JP2019167007A - 車両用音声制御システム、当該システムの制御方法、およびこれらを実現するプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】車内に搭載したマイクロホンにより、車外の使用者の音声指示を適切に検出することができる車両用音声制御システム、当該システムの制御方法、およびこれらを実現するプログラムを提供する。【解決手段】車両用音声制御システム100は、車両200に動作を指示する制御部10と、車室に設けられたマイク20で使用者の音声指示を受け付ける音声入力部12と、車外にいる使用者を検知する検知部16と、車両200の複数の窓30のうち少なくとも一つを開く開閉部13と、を備え、制御部10は、検知部16が使用者を検知した場合、開閉部13に窓30を開かせて、音声入力部12に音声指示の受け付けを開始させる。【選択図】図2
Description
本発明は、車両用音声制御システム、当該システムの制御方法、およびこれらを実現するプログラムに関する。
近年の音声認識技術の発達により、車両の操作を音声で制御するニーズが高まっている。この車両の音声制御には、車内(車両の室内)に居る使用者の音声による操作指令(以下では単に音声指示と称する場合がある)に基づいて行う制御のみならず、車外(車両の外側)に居る使用者(以下では、単に車外の使用者と称する場合がある)の音声による操作指令に基づいて適切な制御が行えることが要請される。車両の音声制御としてはたとえば、車外に居る使用者の音声を認識してドアのロックを解除する操作や、車外に居る使用者の音声を認識して駐車場への車両の入出庫を行う操作が、適切に行えることが要請される。
車外の使用者の音声指示を適切に認識するには、たとえば特許文献1に記載されるように、音声を検出するためのマイクロホン等を車外に搭載することが考えられる。ドアパネルや窓ガラスを閉じ切ったままでは、車外の音声は、車内に伝わりにくいため、車内に搭載したマイクロホンでは、車外の使用者の音声を十分に検出できないためである。しかし、車外にマイクロホンを設けると、車両周辺の環境、たとえば、雨、風、もしくは埃等や、他車や障害物との接触等によって、マイクロホンが故障したり破損したりしてしまうという問題がある。そこで、音声を検出する使用時にはマイクロホンを車外に露出し、不使用時にはマイクロホンを収容するなどして車外と隔離してマイクロホンを保護することが考えられる。特許文献1においては、マイクロホン(特許文献1ではマイク−スピーカ)をドアミラー装置のバイザカバー内に配置している。
特許文献2には、車両の外部の音や声を集音するマイクロホン(車外のマイクロホン)と、当該マイクロホンを保護するマイクロホン保護機構を備えて構成される車載マイクロホン保護装置、車載マイクロホン装置等に関する発明が記載されている。この車載マイクロホン装置等は、車両の外部の音や声を集音するマイクロホンを保護するマイクロホン保護機構を備えている。このマイクロホン保護機構は、マイクロホン保護機構からマイクロホンが露出する集音姿勢と、当該マイクロホン保護機構によりマイクロホンが保護される非集音姿勢のいずれかに切り替える姿勢切替機構と、所定の条件に基づいて姿勢切替機構を作動させる姿勢制御手段を備えて構成されている。そして、この車載マイクロホン装置等は、車載マイクロホン保護装置の外部に取り付けられたマイクロホンが、劣化や破損の危険性が無い等の外部環境条件や集音の必要性が生じた等という所定の条件を満たした場合は、姿勢制御手段が姿勢切替機構を作動させて当該マイクロホンを集音姿勢に切り替える。これにより、当該マイクロホンによって集音される車両外部の音や声を明瞭に認識することが可能となる。一方、所定の条件を満たさない場合は、姿勢制御手段が姿勢切替機構を作動させてマイクロホンを非集音姿勢に切り替える。これにより、マイクロホンの劣化や破損を防止することが可能となる。
しかし、特許文献2に記載された発明によれば、車内と車外とにそれぞれマイクロホンを設け、さらに、車外のマイクロホンに対して当該マイクロホンを保護するマイクロホン保護機構を新たに設けることが必要となる。そのため、コストアップの問題が生じてしまう。
特許文献3には、低コスト化の要請を満たしつつ、車両の内外において発せられ得る音声に対して音声処理を行い得る音声処理装置および制御装置が記載されている。この音声処理装置等は、車内に配された複数のマイクロホンの各々によって取得される受音信号に含まれる音声の発生源である音声源の方位を判定する音声源方位判定部と、音声源の方位を含む方位範囲以外の方位範囲から到来する音を抑圧するビームフォーミングを行うビームフォーミング処理部等とを有している。そして、車内に使用者が存在しているか否かを示す信号に基づいて、ビームフォーミング処理部によるビームフォーミングのオンないしオフが設定されるようになっている。具体的には、車両内に使用者が存在している場合には、ビームフォーミングがオンに設定される。一方、車内に使用者が存在していない場合には、車外に存在する使用者の位置を正確に特定することは容易ではないため、ビームフォーミングがオフに設定される。そして、車外の使用者が所定のワード(操作指令)を発した後においては、当該使用者に対してビームフォーミングが行われる。これにより、車両の外部に使用者が位置している場合であっても、かかる使用者が発する音声を、車両内に配されたマイクロホンを用いて確実に検出することができるとされている。
しかし、特許文献3に記載された発明によっても、依然として、使用者が音声による操作指令を発するまでは、車外に存在する使用者の位置を正確に特定することは容易ではない。そのため、車内に搭載したマイクロホンにより、車外の使用者の音声を十分に検出できない問題は残る。そのため、車内に搭載したマイクロホン(以下では、マイクと称する)により、車外の使用者の音声指示を適切に検出することができる車両用音声制御システムの提供が望まれる。
