JP2019170225A - エンドリボヌクレアーゼ、およびその阻害物質 - Google Patents

エンドリボヌクレアーゼ、およびその阻害物質 Download PDF

Info

Publication number
JP2019170225A
JP2019170225A JP2018061354A JP2018061354A JP2019170225A JP 2019170225 A JP2019170225 A JP 2019170225A JP 2018061354 A JP2018061354 A JP 2018061354A JP 2018061354 A JP2018061354 A JP 2018061354A JP 2019170225 A JP2019170225 A JP 2019170225A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endoribonuclease
sequence
seq
amino acid
rna
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018061354A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019170225A5 (ja
Inventor
龍樹 宮本
Tatsuki MIYAMOTO
龍樹 宮本
亜紀子 横田
Akiko Yokota
亜紀子 横田
悠里 大田
Yuri Ota
悠里 大田
尚宏 野田
Naohiro Noda
尚宏 野田
常田 聡
Satoshi Tokida
聡 常田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2018061354A priority Critical patent/JP2019170225A/ja
Publication of JP2019170225A publication Critical patent/JP2019170225A/ja
Publication of JP2019170225A5 publication Critical patent/JP2019170225A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】エンドリボヌクレアーゼと、結合により前記活性を抑制する阻害物質等を提供する。【解決手段】特定な配列からなるアミノ酸配列、または該配列において0〜10個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列で示されるエンドリボヌクレアーゼである。RNAに含まれる5’−UGG−3’配列を認識し、当該配列の1番目の塩基の3’側のリン酸ジエステル結合を加水分解する。一本鎖RNAにこのエンドリボヌクレアーゼを作用させるとRNAの所定配列を認識して分解するが、このエンドリボヌクレアーゼに阻害物質を結合すると前記分解が停止する。【選択図】なし

