JP2019169585A - ウェーハガイド治具及び単結晶ウェーハの収納方法 - Google Patents

ウェーハガイド治具及び単結晶ウェーハの収納方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ウェーハをケースに収納する際にウェーハ同士の接触による表面の汚れやキズを防止しうるウェーハガイド治具及び単結晶ウェーハの収納方法を提供する。【解決手段】ウェーハケースに備える複数のスロットに、単結晶ウェーハを個別に収納する際に使用されるウェーハガイド治具であって、前記ウェーハケースの開口側に配置される治具本体と、前記治具本体に設けられ、単結晶ウェーハを収納予定の前記スロットとは異なる前記スロットに挿入されるスロットピンと、単結晶ウェーハを収納予定の前記スロットの開口側において互いに離間して前記治具本体に設けられ、前記スロットに挿入される単結晶ウェーハの周縁部の一部が当接することにより単結晶ウェーハをガイドする一対のガイドピンと、を有し、前記一対のガイドピンは、単結晶ウェーハの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動可能であることを特徴とするウェーハガイド治具などにより提供。【選択図】図1

Description

本発明は、ウェーハガイド治具及び単結晶ウェーハの収納方法に関し、より詳しくは、ウェーハをケースに収納する際にウェーハ同士の接触による表面の汚れやキズを防止しうるウェーハガイド治具及び単結晶ウェーハの収納方法に関するものである。
近年、表面波デバイスに供される単結晶ウェーハは、一般的にチョクラルスキー法(CZ法)等の育成方法を用いて得られたタンタル酸リチウムLiTaO(以下、LTと記す場合がある)やニオブ酸リチウムLiNbO(以下、LNと記す場合がある)などの酸化物単結晶インゴットを円筒状へ研削した後、円形板状に切断し、次いで円形板状のウェーハ基板をラッピングなどで平行で平坦な形状へ加工し、最終的にポリッシングなどで片側表面を鏡面研磨することで製造されている。
表面波デバイスの性能と信頼性は、製造技術に左右されるが、その材料となる単結晶ウェーハが高精度に加工された状態を維持され、また、清浄に保たれなければならない。そのため、それらの単結晶ウェーハを収納するウェーハケースは、ウェーハケース内で単結晶ウェーハ同士が接触して損傷や汚染されないよう、単結晶ウェーハ周縁部を支持し、互いに離間した状態で収納される。
例えば、特許文献1には、樹脂製のウェーハ収納枠、その枠を収めるケース本体、ケース蓋及び蓋に装着されているウェーハ押え治具から構成され、ウェーハ周縁部をU字型溝(以下スロットともいう)により部分的に支え固定するウェーハケースが開示されている。ここでは、ウェーハ収納枠が本体の側壁内側に隔置リブを具備し、隔置リブの溝にウェーハを挿入することで、ウェーハ周縁部を部分的に支え固定するようにしている。特許文献1の第1図からわかるように、ケース本体は、多数のU字型溝(スロット)を有するが、スロット幅およびスロット相互の間隔が極めて狭い。
特開昭62−33436号公報
ところで、LTやLNなどの単結晶ウェーハにおいては、近年、製造原価の低減を目的として、ウェーハの大口径化及び薄型化が進められている。実際、8インチ以上、0.5mm以下と大口径かつ薄型の単結晶ウェーハ(以下、単にウェーハともいう)を取り扱うことが増えている。
このような大口径のウェーハをウェーハケースに収納する場合、ウェーハをピンセット等により吸着してウェーハケースに近づけスロットの上に持っていく。しかし、ピンセットのアームが撓んでウェーハが傾き、収納済のウェーハと接触してウェーハ表面にキズが付きやすかった。特に大口径ウェーハは重いので、ピンセット等によりスロットの上で保持した状態から、挿入したいスロット位置に移動するときに手元が定まりにくく、隣のスロットにまたがって挿入してしまうこともあった。そのため、従来の挿入手順では、スロット片側の溝にウェーハの周縁部を当ててウェーハの挿入を開始し、続いて反対側の溝に入れ回転させながら下していく手順をとっている。
しかし、この手順は、作業に習熟していないと、反対側のスロットに挿入する際にウェーハが傾いてしまい、収納済のウェーハと接触する頻度が高くなり、ウェーハ表面にキズ等の外観不良を発生させることがあった。また、キズをつけないよう慎重に入れようとすると時間がかかっていた。これらの問題を防止するために、例えば25枚収納可能なケースであれば、1スロットおきに収納すると、ウェーハ間に隙間を設けなければならないので、13枚収納となり、1ケースあたりの収納枚数が減ることで、ウェーハの保管スペースが拡大する等の問題があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、大口径のウェーハをウェーハケースに収納する際に、収納済のウェーハと接触せずにウェーハ表面にキズ等の外観不良を抑制しうるウェーハガイド治具及び単結晶ウェーハの収納方法を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねたところ、収納予定のスロットにウェーハガイド治具を載せ、隣のスロットにスロットピンを挿入してから、単結晶ウェーハをガイドピンに接触させ下降させるとガイドピンが単結晶ウェーハの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動して通路を広げるようになり、対象とするスロットに単結晶ウェーハを挿入しやすくなって、収納済のウェーハと接触せず単結晶ウェーハ表面にキズ等の外観不良が生じなくなることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ウェーハケースに備える複数のスロットに、単結晶ウェーハを個別に収納する際に使用されるウェーハガイド治具であって、前記ウェーハケースの開口側に配置される治具本体と、前記治具本体に設けられ、単結晶ウェーハを収納予定の前記スロットとは異なる前記スロットに挿入されるスロットピンと、単結晶ウェーハを収納予定の前記スロットの開口側において互いに離間して前記治具本体に設けられ、前記スロットに挿入される単結晶ウェーハの周縁部の一部が当接することにより単結晶ウェーハをガイドする一対のガイドピンと、を有し、前記一対のガイドピンは、単結晶ウェーハの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動可能であることを特徴とするウェーハガイド治具が