JP2019171639A - 乾燥装置及び乾燥方法、並びに画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

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真由美 吉原
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Abstract

【課題】優れた耐ブロッキング性、コックリング性、及び耐擦過性を兼ね備えた画像を形成できる画像形成方法、画像形成装置を提供する。【解決手段】記録媒体に対して、インクを付与するインク付与工程(インク吐出ヘッド100)と、記録媒体上に付与したインクを乾燥する乾燥工程(乾燥機構12)と、を含み、乾燥工程において、インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御する画像形成方法および画像形成装置1である。【選択図】図3

Description

本発明は、乾燥装置及び乾燥方法、並びに画像形成方法及び画像形成装置に関する。
近年、インクジェット記録方式において益々高速化のニーズが高まるなか、記録媒体上での乾燥性が問題となっている。乾燥性が悪いと、ヘッドからインクを印字後、印字面が乾燥していない状態で記録媒体が搬送される際に、搬送用のローラに接触し、インクがローラに付着して画像を汚してしまう。この現象をオフセット性という。特に乾燥性の問題は、吸収性能の低いコート紙、アート紙で顕著であり、乾燥装置の大型化を招いている。
また、水性インクを用いるインクジェット記録方法では、紙等の記録媒体にインク水分が浸透することによって紙のセルロース繊維が膨張変形する結果、記録媒体の描画部分が波打ち、特に画像面積が高い場合において顕著な問題になる。そこで、インク水分の記録媒体への浸透をできるだけ抑えるためにはインクを吐出した後、速やかに記録面を乾燥することが必要になる。
例えば、所定の温度に温調したドラム接触面に記録媒体の裏面を密着させて加熱搬送しながら記録媒体の印刷面を熱風乾燥し、記録面と裏面とを両面加熱することで印刷面の乾燥を促進する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、記録面と裏面とを両面加熱して乾燥を行う両面加熱手段と、記録媒体の紙厚情報に応じて記録面と裏面とに付与する加熱強度を個別に制御する乾燥制御部とを備え、乾燥制御部は、記録媒体の紙厚に応じて、記録面側よりも裏面側に付与する加熱強度が大きくなるように制御する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
一方、インク側から前記課題を解決するため、例えば、少なくともカルボキシル基を有するポリマーと、ガラス転移温度(Tg)が120℃以上であるポリマーと含む水性インクが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、優れた耐ブロッキング性、コックリング性、及び耐擦過性を兼ね備えた画像を形成できる画像形成方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の画像形成方法は、記録媒体に対して、インクを付与するインク付与工程と、前記記録媒体上に付与した前記インクを乾燥する乾燥工程と、を含み、前記乾燥工程において、前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御する。
本発明によると、優れた耐ブロッキング性、コックリング性、及び耐擦過性を兼ね備えた画像を形成できる画像形成方法を提供することができる。
図1は、本発明の画像形成装置の一例を示す斜視説明図である。 図2は、本発明の画像形成装置におけるメインタンクの一例を示す斜視説明図である。 図3は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略図である。 図4は、比熱測定方法を説明する説明図である。 図5は、記録媒体の温度と熱伝導率との関係を示すグラフである。 図6は、記録媒体の昇温プロファイルを示すグラフである。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成方法は、記録媒体に対して、インクを付与するインク付与工程と、記録媒体上に付与したインクを乾燥する乾燥工程と、を含み、乾燥工程において、インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御し、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の画像形成装置は、インクと、記録媒体に対して、インクを付与するインク付与手段と、記録媒体上に付与したインクを乾燥する乾燥手段と、を有し、乾燥手段により、インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は、特許文献1に記載の技術では、記録面の乾燥を促進すると乾燥後の排出部での記録面温度が過剰に高くなり、記録媒体を排出トレイに積層させたときに記録媒体同士が付着してしまう、いわゆる「スタッカーブロッキング」という現象が発生してしまうという知見に基づくものである。
また、本発明の画像形成方法及び画像形成装置は、特許文献2に記載の技術では、上記「スタッカーブロッキング」を改善することができない。更に、本発明者らが検討した結果、紙厚に応じて加熱強度を制御したとしても、同じ紙厚でも乾燥手段から記録媒体への熱の伝わり方が異なるために、記録媒体へのインクの定着性は改善されないという知見に基づくものである。
また、本発明の画像形成方法及び画像形成装置は、特許文献3に記載の技術では、記録媒体によっては乾燥性が不足しているために水性インクが記録媒体の表面に付着しているだけの状態の箇所もあり、更に記録媒体との相互作用が弱く、外部からの擦過に対して耐性が低いという知見に基づくものである。
高速印刷するために線速を上げたり、省電力のために乾燥にかける温度を低下させることを行いたいが、記録媒体の熱伝導率やインクの比熱に応じて乾燥性が異なるため、制御を行わなければ高画質の画像を得ることができない。記録媒体の熱伝導率やインクの比熱を選択したときの、その組合せにおける最適であり(最も早く、最も省電力)、かつ耐ブロッキング性、コックリング性、及び耐擦過性に優れた画像を提供することが望まれている。
したがって、本発明の画像形成方法及び画像形成装置によると、記録媒体に対して、インクを付与するインク付与工程と、記録媒体上に付与したインクを乾燥する乾燥工程と、を含み、乾燥工程において、インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することにより、耐ブロッキング性、耐擦過性、及びコックリング性に優れ、高速化にも対応することができる。
