JP2019169406A - 荷電粒子線装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、試料表面と底部のそれぞれに焦点を合わせる際に発生する視野ずれを抑制しつつ、試料表面と底部に焦点の合った画像等を取得することを目的とする荷電粒子線装置を提案する。【解決手段】上記目的を達成するために、試料表面側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第1の画像(301)を形成し、試料に含まれるパターンの底側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、前記第1のエネルギーに対して相対的にエネルギーの高い第2のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第2の画像(304)と、第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第3の画像(303)を形成し、第1の画像と第3の画像との間のずれを求め、当該ずれを補正するように第1の画像と前記第2の画像を合成する荷電粒子線装置を提案する。【選択図】図3
Description
本開示は、荷電粒子線装置、及び試料像の形成方法に係り、特に深孔や深溝形状のパターンを含む領域の試料像を形成する荷電粒子線装置に関する。
走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)のような荷電粒子線装置を用いた深孔観察法が知られている。特許文献1には、コンタクトホールのような深孔の底から放出された電子に基づいて、高コントラストの孔底の画像を形成するために、電子ビームの光軸に近い軌道を通過する電子(光軸との相対角が小さい軌道を通過する電子(高アングル電子))と、相対的に電子ビームの光軸から離間した軌道を通過する電子(高アングル電子に対して相対的に光軸との相対角が大きい軌道を通過する電子(低アングル電子))を弁別して検出する2段の検出器を備えたSEMが開示されている。特許文献2、3には、複数の検出器での検出信号を均一にすべく、二次電子の軌道を制御する二次電子用の偏向器を設けたSEMが開示されている。
走査電子顕微鏡は、焦点深度が比較的長く、深孔等の観察を行うときも、試料表面と底に焦点が合ったような画像を取得することができる。しかしながら、昨今、半導体デバイス上に形成された孔や溝の深さが深くなり、走査電子顕微鏡の焦点深度より深い孔や溝が散見されるようになってきた。このような深孔や深溝を高精度に計測、検査するためには、試料表面と孔や溝の底部のそれぞれに焦点を合わせて画像等を取得する必要がある。しかしながら、試料表面と底部のそれぞれに焦点を合わせるべく、一方の画像を取得した後、他方の画像を取得しようとすると、その間で視野ずれが発生し、同じ視野の画像を取得することが困難となる場合がある。特許文献1乃至3には、高アスペクト比のパターンについて、試料表面と底部のそれぞれに焦点を合わせるときに発生する視野ずれについては何ら論じられていない。
以下に、試料表面と底部のそれぞれに焦点を合わせる際に発生する視野ずれ等を抑制しつつ、試料表面と底部に焦点の合った画像等を取得することを目的とする荷電粒子線装置を提案する。
上記目的を達成するための一態様として、荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを集束するレンズと、試料に対する荷電粒子ビームの照射に基づいて得られる荷電粒子を検出する検出器と、当該検出器の出力に基づいて荷電粒子ビームの照射領域の画像を生成する演算処理装置と、前記レンズを制御する制御装置とを備え、前記演算処理装置は、前記制御装置によって試料表面側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第1の画像を形成し、前記制御装置によって前記試料に含まれるパターンの底側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、前記第1のエネルギーに対して相対的にエネルギーの高い第2のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第2の画像と、前記第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第3の画像を形成し、前記第1の画像と前記第3の画像との間のずれを求め、当該ずれを補正するように前記第1の画像と前記第2の画像を合成する荷電粒子線装置を提案する。
また、上記目的を達成するための他の一態様として、荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを集束するレンズと、試料に対する荷電粒子ビームの照射に基づいて得られる荷電粒子を検出する検出器と、当該検出器の出力に基づいて荷電粒子ビームの照射領域の画像を生成する演算処理装置と、前記レンズを制御する制御装置とを備え、前記演算処理装置は、前記制御装置によって試料表面側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第1の画像を形成し、前記制御装置によって前記試料に含まれるパターンの底側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、前記第1のエネルギーに対して相対的にエネルギーの高い第2のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第2の画像を形成し、前記第1の画像の輝度分布情報に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像の合成比を求める荷電粒子線装置を提案する。