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記一対のガイドピンは、先端同士の間隔が単結晶ウェーハの直径の2分の1から3分の1の範囲で離間するように配置されることを特徴とするウェーハガイド治具が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記一対のガイドピンのそれぞれは、弾性部材の弾性力に抗して移動可能であることを特徴とするウェーハガイド治具が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1から第3のいずれかの発明において、前記一対のガイドピンのそれぞれは、先端に単結晶ウェーハの周縁部が当接する溝を備えることを特徴とするウェーハガイド治具が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1から第4のいずれかの発明において、前記スロットピンは、前記スロットに挿入される長さが単結晶ウェーハの直径の10分の1から20分の3であることを特徴とするウェーハガイド治具が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1から第5のいずれかの発明において、前記治具本体は、前記ウェーハケースに配置される一対のレールと、前記レールに沿ってスライド可能なスライド部とを有し、前記スロットピンは、前記レールに設けられ、前記一対のガイドピンは、前記スライド部に設けられ、前記一対のガイドピンを前記スロットの1つに位置決めする位置決め機構を備えることを特徴とするウェーハガイド治具が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、ウェーハケースに備える複数のスロットに、単結晶ウェーハを個別に収納する方法であって、前記ウェーハケースの開口側に配置される治具本体と、前記治具本体に設けられ、単結晶ウェーハを収納予定の前記スロットとは異なる前記スロットに挿入されるスロットピンと、単結晶ウェーハを収納予定の前記スロットの開口側において互いに離間して前記治具本体に設けられ、前記スロットに挿入される単結晶ウェーハの周縁部の一部が当接することにより単結晶ウェーハをガイドする一対のガイドピンと、を有し、前記一対のガイドピンが、単結晶ウェーハの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動可能であるウェーハガイド治具を用いて、収納予定の前記スロットと異なる前記スロットに前記スロットピンを挿入し、単結晶ウェーハの周縁部を前記一対のガイドピンに接触させて移動させながら、単結晶ウェーハを前記スロットに収納することを特徴とする単結晶ウェーハの収納方法が提供される。
本発明のウェーハガイド治具は、単結晶ウェーハを挿入予定のスロット位置に誘導するガイドピンを有するので、スロットの収納枠に単結晶ウェーハの周縁端部の両側を同時に挿入することができる。大口径の単結晶ウェーハでも傾くことなくスロットに垂直に入るため、既に収納されている単結晶ウェーハとの接触がなくなり、キズや破損を防止することができる。作業ミスが減るので効率があがり、作業コストを節減することも可能となる。また、全てのスロットを有効利用した収納が可能となるため、ウェーハケースに最大枚数を収納できるので、省スペースによるウェーハ保管が可能となる。
本発明が適用される一般的なウェーハケースとウェーハガイド治具を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態であるウェーハガイド治具の外観を示した斜視図(a)、正面図(b)である。 本発明のウェーハガイド治具の平面図(a)、ウェーハケースの縁部に載せた状態を示す側面図(b)である。 本発明のウェーハガイド治具のガイドピンの先端形状を示す側面図である。 ガイドピンの先端が図4とは異なる態様の平面図(a)、正面図(b)、側面図(c)である。 本発明のウェーハガイド治具の使用状態で、単結晶ウェーハをスロット上に接近(a)、ガイドピンに接触(b)したときの説明図である。 本発明のウェーハガイド治具の使用状態で、単結晶ウェーハがガイドピンを通過中(a)、単結晶ウェーハが収納されたとき(b)の説明図である。 本発明の第2実施形態であるウェーハガイド治具と、その使用状態を示す平面図である。 ウェーハガイド治具で用いるレールを示す斜視図である。 ウェーハガイド治具をウェーハケースの縁部に載せた状態を示す側面図(a)、正面図(b)である。 図8のウェーハガイド治具の使用状態を示す部分拡大図である。 従来法で、単結晶ウェーハをスロットに挿入しはじめた状態を示す側面図(b)である。 従来法で、単結晶ウェーハを挿入し隣の単結晶ウェーハに衝突した状態(a)、単結晶ウェーハがスロットをまたいで挿入された状態を示す平面図(b)である。
以下、本発明に係るウェーハガイド治具、及び単結晶ウェーハの収納方法について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。
1.ウェーハガイド治具
本発明のウェーハガイド治具は、ウェーハケースに備える複数のスロットに、単結晶ウェーハを個別に収納する際に使用されるウェーハガイド治具であって、ウェーハケースの開口側に配置される治具本体と、治具本体に設けられ、単結晶ウェーハを収納予定のスロットとは異なるスロットに挿入されるスロットピンと、単結晶ウェーハを収納予定のスロットの開口側において互いに離間して治具本体に設けられ、スロットに挿入される単結晶ウェーハの周縁部の一部が当接することにより単結晶ウェーハをガイドする一対のガイドピンと、を有し、一対のガイドピンは、単結晶ウェーハの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動可能であることを特徴とする。
[第1実施形態]
第1実施形態に係る単結晶ウェーハW(以下、単にウェーハWともいう)をガイドするウェーハガイド治具100について説明する。
図1〜図5は、第1実施形態に係るウェーハガイド治具100を示す図であり、図1はウェーハガイド治具100をウェーハケース200の開口側のケース縁部201に載せた状態、図2は、ウェーハガイド治具100の斜視図(a)、正面図(b)である。図3はウェーハガイド治具100の平面図(a)、側面図(b)である。また、図4はウェーハガイド治具100のガイドピン20の先端形状を示す側面図、図5は先端部23に回転する円盤が取り付けられたガイドピン20を示す平面図(a)、正面図(b)、側面図(c)である。