Description

本発明は、エンドリボヌクレアーゼ、前記エンドリボヌクレアーゼに結合して前記エンドリボヌクレアーゼ活性を抑制する阻害物質、前記エンドリボヌクレアーゼまたは阻害物質をコードする遺伝子を含む核酸、RNA分解物の製造方法、および細胞制御方法に関する。
微生物の中には、環境ストレス条件下でDNA複製反応やタンパク質合成反応を抑制し、自らの増殖を抑えるトキシン−アンチトキシン機構(TA機構)を有するものがある。通常、アンチトキシンがトキシンの発現あるいは機能を抑制しているが、細胞環境の変化等によってアンチトキシンが減少するとトキシンが活性化する。活性化したトキシンは微生物の増殖を阻害し、場合によっては細胞死を引き起こす。TA機構は、アンチトキシンの中和メカニズムに基づきI型からVI型に分類され、II型は、トキシンとアンチトキシンとが共にタンパク質であり,トキシン−アンチトキシン複合体を形成するものである。TA機構では、アンチトキシン遺伝子とトキシン遺伝子とが共通のプロモーターで制御されるオペロンを構成することが多い。翻訳されたアンチトキシンタンパクにトキシンタンパクが結合して複合体を構成し、これによってトキシンの活性が抑制される(非特許文献1)。一方、ストレスなどによって細胞内プロテアーゼが活性化するとアンチトキシンが分解され、トキシンが遊離すると、トキシンによる増殖抑制機能が発揮される。トキシンによる増殖抑制機構としては、DNAgyraseの阻害による複製の抑制、mRNAの開裂、リボソーム伸長因子やグルタミル−tRNA合成酵素(GltX)の不活性化による翻訳抑制がある。
II型トキシンの多くはエンドリボヌクレアーゼとして機能し、このようなトキシンとしてMazFがある。種々の原核生物のゲノムやプラスミドに多くのMazFホモログがあり、これらのRNA開裂様式は、MazFの認識部位の長さ、認識配列によって異なり、多様である。MazFのエンドリボヌクレアーゼとしての機能を解明すべく、超並列的シークエンシング解析を用いて切断特異性を同定する方法が開発されている(非特許文献2)。これは、多様な配列を含む人工的に合成したRNA鎖にMazFを作用させ、開裂断片の末端配列からMazFの認識配列を同定するものである。この方法で分析したところ、Escherichia coliのMazFにはACAを認識するものがあり、Pseudomonas putidaのMazFにはUACを認識するものがあるという。
また、データバンクにあるDNA情報を所定のパラメーターを用いて検索し、TA遺伝子を検出する方法(RASTA−Bacteria)がある(非特許文献3)。RASTA−Bacteriaによれば、自動化された方法で、アノテーションがなされている遺伝子に限定されず、原核生物ゲノム中のTA遺伝子座を迅速かつ確実に同定することができるという。RASTA−Bacteriaの結果、Nitorosomonas europaea(以下、N.europaeaとも称する)は、mazEF、relBE、vapBC、higBAなど多くのTA機構を有するという。また、II型トキシン―アンシトキシン遺伝子座の包括的情報を提供する統合データベースであるTADB(非特許文献4)や、BLASTPとTBLASTNのアルゴリズムを用いて原核生物のTA遺伝子を調査した研究(非特許文献5)においても、N.europaeaは、多くのTA機構を有することが示されている。
ニトロソモナス属(Nitorosomonas)は、アンモニアを亜硝酸に酸化することでエネルギーを獲得する硝化細菌であり、主に土壌や水中に生息する独立栄養細菌である。温度、アンモニア濃度、pH、窒素濃度などの環境変化に敏感に順応し、ストレス応答性遺伝モジュールであるTA機構を多数保有していると考えられる。N.europaeaのTA機構を調べたところ、NE1181遺伝子のMazF(以下、MazFNE1181と称す)とNE1182遺伝子のMazE(以下、MazENE1182と称す)とがTA機構を構成し、MazFNE1181はエンドリボヌクレアーゼ活性を有し、その活性は、MazENE1182の添加により阻害されるという(非特許文献6)。更に、MazFNE1181のエンドリボヌクレアーゼ活性は、RNAのAAU配列を認識して開裂する、という。
このような特定配列を認識して切断できるエンドリボヌクレアーゼの利用例は多い。例えば、一本鎖RNAを配列特異的に切断するエンドリボヌクレアーゼをmRNAに作用させて一本鎖mRNAの分解物を製造する方法がある(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。特許文献1記載のエンドリボヌクレアーゼは、パイロコッカス・ホリコシイ(Pyrococcus horikoshii)のPH1182遺伝子にコードされるポリペプチドであり、RNA中に5’−UGG−3’、5’−UUG−3’、5’−UGA−3’、5’−AGG−3’、5’−AAG−3’の配列が存在した場合、これら配列の1番目の残基の3’側のリン酸ジエステル結合を加水分解するという。また、特許文献2記載のエンドリボヌクレアーゼは、NE1181遺伝子にコードされるポリペプチドであり、5’−GAAU−3’、5’−AAAU−3’配列の2番目のA残基の5’側または3’側のリン酸ジエステル結合を加水分解するという。また、特許文献3記載のエンドリボヌクレアーゼは、Deinococcus・radiodurans DR0662、Mycobacterium・bovis BCGのMb2014cとホモロジーを有する遺伝子にコードされるポリペプチドであり、RNAの中にUUCCUUU配列が存在した場合、当該配列の2番目のU残基と3番目のC残基間のリン酸ジエステル結合を加水分解し、またはUCCUUの配列が存在した場合、当該配列の1番目のU残基と2番目のC残基間のリン酸ジエステル結合を加水分解するという。
また、エンドリボヌクレアーゼを使用して、異なる組織の形成異常および化生、炎症性状態、自己免疫疾患などの過剰増殖障害患者や細菌感染症患者の症状を緩和する組成物を調製する方法もある(特許文献4)。特許文献4で使用するエンドリボヌクレアーゼは、病原性細菌である結核菌由来のMazFホモログであり、RNA中のUAC配列等を切断してタンパク合成を阻害するという。また、pemI−pemKアディクションモジュールによってコードされる毒素である精製PemKは、RNAの中のUAX(式中、XはC、A、またはUである)配列を認識してRNAを切断するという。
更に、遺伝子クローニングを利用して効率的にタンパク質を製造する方法もある(特許文献5)。宿主内で発現させたい核酸のACA配列を異なる配列に置換し、ACA配列を認識して切断するエンドリボヌクレアーゼ活性を有するMazFとともに共役発現させて、目的タンパク質を製造する方法である。mRNAがACA配列を有するとMazFにより分解され新規の発現が抑制されるが、ACA配列のない目的タンパク質遺伝子のmRNAは切断されず、かつMazFにより他のmRNAが分解されるため、目的タンパク質の発現のみを効率的に行うことができるという。更に、ACA配列以外を認識するエンドリボヌクレアーゼがあれば、宿主内で発現させたい核酸の配列置換も簡便になる。
また、TA機構を利用する方法もある。プロモーターの制御下に発現するように配置されたトキシンをコードする塩基配列内にクローニングサイトを形成したクローニングベクターを、トキシンに対してアンチトキシンを発現する宿主細胞に導入して培養することを特徴とする、クローニングベクターの増幅方法である(特許文献6)。このベクターを利用すれば、クローニングサイトに所望のDNA断片が導入されなかった形質転換体は、トキシンによって細胞死が引き起こされるため生存している細胞には必ず目的の遺伝子が導入されるという。
特許第4889647号公報 特許第4974891号公報 国際公開第2007/013265号 特開2011−46727号公報 特許第4895291号公報 国際公開第2014/46111号
Rebecca Page et al., "Toxin-antitoxin systems in bacterial growth arrest and persistence", Nature Chemical Biology Vol. 12, p208-214 (2016) Tatsuki Miyamoto1 et al., "Characterization of MazF-Mediated Sequence-Specific RNA Cleavage in Pseudomonas putida Using Massive Parallel Sequencing", PLOS ONE | DOI:10.1371/journal.pone.0149494 February 17, (2016) Emeric W Sevin et al., "RASTA-Bacteria: a web-based tool for identifying toxin-antitoxin loci in prokaryotes", Genome Biology, Volume 8, Issue 8, Artile R155, (2007) Yucheng Shao et al., "TADB: A web-based resource for type 2 toxin-antitoxin loci in bacteria and archaea., "Nucleic Acids Research, Vol. 39, pp.606, (2011) Deo Prakash Pandey, et al., "Toxin−antitoxin loci are highly abundant in free-living but lost from host-associated prokaryotes", Nucleic Acids Research (2005), Vol. 33, pp.966 Tatsuki Miyamoto, et al., "AAU-specific RNA Cleavage Mediated by MazF Toxin Endoribonuclease Conserved in Nitorosomonas europaea", Toxins (2016),8 174