上記構成によれば、試料表面と底部のそれぞれに焦点を合わせる際に発生する視野ずれ等を抑制しつつ、試料表面と底部に焦点の合った画像等を取得することが可能となる。
以下に説明する実施例では、高精度にパターンの計測を実行する演算処理装置を備えた荷電粒子線装置を説明する。また、以下に説明する荷電粒子線装置は、コンピュータプロセッサと、非一時的なコンピュータ可読媒体とを備えた制御装置によって制御される。非一時的なコンピュータ可読媒体は、コンピュータプロセッサによって実行されると、システムコントローラに所定の処理を実行させるコンピュータ命令で符号化され、後述するような処理工程に沿って、荷電粒子線装置を制御する。
半導体製造プロセスの微細化が進むにつれ、二次元平面での微細化にとどまらず、三次元積層で集積度を上げるためのデバイスを開発する技術が普及してきている。年々構造が複雑化し、深い孔や溝のような高アスペクト比の試料を形成するにあたり、エッチングや穴埋めCVDが困難になることが予想される。また、アスペクト比の大きい深孔、深溝のエッチングではウェハ全面にわたってエッチングガスを垂直に制御する必要があり、この制御を誤ると斜めにエッチングされるといった事象問題も発生する。半導体計測検査装置では歩留まりの確認のため、前述するアスペクト比の大きいパターン等でTop(試料表面)とBottom(孔底や溝底)の径だけでなくTopとBottomとの間の位置ずれを計測、管理したいというニーズが高まりつつある。
また、荷電粒子線装置の焦点深度よりも深い孔や溝のTopとBottomのそれぞれを高精度に計測、検査する必要性が高まることが予想される。特に、TopとBottomのそれぞれの寸法や、両者間のずれを、Topとbottomのそれぞれに正確に焦点の合った状態で得られた信号を用いて、計測等を行う必要性が高まることが予想される。一方、TopとBottomのそれぞれで、最適なフォーカス値を設定し、それぞれの信号を検出できればTopとBottomでの高精度計測は可能となるが、フォーカス値を変えることでTopと/Bottomとの間の撮像視野位置がずれてしまう。例えば、TopとBottomとの間のずれの計測や合成画像生成の際に、両者間にずれが存在すると、高精度な計測や適正な画像生成が望めない。また、TopとBottomの寸法を一度の計測により取得することができない。
以下、深孔、深溝のような高アスペクト比のパターンの計測や画像生成を行う場合であっても、視野ずれを抑制しつつ、高精度な計測や画像生成を可能とする荷電粒子線装置、及び試料像の形成方法について説明する。
以下に説明する実施例では主に、試料から放出される荷電粒子を二次電子と反射電子に分別して検出する検出器を備えた荷電粒子線装置であって、前記試料から放出された反射電子を必要な信号だけ選択的に取得する弁別器を備え、フォーカス値を変えて二段階で撮像した際に画像処理でTop/Bottomの画像の位置ずれ検出を行うことで、Top/Bottomのずれ量の計測を可能にし、その位置ずれ量を用いて二段階で撮像した画像の合成を行うことでTop/Bottomの寸法とずれの視認性を向上させた画像を生成する荷電粒子線装置について説明する。
上記構成によれば深孔や深溝のような高アスペクトの試料で判定や計測が困難だったエッチング等によるパターン形成時のTop/Bottomのずれが計測可能な画像を生成できる。
図1は、走査電子顕微鏡の概要を示す図である。電界放出陰極1と引出電極2との間に引出電圧を印加することで一次電子線3を引き出す。一次電子線3(電子ビーム)は、コンデンサレンズ4で収束作用を受け、対物レンズ5のレンズ中心を支点として試料6を二次元走査するように調整されている。加速された一次電子線3は対物レンズ5のレンズ作用で絞られステージ7に保持された試料6に到達する。
一次電子線3の照射によって試料6で発生した信号電子は運動エネルギーに応じて二次電子8と反射電子9に分類される。二次電子8はエネルギーが低く広がりが大きいため、光軸を一次電子線3と逆方向に進行後、二次電子制御板10に衝突し二次電子検出器14で検出される。反射電子9(後方散乱電子:Backscattered Electron(BSE))はエネルギーが高いため、光軸を一次電子線3と逆方向に進行し二次電子制御板10の孔を通過する。試料から放出された電子が電界放出陰極1に向かうことがないように、信号電子偏向器11によって、反射板13に向かって試料から放出された電子を偏向する。信号電子偏向器11は、試料から放出された電子の電子ビーム光軸外への偏向を行いつつ、電子ビームの軸外への偏向を抑制するために、ウィーンフィルタ偏向器が採用されている。偏向された反射電子9は更にエネルギー弁別器12によって必要な信号だけを選択的に検出すると共に不要な信号をノイズとして破棄する。その後は反射板13に衝突する。反射板13に対する反射電子9の衝突によって、反射板13から二次電子が放出され、当該二次電子は反射電子検出器15で検出される。
