JP2019168043A - 弁装置及び油圧制御装置 - Google Patents

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康太郎 岩間
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Abstract

【課題】 作動油の移動を適切に制御することが可能な弁装置及びこれを用いた油圧制御装置を提供すること。【解決手段】 一態様に係る弁装置は、本体(110)に収容され、一端(142)から他端(144)まで延び、周方向に延びる溝(146)が形成され、溝を囲み相互に対向して周方向に延びる第1端面(148)及び第2端面(149)のうち第1端面に、外周面から延在して中心軸に近づく方向に延びる凹部(150)が形成される、移動部材(140)と、溝(146)に配置され、本体の内周壁(116)に密着し、第1端面と第2端面との間の距離よりも小さい厚みを有することにより第1端面との間に第1空隙(G1)又は第2端面との間に第2空隙(G2)を形成し、第1端面と第2端面との間に延びる第1縮小部(158)より大きい内径を有することにより第1縮小部との間に延び凹部(150)に連通する第3空隙(G3)を形成する、環状のシール部材(180)と、を含む。【選択図】 図4

Description

本出願において開示された技術は、アキュムレータに溜められた作動油をエンジン作動時にクラッチに供給する油圧制御装置、及び、この油圧制御装置に用いられる弁装置に関する。
昨今の車両においては、燃費効率の向上等を目的として、車両停止中にエンジンを自動的に停止させる、いわゆるアイドリングストップ技術を搭載する車両が提案されている。
エンジンが停止すると、一般的に、エンジンと連結されている油圧供給源であるオイルポンプの作動も停止する。よって、例えばアクチュエータを用いて自動的にクラッチを切断・係合させるタイプのマニュアルトランスミッションを搭載した車両においては、クラッチに供給されるオイルも油路から抜けてしまうため、クラッチは切断状態となってしまう。
他方、運転者がアクセルペダルを踏み込む場合等、所定の条件が満たされると、エンジンが再始動し、オイルポンプも再始動するが、エンジンの再始動とともにクラッチが係合していないと、エンジンの再始動とクラッチの係合との間に時間差が生じ、係合ショックが発生するという問題が生ずる。
このような問題に対処するため、特許文献1は、アキュムレータに溜められた作動油をエンジン再始動時にクラッチに供給する油圧制御装置を開示している。特許文献1に開示された油圧制御装置は、安価な小型電磁弁とこれとは別に設けられた弁装置とを組み合わせ、この弁装置の背圧を制御することによって、アキュムレータにおける作動油の充填及び吐出を制御するものである。
特開2017−166643号公報
弁装置は、主に筒状かつ中空状の本体(シリンダ)と、このシリンダに収容される筒状の移動部材(ピストン)とを含むものである。本体の内部における、移動部材の一端側から他端側への作動油の移動、及び/又は、移動部材の他端側から一端側への作動油の移動を適切に制御することによって、油圧制御装置全体の性能を向上させることができる余地がある。
そこで、様々な実施形態により、本体の内部における作動油の移動を適切に制御することが可能な弁装置、及び、これを用いた油圧制御装置を提供する。
一態様に係る弁装置は、相互に距離を隔てて対向する第1内壁及び第2内壁、並びに、前記第1内壁と前記第2内壁とを接続する内周壁を有し、前記第1内壁に又は前記内周壁のうち前記第1内壁の付近に切替弁との間で伝送される作動油を通過させる第1貫通孔を有し、前記第2内壁にオイルポンプとの間で伝送される作動油を通過させる第2貫通孔を有し、前記内周壁のうち前記第2内壁の付近に蓄圧室との間で伝送される作動油を通過させる第3貫通孔を有する、筒状かつ中空状の本体と、前記本体の内部に収容され、前記本体の内径より小さい外径を有し、前記第1内壁に対向する一端から前記第2内壁に対向する他端まで延び、前記一端と前記他端との間に周方向に延びる溝が形成され、前記溝を囲み相互に対向して前記周方向に延びる前記一端側の第1端面及び前記他端側の第2端面のうち前記第1端面に、外周面から延在して中心軸に近づく方向に沿って延びる少なくとも1つの凹部が形成される、筒状の移動部材と、前記移動部材の前記溝に配置され前記本体の前記内周壁に密着し、前記第1端面と前記第2端面との間の距離よりも小さい厚みを有することにより前記第1端面との間に略環状に延びる第1空隙又は前記第2端面との間に略環状に延びる第2空隙を形成し、前記移動部材の前記第1端面と前記第2端面との間に延びる第1縮小部よりも大きい内径を有することにより前記第1縮小部との間に略環状に延び前記凹部に連通する第3空隙を形成する、環状のシール部材と、を具備するものである。
一態様に係る油圧制御装置は、相互に距離を隔てて対向する第1内壁及び第2内壁、並びに、前記第1内壁と前記第2内壁とを接続する内周壁を有し、前記第1内壁に又は前記内周壁のうち前記第1内壁の付近に切替弁との間で伝送される作動油を通過させる第1貫通孔を有し、前記第2内壁にオイルポンプとの間で伝送される作動油を通過させる第2貫通孔を有し、前記内周壁のうち前記第2内壁の付近に蓄圧室との間で伝送される作動油を通過させる第3貫通孔を有する、筒状かつ中空状の本体と、前記本体の内部に収容され、前記本体の内径より小さい外径を有し、前記第1内壁に対向する一端から前記第2内壁に対向する他端まで延び、前記一端と前記他端との間に周方向に延びる溝が形成され、前記溝を囲み相互に対向して前記周方向に延びる前記一端側の第1端面及び前記他端側の第2端面のうち前記第1端面に、外周面から延在して中心軸に近づく方向に沿って延びる少なくとも1つの凹部が形成される、筒状の移動部材と、前記移動部材の前記溝に配置され前記本体の前記内周壁に密着し、前記第1端面と前記第2端面との間の距離よりも小さい厚みを有することにより前記第1端面との間に略環状に延びる第1空隙又は前記第2端面との間に略環状に延びる第2空隙を形成し、前記移動部材の前記第1端面と前記第2端面との間に延びる第1縮小部よりも大きい内径を有することにより前記第1縮小部との間に略環状に延び前記凹部に連通する第3空隙を形成する、環状のシール部材と、を具備する弁装置を含むものである。