二本鎖DNAの特定の配列を切断する制限酵素は、遺伝子工学分野で広く利用されているが、一本鎖RNAを配列特異的に切断する酵素の種類は少ない。認識配列の異なる新たなエンドリボヌクレアーゼは、単独で使用できるほか、従来のエンドリボヌクレアーゼと併用することができる。特に、3塩基配列あるいはそれ以上の塩基数を特異的に認識して切断するエンドリボヌクレアーゼは、医療分野、環境分野、遺伝子工学やタンパク質工学を含む種々の研究分野に応用される事が期待されている。
また、エンドリボヌクレアーゼが、TA機構を構成するトキシンであれば、アンチトキシンとの組み合わせによって、人為的な環境変化などの操作によってエンドリボヌクレアーゼの活性を調整することができる。したがって、従来のエンドリボヌクレアーゼと異なる新規配列を切断できるトキシンと対応するアンチトキシンとからなるTA機構の開発が望まれる。
加えて、新たな認識部位で切断できるエンドリボヌクレアーゼは、RNA分子の切断技術、RNAの切断を介した細胞制御技術といった遺伝子工学的技術の基盤構築の一助とすることもできる。さらに、このようなエンドリボヌクレアーゼに対するアンチトキシンを同定することで、これらタンパク質間の相互作用をターゲットとする細胞制御技術を構築することができる。
上記現状に鑑み、本発明は、微生物のTA機構を構成するポリペプチドを取得し、その機能を解析することで、従来知られていなかった特定配列を切断するエンドリボヌクレアーゼを提供することを目的とする。また、このエンドリボヌクレアーゼに対応するアンチトキシンを阻害物質として提供することを目的とする。
更に、エンドリボヌクレアーゼの配列特異性を特定し、RNA分解物を製造する方法等を提供することを目的とする。
加えて、前記エンドリボヌクレアーゼや阻害物質を生成できる核酸を提供することを目的とする。
更に、前記エンドリボヌクレアーゼの阻害物質の探索方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、硝化細菌であって汚水処理などにも使用されるN.europaeaを対象にエンドリボヌクレアーゼをスクリーニングしたところ、N.europaeaのALW85 RS04820遺伝子にコードされるポリペプチドが、RNAの特定配列を認識する新規エンドリボヌクレアーゼであること等を見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、配列番号2記載のアミノ酸配列、または該配列において0〜10個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列で示され、RNAに含まれる5’−UGG−3’配列を認識し、当該配列の1番目の残基の3’側のリン酸ジエステル結合を加水分解するエンドリボヌクレアーゼを提供するものである。
また本発明は、配列番号3記載のアミノ酸配列で示されることを特徴とする、前記エンドリボヌクレアーゼを提供するものである。
本発明は、配列番号1記載のDNA配列において0〜100個のDNA塩基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有し、かつ配列番号1記載のDNA配列がコードするポリペプチドと50〜100%のホモロジーを有する、前記エンドリボヌクレアーゼをコードする遺伝子を含む核酸を提供するものである。
また本発明は、前記エンドリボヌクレアーゼと結合し、エンドリボヌクレアーゼ活性を抑制する、阻害物質を提供するものである。
本発明は、配列番号5記載のアミノ酸配列、または該配列において0〜7個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列で示されることを特徴とする、前記阻害物質を提供するものである。
本発明は、配列番号6記載のアミノ酸配列で示される、前記阻害物質を提供するものである。
本発明は、配列番号4記載のDNA配列において0〜100個のDNA塩基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有し、かつ配列番号4記載のDNA配列がコードするポリペプチドと50〜100%のホモロジーを有する、前記阻害物質をコードする遺伝子を含む核酸を提供するものである。
本発明は、一本鎖RNAに前記エンドリボヌクレアーゼを作用させてRNAを分解することを特徴とする、RNA分解物の製造方法を提供するものである。
本発明は、前記エンドリボヌクレアーゼに、前記阻害物質を結合させて前記RNA分解を停止することを特徴とする、前記RNA分解物の製造方法を提供するものである。
本発明は、前記エンドリボヌクレアーゼを、環状ベクターを用いて原核細胞および/または真核細胞で発現させ、前記エンドリボヌクレアーゼによる細胞内RNA分解反応を促進させ、細胞の増殖を阻害することを特徴とする、細胞制御方法を提供するものである。
本発明は、前記エンドリボヌクレアーゼおよび前記阻害物質を、環状ベクターを用いて原核細胞および/または真核細胞で共に発現させ、細胞の増殖阻害を停止することを特徴とする、細胞制御方法を提供するものである。
本発明によれば、RNAに含まれる5’−UGG−3’の配列を認識し、当該配列の1番目の残基の3’側のリン酸ジエステル結合を優先的に開裂し、5’末端が5’−GG−3’のRNA分解物を製造するエンドリボヌクレアーゼが提供される。
ネイティブMazFのDNA配列(配列番号1)とそのアミノ酸配列(配列番号2)と、本発明のエンドリボヌクレアーゼのDNA配列(配列番号7)とそのアミノ酸配列(配列番号3)との関係を説明する図である。 ネイティブMazEのDNA配列(配列番号4)とアミノ酸配列(配列番号5)と、本発明の阻害物質のDNA配列(配列番号8)とそのアミノ酸配列(配列番号6)との関係を説明する図である。 実施例3の結果を示す図であり、エンドリボヌクレアーゼMazFの活性と、阻害物質MazEによるエンドリボヌクレアーゼ活性の抑制を示す図である。 実施例4における、超並列的シークエンシング解析の結果を示す図である。 実施例5の開裂配列の特異性の結果を示す図である。図5(A)は、基質として蛍光修飾オリゴヌクレオチドDR−13−UGGを、図5(B)は同DR−13−UGCを、図5(C)は同DR−13−UGUを、図5(D)は同DR−13−UGAを使用した場合の結果である。エンドリボヌクレアーゼMazFは、RNAの5’−UGG−3’配列を特に強く開裂するが、5’−UGC−3’、5’−UGU−3’、5’−UGA−3’は同じ実験条件ではほとんど開裂しなかった。なお、前記エンドリボヌクレアーゼ活性は、阻害物質MazEによって阻害された。
(1)エンドリボヌクレアーゼ
本発明の第一は、RNAに含まれる5’−UGG−3’配列を認識し、当該配列の1番目の残基の3’側のリン酸ジエステル結合を加水分解するエンドリボヌクレアーゼである。
TA機構を有する微生物として、N.europaeaがある。汚水処理などにも使用される硝化細菌であり、温度、アンモニア濃度、pH、亜硝酸濃度などの環境変化に敏感に応答する微生物である。特許文献2は、N.europaeaのNE1181遺伝子にコードされるポリペプチドであって、一本鎖RNAの開裂部位を「/」で示すと、5’−GA/AU−3’、5’−AA/AU−3’配列で分解することを開示する。N.europaeaの環境順応性に鑑みて、ストレス応答性遺伝モジュールであるTA機構を更に保有する可能性がある。N.europaeaのTA機構を調査したところ、II型TA機構のPemK/MazFファミリーを構成するトキシンとして、locus_tag=ALW85_RS04820で特定される遺伝子(以下、’820遺伝子と称する)があり、対応するアンチトキシン遺伝子としてlocus_tag=ALW85_RS04825(以下、’825遺伝子と称する)が存在した。驚いたことに、このDNA配列で特定されるペプチドがエンドリボヌクレアーゼ活性を有すること、および認識部位はRNAに含まれる5’−UGG−3’配列であることが判明した。’820遺伝子のDNA配列を配列番号1に、その翻訳ポリペプチド(以下、ネイティブMazFと称す)のアミノ酸配列を配列番号2に示す。ネイティブMazFは、一本鎖RNAに含まれる5’−UGG−3’配列を認識し、5’末端が5’−GG−3’のRNA分解物を生成する。
本発明のエンドリボヌクレアーゼは、ネイティブMazF(配列番号2)と同じアミノ酸配列で構成されるものであってもよく、この配列、すなわち配列番号1の開始コドンGTGから終止コドンTAAに対応するポリペプチドにおいて0〜10個、好ましくは0〜8個、より好ましくは0〜5個、特に好ましくは0〜3個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列で示されるものであってもよい。
ここで、配列番号2記載のアミノ酸配列において0〜10個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列としては、例えば配列番号2記載のポリペプチドに50%〜100%のホモロジーを有するアミノ酸配列、好ましくは70〜100%のホモロジーを有するアミノ酸配列、特に好ましくは90〜100%、特には95〜100%のホモロジーを有するアミノ酸配列が例示される。なお、本発明において、上記ホモロジー比較のための配列間での適切な整列は、例えば、BLASTPアルゴリズムを用いて決定することができる。
更に本発明のエンドリボヌクレアーゼは、エンドリボヌクレアーゼ活性に影響を及ぼさないことを条件に、前記した開始コドンGTGから終止コドンTAAに対応するアミノ酸配列の他に、翻訳の効率を向上させるためのペプチドや、前記ポリペプチドの精製を容易とするためのペプチド(例えばヒスチジン−タグ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、マルトース結合タンパク質等)、シャペロンなど発現効率を向上させるアミノ酸配列を、更に付加するものであってよい。
本発明のエンドリボヌクレアーゼとしては、配列番号3記載のアミノ酸配列であってもよい。配列番号2記載のアミノ酸配列に、更にN末端側およびC末端側に付加配列を有するものである。これら付加配列は、対応するDNAに設けた制限酵素サイト、開始コドン、His−Tag用コドン、終止コドンなどに由来する配列である。
