にも複数の菌があり、その中にも悪玉菌と善玉菌の両方がある。 乳酸菌の中に発酵代謝産物が含まれていて、肌の上で腸の中の働きと同じように天然のバリアを作っている。 また、乳酸菌はPHコントロールをする。通常の人の肌は弱酸性に保たれている。肌がアルカリ性に傾くと皮膚の表面の組織を緩め、毛穴が開きやすくなる。洗浄する場合は、この性質を利用して、毛穴に詰まった汚れがとれる。洗顔後の毛穴は、再び引き締まって欲しいところで、表面の組織が緩むことで、皮膚の水分は蒸発しやすくなったり、外部のホコリや細菌を毛穴に詰まらせやすくなったりする。乾燥は毛穴を開かせる。アルカリ性に傾いた肌は、乾燥しやすい、しわやたるみの原因になる、ニキビができやすいといった悩みを引き起こす。弱酸性の乳酸菌化粧品が注目を集めている理由は、PHコントロールが優れているからである。したがって、乳酸菌も肌に重要な成分といえる。
本実施例では、多孔質微細竹粉から抽出された竹エキス及び抽出の際に竹エキスから分離される乾燥微細竹粉を化粧品素材として製造する例を説明する。
本実施例では、微細竹粉からエキスを抽出し、エキス及び残りの乾燥微細竹粉を共に化粧品として利用する例を説明する。エキスを抽出し、エキスと乾燥微細竹粉に分離するには低温真空乾燥機40を使用する。
図4にエキスと乾燥微細竹粉を製造し、両者を分離する個体・液体分離システムフローを示す。微細竹粉を投入口41から、低温真空乾燥機40に投入する。放熱ユニット48で約50℃に加熱し、真空弁42Aを開けて低温真空乾燥機40内を真空吸引する。減圧すると、水の沸点は下がるので微細竹粉に含まれた水分は低温(約50℃)で蒸発する。蒸発水(気体)はコンデンサー43で冷却されて凝集し水(液体)になる。冷却ユニット44は冷媒を供給してコンデンサー43を冷却する。コンデンサー43で冷却された水は、水エゼクター45で取り出される。ここでは、竹粉本来の成分を含んだ竹エキスとして抽出される。他方、低温真空乾燥機40内に残った乾燥微細竹粉はドレン46を開けて低温真空乾燥機40から取り出される。なお、42Bは真空弁、47は真空破壊弁である。
図5は竹エキス及び乾燥竹粉末の製造方法の例の模式図である。まず、特殊竹粉製造機により切削・粉砕する(S001)。例えば、平均粒径は約300μm、水分含有率は約35℃である。次に、切削・粉砕した微細竹粉を低温真空乾燥機にかけて竹エキスと乾燥竹粉に分離する(S002)。典型例としては、微細竹粉を間接加熱炉に投入して低温(約50℃)加熱する。真空吸引して蒸発した水分を冷却して竹エキスとして回収する。乳酸発酵竹粉は含水率35%なので、竹粉10kgから竹エキス3.5リットルを抽出可能である。35%の含水率があるので、低温乾真空乾燥を使用すると、溶液に浸漬する必要はない。溶液に浸漬しなくても、微細竹粉から成分が水に抽出される。蒸発した水分を冷却することにより、竹エキスと乾燥微細竹粉とが分離回収される(S003、S004)。本実施例ではアルコールを使用しないので、ハラル認証の取得可能性がある。
表5に、竹エキスの成分分析結果を示す。殆どが水分(99.8%)で、少量の水分、たんぱく質、灰分、炭水化物等が含まれる。また、各種ミネラルが含まれる。植物繊維、脂質は検出されなかった。なお、竹エキスには、水に溶けた竹粉の成分が含まれている。
表6に、乾燥微細竹粉の成分分析結果を示す。殆どが炭水化物(93.7%)で、少量の水分、脂質、たんぱく質、カリウム、不溶性植物繊維(竹繊維)等が含まれる。また、各種ミネラルが含まれる。乾燥微細竹粉には、水に溶けなかった竹粉の成分がそっくり残って含まれている。
本実施例では、竹エキスを配合した化粧品の製造方法の例について説明する。