本発明が適用されるウェーハケース200は、複数のウェーハWを個別に離間して直立支持可能な樹脂製のケースが一般的である。このようなウェーハケース200は、ウェーハWを保管する箱状の本体部、及び蓋部を有し、本体側壁は上半部がそれぞれ直立し、下半部が内方向に湾曲し、内側表面にはウェーハWを離間させる離間リブを有しており、U字型溝(スロット)202と称されている。
本発明のウェーハガイド治具100は、図1のように、ウェーハケース200の開口側のケース縁部201の上に向かい合わせて載せ、複数のウェーハWをU字型溝(スロット)202にて個別に離間して立てた状態で支持可能な樹脂製のウェーハケース200にウェーハWを収納する時に使用する治具である。
次に、ウェーハガイド治具100の全体構造を図2により詳細に説明する。ウェーハガイド治具100は、ウェーハケース200の開口側に配置される治具本体Hと、治具本体Hに設けられスロット202に嵌合して治具を固定するスロットピン10と、治具本体Hに設けられウェーハWを収納予定のスロット202にウェーハWを誘導しウェーハWの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動する1対のガイドピン20とを具備し、ガイドピン20を一時的に格納するピンケース21と、ウェーハガイド治具100をウェーハケース200に設置するための支持板31と、固定板30とを有している。
この治具は、ウェーハWの挿入時に得られる効果が大きいが、収納されたウェーハWをケースから取り出すときにも使用できる。第1実施形態では、一対のウェーハガイド治具100は連結されておらず、独立しており、個別に着脱される。
<スロットピン>
ウェーハガイド治具100は、支持板31と固定板30でウェーハケース200のケース縁部201を跨ぎ設置される。しかし、支持板31と固定板30だけでは、ウェーハWがガイドピン20に接触し下降する際、ガイドピン20にウェーハWの重量が作用してウェーハガイド治具100が倒れることも懸念される。スロットピン10はそれを防止するために、単結晶ウェーハWを収納予定のスロット202とは異なるスロット202に挿入され、ウェーハWによる下向きの応力を受け止め、ウェーハガイド治具100とウェーハケース200の上面部の平行度を保つようにする。
スロットピン10は、ウェーハWを挿入予定のスロット202の隣のスロット202に挿入して、ガイドピン20をウェーハWが挿入されるスロット202の真上になるよう位置決めするものである。そのためスロットピン10は、挿入予定のスロット以外であれば、ウェーハWが挿入されていないスロット202だけでなく、すでにウェーハWが挿入されたスロット202に挿入されることもある。いずれにしても、スロットピン10は、スロット202のV溝203に沿って挿入されることから、接触面となるスロット202とほぼ同じ形状、すなわち、スロット202との接触面をスロット202のV溝203と同様にするのが好ましい。
治具は、収納されるウェーハWの数だけ装着と脱着が繰り返される。収納されたウェーハWを取り出すときにも同じく装着と脱着が繰り返される。そのため、ガイドピン20の脱着を容易にするため、スロット202の溝幅にもよるが、溝幅に対し0.15mmから0.25mmのクリアランスを設けることが好ましい。クリアランスが0.15mm未満であると装着・脱着しにくく、0.25mmを超えると緩くなりガイドピン20の動作が不安定になることがある。
また、スロットピン10は、ウェーハWが収納されていないスロット202に設置するのであれば、収納枠と同程度の長さでもよい。しかし、既に収納されたウェーハWのスロット202に設置される場合は、収納されたウェーハWの上縁部が干渉するため、スロットピン10は、既に収納されたウェーハWに干渉しない長さに設定する。スロットピン10は、スロット202に挿入される長さが単結晶ウェーハWの直径の10分の1から20分の3であることが好ましい。スロットピン10の長さが単結晶ウェーハWの直径の10分の1未満であると、支持力が弱くてガイドピン20の動作が不安定になる場合がある。一方、スロットピン10の長さが単結晶ウェーハWの直径の20分の3を超えると、スロットピン10が既に収納されたウェーハWに干渉することがある。例えば、8インチのウェーハWの場合は、収納済のウェーハWとスロットピン10の接触を避けるため、30mm以下に設定する必要性がある。好ましくは20mm〜30mmである。スロットピン10の材質は特に制限されず、強度が高ければ樹脂製でもよいが、繰り返し使用するため、アルミニウム、銅、鋼、ステンレスなど金属製が好ましい。またスロットピン10の表面にコーティングやメッキを施してもよい。
<ガイドピン>
ガイドピン20は、ウェーハWを挿入予定のスロット202の真上になるよう、誘導するための部材である。また、誘導されたウェーハWを受け止めて円滑にスロット内に挿入する部材でもある。ガイドピン20は、治具本体Hの治具底板32の上にスロットピン10と併設されたピンケース21内で、スプリングなどの弾性部材22と連結しており、ピンケース21から出入りする。ガイドピン20がスロットピン10と隣り合っていることから、スロットピン10がスロット202に挿入されるとガイドピン20も隣のスロット202上に設置されることになる。
ガイドピン20の先端部23は、ウェーハWの挿入時、ウェーハWの周縁部sを受け止めてガイドする機能を有する。水平に置かれた一対のガイドピン20は、単結晶ウェーハWの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動し、単結晶ウェーハWの周縁部sの一部が当接しながらスロット内へとウェーハWをガイドする。このため、ガイドピン20の先端部23の形状は、図4に示すように、ウェーハWの挿入時、ウェーハWと接触した時にガイドピン20が滑らかに移動するようC面または曲面を有する。具体的には、角部の丸みを持つ三角形状、ウェーハWと接触する部分に平行部を持つ台形形状、あるいは半円形状等であることが好ましい。また、図5に示すように円盤を取り付け、ウェーハWが接触すると中心軸で円盤が回転する構造でも良い。ウェーハWと接触することからガイドピン20の先端部23にはスロット202と同形状の溝24が設けられている。また、ガイドピン20の先端部23だけでなく上下側にもウェーハWの周縁部sを支えるために溝24が形成されている。ただし、ウェーハWの周縁部sのみを接触させるなら、必ずしもスロット202と同じV形状である必要はない。
