JP2019171254A - 薬液等分配装置及び薬液等分配装置の取付方法 - Google Patents
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例えば、図6、図7に示すVノッチ付高架分配槽を利用する方法がある。これは、V字状に切り込まれその先端が開口されたVノッチ22が形成された高架分配槽23と水槽21とが一体に形成され、前記水槽21に注入された薬液を高架分配槽23に形成されたVノッチ22の注入口から自然流下して注入量を均等に分配する方法である。
また、薬液等を供給する主配管に接続されている分岐配管の途中にバルブを設けて、当該バルブの開度を調整し薬液等を均等又は任意の量に分配する方法もあり、さらに、薬液等を供給する主配管に接続されている各分岐配管に対してそれぞれ一つずつポンプを接続し、前記ポンプの排出流量を1対1で調整し薬液等を均等又は任意の量に分配する方法もある。
また、Vノッチ付高架分配槽の占める設置場所が必要となり、高架分配槽の設備費用・架台費用なども増大する。
一方、薬液等を供給する主配管に接続されている分岐配管の途中にバルブを設けて、当該バルブの開度を調整し薬液の量を均等に分配する方法においては、施工時に各バルブの開度を調整し排出する薬液の量を調整しても、バルブの微妙な開度のずれでバルブ圧損が大きく変わってしまい、薬液の量が大きく変わりやすく、バルブの調整がシビアで薬液の量の調整が難しいという問題がある。
このように当初の調整が崩れてしまった場合は、再調整が必要になり、この再調整を手動でバルブを調整し均等分配にするのは、経験上からも難しく手間が掛ってしまう。
また、バルブ内を流れる薬液に異物が混じってバルブ内で詰まった場合には、バルブの清掃等が必要となりメンテナンスの側面からも問題がある。
さらに、薬液等を供給する主配管に接続されている各分岐配管に対してそれぞれ一つずつポンプを接続し、ポンプの排出流量を1対1で調整し薬液の量を均等に分配する方法においては、確実な制御はできるが、多数のポンプを必要とし費用が増大となり経済的ではない。
〔1〕凝集剤等の薬液が圧送される横設された主配管(1)と、前記主配管(1)に一端(3a)が接続され、他端(3b)が薬液を他所に放出する薬液放出口を備える分岐配管(3)の複数本とからなる薬液等分配装置であって、前記分岐配管(3)は、主配管(1)から上方に立設された上昇管(31)と、一端が前記上昇管(31)の特定高さ位置に接続され、他端が下向きに延設された下降管(32)とからなることを特徴とする薬液等分配装置。
〔2〕前記分岐配管(3)が、上昇管(31)と、前記上昇管(31)と接続される下降管(32)とを、略逆U字形状に形成してなることを特徴とする前記〔1〕に記載の薬液等分配装置。
〔3〕前記分岐配管(3)が、吊下げ支持具取付部(30a)と、当該吊下げ支持具取付部(30a)の左右両端に装着された接続部材(30b、30b’)と、当該接続部材(30b、30b’)に接続された上昇管(31)と下降管(32)とからなることを特徴とする前記〔1〕又は〔2〕に記載の薬液等分配装置。
〔4〕前記分岐配管(3)が、可撓性素材であることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の薬液等分配装置。
〔5〕前記分岐配管(3)が、透明素材であることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の薬液等分配装置。
〔6〕前記分岐配管(3)の他端(3b)の薬液放出口に、注入管(4)を接続し、当該注入管(4)の上下2箇所にバルブ(5、5’)を設けるとともに、当該バルブ(5、5’)間にプラグ(6)を設けたことを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の薬液等分配装置。
〔7〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の薬液等分配装置の複数本の分岐配管(3)を吊下げ支持具(7)を用いて各注入管(4)から投入される薬液等の量が均等となるように吊下げ、高さを調整し、分岐配管(3)を吊下げ支持することを特徴とする薬液等分配装置の取付方法。
〔8〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の薬液等分配装置の複数本の分岐配管(3)を吊下げ支持具(7)を用いて各注入管(4)から投入される薬液等の量が任意の流量となるように吊下げ高さを調整し、分岐配管(3)を吊下げ支持することを特徴とする薬液等分配装置の取付方法。
また、バルブを設けて、当該バルブの開度を調整し薬液を均等に分配する方法よりも簡便に流量調整して薬液の量を均等分配することができる。
さらに、それぞれの分岐配管3で薬液を均等に分配することに限らず、それぞれの分岐配管3で任意の薬液の量に設定することもできる。例えばある分岐配管の流量比率を1としたとき、他の分岐配管の流量比率を0.5にしたり、1.5にしたりすることが可能である。