化粧品として、オールインワンジェル化粧品について説明する。オールインワンジェル化粧品は、化粧水や美容液、乳液やクリーム、化粧下地といった、美肌づくりに欠かせないたくさんの機能が詰め込まれている多機能性スキンケアジェルである。通常のスキンケアなら、洗顔後、「潤す(保湿)」→「与える(栄養)」→「保護する」という3ステップの流れがある。その点、オールインワンジェル化粧品なら、このスキンケアの流れを3ステップに分けずに、1回にまとめてワンステップで完了させる。
本実施例では、竹エキスを利用して、オールインワンジェル化粧品を試作した。
図6は竹エキスと水と化粧品配合剤とを配合する化粧品の製造方法の例の模式図である。竹エキスと水と化粧品配合剤とを適当量配合することにより(S011)、化粧品(化粧水、乳液、クリーム等)が製造される(S012)。
表7にオールインワンジェル化粧品の成分の例を示す。竹エキスに、化粧品配合材として、例えば、ブチレン(BG)、グリセリン、ヂプロピレングリコール(DPG)、ペタイン、スクワラン等を添加した。これらの化粧品配合材は、通常の化粧品に添加される添加材で、ゲル形成補助、保湿剤、ヒアルロン酸保護作用、感触改良剤等である。これらに加えて、竹エキスに含まれる植物性乳酸発酵液を配合することによって、乳酸発酵液による爽やか感や美容効果が期待される。
試作を繰り返し、20名のモニターに試作品を配布し、アンケート調査し評価を得た。専門的検査はこれからだが、感応的ながらも実験的にいろいろ試みた。例えば、化粧品にかなり神経質な女性が試したところ風呂上りに化粧水として体に塗ると、翌朝までしっとり感があり保水効果は高いという評価があった。多数の女性の実験では、口の中に傷を作ったが、消毒薬は使いにくい為竹粉エキスをつけたら回復が早かった、かかとにササクレがかなり滑らかになった、手の擦り傷につけたら回復した等々、男性でも肘をデスクにつけるので硬くなっていたところがソフトになってきた等の評価が聞かれた。竹エキスは乳酸発酵の臭いが若干するが、嫌な臭いではないと言われる。いずれにしてもこれらは竹粉エキス原液である。化粧品は数多くの機能性成分を持つ専門原料をミックスして商品にしている。竹粉にある成分調査とその機能を見極めて商品にして行くことが必要である。
本実施例では、乾燥微細竹粉と水と化粧品配合剤とを配合した化粧品の製造方法の例について説明する。化粧品としては、スクラブ洗顔剤について説明する。
普通の洗顔料ではなく、細かい粒子が入った洗顔料をスクラブ洗顔剤という。小さな粒子が肌の上を転がることで、古くなった角質を取る、毛穴汚れをすっきりキレイにすることで肌をキレイにする。古い角質が落ちることで、肌のごわつきも解消され、化粧水や美容液など基礎化粧品の浸透が良くなる。さらに、多孔質の微細な竹粉を使用すると、多孔質への吸着効果で洗顔効果を一層高められる。
本実施例では、乾燥微細竹粉を利用して、スクラブ洗顔剤を試作した。
図7は微細竹粉を配合した化粧品の製造方法の例の模式図である。乾燥微細竹粉と水と化粧品配合剤とを適当量配合することにより(S021)、化粧品(スクラブ洗顔剤)が製造される(S022)。
水100g中に1%、2%の乾燥微細竹粉を浸漬し、化粧品配分材を適当量添加して、スクラブ洗顔剤とする。水は、イオン交換樹脂により精製し、ろ過後UV(紫外線)殺菌して不純物を取り除いた水を用いた。化粧品配合剤として、例えば、ミリスチン酸、グリセリン、ブチレン(BG)、水酸化カリウム、ステアリン酸、パルミチン酸等を添加した。これらは、通常の化粧品に添加される配合剤である。
表8にスクラブ洗顔剤の成分の例を示す。
試作を繰り返し、20名のモニターに試作品を配布し、アンケート調査した。すっきり洗いあがる感じで気持ちよい、すぐに化粧水をつけ、改めて水分がしみ込んでゆくのを実感した、等の評価があった。
