JP2019166943A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニアスリップの発生を抑制することができるハイブリッド車両の制御装置を提供する。【解決手段】ハイブリッド車両の制御装置30は、エンジン2の排気通路3に配置されたSCR触媒13の温度及びSCR触媒のアンモニア吸着量に基づいて、SCR触媒からアンモニアが放出されるアンモニアスリップが発生しないエンジン出力の上限値であるスリップ非発生エンジン出力値を取得する取得部31と、エンジンに要求されるエンジン出力値であるエンジン出力要求値が、取得部によって取得されたスリップ非発生エンジン出力値よりも大きい場合に、モータアシスト時におけるモータの出力値を、当該エンジン出力要求値と当該スリップ非発生エンジン出力値との差に応じて増大させる制御処理を実行する制御部31と、を備えることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本開示はハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、エンジンの動力をモータの動力でアシストするモータアシストが可能なハイブリッド車両において、エンジンの排気通路にSCR(Selective Catalytic Reduction)触媒を備えるものが知られている(例えば特許文献1参照)。このようなSCR触媒は、尿素水噴射弁から排気中に噴射された尿素水の加水分解によって生成されたアンモニアを吸着し、この吸着されたアンモニアを用いて排気中のNOxを選択的に還元している(例えば特許文献1,2参照)。そして、SCR触媒のアンモニア吸着能力は、SCR触媒の温度が高くなるほど低くなる傾向がある(例えば特許文献2参照)。
特開2014−227072号公報 特開2010−31731号公報
上述したようにSCR触媒のアンモニア吸着能力はSCR触媒の温度が高くなるほど低くなるため、ハイブリッド車両のエンジンに要求されるエンジン出力値が高くなり、これに応じてエンジン出力が実際に上昇して排気温度が上昇した場合、この排気温度の上昇に伴ってSCR触媒の温度が上昇して、SCR触媒に吸着されていたアンモニアがSCR触媒から放出されるアンモニアスリップが発生するおそれがある。
本開示は、上記のことを鑑みてなされたものであり、その目的は、アンモニアスリップの発生を抑制することができるハイブリッド車両の制御装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の態様に係るハイブリッド車両の制御装置は、エンジンの動力をモータの動力によってアシストするモータアシストが可能なハイブリッド車両に適用された制御装置であって、前記エンジンの排気通路に配置されたSCR触媒の温度及び前記SCR触媒のアンモニア吸着量に基づいて、前記SCR触媒からアンモニアが放出されるアンモニアスリップが発生しないエンジン出力の上限値であるスリップ非発生エンジン出力値を取得する取得部と、前記エンジンに要求されるエンジン出力値であるエンジン出力要求値が、前記取得部によって取得された前記スリップ非発生エンジン出力値よりも大きい場合に、前記モータアシスト時における前記モータの出力値を、当該エンジン出力要求値と当該スリップ非発生エンジン出力値との差に応じて増大させる制御処理を実行する制御部と、を備えることを特徴とする。
上記のハイブリッド車両の制御装置によれば、アンモニアスリップの発生を抑制することができる。
実施形態に係るハイブリッド車両の模式的構成図である。 実施形態に係る制御装置が実行するアンモニアスリップ抑制制御処理のフローチャートの一例である。 スリップ非発生エンジン出力値を算出する際に用いられるマップを視覚化した図である。
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係るハイブリッド車両1の制御装置30について説明する。図1はハイブリッド車両1の構成を模式的に示す模式的構成図である。ハイブリッド車両1は、エンジン2と、排気通路3と、動力伝達軸4a,4b,4cと、トランスミッション5と、モータクラッチ6と、モータ7と、インバータ8と、バッテリ9と、排気浄化装置10と、各種センサ類(図1では温度センサ20が例示されている)と、制御装置30とを備えている。