本発明は、かかる実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、車内に搭載したマイクロホンにより、車外の使用者の音声指示を適切に検出することができる車両用音声制御システム、当該システムの制御方法、およびこれらを実現するプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る車両用音声制御システムの特徴構成は、車両に動作を指示する制御部と、前記車両の車内に設けられたマイクで使用者の音声指示を受け付ける音声入力部と、車外にいる前記使用者を検知する検知部と、前記車両の複数の車両開閉体のうち少なくとも一つを開く開閉部と、を備え、前記制御部は、前記検知部が前記使用者を検知した場合、前記開閉部に前記車両開閉体を開かせて、前記音声入力部に音声指示の受け付けを開始させる点にある。
上記構成によれば、検知部が検知できる程度の車両近傍に使用者がいる場合、窓、ドア、サンルーフなどの車両開閉体が開かれる。このように、車両開閉体が開かれた状態にすることで、車外に居る使用者の音声が、車両の壁や車両開閉体に遮られることを抑制し、車両開閉体の開口部分を通じて車内に伝播することができる状態になる。そのため、車内に設けられたマイクにより、車外に居る使用者の音声指示を適切に検出することができる。なお、車両開閉体が開く際に、音声入力部が音声指示の受け付けを開始していなければ、制御部はこれを開始し、車両開閉体が開く際に、音声入力部が音声指示の受け付け状態にあれば、制御部は、音声入力部に、音声指示の受け付け状態を維持させる。また、車内にマイクがあるので、車両周辺の環境、たとえば、雨、風、もしくは埃等や、他車や障害物との接触等によって、マイクが故障したり破損したりしてしまうという問題は発生しない。
本発明に係る車両用音声制御システムの更なる特徴構成は、前記検知部は、前記車両に対する前記使用者の方向を検知し、前記制御部は、前記開閉部に、複数の前記車両開閉体のうち前記使用者に最も近い前記車両開閉体を開く指示をする点にある。
上記構成によれば、検知部で検知した使用者の位置に基づいて使用者に最も近い車両開閉体が開かれる。これにより、使用者に最も近い車両開閉体の開口部から使用者の音声を車内に伝播させることができるため、車内に設けられたマイクにより、車外に居る使用者の音声指示をより良く検出することができる。
本発明に係る車両用音声制御システムの更なる特徴構成は、前記音声入力部は、開かれた前記車両開閉体に指向性を向ける点にある。
上記構成によれば、使用者の音声が車外から車内に伝播する入口となる車両開閉体に音声入力部の指向性が向けられるため、車外に居る使用者の音声指示をさらに良く検出できるようになる。
上記目的を達成するための本発明に係る車両用音声制御方法の特徴構成は、車両の車内に設けられたマイクで使用者の音声指示を受け付ける音声入力工程と、車外にいる前記使用者を検知する検知工程と、前記車両の複数の車両開閉体のうち少なくとも一つを開く開閉体開工程と、を備え、前記検知工程で前記使用者を検知した場合、前記開閉体開工程を実行し、前記音声入力工程を開始する点にある。
上記構成によれば、上述の車両用音声制御システムと同様の作用効果を得ることができる。
上記目的を達成するための本発明に係る車両用音声制御プログラムの特徴構成は、車両に動作を指示する制御機能と、前記車両の車内に設けられたマイクで使用者の音声指示を受け付ける音声入力機能と、車外にいる前記使用者を検知する検知機能と、前記車両の複数の車両開閉体のうち少なくとも一つを開く開閉体開機能と、をプロセッサに実現させ、前記制御機能は、前記検知機能で前記使用者を検知した場合、前記開閉体開機能で前記車両開閉体を開かせて、前記音声入力機能の実行を開始する点にある。
上記構成によれば、上述の車両用音声制御システムや上記車両用音声制御方法を実現し、これらと同様の作用効果を得ることができる。
車内に搭載したマイクロホンにより、車外の使用者の音声指示を適切に検出することができる車両用音声制御システム、当該システムの制御方法、およびこれらを実現するプログラムを提供することができる。
図1から図7に基づいて、本発明の実施形態に係る車両用音声制御システム、当該システムの制御方法、およびこれらを実現するプログラムについて説明する。
〔全体構成の説明〕
まず、車両用音声制御システム100およびこれを搭載した車両200の全体構成について説明する。
まず、車両用音声制御システム100およびこれを搭載した車両200の全体構成について説明する。
本実施形態に係る車両用音声制御システム100は、図1に示すように、乗用車などの車両200に搭載されて用いられる。車両200は、車体8の内側に形成される車室S内(車内の一例、以下では車内と称する)にマイク20を有している。車両200の使用者Hは、車内もしくは車体8の外部(以下では車外と称する)から、このマイク20を通じて車両用音声制御システム100に音声指示をするようになっている。
車両200は、車両200全体の動作や車両200の走行を制御するエンジンコントロールユニットであるECU4を備える。車両200の全体の動作には、図2に示すように、車両200のパワートレイン、ブレーキシステムなどを有する走行機構40が含まれる。
車両200はさらに、キーデバイスK(いわゆる、スマートキーなど)との通信によりキーデバイスKの所持者(本実施形態では使用者H)に対して車両200の使用を許可する照合部6と、車両200が有する複数の窓30(車両開閉体の一例)の開閉動作を行う開閉体駆動部3、車両200の動作に必要な情報などを記憶する車両側記憶部41等を有する。照合部6は、受信部5を介してアンテナ50に接続されている。照合部6は、使用者Hが所持しているキーデバイスKが発信する電波を受信して、当該電波に情報として含まれるキーデバイスKに固有のID情報を基にして、使用者Hが車両200の使用者であることを認証するようになっている。車両用音声制御システム100は、照合部6が認証した使用者Hの音声指示に基づいて、ECU4等に動作を指示するようになっている。
車両用音声制御システム100や走行機構40、ECU4等の各装置やシステム、機能部などは、たとえばCAN(Control Area Network)や、LIN(Local Interconnect Network)等の車内の通信回線(以下では車載ネットワークNと称する)により双方向通信可能に接続されている。
本実施形態における前方とは、車両の進行方向に向かう向きを言う。後方とは、車両の進行方向とは逆に向かう向きを言う。左方ないし右方とは、車両の進行方向に対して定義される。
〔詳細説明〕
〔車両用音声制御システムの構成〕
図2を参照しつつ、車両用音声制御システム100について説明する。
〔車両用音声制御システムの構成〕