本発明で使用するエンドリボヌクレアーゼの活性は、一本鎖RNAに含まれる5’−UGG−3’配列を認識し、当該配列の1番目の残基の3’側のリン酸ジエステル結合を加水分解して開裂するものである。N.europaeaが発現するトキシンに、上記配列を認識するエンドリボヌクレアーゼは知られていない。しかも、本発明のエンドリボヌクレアーゼ活性について各種配列を調製して評価したところ、後記するように、極めて強く5’−UGG−3’配列を認識して切断することが判明した。この点、RNA中の5’−UGG−3’配列の他、5’−UGA−3’配列その他を認識して切断する特許文献1記載のパイロコッカス・ホリコシイのPH1182遺伝子にコードされるポリペプチドと相違する。なお、本発明のエンドリボヌクレアーゼは、後記実施例に示すようにリボソームの共存なしにエンドリボヌクレアーゼ活性を発現されるためリボソーム非依存性である。
(2)阻害物質
本発明の第二は、前記エンドリボヌクレアーゼと結合し、前記エンドリボヌクレアーゼ活性を抑制する、阻害物質である。
N.europaeaのTA機構を構成する’825遺伝子の翻訳ポリペプチド(以下、ネイティブMazEと称す)を調製し、その活性を評価したところ、前記エンドリボヌクレアーゼのエンドリボヌクレアーゼ活性を抑制することが判明した。’825遺伝子のDNA配列を配列番号4に、その翻訳ペプチドであるネイティブMazEのアミノ酸配列を配列番号5に示す。本発明の阻害物質は、配列番号5に示すネイティブMazEと同じアミノ酸配列で構成されるものであってもよい。更に、前記エンドリボヌクレアーゼと結合してエンドリボヌクレアーゼ活性を抑制することを条件に、この配列、すなわち配列番号4の開始コドンATGから終止コドンTGAに対応するポリペプチドにおいて0〜7個、好ましくは0〜5個、より好ましくは0〜3個、特に好ましくは0〜2個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列で示されるものであってもよい。
ここで、配列番号5記載のアミノ酸配列において0〜7個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列としては、例えば配列番号5記載のポリペプチドに50〜100%のホモロジーを有するアミノ酸配列、好ましくは70〜100%のホモロジーを有するアミノ酸配列、特に好ましくは90〜100%、特には95〜100%のホモロジーを有するアミノ酸配列が例示される。なお、本発明において、上記ホモロジー比較のための配列間での適切な整列は、例えば、BLASTPアルゴリズムを用いて決定することができる。
本発明の阻害物質は、阻害物質活性に影響を及ぼさないことを条件に、前記した開始コドンGTGから終止コドンTAAに対応するアミノ酸の他に、翻訳の効率を向上させるためのペプチドや、前記ポリペプチドの精製を容易とするためのペプチド(例えばヒスチジン−タグ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、マルトース結合タンパク質等)、シャペロンなど発現効率を向上させるアミノ酸配列を付加するものであってもよい。
本発明の阻害物質としては、配列番号6記載のアミノ酸配列であってもよい。配列番号5記載のアミノ酸配列に、更にN末端側およびC末端側に付加配列を有するものである。これら付加配列は、対応するDNAに設けた制限酵素サイト、開始コドン、His−Tag用コドン、終止コドンなどに由来する配列である。
(3)エンドリボヌクレアーゼをコードする遺伝子を含む核酸
本発明で使用するエンドリボヌクレアーゼをコードする遺伝子を含む核酸としては、’820遺伝子、すなわちネイティブMazFのDNA配列(配列番号1)で特定される核酸、または該配列、すなわち配列番号1の開始コドンGTGから終止コドンTGAにおいて1〜100個、好ましくは1〜75個、より好ましくは1〜50個、さらに好ましくは1〜30個、特に好ましくは1〜15個のDNA塩基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するDNAを含む核酸である。
例えば、ネイティブMazFのDNA配列(配列番号1)には、多数の5’−TGG−3’が存在する。このため、この核酸を含むベクターを宿主に導入して形質転換した場合、宿主細胞内で生成するmRNAの5’−UGG−3’配列がエンドリボヌクレアーゼに認識され切断される可能性がある。そこで、mRNAの切断を回避して翻訳効率を高く確保するため、ネイティブMazFのアミノ酸配列(配列番号2)を変えずにトリプレットを変更して5’−UGG−3’配列を低減させ、発現効率を向上させることができる。これにより、例えば、配列番号2で示す本発明のエンドリボヌクレアーゼを形質転換体から効率的に製造することができる。
ここで、配列番号1記載のDNA配列において、1〜100個のDNA塩基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するDNAを含む核酸としては、クエリー配列が核酸で、それをアミノ酸配列に翻訳してから、タンパク質データベースに対して相同性検索を行うアルゴリズム、例えばBLASTXアルゴリズムで相同性を比較した場合に、配列番号1記載のDNA配列がコードするポリペプチドに50〜100%のホモロジーを有するアミノ酸配列をコードするDNA配列、好ましくは70〜100%の、特に好ましくは90〜100%の、特には95〜100%のホモロジーを有するアミノ酸配列をコードするDNA配列が例示される。
更に、本発明で使用するエンドリボヌクレアーゼをコードする遺伝子を含む核酸としては、本発明のエンドリボヌクレアーゼを構成するポリペプチド、すなわち、配列番号1の開始コドンGTGから終止コドンTAAに対応するポリペプチドにおいて0〜10個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列に対応するDNA配列に対して、当該DNA配列で特定される核酸の1〜100個、好ましくは1〜75個、より好ましくは1〜50個、さらに好ましくは1〜30個、特に好ましくは1〜15個のDNA塩基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するDNAを含む核酸であってもよい。上記したように、宿主細胞内で生成するmRNAの5’−UGG−3’配列がエンドリボヌクレアーゼに認識され切断される可能性があるため、エンドリボヌクレアーゼのアミノ酸配列を変えずにトリプレットを変更して5’−UGG−3’配列を低減させ、発現効率を向上させることができる。これにより、配列番号2以外のエンドリボヌクレアーゼを形質転換体から効率的に製造することができる。
なお、本発明で使用するエンドリボヌクレアーゼをコードする遺伝子を含む核酸は、上記の他、更に、この遺伝子を組み込んだ発現ベクターの調製や発現産物の精製を容易にするため、制限酵素に対応するDNA配列やヒスチジン−タグなどのペプチド配列に対応するDNA配列などを付加するものであってもよい。
このような核酸として、配列番号7に示す核酸がある。配列番号7では、配列番号1に示すDNA配列の5’末端側にクローニングのための制限酵素サイトを付加し、3’末端側に、クローニングのための制限酵素サイト、ヒスチジンタグ用コドン等を付加している。
配列番号7に示す核酸は、以下の方法で作成することができる。例えば、データベースNCBI等を使用し、’820遺伝子のDNA配列(配列番号1)と、この配列によって翻訳されるタンパク質のアミノ酸配列(配列番号2)とを入手する。発現ベクターへの組み込みに適するように、配列番号1の5’末端側に制限酵素NdeIの配列を付加し、3’末端側に制限酵素XhoIの配列とヒスチジンタグ用コドンと終止コドンとを付加する。更に、ネイティブMazFのアミノ酸配列(配列番号2)のアミノ酸を変えずに配列番号1のトリプレットを変更して、宿主のコドン使用頻度等を考慮して最適化するとともに、5’−UGG−3’配列を低減させ、発現効率を向上させる。このような核酸は、DNAの化学的合成によって製造することができる。
本発明のエンドリボヌクレアーゼをコードする遺伝子を含む核酸のDNA配列(配列番号7)とその翻訳ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号3)、ネイティブMazFのDNA配列(配列番号1)とその翻訳ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)との関係を図1に示す。
(4)阻害物質をコードする遺伝子を含む核酸
本発明の阻害物質をコードする遺伝子を含む核酸としては、’825遺伝子、すなわちネイティブMazEのDNA配列(配列番号4)で特定される核酸であってもよく、または該配列、すなわち配列番号4の開始コドンATGから終止コドンTGAにおいて1〜100個、好ましくは1〜70個、より好ましくは1〜45個、さらに好ましくは1〜20個、特に好ましくは1〜10個のDNA塩基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するDNAを含む核酸である。
ここで、配列番号4記載のDNA配列において、1〜100個のDNA塩基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するDNAを含む核酸としては、クエリー配列が核酸で、それをアミノ酸配列に翻訳してから、タンパク質データベースに対して相同性検索を行うアルゴリズム、例えばBLASTXアルゴリズムで相同性を比較した場合に、配列番号4記載のDNA配列がコードするポリペプチドに50〜100%のホモロジーを有するアミノ酸配列をコードするDNA配列、好ましくは70〜100%の、特に好ましくは90〜100%の、特には95〜100%のホモロジーを有するアミノ酸配列をコードするDNA配列が例示される。
更に、本発明で使用する阻害物質をコードする遺伝子を含む核酸としては、本発明の阻害物質を構成するポリペプチド、すなわち、すなわち配列番号4の開始コドンATGから終止コドンTGAに対応するポリペプチドにおいて0〜7個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列に対応するDNA配列に対して、当該DNA配列で特定される核酸の1〜100個、好ましくは1〜70個、より好ましくは1〜45個、さらに好ましくは1〜25個、特に好ましくは1〜10個のDNA塩基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するDNAを含む核酸であってもよい。例えば、阻害物質のアミノ酸配列を変えずにトリプレットを変更することで発現効率を向上させ、本発明の阻害物質を形質転換体から効率的に製造することも可能である。