<インク付与工程及びインク付与手段>
インク付与工程は、記録媒体に対して、インクを付与する工程であり、インク付与手段により実施される。
インク付与手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液体吐出方式、塗布方式などが挙げられる。
前記液体吐出方式としては、例えば、吐出ヘッドの駆動方式としては、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータなどを利用したオンディマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドなどを用いることもできる。
前記塗布方法としては、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、ワイヤーバー塗布法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
本発明においては、記録媒体に対して、100℃における比熱が2,500(J/kg・K)以上3,500(J/kg・K)以下であるインクを付与することが好ましい。インクの比熱を2,500(J/kg・K)以上とすると、大きなエネルギーでなければインク温度が上昇しないので、画像同士がくっつくことを防止できる。一方、インクの比熱を3,500(J/kg・K)以下とすると、インク温度が上がりやすいのでインク膜の硬化が進み、耐擦過性が向上する。
[比熱の測定方法]
ここで、比熱とは、1gあたりの物質の温度を1℃上げるのに必要な熱量であり、比熱の値が大きくなるほど、温まりにくく、冷めにくい性質をもつ。
比熱の測定は、例えば、高感度示差走査熱量計 Thermo plus EV02シリーズ DSC 8231(株式会社リガク製)を用いた。アルミニウム製密閉パン(株式会社島津製作所製)にインクを約10g入れ、対応するカバーを載せた状態で、揮発性サンプルパン用のサンプルシーラー(株式会社島津製作所製)にて圧力を加えて密閉する。
ここで、図4に比熱測定の説明図を示す。容器(バックグランド)、基準試料(比熱容量既知の物質)、及び試料(比熱を知りたいサンプル)の3つの同一条件(昇温速度、雰囲気ガス)でのDSCの測定結果を使用することで、次の式(1)にて、サンプルの比熱を求めることができる。
<<インク>>
以下、本発明のインクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、界面活性剤、添加剤等について説明する。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては、特に制限されず、25℃、1気圧下で液体のものを用いる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤・相溶化剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が240℃以下のアルコールを用いることが好ましく、沸点が180℃以下のアルコールが特に好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、混晶を使用してもよい。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性のよいものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
更に、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35などが挙げられる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度は20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いてもよい。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インクは、ウレタン樹脂を含有することが好ましい。インク中のウレタン樹脂の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インクは、更にアクリル樹脂を含有し、インク中における、アクリル樹脂に対するウレタン樹脂の含有率は5質量%以上であることが好ましく、5質量%以上100質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度は20nm以上1,000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えてもよい。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
一般式(S−1)
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。
これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
一般式(F−1)
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F−2)
2n+1−CHCH(OH)CH−O−(CHCHO)−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCnF2n+1でnは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CnF2n+1でnは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。
この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば、回転式粘度計(東機産業社製、RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
記録媒体の平均厚みは、50μm以上500μm以下が好ましく、60μm以上450μm以下がより好ましい。
記録媒体の平均厚みが50μm以上500μm以下であると、記録媒体の熱伝導率に応じて乾燥条件を制御するにあたって、厚みが薄い場合の記録媒体へのインク浸透によるコックリングを低減し、また記録媒体の厚みが厚くなるほど発生しやすい乾燥ムラを抑制できるという利点がある。
<記録物>
本発明のインク記録物は、記録媒体上に、本発明のインクを用いて形成された画像を有してなる。
インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録して記録物とすることができる。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について、図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えば、アルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
この記録装置には、インクを吐出する部分だけでなく、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
前処理装置、後処理装置の一態様として、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)などのインクの場合と同様に、前処理液や、後処理液を有する液体収容部と液体吐出ヘッドを追加し、前処理液や、後処理液をインクジェット記録方式で吐出する態様がある。
前処理装置、後処理装置の他の態様として、インクジェット記録方式以外の、例えば、ブレードコート法、ロールコート法、スプレーコート法による前処理装置、後処理装置を設ける態様がある。
なお、インクの使用方法としては、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
<乾燥工程及び乾燥手段>
乾燥工程は、記録媒体上に付与したインクを乾燥する工程であり、乾燥手段により実施される。
乾燥手段としては、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれ、例えば、赤外線ヒーター、温風ヒーター、加熱ローラ、ホットプレートなどが挙げられる。
記録媒体を乾燥させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インクが付与された記録媒体に乾燥手段として温風等の加熱された流体を接触させる方法、インクが付与された記録媒体と加熱部材とを接触させ伝熱により加熱する方法、赤外線や遠赤外線等のエネルギー線を照射することによりインクが付与された記録媒体を加熱する方法などが挙げられる。
赤外線ヒーターを用いた場合、少なくとも近赤外線照射装置を備えている。
近赤外線照射装置は、ハロゲンランプと反射ミラーから成る装置が知られている。反射ミラーにハロゲンヒーターを組み込み、加熱ユニット化することにより効率のよい加熱を実現しようとしたものが製品化されており、例えば、UH−USC−CL300、UHUSC−CL700、UH−USC−CL1000、UH−USD−CL300、UHUSD−CL700、UH−USD−CL1000、UH−MA1−CL300、UHMA1−CL700、UH−MA1−CL1000(全てウシオ電機株式会社製)などが挙げられる。
本発明においては、インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御する。インクの比熱の範囲、比熱の測定方法については、上述したとおりである。
乾燥条件の制御としては、加熱する加熱温度、又は乾燥時間の制御であることが好ましい。
乾燥工程における加熱温度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80℃以上130℃以下が好ましい。
乾燥工程における乾燥時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5秒間以上1.5秒間以下が好ましい。
乾燥時間の制御は、記録媒体の搬送速度の制御であることが好ましい。
乾燥工程において、インクの比熱が大きい場合、加熱温度を上げる又は搬送速度を遅くする制御を行い、
インクの比熱が小さい場合、加熱温度を下げる又は搬送速度を速くする制御を行うことが好ましい。
本発明においては、更に、記録媒体の熱伝導率に応じて、乾燥条件を制御することが好ましい。記録媒体の熱伝導率としては、100℃における記録媒体の熱伝導率を用いることが好ましい。
乾燥工程において、記録媒体の熱伝導率が大きい場合、加熱温度を下げる又は搬送速度を速くする制御を行い、
記録媒体の熱伝導率が小さい場合、加熱温度を上げる又は搬送速度を遅くする制御を行うことが好ましい。
[記録媒体の熱伝導率及び熱拡散率の測定方法]
次に、記録媒体の熱伝導率と熱拡散率について説明する。ともに物質と状態が決まれば値が決まる物性値である。熱伝導率は熱の伝わり易さを表し温度勾配に応じて内部エネルギーが熱として拡散する。
拡散は、温度勾配によって起こるため、温度場へ拡散が与える影響は温度の変化のし易さを表す熱拡散率として表される。熱拡散率は温度の伝わり易さを表す。
熱拡散率の測定は、例えば、アイフェイズ・モバイル(株式会社アイフェイズ製)を用いて測定できる。薄膜・フィルム状試料の厚さ方向の熱拡散率・熱伝導率を同時測定できる。
表面で発生させた温度波が厚さ方向へ拡散して裏面に達した時,振幅の減衰と位相の遅れを生じるため、これを解析することで熱拡散率と熱伝導率が算定できるという原理に基づくものである。
熱伝導率は、単位厚さの板の両端に単位温度の差がある時、その板の単位面積に、単位時間あたり流れる熱量を表す、と定義されている。
熱伝導率の主な測定方法は、日本熱測定学会編“熱分析の基礎と応用”に記載されており、定常法と非定常法の二つに大別される。
一方、熱伝導率λは、下記式によっても求めることができ、現在、金属材料をはじめとする熱物性を把握する上で、最も普及し、産業界の関心が高い測定方法である。
本発明における熱伝導率は、この一般式にて求めた。
熱拡散率の測定は、株式会社アイフェイズ・モバイル製 ai-Phase Mobile 1uを用いた。この装置は、周辺機器を必要とせず、マイクロヒーターとセンサーの間に記録媒体を挿むことにより厚さ方向の熱拡散率、及び記録媒体の厚みを、容易にかつ短時間で測定できる。
熱伝導率は、上式により、記録媒体の固有値である密度、DSC法(Differential scanningcalorimetry)による比熱容量のデータから算出することができる。
上述した乾燥条件の制御は、乾燥手段を介して制御部により行われる。
制御部としては、各種ソフトウェアやプログラムなどを内蔵したコンピュータにより実行される。コンピュータとしては、記憶、演算、制御などの装置を備えた機器であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、パーソナルコンピュータなどが挙げられる。
具体的な乾燥条件の制御方法については、以下に説明する。
(1)画像形成装置に、予め別途測定して得たインクの比熱のデータと、記録媒体の熱伝導率のデータを入力する。画像形成時に、用いるインクと、記録媒体種とを選択することで、データを取り出し、該インクと該記録媒体種の比熱データと熱伝導率データに基づき、乾燥条件を制御し、画像形成を行う。