二次電子検出器14と反射電子検出器15で検出された信号は演算器16でデジタル画像化し、画像メモリ18に格納する。なお、本実施例では試料から放出された電子を、反射板のような二次電子変換電極に衝突させ、その衝突によって反射板から放出される電子を検出する検出方式を例にとって説明するが、これに限られることはなく、例えば、試料から放出される電子の軌道上に検出器の検出面を配置することによって、試料から放出される電子を直接検出する検出方式を採用するようにしても良い。また、反射電子検出器15にて検出する電子は、実際は反射板で発生する二次電子であるが、反射板からは反射電子の入射量に応じて二次電子が発生し、検出される二次電子は反射電子量を反映したものとなるため、本実施例では反射電子検出器と称し、実質的に反射電子を検出するものと定義する。図1に例示するような装置によれば、例えば0〜50eVのエネルギー(第1のエネルギー)を持つ二次電子と、50eV以上のエネルギー(第2のエネルギー)を持つ反射電子を分けて検出することができる。
画像メモリ18には、S/N比改善のため画像(画像データ)を重ねて(合成して)記憶する機能が備えられている。例えば1回目は8枚分の二次電子を検出した画像を重ねて記憶し、1枚の完成した像を形成する。2回目は128枚分の反射電子を検出した画像を重ねて記憶し1枚の積算画像を形成する。1回目と2回目で取得した画像の合成比率を変更して1枚の積算した画像を形成する。即ち、1回もしくはそれ以上のX―Y走査単位で形成された画像を合成して最終的な画像を形成する。
1枚の完成した像を形成するための画像数(フレーム積算数)は入力装置25から任意に設定可能であり、二次電子、反射電子の発生効率等の条件を鑑みて適正な値を設定するものとする。また複数枚数積算して形成した画像を2回もしくはそれ以上の異なる条件に分けて撮像し、合成方法や合成比率を適正な値に設定することで最終的に取得したい画像を形成することもできる。また、所望の画像数が画像メモリに記憶された時点で画像合成の要求を出すことができても良い。演算器16では入力装置25から設定によって検出された信号を用いて輝度調整や複数走査によって得られた画像間の位置ずれを検出することもできる。
一次電子線3は、対物レンズ制御電源17で制御された対物レンズ5によって、試料6に微小スポットとして収束される。また、リターディング電圧電源20からステージ7に負電圧を印加することによって、電子ビームに対する減速電界を形成し、当該印加電圧の調整によってビームのフォーカス条件を調整することも可能である。試料やステージに印加する負電圧によって形成される電界は、ビームを集束する静電レンズとなるため、対物レンズ5に代えて或いは対物レンズ5と共にビームの焦点調整を行うことができる。
像表示装置19では画像メモリ18に設定した画像データを表示することができる。また、画像メモリ18に設定した画像データを記憶媒体に保存するため記憶装置21を備えることも可能である。
入力装置25からは、画像の取り込みの実行、画像の取り込み条件(走査速度、走査方向、画像積算枚数、フォーカス位置、視野ずれ補正方法)や画像合成方法、および画像の出力や保存等を指定することができる。
制御装置24には演算器16(演算処理装置)、対物レンズ制御電源17、リターディング電圧電源20、加速電圧電源22、レンズ制御電源23、画像メモリ18、記憶装置21、像表示装置19、入力装置25接続されており、これらの装置を制御する。
また、図1に例示する走査電子顕微鏡は、検出された二次電子8或いは反射電子9等に基づいて、ラインプロファイルを形成する機能を備えている。ラインプロファイルは一次電子線を一次元、或いは二次元走査したときの電子検出量、或いは試料像の輝度情報等に基づいて形成されるものであり、得られたラインプロファイルは、例えば半導体ウェハ上に形成されたパターンの寸法測定等に用いられる。
なお、図1の説明は制御装置が走査電子顕微鏡と一体、或いはそれに準ずるものとして説明したが、それに限られることはなく、走査電子顕微鏡鏡体とは別に設けられた制御プロセッサで以下に説明するような処理を行っても良い。その際には二次電子検出器14や反射電子検出器15で検出される検出信号を制御プロセッサに伝達し、制御プロセッサから走査電子顕微鏡のレンズや偏向器等に信号を伝達する伝達媒体と、当該伝達媒体経由で伝達される信号を入出力する入出力端子が必要となる。
また、以下に説明する処理を行うプログラムを記憶媒体に登録しておき、画像メモリを有し走査電子顕微鏡に必要な信号を供給する制御プロセッサで、当該プログラムを実行するようにしても良い。即ち、以下に説明する本発明実施例は画像プロセッサを備えた走査電子顕微鏡等の荷電粒子線装置に採用可能なプログラムの発明としても成立するものである。
以下に示す実施例では、深い孔や溝のような高アスペクト比で形成された試料のTop(例えば試料表面)/Bottom(例えば孔底や溝底)の寸法とずれの計測を高精度に実現し得る画像生成方法、及び信号電子を用いた計測方法について説明する。深孔、深溝のようにアスペクト比(深孔や深溝の場合、「孔や溝の深さ/孔底や溝底の幅」で定義する)の高いパターンの底部から放出される電子に基づく情報を顕在化するためには、相対的にエネルギーの高い電子、例えば反射電子を選択的に検出する必要がある。
