JP2019170004A - 回転電機ユニット、車両及び回転電機ユニットの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転電機が停止している場合等にも回転電機の磁石温度を高精度に検出することが可能な回転電機ユニット、車両及び回転電機ユニットの制御方法を提供する。【解決手段】回転電機ユニット110のトルクセンサ72は、回転電機24と対象物体32の間の動力伝達経路上に設けられて、回転電機24からの出力トルク又は回転電機24への入力トルクである回転電機トルクを検出する。制御装置40は、回転電機電流(回転電機24の入力電流又は出力電流)と回転電機トルクとに基づいて、回転電機24の磁石温度Tmgを推定する。車両10は、回転電機ユニット110を有することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、回転電機の磁石温度を推定する回転電機ユニット、車両及び回転電機ユニットの制御方法に関する。
特許文献1では、制御モードが複数存在する電動機について、その運転を維持しつつ永久磁石の温度上昇を抑制するように、制御モードの切換を行うことを目的としている([0010]、要約)。当該目的を達成するため、特許文献1(要約、図11)において、磁石温度推定部420は、交流モータM1、M2の回転子に装着された永久磁石の温度を推定する。モード切換判定部400は、判定値設定部410により設定された判定値を用いて、矩形波電圧制御モード及びPWM制御モードの間での交流モータM1、M2のそれぞれの制御モード切換を判定する。判定値設定部410は、モード切換判定部400で用いる判定値について、磁石温度の上昇時には、磁石温度の非上昇時と比較して、矩形波制御モードが適用されるモータ運転領域が相対的に広く設定されるように変化させる。
磁石温度推定部420は、交流モータM1の運転状態パラメータに基づいて、永久磁石54の温度を推定する([0079]、図11)。運転状態パラメータとしては、トルク指令値TR1、回転数MRN1、ステータコイル温度Ts、モータの冷却油温度Ta等が含まれる。磁石温度推定部420は、推定演算により算出した磁石温度TMG1を出力する。
より具体的には、磁石温度推定部420は、温度センサ72から温度Taを受けて、複数のマップの中から温度Taに対応するマップを選択する([0137]、図21)。次に磁石温度推定部420は、そのマップを参照して、トルク指令値TR1とモータ回転数MRN1とにより定まるマップ上の動作点から磁石温度TMG1を算出する。
上記のように、特許文献1([0079]、[0137]、図11及び図21)では、トルク指令値TR1、回転数MRN1、ステータコイル温度Ts、モータの冷却油温度Taに基づいて、交流モータM1、M2の回転子に装着された永久磁石の温度を推定する。
しかしながら、本発明者は、このような温度推定方法では、モータM1、M2の回転速度が低く且つトルクが高いときに検出精度が低くなることを発見した。また、特許文献1の温度推定方法では、モータM1、M2(回転電機)がトルクを発生しているにもかかわらず、回転速度がゼロである場合に対応することができない。このような課題は、モータM1、M2がトルクを発生させている場合に限らず、発電している場合にも該当し得る。
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、回転電機の回転速度が低い場合又は回転電機が停止している場合にも回転電機の磁石温度を高精度に検出することが可能な回転電機ユニット、車両及び回転電機ユニットの制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る回転電機ユニットは、
回転電機と、
前記回転電機を制御する制御装置と
を備えるものであって、
さらに、前記回転電機ユニットは、
前記回転電機への入力電流又は前記回転電機からの出力電流である回転電機電流を検出する電流センサと、
前記回転電機と対象物体の間の動力伝達経路上に設けられて、前記回転電機からの出力トルク又は前記回転電機への入力トルクである回転電機トルクを検出するトルクセンサと
を備え、
前記制御装置は、前記回転電機電流と前記回転電機トルクとに基づいて、前記回転電機の磁石温度を推定する
ことを特徴とする。
回転電機と、
前記回転電機を制御する制御装置と
を備えるものであって、
さらに、前記回転電機ユニットは、
前記回転電機への入力電流又は前記回転電機からの出力電流である回転電機電流を検出する電流センサと、
前記回転電機と対象物体の間の動力伝達経路上に設けられて、前記回転電機からの出力トルク又は前記回転電機への入力トルクである回転電機トルクを検出するトルクセンサと
を備え、
前記制御装置は、前記回転電機電流と前記回転電機トルクとに基づいて、前記回転電機の磁石温度を推定する
ことを特徴とする。
本発明によれば、回転電機電流(回転電機への入力電流又は回転電機からの出力電流)と、回転電機トルク(回転電機からの出力トルク又は回転電機への入力トルク)とに基づいて、回転電機の磁石温度を推定する。これにより、回転電機の回転速度が低い場合であっても、回転電機の磁石温度を高精度に推定することが可能となる。また、回転電機電流と回転電機トルク(出力トルク又は入力トルク)が発生していれば、回転電機が回転しているか否かにかかわらず、回転電機の磁石温度を推定することが可能となる。
前記制御装置は、前記対象物体が停止しているときに、前記回転電機電流と前記回転電機トルクとに基づいて、前記回転電機の磁石温度を推定してもよい。これにより、対象物体が停止しているときに、回転電機の磁石温度を推定することが可能となる。
前記制御装置は、前記回転電機の磁石温度が温度閾値を超えるとき、前記回転電機の出力を制限してもよい。これにより、回転電機の過熱(又は過熱に伴う減磁)を抑制することが可能となる。
前記トルクセンサは、例えば、前記回転電機の入出力シャフトに配置された磁歪式トルクセンサとすることができる。これにより、回転電機のトルク及びこれに基づく磁石温度を高精度に検出することが可能となる。
本発明に係る車両は、前記回転電機ユニットを有するものであって、
前記対象物体は車輪であり、
前記回転電機は、前記車輪を駆動して前記車両を走行させる走行モータである
ことを特徴とする。
前記対象物体は車輪であり、
前記回転電機は、前記車輪を駆動して前記車両を走行させる走行モータである
ことを特徴とする。
これにより、回転電機電流と回転電機トルクが発生していれば、走行モータとしての回転電機が回転しているか否かにかかわらず(換言すると、車両が走行しているか否かにかかわらず)、回転電機の磁石温度を推定することが可能となる。
前記制御装置は、前記車両がクリープ状態にあるとき、前記回転電機電流と前記回転電機トルクとに基づいて、前記回転電機の磁石温度を推定してもよい。これにより、車両がクリープ状態にあるときに(換言すると、例えば、運転者がアクセルペダルを踏み込んでいないときに)、回転電機の磁石温度を推定することが可能となる。
本発明に係る制御方法は、
回転電機と、
前記回転電機を制御する制御装置と
を備える回転電機ユニットの制御方法であって、
さらに、前記回転電機ユニットは、
前記回転電機への入力電流又は前記回転電機からの出力電流である回転電機電流を検出する電流センサと、
前記回転電機と対象物体の間の動力伝達経路上に設けられて、前記回転電機からの出力トルク又は前記回転電機への入力トルクである回転電機トルクを検出するトルクセンサと
を備え、
前記制御装置は、前記回転電機電流と前記回転電機トルクとに基づいて、前記回転電機の磁石温度を推定する
ことを特徴とする。
回転電機と、
前記回転電機を制御する制御装置と
を備える回転電機ユニットの制御方法であって、
さらに、前記回転電機ユニットは、
前記回転電機への入力電流又は前記回転電機からの出力電流である回転電機電流を検出する電流センサと、
前記回転電機と対象物体の間の動力伝達経路上に設けられて、前記回転電機からの出力トルク又は前記回転電機への入力トルクである回転電機トルクを検出するトルクセンサと
を備え、
前記制御装置は、前記回転電機電流と前記回転電機トルクとに基づいて、前記回転電機の磁石温度を推定する
ことを特徴とする。
本発明によれば、回転電機の回転速度が低い場合又は回転電機が停止している場合にも回転電機の磁石温度を高精度に検出することが可能となる。
A.本実施形態
<A−1.本実施形態の構成>
