JP2019169393A - 電磁石装置及びそれを備える電磁継電器 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動子と固定子との間に発生する吸引力をより大きくすることができる電磁石装置及び電磁継電器を提供する。【解決手段】可動子9及び固定子8のうち一方は、第1の基部81と、突出部82と、を含み、他方は、第2の基部91を含む。突出部82は、第1の基部81から一方向に突出する。第2の基部91は、窪み92を有する。窪み92は、一方向において突出部82に対向する部位に設けられている。窪み92には、突出部82の少なくとも一部が挿入可能である。一方向における復帰ばね54の一端(第1端541)は、窪み92に挿入されている。【選択図】図1
Description
本開示は電磁石装置及び電磁継電器に関し、より詳細には、コイルが磁束を発生することにより可動子を移動させる電磁石装置及びその電磁石装置を備える電磁継電器に関する。
従来例として特許文献1記載の電磁石装置を例示する。特許文献1記載の電磁石装置は、励磁コイルと、可動子と、固定子と、復帰ばねと、を備える。可動子は、その上端面が固定子の下端面に接する第1の位置と、その上端面が固定子の下端面から離れて接していない第2の位置との間で移動可能に構成されている。可動子は、励磁コイルに通電されていないとき(非通電時)には、固定子との間に磁気吸引力が生じないため、復帰ばねのばね力によって第2の位置に位置することになる。一方、励磁コイルに通電されると、可動子は、固定子との間に磁気吸引力が生じるため、復帰ばねのばね力に抗して第1の位置に移動する。
特許文献1記載の電磁石装置において、可動子と固定子との間に発生する吸引力をより大きくすることが求められることがあった。
本開示は、可動子と固定子との間に発生する吸引力をより大きくすることができる電磁石装置及び電磁継電器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る電磁石装置は、コイルと、可動子と、固定子と、復帰ばねと、を備える。前記固定子は、前記コイルに電流が流れたとき前記コイルで発生する磁束により、前記可動子との間に吸引力が発生する。前記吸引力は、前記可動子を第1の向きに移動させる力である。前記第1の向きは、前記可動子と前記固定子とが並ぶ一方向のうち前記固定子に近づく向きである。前記復帰ばねは、前記可動子を前記一方向のうち前記第1の向きとは反対向きの第2の向きに移動させる力を前記可動子に加える。前記可動子及び前記固定子のうち一方は、第1の基部と、突出部と、を含み、他方は、第2の基部を含む。前記突出部は、前記第1の基部から前記一方向に突出する。前記第2の基部は、窪みを有する。前記窪みは、前記一方向において前記第2の基部における前記突出部に対向する部位に設けられている。前記窪みには、前記突出部の少なくとも一部が挿入可能である。前記一方向における前記復帰ばねの一端は、前記窪みに挿入されている。
本開示の一態様に係る電磁継電器は、前記電磁石装置と、固定接点と、可動接点と、を備える。前記可動接点は、前記可動子と一緒に移動することで、前記固定接点に接触する閉位置と、前記固定接点から離れた開位置との間で移動可能である。
本開示の一態様に係る電磁石装置及び電磁継電器は、可動子と固定子との間に発生する吸引力をより大きくすることができる。
以下、実施形態に係る電磁石装置及びそれを備える電磁継電器について、図面を用いて説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本開示の様々な実施形態の一部に過ぎない。下記の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の電磁継電器1は、例えば、自動車等の車両に備えられる。図1、2に示すように、電磁継電器1は、電磁石装置2と、2つの固定接点F1、F2と、2つの可動接点M1、M2と、を備えている。電磁継電器1は、可動接触子51と、ホルダ52と、接圧ばね53と、シャフト55と、ケース6と、第1の接点台71と、第2の接点台72と、を更に備えている。
電磁石装置2は、コイル21と、固定子8と、可動子9と、復帰ばね54と、を含む。電磁石装置2は、継鉄4を更に含む。また、電磁継電器1は、コイル21が巻き付けられるコイルボビンを更に備えていてもよい。