図2を参照しつつ、車両用音声制御システム100について説明する。
車両用音声制御システム100は、プロセッサ1と、プロセッサ1が動作するプログラム(車両用音声制御プログラムの一例)を記憶した記憶部9と、音声処理部2と、音声処理部2に接続された音声入力装置としてのマイク20と、をハードウェア資源として有する。
本実施形態においてプロセッサ1は、記憶部9と直接接続されている。また、プロセッサ1は、音声処理部2と、車両200の車載ネットワークNを介して双方向通信可能に接続されている。プロセッサ1と音声処理部2とは、車載ネットワークNを介した接続により車両用音声制御システム100として一体的に動作する。
車両用音声制御システム100は、車載ネットワークNを介してECU4や開閉体駆動部3や照合部6などと通信可能に接続されている。車両用音声制御システム100においてプロセッサ1は、車載ネットワークNを介して音声処理部2や照合部6から情報を取得している。
車両用音声制御システム100は、マイク20を通じて受け付けた使用者Hの音声指示に基づいて、車載ネットワークNを介して開閉体駆動部3やECU4等に動作を指示するようになっている。
プロセッサ1は、たとえば、各種の処理を実現するためのソフトウェアプログラムと、該ソフトウェアプログラムを実行するCPUと、該CPUによって制御される各種ハードウェア等によって構成することができる。本実施形態では、プロセッサ1は、CPUと入出力回路などとを包含して有するコンピュータである。プロセッサ1の動作に必要なプログラムやデータは、本実施形態では記憶部9に保存される。なお、これらプログラムやデータ保存先は特に限定されない。これらプログラムやデータは、別途専用に設けられたディスクやフラッシュメモリ等の記憶装置に保存される態様であってもよい。また、通信可能に接続された外部のサーバや記憶部などであっても構わない。
記憶部9は、車両用音声制御システム100が動作するために必要な情報を記憶する記憶装置である。記憶部9は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性RAM(Random Access Memory)といった記憶デバイスで構成される。記憶部9は、物理的に一つの記憶デバイスであってもよいし、他の記憶デバイスに仮想的に設けられた記憶領域であってもよい。本実施形態において記憶部9は、プロセッサ1と通信可能に接続されたフラッシュメモリである。
プロセッサ1は、記憶部9に記憶されたプログラムの実行により、車両に動作を指示する制御機能を有する制御部10と、車内に設けられたマイク20で使用者Hの音声指示を受け付ける音声入力機能を有する音声入力部12と、車外にいる使用者Hを検知する検知機能を有する検知部16と、車両200の複数の窓30のうち少なくとも一つを開閉する開閉体開閉機能(開閉体開機能の一例)を有する開閉部13と、をソフトウェア的に実現させている。
また、プロセッサ1は、記憶部9に記憶されたプログラムの実行により、制御部10の制御機能として、検知部16が使用者Hを検知した場合、開閉部13に複数の窓30の少なくとも一つを開かせて、音声入力部12に音声指示の受け付けを開始させる制御(車両用音声制御方法の一例)を実現するように構成されている。
詳述すると、車両用音声制御システム100は、プロセッサ1が記憶部9に記憶されたプログラムを実行することで、車両200の車内に設けられたマイク20で使用者Hの音声指示を受け付ける音声入力工程と、車外にいる使用者Hを検知する検知工程と、車両200の複数の窓30のうち少なくとも一つを開く開閉体開工程と、を実行するようになっている。また、車両用音声制御システム100は、プロセッサ1が記憶部9に記憶されたプログラムを実行することで、検知工程で使用者Hを検知した場合、当該開閉体開工程を実行し、音声入力工程を開始するようになっている。
マイク20は、音(音声)を電気信号に変換する装置である。たとえば、音(空気振動)を受信するダイアフラムと、当該ダイアフラムが受信した音の振動を電圧の信号に変換する圧電素子と、を備えて構成される。以下では、マイク20の圧電素子が変換した電圧の信号を、単に音声信号と称する。
マイク20は、音(音声)を受信すると、音声信号を音声処理部2に送信する。本実施形態では、マイク20として、マイク21、マイク22、マイク23、およびマイク24を備えている。
音声処理部2は、マイク20の動作を制御し、マイク20が受信した音声信号をデジタル変換する電子回路である。音声処理部2は、たとえば、CPUとAD変換回路とDSP(デジタルシグナルプロセッサ)とを含んで構成される。
音声処理部2は、マイク20から音声信号を受信すると、当該音声信号をデジタル変換し(以下では、デジタル変換された音声信号についても包括して音声信号と称する)、音声入力部12に送信する。この際、音声処理部2は、当該音声信号が、マイク21、マイク22、マイク23、およびマイク24のいずれのマイク20で受信した音声信号であるかについての識別情報(以下では、マイク情報と称する)を生成し、音声信号の送信と併せてマイク情報を音声入力部12に送信する。音声入力部12は、音声信号を解析し、使用者Hの指示内容を制御部10に引き渡す。これにより、制御部10は当該指示内容(使用者Hの音声指示)に対応する動作をECU4などに指令する。
音声処理部2は、音声入力部12からの指令に応じで、マイク20の有効、無効を制御することができる。
〔車両の構成〕
図1を参照しつつ車両200について説明する。まず、車両200の概略構成を説明する。
図1を参照しつつ車両200について説明する。まず、車両200の概略構成を説明する。
車両200は、その車体8に使用者Hが搭乗する内側空間としての車室Sが形成されている。車体8には、ドア80や窓30が設けられている。使用者Hは、車室S内(車内)と車外との間を、ドア80を開けて出入り可能である。車両200に対する動作指示は、主としてキーデバイスKを所持している使用者Hが行うことができる。
車体8には、車両200全体の動作を制御する中央制御機構としてECU4を搭載している。ECU4は、車体8に形成された、車室Sとは別の収容空間(図示せず)に収容されている。
また、車体8には、発動機やブレーキユニット、操舵機構などの、車両200が走行するための走行機構40が搭載されている。また、車体8には、車両用音声制御システム100が搭載されている。車両用音声制御システム100は、車体8に形成された、車室Sとは別の収容空間(図示せず)に収容されている。