[A−1−1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る車両10の概略構成図である。車両10は、いわゆるハイブリッド車両である。図1に示すように、車両10は、エンジン20と、第1回転電機22と、第2回転電機24と、第1インバータ26と、第2インバータ28と、エンジンクラッチ30と、車輪32と、高電圧バッテリ34と、センサ群36と、冷却機構38と、電子制御装置40(以下「ECU40」という。)とを有する。
<A−1.本実施形態の構成>
[A−1−1.全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る車両10の概略構成図である。車両10は、いわゆるハイブリッド車両である。図1に示すように、車両10は、エンジン20と、第1回転電機22と、第2回転電機24と、第1インバータ26と、第2インバータ28と、エンジンクラッチ30と、車輪32と、高電圧バッテリ34と、センサ群36と、冷却機構38と、電子制御装置40(以下「ECU40」という。)とを有する。
センサ群36は、車速センサ60と、SOCセンサ62と、AP操作量センサ64と、BP操作量センサ66と、電流センサユニット68と、回転角度センサ70と、トルクセンサ72(図1の左上)とを含む。なお、図1において、トルクセンサ72は、センサ群36の枠内ではなく、第3伝達経路106(図1の左上)に配置されていることに留意されたい。
以下では、エンジン20、第1回転電機22、第2回転電機24及びエンジンクラッチ30をまとめて駆動系90という。また、エンジン20と車輪32を結ぶ動力伝達経路を第1伝達経路100という。第1伝達経路100は、エンジン20が発生したトルクTengを車輪32に伝達する。さらに、第1伝達経路100のうちエンジンクラッチ30よりもエンジン20側の第1分岐点104と第1回転電機22とを結ぶ動力伝達経路を第2伝達経路102という。さらにまた、第1伝達経路100のうちエンジンクラッチ30よりも車輪32側の第2分岐点108と第2回転電機24とを結ぶ動力伝達経路を第3伝達経路106という。加えて、第2回転電機24、トルクセンサ72及び冷却機構38をまとめてモータユニット110ともいう。
図2は、本実施形態の駆動系90の機械的な連結関係を簡略的に示す図である。図2に示すように、駆動系90には、エンジンシャフト200と、ジェネレータシャフト202と、モータシャフト204と、カウンタシャフト206と、車輪出力シャフト208とが含まれる。エンジン20は、クランクシャフト210、ドライブプレート212及びダンパ214を介してエンジンシャフト200に接続される。エンジンシャフト200には、エンジンクラッチ30、第1エンジンシャフトギア220及び第2エンジンシャフトギア222が配置される。
ジェネレータシャフト202は、エンジンシャフト200の第1エンジンシャフトギア220と係合するジェネレータシャフトギア230を有する。モータシャフト204は、カウンタシャフト206の第2カウンタシャフトギア262と係合するモータシャフトギア250を有する。カウンタシャフト206は、第1カウンタシャフトギア260と、第2カウンタシャフトギア262と、第3カウンタシャフトギア264とを有する。
第1カウンタシャフトギア260は、エンジンシャフト200の第2エンジンシャフトギア222と係合する。第2カウンタシャフトギア262は、モータシャフト204のモータシャフトギア250と係合する。第3カウンタシャフトギア264は、車輪出力シャフト208の出力シャフトギア270と係合する。車輪出力シャフト208には図示しないデファレンシャル装置が設けられる。各シャフト200、202、204、206、208は、トルクを車輪32に伝達するトルク伝達シャフトである。
エンジンクラッチ30が非接続状態でエンジン20が作動すると、エンジントルクTengによりジェネレータ22が発電する。エンジンクラッチ30が接続状態でエンジン20が作動すると、エンジンシャフト200、カウンタシャフト206及び車輪出力シャフト208を介してエンジントルクTengが車輪32に伝達される。エンジンクラッチ30が接続状態である場合、ジェネレータ22は、エンジントルクTengにより発電してもよいし、ジェネレータ22自身が車両駆動用のトルクTgenを発生させてもよい。
エンジンクラッチ30が非接続状態で走行モータ24が作動すると、モータシャフト204、カウンタシャフト206及び車輪出力シャフト208を介してモータトルクTtrcが車輪32に伝達される。車両10の減速時には、反対の経路で回生トルクTregがモータ24に入力されてモータ24が回生する。また、エンジンクラッチ30が接続状態でエンジン20及び走行モータ24が作動すると、エンジントルクTeng及びモータトルクTtrcが車輪32に伝達される。
駆動系90の構成は、図2の構成に限らない。例えば特開2017−100590号公報と同様の構成を駆動系90としてもよい(例えば特開2017−100590号公報の図2参照)。
[A−1−2.エンジン20]
エンジン20(回転駆動源)は、車両10の走行用の第1駆動源としてエンジントルクTeng(動力Feng)を生成して車輪32(駆動輪)側に供給する。また、エンジン20は、エンジントルクTengにより第1回転電機22を作動させて電力を発生させる。以下では、エンジン20に関連するパラメータに「ENG」又は「eng」を付す。また、図1等では、エンジン20を「ENG」で示す。
エンジン20(回転駆動源)は、車両10の走行用の第1駆動源としてエンジントルクTeng(動力Feng)を生成して車輪32(駆動輪)側に供給する。また、エンジン20は、エンジントルクTengにより第1回転電機22を作動させて電力を発生させる。以下では、エンジン20に関連するパラメータに「ENG」又は「eng」を付す。また、図1等では、エンジン20を「ENG」で示す。
[A−1−3.第1回転電機22]
第1回転電機22(回転駆動源)は、3相交流ブラシレス式であり、エンジントルクTeng(駆動力)により発電するジェネレータとして機能する。第1回転電機22が発電した電力Pgenは、第1インバータ26を介して高電圧バッテリ34(以下「バッテリ34」ともいう。)又は第2回転電機24若しくは図示しない電動補機類に供給される。第1回転電機22は、埋込磁石型同期モータ(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor:IPMSM)である。第1回転電機22は、図示しないステータ及びロータを有する。
第1回転電機22(回転駆動源)は、3相交流ブラシレス式であり、エンジントルクTeng(駆動力)により発電するジェネレータとして機能する。第1回転電機22が発電した電力Pgenは、第1インバータ26を介して高電圧バッテリ34(以下「バッテリ34」ともいう。)又は第2回転電機24若しくは図示しない電動補機類に供給される。第1回転電機22は、埋込磁石型同期モータ(Interior Permanent Magnet Synchronous Motor:IPMSM)である。第1回転電機22は、図示しないステータ及びロータを有する。
以下では、第1回転電機22をジェネレータ22とも呼ぶ。第1回転電機22は、ジェネレータとしての機能に加え又はこれに代えて、走行モータ(traction motor)として機能させてもよい。以下では、ジェネレータ22に関連するパラメータに「GEN」又は「gen」を付す。また、図1等では、ジェネレータ22を「GEN」で示す。ジェネレータ22は、エンジン20のスタータモータとして利用することができる。
[A−1−4.第2回転電機24]
図3は、本実施形態に係るモータユニット110の第2回転電機24及びトルクセンサ72並びにこれらの周辺を示す断面図である。図4は、図3の部分拡大図である。第2回転電機24(回転駆動源)は、3相交流ブラシレス式であり、車両10の走行用の第2駆動源としてモータトルクTtrc(走行駆動力)を生成して車輪32(駆動輪)側に供給する。すなわち、第2回転電機24は、高電圧バッテリ34からの電力Pbat及びジェネレータ22からの電力Pgenの一方又は両方により駆動する走行モータとして機能する。また、第2回転電機24は、車両10の制動時に回生を行い、第2インバータ28を介して回生電力Pregをバッテリ34に供給する。回生電力Pregは、図示しない電動補機類に供給されてもよい。ジェネレータ22と同様、第2回転電機24は、埋込磁石型同期モータ(IPMSM)である。