2つの固定接点F1、F2及び2つの可動接点M1、M2の各々は、導電性を有している。可動接点M1は、可動接点M2に電気的に接続されている。図3に示すように、2つの固定接点F1、F2の間には、例えば、電源V2と、電源V2に直列に接続された負荷100とが電気的に接続される。電源V2は、例えば、自動車のバッテリである。負荷100は、例えば、自動車の電装品である。
電磁継電器1の外部には、制御部11と、電源スイッチ12と、ダイオード33と、ツェナーダイオード34と、が設けられている。電磁石装置2のコイル21は、電源スイッチ12を介して電源V1(直流電源)に電気的に接続されている。電源V1は、例えば、電源V2の電圧を降圧する降圧回路を含む電源である。コイル21には、電源V1から電流が供給される。制御部11は、電源スイッチ12のオンオフを制御する。
ダイオード33は、ツェナーダイオード34に直列に接続されている。ダイオード33のアノードは、ツェナーダイオード34のアノードに電気的に接続されている。ダイオード33のカソードは、電源V1とコイル21との間の高電位側の配線W2に電気的に接続されている。ツェナーダイオード34のカソードは、電源V1とコイル21との間の低電位側の配線W1に電気的に接続されている。
コイル21に電流が流れると、コイル21が磁束Φ1(図4参照)を発生することにより、可動接点M1が移動して固定接点F1に接し、かつ、可動接点M2が移動して固定接点F2に接する。これにより、2つの固定接点F1、F2間が電気的に接続され、電源V2から負荷100に電力が供給される。制御部11が電源スイッチ12のオンオフを制御することで、コイル21の状態が、電源V1から電流が供給される給電状態と、電源V1から電流が供給されない非給電状態とに相互に切り替わる。これにより、負荷100の状態が、電源V2から電力が供給される状態と、電源V2から電力が供給されない状態とに相互に切り替わる。
以下の説明では、図1、2において、可動子9と固定子8とが並んでいる方向を上下方向と規定し、可動子9から見て固定子8側を上と規定し、固定子8から見て可動子9側を下と規定する。また、第1の接点台71と第2の接点台72とが並んでいる方向を左右方向と規定し、第2の接点台72から見て第1の接点台71側を左と規定し、第1の接点台71から見て第2の接点台72側を右と規定する。
継鉄4は、鉄等の磁性材料からなる。図1に示すように、継鉄4は、第1の壁部41と、第2の壁部42と、第3の壁部43と、第4の壁部44と、を有している。第1の壁部41及び第3の壁部43は、矩形板状に形成されている。第1の壁部41及び第3の壁部43は、上下方向に厚みを有する。第2の壁部42及び第4の壁部44は、筒状に形成されている。第2の壁部42及び第4の壁部44の軸方向は、上下方向に沿っている。第2の壁部42は、軸方向から見て矩形状の角筒状に形成されている。第2の壁部42は、第1の壁部41の四辺及びその四辺の各々に対応する第3の壁部43の四辺を連結する。すなわち、第2の壁部42は、第1の壁部41の外縁から第3の壁部43の外縁までに亘って形成されている。第3の壁部43は、円状の開口部430を有している。第4の壁部44は、第1の壁部41、第2の壁部42及び第3の壁部43とは別の部材からなる。第4の壁部44は、開口部430の周縁から上向きに突出している。第4の壁部44は、円筒状に形成されている。
固定子8は、鉄等の磁性材料からなる。固定子8は、第1の壁部41の下面411から下向きに突出している。固定子8は、第1の基部81と、突出部82と、を含む。第1の基部81は、円筒状に形成されている。突出部82は、第1の基部81の軸方向の一端(下端)から突出している。より詳細には、突出部82は、可動子9と固定子8とが並ぶ一方向(上下方向)のうち下向きに突出している。
可動子9は、鉄等の磁性材料からなる。コイル21に電流が流れていないときは、可動子9は、第3の壁部43の開口部430と、第4の壁部44の内側とに亘って配置されている。可動子9は、上下方向において固定子8に対向している。可動子9は、第2の基部91を含む。本実施形態の可動子9は、第2の基部91のみからなる。第2の基部91は、窪み92を有する円柱状に形成されている。窪み92は、第2の基部91のうち、上記一方向(上下方向)において固定子8の突出部82に対向する部位に形成されている。より詳細には、窪み92は、第2の基部91のうち、第2の基部91の軸方向の一端(上端)に形成されている。
可動子9は、コイル21に電流が流れることに応じて、上記一方向(上下方向)のうち固定子8に近づく第1の向き(上向き)に移動する。