本実施形態では、エンジン2の一例として、軽油を燃料とするディーゼルエンジンを用いている。エンジン2の燃料噴射量や燃料噴射タイミング等は、制御装置30によって制御されている。排気通路3はエンジン2から排出された排気(E)が通過する通路であり、その上流側端部が分岐してエンジン2の各気筒の排気ポートに接続している。動力伝達軸4aはエンジン2とトランスミッション5との間で動力を伝達する軸である。動力伝達軸4bはトランスミッション5と駆動輪用のデファレンシャルギア(図示せず)との間で動力を伝達する軸である。動力伝達軸4cはトランスミッション5とモータ7との間で動力を伝達する軸である。トランスミッション5としては、制御装置30によって制御されてギア段を変更するAT(Automatic Transmission)やAMT(Automated Manual Transmission)等を用いることができる。
モータクラッチ6は、動力伝達軸4cにおけるトランスミッション5とモータ7との間の部分に配置されており、制御装置30の指示を受けて切断状態と接続状態とを切り替える。モータクラッチ6が切断状態になった場合、モータ7とトランスミッション5との間の動力伝達は不能になり、モータクラッチ6が接続状態になった場合、モータ7とトランスミッション5との間の動力伝達は可能になる。なお、これは後述するが、本実施形態に係る制御装置30は、エンジン2の動力をモータ7の動力によってアシストするモータアシスト時や、モータ7が回生発電を行う回生発電時において、モータクラッチ6を接続状態にする。
モータ7は、インバータ8を介してバッテリ9と電気的に接続されている。モータ7は、モータアシスト時においては、バッテリ9からの電力供給を受けて駆動することで、エンジン2の動力をアシストする。また、モータ7は、回生発電時においては、トランスミッション5の側からの動力(これはエンジン2からの動力、又は、駆動輪からの動力である)が伝達されて駆動することで、回生発電を行う。この回生発電によって得られた電力はバッテリ9に充電される。このようなモータ7としては、例えば永久磁石型の交流同期モータ等を用いることができる。また、バッテリ9としては、例えばリチウムイオンバッテリやニッケル水素バッテリ等の種々のバッテリを用いることができる。
なお、ハイブリッド車両1におけるエンジン2とモータ7との接続態様は、少なくともモータアシストが可能な構成であればよく、その具体的な構成は上述した構成に限定されるものではない。
排気浄化装置10は、排気を浄化する装置である。具体的には、本実施形態に係る排気浄化装置10は、酸化触媒11と、フィルタ12と、SCR触媒13と、アンモニアスリップ触媒14と、尿素水噴射弁15とを備えている。酸化触媒11、フィルタ12、SCR触媒13、及び、アンモニアスリップ触媒14は、この順序で排気通路3に配置されている。
フィルタ12は、排気に含まれるPM(Particulate Matter;粒子状物質)を捕集する機能を有する部材である。酸化触媒11は、排気が通過可能な担持体に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の貴金属触媒が担持された構成を有している。酸化触媒11は、その貴金属触媒の酸化触媒作用によって、排気中の一酸化窒素(NO)を二酸化窒素(NO)に変化させる酸化反応を促進させる。排気温度が所定温度以上になった場合、この酸化触媒11において生成された二酸化窒素によって、フィルタ12に捕集されたPMを燃焼させて、二酸化炭素(CO)として排出させることができる。
SCR触媒13は、尿素水の加水分解によって生成されたアンモニア(NH)を吸着し、この吸着されたアンモニアを用いて排気中のNOxを選択的に還元させる触媒である。この触媒の具体的な種類は特に限定されるものではなく、例えば、バナジウム、銅、鉄等のような、公知のSCR触媒を用いることができる。アンモニアスリップ触媒14は、SCR触媒13よりも下流側の排気中のアンモニアを酸化させる酸化触媒である。
尿素水噴射弁15は、配管(図示せず)を介して尿素水貯留タンク(図示せず)と接続されている。尿素水噴射弁15には、この尿素水貯留タンクに貯留された尿素水が供給される。尿素水噴射弁15は、制御装置30の指示を受けて、フィルタ12よりも下流側且つSCR触媒13よりも上流側の排気通路3の排気に向けて尿素水を噴射する。尿素水噴射弁15から尿素水が排気中に供給された場合、尿素水中の尿素は加水分解され、その結果、アンモニアが生成される。このアンモニアは、SCR触媒13に吸着され、このSCR触媒13の触媒作用の下でNOxを還元させる。この結果、窒素(N)及び水(HO)が生成される。このようにして排気中のNOxの低減が図られている。
なお、排気浄化装置10はアンモニアスリップ触媒14を備えていない構成であってもよい。しかしながら、本実施形態のように排気浄化装置10がアンモニアスリップ触媒14を備えている場合の方が、これを備えていない場合に比較して、排気中のアンモニアが大気中に放出されることをより効果的に抑制できる点で好ましい。