図5に例示するように、高アスペクトの構造物(ホール505)の底部506から放出される電子の内、反射電子501は試料表面に脱出できる。二次電子502は、試料表面に脱出する前に構造物の側壁に衝突してしまう可能性が高い。このように反射電子501は比較的高効率に検出することができるが、二次電子502の検出効率は低い。一方、構造物表面507から放出される反射電子503、二次電子504は共に高効率に検出することができる。即ち、アスペクト比の高いパターンの底部は、二次電子502の検出効率が低いため、結果として試料表面と比較すると底部が暗い画像が形成されることになる。
一方、反射電子を選択的に検出することができれば、底部と試料表面との検出効率の差が抑制される分、試料底部の情報をより顕在化することが可能となる。
そこで本実施例では、試料の底部の画像は、反射電子のような高エネルギーの電子の選択的な検出に基づいて形成する。高エネルギー電子の選択的な検出は、例えばエネルギーフィルタと呼ばれる低エネルギー電子の通過を遮断する素子を用いて行う。また、試料表面の画像は、二次電子のような比較的信号量の多い低エネルギーの電子の検出に基づいて形成する。本実施例では、上記のように試料表面から得られた画像と、試料の底部から得られた画像の双方を用いて画像生成を行うべく、以下のような画像処理及び装置制御を自動的に行う制御装置を備えた走査電子顕微鏡について説明する。具体的には、試料表面にフォーカスを合わせて二次電子画像(第1画像)を取得し、パターン底部にフォーカスを合わせて二次電子画像(第3画像)と反射電子画像(第2画像)を取得する。更に、第1画像と第3画像に含まれるパターン(例えばホールパターン)の重心を求め、両者間の位置ずれを求める。
本実施例では、視野位置を固定した状態で試料表面とパターン底部に焦点が合うようにフォーカス調整を行うが、フォーカス調整前後で帯電等の影響で視野がずれる可能性がある。フォーカス調整前後の画像を比較することによって、そのずれ量を正確に把握することが可能となる。また、第1画像はS/N比が高く、パターンの重心が求めやすい二次電子画像であり、第3画像はパターンの輪郭は不明瞭であるものの、S/N比が高くパターンの重心が求めやすい二次電子画像であるため、重心位置間のずれ量を正確に求めることができる。
更に求められたずれ量とずれの方向(ベクトル情報)の情報を利用して第1画像と第2画像のずれを補正するように位置合わせを行い、位置合わせ後の両画像を合成して合成画像を生成する。上述のような工程を経て形成された合成画像は、試料表面と試料底部の両方の情報が顕在化した画像となる。なお、試料表面にフォーカスが合った状態で取得される反射電子画像(第4画像)は、他に必要がある場合に取得するようにしても良い。
図2は合成画像生成工程を示すフローチャートである。なお、図1に例示する走査電子顕微鏡には、反射電子のような高エネルギー電子を検出する検出器と、二次電子のような低エネルギー電子を検出する検出器が設けられており、両者を同時に検出することが可能な構成となっているが、これに限られることなく、1の検出器を持つ装置で上述のような合成画像生成を行うようにしても良い。その場合は一回の撮像で二次電子、反射電子の両方の画像を取得できないため、それぞれ撮像を行い、画像メモリ18に設定する。
しかしながら、検出器が1つの装置の場合、同じフォーカス条件で反射電子画像と二次電子画像を取得する場合であっても、取得タイミングに時間差が生じてしまうため、同じフォーカス条件で同じ視野位置の高エネルギー電子と低エネルギー電子を同時に取得できる複数検出器を備えた走査電子顕微鏡を採用することが望ましい。
図2に例示する処理工程開始前にはビームのフォーカスをTop側に合わせておく。操作者が手動で合わせても良いし、オートフォーカス等により自動で合わせても良い。なお、オートフォーカスによる調整を行う場合、視野内の試料表面の面積の割合が大きければ、おおよそ試料表面に焦点が合うので通常のオートフォーカスを行うと良い。一方、視野内の試料表面の面積割合が小さい場合には、試料表面ではなく相対的に面積割合の大きい領域の試料高さに焦点が合うことになるので、そのような場合は、試料表面を選択的に含むような焦点評価領域を設定しておき、当該領域における選択的な焦点評価を行うことによって、オートフォーカスを行うようにすると良い。
まず、入力装置25から合成画像生成のシーケンスの実行を指示する。制御装置24は、対物レンズ制御電源17、及びリターディング電圧電源20の少なくとも一方を制御し、TOPに焦点が合うように焦点調整を実行し、その焦点調整状態にて二次電子画像(Secondary Electron Image:SE image)301と、反射電子画像(BSE image)302を撮像(ステップ201)し、画像メモリ18に登録する。帯電によりフレーム積算中の像ドリフトが発生する可能性があるためSE像301撮像時にはフレーム間でドリフト量を検出して補正を行っても良い。
次に、bottomに焦点が合うように、対物レンズ制御電源17、及びリターディング電圧電源20の少なくとも一方を制御する(ステップ202)。この場合、例えば試料表面とパターン底部との高低差(深さ)とフォーカス条件(対物レンズの励磁電流、ステージへの印加電圧)との関係をテーブル化しておき、深さ情報の入力に基づいてフォーカス条件を調整する。表示画面を確認しつつ、反射電子画像のホール底の画像が鮮明になるように、手動でフォーカス条件を調整するようにしても良い。この時に変更前のTop側のフォーカス値は保持しておくものとする。