更に、本発明で使用する阻害物質をコードする遺伝子を含む核酸は、上記の他、この遺伝子を組み込んだ発現ベクターの調製や発現産物の精製を容易にするため、制限酵素に対応するDNA配列やヒスチジン−タグなどのペプチド配列に対応するDNA配列などを付加するものであってもよい。
このような阻害物質をコードする核酸として、配列番号8記載のDNA配列がある。配列番号8は、ネイティブMazEのアミノ酸配列(配列番号5)のアミノ酸を変えずに配列番号4で示すトリプレットを変更して発現効率を向上させ、更に、配列番号4に示すDNA配列の5’末端側にクローニングのための制限酵素サイトを付加し、3’末端側に、クローニングのための制限酵素サイト、His−Tag用コドン等を付加している。
配列番号8に示す核酸は、以下の方法で作成することができる。例えば、データベースNCBI等を使用し、’825遺伝子のDNA配列(配列番号4)と、この配列によって翻訳されるタンパク質のアミノ酸配列(配列番号5)とを入手する。発現ベクターへの組み込みに適するように、配列番号4の5’末端側に制限酵素NdeIとBamHIの配列を付加し、3’末端側に制限酵素XhoIの配列とヒスチジンタグ用コドンと終止コドンとを付加する。更に、ネイティブMazE(配列番号5)のアミノ酸を変えずにトリプレットを変更して発現効率を向上させる。このような核酸は、DNAの化学的合成によって製造することができる。
本発明の阻害物質をコードする核酸のDNA配列(配列番号8)とその翻訳ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号6)、ネイティブMazEのDNA配列(配列番号4)とその翻訳ポリペプチドのアミノ酸配列(配列番号5)との関係を図2に示す。
本発明のエンドリボヌクレアーゼは、配列番号7に示す核酸を適切な発現ベクターに組み込み、組み換えプラスミドを用いて大腸菌BL21(DE3)株等を形質転換し、宿主内でタンパク発現を誘導し、宿主大腸菌を破砕後、沈殿法(硫安塩析等)による分画、各種のクロマトグラフィー(イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー)等、あるいはこれらの組み合わせにより精製することで、調製できる。
形質転換に供試される宿主には特段の限定はなく、例えば、大腸菌、枯草菌、酵母、糸状菌、植物、動物、植物培養細胞、動物培養細胞等、組換えDNAの分野で通常使用されている宿主が挙げられる。
本発明のエンドリボヌクレアーゼをコードする核酸として配列番号7で示す核酸を使用すると、前記ポリペプチドの精製を容易とするためのペプチド配列が付加されているため、精製が容易となる。付加されたペプチドに応じた精製手法、例えば、ヒスチジン−タグに対しては金属キレート樹脂を、グルタチオン−S−トランスフェラーゼに対してはグルタチオン固定化樹脂を、それぞれ使用することにより、高純度なポリペプチドを簡便な操作により得ることができる。
本発明の阻害物質は、配列番号8に示すDNAを適切な発現ベクターに組み込み、組み換えプラスミドを用いて大腸菌BL21(DE3)株等を形質転換し、宿主内でタンパク発現を誘導し、その宿主大腸菌を破砕後、前記エンドリボヌクレアーゼと同様に精製すればよい。形質転換に供試される宿主には特段の限定はなく、例えば、大腸菌、枯草菌、酵母、糸状菌、植物、動物、植物培養細胞、動物培養細胞等、組換えDNAの分野で通常使用されている宿主が挙げられる。
本発明の阻害物質をコードする核酸として配列番号8で示すDNAを使用すると、前記ポリペプチドの精製を容易とするためのペプチド配列が付加されているため、精製が容易となる。付加されたペプチドに応じた精製手法、例えば、ヒスチジン−タグに対しては金属キレート樹脂を、グルタチオン−S−トランスフェラーゼに対してはグルタチオン固定化樹脂を、それぞれ使用することにより、高純度なポリペプチドを容易な操作で得ることができる。
(5)エンドリボヌクレアーゼの認識配列
本発明のエンドリボヌクレアーゼのエンドリボヌクレアーゼ活性は、例えば人工的に合成したRNAに本発明のエンドリボヌクレアーゼを作用させ、より小分子の分解物を生成するかを確認することで評価することができる。エンドリボヌクレアーゼとして作用する場合、RNAの認識配列や切断位置などは、非特許文献2に記載される超並列的シークエンシング解析などを利用して確認することができる。
例えば、本発明のエンドリボヌクレアーゼで、配列が明確な人工的に合成したRNAを基質として分解させ、RNA分解物を得る。RNA分解物の5’末端の配列は、本発明のエンドリボヌクレアーゼの切断部位に相当する。このRNA分解物の5’末端側にバーコード配列を付加し、バーコード付加RNA分解物とする。バーコード配列の3’末端の次の塩基が、RNA分解物の5’末端となっている。バーコード配列の3’末端以降の塩基配列を読み取ることで、RNA分解物の5’末端配列を特定することができる。ついで、基質として使用した合成RNAの配列に重ねて、バーコード配列が5’末端側となるようにRNA分解物を整列させる。これにより、RNA分解物の5’末端前後の配列を特定することができる。これにより、エンドリボヌクレアーゼのRNAの認識部位と切断部位を特定することができる。
上記解析の結果、本発明のエンドリボヌクレアーゼは、RNAを基質とし、5’−UGG−3’配列を認識して切断することが判明した。RNAには、m−RNA(メッセンジャーRNA)、t−RNA(トランスファーRNA)、r−RNA(リボソームRNA)、ncRNA(ノンコーディングRNA)、触媒として作用するリボザイム、dsRNA(二重鎖RNA)などがある。本発明のエンドリボヌクレアーゼは、これら上記RNAの一本鎖領域に対してエンドリボヌクレアーゼとして作用する。
(6)RNA分解物の製造方法
本発明では、RNAを基質として、エンドリボヌクレアーゼを作用させてRNA分解物を製造する。基質のRNAとしては、塩基構成としてリボヌクレオチドを含有する核酸であり、リボヌクレオチドの3’側のリン酸ジエステル結合を加水分解することができる。本発明のエンドリボヌクレアーゼの基質としては、少なくとも1分子のリボヌクレオチドを有する核酸であればよく、例えばRNA、デオキシリボヌクレオチドを含有するRNA、リボヌクレオチドを含有するDNA等が例示されるが、これらに限定されるものではない。本発明のエンドリボヌクレアーゼの作用を阻害しない範囲で通常の核酸中に含有されているものとは異なるヌクレオチド、例えばデオキシイノシン、デオキシウリジン、ヒドロキシメチルデオキシウリジン等を含有していてもよい。
本発明のエンドリボヌクレアーゼを一本鎖RNAに作用させると、RNAの5’−UGG−3’配列を認識して、当該配列の1番目の残基の3’側のリン酸ジエステル結合を加水分解するため、5’末端がGG−のRNA分解物を製造することができる。しかも、5’−UGC−3’、5’−UGU−3’、5’−UGA−3’を認識して強く切断するものではないため、高い特異性で5’−UGG−3’配列を切断することができる。
本発明のエンドリボヌクレアーゼの至適温度は37℃付近、至適pHは中性付近である。
本発明のエンドリボヌクレアーゼは、TA機構のPemK/MazFファミリーを構成する’820遺伝子に由来するトキシンであり、阻害物質は、’825遺伝子に由来するアンチトキシンである。TA機構では、トキシンにアンチトキシンが結合して複合体を形成するとトキシンの作用が抑制され、アンチトキシンの分解によってトキシンが遊離するとトキシンの作用が発揮される。本発明のエンドリボヌクレアーゼと阻害物質も、典型的なTA機構と同様の相互作用を有し、阻害物質が本発明のエンドリボヌクレアーゼと結合するとエンドリボヌクレアーゼ活性が抑制される。したがって、RNAに本発明のエンドリボヌクレアーゼを作用させてRNA分解物を調製する反応系に阻害物質を添加すると、本発明のエンドリボヌクレアーゼと阻害物質とが結合し、本発明のエンドリボヌクレアーゼの活性を停止させることができる。
(7)探索方法
本発明のエンドリボヌクレアーゼの阻害物質の探索方法は、一本鎖RNAに本発明のエンドリボヌクレアーゼを作用させてRNAを分解し、この反応系にポリペプチドXを添加して前記エンドリボヌクレアーゼと結合させ、前記エンドリボヌクレアーゼによるRNAの分解反応が抑制された場合に、このポリペプチドXを前記エンドリボヌクレアーゼの阻害物質と評価することを特徴とする。
微生物のTA機構を構成するトキシンには、エンドリボヌクレアーゼ活性を有するものが多く、TA機構の解析は、新たなエンドリボヌクレアーゼ開発の一助となる。特に、新たな活性を有するトキシンを見出した場合に、対応するアンチトキシンを見出すことができれば、前記トキシンに対する阻害物質として使用することができる。本発明では、エンドリボヌクレアーゼの活性を阻害する物質として上記した阻害物質が存在するが、これ以外にエンドリボヌクレアーゼの作用を抑制する物質が存在する可能性がある。このような阻害物質は、エンドリボヌクレアーゼとの新たな組み合わせとなる。具体的には、本発明のエンドリボヌクレアーゼを、配列が明確な合成RNAに作用させ、RNA分解量や分解速度などのエンドリボヌクレアーゼ活性を評価する。次いで、評価対象ペプチドであるポリペプチドXを前記反応系に添加する。ポリペプチドXがエンドリボヌクレアーゼに対して何らかの相互作用を発揮すると、エンドリボヌクレアーゼによるRNA分解量や分解速度などが変動する。このような変動を観察することで、ポリペプチドXが本発明のエンドリボヌクレアーゼの阻害物質であるかを評価することができる。ポリペプチドXが阻害物質である場合には、RNA分解活性が抑制される。
(8)細胞制御方法
本発明のエンドリボヌクレアーゼを、プラスミドベクター、ウイルスベクター、その他の環状ベクターを用いて原核細胞や真核細胞で発現させると、RNAの5’−UGG−3’配列が切断される。したがって、当該配列を含む転写産物は本発明のエンドリボヌクレアーゼにより分解され、その翻訳が阻害されるため細胞の増殖を制御することができる。また、翻訳阻害の結果、細胞の増殖抑制、場合によっては細胞死を誘起することができる。阻害物質を同様の手法を用いて共発現させた際は、トキシンエンドリボヌクレアーゼとアンチトキシンが結合して複合体を形成することでトキシンの作用が抑制され、細胞の増殖抑制を制御することが出来る。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1:エンドリボヌクレアーゼの調製