温度センサ20は、SCR触媒13の温度を検出して、検出結果を制御装置30に伝える。なお、ハイブリッド車両1は、温度センサ20以外にも、ハイブリッド車両1の動作に用いられる各種の情報を検出する種々のセンサ(例えば、車速を検出する車速センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、ブレーキ開度を検出するブレーキ開度センサ等)を備えている。
制御装置30は、各種の制御処理を実行するCPU(Central Processing Unit)31と、CPU31の動作に用いられる各種データやプログラム等を記憶する記憶部32と、を有するマイクロコンピュータを備えている。なお、記憶部32は、具体的には、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random
Access Memory)等の記憶媒体によって構成されている。
本実施形態に係る制御装置30は、通常時においてはモータクラッチ6を切断状態にしている。制御装置30は、例えばハイブリッド車両1の発進時や加速時等において、モータクラッチ6を接続状態にして、バッテリ9からの電力供給によってモータ7を駆動させることで、エンジン2の動力をモータ7の動力によってアシストさせる(すなわちモータアシストを行う)。また、制御装置30は、例えばハイブリッド車両1の慣性走行時やブレーキ制動時等において、モータクラッチ6を接続状態にして、モータ7に回生発電を行わせ、この回生発電によって得られた電力をバッテリ9に充電させる。
さらに、本実施形態に係る制御装置30は、アンモニアスリップを抑制するための制御処理(以下、「アンモニアスリップ抑制制御処理」と称する)も実行する。このアンモニアスリップ抑制制御処理の詳細についてフローチャートを用いて説明すると、次のようになる。
図2は、制御装置30が実行するアンモニアスリップ抑制制御処理のフローチャートの一例である。図2のフローチャートの各ステップは、制御装置30の具体的にはCPU31がプログラムに基づいて実行する。また、制御装置30は、ハイブリッド車両1の始動時(スタートスイッチがONにされたとき)に、図2のフローチャートを最初にスタートする。
ステップS10において、制御装置30は、SCR触媒13の温度(SCR触媒温度と称する)を取得するとともに、SCR触媒13に吸着したアンモニアの吸着量(アンモニア吸着量と称する)を取得する。具体的には、本実施形態に係る制御装置30は、温度センサ20の検出結果に基づいてSCR触媒温度を取得する。また、制御装置30は、エンジン2の出力(燃料噴射量)と尿素水噴射弁15からの尿素水の供給量とに基づいて、SCR触媒13のアンモニア吸着量を取得する(例えば特開2014−227889参照)。より具体的には、制御装置30の記憶部32には、エンジン2の出力と尿素水の供給量とに基づいてアンモニア吸着量を算出するためのマップや演算式が予め記憶されており、制御装置30は、このマップや演算式を用いてアンモニア吸着量を算出し、この算出された値をステップS10のアンモニア吸着量として用いる。
なお、ステップS10の具体的な実行手法は上記内容に限定されるものではなく、他の公知技術を用いることもできる。例えば、制御装置30は、SCR触媒13の温度を取得するにあたり、SCR触媒13の温度と相関関係を有するようなパラメータに基づいてSCR触媒13の温度を推定することで、SCR触媒13の温度を取得することもできる。また、制御装置30は、アンモニア吸着量を取得するにあたり、SCR触媒13の入口と出口とのNOx量の偏差に基づいてSCR触媒13のNOx浄化率を算出し、この算出されたNOx浄化率に基づいてアンモニア吸着量を算出することで、これを取得することもできる(例えば特許文献1参照)。
次いで制御装置30は、ステップS20において、SCR触媒13からアンモニアが放出される「アンモニアスリップ」が発生しないエンジン出力の上限値である、「スリップ非発生エンジン出力値(A1)」を取得する。具体的は、本実施形態に係る制御装置30は、以下に説明するマップを参照して、このスリップ非発生エンジン出力値(A1)を取得している。