図3は、本実施形態に係るモータユニット110の第2回転電機24及びトルクセンサ72並びにこれらの周辺を示す断面図である。図4は、図3の部分拡大図である。第2回転電機24(回転駆動源)は、3相交流ブラシレス式であり、車両10の走行用の第2駆動源としてモータトルクTtrc(走行駆動力)を生成して車輪32(駆動輪)側に供給する。すなわち、第2回転電機24は、高電圧バッテリ34からの電力Pbat及びジェネレータ22からの電力Pgenの一方又は両方により駆動する走行モータとして機能する。また、第2回転電機24は、車両10の制動時に回生を行い、第2インバータ28を介して回生電力Pregをバッテリ34に供給する。回生電力Pregは、図示しない電動補機類に供給されてもよい。ジェネレータ22と同様、第2回転電機24は、埋込磁石型同期モータ(IPMSM)である。
以下では、第2回転電機24をモータ24、走行モータ24又はTRCモータ24とも呼ぶ。第2回転電機24は、走行モータとしての機能に加え又はこれに代えて、ジェネレータとして機能させてもよい。以下では、走行モータ24に関連するパラメータに「TRC」又は「trc」を付す。また、図1等では、走行モータ24を「TRC」で示す。
図3に示すように、走行モータ24は、モータシャフト204に加えて、ロータ300と、ステータ302とを有する。ロータ300は、複数の永久磁石306(以下「磁石306」という。)を含むロータコア304を有し、回転軸Axを中心として回転する。モータシャフト204(以下「出力シャフト204」又は「モータ出力シャフト204」ともいう。)は、ロータ300内に配置されるロータシャフト310と、ロータシャフト310に結合される突出シャフト312とを含む。本実施形態では、突出シャフト312は、ロータシャフト310に圧入される。出力シャフト204は中空状である。換言すると、出力シャフト204は中空部320を有する。本実施形態では、出力シャフト204の中空部320内にトルクセンサ72と冷却機構38の配管510が配置される。
また、モータ出力シャフト204は、磁性体で構成される。磁性体は、例えば、炭素鋼、合金鋼(クロム鋼、クロムモリブデン鋼等)である。モータ出力シャフト204は、ベアリング330a、330b、330c、330dにより回転可能に支持される。
[A−1−5.第1インバータ26及び第2インバータ28]
第1インバータ26及び第2インバータ28(図1)は、3相フルブリッジ型の構成とされて、直流/交流変換を行う。すなわち、第1インバータ26及び第2インバータ28は、高電圧バッテリ34からの直流を3相の交流に変換して第1回転電機22及び第2回転電機24に供給する。また、第1インバータ26及び第2インバータ28は、第1回転電機22及び第2回転電機24の発電動作(又は回生動作)に伴う交流/直流変換後の直流をバッテリ34に供給する。図1では、第1インバータ26及び第2インバータ28を介して、ジェネレータ22及び走行モータ24と、バッテリ34とを結ぶ電力線112を簡略的に示していることに留意されたい。
第1インバータ26及び第2インバータ28(図1)は、3相フルブリッジ型の構成とされて、直流/交流変換を行う。すなわち、第1インバータ26及び第2インバータ28は、高電圧バッテリ34からの直流を3相の交流に変換して第1回転電機22及び第2回転電機24に供給する。また、第1インバータ26及び第2インバータ28は、第1回転電機22及び第2回転電機24の発電動作(又は回生動作)に伴う交流/直流変換後の直流をバッテリ34に供給する。図1では、第1インバータ26及び第2インバータ28を介して、ジェネレータ22及び走行モータ24と、バッテリ34とを結ぶ電力線112を簡略的に示していることに留意されたい。
[A−1−6.エンジンクラッチ30]
図1に示すように、エンジンクラッチ30(第1切替装置)は、第1伝達経路100上に配置され、エンジン20と車輪32との接続状態及び非接続状態を、ECU40からの指令に基づいて切り替える。
図1に示すように、エンジンクラッチ30(第1切替装置)は、第1伝達経路100上に配置され、エンジン20と車輪32との接続状態及び非接続状態を、ECU40からの指令に基づいて切り替える。
[A−1−7.高電圧バッテリ34]
高電圧バッテリ34は、複数のバッテリセルを含み高電圧(数百ボルト)を出力可能な蓄電装置(エネルギストレージ)であり、例えば、リチウムイオン2次電池、ニッケル水素2次電池、全固体電池等を利用することができる。バッテリ34の代わりに又はこれに加えて、キャパシタ等の蓄電装置を用いることも可能である。
高電圧バッテリ34は、複数のバッテリセルを含み高電圧(数百ボルト)を出力可能な蓄電装置(エネルギストレージ)であり、例えば、リチウムイオン2次電池、ニッケル水素2次電池、全固体電池等を利用することができる。バッテリ34の代わりに又はこれに加えて、キャパシタ等の蓄電装置を用いることも可能である。
[A−1−8.センサ群36]
上記のように、センサ群36は、車速センサ60と、SOCセンサ62と、AP操作量センサ64と、BP操作量センサ66と、電流センサユニット68と、回転角度センサ70と、トルクセンサ72(図1の左上)とを含む。
上記のように、センサ群36は、車速センサ60と、SOCセンサ62と、AP操作量センサ64と、BP操作量センサ66と、電流センサユニット68と、回転角度センサ70と、トルクセンサ72(図1の左上)とを含む。
車速センサ60は、車両10の車速V[km/h]を検出してECU40に送信する。SOCセンサ62は、図示しない電流センサ等により構成され、バッテリ34の残量(SOC:State of Charge)を検出してECU40に送信する。
AP操作量センサ64は、図示しないアクセルペダルの原位置からの踏込み量(AP操作量Sap)[deg]又は[%]を検出し、ECU40に送信する。BP操作量センサ66は、図示しないアクセルペダルの原位置からの踏込み量(BP操作量Sbp)[deg]又は[%]を検出し、ECU40に送信する。
電流センサユニット68は、走行モータ24の電流Itrc[A]を検出する。上記のように、走行モータ24は3相交流式であるため、電流Itrc(以下「モータ電流Itrc」ともいう。)は、U相電流Iuと、V相電流Ivと、W相電流Iwとを含む。そのため、電流センサユニット68は、U相電流Iuを検出するU相電流センサ120uと、V相電流Ivを検出するV相電流センサ120vと、W相電流Iwを検出するW相電流センサ120wとを有する。換言すると、各電流センサ120u、120v、120wは、走行モータ24への入力電流又は走行モータ24からの出力電流である3相電流Iu、Iv、Iw(回転電機電流)を検出する。
電流センサ120u、120v、120wのいずれか1つ(例えば、電流センサ120w)を省略してもよい。その場合、残りの2つ(例えば電流センサ120u、120v)の検出値(例えばU相電流Iu、V相電流Iv)に基づいて、省略した電流センサに対応する電流(例えばW相電流Iw)を算出してもよい。ジェネレータ22についても、電流センサユニット68と同様のセンサユニットを設けることができる。
回転角度センサ70は、走行モータ24(ロータ300)の回転角度θtrc[rad](以下「モータ角度θ」又は「回転角度θ」ともいう。)を検出する。回転角度センサ70は、例えばレゾルバ又はエンコーダから構成される。
図1に示すように、トルクセンサ72は、第3伝達経路106上において走行モータ24と第2分岐点108の間に設けられる。換言すると、トルクセンサ72は、走行モータ24と車輪32(対象物体)の間の動力伝達経路上に設けられる。トルクセンサ72は、走行モータ24からの出力トルク又は走行モータ24への入力トルクであるモータトルクTtrc(回転電機トルク)を検出する。以下では、モータトルクTtrcを単に「トルクTtrc」ともいう。
図3及び図4に示すように、トルクセンサ72は、複数の磁歪層350a、350bと、複数のコイル352a、352bとを有する。トルクセンサ72の詳細については、図3及び図4を参照して後述する。
[A−1−9.冷却機構38]
冷却機構38(図1)は、モータ24を内側から冷却する。図1に示すように、冷却機構38は、冷媒を循環させるポンプ500と、冷媒を冷却するラジエータ502と、冷媒流路504とを有する。冷媒流路504は、冷媒を循環させる流路である。冷却機構38は、冷媒流路504の一部として、図3及び図4に示す配管510(支持棒)を有する。配管510は、モータ出力シャフト204と同軸にモータ出力シャフト204の中空部320の内部に配置されて冷媒を流す。より具体的には、配管510は、モータ出力シャフト204内を貫通し、両端がモータハウジング520(外部部品)に固定される。なお、配管510がモータ出力シャフト204内を通過するのを補助する図示しない案内棒を設けてもよい。本実施形態において、配管510を流れる冷媒は、図3及び図4の左側から右側に向かって流れる。或いは、図3及び図4の右側から左側に向かって冷媒を流してもよい。
