JP2019171471A - マッシュシーム溶接の溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マッシュシーム溶接によって帯状板体を溶接する際に、簡易且つ適切に溶接条件を決定することができる、マッシュシーム溶接の溶接方法を提供すること。【解決手段】複数の帯状板体を重ね合わせ、複数の帯状板体が重ね合わさる接合部を一対の電極輪で圧下させながら、接合部に電流を流すことで溶接する、マッシュシーム溶接の溶接方法であって、それぞれの板厚が2.3mm以下の複数の帯状板体を溶接する際に、(1)式で算出される電流密度を、0.07kA/(mpm・mm2)以上0.10kA/(mpm・mm2)以下とする。なお、(1)式において、i:電流密度(kA/(mpm・mm2))、I:溶接電流(kA)、V:溶接速度(mpm)。i=I/(V・S) ・・・(1)【選択図】図1

Description

本発明は、マッシュシーム溶接の溶接方法に関する。
酸洗ラインや冷間圧延ラインといった帯状板体の製造ラインでは、入側の溶接設備において、2つのコイル状の帯状板体(「コイル」ともいう。)の先端と尾端とを溶接によって接合させることで、複数のコイルを連続的に処理することが行われている。このような製造ラインで用いられる溶接方法の一つとして、重ね抵抗溶接の一種であるシーム溶接が挙げられる。また、シーム溶接の一つとして、電極輪で帯状板体同士の重ね代を圧下させながら溶接するマッシュシーム溶接が用いられることもある。
帯状板体の製造ラインにおけるシーム溶接機の溶接条件は、適切に決定することが困難であるため、良好な溶接部を得られるように、多量の実験データをもとに決定されることが一般的である。
例えば、特許文献1には、シーム溶接にて良好な溶接部を得るために、溶接電流、重ね代、溶接速度及びストリップ板厚によって決定されるパラメータが、適正な範囲内となるように溶接条件を設定する方法が開示されている。
また、引用文献2には、シーム溶接にて溶接中の板厚及び電極加圧力を測定し、溶接条件を制御する方法が開示されている。
特開平5−574555号公報 特公平4−51268号公報
しかしながら、実験データをもとに溶接条件を決定する方法では、多大な労力と時間とを要するという問題があった。
また、特許文献1の方法では、各種の溶接条件のパラメータのうち、全てを定量的に決定できるわけではないという問題点がある。さらに、電極加圧力や溶接電流、溶接速度、重ね代といったパラメータを決定したとしても、電極の径やストリップの強度等も溶接に影響を与える因子であるため、溶接機側で制御できるパラメータだけでは、必ずしも良好な溶接部を得ることができるとは言えない。
さらに、特許文献2の方法では、溶接中に測定される板厚及び電極加圧力から、溶接条件を制御しているが、これらの因子以外の条件も溶接に影響を与えるため、必ずしも良好な溶接部を得ることができるとは言えない。
溶接条件が適切でない場合、溶接時にナゲット(溶接部に発生する溶融凝固した部分)が十分に形成されずに未接合箇所が発生することや、溶融した母材が飛び散るチリが発生することで接合不良となることがある。
そこで、本発明は、上記の課題に着目してなされたものであり、マッシュシーム溶接によって帯状板体を溶接する際に、簡易且つ適切に溶接条件を決定することができる、マッシュシーム溶接の溶接方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、複数の帯状板体を重ね合わせ、上記複数の帯状板体が重ね合わさる接合部を一対の電極輪で圧下させながら、上記接合部に電流を流すことで溶接する、マッシュシーム溶接の溶接方法であって、それぞれの板厚が2.3mm以下の上記複数の帯状板体を溶接する際に、(1)式で算出される電流密度を、0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下とする、マッシュシーム溶接の溶接方法が提供される。なお、本明細書の説明において、単位のmpmは、m/minのことを示す。
Figure 2019171471
i:電流密度(kA/(mpm・mm))
I:溶接電流(kA)
V:溶接速度(mpm)
S:電極輪接触面積(mm
:弧長接触領域の面積(mm
:ヘルツ接触領域の面積(mm
δ:重ね代(mm)
:溶接前の板厚(mm)
:溶接後の板厚(mm)
D:電極輪の直径(mm)
本発明の一態様によれば、複数の帯状板体を重ね合わせ、上記複数の帯状板体が重ね合わさる接合部を一対の電極輪で圧下させながら、上記接合部に電流を流すことで溶接する、マッシュシーム溶接の溶接方法であって、それぞれの板厚が2.3mm以下の上記複数の帯状板体を溶接する際に、(1)式で算出される電流密度を、0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下とする、マッシュシーム溶接の溶接条件の決定方法が提供される。