図3は、スリップ非発生エンジン出力値を算出する際に用いられるマップを視覚化した図である。図3の横軸はSCR触媒温度を示し、縦軸はSCR触媒13のアンモニア吸着量を示している。図3の横軸は右側に向かうほどSCR触媒温度が高くなっており、縦軸は上側に向かうほどアンモニア吸着量が多くなっている。図3のマップの各数値(a〜h)は、スリップ非発生エンジン出力値を表している。具体的には、このマップの各数値(a〜h)は、アンモニアスリップが発生しない燃料噴射量の上限値となっている。この様に、図3のマップは、スリップ非発生エンジン出力値を、SCR触媒温度とアンモニア吸着量とに関連付けて規定したマップとなっている。
このマップは、予め実験、シミュレーション等を行うことで求めておき、記憶部32(例えばROM)に予め記憶されている。なお、このマップにおいて、SCR触媒温度が高いほど、スリップ非発生エンジン出力値は低い値になっている。制御装置30は、ステップS10で取得されたSCR触媒温度及びアンモニア吸着量に対応するスリップ非発生エンジン出力値を、このマップから抽出し、この抽出された値をステップS20に係るスリップ非発生エンジン出力値(A1)として取得する。このようにマップに基づいてスリップ非発生エンジン出力値を取得することで、スリップ非発生エンジン出力値を簡便な方法で容易に取得することができる。
図2を再び参照して、ステップS20の後に、制御装置30は、ステップS30において、エンジン2に要求されるエンジン動力の出力値(エンジン出力値)である「エンジン出力要求値(A2)」を取得する。具体的には、本実施形態では、このエンジン出力要求値の一例として、エンジン2に要求される燃料噴射量を取得する。より具体的には、制御装置30は、アクセル開度(これはアクセルペダルの踏込量に相当する指標である)に基づいてエンジン2に要求される燃料噴射量を算出し、この算出された燃料噴射量を「エンジン出力要求値(A2)」として取得する。
次いで制御装置30は、ステップS40において、ステップS30で取得されたエンジン出力要求値(A2)がステップS20で取得されたスリップ非発生エンジン出力値(A1)よりも大きいか否かを判定する。ステップS40でNOと判定された場合(A2≦A1の場合)、制御装置30はフローチャートをスタートから再度実行する(リターン)。
一方、ステップS40でYESと判定された場合(A2>A1の場合)、制御装置30はステップS50を実行する。ここで、ステップS40でYESと判定された場合において、仮に、エンジン2がこのエンジン出力要求値(A2)に相当するエンジン出力を実際に出力した場合、アンモニアスリップが発生してしまうことになる。そこで、制御装置30は、このステップS50において、モータアシスト時におけるモータ7の出力値(モータ7が出力する動力の値)を、エンジン出力要求値(A2)とスリップ非発生エンジン出力値(A1)との差(「A2−A1」)に応じて増大させる制御処理(以下、「モータ出力増大制御処理」と称する)を実行する。このステップS50の具体的な内容は、以下のとおりである。
まず、ステップS50の実行前に、ハイブリッド車両1がモータアシスト走行していない場合(具体的には、エンジン2の動力のみでハイブリッド車両1が走行するエンジン単独走行になっている場合)には、ステップS50において制御装置30は、エンジン2の動力をモータ7の動力によってアシストするモータアシストを開始させることで、ハイブリッド車両1の走行モードをモータアシスト走行に切り替える。そして、制御装置30は、このモータアシスト時におけるモータ7の出力値を、「A2−A1」の値が大きくなるほど増大させる。
具体的には、制御装置30は、このステップS50において、「A2−A1」に相当するエンジン2の動力をモータ7の動力によって補うように、モータアシスト時におけるモータ7の出力値を制御する。より具体的には、制御装置30は、「A2−A1」の燃料噴射量によって得られるエンジン2の動力(すなわち、エンジントルク(N・m))を算出し、この算出された動力(これは、エンジントルクの不足分に相当する)がモータ7の動力(すなわち、モータトルク(N・m))によって補われるように、モータ7の動力によってエンジン2の動力をアシストさせる。このようにモータアシストが行われることで、結果的に、モータアシスト時におけるモータ7の出力値は、「A2−A1」の値が大きくなるほど増大する。
なお、ステップS50の実行前に、既に、ハイブリッド車両1の走行モードがモータアシスト走行になっている場合にも、制御装置30は、上記と同様に、モータアシスト時におけるモータ7の出力値を「A2−A1」の値に応じて増大させる。具体的には、制御装
置30は、「A2−A1」に相当するエンジン2の動力をモータ7の動力によって補うように、モータアシスト時におけるモータ7の出力値を制御する。