様々な実施形態によれば、本体の内部における作動油の移動を適切に制御することが可能な弁装置、及び、これを用いた油圧制御装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る油圧制御装置の構成の一例を示す模式図である。 図1に示した油圧制御装置1に含まれる弁装置100の構成の一例を示す模式図である。 図1及び図2に簡略化して示した移動部材140の構成の一例を示す図である。 図1及び図2に簡略化して示した移動部材140の構成の一例を本体110の内周壁116とともに模式的に示す断面図である。 図1に示した油圧制御装置1の動作を説明する模式図である。
以下、添付図面を参照して本発明の様々な実施形態を説明する。なお、図面において共通した構成要素には同一の参照符号が付されている。また、或る図面に表現された構成要素が、説明の便宜上、別の図面においては省略されていることがある点に留意されたい。さらにまた、添付した図面が必ずしも正確な縮尺で記載されている訳ではないということに注意されたい。
1.油圧制御装置の概略
図1は、本発明の一実施形態に係る油圧制御装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、油圧制御装置1は、一実施形態に係る弁装置(主弁装置)100と、アキュムレータ200と、切替弁装置300と、制御部400と、を主に含む。油圧制御装置1は、油圧制御装置1が搭載される図示しない車両に搭載される、エンジン10、オイルポンプ20、オイル貯留部30及び油圧供給部40と組み合わせて用いられ、油圧供給部40に供給される油圧を制御する装置である。
オイルポンプ20は、エンジン10により駆動され、作動油をオイル貯留部30から吸入して供給流路500を介して油圧供給部40に供給する、トロコイドポンプ等の機械式のオイルポンプであり得る。オイル貯留部30は、作動油を貯留するものであって、例えば、トランスミッションのオイルパンであり得る。油圧供給部40は、油圧クラッチ等の油圧によって作動する機械要素である。オイルポンプ20と油圧供給部40とは供給流路500により接続されている。なお、供給流路500は、第1逆止弁502を含むことができる。第1逆止弁502は、オイルポンプ20側から弁装置100側、切替弁装置300側及び油圧供給部40側への作動油の流通を許容するが、オイルポンプ20側への作動油の流通を規制するものである。
2.アキュムレータ200
アキュムレータ200は、油圧をアキュムレータ圧として蓄圧するものである。アキュムレータ200は、弁装置100に対して第1流入流路600Aにより接続されている。アキュムレータ200は、第1流入流路600Aを介して弁装置100との間で作動油の入出力を行うことができる。
3.切替弁装置300及び制御部400
切替弁装置300は、例えば電磁切替弁であって、供給流路500内の圧力であるライン圧を背圧として弁装置100に入力する「第1状態」と、弁装置100に入力された背圧を開放する「第2状態」とを切り替えるものである。
切替弁装置300は、第1背圧流路700Aにより供給流路500に接続され、第2背圧流路700Bにより弁装置100に接続されている。なお、第1背圧流路700Aは、第2逆止弁702を含むことができる。第2逆止弁702は、供給流路500側から弁装置100側への作動油の流通を許容するが、弁装置100側から供給流路500側への作動油の流通を規制するものである。
切替弁装置300は、弁体及びスプール等の切替部302と、切替部302を移動させるソレノイド304と、を有する電磁式の切替弁装置であり得る。ソレノイド304は、制御部400に接続されており、制御部400からの駆動電流に従って切替部302を移動させる。切替弁装置300は、ソレノイド304に制御部400からの駆動電流が供給されていないOFF状態では、切替部302により第1背圧流路700A及び第2背圧流路700Bが開放されることにより、ライン圧が背圧として弁装置100に入力される「第1状態」となる。一方、切替弁装置300は、ソレノイド304に制御部400からの駆動電流が供給されているON状態では、切替部302により第1背圧流路700Aが閉塞され、切替部302により第2背圧流路700Bがドレン流路306に接続されることにより、弁装置100の背圧が開放される「第2状態」となる。
4.弁装置100
弁装置100は、アキュムレータ200に対して第1流入流路600Aにより接続され、供給流路500に対して第2流入流路600Bにより接続されている。また、弁装置100は、切替弁装置300に対して第2背圧流路700Bにより接続されている。
図2は、図1に示した油圧制御装置1に含まれる弁装置100の構成の一例を示す模式図である。図2に例示されるように、弁装置100は、大きく分けて、筒状かつ中空状の本体(シリンダ)110と、本体110の内部に収容される筒状の移動部材(ピストン)140と、移動部材140に取り付けられたシールリング(シール部材)180を含むことができる。なお、図2においては、簡略化のために、移動部材140の形状が簡略化して示され、さらに、シールリング180の記載が省略されている。移動部材140の形状については、後に図3及び図4を参照して詳細に説明する。
4−1.本体110
本体110は、例えば金属製の材料により形成され得るものである。本体110は、相互に距離を隔てて対向する第1内壁112及び第2内壁114、並びに、第1内壁112と第2内壁114とを接続する内周壁116を有する。さらに、本体110は、内周壁116のうち第1内壁112の付近において、切替弁装置300との間で伝送される作動油を通過させる第1貫通孔118を有する。なお、本体110は、第1貫通孔118を第1内壁112において有することも可能である。