図1〜3において、1は薬液等を送る主配管、2は当該主配管に接続されたポンプ、3は分岐配管、3aは分岐配管の一端、3bは分岐配管の他端、4は薬液を貯水池や水槽等に注入する注入管、5、5’は当該注入管4に設けられたバルブ、6は前記注入管4に設けられたプラグ、7は分岐配管を吊下げ支持する吊下支持具、8は貯水池、9は汚水浄化装置が設置される建物の梁(天井)である。
また、30aは吊下げ支持具取付部、30b、30b’は接続部材、31は上昇管、32は下降管である。
本実施の形態においては、主配管1は中空円筒状の直径およそ25mmのポリ塩化ビニル(PVC)で構成され、天井等から図示しない吊り部材で固定される。なお、主配管1の直径や材質に関してはこれに限定されるものではなく、薬液の注入対象である貯水池や水槽等の体積や注入流量に応じて適宜選択することができる。
また、本実施の形態においては、主配管1の端部1aはエア抜きのため開放されているが圧力によって薬液が出ることがないように上向きに曲げている。
なお、設置環境によっては、注入管4を接続せずに、分岐配管3の他端3bの薬液放出口から、直接貯水池や水槽等に薬液を注入することもできる。
そして、本願発明は、一つのポンプに対して、注入箇所が多数ある場合であっても、薬液等を均等又は任意の量に分配できる装置であることから、前記分岐配管3は、主配管1に複数本配置される構成となっている。
また、前記分岐配管3は、上昇管31と、前記上昇管31と接続される下降管32とを、略逆U字形状に形成すると、薬液を主配管1から分岐配管3へ、そして分岐配管3の他端3bの薬液放出口から注入管4へ滑らかに送ることができる。
図3の分岐配管と注入管の分解図に示すように、分岐配管3を吊下げ支持具取付部30aと、当該吊下げ支持具取付部30aの左右両端に装着された接続部材30b、30b’と、当該接続部材30b、30b’に接続された上昇管31と下降管32とで構成する。
前記上昇管31は、吊下げ支持具取付部30aと接続するための接続部材30bが接続されない側の端部は、前記主配管1から上方に立設されるように接続される。一方、前記下降管32の吊下げ支持具取付部30aと接続するための接続部材30b’が接続されない側の端部は薬液放出口となり、注入管4と接続される。
上記の構成の分岐配管3は、吊下げ状態において略逆U字形状となり、吊下げ支持具7と接触する部分となり吊下げ支持具取付部30aを、上昇管31、下降管32と別の部材としているので、それぞれ材質を違うものにすることも可能であり、保守の側面からも破損した部品のみ交換すればよく好適である。
なお、本実施例では、前記上昇管31と下降管32は、サイフォン現象による液流出が薬液流量を高めてしまうことを防ぐために、例えば主配管1より径を太くすることでもよい。
また、薬液の流れを目視で確認しやすくするため、透明な素材、例えば、塩化ビニル等で構成されることが好ましい。
前記構成の分岐配管3の吊下げ支持具取付け部30aの左右両端に装着された接続部材30b、30b’は、吊下げ支持具取付け部30aが吊下げ支持具7により上から吊下げられ支持される時に潰れないようにする効果を有している。
そして、前記上昇管31や下降管32と同様に、注入管4を透明の素材で構成すると、前記バルブ5、5’間を流れる薬液の量を目視で確認することができる。注入管4の前記バルブ5−5’間のみ透明素材としてもよい。本実施例では、中空円筒状の直径およそ25mmの透明なポリ塩化ビニル(PVC)構成しているが、設置環境を考慮して最適素材で調整のしやすい径の管を選択することが好ましい。
さらに、前記プラグ6を外し、前記上下のバルブ5、5’の開閉によりプラグ6から流出する一定時間の薬液を器で受ければ、薬液の量を正確に計量することもできる。
図4は本発明の実施例における薬液等分配装置の取付方法の実施例を表す図であり、水槽上部床スラブの平面に固定した分岐配管取付け枠と吊下げ支持具受け部材を利用して薬液等分配装置を取付ける一例を示している。
図4において、10は水槽上部床スラブ、11は注入管固定枠、12は注入管受け部、12aは注入管挿入孔、13は前記吊下げ支持具7を取り付ける吊設部材である。
注入管固定枠11は、水槽上部床スラブ10に固定されている。また、注入管受け部12には注入管挿入孔12aが孔設されている。
まず、注入管4を注入管固定枠11に設けられた注入管受け部12の注入管挿入孔12aに挿入し前記注入管固定枠11に固定する。
その後分岐配管3の吊下げ支持具取付け部30aの接続部材30b’に接続された下降管32と前記注入管4を接続する。
なお、分岐配管3に注入管4を接続した後に、当該注入管4を注入管固定枠11に設けられた注入管受け部12の注入管挿入孔12aに挿入し前記固定枠11に固定しても良い。
そこで、次の工程に従い、主配管1に接続されている全ての分岐配管3に供給される一定時間当たりの薬液等の量が均等となるように、分岐配管3と当該分岐配管3を吊下げ支持する吊設部材13との距離(h1〜h3)(図2参照)を吊下げ支持具7で調整する。