本実施形態におけるマイク20は、車両200の車室Sの装備として車室S内に設けられている。その他、車体8には、開閉体駆動部3、アンテナ50、受信部5、照合部6、およびその他の装備が搭載されている。以下ではこれら装備等について詳述する。
車体8には、車両200の装備として、車体8の左右両側面にドア80が設けられている。ドア80は、車両200の左側前側に配置されたドア81と、ドア81の後方に配置されたドア83と、車両200の右側前側に配置されたドア82と、ドア82の後方に配置されたドア84とを有している。
ドア80の上部領域には、車両200の装備として、開閉自在の窓30が設けられている。窓30は、使用者Hの指示に基づいて、開閉体駆動部3により開閉される。ドア81、ドア82、ドア83、ドア84に設けられた窓30を、以下ではこの順に、窓31、窓32、窓33、窓34と称する。なお、開閉体駆動部3は、たとえば電動モータの動力により窓30を開閉させる機構である。
図3に示すように、ドア80のドアノブ89の内側には、車両200の装備としてアンテナ50が設けられている。なお、図3は、車両200の右側側面を図示しているが、車両200の左側側面も同様である。アンテナ50で受信したキーデバイスKの電波信号は、受信部5に送信される。
図4には、アンテナ50がキーデバイスKからの電波を受信可能である領域Rを図示している。本実施形態では、キーデバイスK(キーデバイスKを所持した使用者Hが)が領域Rに侵入する(車両200に使用者Hが近づく)と、アンテナ50がキーデバイスKからの電波を受信する。
図2から図4に示すように、アンテナ50は、ドア81、ドア82、ドア83、ドア84のそれぞれに設けられている。ドア81、ドア82、ドア83、ドア84に設けられたアンテナ50を、以下ではこの順に、アンテナ51、アンテナ52、アンテナ53、アンテナ54と称する。
アンテナ50がキーデバイスKからの電波を受信可能である領域Rは、図4では二次元での平面領域として図示されているが、実際は、領域Rには、アンテナ50から所定距離だけ離れた三次元の空間領域が包含される。なお、電波を受信可能とは、キーデバイスKから発信される電波信号を受信して、当該電波信号に含まれるキーデバイスKのID情報を取得できる状態の事をいう。ID情報の取得については後述する。
図4では、アンテナ51、アンテナ52、アンテナ53、アンテナ54のそれぞれに対応する領域Rを、領域R1、領域R2、領域R3、領域R4として表している。図4では、領域R1、領域R2、領域R3、領域R4を同程度の大きさの領域としているが、電波の到達距離は車両200の周辺の環境(たとえば、障害物やノイズとなる他の電波との干渉)の影響を受けるため、領域R1、領域R2、領域R3、領域R4の範囲はそれぞれ異なる場合がある。また、アンテナ51、アンテナ52、アンテナ53、アンテナ54の受信感度を異ならせて領域R1、領域R2、領域R3、領域R4の範囲を調整する場合もある。
図2、図4に示すように、車室Sの前方には、車両200の車室Sの装備としてダッシュボード70が設けられている。また、車室Sにおけるダッシュボード70の後方は、使用者Hが着座するシート72a、シート72b、およびシート72cが設けられている。シート72aは右側前方の座席である。シート72bは左側前方の座席である。シート72cは、シート72a、シート72bの後方に配置された座席である。なお、上述の窓31、窓32、窓33、窓34はそれぞれ、シート72bの左方側、シート72aの右方側、シート72cの左方側、シート72cの右方側のドア80に設けられている。
ダッシュボード70には、使用者Hが車両200の操舵を行うハンドル71が設けられている。ハンドル71は、ダッシュボード70における、シート72aの前方に配置されている。
車室Sには、車両200の車室Sの装備としてマイク20が一つ以上設けられている。本実施形態では、マイク20は車室Sにおいて、マイク21、マイク22、マイク23、マイク24の合計4つ設けられている。
マイク21は、ダッシュボード70における、シート72bの前方に設けられており、その音声センサをシート72bに着座することを予定された使用者Hの顔に対向するように取り付けられている。
マイク22は、ハンドル71の回転中心付近に設けられており、その音声センサをシート72aに着座することを予定された使用者Hの顔に対向するように取り付けられている。
マイク23は、シート72bの背もたれの背面に設けられており、その音声センサをシート72cの左方側領域に着座することを予定された使用者Hの顔に対向するように取り付けられている。
マイク24は、シート72aの背もたれの背面に設けられており、その音声センサをシート72cの右方側領域に着座することを予定された使用者Hの顔に対向するように取り付けられている。
マイク21、マイク22、マイク23、マイク24は、車室Sにおいてそれぞれこの順に、窓31、窓32、窓33、窓34に近い位置に設けられている。
車両側記憶部41は、車両200の動作に必要な情報などを記憶する記憶装置である。
車両側記憶部41は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性RAM(Random Access Memory)といった記憶デバイスで構成される。車両側記憶部41は、物理的に一つの記憶デバイスであってもよいし、他の記憶デバイスに仮想的に設けられた記憶領域であってもよい。車両側記憶部41は、車体8に形成された、車室Sとは別の収容空間(図示せず)に収容されている。
車両側記憶部41は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性RAM(Random Access Memory)といった記憶デバイスで構成される。車両側記憶部41は、物理的に一つの記憶デバイスであってもよいし、他の記憶デバイスに仮想的に設けられた記憶領域であってもよい。車両側記憶部41は、車体8に形成された、車室Sとは別の収容空間(図示せず)に収容されている。
受信部5は、アンテナ50で受信した電波信号を復調して当該電波信号に含まれる情報を取得して、当該情報を照合部6に出力する機能を有する電子回路である。なお、本実施形態において電子回路と称する場合には、電子回路の概念として、一つのチップで構成される集積回路(いわゆるIC)である場合を含む。受信部5は、車体8に形成された、車室Sとは別の収容空間(図示せず)に収容されている。