制御装置24は、bottomにフォーカスを合わせた状態で、二次電子画像303と反射電子画像304を形成すべく、電子ビームを走査させ、当該走査によって得られる二次電子と反射電子を検出し、その画像データを画像メモリ18に登録する(ステップ203)。帯電によりフレーム積算中の像ドリフトが発生する可能性があるためSE像303撮像時にはフレーム間でドリフト量を検出して補正を行っても良い。
制御装置24は、ステップ202で記憶しておいたフォーカス条件を設定し、電子ビームの焦点位置をTOPに合わせる(ステップ204)。ステップ204にて焦点位置をTOPに合わせる(元に戻す)ような処理を行うことによって、焦点調整条件が同等の他の計測点において、図2に例示するような処理を円滑に開始することができる。
次に、フォーカス調整前後での視野ずれを補正するため、ステップ201及びステップ203にて取得されたSE画像301とSE画像303を、画像メモリ18から読み出し、両者のずれを検出する(ステップ205)。この際、正規化相互相関法によるパターンマッチングアルゴリズムを用いて、ずれ量とずれの方向を求める。なお、パターン検出アルゴリズムは正規化相関のアルゴリズムに限定せず、位相限定相関等のアルゴリズムを用いても良い。この際、(Δx,Δy)分、ずれた位置でマッチングした場合は、例えば(−Δx,−Δy)を補正データとして所定の記憶媒体に登録する。
ステップ206では、ステップ205で求められた補正データを用いて、BSE画像の位置を補正し、位置補正処理が施された位置補正BSE画像305を、画像メモリ18に登録する。更にステップ207では、SE画像301に含まれるホールパターンの重心位置と、位置補正BSE画像305に含まれるホールパターンの重心位置を算出し、それぞれで算出した重心位置のずれを求める。
このようにして算出した重心位置間のずれを、半導体デバイスのレイヤ間のオーバーレイ誤差として表示装置に表示、或いは所定の記憶媒体に記憶させる。このような処理によって、レイヤ間のオーバーレイ誤差を知ることができる。なお、ずれの計測は、topのSE画像からパターンエッジの輪郭線(エッジ部分の細線化処理によって抽出される線分)から求められる重心位置と、bottomのBSE画像の輝度分布の重心位置との距離から求めるようにしても良い。このように、top側とbottom側で重心位置抽出の処理法を変えることによって、双方の画像状態に合った適切な重心位置特定が可能となり、結果として高精度なオーバーレイ誤差計測が可能となる。
次に、SE画像301と位置補正BSE画像305を合成し、合成画像306を生成する(ステップ208)。画像合成の際には、例えばTOP側はSE画像301の情報、bottom側は位置補正BSE画像305の情報が強調できれば良いため、例えばSE画像301からパターンの輪郭線を抽出し、当該輪郭線の外側はSE画像301の情報を適用し、輪郭線の内側は位置補正BSE画像305の情報を適用することによって、合成画像を生成するようにすると良い。他の合成法については後述する。
合成画像は、像表示装置19に試料像として表示される。合成した画像は記録装置30に保存することもできる。
また、図4に例示するグラフィカルユーザーインターフェース画面は、像表示装置19に表示され、制御装置24はGUI画面上で設定された装置条件に応じて、走査電子顕微鏡を制御する。GUI画面中、Top/Bottom画像撮像時の共通パラメータの設定ウィンドウでは倍率(401)、スキャンサイズ(402)の設定が可能となっている。試料のTopの画像の撮像条件の設定ウィンドウではS/Nを向上させた画像を得るためのフレーム積算枚数(403)等の指定が可能となっている。なお、Top画像の条件設定ウィンドウにて設定した装置条件は、Topにフォーカスが合っているときの装置条件として設定され、Bottom画像の条件設定ウィンドウにて設定した装置条件は、Bottomにフォーカスが合っているときの装置条件として設定される。また、試料帯電を抑制するための電子線走査方法を設定するような設定ウィンドウを設けるようにしても良い。試料のBottomの画像の撮像条件の設定ウィンドウではS/Nを向上させた画像を得るためのフレーム積算枚数(403)、帯電によるフレーム積算中の像ドリフトの補正(0404)やBottomにフォーカスが合った画像を得るためのフォーカス位置(405)を指定が可能となっている。また、試料帯電を抑制するための電子線走査方法を設定する設定ウィンドウを設けるようにしても良い。
TopとBottomの位置ずれの検出方法の設定ウィンドウ(406)では対象となるパターンの形状に応じて検出方法を指定することができる。X、Y方向はX、Yの両方向の位置ずれの検出を行い、X方向、Y方向は一方向のみ位置ずれを検出する。また、検出アルゴリズム等を設定させても良い。実施例1のような深孔、深溝のパターンではX、Y方向を設定し、両方向の検出を行う。
合成比率の設定ウィンドウ(407)では、画像合成の際のSE画像とBSE画像を合成する方式の設定が可能となっている。設定ウィンドウ407のプルダウンメニューとして、“Input value”、“Weighting 1”、“Weighting 2”が表示され、任意の合成方式の選択が可能となっている。このウィンドウで“Input value”を設定すると、数値入力ウィンドウでのTopの画像とBottomの画像の合成比率を設定することができる。実行ボタン(408)を押下することで図2に示す処理フローを開始する。