Figure 2019171471
i:電流密度(kA/(mpm・mm))
I:溶接電流(kA)
V:溶接速度(mpm)
S:電極輪接触面積(mm
δ:重ね代(mm)
:溶接前の板厚(mm)
D’:荷重負荷した偏平後の電極輪の見かけの直径(mm)
:溶接後の板厚(mm)
D:電極輪の直径(mm)
ν:電極輪のポアソン比(−)
E:電極輪のヤング率(N/mm
P:電極輪の荷重(N)
本発明の一態様によれば、マッシュシーム溶接によって帯状板体を溶接する際に、簡易且つ適切に溶接条件を決定することができる、マッシュシーム溶接の溶接方法が提供される。
本発明の一実施形態における、溶接機を示す模式図である。 溶接時の先行材、後行材、及び一対の電極輪との位置関係を示す拡大図である。 電極輪と鋼帯との接触を示す概念図である。 溶接時に電極輪が偏平した状態を示す説明図である。 電極輪荷重とヘルツ接触面積との関係の一例を示すグラフである。 電流密度が(2)式の範囲となる、電極輪荷重及び溶接電流の範囲を示すグラフである。
以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するように、本発明の実施形態を例示して多くの特定の細部について説明する。しかしながら、かかる特定の細部の説明がなくても1つ以上の実施態様が実施できることは明らかである。また、図面は、簡潔にするために、周知の構造及び装置が略図で示されている。
<溶接条件の決定方法及び溶接方法>
図1〜図4を参照して、本発明の一実施形態に係るマッシュシーム溶接の溶接条件の決定方法及び溶接方法を説明する。本実施形態では、図1に示すマッシュシーム溶接を行う溶接機1を用いて、帯状板体である鋼帯2を溶接する際の溶接条件を決定し、決定した溶接条件でマッシュシーム溶接を行う。本実施形態において、マッシュシーム溶接される鋼帯2は、板厚が2.3mm以下の材料である。板厚が2.3mm超となる場合、(1)式で算出される電流密度iが適正範囲となる領域が大きくなるため、より詳細な条件を追加する必要がある。
溶接機1は、図1に示すように、一対の電極輪11,12を有する。一対の電極輪11,12は、同じ直径のロール状の電極であり、z軸方向(図1の上下方向であり、鉛直方向)に対向して設けられ、上下一対の電極輪11,12ともいう。なお、図面において、x軸及びy軸は、互いに直交し、且つz軸に直交する、水平方向に平行な軸である。一対の電極輪11,12は、不図示の駆動モータにそれぞれ接続され、駆動モータの駆動力を受けて、x−z平面においてロール形状の周方向に回転可能に構成される。また、一対の電極輪11,12は、不図示の電源装置に接続される。電極輪11は、鋼帯2の位置をz軸の0(原点位置)としたときのz軸負方向側に配され、不図示の枠体等に固定される。一方、電極輪12は、z軸正方向側に配され、不図示の加圧シリンダーを介して、枠体に固定される。また、電極輪11は、加圧シリンダーによって、z軸方向に移動可能に構成される。さらに、電極輪11,12の材質は、銅もしくは銅合金からなる。
溶接機1は、酸洗ラインや冷間圧延ラインといった鋼帯2の製造ラインの入側に設けられる溶接設備である。このような製造ラインでは、製造ラインに先に投入された鋼帯2である先行材21と、先行材21の後に投入される鋼帯2である後行材22とがマッシュシーム溶接によって接合されることで、複数の鋼帯2を連続して処理することができる。
この際、溶接機1による溶接では、図2に示すように、先行材21の尾端部と、後行材の先端部とを所定の重ね代δで重ね合わせる。重ね代δは、鋼帯2の長手方向(図1,2におけるy軸方向)における長さでる。
そして、先行材21の尾端部と後行材22の先端部とが重ね合わさった箇所となる鋼帯2の接合部が、一対の電極輪11,12によって、圧下及び溶接されることで、先行材21と後行材22とが接合される。そして、一対の電極輪11,12による接合では、一対の電極輪11,12の間に鋼帯2の接合部が挟持された状態で、鋼帯2の接合部を一対の電極輪11,12で加圧及び通電することで、鋼帯2の抵抗発熱により接合部を加熱し、押しつぶす。さらに、この一対の電極輪11,12による接合を、一対の電極輪11,12を回転させ、鋼帯2の幅方向(図1,2におけるx軸方向)に移動させながら行うことで、鋼帯2の全幅にわたって、接合部の接合が連続的に行われる。これにより、先行材21と後行材22との間に、全幅にわたってナゲット2aが形成される。なお、一対の電極輪11,12による溶接は、後述する電流密度となるように決定された溶接条件で行われる。ここで、溶接条件とは、溶接電流の電流値、溶接速度及び電極輪接触面積を少なくとも含む条件である。
