JP2012115199A - 農業用給液装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】より少ない消費電力で簡易に適切な量の培養液、水、農薬等の供給液を植物の栽培槽に給液することが可能な農業用給液装置及び農業用給液方法を提供することである。
【解決手段】農業用給液装置は、植物への供給液を貯留するための容器及びサイフォン管を備える。サイフォン管は、前記容器内に入口を有し、前記容器外に出口を有する。農業用給液方法は、容器に植物への供給液を連続供給するステップと、前記容器内に入口を有し、前記容器外に出口を有するサイフォン管を用いて前記供給液を前記植物の栽培槽に断続給液するステップを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、農業用給液装置及び農業用給液方法に関する。
従来、植物の栽培等の農業分野における培養液の供給方法として、タンクに貯蔵された培養液を給液パイプに供給し、給液パイプに設けられたノズルや小孔から栽培槽に散布する方法がある(例えば、特許文献1参照)。培養液等の供給液を給液パイプや栽培槽へ流すためには、ポンプを用いることが一般的である(例えば、特許文献2参照)。
栽培槽への供給液の供給方法としては、供給液を連続的に供給する連続給液と、供給液を断続的に供給する断続給液とがある。供給液の断続給液は、供給液を汲み上げるためのポンプや供給液の流路上に設けた電磁弁をタイムスイッチと連動させてオンオフ制御することにより行うことができる。
断続給液の間断間隔を十分に短くなるように制御すれば、連続給液と同等の量の供給液を栽培槽に供給しつつ、供給液の供給量及び供給タイミングを調整することができる。すなわち、断続給液によれば、培養液等の供給液を定時的かつ定量的に栽培槽に供給することができる。このため、断続給液により、供給液の節約や供給液中における酸素量の増加を図ることができる。
特開平8−172950号公報 特開平10−75671号公報
しかしながら、断続給液では、断続的にポンプをオンオフ制御するために、煩雑なポンプのメンテナンスが必要となる。この結果、実際にはメンテナンスが容易な連続給液が採用される場合が多い。一方、連続給液の場合、供給液の節約が困難であるのみならず、ポンプ等の動力源に供給すべき電力が多大となる。
本発明は、より少ない消費電力で簡易に適切な量の培養液、水、農薬等の供給液を植物の栽培槽に給液することが可能な農業用給液装置及び農業用給液方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る農業用給液装置は、植物への供給液を貯留するための容器及びサイフォン管を備える。サイフォン管は、前記容器内に入口を有し、前記容器外に出口を有する。
また、本発明の実施形態に係る農業用給液方法は、容器に植物への供給液を連続供給するステップと、前記容器内に入口を有し、前記容器外に出口を有するサイフォン管を用いて前記供給液を前記植物の栽培槽に断続給液するステップを有する。
本発明の実施形態に係る農業用給液装置及び農業用給液方法によれば、より少ない消費電力で簡易に適切な量の培養液、水、農薬等の供給液を植物の栽培槽に給液することができる。
本発明の実施形態に係る農業用給液装置の構成図。 図1に示すサイフォン管の詳細構造の第1の例を示す図。 図1に示すサイフォン管の詳細構造の第2の例を示す図。 図1に示すサイフォン管の詳細構造の第3の例を示す図。 図1に示すサイフォン管の詳細構造の第4の例を示す図。 図1に示す農業用給液装置により栽培槽に供給液を断続給液する際における各調節容器内の様子を示す図。 図1に示す農業用給液装置において、原液槽内における供給液の液面の高さとサイフォン管の出口における高さとの高低差を変えて得られた供給液の供給期間及び供給間隔の実験結果を示す図。 図1に示す調節容器の変形例を示す構成図。
本発明の実施形態に係る農業用給液装置及び農業用給液方法について添付図面を参照して説明する。
(構成および機能)
図1は本発明の実施形態に係る農業用給液装置の構成図である。