冷却機構38(図1)は、モータ24を内側から冷却する。図1に示すように、冷却機構38は、冷媒を循環させるポンプ500と、冷媒を冷却するラジエータ502と、冷媒流路504とを有する。冷媒流路504は、冷媒を循環させる流路である。冷却機構38は、冷媒流路504の一部として、図3及び図4に示す配管510(支持棒)を有する。配管510は、モータ出力シャフト204と同軸にモータ出力シャフト204の中空部320の内部に配置されて冷媒を流す。より具体的には、配管510は、モータ出力シャフト204内を貫通し、両端がモータハウジング520(外部部品)に固定される。なお、配管510がモータ出力シャフト204内を通過するのを補助する図示しない案内棒を設けてもよい。本実施形態において、配管510を流れる冷媒は、図3及び図4の左側から右側に向かって流れる。或いは、図3及び図4の右側から左側に向かって冷媒を流してもよい。
図4に示すように、配管510には、モータ24用の第1貫通孔560と、トルクセンサ72用の第2貫通孔562とが設けられる。第1貫通孔560は、モータ24の軸方向において、ロータ300及びステータ302と重なる位置に配置される。従って、第1貫通孔560から放出された冷媒は、ロータ300及びステータ302を冷却する。
第2貫通孔562は、モータ24の軸方向において、トルクセンサ72と重なる位置に配置される。従って、第2貫通孔562から放出された冷媒は、トルクセンサ72を冷却する。特に本実施形態の第2貫通孔562は、図4に示すように、モータ24の軸方向において、複数の磁歪層350a、350bの間に配置される。これにより、複数の磁歪層350a、350bの間に冷媒を供給する。図3では、第1貫通孔560及び第2貫通孔562の図示が省略されていることに留意されたい。
本実施形態の配管510は非磁性体で構成される。ここでの非磁性体としては、例えば、ステンレス、アルミニウム又はエンジニアリングプラスチックを用いることができる。
[A−1−10.ECU40]
ECU40は、駆動系90全体を制御する制御装置(又は制御回路)であり、図1に示すように、入出力部130と、演算部132と、記憶部134とを有する。入出力部130は、信号線136(通信線)を介して車両10の各部との信号の入出力を行う。入出力部130は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する図示しないA/D変換回路を備える。
ECU40は、駆動系90全体を制御する制御装置(又は制御回路)であり、図1に示すように、入出力部130と、演算部132と、記憶部134とを有する。入出力部130は、信号線136(通信線)を介して車両10の各部との信号の入出力を行う。入出力部130は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する図示しないA/D変換回路を備える。
演算部132は、中央演算装置(CPU)を含み、記憶部134に記憶されているプログラムを実行することにより動作する。演算部132が実行する機能の一部は、ロジックIC(Integrated Circuit)を用いて実現することもできる。前記プログラムは、図示しない無線通信装置(携帯電話機、スマートフォン等)を介して外部から供給されてもよい。演算部132は、前記プログラムの一部をハードウェア(回路部品)で構成することもできる。
図1に示すように、演算部132は、駆動方式制御部150と、エンジン制御部152と、ジェネレータ制御部154と、走行モータ制御部156と、クラッチ制御部158と、冷却制御部160とを有する。
駆動方式制御部150は、車両10の駆動方式を制御する。ここでの駆動方式には、エンジン20を用いる駆動方式、走行モータ24を用いる駆動方式並びにエンジン20及び走行モータ24を用いる駆動方式が含まれる。この際、ジェネレータ22による発電又は走行モータ24による回生(発電)も併せて制御される。
エンジン制御部152(ENG制御部152)は、駆動方式制御部150からの指令に基づいてエンジン20を制御する。ジェネレータ制御部154(GEN制御部154)は、駆動方式制御部150からの指令に基づいてジェネレータ22を制御する。走行モータ制御部156(TRC制御部156)は、駆動方式制御部150からの指令に基づいて走行モータ24を制御する。クラッチ制御部158は、駆動方式制御部150からの指令に基づいてエンジンクラッチ30を制御する。冷却制御部160は、図示しない温度センサで検出された走行モータ24の温度等に基づいてポンプ500を制御する。
記憶部134は、演算部132が用いるプログラム及びデータを記憶するものであり、ランダム・アクセス・メモリ(以下「RAM」という。)を備える。RAMとしては、レジスタ等の揮発性メモリと、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリとを用いることができる。また、記憶部134は、RAMに加え、リード・オンリー・メモリ(ROM)を有してもよい。
[A−1−11.トルクセンサ72の詳細]
上記のように、トルクセンサ72は、第3伝達経路106(図1)上において走行モータ24と第2分岐点108の間に設けられてモータトルクTtrcを検出する。換言すると、トルクセンサ72は、モータ出力シャフト204とカウンタシャフト206との連結部360(図2及び図3)とロータ300との間に配置されてトルクTtrcを検出する。さらに、図3及び図4に示すように、トルクセンサ72は、例えば、モータ出力シャフト204の中空部320内に配置された磁歪式トルクセンサである。以下では、トルクセンサ72、モータ出力シャフト204(シャフト)及び配管510をまとめてセンサユニット600ともいう。
上記のように、トルクセンサ72は、第3伝達経路106(図1)上において走行モータ24と第2分岐点108の間に設けられてモータトルクTtrcを検出する。換言すると、トルクセンサ72は、モータ出力シャフト204とカウンタシャフト206との連結部360(図2及び図3)とロータ300との間に配置されてトルクTtrcを検出する。さらに、図3及び図4に示すように、トルクセンサ72は、例えば、モータ出力シャフト204の中空部320内に配置された磁歪式トルクセンサである。以下では、トルクセンサ72、モータ出力シャフト204(シャフト)及び配管510をまとめてセンサユニット600ともいう。
具体的には、トルクセンサ72は、複数の磁歪層350a、350bと、複数のコイル352a、352bと、配線354とを有する。磁歪層350a、350b(磁歪膜)は、モータ出力シャフト204の内周面に配置される。磁歪層350a、350bは、メッキにより形成される。或いは、磁歪層350a、350bは、ナーリング加工による溝、接着剤により貼り付けた磁歪金属フィルム、又は圧入された環状磁歪金属部材で構成されてもよい。
コイル352a、352bは、配管510(支持棒)に配置される。トルクセンサ72の磁歪層350a、350b及びコイル352a、352bは、モータ24の軸方向において、ベアリング330cと重なる位置に配置される(図3及び図4)。磁歪層350a、350b及びコイル352a、352bの具体的な構成は、例えば特開2009−264812号公報又は特開2004−340744号公報に記載された構成を適用することが可能である。なお、単一の磁歪層及び単一のコイルのみでトルクセンサ72を構成することも可能である。
配線354は、一端がコイル352a、352bに接続されてコイル352a、352bの検出結果をECU40に出力する。本実施形態の配線354は、モータ24から離間する方向に、より具体的にはモータ24と反対側(図3中の右側)に引き回される。配線354は、図1の信号線136の一部を構成する。
磁歪層350a、350bをメッキで形成する場合、例えば、以下のように形成することができる。すなわち、モータ出力シャフト204の内周面に、例えばニッケル鉄メッキのような正の磁歪定数を示す磁歪材を所定の膜厚(例えば30ミクロン以下)で2ヶ所形成する。その際、出力シャフト204に所定のトルクを加えた状態で高周波加熱により加熱した後、室温に戻し、トルクを取り去ることによりそれぞれ逆方向の磁気異方性を磁歪層350a、350bに付与する。これにより、磁歪層350a、350bにモータトルクTtrc(捩りトルク)が印加されていない場合でも、常に引っ張り応力がかかり、引っ張りの歪みが加わっているため、逆磁歪特性でのヒステリシスが小さくなる。