(2)画像形成装置に、インクの比熱を測定する手段と、記録媒体の熱伝導率を測定する手段を備えることで、データを予め入力しておかなくても、画像形成前に測定し、データを得ることで乾燥条件を制御し、画像形成を行ってもよい。
(3)上記(2)の、インクの比熱を測定する手段と、記録媒体の熱伝導率を測定する手段どちらか一方を備え、もう一方については、データを別途測定し、入力してもよい。
例えば、インクの比熱を測定する手段はインクカートリッジからヘッドへインクを供給する供給路の途中に接続して備えることが挙げられる。記録媒体の熱伝導率を測定する手段は、記録媒体を供給する供給部に備えることや、連続紙の場合には、記録媒体を供給する供給部と記録媒体にインクや前処理液などの液体組成物を最初に付与する液体組成物付与部との間に備えてもよい。
<検知工程及び検知手段>
検知工程は、インクを付与前の記録媒体の熱伝導率を検知する工程であり、検知手段により実施される。
検知手段としては、例えば、熱伝導率測定装置モバイルM10(株式会社アイフェイズ製)やホットディスク測定装置TPS1500(京都電子工業株式会社製)、特開平07−128897号公報に記載された方法などが挙げられる。
ここで、図3は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。この図3の画像形成装置は、ヘッドタンクとしてC(Cyan)、M(Magent)、Y(Yellow)、K(Black)の4色のインクタンクを有し、インク吐出ヘッド100は、各色用のノズル10−1、10−2、10−3、10−4を有する。
各色用のノズル10−1、10−2、10−3、10−4は、矢印Xが示す方向(副走査方向とする)に、K(Black)、C(Cyan)、M(Magent)、Y(Yellow)の順に配列されている。また、各色用のノズル10−1、10−2、10−3、10−4は、図3の手前から奥(主走査方向)に、それぞれ、ノズル列として設けられている。
インク吐出ヘッド100は、各ノズル列を、記録媒体である連続紙14の主走査方向の印字幅全域に設けたラインヘッドである。圧電アクチュエータ等のエネルギー発生源101は、主走査方向の一つ又は複数のノズルを駆動単位として、ノズル10−1、10−2、10−3、10−4ごとに設けられている。エネルギー発生源101の個別駆動により、駆動対象のノズルからインク滴Aが吐出する。
なお、本実施形態では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系のインクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
搬送機構11は、ロール状に巻かれた連続紙(ロール紙15)から連続紙14を繰り出し、繰り出した連続紙14を、インクAを付着させるエリア(インク吐出エリアE)に搬送する。更に、搬送機構11は、インクの付着した連続紙14をインク吐出エリアEから乾燥機構12内に搬送し、乾燥機構12内で乾燥した連続紙14については排紙側へ排出する。
具体的に、搬送機構11は、給紙側搬送ローラ対110と、排紙側搬送ローラ対111と、プラテンローラ112を有する。給紙側搬送ローラ対110は、ロール紙15から繰り出した連続紙14を、インクを付着させる表面側とその裏面側からローラ110a、110bで挟持し、ローラ110a、110bの回転駆動により、連続紙14を矢印Xの方向へ送り出す。プラテンローラ112は複数のローラを矢印Xの方向に並列に並べたものである。プラテンローラ112は、連続紙14を裏面側から吸着し、エネルギー発生源に同期して回転駆動する。排紙側搬送ローラ対111は、乾燥後の連続紙14を、インクの付着した表面側とその裏面側からローラ111a、111bで挟持し、ローラ111a、111bの回転駆動により、巻き取り装置13のある排出方向へと送り出す。搬送機構11は、各ローラが所定のタイミングで回転駆動し、連続紙14をロール紙15から給紙して排紙側へ搬送する。
乾燥機構12は、インク吐出エリアEにおいてインク吐出ヘッド100が連続紙14の表面に付着させた各色のインクAを乾燥させる乾燥装置や機構などを有する。
(乾燥装置及び乾燥方法)
本発明の乾燥装置は、インクを付与した記録媒体を乾燥する乾燥装置であって、インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御する。
本発明の乾燥方法は、インクを付与した記録媒体を乾燥する乾燥方法であって、
インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御する。
本発明の乾燥装置及び乾燥方法における乾燥条件は、本発明の画像形成方法及び画像形成装置における乾燥条件と同じである。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
−樹脂被覆型ブラック顔料分散液の調製−
<ポリマー溶液Aの調製>
機械式撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
<顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製>
ポリマー溶液Aを28gと、カーボンブラック(デグサ社製、FW100)を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に撹拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に撹拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料を15質量%含有し、固形分濃度20質量%の樹脂被覆型ブラック顔料分散液を得た。
得られた樹脂被覆型ブラック顔料分散液におけるポリマー微粒子の体積基準の平均粒子径(D50)を測定したところ、104nmであった。なお、体積基準の平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
(調製例2)
−樹脂被覆型シアン顔料分散液の調製−
調製例1において、顔料としてのカーボンブラックをフタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)に変更した以外は、調製例1と同様にして、樹脂被覆型シアン顔料分散液を調製した。
得られた樹脂被覆型シアン顔料分散液におけるポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定した平均粒子径(D50)は93nmであった。
(調製例3)
−樹脂被覆型マゼンタ顔料分散液の調製−
調製例1において、顔料としてのカーボンブラックをC.I.ピグメントレッド122に変更した以外は、調製例1と同様にして、樹脂被覆型マゼンタ顔料分散液を調製した。