ガイドピン20は、ウェーハケース200の開口側にウェーハWの挿入予定のスロット202の真上に対になるように2ヶ所設置される。すなわち、図1のように同じスロット202のケース縁部201に2個の治具が設置される。ウェーハガイド治具100は、ガイドピン20の形状・形態が同じものが良いが、同じ機能を有すれば異なっていてもよい。ただし、ガイドピン間の幅は、ウェーハWを円滑にスロット内に挿入できる範囲でなければならない。ガイドピン間の幅が、ウェーハWの径の1/2〜1/3の幅になるようにする。
離間するガイドピン20の幅(D2)が、ウェーハWの径(D1)の1/2より広いと、誘導時に狙いがつけにくいので、ウェーハWが揺れたときなどにガイドピン20によってガイドできず既に挿入された隣のウェーハWと接触しキズ等を損傷する恐れが生じる。逆にガイドピン同士の幅がウェーハWの径の1/3未満と狭い場合、ガイドピン20の移動距離が長くなるため、長いガイドピン20が必要になってウェーハガイド治具100が大きくなってしまう。また、ガイドピン20にウェーハWの自重がかかり、水平方向への力も大きくなるので不安定になる。
ガイドピン20は、ウェーハWの周縁部sを滑らせながらウェーハWをスロット内に収納するため、ガイドピン20の表面にウェーハWが触れても傷みにくい耐摩耗性がある樹脂材料、例えば、ポリカーボネート、シクロオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、テフロン(登録商標)などのフッ素系樹脂、液晶ポリマーといった熱可塑性樹脂やこれらのアロイ等が使用される。特に耐摩耗性の優れたテフロン(登録商標)等を用いることが望ましい。これに対して金属製やセラミック製だと、ウェーハWの周縁部sのチッピング等に繋がる恐れがある。
一方、ガイドピン20のピンケース内には弾性部材22が設けてあり、ウェーハWの周縁部sの動きに伴ってガイドピン20が伸縮する仕組みとなっている。ウェーハWの周縁部sがガイドピン20を押せば縮んでピンケース21内に収納され、ウェーハWの周縁部sがガイドピン20から離れればピンケース21から伸びて出てくる仕組みである。
弾性部材22の強度はウェーハWを挿入した時に変形が起きない程度に設定すれば良い。例えば、弾性部材22はスプリングでもよい。スプリングの強さは、8インチのウェーハWの場合、線径0.2mm以下が好ましい。線径を太くして弾性を強くしすぎると、ウェーハWの周縁部sに強い応力が掛かることから好ましくない。なお、弾性部材22としてスプリングを例示したが、同様な機能を有するものであれば限定されず、様々なアクチュエータが適用できる。例えば磁石の反発力を利用することも考えられる。一対の磁石を用意し、ピンケース21の奥とガイドピン20のピンケース21寄り端部に、磁性を合わせて取り付ければ、スプリングと同様な機能を得ることができる。
このウェーハガイド治具100を使用することで、ウェーハWが挿入されるまでガイドピン20によってウェーハWの周縁部sがガイドされるため、収納済のウェーハWと接触することなく、ウェーハWを垂直にスロット202に挿入することが可能となる。また、ウェーハWを取り出す際も、ガイドピン20を基準とし、ウェーハWを垂直に取り出すことが可能となるため、取り出し時のウェーハ同士の接触を防止することができる。ウェーハWが隣のスロット202のウェーハWと衝突しないので、キズがつかないから強度が低下せず、運送中にウェーハWが振動しても割れにくくなる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るウェーハガイド治具100について説明する。図8は、本発明の第2実施形態であるウェーハガイド治具と、その使用状態を示す平面図である。図9は、ウェーハガイド治具で用いるレールを示す斜視図である。図10は、ウェーハガイド治具をウェーハケースの縁部に載せた状態を示す側面図(a)、正面図(b)である。図11は、図8のウェーハガイド治具の使用状態を示す部分拡大図である。本実施形態のウェーハガイド治具100は、図8に示すように第1実施形態と同様、一対の治具本体Hを有しているが、治具本体Hが分離し独立して使用される第1実施形態に係るウェーハガイド治具100とは異なり、治具本体H同士をガイドピン20の先端が向き合うように連結されており、レール40の上を連続的に移動できる構造になっている。
本実施形態に係るウェーハガイド治具100は、治具本体Hがウェーハケース200に配置される一対のレール40と、レール40に沿ってスライド可能なスライド部50とを有し、スロットピン10は、レール40に設けられ、一対のガイドピン20は、スライド部50に設けられ、一対のガイドピン20をスロット202の1つに位置決めする位置決め機構51を備えることを特徴とする。
前述の第1実施形態は、ウェーハガイド治具100がガイドピン20を有することでスロット202へのウェーハWの挿入を容易にしているが、ウェーハWを挿入する毎に治具本体Hを取り外し、スロットピン10を隣のスロット202に嵌合しなおす必要がある。本実施形態は、スライド機構を用いることでスロットピン10を外さず、1対のガイドピン20がスライド機構により次のスロット202へと1コマずつ移動し、連続してウェーハWを挿入することができる。
第2実施形態は、連続してスロット202にウェーハWを挿入できるウェーハガイド治具100で、図8に示す構造をしている。ウェーハガイド治具100は、図8ではウェーハケース200のケース縁部201の両端に敷かれる2本のレール40を示しているが、スライド部を嵌合させるためのレール40の断面は凸形状あるいは凹形状でもよい。
<スロットピン>
スロットピン10は、ウェーハガイド治具100をウェーハケース200のケース縁部201に固定するための部材であり、レール40に固定されている。スロットピン10の形状は、接触面となるスロット202の形状、すなわち、V溝203とほぼ同じにするのが好ましい。
また、スロットピン10は、通常レール40の両側の端部に1つずつ取り付けられる。ウェーハWが収納されていないスロット202に設置してもよいが、レール40の両端には先にウェーハWを収納しておくことが好ましい。スロットピン10の長さは、第1実施形態と同様であり、スロットピン10の材質も第1実施形態と同様である。