このステップS50に係るモータ出力増大制御処理が実行されることによって、エンジン2の実際の出力値が上昇することを抑制できるので、排気温度の上昇を抑制することができる。これにより、SCR触媒温度の上昇を抑制して、アンモニアスリップの発生を抑制することができる。
ステップS50の後に制御装置30は、フローチャートをスタートから再度実行する(リターン)。なお、このステップS50に係るモータ出力増大制御処理の実行を終了させる時期は、特に限定されるものではないが、例えば制御装置30は、一度ステップS50が実行された後に再びフローチャートがスタートから実行された場合において、ステップS40でNOと判定された場合(A2≦A1の場合)に、このモータ出力増大制御処理の実行を終了させればよい。すなわち、この場合、モータ出力増大制御処理は、A1≧A2になるまで継続して実行されることになる。あるいは、制御装置30は、ステップS50に係るモータ出力増大制御処理の実行が開始されてから所定時間経過後に、モータ動力比率増大制御処理の実行を終了させてもよい。なお、この所定時間は、予め適切な値を求めておき、記憶部32に記憶させておけばよい。
なお、ステップS10〜ステップS30を実行する制御装置30のCPU31は、各種の情報(SCR触媒温度、アンモニア吸着量、スリップ非発生エンジン出力値、エンジン出力要求値)を取得する「取得部」としての機能を有する部材の一例である。また、ステップS40を実行する制御装置30のCPU31は、エンジン出力要求値がスリップ非発生エンジン出力値よりも大きいか否かを判定する「判定部」としての機能を有する部材の一例である。そして、ステップS50を実行する制御装置30のCPU31は、エンジン出力要求値がスリップ非発生エンジン出力値よりも大きい場合に、モータアシスト時におけるモータ7の出力値を、当該エンジン出力要求値と当該スリップ非発生エンジン出力値との差に応じて増大させる制御処理を実行する「制御部」としての機能を有する部材の一例である。
以上説明したような本実施形態によれば、エンジン出力要求値(A2)がスリップ非発生エンジン出力値(A1)よりも大きい場合(ステップS40でYESの場合)に、ステップS50に係るモータ出力増大制御処理が実行されるので、排気温度の上昇を抑制して、SCR触媒温度の上昇を抑制することができる。これにより、アンモニアスリップの発生を抑制することができる。
具体的には、本実施形態によれば、エンジン出力要求値(A2)がスリップ非発生エンジン出力値(A1)よりも大きい場合に、ステップS50に係るモータ出力増大制御処理によって、エンジン2の動力の不足分をモータ7の動力で補いつつ、アンモニアスリップの発生を抑制できるので、ハイブリッド車両1のドライバビリティの悪化を抑制しつつ、アンモニアスリップの発生を抑制することができる。
以上本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 ハイブリッド車両
2 エンジン
3 排気通路
7 モータ
10 排気浄化装置
13 SCR触媒
20 温度センサ
30 制御装置
31 CPU(取得部、制御部)
32 記憶部

Claims (2)

  1. エンジンの動力をモータの動力によってアシストするモータアシストが可能なハイブリッド車両に適用された制御装置であって、
    前記エンジンの排気通路に配置されたSCR触媒の温度及び前記SCR触媒のアンモニア吸着量に基づいて、前記SCR触媒からアンモニアが放出されるアンモニアスリップが発生しないエンジン出力の上限値であるスリップ非発生エンジン出力値を取得する取得部と、
    前記エンジンに要求されるエンジン出力値であるエンジン出力要求値が、前記取得部によって取得された前記スリップ非発生エンジン出力値よりも大きい場合に、前記モータアシスト時における前記モータの出力値を、当該エンジン出力要求値と当該スリップ非発生エンジン出力値との差に応じて増大させる制御処理を実行する制御部と、を備えることを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記スリップ非発生エンジン出力値を前記SCR触媒の温度及び前記SCR触媒のアンモニア吸着量に関連付けて規定したマップを予め記憶した記憶部を備え、
    前記取得部は、前記SCR触媒の温度及び前記SCR触媒のアンモニア吸着量を取得し、この取得された前記SCR触媒の温度及び前記SCR触媒のアンモニア吸着量に対応する前記スリップ非発生エンジン出力値を前記マップから抽出することで、前記スリップ非発生エンジン出力値を取得する請求項1記載のハイブリッド車両の制御装置。
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