本実施形態におけるマッシュシーム溶接では、下記(1)式で示される溶接時の電流密度i(kA/(mpm・mm))が下記(2)式の条件を満たすように、溶接条件が設定される。(1)式において、Iは溶接電流(kA)、Vは溶接速度(mpm)、Sは電極輪接触面積(mm)をそれぞれ示す。電極輪接触面積Sは、下記(3)式で示される面積であり、弧長接触領域の面積S(mm)と、ヘルツ接触領域の面積S(mm)との和である。弧長接触領域の面積Sは、電極輪11,12によって変形が生じている鋼帯2の変形部の面積であり、下記(4)式で示される。弧長接触領域は、図3の符号dで示される領域である。(4)式において、δは先行材21と後行材22との重ね代(mm)、tは溶接前の鋼帯2(先行材21と後行材22とを合わせたもの)の板厚である溶接前の板厚(mm)、tは溶接後の鋼帯2(先行材21と後行材22とを合わせたもの)の板厚である溶接後の板厚(mm)、Dは電極輪11,12の直径(mm)をそれぞれ示す。なお、溶接後の板厚tは、理論的に、溶接時の荷重や鋼帯2の物性値(変形抵抗や引張強さ)により求めることが可能だが、より簡易的に決定するため、同様な条件で溶接を行った実験値を用いてもよい。また、ヘルツ接触領域の面積Sは、電極輪荷重F(kN)、並びに母材である鋼帯2及び電極輪11,12の物性値から求められる領域の面積である。ヘルツ接触領域は、図3の符号dで示される領域である。例えば、鋼帯2が、炭素濃度が0.1mass%程度の低炭素鋼である場合、ヘルツ接触領域の面積Sと電極輪荷重Fとの関係は、図5に示す関係となる。なお、図5において、鋼帯2(先行材21及び後行材22)の板厚は1.6mm、重ね代δは1.6mm、電極輪11,12の直径は300mmとした。また、図5において、鋼帯2の鋼種は、SPHCとした。
Figure 2019171471
なお、(1)式で算出される電流密度iでは、溶接電流I、溶接速度V、電極輪荷重F及び重ね代の4要素が可変となる値であり、その他の要素については溶接機1及び鋼帯2の仕様に応じて予め決定される値となる。つまり、本実施形態では、電流密度iが0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下となるように、溶接電流I、溶接速度V、電極輪荷重F及び重ね代を決定することで、マッシュシーム溶接における溶接条件が決定される。なお、電流密度が0.07kA/(mpm・mm)未満となる場合、ナゲット2aが十分に形成されないため、未接合領域が発生し、接合部が破断する可能性がある。一方、電流密度が0.10kA/(mpm・mm)超となる場合、溶接時に母材が溶融して飛び散る現象であるチリ(散り)が発生し、接合不良により接合部が破断する可能性がある。接合部が破断してしまうと、製造ラインが停止することから、製造ラインの稼働率の低下が問題となる。
さらに、電極輪接触面積Sをより高い精度で求めるためには、(3)式及び(4)式の代わりに、下記(5)式及び(6)式を用いることが好ましい。溶接時において、一対の電極輪11,12の接触面は、荷重が掛かることで図4の点線に示すように偏平し、見かけ上の直径が大きくなり、接触面における曲率が小さくなる。(5)式は、荷重負荷後の電極輪11,12のこの偏平形状を考慮したものである。(5)式において、D’は、図4に示すように、荷重負荷後の偏平した電極輪11,12の見かけ上の直径であり、(6)式を用いて求められる値である。(6)式において、νは電極輪11,12のポアソン比(−)であり、Eは電極輪11,12のヤング率(N/mm)、Pは電極輪11,12に掛かる荷重(N)をそれぞれ示す。
Figure 2019171471
さらに、本実施形態では、(3)式及び(4)式の替りに、(5)式及び(6)式を用いることで、電極輪接触面積Sがより高い精度で求めることができる。そして、(5)式及び(6)式で決定される電極輪接触面積Sを用いて、(1)式の溶接時の電流密度iが(2)式の範囲となるように、溶接条件を決定することで、より良好な溶接部が得られる。