固定板30は、ウェーハWとガイドピン20が接触した際、ウェーハガイド治具100の倒れを防止するためにスロットピン10と対向する側に設置される。レール40が長い場合は、レール40の中間付近にさらに1つ取り付けることもできる。レール40の中間付近にも取り付ける場合は、治具本体Hの移動に障害にならないようにする。これにより治具本体Hとウェーハケース200上面部の平行度を保つことができる。治具本体Hは、ウェーハWの挿入作業の開始と終了のたびに、第1実施形態のように収納されるウェーハWの数だけ装着と脱着が繰り返されるわけではない。したがって、第1実施形態ほどガイドピン20とスロット202とのクリアランスを考慮する必要はない。
<ガイドピン>
ガイドピン20は、第1実施形態と同様、ウェーハWの挿入予定のスロット202の真上になるよう誘導するための部材であり、誘導されたウェーハWを受け止めて円滑にスロット内に挿入する部材でもある。
ウェーハガイド治具100は、ウェーハケース200のケース縁部201を跨ぎ設置される。一対のガイドピン20は、連結板41に連結された治具底板32上に、ぞれぞれ連結されている。連結板41はスロット202と同等の幅、同等以上の長さを有する細長い板状体である。ガイドピン20は、ピンケース21内でスプリングなどの弾性部材22と連結しており、ピンケース21から出入りする。ガイドピン20の先端は、ウェーハWの挿入時、ウェーハWの周縁部sが接触したウェーハWをガイドする機能を有するため、ガイドピン20の先端形状は、図4に示すように、ウェーハWの挿入時、ウェーハWと接触した時にガイドピン20が滑らかに移動するようC面または曲面を有する。具体的な先端形状などの形態は第1実施形態と同様である。
ガイドピン20は、ウェーハケース200の開口側のケース縁部201にウェーハ挿入予定のスロット202の真上に対になるように設置される。すなわち、図8のように同じスロット202のケース縁部201にウェーハガイド治具100が設置される。ガイドピン20間の幅(D2)は、ウェーハWを円滑にスロット202内に挿入できる範囲でなければならない。ガイドピン同士の幅(D2)が、ウェーハWの径(D1)の1/2〜1/3の幅になるようにする。ガイドピン同士の幅(D2)が、ウェーハWの径(D1)の1/2より広いと、ウェーハWをガイドピン20に近づけるとき狙いをつけにくいので、ウェーハWが揺れたときなどにガイドピン20によってガイドできず既に挿入された隣のウェーハWと接触しキズ等を損傷する恐れが生じる。逆にガイドピン同士の幅(D2)がウェーハWの径(D1)の1/3未満と狭い場合、ガイドピン20の移動距離を長くするため、長いガイドピン20が必要になって治具本体Hが大きくなってしまう。また、ガイドピン20にウェーハWの自重がかかり、単結晶ウェーハWの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動する力も大きくなる。
ガイドピン20は、ウェーハWの周縁部sを滑らせながらスロット202に収納するため、表面にウェーハWが触れるので耐摩耗性がある樹脂材料が使用される。一方、ガイドピン20の先端部23の反対側にはスプリングなどの弾性部材22が設けてあり、ウェーハWの出し入れに習って移動する仕組みとなっている。弾性部材(スプリング)22の材質、弾性部材(スプリング)22の強度は第1実施形態と同様である。
治具本体Hは、レール40に沿ってスライド可能なスライド部50を有する。スライド部とレール部を嵌合させるために、断面が凸形状のレール40に対して、スライド部50の断面を凹形状にしている。また、このスライド部50は、ガイドピン20を設けた治具本体Hをレール40に乗せて移動させる。なお、レール40を含むスライド機構は市販品から適宜選定し使用できる。
治具本体Hは、一対のガイドピン20をスロット202の1つに位置決めする位置決め機構51を備えている。位置決め機構51は、例えば、レール40の側面が一定間隔に曲面を形成しており、内側に窪んだ曲面に球状の止め具が入り込む構造になっている。球状の止め具は、スプリングなどの弾性部材により、レール40の曲面に合わせて伸縮する。この位置決め機構51を利用すれば、レール40の凹部で治具本体Hを球状の止め具が圧迫するので、各スロット202のV溝203の位置で止まるようになり、作業能率が向上する。治具本体Hは、ウェーハWが挿入されていないスロット202へと一方向に移動させる。治具本体Hが既に挿入し終わったスロット202側に移動するとウェーハWを傷つけるので、ラチェット機構を有することが望ましい。位置決め機構51やラチェット機構は市販品から適宜選定し使用できる。
2.ウェーハの収納方法
次に本発明のウェーハの収納方法について説明する。本発明は、ウェーハケース200に備える複数のスロット202に、単結晶ウェーハWを個別に収納する方法であって、ウェーハケース200の開口側に配置される治具本体Hと、治具本体Hに設けられ、単結晶ウェーハWが収納されるスロット202とは異なるスロット202に挿入されるスロットピン10と、単結晶ウェーハWを収納予定のスロット202の開口側において互いに離間して治具本体Hに設けられ、スロット202に挿入される単結晶ウェーハWの周縁部sの一部が当接することにより単結晶ウェーハWをガイドする一対のガイドピン20と、を有し、一対のガイドピン20が、単結晶ウェーハWの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動可能であるウェーハガイド治具100を用いて、収納予定のスロット202と異なるスロット202にスロットピン10を挿入し、単結晶ウェーハWの周縁部sを一対のガイドピン20に接触させて移動させながら、単結晶ウェーハWをスロット202に収納することを特徴とする。
本発明において、ウェーハケース200に収納されるウェーハWは、単結晶の種類によっては特に制限されない。ウェーハWとしては、円盤状のシリコンウェーハ、サファイアウェーハ、LTウェーハ、LNウェーハ等が挙げられ、特にLTウェーハ、LNウェーハの場合に好適である。LTウェーハ、LNウェーハでは、CZ法等の育成方法を用いて製造された単結晶インゴットをマルチワイヤソー等の切断装置で所定の厚みに切断しウェーハ状に加工される。LTやLNのウェーハWは、表面の研磨状態によって制限されるわけではないが、近年、片面のみポリッシュ加工を行い鏡面状態にし、もう一方の片面はラッピング加工面による粗面状態としたウェーハWが主流を占めている。以下、LTウェーハなどの場合で説明するが、単結晶以外のガラスウェーハなどにも同様に適用できる。
また、ウェーハWは、例えば直径(D1)が200mm〜450mmと大口径のものを対象としたとき得られる効果が大きい。また、ウェーハWの厚みは、特に制限されないが、1mm以下、例えば0.3〜0.8mmと薄いものに好ましく適用できる。