得られた樹脂被覆型マゼンタ顔料分散液におけるポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定した平均粒子径(D50)は127nmであった。
(調製例4)
−樹脂被覆型イエロー顔料分散液の調製−
調製例1において、顔料としてのカーボンブラックをモノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)に変更した以外は、調製例1と同様にして、樹脂被覆型イエロー顔料分散液を調製した。
得られた樹脂被覆型イエロー顔料分散液におけるポリマー微粒子について、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定した平均粒子径(D50)は、76nmであった。
(調製例5)
−ウレタン樹脂エマルジョンの調製−
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、窒素気流下でポリライトOD−X−2420(DIC社製、ポリエステルポリオール)1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1347gを仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6gを加えて90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。得られた反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4340gを抜き出し、強撹拌下、水5,400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行った後、水分量を調整し、固形分濃度40質量%のウレタン樹脂エマルジョンを得た。
(調製例6)
−スチレンアクリル樹脂の調製−
撹拌機、還流冷却機、及び温度計を備えたセパラブルフラスコに脱イオン水250g、リビングラジカル重合性を有する化合物として付加−解裂型連鎖移動剤(RAFT剤)である[1−(O−エチルザンチル)エチル]ベンゼン1.04gとエチルアクリレート1.69gを仕込み、液中の溶存酸素を除去するため、1時間30分間窒素バブリングを実施した。バブリング終了後、撹拌機にて撹拌しながら70℃に昇温した。内温が70℃に達したところで、水溶性ラジカル開始剤として10質量%過硫酸ナトリウム水溶液を5g添加した。
20分間後、エチルアクリレート32.06gとメタクリル酸11.25gの混合液を3時間で滴下し終えるように滴下した。滴下終了後、4時間70℃で熟成し、水性分散体(1)の重合を完了した。
次に、撹拌機、還流冷却機、及び温度計を備えたセパラブルフラスコに脱イオン水203.4gと水性分散体(1)14.8gを仕込み、全体が均一になるまで撹拌した。撹拌下、25%アンモニア水0.65gを添加し、無色透明の水性樹脂水溶液を得た。ここに、ケミパールW400(低分子量ポリオレフィン系エマルション、固形分濃度40質量%、三井化学株式会社製)を25g添加し、全体が均一になるまで撹拌した。更に、撹拌下、スチレンを22.5g加え、撹拌しながら、系内の溶存酸素を除去するために、1時間30分間窒素バブリングした。バブリング終了後、70℃に昇温した。内温が70℃に達したところで、水溶性ラジカル開始剤として、4,4’-アゾビス(4−シアノペンタン酸)10質量%水溶液0.32gを添加し、6時間後、重合を完了した。得られた水分散性スチレンアクリル樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は45.0℃であった。
(製造例1〜11)
−インクの作製−
表1〜表2に示す処方に従って、常法により、インクを作製し、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行った。
次に、得られたインクについて、以下のようにして、比熱(100℃)を測定した。結果を表1〜表2に示した。
<比熱の測定>
比熱の測定は、高感度示差走査熱量計 Thermo plus EV02シリーズ DSC 8231(株式会社リガク製)を用いた。アルミニウム製密閉パン(株式会社島津製作所製)にインクを約10g入れ、対応するカバーを載せた状態で、揮発性サンプルパン用のサンプルシーラー(株式会社島津製作所製)にて圧力を加えて密閉した。
ここで、図4に比熱測定の説明図を示す。容器(バックグランド)、基準試料(比熱容量既知の物質)、及び試料(比熱を知りたいサンプル)の3つの同一条件(昇温速度、雰囲気ガス)でのDSCの測定結果を使用することで、次の式(1)にて、インクの比熱を求めた。
表1〜表2で用いた各成分の詳細については、以下のとおりである。
−水分散性樹脂−
・ポリゾールAP−3150:アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン、昭和電工株式会社製、固形分濃度41質量%
・ビニブラン603:塩化ビニル系エマルジョン、日信化学工業株式会社製、固形分濃度50質量%
−界面活性剤−
・ソフタノールEP−7025(株式会社日本触媒製、非イオン界面活性剤)
−防カビ剤−
・Proxel GXL(ロンザ社製)
−消泡剤−
・KM−72F(シリコーン消泡剤、信越化学工業株式会社製)
<試験に使用した記録媒体の種類>
評価に用いた紙種と記録媒体の熱伝導率、熱拡散率、比熱の値を表3〜表5に示した。なお、比熱の測定は、上記インクの比熱と同様にして行った。
<<記録媒体の熱拡散率及び熱伝導率の測定方法>>
熱拡散率の測定は、株式会社アイフェイズ・モバイル製 ai-Phase Mobile 1uを用いた。この装置は、周辺機器を必要とせず、マイクロヒーターとセンサーの間に記録媒体を挿むことにより厚さ方向の熱拡散率、及び記録媒体の厚みを、短時間で測定した。
熱伝導率は、上式により、記録媒体の固有値である密度、DSC法(Differential scanningcalorimetry)による比熱容量のデータから算出した。
図5に、記録媒体の温度と熱伝導率との関係を示した。図6に、記録媒体の昇温プロファイルを示した。
−記録媒体の種類−
・No.1:LumiArt 130(Stora Enso社製)
・No.2:OKプリンス上質(王子製紙株式会社製)
・No.3:OKトップコート+(王子製紙株式会社製)
・No.4:LumiArt 90(Stora Enso社製)
・No.5:NEXT−IJ(日本製紙株式会社製)
・No.6:マイペーパー(株式会社リコー製)
・No.7:NEW−DV(北越紀州販売株式会社製)
(実験例1)
(実験No.1〜10)
<画像形成>