また、本体110は、第2内壁114においてオイルポンプ20との間で伝送される作動油を通過させる第2貫通孔120を有する。さらにまた、本体110は、内周壁116のうち第2内壁114の付近において(すなわち、第2貫通孔120の付近において)アキュムレータ(蓄圧室)200との間で伝送される作動油を通過させる第3貫通孔122を有する。
さらにまた、本体110は、第1内壁112と移動部材140との間に背圧室124を形成する。背圧室124は、第1貫通孔118及び第2背圧流路700Bに連通している。本体110は、背圧室124において、第1内壁112と移動部材140との間にスプリングSを配置して、移動部材140を第1内壁112から離れる方向に(第2内壁114に近づく方向に)付勢している。
4−2.移動部材140
図3(a)は、図1及び図2に簡略化して示した移動部材140の構成の一例を示す斜視図であり、図3(b)は、図1及び図2に簡略化して示した移動部材140の構成の一例をシールリング180とともに示す側面図である。図4(a)〜図4(c)は、図1及び図2に簡略化して示した移動部材140の構成の一例を本体110の内周壁116とともに模式的に示す断面図である。
移動部材140は、例えば金属製の材料により形成され得るものであり、中空状又は中実状に形成され得るものである。移動部材140は、図3及び図4に示すように、本体110の内径(内周壁116の径)より小さい外径を有し、本体110の第1内壁112に対向する一端142から本体110の第2内壁114に対向する他端144まで延びる。
移動部材140の一端142と本体110の第1内壁112との間には、上述したように、スプリングSが配置される。これにより、移動部材140は、スプリングSにより本体110の第1内壁112から離れる方向に付勢される。
移動部材140の一端142と他端144との間には、移動部材140の周方向に延びる溝146が形成されている。このような溝146が形成されていることにより、移動部材140は、溝146を囲み相互に対向して周方向に延びる一端142側の第1端面148及び他端144側の第2端面149を有する。
移動部材140の第1端面148には、移動部材140の外周面から延在して移動部材140の中心軸に近づく方向に沿って延びる少なくとも1つの凹部150が形成されている。図3(a)には、一実施形態として1つの凹部150しか形成されない例が示されているが、別の実施形態では、2つ以上の凹部150が形成され得る。凹部150は、後述するように、移動部材140の外周面(具体的には後述する第2縮小部160の外周面)から中心軸に近づく方向に延在し、シールリング180の内周面182よりもさらに移動部材140の中心軸に近づく方向に延びている。凹部150は、一実施形態では、図3(a)に例示されるように、移動部材140の側面からみて例えば略半円形状を有するように形成され得る。別の実施形態では、凹部150は、移動部材140の側面からみて、例えば、矩形状、円形状、台形状、菱形状等を含む様々な形状を有するように形成されるものであってもよい。
図3(a)に最もよく示されているように、移動部材140は、その他端144において略筒状に延びる凹部152を有する。さらに、移動部材140は、凹部152において例えば円錐台状の凸部154を有する。さらにまた、移動部材140は、凹部152の外径側に形成された環状のシール面(凸部)155を有する。シール面155は、本体110の第2内壁114に係合(当接)して第2貫通孔120を介した作動油の流入及び流出を規制するものである(シール面155は、第2内壁114との係合を解消する(第2内壁114から離れる)ことにより第2貫通孔120を介した作動油の流入及び流出を許容することができる)。
移動部材140は、幾つかの相互に異なる外径を有する形状を有するものである。図3及び図4を参照すると、移動部材140は、大まかに分けると、一端142に隣接する基部156と、溝146を囲む第1縮小部158と、基部156と第1縮小部158との間に位置する第2縮小部160と、他端144に隣接する第3縮小部162と、第1縮小部158と第3縮小部162との間に位置する中間部164と、を含むことができる。
図3及び図4に示した一例において、移動部材140が中空状に形成される場合には、基部156、第1縮小部158、第2縮小部160及び中間部164は、それぞれ、略環状の形状を呈することができ、第3縮小部162は、一端が開放し他端が閉じた筒状の形状を呈することができる。別の実施形態において、移動部材140が中実状に形成される場合には、基部156、第1縮小部158、第2縮小部160、中間部164及び第3縮小部162は、それぞれ、略円柱状の形状を呈することができる。
基部156、第1縮小部158、第2縮小部160は、それぞれ、例えば下記の関係を満たす外径を有し得る。
基部156の外径>第2縮小部160の外径>第1縮小部158の外径
中間部164は、例えば、基部156と略同一の外径を有するように形成され得る。第3縮小部162は、中間部164より小さい外径を有するように形成され得る。
5.シールリング180
シールリング180は、例えば樹脂及び金属等により環状を呈するように形成され得る。シールリング180は、図4に示すように径方向に延びる1つのカット部(隙間)184を有するものであってもよいし、このようなカット部(隙間)のないシームレスなものであってもよい。
シールリング180は、本体110の内部に収容された移動部材140の溝146に配置されたときに、本体110の内周壁116に密着するような外径を有することができる。図4には、シールリング180が本体110の内周壁116に密着した様子が示されている。
シールリング180は、図4(a)に示すように、移動部材140の第1端面148と第2端面149との間の距離よりも小さい厚みを有する。これにより、本体110の内周壁116に密着したシールリング180は、本体110の内部を流動する作動油からの油圧により、溝146の内部において、移動部材140の一端142側に摺動して、図4(b)及び図4(c)に示すように第1端面148に当接することもできるし、移動部材140の他端144側に摺動して、図4(a)に示すように第2端面149に当接することもできる。