次に、本発明が適用されるウェーハケース200について説明する。ウェーハケース200は、その構造によって制限されない。図1に示すウェーハケース200は、ウェーハWを1枚ごとに収納可能なスロット202を有しており、ウェーハWの収納、取り出し時には図のように単独で使用される。ウェーハWを収納した後は、この状態で次の工程に移動してウェーハWの取り出しなどが行われる。しかし、単結晶ウェーハWの製品を出荷するときには、ウェーハケース200を通常箱型の収納容器に入れて、運搬される。箱型の収納容器は、ケース蓋と、ケース蓋に設けられたウェーハ押え治具とを備えている。すなわち、ウェーハケース200は、収納容器から着脱(分離及び装着)可能な別部品として収納容器に組み込むことができる。
ウェーハケース200の形状は、上方が四角形に開口し所定数のウェーハWを保持できれば、限定されない。ウェーハケース200のスロット202にウェーハWを挿入するときは、ケースの下部開口部に支持部材が使用される。支持部材は、ウェーハWと接触する部分がゴムなどの弾性を有する板状の部材が好ましい。ウェーハケース200は、スロット202の両側がケース内面から底面にわたってU字状となり、ウェーハWを保持するV溝203を有している。隣り合うリブ(離間リブ)が所定の間隔となっていることにより、ウェーハWを1枚毎、スロット202のV溝203に合わせて所定の枚数を個別に離間して立てた状態に支持できる。
ウェーハケース200は、樹脂製であるが、ウェーハWと直接触れるために、接触面が平坦であり、挿入時に先端が当たっても削れや剥がれが生じにくく、挿入効率がよい材料が望ましい。用いられる樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、シクロオレフィン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーといった熱可塑性樹脂やこれらのアロイ等が例示される。
次に、従来の方法で大口径のウェーハWをスロット202に収納する要領を図12〜13を用いて説明する。一般的にウェーハWをウェーハケース200に入れるハンドリングでは、吸着ピンセット300が使用される。真空ポンプにより吸着ピンセット300の先端部の吸着盤301でウェーハWの表面を真空吸着させてウェーハWを保持、搬送する方法が採用されている。吸着ピンセット300は、幅が8mmと狭く2mm程度の薄いアームの先端部に、直径又は一辺が30mm程度で厚さが4mm程度の吸着盤301を有している。作業者は吸着ピンセット300の吸着盤301から50mm程度先のアーム部分を持ってウェーハWを吸引する。
前記した通り、スロット202の幅および相互の間隔が狭いため、ウェーハWが大型で重いと吸着ピンセット300を持つ手元が定まりにくく、挿入したいスロット202の位置へとガイドしにくい。そのため、従来は、図12のように、スロット202の片側にウェーハWの周縁部sを入れた後、続いてウェーハWを回転させるようにしてスロット202の反対側に入れる手順としているが、図13(a)のように、スロット202の反対側に入れる際にウェーハWが傾き、収納済のウェーハWと接触することがあった。ウェーハWが接触すると衝突したウェーハWの表面にキズ等の外観不良を発生させる。作業者が習熟していないと、キズをつけないよう慎重に入れようとするので作業時間がかかっていた。また、作業者の手元が定まらないと、図13(b)のように隣のスロット202に交差してウェーハWが入ってしまうこともあった。
次に、本発明における単結晶ウェーハWの収納方法を図6〜7を用いて説明する。本発明では、前記第1実施形態あるいは第2実施形態に示したウェーハガイド治具100を使用する。ウェーハガイド治具100は、治具本体Hに設けられ単結晶ウェーハWを収納予定のスロット202とは異なるスロット202に挿入されるスロットピン10と、単結晶ウェーハWを収納予定のスロット202の開口側において互いに離間して治具本体Hに設けられ、スロット202に挿入される単結晶ウェーハWの周縁部sの一部が当接することにより単結晶ウェーハWをガイドする一対のガイドピン20を有している。
スロットピン10とガイドピン20が異なるスロット202上に位置する構造であるため、ウェーハケース200の端部に先にウェーハWを収納しておくことで、ウェーハガイド治具100のスロットピン10をウェーハケース200の端部のスロット202に設置することが可能となる。すなわち、少なくともウェーハケース200の端部へウェーハWを収納する際には、ウェーハ同士が接触する懸念が無いため、従来の方法で収納すればよい。
このような準備作業を行った後、本発明のウェーハガイド治具100を用いて、本作業に入る。図6(a)はウェーハケース200の開口側のケース縁部201にウェーハガイド治具100を設置して、ウェーハWの表面方向からみた概略図である。ウェーハガイド治具100は、スロット202の両サイドに1つずつ設置する。これによりガイドピン20が、ウェーハケース200のウェーハWの挿入予定のスロット202の真上に対になるように2ヶ所設置される。治具本体Hは、支持板31と固定板30でウェーハケース200のケース縁部201を跨ぎ設置する。支持板31と固定板30は、ウェーハWとガイドピン20が接触した際、ウェーハガイド治具100の倒れを防止するために設置されており、これにより治具とウェーハケース200上面部の平行度を保つことができる。
ガイドピン20は、ウェーハWの挿入予定のスロット202の真上になるよう、スロット202と同形状のスロットピン10をウェーハWの挿入予定のスロット以外のスロット202に挿入することで設置される。ガイドピン20の先端は、ウェーハWの挿入時、ウェーハWの周縁部sが接触したウェーハWをガイドする。また、ウェーハWの挿入により、ガイドピン20が単結晶ウェーハWの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動し、ウェーハWの周縁部sを移動しながらガイドする。
ガイドピン20は、ウェーハWの挿入予定のスロット202の真上で向き合っているが、この時のガイドピン同士の幅は、ウェーハWの径の1/2〜1/3の幅に設定する。ウェーハガイドピン同士の幅が、ウェーハWの径の1/2より小さいとウェーハWがガイドピン20にガイドされる前に既に挿入されたウェーハWと接触しキズ等を損傷する可能性が高い。逆にガイドピン20同士の幅がウェーハWの径の1/3未満の場合、ガイドピン20の移動距離が長くなりウェーハガイド治具100が大きくなってしまう。また、ウェーハWを押さえる力を調整することが難しくなる。