本実施例では、ホールパターン等の底部に焦点を合わせる際に、底部の焦点評価値を適正に評価し、その評価に基づいて底部にビームの焦点を合わせる工程を含む合成画像生成法、及び走査電子顕微鏡について図6、図7を用いて説明する。図6は、試料表面側に焦点の合った画像の解析に基づいて、底部の焦点評価を実施するための評価領域を設定し、その評価領域内での焦点評価に基づいて、底部への焦点調整を行う処理の流れを示す図であり、図7は、その処理工程を示すフローチャートである。なお、本実施例における処理は、図4に例示するGUI画面に含まれるフォーカス調整設定ウィンドウ410のbottomの設定を“Auto”にすることによって行われる。なお、図4では“Fixed Value”が選択されており、この設定状態のときはフォーカス位置設定ウィンドウ405に対する深孔、深溝の深さの入力に基づいて、bottomに対する焦点調整を行う。深さと、対物レンズや試料に印加する負電圧との関係を予めテーブル化しておき、所定の記憶媒体に記憶させておくことで、制御装置24は記憶媒体に記憶された情報を参照して、フォーカス調整を実行する。
制御装置24は、まず試料高さ情報を利用した焦点調整を行う(ステップ701)。試料高さの測定は例えばZセンサと呼ばれる試料高さ計測装置を用いて行い、計測された高さにおおよそ焦点が合うように焦点調整を行う。次に、試料表面の焦点評価値を評価しつつ焦点を変化させ、試料表面に合焦するようレンズ条件(対物レンズの励磁条件、試料ステージへの負電圧印加条件の少なくとも一方)を設定する(ステップ702)。焦点調整後、図1に例示する走査電子顕微鏡に内蔵された二次電子検出器14と反射電子検出器15によって、二次電子と反射電子を検出し(ステップ703)、SE画像601(第1画像)とBSE画像602(第4画像)を形成する(ステップ704)。
上述したように、試料表面から放出される二次電子は高効率に検出ができる反面、パターンの底部から放出される二次電子は、試料表面から脱出することができず、検出量は限られている。よって試料表面とパターン底部は明るさが大きく異なる。図8は、SE画像に含まれる画素の輝度分布を示すグラフである。図8に例示するように、パターン底部領域の画素値の集合である低輝度分布802と、試料表面領域の画素値の集合である高輝度分布803がはっきりと分かれている。
本実施例では、以上のような現象を利用して所定の輝度に閾値801を設定し、当該閾値を超えた画素領域がマスクされるようなマスク画像603を生成する(ステップ705)。マスク画像603は、低輝度画素領域はマスクされず、電子顕微鏡像とマスク画像を重ねると、パターン底部のような低輝度領域が選択的に表示された画像となる。
以上のようにして形成されたマスク画像を、パターンマッチングアルゴリズム等を用いてBSE画像に重ね合わせ、マスクされていない領域(アンマスク領域)を焦点評価領域とした画像604を用いて、焦点調整を実行する(ステップ706)。焦点調整後、その焦点調整状態を維持しつつ、ビーム走査を行うことによって、SE画像(第3画像)とBSE画像(第2画像)を生成する(ステップ707)。次に、第1画像と第3画像間の位置ずれを求め(ステップ708)、当該位置ずれを補償するように、第1の画像と第2の画像を重ね合わせ、合成画像を生成する(ステップ709)。
アンマスク領域の選択的な焦点評価によって、パターン底部に高精度に焦点調整を行うことができ、画像全体で高精度に焦点の合った合成画像を生成することが可能となる。なお、本実施例では画像に含まれるパターン底部に対応する領域の選択的な焦点評価を可能とすべく、その他の領域をマスクするような処理を行ったが、マスク領域を設けることなく、特定の領域(焦点評価領域)で選択的に焦点評価を行う他の画像処理法によっても同等の効果を実現することが可能となる。例えば、所定の領域以外では焦点評価を行わないような演算を行うことによって、マスク領域を設けた場合と同じ効果が期待できる。
なお、オートフォーカスを行うためには、フォーカス条件ごとに画像を取得する必要があるが、フォーカスを変化させ、画像を取得している過程でも視野がずれてしまい、適切な領域での焦点評価ができなくなることが考えられる。そこで、本実施例では更にオートフォーカス実行時に適切な焦点評価を行うための例について説明する。図10は、図7のステップ706における焦点調整工程の詳細を示すフローチャートである。試料表面に焦点が合った状態から焦点位置を変更(レンズ条件を変更)し、変更後、ビーム走査を行うことによって、SE、BSEを検出し、SE画像とBSE画像を生成する(ステップ1001〜1004)。
次にステップ1003で得られたSE画像と、試料表面に焦点が合った状態で得られたSE画像を比較し、パターンマッチングアルゴリズム等を用いることによって、両者間のずれを測定する(ステップ1005)。このずれがゼロ、或いは所定値未満である場合には、評価領域(アンマスク領域)に対応するBSE画像内領域の焦点評価を行う(ステップ1007)。一方、ステップ1003で得られたSE画像と、試料表面に焦点が合った状態で得られたSE画像間に位置ずれが合った場合には、帯電等の影響により視野位置がずれ、パターン底部に評価領域が適切に位置づけられていないことになるため、視野位置のずれに追従すべく、ステップ1005で測定されたずれを補償するように、評価領域を移動させる(ステップ1006)。焦点評価によって、合焦点(図9の901)を認識するまで、ステップ1001〜1007を繰り返し実行し、パターン底部に対する焦点調整を行う。