また、溶接条件においては、溶接電流Iは19kA以上、51kA以下とすることが好ましい。溶接電流Iが19kA未満となる場合、ナゲット2aが十分に形成されないため、未接合領域が発生し、接合部が破断する可能性がある。一方、溶接電流Iが51kA超となる場合、溶接時に母材が溶融して飛び散る現象であるチリ(散り)が発生し、接合不良により接合部が破断する可能性がある。さらに、溶接電流Iは、33kA以上、41kA以下とすることが好ましい。このような範囲とすることで、通板に十分な接合部が形成される。溶接速度Vは、7.0mpm以上9.8mpm以下とすることが好ましい。溶接速度Vが7.0mpm未満となる場合、入熱過大によりチリが発生し、接合部が破断する可能性がある。一方、溶接速度Vが9.8mpm超となる場合、未接合領域が発生し、接合部が破断する可能性がある。電極輪荷重Fは、15kN以上、30kN以下とすることが好ましい。電極輪荷重Fが15kN未満となる場合、軽圧下により接合部の段差が過大となり、製造ラインに疵を付ける可能性がある。一方、電極輪荷重Fが30kN超となる場合、荷重が高すぎるために鋼帯と電極輪との接触面積が過大となり、鋼帯2の幅方向の全域にわたって溶接部の温度が一定とならない可能性がある。重ね代δは、1.2mm以上、2.3mm以下とすることが好ましく、例えば、1.6mm〜3.8mm程度の長さに設定される。重ね代δが1.2mm未満となる場合、接合部の長さが短いために強度が低くなり、接合部が破断する可能性がある。一方、重ね代δが2.3mm超となる場合、入熱不足により未接合が生じる可能性がある。
図6には、電流密度iを0.07kA/(mpm・mm)及び0.010kA/(mpm・mm)とした場合における、電極輪荷重Fと溶接電流Iとの関係を示す。なお、図6における、他の溶接条件は、図5の条件と同じとした。また、図6において、電流密度iが0.07kA/(mpm・mm)となる場合の電極輪荷重Fと溶接電流Iとの関係は、曲線l、電流密度iが0.10kA/(mpm・mm)となる場合の電極輪荷重Fと溶接電流Iとの関係は、曲線lでそれぞれ表される。つまり、曲線lと曲線lとで挟まれた領域に設定することで、適切な条件でマッシュシーム溶接を行うことができる。また、図6の破線で示したハッチング領域に設定することで、鋼帯2の幅方向の全域にわたって溶接部の温度が一定となることから、より安定してマッシュシーム溶接を行うことができる。
以上で、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、これら説明によって発明を限定することを意図するものではない。本発明の説明を参照することにより、当業者には、開示された実施形態とともに種々の変形例を含む本発明の別の実施形態も明らかである。従って、特許請求の範囲に記載された発明の実施形態には、本明細書に記載したこれらの変形例を単独または組み合わせて含む実施形態も網羅すると解すべきである。
<実施形態の効果>
(1)本発明の一態様に係るマッシュシーム溶接の溶接方法は、複数の帯状板体(例えば、鋼帯2である先行材21と後行材22)を重ね合わせ、複数の帯状板体が重ね合わさる接合部を一対の電極輪11,12で圧下させながら、接合部に電流を流すことで溶接する、マッシュシーム溶接の溶接方法であって、それぞれの板厚が2.3mm以下の複数の帯状板体を溶接する際に、(1)式で算出される電流密度を、0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下とする。なお、上記(1)の構成において、複数の帯状板体は、上記実施形態のように先行材21と後行材22との2枚の鋼帯2であることが好ましい。
上記(1)の構成によれば、電流密度を上記範囲内に制御することで、チリの発生や未接合箇所の発生を抑制することができるようになり、良好な溶接部を得ることができる。これにより、溶接異常や溶接破断といった、品質上または操業上のトラブルを抑止することができる。また、この制御は、多量の実験の結果を必要とせず、溶接に影響を与える多数の溶接条件を決定することができる。これにより、溶接条件を決定する際に係る労力を大幅に低減することができる。
(2)上記(1)の構成において、複数の帯状板体の溶接前後の板厚及び物性値(溶接される帯状板体の変形抵抗及び引張強さ)、並びに電極輪11,12の直径に基づいて、電流密度が0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下となるように、溶接電流、溶接速度、重ね代及びヘルツ接触領域を決定する。なお、溶接後の板厚は、溶接時の帯状板体の変形抵抗や引張強さにより決定される。
(3)上記(2)の構成において、溶接電流を、33kA以上、41kA以下とし、ヘルツ接触領域の算出に用いられる、電極輪荷重を15kN以上、30kN以下とする。
上記(3)の構成によれば、溶接時の接合部の温度を一定にすることができ、より良好に溶接を行うことができる。
(4)本発明の一態様に係るマッシュシーム溶接の溶接方法は、複数の帯状板体(例えば、鋼帯2である先行材21と後行材22)を重ね合わせ、複数の帯状板体が重ね合わさる接合部を一対の電極輪11,12で圧下させながら、接合部に電流を流すことで溶接する、マッシュシーム溶接の溶接方法であって、それぞれの板厚が2.3mm以下の複数の帯状板体を溶接する際に、(1)式で算出される電流密度を、0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下とする。