図1に示す農業用給液装置1は、動力源を用いることなく栽培槽2にて栽培される根菜等の植物3に対して培養液、水、農薬等の供給液Lを断続給液する装置である。具体的には、農業用給液装置1は、原液槽4、調節容器5及び給液管6を備えている。調節容器5は給液管6と接続され、栽培槽2の構造に応じた数だけ適切な位置に配置される。図1は、2段の栽培槽2に対して供給液Lを給液できるように2組の調節容器5及び給液管6を備えた農業用給液装置1の例を示している。
原液槽4は、培養液、水、農薬等の供給液Lの原液を貯蔵するタンクである。原液槽4の出口には、供給本管7が接続され、供給本管7と各調節容器5とは、それぞれ供給管8により連結される。原液を水等の液体で希釈する必要がある場合には、供給本管7に水道管等の管を接続して希釈液と原液とを混合させることができる。
各調節容器5は、供給液Lを一時的に貯留するための容器である。各調節容器5には外部と貫通する管挿入孔9が設けられる。管挿入孔9のサイズは、供給管8の管径よりも大きいサイズとされ、供給管8の出口となる一端が調節容器5の管挿入孔9に挿入される。このため、調節容器5と供給管8との間には、間隙が形成される。そして、間隙から調節容器5内に自由に空気が流入することによって、調節容器5内の圧力は大気圧と同じ圧力となる。
また、各調節容器5の内部には、それぞれサイフォン管10が設けられる。サイフォン管10は、少なくとも入口よりも高い位置を経由する流路を形成し、かつ入口よりも低い位置に出口を有する管である。更に、管をサイフォン管10として機能させるためには、管の高低差を管内部における液体の重量が大気圧よりも小さくなるような高さとすることが必要である。図1はサイフォン管10を逆U字状の湾曲した管で構成した例を示しているが、入口を上方に向けてサイフォン管10を構成してもよい。
また、サイフォン管10の少なくとも最高地点よりも出口側の任意の位置には、サイフォン管10の内外を貫通する切れ目10Aが設けられる。好適には、サイフォン管10の入口と同程度の高さの出口側の位置に切れ目10Aが設けられる。
図2は図1に示すサイフォン管10の詳細構造の第1の例を示す図、図3は図1に示すサイフォン管10の詳細構造の第2の例を示す図、図4は図1に示すサイフォン管10の詳細構造の第3の例を示す図、図5は図1に示すサイフォン管10の詳細構造の第4の例を示す図である。
図2から図5は、サイフォン管10の入口と同程度の高さの出口側の位置に切れ目10Aを設けた例を示している。すなわち、図2は、逆V字状の切れ目10Aを、図3は鉛直方向の切れ目10Aを、図4は水平方向の切れ目10Aを、図5は丸孔形状の切れ目10Aを、それぞれ設けた例を示す。
サイフォン管10の切れ目10Aは、大気圧の空気に露出すると空気の通気口として機能する一方、供給液Lに浸漬した状態では供給液Lの表面張力によりサイフォン管10の壁面として機能するサイズ及び形状とされる。換言すれば、サイフォン管10の切れ目10Aは、供給液Lに浸漬されていない状態では空気をサイフォン管10内に流入させる一方、供給液Lに浸漬した状態では供給液Lをサイフォン管10から漏出させないようにすることが可能なサイズ及び形状とされる。
このような構造を有するサイフォン管10の形状及び位置並びに管挿入孔9の位置は、サイフォン管10の最高地点が管挿入孔9の位置よりも低く、サイフォン管10の出口がサイフォン管10の入口よりも低い位置となるように決定される。そして、サイフォン管10の出口が調節容器5の出口を形成する。
図1は、調節容器5を円筒状の容器で構成し、サイフォン管10の出口側を調節容器5の底部において固定材11を用いて固定した例を示している。調節容器5は、例えば逆向きにしたペットボトル等の容器を利用して簡易かつ低コストで作成することができる。ペットボトルを逆さまに配置して調節容器5を構成する場合には、調節容器5の底部から供給液Lが漏出しないように、固定材11を用いてサイフォン管10を調節容器5に固定することができる。固定材11としては、例えば、サイフォン管10の管径に対応する孔の空いた栓を用いることができる。
給液管6の一端にはヘッダー管6Aが接続され、他端は閉塞される。ヘッダー管6Aは、開口部を有し、ヘッダー管6Aの開口部にサイフォン管10の出口が挿入される。このため、ヘッダー管6Aは、給液管6の受液部として機能する。
図1は、ヘッダー管6Aの開口部のサイズをサイフォン管10の出口近傍における調節容器5のサイズに合わせ、ヘッダー管6Aに調節容器5の底部とともにサイフォン管10の出口を挿入した例を示している。具体的には、調節容器5側に開口端を有し、他端が閉塞した中空の管の側面に貫通孔を設けてヘッダー管6Aを構成することができる。そして、ヘッダー管6Aの貫通孔に給液管6を繋げて一体化することができる。