コイル352a、352bはそれぞれ励磁コイルと検出コイルとを含む。励磁コイルは、配線354を介して図示しない励磁電圧供給源に接続されている。また、検出コイルは、磁歪層350a、350bに対して所定の微少間隔を空けて配置される。
モータ出力シャフト204にモータトルクTtrc(捩りトルク)が作用すると、磁歪層350a、350bにもモータトルクTtrcが作用し、モータトルクTtrcに応じて磁歪層350a、350bに逆磁歪効果が生じる。そのため、励磁電圧供給源から励磁コイルに高周波の交流電圧(励磁電圧)を印加したとき、モータトルクTtrcに基づく磁歪層350a、350bの逆磁歪効果による磁界の変化を検出コイルによりインピーダンス又は誘導電圧の変化として検出することができる。このとき、モータトルクTtrc(捩りトルク)以外にも常に引っ張り応力が磁歪層350a、350bに印加された状態となっている。そのため、ヒステリシスが小さい特性が得られ、このインピーダンス又は誘導電圧の変化から出力シャフト204に加えられたモータトルクTtrcを検出することができる。
コイル352aの検出コイルでは、モータトルクTtrcが負から正になるにつれてインピーダンス又は誘導電圧が増加する。モータトルクTtrcが正の特定値T1のときインピーダンス又は誘導電圧がピーク値P10をとり、モータトルクTtrcが特定値T1を超えると減少する。また、逆にモータトルクTtrcが大きい状態から、モータトルクTtrcを減少させていき、モータトルクTtrcがゼロになったときも引っ張り応力がかかっている。そのため、磁歪層350aの磁化状態は安定しており、モータトルクTtrcに対する磁気特性の変化も安定している。従って、ヒステリシスは小さくなる。
また、コイル352bの検出コイルは、モータトルクTtrcが正から負になるにつれてインピーダンス又は誘導電圧は増加する。モータトルクTtrcが負の特定値−T1のときインピーダンス又は誘導電圧がピーク値P10をとり、さらにモータトルクTtrcを負の方向に増加すると減少する。また、モータトルクTtrcが小さい状態(すなわち負の方向で増加した状態)から、モータトルクTtrcを減少させるとき、磁歪層350b内の磁区の方向は変化する。そのとき、モータトルクTtrcがゼロになっても引っ張り応力がかかっている。そのため、磁歪層350bの磁化状態は安定しており、モータトルクTtrcに対する磁気特性の変化も安定している。従って、ヒステリシスは少なくなる。
コイル352a、352bの検出コイルで得られる、モータトルクTtrcとインピーダンス(又は誘導電圧)との特性(トルク−インピーダンス特性)は、ヒステリシスの小さな、略凸形状を示す。また、上記のように、磁歪層350a、350bにそれぞれ逆方向となる磁気異方性を付与している。そのため、コイル352a、352bの検出コイルそれぞれのトルク−インピーダンス特性は、モータトルクTtrcがゼロの軸に対して略線対称となる。
次に、トルクセンサ72の製造方法について説明する。モータ出力シャフト204に磁歪層350a、350b(メッキによる磁歪膜)を形成した後、出力シャフト204に所定の捩りトルクを加えた状態で熱処理を行い、磁歪層350a、350bに所定方向の磁気異方性をつける。このときの熱処理は高周波加熱によって所定時間加熱する。また、磁歪層350a、350bは、主成分が鉄ニッケルからなることが好ましい。
トルクセンサ72の製造方法では、磁歪膜形成工程と、トルク印加高周波加熱工程と、トルク解放工程と、コイル配置工程とを含む。磁歪膜形成工程では、出力シャフト204にメッキで磁歪層350a、350b(磁歪膜)を設ける。
トルク印加高周波加熱工程では、出力シャフト204に所定の捩りトルクを加えた状態で高周波加熱によって所定時間加熱する。具体的には、磁歪層350a、350bを形成した出力シャフト204に所定の捩りトルクを加えた状態で、磁歪層350a、350bの周囲を作業用第1コイル及び作業用第2コイルで囲む。そして、これらの作業用コイルに高周波の電流を流し、磁歪層350a、350bを加熱する。
トルク解放工程では、捩りトルクを解放することによって磁歪膜に磁気異方性を設ける。具体的には、トルク印加高周波加熱工程で加熱された磁歪層350a、350bを自然冷却した後に、捩りトルクを取り除く。これにより、磁歪層350a、350bに磁気異方性が付与される。
コイル配置工程では、磁歪層350a、350bの周囲に磁歪特性の変化を検出する多重巻きのコイル352a、352b(励磁コイル及び検出コイル)を配置する。以上の工程により、磁歪式のトルクセンサ72が形成される。
トルク印加高周波加熱工程については、さらなる詳細を以下で説明する。出力シャフト204の材質は、例えばクロムモリブデン鋼鋼材(JIS−G−4105、記号:SCM)である。磁歪層350a、350b(磁歪膜)は、出力シャフト204の外周面にメッキしたNi−Fe系の合金膜である。この合金膜の厚みは好ましくは30ミクロン程度である。
磁歪層350a(磁歪膜)を熱処理する際は、出力シャフト204に特定方向(第1方向)に第1所定トルクを加えながら作業用第1コイル(誘導子)に高周波(例えば500kHz〜2MHz)の電流を所定時間(例えば1〜10秒)の間流すことで磁歪層350aを加熱する。また、磁歪層350b(磁歪膜)を熱処理する際は、出力シャフト204に第1方向とは反対方向(第2方向)に、第1所定トルクと同じ大きさの第2所定トルクを加えながら作業用第2コイル(誘導子)に前記高周波の電流を前記所定時間の間流すことで磁歪層350bを加熱する。
なお、磁歪式トルクセンサの検出原理、基本構成及び製造方法は、例えば、特開2004−340744号公報に記載のものを用いてもよい。
<A−2.走行モード>
本実施形態では、MOT走行モードと、ハイブリッド走行モードと、ENG走行モードと、回生モードとを用いる。MOT走行モードは、主として高電圧バッテリ34の電力により、走行モータ24が車両10を駆動するモードである。ハイブリッド走行モードは、エンジン20のトルクTengによりジェネレータ22で発電をしつつ、その発電された電力を用いて走行モータ24が車両10を駆動するモードである。ENG走行モードは、エンジン20を主たる駆動源として走行するモードである。
本実施形態では、MOT走行モードと、ハイブリッド走行モードと、ENG走行モードと、回生モードとを用いる。MOT走行モードは、主として高電圧バッテリ34の電力により、走行モータ24が車両10を駆動するモードである。ハイブリッド走行モードは、エンジン20のトルクTengによりジェネレータ22で発電をしつつ、その発電された電力を用いて走行モータ24が車両10を駆動するモードである。ENG走行モードは、エンジン20を主たる駆動源として走行するモードである。
MOT走行モード、ハイブリッド走行モード及びENG走行モードは、主として、車速V及び車両10の走行駆動力Fdに応じて選択される。各モードの選択は、例えば、特開2017−100590号公報(図3、図4)に記載の基準で行うことができる。MOT走行モードの場合、例えば、低速・中速走行時、低速加速時に用いられる。また、ハイブリッド走行モードは、例えば、中速加速時、高速急加速時に用いられる。
<A−3.本実施形態における制御>
[A−3−1.モータ過熱抑制制御の全体的な流れ]
図5は、本実施形態のモータ過熱抑制制御のフローチャートである。上記のように、本実施形態において、ECU40は、走行モータ24の過熱を抑制するモータ過熱抑制制御を実行する。図5のステップS11において、ECU40は、走行モータ24の温度監視を開始する条件(温度監視開始条件)が成立したか否かを判定する。
[A−3−1.モータ過熱抑制制御の全体的な流れ]
図5は、本実施形態のモータ過熱抑制制御のフローチャートである。上記のように、本実施形態において、ECU40は、走行モータ24の過熱を抑制するモータ過熱抑制制御を実行する。図5のステップS11において、ECU40は、走行モータ24の温度監視を開始する条件(温度監視開始条件)が成立したか否かを判定する。
温度監視開始条件としては、例えば、モータ電流Itrc(U相電流Iu、V相電流Iv及びW相電流Iw)並びにモータトルクTtrcがゼロ以外の値であることを用いることができる。或いは、温度監視開始条件として、ブレーキペダルが操作されていないとき(換言すると、BP操作量Sbpがゼロであるとき)を用いることができる。