シールリング180は、移動部材140の第1端面148と第2端面149との間の距離よりも小さい厚みを有することにより、図4(a)に示すように、第2端面149に近づく方向に摺動して(又は第2端面149に当接して)、第1端面148との間に略環状に延びる第1空隙G1を形成することができる。
また、シールリング180は、図4(b)及び図4(c)に示すように、第1端面148に近づく方向に摺動して(又は第1端面148に当接して)、第2端面149との間に略環状に延びる第2空隙G2を形成することができる。
さらに、シールリング180は、シールリング180により部分的に覆われる移動部材140の第1縮小部158(の外径)よりも大きい内径を有する。これにより、シールリング180は、第1縮小部158(の外周面)との間に略環状に延びる第3空隙G3を形成することができる。
図4(a)〜図4(c)に最もよく示されているように、移動部材140の中心軸と凹部150との間の距離が、移動部材140の中心軸とシールリング180の内周面182との間の距離よりも短いことにより、凹部150は、シールリング180の内周面182よりもさらに移動部材140の中心軸に近づく方向にまで延在することができる。図4(a)〜図4(c)に例示されるように、一実施形態では、凹部150は、移動部材140の第2縮小部160の外周面から延在して移動部材140の中心軸に近づく方向に延びるものであるところ、第1縮小部158の外周面と略同じレベルに至るまで移動部材140の中心軸に近づく方向に延びている。これにより、図4(b)に例示されるように、シール部材180が移動部材140の第1端面148に当接した状態において、シールリング180の内周面182と第1縮小部158の外周面との間に略環状に延びる第3空隙G3は、移動部材140の第1端面148に形成された凹部150に連通することができる。なお、図4(b)に示す状態において、第3空隙G3と凹部150とが連通するためには、移動部材140の中心軸と凹部150との間の距離が、移動部材140の中心軸とシールリング180の内周面182との間の距離よりも短ければよい。
6.移動部材140とシールリング180との相互作用により規制又は許容される作動油の移動
まず、移動部材140の一端142側から他端144側に流れる作動油からの油圧を受けて、シールリング180が、移動部材140の他端144側に摺動して、図4(a)に示すように、移動部材140の第2端面149に当接した状態に着目する。この状態では、シールリング180が本体110の内周壁116に密着し、さらに、シールリング180が移動部材140の第2端面149にも密着している。これにより、第2空隙G2が消滅し、第1空隙G1及び第3空隙G3は確保されている。移動部材140の一端142側から第1空隙G1及び第3空隙G3に流入した作動油が移動部材140の他端144側には流入するための経路が存在しない。これにより、作動油は、移動部材140の一端142側から他端144側にはほとんど移動できない(図4(a)において実線で示した矢印F11及びF12参照)。
但し、図4(a)に示すように、シールリング180にその径方向に延びるカット部(隙間)184が形成されている場合には、微量の作動油がこのカット部184を通過して移動部材140の一端142側から他端144側に流入することができる(図4(a)において破線で示した矢印F13参照)。ここで、樹脂により形成されるシールリング180と金属により形成される本体110との間における熱膨張の差を利用して、高温領域におけるシールリング180のカット部184の隙間を減らすことにより、カット部184を通過する作動油の量をさらに抑えるようにしてもよい。
このように、移動部材140とシールリング180との相互作用により、移動部材140の一端142側から他端144側への作動油の流入を抑えることができる。
次に、移動部材140の他端144側から一端142側に流れる作動油からの油圧を受けて、シールリング180が、移動部材140の一端142側に摺動して、図4(b)に示すように、移動部材140の第1端面148に当接した状態に着目する。この状態では、シールリング180が本体110の内周壁116に密着し、さらに、シールリング180が移動部材140の第1端面148にも密着している。これにより、第1空隙G1が消滅し、第2空隙G2及び第3空隙G3は確保されている。第2空隙G2を経て第3空隙G3に流入した作動油は、移動部材140において第3空隙G3に連通した凹部150に流入することができる(図4(b)において実線で示した矢印F21及びF22)。凹部150に流入した作動油は、移動部材140の第2縮小部160と本体110の内周壁116との間において略環状に延びる第4空隙G4、及び、移動部材140の基部156と本体110の内周壁116との間において略環状に延びる第5空隙G5を通過して(図4(b)において破線で示した矢印F23)、移動部材140の一端142側に流入することができる。
なお、図4(b)に示すように、シールリング180にその径方向に延びるカット部(隙間)184が形成されている場合には、微量の作動油がこのカット部184を通過して移動部材140の他端144側から一端142側に流入することができる。シールリング180にカット部184が形成されていない(シールリング180がシームレスなものである)場合であっても、又は、シールリング180にカット部184が形成されており、そのようなカット部184が異物等により閉塞した場合であっても、上記のとおり、図4(b)において矢印F21、F22及びF23で示した経路を通って、作動油は移動部材140の他端144側から一端142側に流入することができる。
このように、移動部材140とシールリング180との相互作用により、移動部材140の他端144側から一端142側への作動油の流入を許容することができる。
図4(b)には、移動部材140と本体110の内周壁116との間に、周方向に沿って略均一の厚みを有する第4空隙G4及び第5空隙G5が確保される様子が例示されている。ところが、図4(c)に例示するように、移動部材140の基部156が例えば凹部150側に偏った状態で本体110の内周壁116に密着する可能性がある。この状態では、第5空隙G5は、凹部150側においては極小化しているため、図4(c)において実線で示された矢印F31に示すように、作動油は、凹部150側の第5空隙G5を通過することができない。