ヘッダー管6Aのサイフォン管10との連結部分近傍には、サイフォン管10の出口から空気を流入させるための通気用空隙が設けられる。例えば、図1に示すように、サイフォン管10の出口よりも高いヘッダー管6Aの壁面に貫通スリット6Bを通気用空隙として設けることができる。図1に示す貫通スリット6Bの他、ヘッダー管6Aとサイフォン管10又は調節容器5とを非気密性を維持して連結することによっても通気用空隙を形成することができる。すなわち、図1に示すヘッダー管6Aと調節容器5との間に通気用空隙を設けてもよい。
また、給液管6のヘッダー管6Aと閉塞端との間における管壁には、供給液Lの栽培槽2への供給孔6Cが設けられる。そして。給液管6は、供給孔6Cから栽培槽2に供給液Lを給液できる位置に設置される。図1は、水平方向を長手方向とする栽培槽2に効率的に給液できるように、給液管6を水平方向に設置し、かつ複数の供給孔6Cを一定間隔で給液管6の側面に設けた例を示している。
栽培槽2は、例えば、傾斜ベッド上に不透水性シート、保水性シート及び透水性防根シートを設置して構成することができる。具体的には、不透水性シートの隙間に保水性シートを配置し、保水性シートの上に複数の透水性防根シートを積層すると、透水性防根シートの隙間又は保水性シートに沿ってダイコン等の根菜を養液栽培することができる。また、根菜類に限らず、ワサビや花等の所望の植物を栽培槽2にて栽培することができる。
そして、農業用給液装置1は、原液槽4から供給本管7、供給管8、調節容器5、サイフォン管10及び給液管6の順に経由する流路を介して供給液Lを栽培槽2に供給することによって、様々な植物3を栽培できるように構成される。
(動作および作用)
次に農業用給液装置1の動作および作用について説明する。
原液槽4内における供給液Lの液面の高さが各調節容器5の管挿入孔9よりも高い位置となるように原液槽4の位置及び原液槽4内に貯留される供給液Lの量を調節すると、供給液Lの水位差及び供給液Lに作用する重力を利用することによって動力源を用いなくても供給液Lを原液槽4から各調節容器5に供給することができる。
原液槽4には、一時的にポンプを用いて供給液Lを汲み上げることができる。或いは、供給液Lで満たした原液槽4を調節容器5よりも高い位置に設置し、原液槽4内の供給液Lが減少した場合に新たな原液槽4と交換するようにしてもよい。原液槽4を交換式にすれば、ポンプ等の動力源を不要にすることができる。
図6は、図1に示す農業用給液装置1により栽培槽2に供給液Lを断続給液する際における各調節容器5内の様子を示す図である。
図6(A)は、原液槽4から供給本管7及び供給管8を経由して調節容器5内に供給液Lが供給された状態を示している。すなわち、原液槽4内における供給液Lの液面の高さと調節容器5の管挿入孔9に挿入された供給管8の開口端の位置との差に応じた流量の供給液Lが調節容器5内に連続的に流入する。このため、時間とともに調節容器5内における供給液Lの液面は上昇する。
図6(B)は、調節容器5内に供給された供給液Lの液面の高さがサイフォン管10の最高地点よりも高くなった状態を示している。調節容器5に貯液される供給液Lの自由水面位置に応じた供給液Lの圧力が、サイフォン管10においてサイフォン現象を引き起こすために必要な液体の流出抵抗を超えると、サイフォン現象が引き起こされる。すなわち、図6(B)に示すように、調節容器5内における供給液Lの液面の高さがサイフォン管10の最高地点よりも高くなると、サイフォンの原理によって供給液Lがサイフォン管10内を経由してサイフォン管10の出口から排出されるようになる。
サイフォン管10の出口から排出された供給液Lは、ヘッダー管6Aの開口部から給液管6内に流入する。そうすると、図6(B)に示すように、給液管6内に流入した供給液Lは、給液管6の壁面に設けられた供給孔6Cから栽培槽2に向けて放出される。これにより、栽培槽2に供給液Lが供給される。従って、原液槽4から調節容器5に供給される供給液Lの量が調節容器5からサイフォン管10及び給液管6を経由して栽培槽2に排出される供給液Lの量よりも少なくなるように制御すれば、サイフォン現象の開始後は、調節容器5内における供給液Lの液面の高さが下降する。