上記いずれの温度監視開始条件でも、車両10が移動していること又は車輪32が回転していることを条件としていない。従って、例えば、上り坂等において車両10がクリープ状態にあり(換言すると、例えば、運転者がアクセルペダルを踏み込んでいない状態にあり)、車両10及び車輪32が停止している場合でも、モータ電流Itrc及びモータトルクTtrcが発生していれば、温度監視開始条件が成立する場合がある。温度監視開始条件が成立した場合(S11:TRUE)、ステップS12に進む。温度監視開始条件が成立しない場合(S11:FALSE)、ステップS11を繰り返す。
ステップS12において、ECU40は、トルクセンサ72からモータトルクTtrcを取得する。ステップS13において、ECU40は、モータトルクTtrcがトルク閾値THtqを上回るか否かを判定する。トルク閾値THtqは、磁石306の温度Tmg(以下「磁石温度Tmg」又は「モータ磁石温度Tmg」という。)を算出するのに十分なモータトルクTtrcが発生しているかを判定する、ゼロ又は正の値の閾値である。モータトルクTtrcがトルク閾値THtqを上回る場合(S13:TRUE)、ステップS14に進む。モータトルクTtrcがトルク閾値THtqを上回らない場合(S13:FALSE)、ステップS11に戻る。
ステップS14において、ECU40は、磁石温度Tmgを算出するための各種のセンサ値を取得する。ここでのセンサ値には、モータ電流Itrc(U相電流Iu、V相電流Iv及びW相電流Iw)、モータ角度θ及びモータトルクTtrcが含まれる。ステップS15において、ECU40は、ステップS14で取得したセンサ値に基づいてモータ磁石温度Tmgを算出する。磁石温度Tmgの算出の詳細については後述する。
ステップS16において、ECU40は、磁石温度Tmgが磁石温度閾値THtmg(以下「温度閾値THtmg」ともいう。)以上であるか否かを判定する。温度閾値THtmgは、磁石306が過熱状態であるか否かを判定する閾値である。磁石温度Tmgが温度閾値THtmg以上である場合(S16:TRUE)、ステップS17に進む。
ステップS17において、ECU40は、走行モータ24の出力制限を行う。この出力制限では、走行モータ24のトルクTtrcがトルク閾値THttrc未満となるようにトルクTtrcを制限する。例えば、ECU40は、磁石温度Tmgに基づく走行モータ24の出力制限に関する出力制限フラグFLGを、出力制限を行うことを示す「1」とする。そして、ECU40は、フラグFLGに従って、出力制限を行う。
磁石温度Tmgが温度閾値THtmg以上でない場合(S16:FALSE)、ステップS18に進む。ステップS18において、ECU40はモータトルクTtrcの出力制限を行わない。例えば、ECU40は、出力制限フラグFLGを、磁石温度Tmgに基づく走行モータ24の出力制限を行わないことを示す「0」とする。そして、ECU40は、フラグFLGを確認の上、目標モータトルクTtrctarに基づいて走行モータ24を動作させる。なお、磁石温度Tmgに関する出力制限を行わない場合でも、その他の理由に基づいて走行モータ24の出力制限を行うことも可能である。
ステップS19において、ECU40は、走行モータ24の温度監視を終了する条件(温度監視終了条件)が成立したか否かを判定する。温度監視終了条件としては、例えば、モータ電流Itrc又はモータトルクTtrcがゼロになったことを用いることができる。温度監視終了条件が成立した場合(S19:TRUE)、今回のモータ過熱抑制制御を終了してステップS11に戻る。温度監視終了条件が成立しない場合(S19:FALSE)、ステップS14に戻る。
[A−3−2.モータ磁石温度Tmgの算出]
次にモータ磁石温度Tmgの算出(図5のS15)の詳細について説明する。上記のように、ECU40は、モータ電流Itrc、モータ角度θ及びモータトルクTtrcに基づいてモータ磁石温度Tmgを算出する。
次にモータ磁石温度Tmgの算出(図5のS15)の詳細について説明する。上記のように、ECU40は、モータ電流Itrc、モータ角度θ及びモータトルクTtrcに基づいてモータ磁石温度Tmgを算出する。
具体的には、ECU40は、モータ電流Itrc(U相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iw)及びモータ角度θに基づいてd軸電流Id及びq軸電流Iqを算出する。d軸電流Id及びq軸電流Iqは、下記の式(1)に基づいて算出する。
また、モータトルクTtrcについては、下記の式(2)が成立する。
Ttrc=P(Φ(Tmg)Iq+(Ld−Lq)IdIq) (2)
式(2)において、Pは、走行モータ24の極対数である。Φは、鎖交磁束数[Wb]である。鎖交磁束数Φは、磁石温度Tmgの関数である。Ldは、d軸インダクタンスであり、Lqは、q軸インダクタンスである。
式(2)において、極対数P、d軸インダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqは定数である。モータトルクTtrc、鎖交磁束数Φ、磁石温度Tmg、d軸電流Id及びq軸電流Iqは変数である。鎖交磁束数Φは、磁石温度Tmgの関数である。従って、モータトルクTtrc、d軸電流Id及びq軸電流Iqを特定すると、式(1)より、鎖交磁束数Φが求まる。また、鎖交磁束数Φが求まると、これに応じて磁石温度Tmgを算出することができる。但し、d軸インダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqを変数として扱ってもよい。
<A−4.本実施形態の効果>
本実施形態によれば、走行モータ24(回転電機)への入力電流又は走行モータ24からの出力電流であるモータ電流Itrc(回転電機電流)と、走行モータ24からの出力トルク又は走行モータ24への入力トルクであるモータトルクTtrc(回転電機トルク)とに基づいて、走行モータ24の磁石温度Tmgを推定する(図5)。これにより、走行モータ24の回転速度[rpm]が低い場合であっても、磁石温度Tmgを高精度に推定することが可能となる。また、モータ電流ItrcとモータトルクTtrcが発生していれば、走行モータ24が回転しているか否かにかかわらず、磁石温度Tmgを推定することが可能となる。
本実施形態によれば、走行モータ24(回転電機)への入力電流又は走行モータ24からの出力電流であるモータ電流Itrc(回転電機電流)と、走行モータ24からの出力トルク又は走行モータ24への入力トルクであるモータトルクTtrc(回転電機トルク)とに基づいて、走行モータ24の磁石温度Tmgを推定する(図5)。これにより、走行モータ24の回転速度[rpm]が低い場合であっても、磁石温度Tmgを高精度に推定することが可能となる。また、モータ電流ItrcとモータトルクTtrcが発生していれば、走行モータ24が回転しているか否かにかかわらず、磁石温度Tmgを推定することが可能となる。
本実施形態において、ECU40(制御装置)は、車両10(対象物体)が停止しているときに、モータ電流Itrc(回転電機電流)とモータトルクTtrc(回転電機トルク)とに基づいて、走行モータ24(回転電機)の磁石温度Tmgを推定する(図5)。これにより、車両10が停止しているときに、磁石温度Tmgを推定することが可能となる。
本実施形態において、ECU40(制御装置)は、走行モータ24(回転電機)の磁石温度Tmgが磁石温度閾値THtmgを超えるとき(図5のS16:TRUE)、走行モータ24の出力を制限する(S17)。これにより、走行モータ24の過熱(又は過熱に伴う減磁)を抑制することが可能となる。
本実施形態において、トルクセンサ72は、走行モータ24(回転電機)のモータ出力シャフト204(入出力シャフト)に配置された磁歪式トルクセンサである(図3及び図4)。これにより、走行モータ24のトルクTtrc及びこれに基づく磁石温度Tmgを高精度に検出することが可能となる。
本実施形態において、走行モータ24(回転電機)は、車輪32(対象物体)を駆動して車両10を走行させる(図1)。これにより、モータ電流Itrc(回転電機電流)とモータトルクTtrc(回転電機トルク)が発生していれば、走行モータ24が回転しているか否かにかかわらず(換言すると、車両10が走行しているか否かにかかわらず)、走行モータ24の磁石温度Tmgを推定することが可能となる。
本実施形態において、ECU40(制御装置)は、車両10がクリープ状態にあるとき(図5のS11:TRUE)、モータ電流Itrc(回転電機電流)とモータトルクTtrc(回転電機トルク)とに基づいて、走行モータ24(回転電機)の磁石温度Tmgを推定する(S15)。これにより、車両10がクリープ状態にあるときに(換言すると、例えば、運転者がアクセルペダルを踏み込んでいないときに)、走行モータ24の磁石温度Tmgを推定することが可能となる。