しかし、移動部材140の基部156に隣接した第2縮小部160は、基部156よりも小さい外径を有するように減肉して形成されている。これにより、図4(c)に示すように、第2縮小部160は、本体110の内周壁116に密着せず、したがって、第4空隙G4は、凹部150側においても確保されている。この結果、凹部150に流入した作動油は、第4空隙G4のうち周方向に沿って凹部150から離れた領域、及び、第5空隙G5のうち周方向に沿って凹部150から離れた領域を通過して(図4(c)において破線で示した矢印F23)、移動部材140の一端142側に流入することができる。
このように、移動部材140とシールリング180との相互作用により、移動部材140の他端144側から一端142側への作動油の流入を許容することができる。
7.油圧制御装置の動作
次に、上記構成を有する油圧制御装置1の動作について、図5を参照して説明する。図5は、図1に示した油圧制御装置1の動作を説明する模式図である。なお、図5において、簡略化のために、図1に示されたオイル貯留部30及び制御部400の記載が省略されている。また、以下、「ライン圧」とは供給流路500内の圧力であり、「アキュムレータ圧」とはアキュムレータ200内の圧力であり、「背圧」とは弁装置100の背圧室124内の圧力である。
イグニッションがONとされ、エンジン10が始動すると、オイルポンプ20がエンジン10により駆動され、ライン圧が0から上昇する。切替弁装置300がOFF状態であるので、第1背圧流路700A及び第2背圧流路700Bが開放される。よって、供給流路500から第1背圧流路700A及び第2背圧流路700Bを介して弁装置100の背圧室124に作動油が供給され、背圧室124の背圧がライン圧と同一になる。弁装置100の移動部材140の一端142の受圧面積は、他端144の受圧面積より大きいので、移動部材140には、本体110の第2内壁114に向かう力が作用する。これに加えて、移動部材140は、スプリングSによって第2内壁114に向かう方向に付勢されている。これにより、移動部材140は、図5(a)に示すように、第2内壁114に到達して、シール面(凸部)155を本体110の第2内壁114に係合させる。したがって、第2貫通孔120は、移動部材140のシール面155により閉塞される。すなわち、弁装置100は、閉弁状態を維持する。この結果、ライン圧はアキュムレータ200に供給されない。
以上のように弁装置100の背圧室124に作動油が供給され始めた後、弁装置100が閉弁状態を維持するまでの間においては、上記「6」において図4(a)を参照して説明したとおり、移動部材140の一端142側から他端144側(ひいてはアキュムレータ200)への作動油の流入が規制される。
次に、エンジン10の始動が完了すると、制御部400は、切替弁装置300に駆動電流を供給して切替弁装置300をON状態にする。これにより、図5(b)に示すように、切替弁装置300により、第1背圧流路700Aと第2背圧流路700Bとが遮断され、第2背圧流路700Bがドレン流路306に接続される。この状態では、弁装置100の背圧室124内の作動油が、第2背圧流路700B及びドレン流路306を通過してオイル貯留部30に排出され、さらに、背圧室124の圧力が大気圧となる。この状態では、移動部材140の一端142には油圧が作用しない一方、移動部材140の他端144にはライン圧が作用するので、移動部材140は、図5(b)に示すように、スプリングSに抗して第1内壁112に近づく方向に移動する。したがって、第2貫通孔120は、移動部材140のシール面155から開放される。すなわち、弁装置100は、開弁状態を維持する。弁装置100が開弁状態にあるときには、第2貫通孔120と第3貫通孔122とが連通する。これにより、オイルポンプ20から第2流入流路600B及び第2貫通孔120を介して弁装置100に供給された作動油が、第3貫通孔122及び第1流入流路600Aを介してアキュムレータ200に供給される。よって、アキュムレータ200に作動油が蓄えられていく(アキュムレータ200が蓄圧されていく)。
次に、アキュムレータ圧がライン圧と同一となると、制御部400は、切替弁装置300に対する駆動電流の供給を停止することにより、図5(c)に示すように、切替弁装置300をOFF状態にする。この状態では、図5(a)を参照して説明したものと同様の動作が行われ、弁装置100は、閉弁状態を維持する。これにより、アキュムレータ200に対する蓄圧が完了する。ここでも、弁装置100の背圧室124に作動油が供給され始めた後、弁装置100が閉弁状態を維持するまでの間においては、上記「6」において図4(a)を参照して説明したとおり、移動部材140の一端142側から他端144側(ひいてはアキュムレータ200)への作動油の流入が規制される。
この後、車両が停止して、アイドリングストップ機能により、エンジン10が停止すると、オイルポンプ20から供給流路500に対する作動油の供給が停止して、図5(d)に示すように、油圧供給部40から油圧が抜け、ライン圧が0となる。これにより、弁装置100の移動部材140の一端142には油圧が作用しなくなる。また、第2逆止弁702により、弁装置100の背圧室124から供給流路500への作動油の流出が防止され、背圧室124内の背圧が保持される。
この状態においては、弁装置100の背圧室124の背圧とアキュムレータ200のアキュムレータ圧とを略等しくすることにより、移動部材140は、スプリングSにより付勢されることにより、第2貫通孔120を閉じた状態を維持すること、すなわち、弁装置100は、閉弁状態を維持することができる。しかし、弁装置100の本体110において、移動部材140の他端144側から一端142側への流入を完全にシールして(封じて)しまうと、アキュムレータ200のアキュムレータ圧が、背圧室124に作用しなくなることにより、背圧室124の背圧とアキュムレータ200のアキュムレータ圧とを略等しくすることができない。よって、弁装置100が閉弁状態を維持するためには、弁装置100の本体110の内部において、移動部材140の他端144側から一端142側への微小な連通が必要である。このような微小な連通は、上記「6」において図4(b)及び図4(c)を参照して説明したとおりに実現され得る。したがって、アイドリングストップ機能により、オイルポンプ20から供給流路500に対する作動油の供給が停止した場合であっても、弁装置100は閉弁状態を維持することができる。これにより、弁装置100は、アキュムレータ200に蓄えられた圧力を保持することができる。