受信部5は、アンテナ50で受信した電波信号を復調して当該電波信号に含まれるキーデバイスKのID情報を取得する。ID情報は、たとえば16ビットのバイナリデータとし、固有のIDに対応する情報と、パリティービットとを包含する情報することができる。
受信部5で復調したID情報は、照合部6に送信される。照合部6は、受信部5から受信したID情報が、車両200の使用者が所持すべきキーデバイスKのID情報と一致するか否かを照合する。なお、受信部5は、照合部6にID情報を送信する際に、アンテナ51、アンテナ52、アンテナ53、アンテナ54のうち、何れのアンテナ50で受信したID情報であるかについての情報を、ID情報と併せて照合部6に送信する。
なお、アンテナ50によるキーデバイスKの電波は、アンテナ51、アンテナ52、アンテナ53、アンテナ54のいずれか一つで受信される場合に限られない。たとえば、前後方向に隣り合うアンテナ51とアンテナ53との両方でキーデバイスKの電波が受信される場合も想定される。このように二つ以上のアンテナ50でキーデバイスKの電波の受信が同時に行われた場合、本実施形態では、受信部5は、受信強度が最も強いアンテナ50で受信した電波信号から、キーデバイスKのID情報を取得する。
照合部6は、受信部5から受信したID情報と、車両200の使用者が所持すべきキーデバイスKのID情報(車両200にあらかじめ登録されたID情報)とが一致するか否かを判定する照合処理を行い、一致した場合には、その旨を表す信号を検知部16に出力する電子回路である。本実施形態では、あらかじめ車両側記憶部41に所定のID情報が登録されており、照合部6は、車両側記憶部41から当該所定のID情報を読み出して、受信部5から受信したID情報と照合する。照合部6は、車体8に形成された、車室Sとは別の収容空間(図示せず)に収容されている。
照合部6は、受信部5から受信したID情報が車両200の使用者が所持すべきキーデバイスKのID情報と一致すれば、このキーデバイスKを所持している使用者Hを車両200の使用者であると認証する。照合部6は認証した場合、認証した旨の情報を検知部16に送信する。当該送信により、検知部16は、車外にいる使用者Hを検知する。
照合部6は、認証した旨の情報を検知部16に送信する際に、アンテナ51、アンテナ52、アンテナ53、アンテナ54のうち、いずれのアンテナ50で受信したID情報に基づいて認証したのかにかかる情報(以下では、アンテナ情報と称する)を、認証した旨の情報と併せて検知部16に送信する。
照合部6は、受信部5から受信したID情報が車両200の使用者が所持すべきキーデバイスKのID情報と一致しなければ受信部5から新たなID情報が送信されるまで待機する。
〔車両用音声制御システムの動作の説明〕
〔車両用音声制御システムと車両との動作についての説明〕
以下では、車両200における車両用音声制御システム100の動作や情報の流れについて説明する。
〔車両用音声制御システムと車両との動作についての説明〕
以下では、車両200における車両用音声制御システム100の動作や情報の流れについて説明する。
検知部16は、アンテナ情報により、使用者Hが、アンテナ51、アンテナ52、アンテナ53、アンテナ54のいずれのアンテナ50に近い位置に居るのかを検知し、使用者Hが、アンテナ51、アンテナ52、アンテナ53、アンテナ54のいずれのアンテナ50に近い位置に居るのかに係る情報を位置情報として生成する。具体的には、検知部16は、入力されたアンテナ情報に係るアンテナ50の近傍に使用者Hが居ると判断する。検知部16は、車両200の位置(たとえば、車両200重心)から見て、使用者Hがアンテナ51、アンテナ52、アンテナ53、アンテナ54のいずれの方向に居るのかを判断する。そして、車両200に対する使用者Hの方向に係る情報を含む位置情報を生成する。
制御部10は、検知部16が車両200に対する使用者Hの方向を検知すると、開閉部13に、位置情報を受け渡し、当該位置情報に対応する窓30を開く旨を指令する。当該指令により、開閉部13は、開閉体駆動部3を駆動して、該位置情報に基づいた窓30を開く。本実施形態では、キーデバイスKの電波を受信したアンテナ50が設けられているドア80の窓30を開く。つまり、開閉部13は、使用者Hに最も近い窓30を開く。これにより、使用者Hの音声が効率よく車室Sに伝播可能になる。そのため、マイク20が、使用者Hの音声による指示を適切に受信することができる。
なお、窓30を開く、とは、車外から車内に音が十分伝わる程度に窓30が開かれることを意味する。したがって、窓30を開く、との概念には、個々の窓30が全開となる場合に加えて、窓30が一部開く場合を含む。本実施形態では、以下、窓30が開かれる場合、その一部が開かれている。窓30の一部のみを開くようにすることで、使用者Hではない他人が、窓30を介して車両200を操作するような弊害を防止することができる。また、風雨などの影響による、車室Sの汚損防止が可能となる。
制御部10は、開閉部13に位置情報を受け渡す際に、音声指示の受け付けを開始すべき旨を音声入力部12に指令する。当該指令により、音声入力部12は、音声処理部2を動作させ、マイク20からの音声受信の待機を開始する。
制御部10は、音声指示の受け付けを開始すべき旨を音声入力部12に指令する際に、位置情報を音声入力部12に受け渡す。音声入力部12は、該位置情報に基づいてマイク20の指向性を設定する。本実施形態では、キーデバイスKの電波を受信したアンテナ50が設けられているドア80の窓30に近いマイク20の受信感度を増大させ、他のマイク20の受信感度を相対的に低下させる。つまり、音声入力部12は、開かれた窓30に指向性を向ける。これにより、使用者Hに向けて指向性が向けられることになり、使用者Hの音声による指示を適切に受信することができる。なお、受信感度を相対的に低下させるとの概念には、アンテナ50が設けられているドア80の窓30に近いマイク20とは異なる他のマイク20を無効化する(動作を停止させる)場合が含まれる。