配列番号1のDNA配列において対応するアミノ酸を変えずにトリプレットを変更し、5’末端側にクローニングのための制限酵素サイトを付加し、3’末端側に、クローニングのための制限酵素サイト、ヒスチジンタグ用コドン等を付加した配列番号7を設計し、その遺伝子合成と発現ベクターpET24aへの挿入をGenscript社に依頼した。このようにして入手した配列番号7が組み込まれた発現用プラスミドpET24aを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
形質転換した大腸菌BL21(DE3)株を20μg/mlのカナマイシンを含む1LのLB培地中、37℃で培養し、IPTGを終濃度1mMになるように添加して発現を誘導した。誘導開始3.5時間後に培養を終了し、菌体を遠心分離により回収した。菌体をバインディングバッファー(20mM リン酸バッファー、40mM イミダゾール、300mM NaCl、5mM β-メルカプトエタノール、pH8.0)にて懸濁した後、菌体をHandy Sonic UR−20P(トミーセイコ製)で15分間超音波破砕し、7,000g、15分遠心分離した。上清を0.45μmのメンブランフィルター(Millex製)でろ過した。AKTA pure 25(GEヘルスケア製)を使用して、1mLのHis−Trap FF crudeカラム(GEヘルスケア製)へろ過済みの上清をアプライした。非特異タンパクをカラム55倍容のバインディングバッファーで洗浄、除去し、目的タンパク質を、イミダゾール濃度を漸増させて抽出した。その一部をSDS−PAGEに供して予想されるサイズのタンパク質の存在を確認した。得られたタンパクをエンドリボヌクレアーゼとする。エンドリボヌクレアーゼをMazFと称し、そのアミノ酸配列を配列番号3に示す。
実施例2:阻害物質の調製
配列番号4のDNA配列において対応するアミノ酸を変えずにトリプレットを変更し、5’末端側にクローニングのための制限酵素サイトを付加し、3’末端側に、クローニングのための制限酵素サイト、ヒスチジンタグ用コドン等を付加した配列番号8を設計し、その遺伝子合成と発現ベクターpET24aへの挿入をGenscript社に依頼した。このようにして入手した配列番号8が組み込まれた発現用プラスミドpET24aを用いて大腸菌BL21(DE3)株を形質転換した。
形質転換した大腸菌BL21(DE3)株を20μg/mlのカナマイシンを含む1LのLB培地中、37℃で培養し、IPTGを終濃度1mMになるように添加して発現を誘導した。誘導開始3.5時間後に培養を終了し、菌体を遠心分離により回収した。菌体をバインディングバッファー(20mM リン酸バッファー、40mM イミダゾール、300mM NaCl、5mM β-メルカプトエタノール、pH8.0)にて懸濁した後、菌体をHandy Sonic UR−20P(トミーセイコ製)で15分間超音波破砕し、7,000g、15分遠心分離した。上清を0.45μmのメンブランフィルター(Millex製)でろ過した。AKTA pure 25(GEヘルスケア製)を使用して、1mLのHis−Trap FF crudeカラム(GEヘルスケア製)へろ過済みの上清をアプライした。非特異タンパクをカラム40倍容のバインディングバッファーで洗浄、除去し、目的タンパク質を、イミダゾール濃度を漸増させて抽出した。その一部をSDS−PAGEに供して予想されるサイズのタンパク質の存在を確認した。得られたタンパクを阻害物質とする。阻害物質をMazEと称し、そのアミノ酸配列を配列番号6に示す。
実施例3:エンドリボヌクレアーゼ活性
基質として、配列番号9に示す人工RNA(500−2)を調製し、100ngの人工RNA(500−2)、1pmolの実施例1で調製したエンドリボヌクレアーゼMazF、MazFリアクションバッファー(20mM Tris-HCl(pH8.0)、1mM ジチオトレイトール、0.01%(v/v) Triton X-100、Recombinant Rnase Inhibitor(TAKARA) 4U)を含む反応液を、37℃で90分間インキュベートした。また、エンドリボヌクレアーゼMazFの添加量1pmolを、3pmol、10pmolに代えて同様に操作した。更に、エンドリボヌクレアーゼMazF添加量を1pmolから10pmolに代え、更に実施例2で調製した阻害物質MazE50pmolを添加して同様に操作した。反応後RNAを精製し、95℃で5分間熱変性を行い、10%変性アクリルアミドゲル(10%アクリルアミド、1×TBE、7M 尿素、0.05%(w/v)過硫酸アンモニウム、0.1%(v/v)N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン)に供した。電気泳動後にRNAをSYBR Goldで染色し、バリアブルイメージアナライザー(GEヘルスケア製:Typhoon 9210イメージャー)にて蛍光画像を取得し、解析を行った。結果を図3に示す。人工RNA(500−2)は、エンドリボヌクレアーゼの添加量に依存して切断されることが確認された。また、エンドリボヌクレアーゼMazFに阻害物質MazEを添加すると人工RNA(500−2)の分解物が検出されず、エンドリボヌクレアーゼMazFによるRNA切断活性が阻害物質MazEによって抑制されることが確認された。
実施例4:エンドリボヌクレアーゼの塩基配列特異性の同定−1
配列番号10〜配列番号14で示す配列既知の人工RNA(1000−1:配列番号10)、人工RNA(1000−2:配列番号11)、人工RNA(1000−3:配列番号12)、人工RNA(1000−4:配列番号13)、人工RNA(1000−5:配列番号14)を調製した。上記人工RNA1000−1、1000−2、1000−3、1000−4、1000−5を1pmolずつ混合して基質とした。
MazFリアクションバッファーに上記基質と50ngの実施例1で調製したエンドリボヌクレアーゼMazFを加え、37℃で30分間インキュベートした。得られたRNA分解物を精製キット(ザイモリサーチ製、RNA Clean & Concentrator)を用いて精製して精製RNA分解物を得た。これを、1mMのATPと20UのT4ポリヌクレオチドキナーゼを含むT4ポリヌクレオチドキナーゼバッファー中で37℃、1時間インキュベートし、RNA分解物の5’末端にATPのγ位のリン酸基を添加した。このリン酸基付加RNA分解物を精製キット(ザイモリサーチ製、RNA Clean & Concentrator)を用いて精製した。次いで、精製されたリン酸基付加RNA分解物を、50UのT4RNAリガーゼと125pmolのバーコードRNA(配列番号15)と共に、T4RNAリガーゼバッファー中において、15℃で18時間インキュベートした。次いで、得られたバーコード付加RNA分解物を精製キット(ザイモリサーチ製、RNA Clean & Concentrator)を用いて精製した。NEBNext Ultra RNA Library Prep Kit for Illuminaプロトコル(ニューイングランドバイオラブス)に従ってバーコード付加RNA分解物をcDNAに逆転写した。逆転写産物に対して、末端修復、アダプターライゲーション、エンリッチメントPCRを行い、ライブラリーを調製した。このライブラリーを次世代シーケンサー(Illumina社製、MiSeq 500 cycles reagent kit v2)を使用して、超並列的シークエンシング解析を行った。得られた配列情報を基に、CLC Genomics Workbenchを用いて切断箇所周辺の配列を解析した。得られたリードをリファレンスシーケンスにマッピングし、カバーレッジが上昇した塩基を同定した。これら塩基の周辺配列を抽出し、各ポジションにおける塩基の出現頻度をWeblogoにより可視化した結果、図4に示した通り、本エンドリボヌクレアーゼMazFの認識・切断配列が、5’−U/GG−3’であることが判明した。
実施例5:エンドリボヌクレアーゼの塩基配列特異性の同定−2
表1に示すDNA/RNAのキメラ配列の5’末端に6−carboxyfluorescein(6−FAM)を、3’末端にBlack Hole Quencher(登録商標)1(BHQ−1)を付加した4種類の短鎖オリゴヌクレオチドを使用した。MazFリアクションバッファーに20pmolのDR−13−UGG(配列番号16)と0.568pmolの実施例1で調製したエンドリボヌクレアーゼMazFとを加えた反応液を調製し、トータル20μLとした。比較のために、エンドリボヌクレアーゼMazFに代えて一本鎖RNAのピリミジン残基を切断するリボヌクレアーゼA(ノバジェン製)を加えた反応液、エンドリボヌクレアーゼMazFと共に2.84pmolの実施例2で調製した阻害物質MazEを加えた反応液、エンドリボヌクレアーゼMazFに代えて阻害物質MazEのみを加えた反応液、およびエンドリボヌクレアーゼMazFに代えて同量のバッファーを添加した反応液を調製した。これらの反応液をLight cycler 480(ロシュ製)を用いて、37℃で60分間蛍光強度を測定した。結果を図5(A)に示す。6−FAMは、BHQ−1との距離が長くなると蛍光強度が増加する。図5(A)に示すように、エンドリボヌクレアーゼMazFの添加によって蛍光強度が上昇し、DR−13−UGGに含まれるUGG配列がエンドリボヌクレアーゼMazFによって開裂したことが確認された。また、この蛍光強度の増加は、阻害物質MazEの添加によって抑制されることも確認された。したがって、阻害物質MazEは、エンドリボヌクレアーゼMazFのエンドリボヌクレアーゼ活性を阻害するタンパクであることが証明された。
DR−13−UGGに代えてDR−13−UGC(配列番号17)、DR−13−UGU(配列番号18)、DR−13−UGA(配列番号19)を使用し、上記と同様に操作した。結果をそれぞれ図5(B)、図5(C)、図5(D)に示す。
実施例1で調製したエンドリボヌクレアーゼMazFは、DR−13−UGC、DR−13−UGU、DR−13−UGAを基質とした場合には、蛍光強度の増加が観察されなかった。このことは、エンドリボヌクレアーゼMazFが、RNA中の、5’−UGG−3’配列を特異的に認識し切断するが、5’−UGC−3’配列、5’−UGU−3’配列、5’−UGA−3’配列を強く切断するものではないことを示す。