窪み92は、上記一方向(上下方向)において窪み92の底部(ここでは底面921)から離れるほど開口面積が大きい。より詳細には、窪み92は、円錐台状の空間を形成している。窪み92は、上記一方向(上下方向)において窪み92の底面921から離れるほど、上記一方向(上下方向)と交差する(より詳細には、直交する)方向における直径が大きい。窪み92の底面921は、平状に形成されている。
固定子8の突出部82は、開口部822が形成された円錐台状に形成されている。開口部822は、突出部82のうち、上記一方向(上下方向)において窪み92と対向する領域に形成されている。突出部82は、開口部822の内側の空洞を有している。突出部82における開口部822の内側の空洞と、円筒状の第1の基部81の内部の空洞とがつながって、1つの空洞800を形成している。空洞800は、第1の基部81及び突出部82(固定子8)を上記一方向(上下方向)に貫通している。
突出部82は、上記一方向(上下方向)において窪み92の底部(ここでは底面921)に近い領域ほど、上記一方向(上下方向)と交差する断面の面積が小さい。つまり、上記一方向(上下方向)と交差する(より詳細には、直交する)方向における突出部82の断面の幅は、下側ほど小さい。突出部82の外面821は、窪み92の内側面922に重なる形状である。したがって、可動子9が固定子8に近づくように移動すると、突出部82は、窪み92を埋めるように窪み92に挿入される。
復帰ばね54は、例えば、圧縮コイルばねである。上記一方向における復帰ばね54の第1端541は、可動子9の第2の基部91の窪み92に挿入されている。復帰ばね54の第1端541は、窪み92の底面921に接している。復帰ばね54の第1端541とは反対側の第2端542は、固定子8の突出部82に形成された開口部822に挿入されている。したがって、復帰ばね54の少なくとも一部は、固定子8の内部の空洞800に配置されている。復帰ばね54の第2端542は、継鉄4の第1の壁部41に接触している。
シャフト55は、可動子9の窪み92の底面921から上向きに突出している。シャフト55は、継鉄4の第1の壁部41を貫いている。シャフト55は、円柱状に形成されている。復帰ばね54は、シャフト55を囲むように配置されている。シャフト55は、例えば、非磁性材料からなる。
ホルダ52は、シャフト55につながっている。ホルダ52は、角筒状に形成されている。ホルダ52の軸方向は、左右方向に沿っている。ホルダ52の内部には、可動接触子51の一部と、接圧ばね53とが配置されている。接圧ばね53は、例えば、圧縮コイルばねである。可動接触子51は、接圧ばね53から上向きの力が加えられている。
可動接触子51は、板状の部材である。可動接触子51は、導電性を有している。可動接触子51の長手方向は、左右方向に沿っている。可動接触子51において、長手方向の第1端(左端)の上端には可動接点M1が固定されており、長手方向の第2端(右端)の上端には可動接点M2が固定されている。これにより、可動接触子51は、2つの可動接点M1、M2に電気的に接続されている。また、2つの可動接点M1、M2は、可動接触子51を介して互いに電気的に接続されている。
ケース6は、箱状に形成されている。ケース6は、上下方向に厚みを有する基部61と、基部61から下向きに突出する筒状部62と、を含む。筒状部62の先端は、継鉄4の第1の壁部41に接続されている。ケース6と第1の壁部41とにより、2つの固定接点F1、F2及び2つの可動接点M1、M2が収容される空間が形成されている。
2つの固定接点F1、F2は、第1の接点台71及び第2の接点台72を介して、電源V2(図3参照)及び負荷100(図3参照)に電気的に接続されている。第1の接点台71及び第2の接点台72は、ケース6の基部61に固定されている。第1の接点台71及び第2の接点台72は、基部61を貫通している。第1の接点台71及び第2の接点台72は、導電性を有している。第1の接点台71には、固定接点F1が電気的に接続されている。第2の接点台72には、固定接点F2が電気的に接続されている。固定接点F1は上下方向において可動接点M1に対向しており、固定接点F2は上下方向において可動接点M2に対向している。
コイル21に電流が流れていないときは、2つの可動接点M1、M2は2つの固定接点F1、F2から離れた状態である。このときの2つの可動接点M1、M2の位置を、開位置と規定する。2つの可動接点M1、M2が開位置にあるとき、第1の接点台71と第2の接点台72との間は電気的に開放されている。