図6(C)は、調節容器5内における供給液Lの液面の高さが下降してサイフォン現象による供給液Lの供給が停止した状態を示している。図6(C)に示すように、調節容器5内から供給液Lが排出され、調節容器5内おける供給液Lの液面の高さがサイフォン管10の入口の高さまで下がるとサイフォン現象が停止する。
しかしながら、調節容器5内には、サイフォン管10の最高地点よりも入口側に存在する供給液Lが戻る。一方、調節容器5内には、供給管8からも原液槽4内と供給管8の開口端との間における水位差に応じた流量の供給液Lが常に供給される。このため、仮に切れ目10Aのない単純なサイフォン管10が調節容器5内に設けられると、サイフォン現象が完全に停止しない恐れがある。
これに対して、図1に示すサイフォン管10には、図2から図5に示すような内外を連通する切れ目10Aが設けられている。このため、調節容器5内おける供給液Lの液面の高さがサイフォン管10の切れ目10Aの高さよりも低い位置となると、切れ目10Aが通気口として機能し、切れ目10Aからサイフォン管10内に空気が流入する。
加えて、サイフォン管10とヘッダー管6Aの連結部分近傍には、貫通スリット6B等の通気用空隙が設けられている。このため、供給液Lの液面の高さがサイフォン管10の出口よりも低い位置となると、サイフォン管10の出口からもサイフォン管10内に空気が流入する。
サイフォン管10内に空気が流入すると、サイフォン現象は完全に停止する。このためサイフォン管10の切れ目10Aや貫通スリット6B等の通気用空隙の作用により、調節容器5からの供給液Lの排出を確実に停止させることができる。
そして、供給管8からの供給液Lの供給によって、調節容器5内における供給液Lの液面の位置は図6(A)に示すように再び上昇する。更に、調節容器5内における供給液Lの液面の位置がサイフォン現象の開始に必要な高さに到達すると、再びサイフォン現象によって調節容器5から栽培槽2に供給液Lが供給される。このとき、サイフォン管10内の空気は供給液Lの圧力によってサイフォン管10から排出される。
このようなサイフォン現象による供給液Lの供給とサイフォン現象の停止を繰り返すことによって、定量的に供給液Lを栽培槽2に断続給液することができる。すなわち、サイフォン現象の終了から開始までの期間を利用して供給液Lが調節容器5内に貯留され、サイフォン現象の開始から終了までの期間を利用して供給液Lが調節容器5からサイフォン管10を経由して栽培槽2に放出される。この結果、サイフォン現象の継続時間に応じた量の供給液Lをサイフォン現象の停止時間に相当する間隔で断続的に栽培槽2に供給することができる。
栽培槽2への供給液Lの供給期間及び供給間隔は、調節容器5への供給液Lの単位時間当たりの供給量及びサイフォン管10からの供給液Lの単位時間当たりの排出量により決定される。更に調節容器5への供給液Lの供給量は、原液槽4内における供給液Lの液面の高さ、調節容器5の高さ及び供給管8の管径等の条件に依存する。一方、サイフォン管10からの供給液Lの排出量は、サイフォン管10の管径、サイフォン管10の最高地点の高さ及びサイフォン管10の入口と出口間における高低差等の条件に依存する。
従って、これらの条件の少なくとも1つを調節することによって、栽培槽2への供給液Lの供給期間及び供給間隔の少なくとも一方が所望の時間となるように制御することができる。
特に、調節容器5への供給液Lの供給量がサイフォン管10からの供給液Lの排出量よりも少なくなるように、原液槽4内における供給液Lと調節容器5内における供給液Lとの水位差及び供給管8の口径を適切に決定することが重要である。すなわち、栽培槽2への供給液Lの供給間隔が、サイフォン現象の停止後にサイフォン管10内の供給液Lが排出され、かつサイフォン現象の開始前にサイフォン管10内の空気が排出されるために必要な期間以上となるように調節容器5への供給液Lの供給量を制御することが重要である。そのためには、調節容器5への供給液Lの供給量が十分に少なくなるように供給液Lの水位差及び供給管8の口径を小さくすることが必要である。逆に、原液槽4から調節容器5内に供給液Lを供給し、かつ調節容器5内においてサイフォン現象を引き起こすために必要な供給液Lの水位差を確保することも必要である。