図3に示す画像形成装置1を用い、表6に記載の各インクを、記録媒体としてNo.1のLumiArt 130(Stora Enso社製)に対して1,200dpi×1,200dpiで印字を行った。
乾燥工程は、記録媒体表面の温度が100℃になるように調整し、線速1,250mm/sec(乾燥時間:0.7秒間)の一定条件下で乾燥を行い、画像を得た。
一定の乾燥条件で、比熱の異なるインクを乾燥することによって、以下のようにして、耐ブロッキング性、耐擦過性、及びコックリング性を評価した。結果を表6に示した。
なお、乾燥は、図3に示す画像形成装置1の乾燥機構12により、印字面裏側から記録媒体に直接接触する加熱部材(アルミニウム製ホットプレート)を用いて行い、乾燥温度は前記加熱部材の温度である。
<耐ブロッキング性>
日本紙パルプ技術協会が発行するTAPPI T477試験方法を参考として、10cm四方のガラス板上に、上記画像形成条件で作成した6cm四方のベタ画像部と、インクを付与していない同じ大きさのNo.1の記録媒体をインク付与面側から重ね、10cm四方のガラス板を載せて、荷重1kg/mを印加し、40℃、90%RHの環境下に24時間放置した。
次に、25℃で2時間放置した後、評価サンプルを剥がした。このときの記録媒体同士の剥がれ易さ、及び剥がした後の接着・粘着状態を目視で観察して、以下の基準で耐ブロッキング性を評価した。
[評価基準]
ランク5:記録媒体の隣接面が粘着又は接着しておらず、互いに自由に滑らせることができる
ランク4:記録媒体の隣接面が僅かに粘着しており、自由に滑らせることはできないが、こすると滑らせることができる
ランク3:記録媒体の隣接面が一部粘着しており、こすっても滑らせることができないが、引き離すことはできる
ランク2:記録媒体の隣接面が粘着又は接着し、容易に引き離せない
ランク1:記録媒体の隣接面間で完全に密着融合していて、引き離そうとすれば、破壊する
<耐擦過性>
画像チャートとして、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グリーン、及びブルーの正方形(3cm×3cm)を、上記画像形成条件でNo.1の記録媒体にベタ画像を印字した後、上記乾燥条件で乾燥した。
次に、クロックメーター(株式会社大栄科学精器製作所製、型式:C−1)に装着した白綿布(JISL 0803 綿3号)を両面粘着フォームテープ(3M社製、#4016 t=1.6)で貼り付け、印字したベタ画像部を5往復させ、白綿布に付着したインクの汚れを目視で観察して、以下の基準で耐擦過性を評価した。
[評価基準]
ランク5:汚れが全く無い場合
ランク4:かすかに汚れがあるが、実用上問題が無い場合
ランク3:うっすらと汚れがある場合
ランク2:汚れがやや顕著に認められる場合
ランク1:汚れが顕著に認められる場合
<波打ち(コックリング)性の評価>
Microsoft Word2016で作成した印刷範囲ぎりぎりに設定した「四角ベタ」チャートを上記画像形成条件でNo.1の記録媒体に打ち出し、上記乾燥条件で乾燥して得られた印刷物を、下記評価基準により判定した。
[評価基準]
◎:印刷物のカールや波打ちが全くみられない
○:印刷物に若干波打ちがみられるが、カールはほとんどみられない
△:印刷物全体に波打たような皺が現れ、端部にカールがみられる
×:印刷物がカールして丸まってしまう
表6の結果から、乾燥条件が一定の条件下では、比熱が小さいインクは、画像の乾燥が促進しやすく冷めやすい特性を有するために、耐ブロッキング性、耐擦過性、及びコックリング性がいずれも良好な結果を示した。一方、比熱が大きいインクは、乾燥に大きな熱量を要し、また熱が冷めにくい特性を有するために、画像の乾燥が進まず記録媒体への定着性が劣り、耐擦過性、及びコックリング性に課題が残る結果となった。更に、耐ブロッキング性、耐擦過性、及びコックリング性がいずれも悪化傾向であった。
したがって、インクの比熱に応じた乾燥条件が必要になることがわかる。
(実験例2)
(実験No.11〜12)
次に、製造例5のインクを用い、表7に記載の記録媒体に対して1,200dpi×1,200dpiで印字を行った。
乾燥工程は、記録媒体表面の温度が100℃になるように調整し、線速1,250mm/sec(乾燥時間:0.7秒間)の一定条件下で乾燥を行い、画像を得た。
一定のインク及び乾燥条件で、熱伝導率の異なる記録媒体へ画像を形成することによって、耐ブロッキング性、耐擦過性、及びコックリング性がどのような傾向を示すのかを評価した。結果を表7に示した。
表7の結果から、実験No.5と実験No.11を比較すると、熱伝導率の高い記録媒体に画像を形成した実験No.5の方が、耐ブロッキング性、耐擦過性、及びコックリング性のいずれも良好な結果が得られた。記録媒体の熱伝導率の低い実験No.11では乾燥性が不足していることが原因であると考えられる。また、記録媒体の厚みの影響よりも熱伝導率の方が乾燥性への寄与が大きいことがわかる。
実験No.5と実験No.12の結果から、実験No.12では記録媒体の厚みが大きいために、コックリング性は比較的良好であったが、記録媒体の熱伝導率が低いのでインクの乾燥が進まず、同じインクで画像を形成したとしても記録媒体の熱特性によって画像品質が大きく左右されることがわかる。
(実験例3)
(実験No.13〜22)
次に、乾燥工程において、インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御して乾燥を行った。
具体的には、No.3の記録媒体を用い、表8−1に記載のインクにより1,200dpi×1,200dpiで印字を行った。
乾燥工程は、記録媒体表面の温度が表8−1に記載した温度になるように調整し、線速を変更して乾燥時間を調整して乾燥を行い、画像を得た。
インクの比熱に応じて乾燥条件を制御することにより、耐ブロッキング性、耐擦過性、及びコックリング性がどのような傾向を示すのかを試験した。結果を表8−1及び表8−2に示した。
表8−1及び表8−2の結果から、実験No.14〜16は、乾燥時間を一定とし、インクの比熱に応じて乾燥温度を制御した結果である。インクの比熱が小さい場合は乾燥温度を低く、インクの比熱が大きい場合は乾燥温度を高く設定することによって良好な画質を確保できることがわかる。
実験No.17、18は、乾燥温度を一定とし、インクの比熱に応じて乾燥時間を制御した結果である。インクの比熱が小さい場合は乾燥時間を短く、インクの比熱が大きい場合は乾燥時間を長く設定することによって良好な画質を確保できることがわかる。
実験No.13、19、及び20を比較すると、比熱の小さいインクの場合、乾燥温度や乾燥時間が過剰になると画質が低下することがわかる。
また、実験No.16、18、21、及び22を比較すると、比熱の大きいインクの場合、乾燥温度や乾燥時間が不足すると画質が低下することがわかる。