コイル21は、可動子9及び固定子8を囲むように配置されている。電源スイッチ12がオンになることで、コイル21に電流が流れると、コイル21は磁束Φ1(図4参照)を発生する。コイル21で発生する磁束Φ1は、継鉄4、可動子9及び固定子8を通る。すなわち、継鉄4、可動子9及び固定子8は、磁束Φ1が通る磁気回路を構成する。コイル21で発生する磁束Φ1により、可動子9と固定子8との間に吸引力が発生する。この吸引力により、可動子9が固定子8に向かって移動する。つまり、この吸引力により、可動子9は、可動子9と固定子8とが並ぶ一方向(上下方向)のうち固定子8に近づく第1の向き(上向き)に移動する。より詳細には、このとき、可動子9は、復帰ばね54を圧縮させながら上向きに移動する。また、このとき、可動子9は、継鉄4の第4の壁部44にガイドされながら移動する。
2つの可動接点M1、M2は、シャフト55、ホルダ52及び可動接触子51を介して可動子9につながっている。したがって、2つの可動接点M1、M2は、可動子9と一緒に移動する。
2つの可動接点M1、M2が開位置にあるとき、コイル21に電流が流れると、可動子9と一緒に2つの可動接点M1、M2が上向きに移動することで、図2に示すように、可動接点M1は固定接点F1に接触し、可動接点M2は固定接点F2に接触する。これにより、可動接点M1が固定接点F1に電気的に接続され、可動接点M2が固定接点F2に電気的に接続される。そのため、第1の接点台71と第2の接点台72とが電気的に接続される。可動接点M1が固定接点F1に接触し、可動接点M2が固定接点F2に接触しているときの2つの可動接点M1、M2の位置を、閉位置と規定する。2つの可動接点M1、M2が閉位置にあるとき、接圧ばね53から可動接触子51に加えられる上向きの力によって、可動接点M1と固定接点F1との接触圧力及び、可動接点M2と固定接点F2との接触圧力が生じる。2つの可動接点M1、M2が閉位置にあるとき、可動子9は固定子8に接触している。より詳細には、このとき、可動子9の窪み92に固定子8の突出部82が挿入されている。
コイル21に流れる電流が低減し、コイル21で発生する磁束Φ1(図4参照)が低減すると、可動子9と固定子8との間の吸引力も低減する。吸引力が復帰ばね54の弾性力を下回ると、復帰ばね54の弾性力により、可動子9が下向きに移動する。すると、2つの可動接点M1、M2は、可動子9と一緒に下向きに移動する。つまり、可動子9は、復帰ばね54から加えられる力により、可動子9と固定子8とが並ぶ一方向(上下方向)のうち、固定子8に近づく第1の向き(上向き)とは反対向きの第2の向き(下向き)に移動する。これにより、2つの可動接点M1、M2は、閉位置から開位置へ移動する。
また、2つの可動接点M1、M2が開位置にあり可動子9が固定子8から離れているときに、電磁継電器1に振動又は衝撃が加えられた場合に、復帰ばね54が可動子9に弾性力を加えていることにより、可動子9が固定子8側へ移動する可能性が低減される。
図4には、電磁石装置2において、可動子9が固定子8から離れているときであって、コイル21に電流が流れているときのコイル21の磁束Φ1を図示している。図5には、電磁石装置2との比較例に係る電磁石装置2Aにおいて、可動子9Aが固定子8Aから離れているときであって、コイル21に電流が流れているときのコイル21の磁束Φ2を図示している。図4、5では、2つの可動接点M1、M2は開位置にあるとする。
電磁石装置2Aでは、可動子9Aは、円柱状であり、固定子8Aは、円筒状である。可動子9Aのうち固定子8Aに対向する表面901と、固定子8Aのうち可動子9Aに対向する表面801とは、互いに平行な平面である。可動子9Aが図5の位置から固定子8Aに接触するまでの間に移動する距離L2は、可動子9が図4の位置から固定子8に接触するまでの間に移動する距離L1と等しい。
電磁石装置2では、可動子9の第2の基部91が窪み92を有しており、窪み92に復帰ばね54の第1端541が挿入されている。したがって、電磁石装置2の可動子9が固定子8から離れており2つの可動接点M1、M2が開位置にあるときの復帰ばね54の長さは、電磁石装置2Aの可動子9Aが固定子8Aから離れており2つの可動接点M1、M2が開位置にあるときの復帰ばね54Aの長さよりも長い。
電磁石装置2と電磁石装置2Aとは、固定子8の形状が固定子8Aの形状とは異なる点、可動子9の形状が可動子9Aの形状とは異なる点、及び復帰ばね54の長さが復帰ばね54Aの長さとは異なる点以外は同一である。例えば、電磁石装置2と電磁石装置2Aとの各々のコイル21の巻数は同一である。また、固定子8の磁性材料と固定子8Aの磁性材料とは同一である。また、可動子9の磁性材料と可動子9Aの磁性材料とは同一である。