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
<B−1.車両10>
上記実施形態の車両10は、エンジン20、ジェネレータ22及び走行モータ24を有した(図1)。しかしながら、例えば、モータ電流ItrcとモータトルクTtrcとに基づいて、回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。例えば、車両10は、特開2017−100590号公報の図10に示すように、エンジン20と1つの回転電機を有する構成としてもよい。或いは、車両10は、エンジン20と3つの回転電機を有する構成とすることも可能である。或いは、車両10は、エンジン20を有さない電動車両としてもよい。左右の車輪32(駆動輪)それぞれに回転電機(駆動モータ)を設ける場合、これらの回転電機は、インホイールモータとして構成してもよい。
上記実施形態の車両10は、エンジン20、ジェネレータ22及び走行モータ24を有した(図1)。しかしながら、例えば、モータ電流ItrcとモータトルクTtrcとに基づいて、回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。例えば、車両10は、特開2017−100590号公報の図10に示すように、エンジン20と1つの回転電機を有する構成としてもよい。或いは、車両10は、エンジン20と3つの回転電機を有する構成とすることも可能である。或いは、車両10は、エンジン20を有さない電動車両としてもよい。左右の車輪32(駆動輪)それぞれに回転電機(駆動モータ)を設ける場合、これらの回転電機は、インホイールモータとして構成してもよい。
<B−2.回転電機>
上記実施形態の第1回転電機22及び第2回転電機24は、いずれも3相交流ブラシレス式とした。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。第1回転電機22及び第2回転電機24は、直流式又はブラシ式としてもよい。
上記実施形態の第1回転電機22及び第2回転電機24は、いずれも3相交流ブラシレス式とした。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。第1回転電機22及び第2回転電機24は、直流式又はブラシ式としてもよい。
上記実施形態の第1回転電機22及び第2回転電機24は、いずれも埋込磁石型同期モータ(IPMSM)とした。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。第1回転電機22及び第2回転電機24は、その他の方式の回転電機としてもよい。その他の方式としては、例えば、表面磁石型同期モータ(SPMSM)、誘導モータ(IM)、スイッチドリラクタンスモータ(SRM)又は同期リラクタンスモータ(SynRM)を用いることができる。
<B−3.トルクセンサ72>
上記実施形態では、トルクセンサ72を磁歪式とした(図3及び図4)。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。例えば、トルクセンサ72は、その他の検出方式とすることが可能である。
上記実施形態では、トルクセンサ72を磁歪式とした(図3及び図4)。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。例えば、トルクセンサ72は、その他の検出方式とすることが可能である。
上記実施形態において、モータ出力シャフト204のうち突出シャフト312に対応する位置にトルクセンサ72を設けた(図3及び図4)。換言すると、上記実施形態では、走行モータ24の軸方向において、トルクセンサ72は、ロータ300とずれた位置に配置された。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。
図6は、変形例に係るモータユニット110aの第2回転電機24及びトルクセンサ72並びにこれらの周辺を示す断面図である。モータユニット110aにおいて、トルクセンサ72は、走行モータ24(駆動モータ)の軸方向において、ロータ300と重なる位置に配置される。これにより、トルクセンサ72は、ロータ300からのモータトルクTtrc(駆動時)又はロータ300への回生トルクTreg(発電時)を直接的に検出することで、モータトルクTtrc(出力トルク)又は回生トルクTreg(入力トルク)を高精度に検出することが可能となる。
上記実施形態では、モータ出力シャフト204にトルクセンサ72を配置した(図3)。しかしながら、例えば、走行モータ24と車輪32を結ぶ伝達経路(図1の第3伝達経路106全体と第1伝達経路100の一部)におけるトルクを検出する観点からすれば、これに限らない。
例えば、カウンタシャフト206又は出力シャフト204に中空部を設け、この中空部内にトルクセンサ72を設けてもよい。或いは、駆動モータ(又は回転電機)の出力シャフトの中空部内にトルクセンサ72を配置させる観点からすれば、ジェネレータシャフト202に中空部を設け、この中空部内にトルクセンサ72を設けてもよい。或いは、回転駆動源の出力シャフトの中空部内にトルクセンサ72を配置させる観点からすれば、エンジンシャフト200に中空部を設け、この中空部内にトルクセンサ72を配置してもよい。トルクセンサ72の配置を上記のように変更する場合、配管510(支持棒)の位置も合わせて変更してもよい。或いは、トルクセンサ72が中空部内に配置されて、シャフトにかかる捩りトルクをシャフトの内側から検出する観点からすれば、トルクセンサ72(又はセンサユニット600)は、車両10以外の用途で用いることも可能である。
<B−4.モータユニット110(回転電機ユニット)>
上記実施形態では、モータユニット110を車両10の駆動系90に適用した(図1)。しかしながら、例えば、モータ電流ItrcとモータトルクTtrcとに基づいて、回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。例えば、モータユニット110を車両10の操舵系(電動パワーステアリング装置)に用いてもよい。或いは、車両10以外の装置(ロボット、製造装置等)にモータユニット110を適用することも可能である。
上記実施形態では、モータユニット110を車両10の駆動系90に適用した(図1)。しかしながら、例えば、モータ電流ItrcとモータトルクTtrcとに基づいて、回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。例えば、モータユニット110を車両10の操舵系(電動パワーステアリング装置)に用いてもよい。或いは、車両10以外の装置(ロボット、製造装置等)にモータユニット110を適用することも可能である。
<B−5.配管510(支持棒)>
上記実施形態では、配管510をモータハウジング520に固定支持させた(図3)。しかしながら、例えば、配管510(又は支持棒)を支持する観点からすれば、これに限らず、モータハウジング520以外の外部部品(ロータ300側ではなくステータ302側の部品、換言すると、ロータ300の回転によっては回転しない部品)に支持させてもよい。
上記実施形態では、配管510をモータハウジング520に固定支持させた(図3)。しかしながら、例えば、配管510(又は支持棒)を支持する観点からすれば、これに限らず、モータハウジング520以外の外部部品(ロータ300側ではなくステータ302側の部品、換言すると、ロータ300の回転によっては回転しない部品)に支持させてもよい。
上記実施形態では、配管510の両側をモータハウジング520に固定支持させた(図3)。しかしながら、例えば、モータ出力シャフト204の中空部320内にトルクセンサ72を配置させる観点からすれば、これに限らない。例えば、配管510の一端をモータ出力シャフト204内に配置し、その後の冷媒流路504を出力シャフト204等により構成する場合、配管510を片持ち梁式にモータハウジング520で支持してもよい。
上記実施形態では、冷却機構38の配管510を、トルクセンサ72のコイル352a、352bの支持部材(支持棒)とした(図3及び図4)。しかしながら、例えば、モータ出力シャフト204の中空部320内にトルクセンサ72を配置させる観点からすれば、これに限らない。例えば、配管510とは異なる支持棒を設けて、コイル352a、352bを支持させてもよい。
<B−6.車輪32(対象物体)>