(実験例4)
(実験No.23〜35)
次に、乾燥工程において、記録媒体の熱伝導率に応じて、乾燥条件を制御して乾燥を行った。
具体的には、製造例1のインクを用い、1,200dpi×1,200dpiで印字を行った。乾燥工程は、記録媒体表面の温度が表9−1に記載した温度になるように調整し、線速を変更して乾燥を行い、画像を得た。
記録媒体の熱伝導率に応じて乾燥条件を制御することにより、耐ブロッキング性、耐擦過性、及びコックリング性がどのような傾向を示すのかを試験した。結果を表9−1及び表9−2に示した。
表9−1及び表9−2の結果から、実験No.23〜33は、熱伝導率の低い記録媒体に画像を形成しており、乾燥時間及び乾燥温度を制御することによって画質が向上していることがわかる。
また、実験No.34、35は、熱伝導率の高い記録媒体に画像を形成しているために、乾燥時間が短く、乾燥温度が低くても異常画像が生じることなく良好な画像を得ることができた。
(実験例5)
(実験No.36〜41)
製造例9、10のインクを用い、No.1の記録媒体に対して1,200dpi×1,200dpiで印字を行った。
乾燥工程は、記録媒体表面の温度が表10−1に記載した温度になるように調整し、線速を変更して乾燥時間を調整して乾燥を行い、画像を得た。
インクの比熱に応じて乾燥条件を制御することにより、耐ブロッキング性、耐擦過性、及びコックリング性がどのような傾向を示すのかを試験した。結果を表10−1及び表10−2に示した。
表10−1及び表10−2の結果から、実験No.36〜38は、比熱の大きいインクを用いて画像を形成しているが、乾燥時間及び乾燥温度を制御することによって耐ブロッキング性、耐擦過性、及びコックリング性のすべてが良好な結果となっていることがわかる。
また、実験No.40〜41は、乾燥温度を高くしたり、乾燥時間を長くしてインクの乾燥性を高めようとしたところ、インクの比熱が大きいために乾燥不足を引起してコックリングが発生したり、ブロッキングが発生したが、乾燥条件を制御することで実験No.39のように良好な結果を得ることができた。
以上の結果から、インクの比熱や記録媒体の熱伝導率に応じて乾燥条件を制御することが、ブロッキング、擦過、及びコックリングの発生を抑制するために重要であることがわかる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 記録媒体に対して、インクを付与するインク付与工程と、
前記記録媒体上に付与した前記インクを乾燥する乾燥工程と、
を含み、
前記乾燥工程において、前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする画像形成方法である。
<2> 前記乾燥工程において、更に、前記記録媒体の熱伝導率に応じて、前記乾燥条件を制御する前記<1>に記載の画像形成方法である。
<3> 前記乾燥条件の制御が、加熱する加熱温度、又は乾燥時間の制御である前記<1>から<2>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<4> 前記乾燥時間の制御が、前記記録媒体の搬送速度の制御である前記<3>に記載の画像形成方法である。
<5> 更に、前記インクを付与前の前記記録媒体の熱伝導率を検知する検知工程を含む前記<1>から<4>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<6> 前記乾燥工程において、
前記インクの前記比熱が大きい場合、前記加熱温度を上げる又は前記搬送速度を遅くする制御を行い、
前記インクの前記比熱が小さい場合、前記加熱温度を下げる又は前記搬送速度を速くする制御を行う前記<4>から<5>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<7> 前記乾燥工程において、
前記記録媒体の前記熱伝導率が大きい場合、前記加熱温度を下げる又は前記搬送速度を速くする制御を行い、
前記記録媒体の前記熱伝導率が小さい場合、前記加熱温度を上げる又は前記搬送速度を遅くする制御を行う前記<4>から<6>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<8> 前記インクが、ウレタン樹脂を含有する前記<1>から<7>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<9> 前記インク中の前記ウレタン樹脂の含有量が5質量%以上である前記<8>に記載の画像形成方法である。
<10> 前記インクが、更にアクリル樹脂を含有し、
前記インク中における、前記アクリル樹脂に対する前記ウレタン樹脂の含有率が5質量%以上である前記<8>から<9>のいずれかに記載の画像形成方法である。
<11> インクと、
記録媒体に対して、前記インクを付与するインク付与手段と、
前記記録媒体上に付与した前記インクを乾燥する乾燥手段と、
を有し、
前記乾燥手段により、前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする画像形成装置である。
<12> 前記乾燥手段により、更に、前記記録媒体の熱伝導率に応じて、前記乾燥条件を制御する前記<11>に記載の画像形成装置である。
<13> 前記乾燥条件の制御が、加熱する加熱温度、又は乾燥時間の制御である前記<11>から<12>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<14> 前記乾燥時間の制御が、前記記録媒体の搬送速度の制御である前記<13>に記載の画像形成装置である。
<15> 更に、前記インクを付与前の前記記録媒体の熱伝導率を検知する検知手段を有する前記<11>から<14>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<16> 前記乾燥手段により、
前記インクの前記比熱が大きい場合、前記加熱温度を上げる又は搬送速度を遅くする制御を行い、
前記インクの前記比熱が小さい場合、前記加熱温度を下げる又は搬送速度を速くする制御を行う前記<14>から<15>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<17> 前記乾燥手段により、
前記記録媒体の前記熱伝導率が大きい場合、前記加熱温度を下げる又は前記搬送速度を速くする制御を行い、
前記記録媒体の前記熱伝導率が小さい場合、前記加熱温度を上げる又は前記搬送速度を遅くする制御を行う前記<14>から<16>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<18> 前記インクが、ウレタン樹脂を含有する前記<11>から<17>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<19> 前記インク中の前記ウレタン樹脂の含有量が5質量%以上である前記<18>に記載の画像形成装置である。