Claims (11)

  1. 配列番号2記載のアミノ酸配列、または該配列において0〜10個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列で示され、RNAに含まれる5’−UGG−3’配列を認識し、当該配列の1番目の残基の3’側のリン酸ジエステル結合を加水分解するエンドリボヌクレアーゼ。
  2. 配列番号3記載のアミノ酸配列で示されることを特徴とする、請求項1記載のエンドリボヌクレアーゼ。
  3. 配列番号1記載のDNA配列において0〜100個のDNA塩基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有し、かつ配列番号1記載のDNA配列がコードするポリペプチドと50〜100%のホモロジーを有する、請求項1または請求項2記載のエンドリボヌクレアーゼをコードする遺伝子を含む核酸。
  4. 請求項1または請求項2記載のエンドリボヌクレアーゼと結合し、エンドリボヌクレアーゼ活性を抑制する、阻害物質。
  5. 配列番号5記載のアミノ酸配列、または該配列において0〜7個のアミノ酸残基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有するアミノ酸配列で示されることを特徴とする、請求項4記載の阻害物質。
  6. 配列番号6記載のアミノ酸配列で示される、請求項5記載の阻害物質。
  7. 配列番号4記載のDNA配列において0〜100個のDNA塩基の欠失、付加、挿入もしくは置換の少なくとも1つを有し、かつ配列番号4記載のDNA配列がコードするポリペプチドと50〜100%のホモロジーを有する、請求項4または請求項5記載の阻害物質をコードする遺伝子を含む核酸。
  8. 一本鎖RNAに請求項1または請求項2記載のエンドリボヌクレアーゼを作用させてRNAを分解することを特徴とする、RNA分解物の製造方法。
  9. 前記エンドリボヌクレアーゼに、請求項4または請求項5記載の阻害物質を結合させて前記RNA分解を停止することを特徴とする、請求項8記載のRNA分解物の製造方法。
  10. 請求項1または請求項2記載のエンドリボヌクレアーゼを、環状ベクターを用いて原核細胞および/または真核細胞で発現させ、前記エンドリボヌクレアーゼによる細胞内RNA分解反応を促進させ、細胞の増殖を阻害することを特徴とする、細胞制御方法。
  11. 請求項1または請求項2記載のエンドリボヌクレアーゼおよび請求項4または請求項5記載の阻害物質を、環状ベクターを用いて原核細胞および/または真核細胞で共に発現させ、細胞の増殖阻害を停止することを特徴とする、細胞制御方法。
JP2018061354A 2018-03-28 2018-03-28 エンドリボヌクレアーゼ、およびその阻害物質 Pending JP2019170225A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018061354A JP2019170225A (ja) 2018-03-28 2018-03-28 エンドリボヌクレアーゼ、およびその阻害物質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018061354A JP2019170225A (ja) 2018-03-28 2018-03-28 エンドリボヌクレアーゼ、およびその阻害物質