以上により、本発明によれば、竹に含まれる発酵成分、ミネラル等の成分を生かした化粧品及びその製造方法を提供できる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、実施の形態は以上の例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加え得ることは明白である。
例えば、以上の実施例では、オールインワンジェルとスクラブ洗顔剤の例を説明したが、化粧品配合剤を変えて、クリーム、乳液等他の種類の化粧品や、同種の化粧品でも化粧品配合剤の分量等を変更して製造することも可能である。その他、竹粉の含水率、粒度等を適宜変更可能である。
本発明は、化粧品、医薬部外品、さらに、バイオマスの活用として、新分野の工業製品に広がる可能性がある。
31:特殊竹粉製造機、 32:フライス工具、 33:フライスカッター、 34:チップ、 35:フライス工具本体の端面、 36:カッター駆動部、 37:竹素材送り機構、 38:支持手段、 39:基台、 40:低温真空乾燥機、 41:投入口、 42A,42B:真空弁、 43:コンデンサー、 44:冷却ユニット、 45:水エゼクター、 46:ドレン、 47:真空破壊弁、 48:放熱ユニット、 W:竹素材
Figure 2019172577
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〔竹紛の効果〕
竹紛の各種成分(ミネラル、アミノ酸、食物繊維、ケイ酸)を表1〜表4に示す。ミネラル、アミノ酸、食物繊維、ケイ酸を多く含む。平均粒径300μmの竹紛と平均粒径50μmの竹紛を比較すると、微小粒の方で水分含有率が少なく、ミネラル、アミノ酸、食物繊維含有率がいずれも大きくなっている。これら各種成分は動物にも植物にも良いとされている。また、竹はイネ科の植物であることから、竹粉に含まれるケイ酸量が3300mg/100gと多い。また、多孔質であることから、一次竹粉の乳酸発酵時の乳酸菌数は約10/g個程度であるが、発酵により、乳酸菌が約10/g個に増殖する。
表5に、竹エキスの成分分析結果を示す。殆どが水分(99.8%)で、たんぱく質、灰分、炭水化物等が含まれる。また、各種ミネラルが含まれる。食物繊維、脂質は検出されなかった。なお、竹エキスには、水に溶けた竹粉の成分が含まれている。
表6に、乾燥微細竹粉の成分分析結果を示す。殆どが炭水化物(93.7%)で、少量の水分、脂質、たんぱく質、カリウム、不溶性食物繊維(竹繊維)等が含まれる。また、各種ミネラルが含まれる。乾燥微細竹粉には、水に溶けなかった竹粉の成分がそっくり残って含まれている。

Claims (5)

  1. 竹から抽出した竹エキスを含むことを特徴とする化粧品。
  2. 平均粒径20〜500μmの微細竹粉を0.1〜10%含むことを特徴とする化粧品。
  3. 竹棹を切削・粉砕して平均粒径20〜500μm、含水率20〜50%の微細竹粉に切削・粉砕する切削・粉砕工程と、
    前記微細竹粉から低温真空乾燥により水分を分離して、竹エキスと乾燥竹粉とに分離する分離工程とを備えることを特徴とする;
    化粧品素材の製造方法。
  4. 請求項3に記載の竹エキスにと水と化粧品配合剤とを適当量配合して化粧品を製造する第1の配合工程を備えることを特徴とする;
    化粧品の製造方法。
  5. 請求項3に記載の乾燥竹粉と水と化粧品配合剤とを適当量配合して化粧品を製造する第2の配合工程を備えることを特徴とする;
    化粧品の製造方法。

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