<20> 前記インクが、更にアクリル樹脂を含有し、
前記インク中における、前記アクリル樹脂に対する前記ウレタン樹脂の含有率が5質量%以上である前記<18>から<19>のいずれかに記載の画像形成装置である。
<21> インクを付与した記録媒体を乾燥する乾燥装置であって、
前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする乾燥装置である。
<22> インクを付与した記録媒体を乾燥する乾燥方法であって、
前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする乾燥方法である。
<23> 記録媒体に付与するインクの比熱に応じて、乾燥条件を制御する記録媒体の乾燥制御方法であって、
前記インクの前記比熱が大きい場合、加熱温度を上げる又は搬送速度を遅くする制御を行い、
前記インクの前記比熱が小さい場合、加熱温度を下げる又は搬送速度を速くする制御を行うことを特徴とする記録媒体の乾燥制御方法である。
<24> インクを付与前の記録媒体の熱伝導率を検知する検知工程と、
前記記録媒体に対して、インクを付与するインク付与工程と、
前記記録媒体上に付与した前記インクを乾燥する乾燥工程と、
を含み、
前記乾燥工程において、前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする画像形成方法である。
<25> インクと、
前記インクを付与前の記録媒体の熱伝導率を検知する検知手段と、
前記記録媒体に対して、前記インクを付与するインク付与手段と、
前記記録媒体上に付与した前記インクを乾燥する乾燥手段と、
を有し、
前記乾燥手段により、前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする画像形成装置である。
前記<1>から<10>及び<24>のいずれかに記載の画像形成方法、前記<11>から<19>及び<25>のいずれかに記載の画像形成装置、前記<21>に記載の乾燥装置、前記<22>に記載の乾燥方法、並びに前記<23>に記載の記録媒体の乾燥制御方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
400 画像形成装置
401 外装
401c カバー
404 カートリッジホルダ
410、410k、410c、410m、410y メインタンク
411 インク収容部
413 インク排出口
414 収容容器ケース
420 機構部
434 吐出ヘッド
436 供給チューブ
L インク収容容器
特開2008−179012号公報 特許第5442550号公報 特許第5523721号公報

Claims (13)

  1. 記録媒体に対して、インクを付与するインク付与工程と、
    前記記録媒体上に付与した前記インクを乾燥する乾燥工程と、
    を含み、
    前記乾燥工程において、前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする画像形成方法。
  2. 前記乾燥工程において、更に、前記記録媒体の熱伝導率に応じて、前記乾燥条件を制御する請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記乾燥条件の制御が、加熱する加熱温度、又は乾燥時間の制御である請求項1から2のいずれかに記載の画像形成方法。
  4. 前記乾燥時間の制御が、前記記録媒体の搬送速度の制御である請求項3に記載の画像形成方法。
  5. 更に、前記インクを付与前の前記記録媒体の熱伝導率を検知する検知工程を含む請求項1から4のいずれかに記載の画像形成方法。
  6. 前記乾燥工程において、
    前記インクの前記比熱が大きい場合、前記加熱温度を上げる又は前記搬送速度を遅くする制御を行い、
    前記インクの前記比熱が小さい場合、前記加熱温度を下げる又は前記搬送速度を速くする制御を行う請求4から5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 前記乾燥工程において、
    前記記録媒体の前記熱伝導率が大きい場合、前記加熱温度を下げる又は前記搬送速度を速くする制御を行い、
    前記記録媒体の前記熱伝導率が小さい場合、前記加熱温度を上げる又は前記搬送速度を遅くする制御を行う請求項4から6のいずれかに記載の画像形成方法。
  8. インクと、
    記録媒体に対して、前記インクを付与するインク付与手段と、
    前記記録媒体上に付与した前記インクを乾燥する乾燥手段と、
    を有し、
    前記乾燥手段により、前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする画像形成装置。
  9. インクを付与した記録媒体を乾燥する乾燥装置であって、
    前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする乾燥装置。
  10. インクを付与した記録媒体を乾燥する乾燥方法であって、
    前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする乾燥方法。
  11. 記録媒体に付与するインクの比熱に応じて、乾燥条件を制御する記録媒体の乾燥制御方法であって、
    前記インクの前記比熱が大きい場合、加熱温度を上げる又は搬送速度を遅くする制御を行い、
    前記インクの前記比熱が小さい場合、加熱温度を下げる又は搬送速度を速くする制御を行うことを特徴とする記録媒体の乾燥制御方法。
  12. インクを付与前の記録媒体の熱伝導率を検知する検知工程と、
    前記記録媒体に対して、インクを付与するインク付与工程と、
    前記記録媒体上に付与した前記インクを乾燥する乾燥工程と、
    を含み、
    前記乾燥工程において、前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする画像形成方法。
  13. インクと、
    前記インクを付与前の記録媒体の熱伝導率を検知する検知手段と、
    前記記録媒体に対して、前記インクを付与するインク付与手段と、
    前記記録媒体上に付与した前記インクを乾燥する乾燥手段と、
    を有し、
    前記乾燥手段により、前記インクの比熱に応じて、乾燥条件を制御することを特徴とする画像形成装置。
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