更に、給液管6の供給孔6Cから栽培槽2に適量の供給液Lが散布されるように、サイフォン管10から排出される供給液Lの量を調節することが重要である。そのためには、栽培槽2への供給液Lの散布量をカバーできる量の供給液Lがサイフォン管10から排出されるように、サイフォン管10の最高地点における高さやサイフォン管10の口径等の条件を調節すればよい。
但し、逆に、給液管6の構造を調節することもできる。例えば、供給孔6Cの数やサイズを調整することができる。また、給液管6の長さを短くすれば、給液管6に供給される供給液Lの圧力が小さくでも、供給孔6Cから供給液Lを散布することが可能となる。
上述した各種条件は、実験やシミュレーションによって適切な条件に決定することができる。
図7は、図1に示す農業用給液装置1において、原液槽4内における供給液Lの液面の高さとサイフォン管10の出口における高さとの高低差Hを変えて得られた供給液Lの供給期間及び供給間隔の実験結果を示す図である。
図7に示すように、原液槽4内における供給液Lの液面の高さとサイフォン管10の出口の高さとの高低差Hを3通りにして実験を行った。尚、原液槽4には高さが9cmで容量が2リットルの容器を、調節容器5内に挿入される供給管8の端部には内径が2mmの軟質チューブを、サイフォン管10には内径が4mmの軟質チューブを、給液管6には内径が13mmで長さが90cmのパイプを、それぞれ用いて構成した。更に、給液管6には直径が1mmの供給孔6Cを7箇所に斜め上向きに設けた。また、調節容器5の容量を250ml、サイフォン管10の出口と入口との高低差を約10cmとし、サイフォン管10には逆V字状の切れ目10Aを設けた。
実験の結果、図7に示すように供給液Lの高低差Hを48cmとした場合には、供給液Lの供給間隔が33.7秒で供給液Lの供給期間が68.5秒となった。また、供給液Lの高低差Hを90cmとした場合には、供給液Lの供給間隔が58.7秒で供給液Lの供給期間が59.4秒となり、供給液Lの高低差Hを135cmとした場合には、供給液Lの供給間隔が98.1秒で供給液Lの供給期間が29.5秒となった。
図7によれば、原液槽4内における供給液Lの液面の高さとサイフォン管10の出口の高さとの高低差Hを調節することにより、異なる供給液Lの供給期間及び供給間隔で栽培槽2に供給液Lを断続給液できることが確認できる。
つまり以上のような、農業用給液装置1は、サイフォン現象を利用して培養液、水、農薬等の供給液Lを植物3の栽培槽2に断続給液するようにしたものである。また、農業用給液装置1は、原液槽4からサイフォン管10までは、供給液Lの水位差を利用して供給液Lを連続給液するようにしたものである。
(効果)
上述した農業用給液装置1によれば、ポンプを用いて一時的に原液槽4に供給液Lを供給するか或いは供給液Lで満たし原液槽4をサイフォン管10よりも高い位置に設置すれば、ポンプ等の動力源を用いることなく供給液Lを栽培槽2に自動的に断続給液することができる。
更に、供給液Lの断続供給間隔を短く設定すれば、連続給液と同等な供給液Lの供給効果を得ることができる。逆に、栽培槽2に供給液Lと空気とを交互に断続供給することができる。このため、栽培槽2において、供給液Lの層と空気層に満ちた良好な環境を創出することができる。
加えて、農業用給液装置1によれば、供給液Lの水位差を利用した連続給液とサイフォン現象を利用した断続給液とを併用することによって、定量的な供給液Lの給液を行うことができる。この結果、供給液Lを節約することが可能である。このため、特に多段式の栽培槽2に対して供給液Lを供給する場合には、供給液Lの給液量を低減させることによって栽培槽2を支える架台への供給液Lによる重量負荷を小さくすることができる。
また、農業用給液装置1によれば、サイフォン管10に切れ目10Aを設けることによって、サイフォン現象を確実に終了させることができる。すなわち、サイフォン現象の停止と再開とを良好に切換えて繰り返すことができる。
(変形例)
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
例えば、上面を開放させた器型の容器を調節容器5として用いることもできる。但し、上面を閉塞した容器を調節容器5とすれば調節容器5への異物の混入を防ぐことができる。
図8は、図1に示す調節容器5の変形例を示す構成図である。