図10に例示した調整プログラムを予め所定の記憶媒体に記憶しておき、制御装置24で実行することによって、パターン底部の焦点を選択的に評価しつつ、焦点合わせを行う過程で、常に正確な位置の焦点の評価を行うことができ、パターン底部への正確な焦点調整を行うことが可能となる。
次にSE画像とBSE画像を合成する際に、その合成比率を適正化する手法について説明する。図4に例示するGUI画面の合成比率の設定ウィンドウ407にて“Weighting 1”を選択することによって、制御装置24は後述する処理を自動的に実行する。
実施例1、実施例2では、例えばホールパターンの場合、ホール底はBSE画像、試料表面はSE画像となるように合成画像を生成したが、検出信号の状態に応じて、適正な比率で両者を混合することによって、画像全体で高コントラストの画像を形成することが可能となる。図11はその原理を説明する図である。まず、実施例1、実施例2に例示した画像取得アルゴリズムを用いて、試料表面のSE画像とパターン底部のBSE画像を取得する。そして、SE画像とBSE画像の合成処理を行う際に、SE画像の輝度分布情報を取得し、更に図11に例示するように、最大輝度が1.0となるように輝度分布を規格化することによって、合成比率テーブルを生成する。輝度分布情報は例えばx方向の輝度変化を示す情報であり、y方向の画素ごとに生成し、それぞれの合成比率テーブルを生成する。
演算器16は合成比率が1.0の画素ではSE信号が100%、BSE信号が0%となるように合成し、合成比率が0の画素ではSE信号が0%、BSE信号が100%となるように画像合成を行う。SE信号の強さに応じて、BSE信号の合成比率を調整するような処理によって、SE信号が少ないホール底等では他の部分に対して相対的にBSE信号の比率を高めることができ、結果として、画像全体で高コントラストとなるような画像形成を行うことが可能となる。
孔底に焦点が合った状態で取得されたBSE画像は、孔底の構造物が明瞭に視認できる反面、エッジ部分は輝度の変化がなだらかな画像となる。そこで、本実施例では、BSE画像の輝度の変化がなだらかな部分の合成画像に与える影響を低下させ、視認性の良い合成画像を生成する手法について説明する。図4に例示するGUI画面の合成比率の設定ウィンドウ407にて“Weighting 2”を選択することによって、制御装置24は後述する処理を自動的に実行する。
本実施例では、実施例1で用いた二次電子画像303を用いて、BSE画像の不明瞭な部分の影響を低下させる例について説明する。図12は、その画像処理工程を示す図である。SE画像1201(二次電子画像303)は、エッジ効果によってパターンのエッジ部分が高輝度となると共に、試料表面には焦点が合っていないため、その高輝度部分1202がぼけて拡がったような画像となる。この高輝度部分の位置は、BSE画像1203の不明瞭部分1204の位置におおよそ一致するため、高輝度部分1204の強度に相反するように、BSE画像の強度を調整すれば、BSE画像の輝度の変化がなだらかな部分の合成画像への影響を抑制することができる。
そこで演算器16は、SE画像1201の輝度分布情報を取得し、当該輝度情報を反転することで重み係数を算出する。輝度情報を反転することによって生成された重み係数をBSE画像1203に乗算することによって、エッジ部分の影響を低下させることができるため、輝度の変化がなだらかな部分のないBSE画像を生成することができ、乗算後の加工BSE画像1205と、SE画像1206を実施例3に例示した合成法で合成することによって、輝度の変化がなだらかな部分のない画像全体で明瞭な画像を生成することが可能となる。
1…電界放出陰極、2…引出電極、3…一次電子線、4…コンデンサレンズ、5…対物レンズ、6…試料、7…ステージ、8…二次電子、9…反射電子、10…二次電子制御板、11…信号偏向器、12…エネルギー弁別器、13…反射板、14…二次電子検出器、15…反射電子検出器、16…演算器、17…対物レンズ制御電源、18…画像メモリ、19…像表示装置、20…リターディング電圧電源、21…記憶装置、22…加速電圧電源、23…レンズ制御電源、24…制御装置、25…入力装置
Claims (11)
- 荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを集束するレンズと、試料に対する荷電粒子ビームの照射に基づいて得られる荷電粒子を検出する検出器と、当該検出器の出力に基づいて荷電粒子ビームの照射領域の画像を生成する演算処理装置と、前記レンズを制御する制御装置とを備え、