このように車両用音声制御システム100は、使用者Hが車外に居る場合、使用者Hが車両200に近づいてきたことを検知すると、窓30の内少なくとも一つを開いて音声指示の受け付けを待機する。これにより、車外に居る使用者Hは、車外から車両200に対して音声で必要な指示をすることができる。
〔車両用音声制御システムの動作の流れについての説明〕
以下では、図5に図示した流れ図を参照しつつ、車両用音声制御システム100の動作の流れを説明する。以下で行う動作の流れの説明では、既に説明した動作の内容についての説明は省略する。
以下では、図5に図示した流れ図を参照しつつ、車両用音声制御システム100の動作の流れを説明する。以下で行う動作の流れの説明では、既に説明した動作の内容についての説明は省略する。
ステップ#101からステップ#103は、検知部16が使用者Hを検知する工程(検知工程の一例)である。
ステップ#101は、受信部5がキーデバイスKの電波の受信待機を開始して、使用者Hが車両200に近づいたことを検知する工程である。
ステップ#101で受信部5がキーデバイスKの電波の受信待機を開始すると、ステップ#102へ移行する。
ステップ#102は、照合部6が、キーデバイスKのID情報を照合する工程である。
ステップ#102では、ステップ#101にてキーデバイスKの電波の受信待機が開始されている。そのため、たとえば、キーデバイスKを所持した使用者Hがアンテナ50の領域Rに侵入する程度に車両200に近づいた場合に、受信部5は、アンテナ50を介してキーデバイスKのID情報を受信する。当該受信により、キーデバイスKのID情報が照合部6へ送信される。
そして、ステップ#102では、照合部6がキーデバイスKのID情報を照合し、ID情報の不一致により使用者Hが車両200の使用者であることを認証されなければ、(ステップ#102、No)、ステップ#101へ戻り、キーデバイスKの電波の受信を待機する。一方、ID情報の一致により使用者Hが車両200の使用者であると認証された場合(ステップ#102、Yes)、ステップ#103へ移行する。この際、照合部6は認証した旨の情報とアンテナ情報とを検知部16に送信する。たとえば使用者Hが領域R1に侵入して車両200に近づいていた場合、照合部6は検知部16に、アンテナ51で受信したID情報に基づいて認証したとの情報を送信する。
ステップ#103は、使用者Hが車両200に対してどの方向に居るのかを検知する工程である。
ステップ#103では、検知部16がアンテナ情報に基づいて位置情報を生成する。そして、ステップ#104へ移行する。たとえば照合部6がアンテナ51で受信したID情報に基づいて認証した場合、位置情報として、使用者Hが窓31の近傍に居るとの情報が含まれる。
ステップ#104は、使用者に最も近い窓30を開く工程である(開閉体開工程の一例)。
ステップ#104では、開閉部13が開閉体駆動部3に、位置情報に対応する窓30を開く指示を送信する。そして、ステップ#105へ移行する。たとえば位置情報として、使用者Hが窓31の近傍に居るとの情報が含まれている場合、窓31が開かれる。
ステップ#105は、使用者Hを検知し、窓30を開いたことに対応して、音声入力部12が音声処理部2を動作させ、マイク20からの音声受信の待機を開始する工程である(音声入力工程の一例)。
ステップ#105では、音声入力部12がマイク20で受信した音声信号を受信可能となる。これにより、車両用音声制御システム100は、使用者Hの音声指示を受け付け可能となる。ステップ#105で音声受信の待機を開始されると、速やかに、ステップ#106に移行する。
ステップ#106は、開かれた窓30にマイク20の指向性を向ける工程である。
ステップ#106では、音声入力部12が音声処理部2に、位置情報に対応してマイク20の指向性を設定するように指令する。本実施形態では、マイク20の指向性が、窓31に向けられる。たとえば窓31が開かれている場合、音声入力部12は、音声処理部2に指令して、窓31に近いマイク21の受信感度を増大させ、マイク22、マイク23、マイク24の受信感度を相対的に低下させる。その後、ステップ#107へ移行する。なお、ステップ#106はステップ#105と同時に実行してもよい。
ステップ#107は、使用者Hの音声指示の検出を待機する工程である。
ステップ#107で、使用者Hの音声指示を検出した場合(ステップ#107、Yes)、ステップ#108へ移行して当該音声指示に基づいて指示を実行する。
たとえば、使用者Hが車両200への搭乗を希望している場合を例示して説明する。使用者Hは、搭乗すべく、車両200を、駐車場の狭い駐車スペースから前方へやや移動させる旨の音声指示をする。この場合、音声入力部12は、当該音声指示をマイク20および音声処理部2を介して受信する。これにより、音声入力部12は、ECU4に指令して、車両200をやや前方に移動させる。
ステップ#107で使用者Hの音声指示を検出していない場合(ステップ#107、No)、ステップ#109へ移行する。
ステップ#109は、所定時間の経過を判定する工程である。いわゆるタイムアウトの判定を行う。具体的には、音声指示の受け付けの待機を介して所定時間経過していれば、使用者Hに音声指示する意思がないと判定して音声指示の受け付け待機の終了可否の判定を行う。
ステップ#109では、所定時間(たとえば、二分)を経過していれば(ステップ#109、Yes)、ステップ#111へ移行して窓30を閉じ、さらにステップ#112で音声指示の受け付け待機を終了する。なお、音声指示の受け付け待機を終了してから窓30を閉じてもよい。
ステップ#109では、所定時間を経過していなければ(ステップ#109、No)、ステップ#110へ移行する。
ステップ#110は、使用者Hが依然として車両200の近傍にいるかどうかを判定するステップである。
ステップ#110では、受信部5が受信しているはずのキーデバイスKのID情報について、照合部6が再度の照合を試みる。使用者Hが既に車両200から離れていれば、受信部5はキーデバイスKのID情報を取得できない。したがって、照合部6は受信部5からキーデバイスKのID情報を受信できない。したがって、照合部6は照合を行えず、ID情報が不一致であると判定する。このように、ステップ#110で照合部6が再度照合できなければ(認証できなければ)、使用者Hが車両200から離れており、車両200を操作する意思がないと考えられる。