まず、図6(a)のように、吸着ピンセットにより保持されたウェーハWを上方から挿入予定のスロット202に近づけ、図6(b)のように、吸着ピンセットの吸着盤先端を真下に向け、ガイドピン20の先端にウェーハWの周縁部sを当てて安定させる。その後、吸着ピンセット300でウェーハWを下に降ろすとガイドピン20がウェーハWの周縁部sに習って移動し、ウェーハWがガイドされながらスロット202に対して下降する。ガイドピン20の先端部23の反対側にはスプリングなどの弾性部材22が設けてあり、ウェーハWの動きに習ってガイドピン20を移動する。ガイドピン20がウェーハWに押されると、ピンケース21に一時的に収納される形となる。図7(a)は、ガイドピン20が縮んで最も深くピンケース21に入った状態を示している。さらにウェーハWは自重によってスロット202のV溝203にそって下降していく。下降しにくい場合は、ピンセットでウェーハWの周縁部sを押して下方へ滑らせながら押し込んでいく。図7(b)のように、収納完了後は、ウェーハWの吸着を解除して吸着ピンセット300を抜き取った後、ウェーハガイド治具100をガイドピン20が次の挿入予定のスロット202の上になるように差し替える。
このウェーハガイド治具100を使用することで、ウェーハWが挿入されるまでウェーハWの周縁部sがガイドされるため、収納済のウェーハWと接触することなくスロット202に挿入することが可能となる。また、ウェーハWを取り出す際も、ガイドピン20を基準とし、ウェーハWを上向き垂直に取り出すことが可能となるため、取り出し時のウェーハ同士の接触を防止することができる。
以上の実施形態は、ウェーハガイド治具100がガイドピン20を有することでスロット202へのウェーハWの挿入を容易にしているが、ウェーハWを挿入する毎にウェーハガイド治具100を取り外し、スロットピン10を隣のスロット202に嵌合しなおす必要がある。しかし、第2実施形態のウェーハガイド治具100は、一対のガイドピン20が先端を向き合わすように連結板41で連結されており、スライド機構を用いることでスロットピン10を外さず、1対のガイドピン20がスライド機構によりスロット間を1コマずつ移動するので、連続してウェーハWを挿入することができる。
すなわち、連続してウェーハWを挿入するには、治具本体Hがウェーハケース200に配置される一対のレール40と、レール40に沿ってスライド可能なスライド部50と一対のガイドピン20を備えるウェーハガイド治具100を使用する。ウェーハガイド治具100は、スロットピン10がレール40に固定され、一対のガイドピン20をスロット202の1つに位置決めする位置決め機構51を有している。
まず、ウェーハケース200の端部に先にウェーハWを収納しておく。少なくともウェーハケース200の端部へウェーハWを収納する際には、ウェーハ同士が接触する懸念が無いため、従来の方法で収納すればよい。次に、レール40をウェーハケース200のケース縁部201上に配置して、スロットピン10をスロット202に差し込み固定する。レール40に付設されたスロットピン10は、少なくともウェーハケース200の両端に設置する。二本のレール40を用いるので4か所のスロットピン10は、既にウェーハWを収納したスロット202に設置される。なお、レール40を含むスライド機構は市販のものを使用できる。その後、レール40の上に治具本体Hのスライド部50を載置する。
次に、前記と同様、ウェーハWをスロット202の両端に対向して配置されたガイドピン20に接近させ、ガイドピン20の先端部23の真上でウェーハWの周縁部sをガイドピン20の先端に当接させ、引き続き、ガイドピン20にウェーハWの周縁部sが摺動するようにウェーハWを下降させるようにして、スロット内にウェーハWを収納する。
治具本体Hは、ウェーハWを1枚収納する毎に、スライド部50により次のスロット202へと移動させる。移動時には治具本体Hに連結された位置決め機構51を使用する。この位置決め機構51は、1対のガイドピン20とピンケース21をウェーハWが収納される各スロット202の位置に固定できるように設定する。レール40の側面が一定間隔に曲面を形成しており、内側に窪んだ曲面に球状の止め具が入り込む構造になっていれば、球状の止め具に付属するスプリングなどの弾性部材で調整する。治具本体Hを進行方向に押したとき、球状の止め具がレール40の曲面の山を容易に乗り越えるが、谷に嵌ると制止するよう強度を調整するのが好ましい。
これにより、前述のスライド機構を有しないウェーハガイド治具100では、ウェーハWを挿入毎にウェーハガイド治具100を取り外し、スロットピン10を隣のスロット202に嵌合しなおす必要があったが、本実施形態ではスライド部50と位置決め機構51を用いることでスロットピン10を外さず、1対のガイドピン20とピンケース21を一定のピッチでスロット間を移動し、連続してウェーハWを挿入することができる。
上記の工程を経て、所定数のウェーハWがウェーハケース200のスロット底部に収納配置された後、収納容器に装入しケース蓋を閉じると、ウェーハWは、ウェーハ押え治具により収納枠側の溝部に押し付けられ安定する。収納容器は、例えば段ボールや輸送ケース内に収納容器のサイズに合った緩衝材のウレタンフォームなどを収納容器の六面に密着させて梱包する。
輸送後にケース蓋を開けると、ウェーハWは、ウェーハ押え治具による圧力から解放され取り出せるようになる。ウェーハWを取り出す際も、本ウェーハガイド治具100を用いれば、ガイドピン20を基準とし、ウェーハWを真上方向に取り出すことが可能となるため、ウェーハ同士の接触を防止することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明の具体的な実施内容を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明である図1、2のウェーハガイド治具とウェーハケース(インテグリス社製のPA192−80M−0603;ウェーハWを25枚収納でき、スロット幅は1.2mm)を20個用意した。10個のウェーハケースには、外径200mm、厚さ0.5mmサイズのタンタル酸リチウムのウェーハWを収納しておき、残り10個のウェーハケースは空のままにしておいた。
まず、ウェーハガイド治具を両方のウェーハケースの開口側の縁部にのせた。離間するガイドピンの幅(D2)は、ウェーハWの径(D1)の1/2の幅に設定し、スロットピン10は、既に収納されたウェーハWに干渉しないように30mmの長さにした。