電磁石装置2において、磁束Φ1は、固定子8と可動子9との間の最短経路を通ろうとする。固定子8と可動子9とが互いに離れているときの固定子8と可動子9との磁気的なギャップ長を、固定子8と可動子9との間の最短距離と定義する。図4において、固定子8と可動子9との磁気的なギャップ長L3は、突出部82の外面821と、窪み92の内側面922との間の長さとなる。ギャップ長L3は、可動子9が図4の位置から固定子8に接触するまでの間に移動する距離L1よりも短い。
電磁石装置2Aにおいて、磁束Φ2は、固定子8Aと可動子9Aとの間の最短経路を通ろうとする。固定子8Aと可動子9Aとが互いに離れているときの固定子8Aと可動子9Aとの磁気的なギャップ長を、固定子8Aと可動子9Aとの間の最短距離と定義する。図5において、固定子8Aと可動子9Aとの磁気的なギャップ長は、可動子9Aが図5の位置から固定子8Aに接触するまでの間に移動する距離L2と等しい。
したがって、電磁石装置2の固定子8と可動子9との磁気的なギャップ長L3は、電磁石装置2Aの固定子8Aと可動子9Aとの磁気的なギャップ長(距離L2)よりも短い。これにより、電磁石装置2では、電磁石装置2Aと比較して、固定子8と可動子9との間の磁路長が短いので、磁束Φ1が通る磁気回路の磁気抵抗が小さくなり、有効磁束密度が大きくなる。
また、磁性材料(固定子8、8A又は可動子9、9A)からエアギャップ(固定子8と可動子9との間又は固定子8Aと可動子9Aとの間)に放出された磁束Φ1(又はΦ2)は、磁束Φ1(又はΦ2)の通過する断面積を大きくし磁気抵抗を減少させるように膨らむ。電磁石装置2Aにおいては、固定子8Aと可動子9Aとが対向する方向と直交する方向において固定子8A及び可動子9Aから離れるように膨らんだ磁束Φ2が、固定子8A及び可動子9Aに近づくように戻る。そのため、磁束Φ2が膨らまない場合と比較して、磁路長が長くなる。一方で、電磁石装置2では、窪み92の内側面922を基準として内側面922と直交する方向に突出部82の外面821を見たとき、突出部82の外面821は窪み92の内側面922に対してずれた位置にある。そのため、可動子9Aから出て膨らんだ磁束が、膨らんだまま戻らずに外面821に進入する。したがって、電磁石装置2では、電磁石装置2Aに比べ磁路長が短くなるので、磁束Φ1が通る磁気回路の磁気抵抗が小さくなり、有効磁束密度が大きくなる。
固定子8(又は8A)と可動子9(又は9A)との間に発生する吸引力は、ギャップ長の2乗に反比例し、磁束密度の2乗に比例するので、電磁石装置2では、電磁石装置2Aと比較して、固定子8と可動子9との間に発生する吸引力が大きくなる。一例として、電磁石装置2において固定子8と可動子9との間に発生する吸引力は、電磁石装置2Aにおいて固定子8Aと可動子9Aとの間に発生する吸引力の1.8倍になる。
電磁石装置2では、電磁石装置2Aと比較して固定子8と可動子9との間に発生する吸引力が大きくなるので、例えば、ばね定数がより大きい復帰ばね54を用いることができる。これにより、コイル21に電流が流れている状態から電流が流れていない状態になったとき、復帰ばね54のより強い弾性力を利用して可動子9を移動させることができる。したがって、より早く、より確実に、2つの可動接点M1、M2を閉位置から開位置へ移動させることができる。2つの可動接点M1、M2がより早く移動するので、2つの可動接点M1、M2が2つの固定接点F1、F2から離れるときに発生するアークをより早く消すことができる。一例として、電磁石装置2では、電磁石装置2Aと比較して、2つの可動接点M1、M2が開位置から閉位置へ移動するまでに要する時間は、40%短縮される。また、例えば、電磁石装置2の復帰ばね54と電磁石装置2Aの復帰ばね54とが同一であれば、電磁石装置2では、電磁石装置2Aと比較して、2つの可動接点M1、M2が開位置から閉位置へ移動するまでに要する時間を短縮できる。
また、復帰ばね54は、自然長に対する長さの比が大きくなるにつれて弾性力が小さくなることがある。電磁石装置2の復帰ばね54の第1端541は、可動子9の第2の基部91の窪み92に挿入されている。したがって、電磁石装置2の復帰ばね54のばね定数と電磁石装置2Aの復帰ばね54Aのばね定数とが等しい場合、復帰ばね54の自然長を復帰ばね54Aの自然長よりも長くすることができる。自然長がより長い復帰ばね54を用いることにより、復帰ばね54の弾性力の大きさが小さくなる可能性を低減できる。