次に、運転者の再発進の意思が検出されると、制御部400は、エンジン10を再始動させるとともに、切替弁装置300に駆動電流を供給することにより切替弁装置300をON状態にする。この状態においては、図5(b)を参照して説明したものと同様の動作が行われ、弁装置100は、開放される。これにより、アキュムレータ200に蓄えられた作動油が、第1流入流路600A、弁装置100の本体110の第3貫通孔122及び第2貫通孔120、並びに、第2流入流路600Bを介して、供給流路500に供給されることにより、ライン圧が上昇する。よって、油圧が油圧供給部40に供給される。このようにして、エンジン10の再始動時において、より早期に、油圧供給部40に油圧が供給されるので、車両は素早く再発進することができる。
以上のように、本実施形態によれば、アキュムレータ200に対する作動油の充填を規制すべく切替弁装置300がOFF状態にあるときには、弁装置100において作動油が移動部材140の一端142側から他端144側に流入し、ひいては、この作動油が弁装置100からアキュムレータ200に(設計者の意図とは異なり)流入することを、防止又は低減することができる。これにより、アキュムレータ200に対して作動油が充填されることに起因して、油圧供給部40に供給される油圧が(設計者の意図とは異なり)急激に低下する、という事態の発生を防止又は低減することができる。
さらに、本実施形態によれば、アキュムレータ200に対する蓄圧が完了した後、又は、アキュムレータ200に対する蓄圧の途中において、アイドリングストップ機能によりエンジン10及びオイルポンプ20が停止した場合であっても、移動部材140に形成された凹部150を、移動部材140に形成された溝146とシールリング180との間の間隙に連通させることにより、移動部材140の一端142側と他端144側とを連通させることができる。これにより、アキュムレータ200から弁装置100に供給されるアキュムレータ圧と弁装置100の背圧室124の背圧とを実質的に同圧に維持することにより、弁装置100は閉弁状態を維持することができる。
8.態様
第1の態様に係る弁装置は、相互に距離を隔てて対向する第1内壁及び第2内壁、並びに、前記第1内壁と前記第2内壁とを接続する内周壁を有し、前記第1内壁に又は前記内周壁のうち前記第1内壁の付近に切替弁との間で伝送される作動油を通過させる第1貫通孔を有し、前記第2内壁にオイルポンプとの間で伝送される作動油を通過させる第2貫通孔を有し、前記内周壁のうち前記第2内壁の付近に蓄圧室との間で伝送される作動油を通過させる第3貫通孔を有する、筒状かつ中空状の本体と、前記本体の内部に収容され、前記本体の内径より小さい外径を有し、前記第1内壁に対向する一端から前記第2内壁に対向する他端まで延び、前記一端と前記他端との間に周方向に延びる溝が形成され、前記溝を囲み相互に対向して前記周方向に延びる前記一端側の第1端面及び前記他端側の第2端面のうち前記第1端面に、外周面から延在して中心軸に近づく方向に沿って延びる少なくとも1つの凹部が形成される、筒状の移動部材と、前記移動部材の前記溝に配置され前記本体の前記内周壁に密着し、前記第1端面と前記第2端面との間の距離よりも小さい厚みを有することにより前記第1端面との間に略環状に延びる第1空隙又は前記第2端面との間に略環状に延びる第2空隙を形成し、前記移動部材の前記第1端面と前記第2端面との間に延びる第1縮小部よりも大きい内径を有することにより前記第1縮小部との間に略環状に延び前記凹部に連通する第3空隙を形成する、環状のシール部材と、を具備するものである。
この態様によれば、蓄圧室に対する作動油の充填を規制すべく切替弁がOFF状態にあるときには、弁装置において作動油が移動部材の一端側から他端側に流入し、ひいては、この作動油が弁装置から蓄圧室に(設計者の意図とは異なり)流入することを、防止又は低減することができる。これにより、蓄圧室に対して作動油が充填されることに起因して、油圧供給部に供給される油圧が(設計者の意図とは異なり)急激に低下する、という事態の発生を防止又は低減することができる。さらにまた、蓄圧室に対する蓄圧が完了した後、又は、蓄圧室に対する蓄圧の途中において、アイドリングストップ機能によりエンジン及びオイルポンプが停止した場合であっても、移動部材に形成された凹部を、移動部材に形成された溝とシール部材との間の間隙に連通させることにより、移動部材の一端側と他端側とを連通させることができる。これにより、蓄圧室から弁装置に供給されるアキュムレータ圧と弁装置の背圧とを実質的に同圧に維持することにより、弁装置は閉弁状態を維持することができる。
第2の態様に係る弁装置は、上記第1の態様において、前記移動部材の中心軸と前記凹部との間の距離が、前記中心軸と前記シール部材の内周面との間の距離よりも短いことにより、前記移動部材の前記第1端面に形成された前記凹部は、前記第1端面に当接した状態の前記シール部材の前記内周面と前記移動部材の前記第1縮小部との間に延びる前記第3空隙に連通する、ものであってもよい。
この態様によれば、移動部材に形成された凹部と、移動部材に形成された溝とシール部材との間の間隙と、を確実に連通させることができる。
第3の態様に係る弁装置は、上記第1の態様又は上記第2の態様において、前記移動部材は、前記一端に隣接する基部と、前記基部と前記第1縮小部との間に配置され前記基部の外径よりも小さくかつ前記第1縮小部の外径よりも大きい外径を有する第2縮小部と、を含むことにより、前記基部のうち前記凹部に隣接する一部が前記本体の前記内周壁に偏って密着したときに、前記第2縮小部のうち前記基部の前記一部に隣接する部分と前記内周壁との間に前記凹部に連通して略環状に延びる第4空隙を確保する、ものであってもよい。