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019170225A true JP2019170225A (ja) 2019-10-10
JP2019170225A5 JP2019170225A5 (ja) 2021-04-01

Family

ID=68166271

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018061354A Pending JP2019170225A (ja) 2018-03-28 2018-03-28 エンドリボヌクレアーゼ、およびその阻害物質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019170225A (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005074986A2 (en) * 2004-02-10 2005-08-18 Genobiotix Aps Bioactive species capable of interfering with a microbial toxin-antitoxin complex and methods for evaluation and use of said bioactive species

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005074986A2 (en) * 2004-02-10 2005-08-18 Genobiotix Aps Bioactive species capable of interfering with a microbial toxin-antitoxin complex and methods for evaluation and use of said bioactive species

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CHAIN P., ET AL., 'CONSERVED HYPOTHETICAL PROTEIN [NITROSOMONAS EUROPAEA ATCC 19718]', GENBANK [ONLI, JPN6021051458, ISSN: 0004672322 *
TOXINS, vol. 9, no. 140, JPN6021051457, 2017, ISSN: 0004672324 *
宮本 龍樹: "配列特異的エンドリボヌクレアーゼの解析手法の確立及び独立栄養細菌が有するRNA切断酵素への適用", 早稲田大学大学院先進理工学研究科博士論文, JPN6021051459, 12 January 2018 (2018-01-12), ISSN: 0004672323 *

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10450353B2 (en) Proteolytic inactivation of select proteins in bacterial extracts for improved expression
Allers et al. Improved strains and plasmid vectors for conditional overexpression of His-tagged proteins in Haloferax volcanii
KR20190059966A (ko) S. 피오게네스 cas9 돌연변이 유전자 및 이에 의해 암호화되는 폴리펩티드
Grilo et al. The glucosaminidase domain of Atl–the major Staphylococcus aureus autolysin–has DNA‐binding activity
Tang et al. CylA is a sequence-specific protease involved in toxin biosynthesis
US7745190B2 (en) Endoribonuclease
Markov et al. Identification of proteins associated with the yeast mitochondrial RNA polymerase by tandem affinity purification
US8017356B2 (en) Endoribonuclease
JP2019170225A (ja) エンドリボヌクレアーゼ、およびその阻害物質
JP4974891B2 (ja) 新規なエンドリボヌクレアーゼ
Nolan et al. Discovery of a Pseudomonas aeruginosa Type VI secretion system toxin targeting bacterial protein synthesis using a global genomics approach
US8383400B2 (en) Kits for producing recombinant polypeptides via cysteine protease autoprocessing of fusion proteins
WO2023248870A1 (ja) エンドリボヌクレアーゼ、タンパク質、ポリヌクレオチド、発現ベクター、形質転換体、複合体、rna分解物の製造方法、rnaの切断方法及び細胞制御方法
JPWO2006123537A1 (ja) 新規なエンドリボヌクレア−ゼ
JPWO2007010740A1 (ja) 新規なエンドリボヌクレアーゼ
Läderach Controlled protein degradation by the mycobacterial proteasome
JP2011092056A (ja) 遺伝子転写制御方法
Krishnan Ribosome-mRNA interactions that contribute to recognition and binding of a 5’-terminal AUG start codon
JP2004298189A (ja) フマル酸ヒドラターゼ活性を有する新規耐熱性タンパク質
JP2013176302A (ja) エクシジョナーゼ及びこれを用いる遺伝子組換え方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210215

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220104

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20220628