また、第2の基部91が窪み92を有していることにより、窪み92が無い場合と比較して、復帰ばね54が配置されるスペースが広がる。一例として、電磁石装置2では、電磁石装置2Aと比較して、復帰ばね54が配置されるスペースの上下方向の長さは、1.4倍になる。復帰ばね54が配置されるスペースが広がることにより、復帰ばね54の設計自由度が高まることがある。例えば、窪み92が有ることにより、復帰ばね54が配置されるスペースが上下方向に広がるので、復帰ばね54の線径を長くできることがある。
(変形例)
次に、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
次に、実施形態の変形例を列挙する。以下の変形例は、適宜組み合わせて実現されてもよい。
実施形態では、固定子8が第1の基部81と突出部82とを含んでいて、可動子9が窪み92を有する第2の基部91を含んでいる。これに対して、可動子9が第1の基部81と突出部82とを含んでいて、固定子8が窪み92を有する第2の基部91を含んでいてもよい。
また、実施形態の2つの可動接点M1、M2及び2つの固定接点F1、F2は、a接点を構成しているが、これに限定されず、b接点又はc接点を構成していてもよい。
また、突出部82には、開口部822が形成されていなくてもよい。
また、突出部82は、円錐台状に形成されていてもよいし、円錐状に形成されていてもよい。また、例えば、第1の基部81が円筒状に形成され、突出部82は、第1の基部81の軸方向の第1端側の表面の一部から突出する円筒状の構成であってもよい。あるいは、第1の基部81が円柱状に形成され、突出部82は、第1の基部81の軸方向の第1端側の表面の一部から突出する円筒状又は円柱状の構成であってもよい。また、突出部82は、角錐状、角柱状又は角筒状に形成されていてもよい。
また、実施形態では、第2の基部91において、窪み92は、円錐台状の空間を形成しているが、窪み92の形状はこれに限定されない。窪み92は、例えば、円錐状、円柱状、角錐状又は角柱状の空間を形成していてもよい。窪み92が円錐状又は角錐状に形成されている場合に、窪み92の底部とは、円錐又は角錐の頂点に相当する部位である。
また、復帰ばね54の第2端542は、継鉄4の第1の壁部41に接触していることに限定されない。復帰ばね54の第2端542は、例えば、突出部82又は第1の基部81に接触していてもよい。また、復帰ばね54は、固定子8の外側に配置されていてもよい。復帰ばね54は、可動子9に固定子8から離れる向きの力を加えるように構成されていればよい。
また、実施形態の復帰ばね54は、圧縮コイルばねであるが、復帰ばね54は圧縮コイルばねに限定されず、例えば、板ばねであってもよい。
また、実施形態の電磁継電器1は、可動子9の直動(変位)により、2つの可動接点M1、M2と2つの固定接点F1、F2とが接触した状態と離れた状態とになるプランジャ型リレーであるが、電磁継電器1は、プランジャ型リレーに限定されない。電磁継電器1は、例えば、可動子が支点を軸にして回転することにより、可動接点が移動し、可動接点と固定接点とが接触した状態と離れた状態とになるヒンジ型リレーであってもよい。
また、固定接点の個数は2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。可動接点の個数は2つに限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
また、突出部82の外面821は、窪み92の底面921と内側面922とに覆われる形状であることが好ましい。ここで、外面821が底面921と内側面922とに覆われるとは、外面821の全体が底面921と内側面922とに覆われることは要さず、外面821の少なくとも一部の領域(例えば、半分以上の領域)が底面921と内側面922とに覆われることである。
また、突出部82の外面821は、窪み92の内側面922に重なる形状であることが好ましい。ここで、外面821が内側面922に重なる形状であるとは、外面821が内側面922に隙間なく接する形状である場合に限定されない。外面821が内側面922に重なる形状であるとは、外面821の一部と内側面922の一部とが接した状態で、外面821の別の一部と内側面922の別の一部とが許容される誤差の範囲内の距離だけ離れるような場合も含む。