この態様によれば、移動部材の基部が凹部側に偏った状態で本体の内周壁に密着した場合であっても、移動部材の基部に隣接する第2縮小部と本体の内周壁との間に略環状に延びる第4空隙を確保することにより、移動部材の他端側から一端側への連通を実現することができる。
第4の態様に係る弁装置は、上記第1の態様から上記第3の態様のいずれかにおいて、前記シール部材が、前記移動部材の前記一端から前記他端に向かう方向に流れる作動油による圧力を受けて前記第2端面に当接して、前記第2空隙を消滅させ前記第1空隙及び前記第3空隙を確保することにより、前記第1空隙及び前記第3空隙に流入した作動油が前記移動部材の前記他端側に流入することを規制する、ものであってもよい。
この態様によれば、蓄圧室に対する作動油の充填を規制すべく切替弁がOFF状態にあるときには、弁装置において作動油が移動部材の一端側から他端側に流入し、ひいては、この作動油が弁装置から蓄圧室に(設計者の意図とは異なり)流入することを、防止又は低減することができる。これにより、蓄圧室に対して作動油が充填されることに起因して、油圧供給部に供給される油圧が(設計者の意図とは異なり)急激に低下する、という事態の発生を防止又は低減することができる。
第5の態様に係る弁装置は、上記第1の態様から上記第4の態様のいずれかにおいて、前記シール部材が、前記移動部材の前記他端から前記一端に向かう方向に流れる作動油による圧力を受けて前記第1端面に当接して、前記第1空隙を消滅させ、前記第2空隙及び前記第3空隙を確保することにより、前記第2空隙及び前記第3空隙に流入した作動油が前記第3空隙に連通した前記凹部を通過して前記移動部材の前記一端側に流入することを許容する、ものであってもよい。
この態様によれば、蓄圧室に対する蓄圧が完了した後、又は、蓄圧室に対する蓄圧の途中において、アイドリングストップ機能によりエンジン及びオイルポンプが停止した場合であっても、移動部材に形成された凹部を、移動部材に形成された溝とシール部材との間の間隙に連通させることにより、移動部材の一端側と他端側とを連通させることができる。これにより、蓄圧室から弁装置に供給されるアキュムレータ圧と弁装置の背圧とを実質的に同圧に維持することにより、弁装置は閉弁状態を維持することができる。
第6の態様に係る弁装置は、上記第1の態様から上記第5の態様のいずれかにおいて、前記シール部材は、シームレスであるか又は径方向に延びる隙間を含む、ものであってもよい。
この態様によれば、シール部材がシームレスである場合には、本体内における移動部材の一端側から他端側への作動油の流入をさらに確実に規制することができる。シール部材がカット部を含むものである場合には、本体内における移動部材の他端側から一端側への作動油の流入を許容することができる。いずれの場合であっても、移動部材に形成された凹部を、移動部材に形成された溝とシール部材との間の間隙に連通させることにより、移動部材の一端側と他端側とを連通させることができる。これにより、蓄圧室から弁装置に供給されるアキュムレータ圧と弁装置の背圧とを実質的に同圧に維持することにより、弁装置は閉弁状態を維持することができる。
第7の態様に係る弁装置は、上記第1の態様から上記第6の態様のいずれかにおいて、前記移動部材は、前記本体の前記第2内壁に係合して前記第2貫通孔を介した作動油の流入及び流出を規制する凸部を前記他端において有する、ものであってもよい。
この態様によれば、移動部材がその凸部を本体の第2内壁に係合させることにより、弁装置は、閉弁を実現することができる。
一態様に係る油圧制御装置は、相互に距離を隔てて対向する第1内壁及び第2内壁、並びに、前記第1内壁と前記第2内壁とを接続する内周壁を有し、前記第1内壁に又は前記内周壁のうち前記第1内壁の付近に切替弁との間で伝送される作動油を通過させる第1貫通孔を有し、前記第2内壁にオイルポンプとの間で伝送される作動油を通過させる第2貫通孔を有し、前記内周壁のうち前記第2内壁の付近に蓄圧室との間で伝送される作動油を通過させる第3貫通孔を有する、筒状かつ中空状の本体と、前記本体の内部に収容され、前記本体の内径より小さい外径を有し、前記第1内壁に対向する一端から前記第2内壁に対向する他端まで延び、前記一端と前記他端との間に周方向に延びる溝が形成され、前記溝を囲み相互に対向して前記周方向に延びる前記一端側の第1端面及び前記他端側の第2端面のうち前記第1端面に、外周面から延在して中心軸に近づく方向に沿って延びる少なくとも1つの凹部が形成される、筒状の移動部材と、前記移動部材の前記溝に配置され前記本体の前記内周壁に密着し、前記第1端面と前記第2端面との間の距離よりも小さい厚みを有することにより前記第1端面との間に略環状に延びる第1空隙又は前記第2端面との間に略環状に延びる第2空隙を形成し、前記移動部材の前記第1端面と前記第2端面との間に延びる第1縮小部よりも大きい内径を有することにより前記第1縮小部との間に略環状に延び前記凹部に連通する第3空隙を形成する、環状のシール部材と、を具備する弁装置、を含むものである。
この態様によれば、蓄圧室に対する作動油の充填を規制すべく切替弁がOFF状態にあるときには、弁装置において作動油が移動部材の一端側から他端側に流入し、ひいては、この作動油が弁装置から蓄圧室に(設計者の意図とは異なり)流入することを、防止又は低減することができる。これにより、蓄圧室に対して作動油が充填されることに起因して、油圧供給部に供給される油圧が(設計者の意図とは異なり)急激に低下する、という事態の発生を防止又は低減することができる。さらにまた、蓄圧室に対する蓄圧が完了した後、又は、蓄圧室に対する蓄圧の途中において、アイドリングストップ機能によりエンジン及びオイルポンプが停止した場合であっても、移動部材に形成された凹部を、移動部材に形成された溝とシール部材との間の間隙に連通させることにより、移動部材の一端側と他端側とを連通させることができる。これにより、蓄圧室から弁装置に供給されるアキュムレータ圧と弁装置の背圧とを実質的に同圧に維持することにより、弁装置は閉弁状態を維持することができる。