〔工程1〕
主配管1に接続されている全ての分岐配管3を吊下げ支持具7を用いて吊設部材13に吊り下げて取付けた状態で、ポンプ2を稼働させ主配管1から薬液等を各分岐配管3に圧送供給する。そして、当該各分岐配管3の注入管4に設けられた前述したようにバルブ5、5’やプラグ6を使って、一定時間当たりの主配管1から各注入管4へ供給される薬液等の量を測る。
〔工程2〕
前記各注入管4へ供給された薬液等の量に基づいて、薬液等の量が多い分岐配管3は吊下げ支持具7で前記分岐配管3と吊設部材13との距離(h1)(図2参照)を短く調整し、薬液等の量が少ない分岐配管3は吊下げ支持具7で前記分岐配管3と吊設部材13との距離(h2、h3)(図2参照)を長く調整する。
〔工程3〕
上記工程を数回繰り返し全ての分岐配管3の注入管4に供給される薬液等の量を均一に調整する。これまでの経験では2〜3回の繰り返しで調整が可能であった。
なお、前記〔工程2〕においては、吊下げ支持具7で前記分岐配管3と吊設部材13との距離を調整することで、それぞれの分岐配管3からの薬液の量を任意に設定することもできる。例えばある分岐配管の流量比率を1としたとき、他の分岐配管の流量比率を0.5にしたり、1.5にしたりすることが可能である。
この実施例であれば、図4で示す実施例と異なり、吊設部材13を汚水浄化装置が設置されている建物の梁(天井)9で代用することができ、構造を簡素化し安定した吊設ができる。
汚水浄化装置において、全長約80mの主配管1に8本の分岐配管3を8m間隔で接続した薬液等分配装置を、前記実施例に示す方法により設置し、各分岐配管3に供給される薬液量を調整した。
その結果、ポンプ2を稼働し各分岐配管3の注入管4から正確に均等な薬液が排出されることを確認した。
2 ポンプ
3 分岐配管
3a 分岐配管の一端
3b 分岐配管の他端
30a 吊下げ支持具取付部
30b、30b’ 接続部材
31 上昇管
32 下降管
4 注入管
5、5’ バルブ
6 プラグ
7 吊下げ支持具
8 貯水池
9 梁
10 水槽上部床スラブ
11 注入管固定枠
12 注入管受け部
12a 注入管挿入孔
13 吊設部材
Claims (8)
- 凝集剤等の薬液が圧送される横設された主配管(1)と、
前記主配管(1)に一端(3a)が接続され、他端(3b)が薬液を他所に放出する薬液放出口を備える分岐配管(3)の複数本とからなる薬液等分配装置であって、
前記分岐配管(3)は、主配管(1)から上方に立設された上昇管(31)と、一端が前記上昇管(31)の特定高さ位置に接続され、他端が下向きに延設された下降管(32)とからなることを特徴とする薬液等分配装置。 - 前記分岐配管(3)が、上昇管(31)と、前記上昇管(31)と接続される下降管(32)とを、略逆U字形状に形成してなることを特徴とする請求項1に記載の薬液等分配装置。
- 前記分岐配管(3)が、吊下げ支持具取付部(30a)と、当該吊下げ支持具取付部(30a)の左右両端に装着された接続部材(30b、30b’)と、当該接続部材(30b、30b’)に接続された上昇管(31)と下降管(32)とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬液等分配装置。
- 前記分岐配管(3)が、可撓性素材であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薬液等分配装置。
- 前記分岐配管(3)が、透明素材であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薬液等分配装置。
- 前記分岐配管(3)の他端(3b)の薬液放出口に、注入管(4)を接続し、当該注入管(4)の上下2箇所にバルブ(5、5’)を設けるとともに、当該バルブ(5、5’)間にプラグ(6)を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薬液等分配装置。
- 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の薬液等分配装置の取付方法であって、
前記複数本の分岐配管(3)を吊下げ支持具(7)を用いて各注入管(4)から投入される薬液等の量が均等となるように吊下げ高さを調整し、分岐配管(3)を吊下げ支持することを特徴とする薬液等分配装置の取付方法。 - 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載の薬液等分配装置の取付方法であって、
前記複数本の分岐配管(3)を吊下げ支持具(7)を用いて各注入管(4)から投入される薬液等の量が任意の量となるように吊下げ高さを調整し、分岐配管(3)を吊下げ支持することを特徴とする薬液等分配装置の取付方法。
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