上記(4)の構成によれば、上記(1)の構成よりも、電極輪接触面積Sをより高い精度で求めることができるため、より良好な溶接部を得ることができる。
(5)上記(4)の構成において、複数の帯状板体の溶接前後の板厚及び物性値、並びに電極輪11,12の直径に基づいて、電流密度が0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下となるように、溶接電流、溶接速度及び重ね代を決定する。
(6)上記(5)の構成において、溶接電流を、33kA以上、41kA以下とする。
上記(6)の構成によれば、上記(3)と同様な効果が得られる。
1 溶接機
11,12 電極輪
2 鋼帯
2a ナゲット
21 先行材
22 後行材

Claims (6)

  1. 複数の帯状板体を重ね合わせ、前記複数の帯状板体が重ね合わさる接合部を一対の電極輪で圧下させながら、前記接合部に電流を流すことで溶接する、マッシュシーム溶接の溶接方法であって、
    それぞれの板厚が2.3mm以下の前記複数の帯状板体を溶接する際に、(1)式で算出される電流密度を、0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下とする、マッシュシーム溶接の溶接方法。
    Figure 2019171471
    i:電流密度(kA/(mpm・mm))
    I:溶接電流(kA)
    V:溶接速度(mpm)
    S:電極輪接触面積(mm
    :弧長接触領域の面積(mm
    :ヘルツ接触領域の面積(mm
    δ:重ね代(mm)
    :溶接前の板厚(mm)
    :溶接後の板厚(mm)
    D:電極輪の直径(mm)
  2. 前記複数の帯状板体の溶接前後の板厚及び物性値、並びに前記電極輪の直径に基づいて、前記電流密度が0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下となるように、前記溶接電流、前記溶接速度、前記重ね代及び前記ヘルツ接触領域を決定する、請求項1に記載のマッシュシーム溶接の溶接方法。
  3. 前記溶接電流を、33kA以上、41kA以下とし、
    前記ヘルツ接触領域の算出に用いられる、電極輪荷重を15kN以上、30kN以下とする、請求項2に記載のマッシュシーム溶接の溶接方法。
  4. 複数の帯状板体を重ね合わせ、前記複数の帯状板体が重ね合わさる接合部を一対の電極輪で圧下させながら、前記接合部に電流を流すことで溶接する、マッシュシーム溶接の溶接方法であって、
    それぞれの板厚が2.3mm以下の前記複数の帯状板体を溶接する際に、(1)式で算出される電流密度を、0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下とする、マッシュシーム溶接の溶接方法。
    Figure 2019171471
    i:電流密度(kA/(mpm・mm))
    I:溶接電流(kA)
    V:溶接速度(mpm)
    S:電極輪接触面積(mm
    δ:重ね代(mm)
    :溶接前の板厚(mm)
    :溶接後の板厚(mm)
    D’:荷重負荷した偏平後の電極輪の見かけの直径(mm)
    D:電極輪の直径(mm)
    ν:電極輪のポアソン比(−)
    E:電極輪のヤング率(N/mm
    P:電極輪の荷重(N)
  5. 前記複数の帯状板体の溶接前後の板厚及び物性値、並びに前記電極輪の直径に基づいて、前記電流密度が0.07kA/(mpm・mm)以上0.10kA/(mpm・mm)以下となるように、前記溶接電流、前記溶接速度及び前記重ね代を決定する、請求項4に記載のマッシュシーム溶接の溶接方法。
  6. 前記溶接電流を、33kA以上、41kA以下とする、請求項5に記載のマッシュシーム溶接の溶接方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114160944A (zh) * 2020-09-11 2022-03-11 宝山钢铁股份有限公司 用于窄搭接电阻焊机的焊缝厚度预测方法

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CN114160944A (zh) * 2020-09-11 2022-03-11 宝山钢铁股份有限公司 用于窄搭接电阻焊机的焊缝厚度预测方法

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