以上のように、様々な実施形態によれば、本体の内部における作動油の移動を適切に制御することが可能な弁装置、及び、これを用いた油圧制御装置を提供することができる。
1 油圧制御装置
10 エンジン
20 オイルポンプ
30 オイル貯留部
40 油圧供給部
100 弁装置
110 本体
112 第1内壁
114 第2内壁
116 内周壁
118 第1貫通孔
120 第2貫通孔
122 第3貫通孔
140 移動部材
142 一端
144 他端
146 溝
148 第1端面
149 第2端面
150 凹部
154 凸部
155 シール面(凸部)
156 基部
158 第1縮小部
160 第2縮小部
162 第3縮小部
164 中間部
184 カット部(隙間)
200 アキュムレータ(蓄圧室)
300 切替弁装置
400 制御部
500 供給流路
502 第1逆止弁
600A 第1流入流路
600B 第2流入流路
700A 第1背圧流路
700B 第2背圧流路
702 第2逆止弁
G1 第1空隙
G2 第2空隙
G3 第3空隙
G4 第4空隙
G5 第5空隙

Claims (6)

  1. 相互に距離を隔てて対向する第1内壁及び第2内壁、並びに、前記第1内壁と前記第2内壁とを接続する内周壁を有し、前記第1内壁に又は前記内周壁のうち前記第1内壁の付近に切替弁との間で伝送される作動油を通過させる第1貫通孔を有し、前記第2内壁にオイルポンプとの間で伝送される作動油を通過させる第2貫通孔を有し、前記内周壁のうち前記第2内壁の付近に蓄圧室との間で伝送される作動油を通過させる第3貫通孔を有する、筒状かつ中空状の本体と、
    前記本体の内部に収容され、前記本体の内径より小さい外径を有し、前記第1内壁に対向する一端から前記第2内壁に対向する他端まで延び、前記一端と前記他端との間に周方向に延びる溝が形成され、前記溝を囲み相互に対向して前記周方向に延びる前記一端側の第1端面及び前記他端側の第2端面のうち前記第1端面に、外周面から延在して中心軸に近づく方向に沿って延びる少なくとも1つの凹部が形成される、筒状の移動部材と、
    前記移動部材の前記溝に配置され前記本体の前記内周壁に密着し、前記第1端面と前記第2端面との間の距離よりも小さい厚みを有することにより前記第1端面との間に略環状に延びる第1空隙又は前記第2端面との間に略環状に延びる第2空隙を形成し、前記移動部材の前記第1端面と前記第2端面との間に延びる第1縮小部よりも大きい内径を有することにより前記第1縮小部との間に略環状に延び前記凹部に連通する第3空隙を形成する、環状のシール部材と、
    を具備する弁装置。
  2. 前記移動部材の中心軸と前記凹部との間の距離が、前記中心軸と前記シール部材の内周面との間の距離よりも短いことにより、前記移動部材の前記第1端面に形成された前記凹部は、前記第1端面に当接した状態の前記シール部材の前記内周面と前記移動部材の前記第1縮小部との間に延びる前記第3空隙に連通する、請求項1に記載の弁装置。
  3. 前記移動部材は、前記一端に隣接する基部と、前記基部と前記第1縮小部との間に配置され前記基部の外径よりも小さくかつ前記第1縮小部の外径よりも大きい外径を有する第2縮小部と、を含むことにより、前記基部のうち前記凹部に隣接する一部が前記本体の前記内周壁に偏って密着したときに、前記第2縮小部のうち前記基部の前記一部に隣接する部分と前記内周壁との間に前記凹部に連通して略環状に延びる第4空隙を確保する、請求項1又は請求項2に記載の弁装置。
  4. 前記シール部材が、前記移動部材の前記一端から前記他端に向かう方向に流れる作動油による圧力を受けて前記第2端面に当接して、前記第2空隙を消滅させ前記第1空隙及び前記第3空隙を確保することにより、前記第1空隙及び前記第3空隙に流入した作動油が前記移動部材の前記他端側に流入することを規制する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の弁装置。
  5. 前記シール部材が、前記移動部材の前記他端から前記一端に向かう方向に流れる作動油による圧力を受けて前記第1端面に当接して、前記第1空隙を消滅させ、前記第2空隙及び前記第3空隙を確保することにより、前記第2空隙及び前記第3空隙に流入した作動油が前記第3空隙に連通した前記凹部を通過して前記移動部材の前記一端側に流入することを許容する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の弁装置。
  6. 相互に距離を隔てて対向する第1内壁及び第2内壁、並びに、前記第1内壁と前記第2内壁とを接続する内周壁を有し、前記第1内壁に又は前記内周壁のうち前記第1内壁の付近に切替弁との間で伝送される作動油を通過させる第1貫通孔を有し、前記第2内壁にオイルポンプとの間で伝送される作動油を通過させる第2貫通孔を有し、前記内周壁のうち前記第2内壁の付近に蓄圧室との間で伝送される作動油を通過させる第3貫通孔を有する、筒状かつ中空状の本体と、
    前記本体の内部に収容され、前記本体の内径より小さい外径を有し、前記第1内壁に対向する一端から前記第2内壁に対向する他端まで延び、前記一端と前記他端との間に周方向に延びる溝が形成され、前記溝を囲み相互に対向して前記周方向に延びる前記一端側の第1端面及び前記他端側の第2端面のうち前記第1端面に、外周面から延在して中心軸に近づく方向に沿って延びる少なくとも1つの凹部が形成される、筒状の移動部材と、
    前記移動部材の前記溝に配置され前記本体の前記内周壁に密着し、前記第1端面と前記第2端面との間の距離よりも小さい厚みを有することにより前記第1端面との間に略環状に延びる第1空隙又は前記第2端面との間に略環状に延びる第2空隙を形成し、前記移動部材の前記第1端面と前記第2端面との間に延びる第1縮小部よりも大きい内径を有することにより前記第1縮小部との間に略環状に延び前記凹部に連通する第3空隙を形成する、環状のシール部材と、を具備する弁装置、
    を含む油圧制御装置。
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