そこで、照合部6が受信部5からキーデバイスKのID情報を受信できなければ、つまり、このように照合部6がキーデバイスKのID情報を再度照合し、ID情報が不一致であると判定される場合(ステップ#110、Yes)は、ステップ#111へ移行して窓30を閉じ、さらにステップ#112で音声指示の受け付け待機を終了する。
照合部6が照合してID情報が一致すると判定された場合(ステップ#110、No)は、ステップ#107へ戻り、使用者Hの音声指示を待機する。
〔変形例の説明〕
上述の実施形態の変形例を説明する。
上述の実施形態の変形例を説明する。
後述する変形例において、車両用音声制御システム100と車両200との構成は上述の実施形態と同じであるため説明を省略する。以下で説明する変形例は、車両用音声制御システム100の動作の流れが異なる。以下では、図6に図示した流れ図を参照しつつ、車両用音声制御システム100の動作の流れを説明する。以下で行う動作の流れの説明では、既に説明した動作と同じ動作の内容についての説明は省略する。
ステップ#201、ステップ#202は、それぞれ、ステップ#101、ステップ#102と同じであるから説明を省略する。
ステップ#202で認証されると、ステップ#203へ移行する。ステップ#203では、制御部10は開閉部13に窓30の少なくとも一つを開かせる指示をする。これにより、開閉部13は、開閉体駆動部3を駆動して、たとえば、全ての窓30を開く。そしてステップ#204へ移行する。
ステップ#204はステップ#105と同じであるから説明を省略する。ステップ#204を実行した後、ステップ#205へ移行する。
ステップ#205は、使用者Hの音声指示の検出を待機する工程である。ステップ#205はステップ#107と一部の動作が異なる。
ステップ#205では、使用者Hが音声指示をすると、使用者Hの音声をマイク20が受信して、音声処理部2を介して音声入力部12が音声信号を受信して使用者Hの音声指示を検出する。音声入力部12は、使用者Hの音声指示を検出した場合(ステップ#205、Yes)、ステップ#206へ移行して当該音声指示に基づいて指示を実行する。この際、音声処理部2は音声信号と共に、マイク情報を、音声入力部12へ送信する。
ステップ#205で使用者Hの音声指示を検出していない場合(ステップ#205、No)、ステップ#208へ移行する。
ステップ#208、ステップ#209、ステップ#210、ステップ#211はそれぞれ、ステップ#109、ステップ#110、ステップ#111、ステップ#112、と同じであるから説明を省略する。
ステップ#205からステップ#206へ移行した場合、ステップ#206ではステップ#108と同様に音声指示に基づいて指示を実行する。その後、ステップ#206ではステップ#108と異なり、ステップ#207へ移行する。
ステップ#207は、マイク情報に基づいて、マイク20の指向性を定める工程である。
ステップ#207では、マイク情報に基づいて、マイク20の指向性を使用者Hの音声が室内に伝播する経路になっている窓30に向ける。たとえば、ステップ#205において、マイク21で使用者Hの音声指示を受信した場合には、マイク20の指向性を、窓31に向ける。たとえば、音声入力部12は、音声処理部2に指令して、窓31に近いマイク21の受信感度を増大させ、マイク22、マイク23、マイク24の受信感度を相対的に低下させる。これにより、音声入力部12は、引き続いて使用者Hが発する音声指示をよりよく受信することができる。
ステップ#207を実行した後、ステップ#205へ戻る。
以上のようにして、車内に搭載したマイクロホンにより、車外に居る使用者Hの音声指示を適切に検出することができる車両用音声制御システム、当該システムの制御方法、およびこれらを実現するプログラムを提供することができる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、マイク20は車室Sにおいて、マイク21、マイク22、マイク23、マイク24の合計4つ設けられている場合を例示し、マイク21がダッシュボード70における、シート72bの前方に設けられ、マイク22がハンドル71の回転中心付近に設けられ、マイク23がシート72bの背もたれの背面に設けられ、マイク24がシート72aの背もたれの背面に設けられている場合について説明した。
(1)上記実施形態では、マイク20は車室Sにおいて、マイク21、マイク22、マイク23、マイク24の合計4つ設けられている場合を例示し、マイク21がダッシュボード70における、シート72bの前方に設けられ、マイク22がハンドル71の回転中心付近に設けられ、マイク23がシート72bの背もたれの背面に設けられ、マイク24がシート72aの背もたれの背面に設けられている場合について説明した。
また、マイク20の指向性は、たとえば、キーデバイスKの電波を受信したアンテナ50が設けられているドア80の窓30に近いマイク20の受信感度を増大させ、他のマイク20の受信感度を相対的に低下させる場合を説明した。
しかしながら、マイク20の構成や、マイク20の指向性の変更は、上記態様に限られない。たとえば、図7に示すように、マイク20として、ダイアフラムが向かう方向(以下ではマイク29の向き、と称する)を変更することができるマイク29を備えることができる。マイク29は、たとえば、ダッシュボード70における左右方向の中心付近に設けることができる。
この場合、マイク29(マイク20)の指向性の調整は、マイク29の向きの変更により行うことができる。たとえば、キーデバイスKの電波を受信したアンテナ50が設けられているドア80の窓30に向かうよう、マイク29の向きを変更することができる。たとえば、マイク29を窓31、窓32、窓33、窓34に向ける場合は、マイク29を起点として、窓31、窓32、窓33、窓34に向かう方向に沿う方向となる方向D1、方向D2、方向D3、方向D4の向きにマイク29を向けることができる。
(2)上記実施形態では、アンテナ50をドア80のノブの内側に設ける場合を説明した。しかしながら、アンテナ50の設置位置は当該態様に限られない。
アンテナ50は、開くべき窓30を特定できる配置であればよい。たとえば、アンテナ50を、窓30の窓枠に設けてもよい。