次にウェーハWが収納されているウェーハケースに吸着ピンセットのアームをケース側面の開口部から近づけ、最も手前のウェーハWの表面をアームの吸着盤で吸着し、垂直に上方へ引き上げ、スロットから取り出した。取り出したウェーハWは、空のウェーハケースに載せたウェーハガイド治具の上から、ウェーハWの周縁部sがガイドピンに当接するようにして下降させ、空のウェーハケースのスロットに挿入した。ウェーハWの取り出しや収納が終わるたびに治具本体Hをウェーハケースから外し、次のスロットに移した。なお、吸着ピンセット及び真空ポンプは、フロロメカニック社の製品を使用した。
ウェーハの収納は全てのスロットを用いて最大収納枚数とし、外観不良検査で良品と判定されたウェーハ250枚(10ケース分)を空ケースに移し替えたことになる。その後、更に元のケースに戻す作業を実施した。このとき、ウェーハ同士接触回数をカウントするようにし、収納後の外観再検査を実施した。作業者は経験2か月で、この操作に習熟していなかったが、本発明のウェーハガイド治具を用いたことで、ウェーハケースからの初回取り出し(1)の所要時間は21分、ケースへの初回収納(1)の所要時間は33分と能率がよがった。また、表1に示すように、ウェーハ同士の接触回数0回、外観不良品の発生率0%という好結果で作業ができた。表1には1回目の取り出しと収納に(1)、2回目の取り出しと収納に(2)を付記している。
(実施例2)
実施例1と同様、本発明のウェーハガイド治具を用いたが、ウェーハガイドピン間の幅(D2)を変え、ウェーハWの径(D1)の1/3の幅になるよう設定した。それ以外は実施例1と同様にしてウェーハWの移し替え実験を行った。ウェーハケースからの初回取り出し(1)の所要時間は17分、ケースへの初回収納(1)の所要時間は25分と能率が良かった。またウェーハ同士の接触回数0回、外観不良発生率0%と良好な結果であった。
(比較例1)
実施例1のウェーハW及び吸着ピンセット、ウェーハケースを用い、ウェーハガイド治具を使用せず、従来の収納手順により同様の移し替え作業を実施した。ウェーハWが揺れて手元が定まりにくく、接触回数は計69回と多く、外観再検査後の不良発生率は6.0%であった。またウェーハケースからの初回取り出し(1)の所要時間は25分、ケースへの初回収納(1)の所要時間は38分と能率が悪かった。
Figure 2019169585
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。
W ウェーハ
s 周縁部
i 挿入方向
H 治具本体
100 ウェーハガイド治具
10 スロットピン
20 ガイドピン
21 ピンケース
22 弾性部材(スプリング)
23 ピン先端部
24 溝
30 固定板
31 支持板
32 治具底板
40 レール
41 連結板
50 スライド部
51 位置決め機構
200 ウェーハケース
201 ケース縁部
202 スロット
203 V溝
204 開口部
300 吸着ピンセット(アーム)
301 吸着盤

Claims (7)

  1. ウェーハケースに備える複数のスロットに、単結晶ウェーハを個別に収納する際に使用されるウェーハガイド治具であって、
    前記ウェーハケースの開口側に配置される治具本体と、
    前記治具本体に設けられ、単結晶ウェーハを収納予定の前記スロットとは異なる前記スロットに挿入されるスロットピンと、
    単結晶ウェーハを収納予定の前記スロットの開口側において互いに離間して前記治具本体に設けられ、前記スロットに挿入される単結晶ウェーハの周縁部の一部が当接することにより単結晶ウェーハをガイドする一対のガイドピンと、を有し、
    前記一対のガイドピンは、単結晶ウェーハの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動可能であることを特徴とするウェーハガイド治具。
  2. 前記一対のガイドピンは、先端同士の間隔が単結晶ウェーハの直径の2分の1から3分の1の範囲で離間するように配置されることを特徴とする請求項1に記載のウェーハガイド治具。
  3. 前記一対のガイドピンのそれぞれは、弾性部材の弾性力に抗して移動可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウェーハガイド治具。
  4. 前記一対のガイドピンのそれぞれは、先端に単結晶ウェーハの周縁部が当接する溝を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のウェーハガイド治具。
  5. 前記スロットピンは、前記スロットに挿入される長さが単結晶ウェーハの直径の10分の1から20分の3であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のウェーハガイド治具。
  6. 前記治具本体は、前記ウェーハケースに配置される一対のレールと、前記レールに沿ってスライド可能なスライド部とを有し、
    前記スロットピンは、前記レールに設けられ、
    前記一対のガイドピンは、前記スライド部に設けられ、
    前記一対のガイドピンを前記スロットの1つに位置決めする位置決め機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のウェーハガイド治具。
  7. ウェーハケースに備える複数のスロットに、単結晶ウェーハを個別に収納する方法であって、
    前記ウェーハケースの開口側に配置される治具本体と、
    前記治具本体に設けられ、単結晶ウェーハを収納予定の前記スロットとは異なる前記スロットに挿入されるスロットピンと、
    単結晶ウェーハを収納予定の前記スロットの開口側において互いに離間して前記治具本体に設けられ、前記スロットに挿入される単結晶ウェーハの周縁部の一部が当接することにより単結晶ウェーハをガイドする一対のガイドピンと、を有し、
    前記一対のガイドピンが、単結晶ウェーハの挿入方向に対して直交する方向で、かつ互いに離れる方向に移動可能であるウェーハガイド治具を用いて、
    収納予定の前記スロットと異なる前記スロットに前記スロットピンを挿入し、
    単結晶ウェーハの周縁部を前記一対のガイドピンに接触させて移動させながら、単結晶ウェーハを前記スロットに収納することを特徴とする単結晶ウェーハの収納方法。
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