前記演算処理装置は、前記制御装置によって試料表面側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第1の画像を形成し、前記制御装置によって前記試料に含まれるパターンの底側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、前記第1のエネルギーに対して相対的にエネルギーの高い第2のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第2の画像と、前記第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第3の画像を形成し、前記第1の画像と前記第3の画像との間のずれを求め、当該ずれを補正するように前記第1の画像と前記第2の画像を合成することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1において、
前記試料から放出された荷電粒子の内、第1のエネルギーを有する荷電粒子を検出する第1の検出器と、前記第1のエネルギーより相対的に高い第2のエネルギーを有する荷電粒子を検出する第2の検出器を備えたことを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項1において、
前記演算処理装置は、前記パターンの底を選択的に焦点評価領域として、焦点評価を行うことを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項3において、
前記演算処理装置は、前記第1の画像に含まれるパターン底部領域を前記焦点評価領域として設定することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項3において、
前記演算処理装置は、前記第1の画像内の所定値以下の輝度値を持つ領域を焦点評価領域として設定することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項3において、
前記演算処理装置は、前記第1の画像内の所定値以上の輝度値を持つ領域を前記焦点評価の対象としないマスク領域として設定することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを集束するレンズと、試料に対する荷電粒子ビームの照射に基づいて得られる荷電粒子を検出する検出器と、当該検出器の出力に基づいて荷電粒子ビームの照射領域の画像を生成する演算処理装置と、前記レンズを制御する制御装置とを備え、
前記演算処理装置は、前記制御装置によって試料表面側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第1の画像を形成し、前記制御装置によって前記試料に含まれるパターンの底側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、前記第1のエネルギーに対して相対的にエネルギーの高い第2のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第2の画像を形成し、前記第1の画像の輝度分布情報に基づいて、前記第1の画像と前記第2の画像の合成比を求めることを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項7において、
前記演算処理装置は、前記第1の画像の輝度分布情報に応じて、第1の画像の輝度が強い程、前記第1の画像の比率を高くして前記第2の画像と合成することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項7において、
前記演算処理装置は、前記第1の画像の輝度分布情報を規格化し、規格化された値が大きい程、第1の画像の比率を高くすると共に第2の画像の比率を低くして合成を行うことを特徴とする荷電粒子線装置。 - 請求項7において、
前記演算処理装置は、前記制御装置によって前記試料に含まれるパターンの底側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、前記第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第3の画像を形成し、当該第3の画像の輝度分布を反転させた反転情報を、前記第2の画像に重み付け乗算し、当該重み付け乗算された第2の画像と、前記第1の画像を合成することを特徴とする荷電粒子線装置。 - 荷電粒子源から放出された荷電粒子ビームを集束するレンズと、試料に対する荷電粒子ビームの照射に基づいて得られる荷電粒子を検出する検出器と、当該検出器の出力に基づいて荷電粒子ビームの照射領域の画像を生成する演算処理装置と、前記レンズを制御する制御装置とを備え、
前記演算処理装置は、前記制御装置によって試料表面側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第1の画像を形成し、前記制御装置によって前記試料に含まれるパターンの底側に焦点が調整されたビームの照射に基づいて、前記第1のエネルギーに対して相対的にエネルギーの高い第2のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第2の画像と、前記第1のエネルギーの荷電粒子検出に基づく第3の画像を形成し、当該第3の画像の輝度分布を反転させた反転情報を、前記第2の画像に重み付け乗算し、当該重み付け乗算された第2の画像と、前記第1の画像を合成することを特徴とする荷電粒子線装置。
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