もしくは、アンテナ50として、前後左右方向における電波強度分布を検出可能なアンテナを採用し、検出した電波強度分布に基づいて、電波強度の最も強い方向に対応する位置にある窓30を開くようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、制御部10は、検知部16が車両200に対する使用者Hの方向を検知すると、開閉部13が車両開閉体としてのドア80の窓30を開く旨を指令する場合を説明した。しかしながら、開閉部13が開く車両開閉体はドア80の窓30に限られない。
たとえば、開閉部13が、車体8の屋根に設けられた窓(いわゆる、サンルーフ)を開くように構成してもよい。また、ドア80以外に設けられた窓を開くように構成してもよい。車外から車内へ音が十分に伝わるのであれば、車載エアコンシステムにおける車外からの空気の吸気口と、車内の送風口とを連通させる(たとえば、車両開閉体としての弁体を開く)ように構成することも可能である。
(4)上記実施形態では、キーデバイスKがスマートキーなどである場合を例示し、キーデバイスKが、固有のID情報を含む電波を発信し、当該ID情報を基にして、照合部6が使用者Hが車両200の使用者であることを認証する場合を説明した。しかしながら、キーデバイスKはスマートキーである場合に限られない。
キーデバイスKは、何等かの固有のID情報を有し、車両200(照合部6)に対してペアを形成出来ればよい。したがって、キーデバイスKは、車両200に対する専用のデバイスである必要は無い。たとえば、キーデバイスKは、無線通信機能を有するデバイス、たとえばスマートフォンでもよい。キーデバイスKがスマートフォンである場合、たとえばスマートフォンの小電力データ通信システム(いわゆる、無線LAN)のインタフェースのMACアドレスを固有のID情報として利用することができる。
また無線通信は、無線LANに限られず、その他の通信方式に基づくものであってもよい。例えば、近距離無線通信(いわゆる、ブルートゥース(登録商標))のインタフェースにおけるMACアドレスを利用してもよい。この場合は、照合部6における照合を、ブルートゥース規格における、ペアリングで代替することも可能である。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、車両用音声制御システム、当該システムの制御方法、およびこれらを実現するプログラムに適用できる。
1 :プロセッサ
10 :制御部
12 :音声入力部
13 :開閉部
16 :検知部
20 :マイク
21 :マイク
22 :マイク
23 :マイク
24 :マイク
29 :マイク
30 :窓(車両開閉体)
31 :窓(車両開閉体)
32 :窓(車両開閉体)
33 :窓(車両開閉体)
34 :窓(車両開閉体)
100 :車両用音声制御システム
200 :車両
H :使用者
S :車室(車内)
10 :制御部
12 :音声入力部
13 :開閉部
16 :検知部
20 :マイク
21 :マイク
22 :マイク
23 :マイク
24 :マイク
29 :マイク
30 :窓(車両開閉体)
31 :窓(車両開閉体)
32 :窓(車両開閉体)
33 :窓(車両開閉体)
34 :窓(車両開閉体)
100 :車両用音声制御システム
200 :車両
H :使用者
S :車室(車内)
Claims (5)
- 車両に動作を指示する制御部と、
前記車両の車内に設けられたマイクで使用者の音声指示を受け付ける音声入力部と、
車外にいる前記使用者を検知する検知部と、
前記車両の複数の車両開閉体のうち少なくとも一つを開く開閉部と、を備え、
前記制御部は、前記検知部が前記使用者を検知した場合、前記開閉部に前記車両開閉体を開かせて、前記音声入力部に音声指示の受け付けを開始させる、車両用音声制御システム。 - 前記検知部は、前記車両に対する前記使用者の方向を検知し、
前記制御部は、前記開閉部に、複数の前記車両開閉体のうち前記使用者に最も近い前記車両開閉体を開く指示をする、請求項1に記載の車両用音声制御システム。 - 前記音声入力部は、開かれた前記車両開閉体に指向性を向ける請求項1または2に記載の車両用音声制御システム。
- 車両の車内に設けられたマイクで使用者の音声指示を受け付ける音声入力工程と、
車外にいる前記使用者を検知する検知工程と、
前記車両の複数の車両開閉体のうち少なくとも一つを開く開閉体開工程と、を備え、
前記検知工程で前記使用者を検知した場合、前記開閉体開工程を実行し、前記音声入力工程を開始する、車両用音声制御方法。 - 車両に動作を指示する制御機能と、
前記車両の車内に設けられたマイクで使用者の音声指示を受け付ける音声入力機能と、
車外にいる前記使用者を検知する検知機能と、
前記車両の複数の車両開閉体のうち少なくとも一つを開く開閉体開機能と、をプロセッサに実現させ、
前記制御機能は、前記検知機能で前記使用者を検知した場合、前記開閉体開機能で前記車両開閉体を開かせて、前記音声入力機能の実行を開始する、車両用音声制御プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018056812A JP2019167007A (ja) | 2018-03-23 | 2018-03-23 | 車両用音声制御システム、当該システムの制御方法、およびこれらを実現するプログラム |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=68106115
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021049269A1 (ja) | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 株式会社ジーシー | ガラス粉末及び化学重合開始剤 |
CN115761953A (zh) * | 2022-11-10 | 2023-03-07 | 武汉路特斯汽车有限公司 | 一种车辆控制方法、系统及车辆 |
-
2018
- 2018-03-23 JP JP2018056812A patent/JP2019167007A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021049269A1 (ja) | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 株式会社ジーシー | ガラス粉末及び化学重合開始剤 |
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