また、電磁石装置2、制御部11、電源スイッチ12、ダイオード33及び電圧制限素子34は、1つの筐体に集約されていてもよいし、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。制御部11、電源スイッチ12、ダイオード33及び電圧制限素子34のうち一部又は全部は、継鉄4の内側の空洞に配置されていてもよいし、ケース6に収容されていてもよいし、継鉄4及びケース6とは別の構成である筐体に収容されていてもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る電磁石装置2は、コイル21と、可動子9と、固定子8と、復帰ばね54と、を備える。固定子8は、コイル21に電流が流れたときコイル21で発生する磁束Φ1により、可動子9との間に吸引力が発生する。吸引力は、可動子9を第1の向きに移動させる力である。第1の向きは、可動子9と固定子8とが並ぶ一方向のうち固定子8に近づく向きである。復帰ばね54は、可動子9を一方向のうち第1の向きとは反対向きの第2の向きに移動させる力を可動子9に加える。可動子9及び固定子8のうち一方は、第1の基部81と、突出部82と、を含み、他方は、第2の基部91を含む。突出部82は、第1の基部81から一方向に突出する。第2の基部91は、窪み92を有する。窪み92は、一方向において突出部82に対向する部位に設けられている。窪み92には、突出部82の少なくとも一部が挿入可能である。一方向における復帰ばね54の一端(第1端541)は、窪み92に挿入されている。
以上説明したように、第1の態様に係る電磁石装置2は、コイル21と、可動子9と、固定子8と、復帰ばね54と、を備える。固定子8は、コイル21に電流が流れたときコイル21で発生する磁束Φ1により、可動子9との間に吸引力が発生する。吸引力は、可動子9を第1の向きに移動させる力である。第1の向きは、可動子9と固定子8とが並ぶ一方向のうち固定子8に近づく向きである。復帰ばね54は、可動子9を一方向のうち第1の向きとは反対向きの第2の向きに移動させる力を可動子9に加える。可動子9及び固定子8のうち一方は、第1の基部81と、突出部82と、を含み、他方は、第2の基部91を含む。突出部82は、第1の基部81から一方向に突出する。第2の基部91は、窪み92を有する。窪み92は、一方向において突出部82に対向する部位に設けられている。窪み92には、突出部82の少なくとも一部が挿入可能である。一方向における復帰ばね54の一端(第1端541)は、窪み92に挿入されている。
上記の構成によれば、突出部82と窪み92の内面(内側面922及び底面921)とが互いに離れた状態で、突出部82の少なくとも一部が窪み92に挿入されているとき、可動子9と固定子8との磁気的なギャップ長は、突出部82と窪み92の内面との間の距離となる。したがって、電磁石装置2では、突出部82及び窪み92が無い場合と比較して、可動子9と固定子8とが互いに離れているときの磁気的なギャップ長が短くなることがある。これにより、可動子9と固定子8との間に発生する吸引力がより大きくなる。また、復帰ばね54は、復帰ばね54の伸縮方向において、自然長に対する長さの比が大きくなるにつれて弾性力が小さくなることがある。上記の構成によれば、第2の基部91の窪み92には、可動子9と固定子8とが並ぶ一方向における復帰ばね54の一端(第1端541)が挿入されるので、ばね定数が決まっているときは、第2の基部91が窪み92を有していない場合よりも自然長が長い復帰ばね54を用いることができる。自然長がより長い復帰ばね54を用いることにより、復帰ばね54の弾性力が小さくなる可能性を低減できる。
また、第2の態様に係る電磁石装置2では、第1の態様において、突出部82は、一方向において窪み92の底部(底面921)に近いほど、一方向と交差する断面の面積が小さい。窪み92は、一方向において窪み92の底部(底面921)から離れるほど開口面積が大きい。
上記の構成によれば、突出部82と窪み92の内面(内側面922及び底面921)とが互いに離れた状態で、突出部82の少なくとも一部が窪み92に挿入されているとき、窪み92の内面及び突出部82の互いに対向する部分の面積をより大きくすることができる。これにより、可動子9と固定子8との間に発生する吸引力がより大きくなる。
また、第3の態様に係る電磁石装置2では、第1又は2の態様において、突出部82のうち一方向において窪み92の底部(底面921)と対向する領域には、開口部822が形成されている。開口部822には、復帰ばね54の一端(第1端541)とは反対側の端(第2端542)が挿入されている。
上記の構成によれば、復帰ばね54の伸縮方向における復帰ばね54の長さをより長くすることができる。
第1の態様以外の構成については、電磁石装置2に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