上記実施形態では、第2回転電機24(回転電機)のトルクTtrcを伝達する又は第2回転電機24(回転電機)への回生トルクTregを入力する対象物体として車輪32を用いた(図1)。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。
上記実施形態では、第2回転電機24(回転電機)のトルクTtrcを伝達する又は第2回転電機24(回転電機)への回生トルクTregを入力する対象物体として車輪32を用いた(図1)。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。
例えば、モータユニット110を車両10の操舵系(電動パワーステアリング装置)に用いる場合、図示しないピニオン軸(コラム軸)又はラック軸を対象物体としてもよい。或いは、モータユニット110をロボットに適用する場合、ロボットアームを対象物体とすることも可能である。なお、対象物体自体は、回転体である必要はなく、例えばラック軸のように推力で動作するものであってもよい。
<B−7.モータ過熱抑制制御>
上記実施形態のモータ過熱抑制制御では、式(2)を用いて磁石温度Tmgを算出した(図5のS15)。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて、回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。例えば、式(2)の変わりに、マップを用いてもよい。
上記実施形態のモータ過熱抑制制御では、式(2)を用いて磁石温度Tmgを算出した(図5のS15)。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて、回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。例えば、式(2)の変わりに、マップを用いてもよい。
当該マップでは、モータトルクTtrc、d軸電流Id及びq軸電流Iqの組合せ毎に磁石温度Tmgを有している。或いは、d軸インダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqを変数とする場合、前記マップは、モータトルクTtrc、d軸電流Id、q軸電流Iq、d軸インダクタンスLd及びq軸インダクタンスLqの組合せ毎に磁石温度Tmgを有することができる。なお、直流モータに本発明を適用する場合、マップは、直流モータへの入力電流(又は出力電流)と直流モータの出力トルク(又は入力トルク)の組合せ毎に磁石温度Tmgを有してもよい。
上記実施形態のモータ過熱抑制制御では、モータトルクTtrcが正のトルク閾値THtqを上回る場合のみ磁石温度Tmgを推定した(図5のS13)。しかしながら、例えば、モータ電流Itrc(回転電機電流)とモータトルクTtrc(回転電機トルク)とに基づいて、走行モータ24(回転電機)の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。例えば、モータトルクTtrcが負のトルク閾値−THtqを下回る場合(換言すると、走行モータ24が回生モードにある場合)に磁石温度Tmgを推定してもよい。
上記実施形態のモータ過熱抑制制御は、走行モータ24に適用した(図5)。しかしながら、例えば、回転電機電流と回転電機トルクとに基づいて、回転電機の磁石温度Tmgを推定する観点からすれば、これに限らない。例えば、ジェネレータ22にモータ過熱抑制制御を適用してもよい。或いは、車両10の操舵系(電動パワーステアリング装置)にモータ過熱抑制制御を適用することもできる。或いは、車両10以外の装置(ロボット、製造装置等)にモータ過熱抑制制御を適用することも可能である。
<B−8.その他>
上記実施形態では、数値の比較において等号を含む場合と含まない場合とが存在した(図5のS13、S16等)。しかしながら、例えば、等号を含む又は等号を外す特別な意味がなければ(換言すると、本発明の効果を得られる場合)、数値の比較において等号を含ませるか或いは含ませないかは任意に設定可能である。
上記実施形態では、数値の比較において等号を含む場合と含まない場合とが存在した(図5のS13、S16等)。しかしながら、例えば、等号を含む又は等号を外す特別な意味がなければ(換言すると、本発明の効果を得られる場合)、数値の比較において等号を含ませるか或いは含ませないかは任意に設定可能である。
その意味において、例えば、図5のステップS16における磁石温度Tmgが温度閾値THtmg以上であるか否かの判定(Tmg≧THtmg)を、磁石温度Tmgが温度閾値THtmgを上回るか否かの判定(Tmg>THtmg)に置き換えることができる。一方、図5のステップS13におけるモータトルクTtrcがトルク閾値THtqを上回るか否かの判定(Ttrc>THtq)に関し、トルク閾値THtqがゼロである場合、モータトルクTtrcがトルク閾値THtq以上であるかの判定に置き換えることはできない。トルク閾値THtqがゼロより大きい場合、モータトルクTtrcがトルク閾値THtq以上であるかの判定に置き換えることができる。
10…車両 22…ジェネレータ(回転電機)
24…走行モータ(回転電機) 32…車輪(対象物体)
40…ECU(制御装置) 72…トルクセンサ
110、110a…モータユニット(回転電機ユニット)
120u、120v、120w…電流センサ
204…モータ出力シャフト(入出力シャフト)
Itrc…モータ電流(回転電機電流)
THtmg…温度閾値 Tmg…磁石温度
Ttrc…モータトルク(回転電機トルク)
24…走行モータ(回転電機) 32…車輪(対象物体)
40…ECU(制御装置) 72…トルクセンサ
110、110a…モータユニット(回転電機ユニット)
120u、120v、120w…電流センサ
204…モータ出力シャフト(入出力シャフト)
Itrc…モータ電流(回転電機電流)
THtmg…温度閾値 Tmg…磁石温度
Ttrc…モータトルク(回転電機トルク)
Claims (7)
- 回転電機と、
前記回転電機を制御する制御装置と
を備える回転電機ユニットであって、
さらに、前記回転電機ユニットは、
前記回転電機への入力電流又は前記回転電機からの出力電流である回転電機電流を検出する電流センサと、
前記回転電機と対象物体の間の動力伝達経路上に設けられて、前記回転電機からの出力トルク又は前記回転電機への入力トルクである回転電機トルクを検出するトルクセンサと
を備え、
前記制御装置は、前記回転電機電流と前記回転電機トルクとに基づいて、前記回転電機の磁石温度を推定する
ことを特徴とする回転電機ユニット。 - 請求項1に記載の回転電機ユニットにおいて、
前記制御装置は、前記対象物体が停止しているときに、前記回転電機電流と前記回転電機トルクとに基づいて、前記回転電機の磁石温度を推定する
ことを特徴とする回転電機ユニット。 - 請求項1又は2に記載の回転電機ユニットにおいて、
前記制御装置は、前記回転電機の磁石温度が温度閾値を超えるとき、前記回転電機の出力を制限する
ことを特徴とする回転電機ユニット。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機ユニットにおいて、
前記トルクセンサは、前記回転電機の入出力シャフトに配置された磁歪式トルクセンサである
ことを特徴とする回転電機ユニット。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転電機ユニットを有する車両であって、
前記対象物体は車輪であり、
前記回転電機は、前記車輪を駆動して前記車両を走行させる走行モータである
ことを特徴とする車両。 - 請求項5に記載の車両において、
前記制御装置は、前記車両がクリープ状態にあるとき、前記回転電機電流と前記回転電機トルクとに基づいて、前記回転電機の磁石温度を推定する
ことを特徴とする車両。 - 回転電機と、
前記回転電機を制御する制御装置と
を備える回転電機ユニットの制御方法であって、
さらに、前記回転電機ユニットは、
前記回転電機への入力電流又は前記回転電機からの出力電流である回転電機電流を検出する電流センサと、
前記回転電機と対象物体の間の動力伝達経路上に設けられて、前記回転電機からの出力トルク又は前記回転電機への入力トルクである回転電機トルクを検出するトルクセンサと
を備え、
前記制御装置は、前記回転電機電流と前記回転電機トルクとに基づいて、前記回転電機の磁石温度を推定する
ことを特徴とする回転電機ユニットの制御方法。
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