図8に示すように、上面を閉塞した調節容器5に内外を貫通する通気孔20を任意の数だけ設けることもできる。この通気孔20によって、調節容器5内の圧力を大気圧と同じにすることができる。この場合、通気孔20は、サイフォン管10の最高地点よりも十分に高い位置に設けられる。通気孔20のサイズは、空気を通すことができるサイズであればよい。このため、調節容器5に通気孔20を設ければ、調節容器5に供給管8を挿入するための管挿入孔9を小さくすることができる。例えば、調節容器5と供給管8とを密着させることもできる。これにより、管挿入孔9からの供給液Lの漏れや供給管8の脱落を防止することができる。
また、サイフォン管10の数や配置についても種々の変形が可能である。例えば、単一の調節容器5に複数のサイフォン管10を設けてもよい。また、サイフォン管10の入口が調節容器5内において供給液Lの液面に接触可能であればよい。従って、調節容器5内に入口を有し、調節容器5外に出口を有するサイフォン管を農業用給液装置1に設けてもよい。具体例としては、サイフォン管10の入口部分のみを調節容器5内に挿入する構成とすることができる。
一方、サイフォン管10の出口については、給液管6と連結せずに、サイフォン管10の出口から直接栽培槽2に供給液Lを供給するようにしてもよい。但し、サイフォン管10の出口をヘッダー管6Aを介して給液管6と連結すれば、供給液Lを複数箇所に均一に散布することができる。
更に、原液槽4から調節容器5内への供給液Lの供給やサイフォン現象の始動のために、ポンプを用いてもよい。この場合、ポンプを一時的又は断続的に作動させれば、栽培槽への供給液Lの断続給液を行うことができる。このため、栽培槽への供給液Lの連続給液を行う場合や、サイフォン現象を利用せずに断続給液を行う場合に比べて、ポンプの消費電力を低減させることができる。
1 農業用給液装置
2 栽培槽
3 植物
4 原液槽
5 調節容器
6 給液管
6A ヘッダー管
6B 貫通スリット
6C 供給孔
7 供給本管
8 供給管
9 管挿入孔
10 サイフォン管
10A 切れ目
11 固定材
20 通気孔
L 供給液
本発明の実施形態に係る農業用給液装置は、植物への供給液を貯留するための容器及びサイフォン管を備える。サイフォン管は、前記容器内に入口を有し、前記容器外に出口を有する。更に、容器の内部においてサイフォン管の最高地点よりも出口側に切れ目を設けた。
また、本発明の実施形態に係る農業用給液方法は、容器に植物への供給液を連続供給するステップと、前記容器内に入口を有し、前記容器外に出口を有するサイフォン管であって前記容器の内部において最高地点よりも出口側に切れ目を設けたサイフォン管を用いて前記供給液を前記植物の栽培槽に断続給液するステップを有する。

Claims (6)

  1. 植物への供給液を貯留するための容器と、
    前記容器内に入口を有し、前記容器外に出口を有するサイフォン管と、
    を備える農業用給液装置。
  2. 前記サイフォン管の最高地点よりも出口側に切れ目を設けた請求項1記載の農業用給液装置。
  3. 前記サイフォン管の出口と連結し、前記サイフォン管の出口から空気を流入させるための通気用空隙及び前記植物の栽培槽に前記供給液を供給するための供給孔を設けた給液管を更に備える請求項1記載の農業用給液装置。
  4. 容器に植物への供給液を連続供給するステップと、
    前記容器内に入口を有し、前記容器外に出口を有するサイフォン管を用いて前記供給液を前記植物の栽培槽に断続給液するステップと、
    を有する農業用給液方法。
  5. 前記供給液の水位差及び前記供給液に作用する重力を利用して前記供給液を前記容器に連続供給する請求項4記載の農業用給液方法。
  6. 前記栽培槽への前記供給液の供給期間及び供給間隔の少なくとも一方が所望の時間となるように、前記容器に供給するための前記供給液を貯留するタンク内における前記供給液の液面の高さ、前記容器の高さ、前記容器に前記供給液を供給する供給管の管径、前記サイフォン管の管径、前記サイフォン管の最高地点の高さ及び前記サイフォン管の入口と出口間における高低差の少なくとも1つを調節するステップを更に有する請求項4記載の農業用給液方法。
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