また、第4の態様に係る電磁継電器1は、第1〜3の態様のいずれか1つに係る電磁石装置2と、2つの固定接点F1、F2と、2つの可動接点M1、M2と、を備える。2つの可動接点M1、M2は、可動子9と一緒に移動することで、2つの固定接点F1、F2に接触する閉位置と、2つの固定接点F1、F2から離れた開位置との間で移動可能である。
上記の構成によれば、可動子9と固定子8との間に発生する吸引力がより大きくなる。また、第2の基部91が窪み92を有していない場合よりも自然長が長い復帰ばね54を用いることができるので、復帰ばね54が伸縮したときに、復帰ばね54の弾性力が小さくなる可能性を低減できる。
1 電磁継電器
2 電磁石装置
8 固定子
9 可動子
21 コイル
54 復帰ばね
81 第1の基部
82 突出部
91 第2の基部
92 窪み
541 第1端(一端)
542 第2端(端)
822 開口部
921 底面(底部)
F1、F2 固定接点
M1、M2 可動接点
Φ1 磁束
2 電磁石装置
8 固定子
9 可動子
21 コイル
54 復帰ばね
81 第1の基部
82 突出部
91 第2の基部
92 窪み
541 第1端(一端)
542 第2端(端)
822 開口部
921 底面(底部)
F1、F2 固定接点
M1、M2 可動接点
Φ1 磁束
Claims (4)
- コイルと、
可動子と、
前記コイルに電流が流れたとき前記コイルで発生する磁束により、前記可動子との間に吸引力が発生する固定子と、
復帰ばねと、を備え、
前記吸引力は、前記可動子を前記可動子と前記固定子とが並ぶ一方向のうち前記固定子に近づく第1の向きに移動させる力であり、
前記復帰ばねは、前記可動子を前記一方向のうち前記第1の向きとは反対向きの第2の向きに移動させる力を前記可動子に加え、
前記可動子及び前記固定子のうち一方は、第1の基部と、前記第1の基部から前記一方向に突出する突出部と、を含み、他方は、前記一方向において前記突出部に対向する部位に前記突出部の少なくとも一部が挿入可能な窪みを有する第2の基部を含み、
前記一方向における前記復帰ばねの一端は、前記窪みに挿入されている、
電磁石装置。 - 前記突出部は、前記一方向において前記窪みの底部に近いほど、前記一方向と交差する断面の面積が小さく、
前記窪みは、前記一方向において前記窪みの前記底部から離れるほど開口面積が大きい、
請求項1記載の電磁石装置。 - 前記突出部のうち前記一方向において前記窪みの底部と対向する領域には、前記復帰ばねの前記一端とは反対側の端が挿入されている開口部が形成されている、
請求項1又は2に記載の電磁石装置。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の電磁石装置と、
固定接点と、
前記可動子と一緒に移動することで、前記固定接点に接触する閉位置と、前記固定接点から離れた開位置との間で移動可能な可動接点と、を備える、
電磁継電器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018057214A JP2019169393A (ja) | 2018-03-23 | 2018-03-23 | 電磁石装置及びそれを備える電磁継電器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018057214A JP2019169393A (ja) | 2018-03-23 | 2018-03-23 | 電磁石装置及びそれを備える電磁継電器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019169393A true JP2019169393A (ja) | 2019-10-03 |
Family
ID=68106864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018057214A Pending JP2019169393A (ja) | 2018-03-23 | 2018-03-23 | 電磁石装置及びそれを備える電磁継電器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019169393A (ja) |
-
2018
- 2018-03-23 JP JP2018057214A patent/JP2019169393A/ja active Pending
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