JP2019166601A - 転削工具用ホルダ、転削工具および転削方法 - Google Patents

転削工具用ホルダ、転削工具および転削方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転する主軸に取り付けて工具単体で転削加工の状態を計測可能な転削工具用ホルダの提供を目的の一つとしている。【解決手段】切刃を有する切削インサート又は切刃を有する交換式切削ヘッドを保持する転削工具用ホルダであって、工具軸に沿って延び前記切削インサート又は交換式切削ヘッドが装着され前記工具軸周りに回転する工具本体と、前記工具本体に内蔵される電気モジュールと、を備え、前記電気モジュールは、センサ部と、前記センサ部に電力を供給する電池部と、を有する、転削工具用ホルダ。【選択図】図2

Description

本発明は、転削工具用ホルダ、転削工具および転削方法に関する。
従来から、工作機械に保持される転削工具において、切削工具の回転を利用して発電する構成が知られている。
特許文献1には、工作機械の主軸から供給される回転力によって発電する発電機を有し発電機の電力によって工具の回転数を表示させる工具が記載されている。
特許文献2には、主軸と一体的に回転する回転部と、回転部の回転によって発電する発電機と、発電機の発電した電力によって回転駆動される電動機と、電動機によって回転駆動され、加工具を保持する加工具保持部とを備える、工具が記載されている。
特許文献3には、温度測定部と、温度測定部に電力を供給する電源供給部を有する工具が記載されている。
特開2003−159626号公報 特開2007−54916号公報 特開2015−36174号公報
特許文献1および2に記載の工具は、工作機械に対して静止する部分(アーバー)と回転する部分との相対的な回転を利用して発電を行う。このため、回転する主軸に直接的に取り付けることができない。したがって、特許文献1および2に記載の工具を、導入する場合、アーバーから刃先までの全体を交換する必要があった。同様に、特許文献3の工具は、電源供給が、アーバーに収容されるため、特許文献3に記載の工具を、導入する場合アーバーから刃先までの全体を交換する必要があった。すなわち、従来の工具は、設置する工作機械に特別な環境を要求するため、汎用性が低く既存設備への導入が困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、回転する主軸に取り付けて工具単体で転削加工の状態を計測可能な転削工具用ホルダの提供を目的の一つとしている。
本発明の一態様の転削工具用ホルダは、切刃を有する切削インサート又は切刃を有する交換式切削ヘッドを保持する転削工具用ホルダであって、工具軸に沿って延び前記切削インサート又は交換式切削ヘッドが装着され前記工具軸周りに回転する工具本体と、前記工具本体に内蔵される電気モジュールと、を備え、前記電気モジュールは、センサ部と、前記センサ部に電力を供給する電池部と、を有する。
上述の構成によれば、転削工具用ホルダに、センサ部とセンサ部に電力を供給する電池部とが設けられる。このため、切刃による被削材の加工状態を、転削工具単体で計測することができる。したがって、取り付ける工作機械および加工環境に依存することなく、転削工具による加工状態をセンサ部において計測することができる。すなわち、上述の構成によれば、汎用性の高い転削工具を提供できる。
上述の転削工具用ホルダにおいて、前記電気モジュールは、発電部を有し、前記発電部は、前記工具本体に対し前記工具軸周りに回転するロータと、前記工具本体に固定され前記ロータに対向するステータと、を有し、前記発電部は、前記工具本体の回転に伴う慣性力により前記ロータを回転させて発電し、前記電池部を充電する又は前記センサ部に電力を供給する、構成としてもよい。
上述の構成によれば、発電部は、工具本体に内蔵されており、工具本体の回転に伴う慣性力により発電する。このため、転削工具用ホルダを工作機械の主軸に取り付けて主軸を回転させることで、工具単体で転削加工の状態を計測することができる。
また、上述の構成によれば、発電部は、電池部を充電するため、慣性力が働かなくなった後においても、センサ部に電力を供給することができる。
上述の転削工具用ホルダにおいて、前記センサ部が、前記工具本体の振動を計測を検知する振動センサである、構成としてもよい。
上述の構成によれば、センサ部によって工具本体の振動を計測することができる。
センサ部が工具本体の振動を計測することで、切刃による被削材の加工状態を間接的に計測できる。一般的に、被削材の回転速度を増加させると、工具本体の振動が大きくなることが知られている。センサ部によって工具本体の振動を計測することで、被削材の最適な回転数を判断することができる。
また、センサ部が振動を計測することで、ビビリ振動を検知できる。工具本体にビビリ振動が発生すると、切刃によって形成される被削材の加工面が荒れる。また、ビビリ振動が続くと、切刃に損傷が生じる虞がある。上述の構成によれば、転削工具用ホルダがビビリ振動を検知する機能を有するため、ビビリ振動を検知した際に、切刃を被削材から離間させることができる。
上述の転削工具用ホルダにおいて、前記センサ部が、前記工具本体の温度を検知する温度センサである、構成としてもよい。
上述の構成によれば、センサ部によって工具本体の温度を計測することができる。また、工具本体を介して、刃先の温度を測定することができる。温度センサとしては、サーミスタを採用できる。
上述の転削工具用ホルダにおいて、前記電気モジュールは、前記センサ部に接続されるブザー素子を有し、前記ブザー素子は、前記電池部から電力を供給され前記センサ部からの信号に応じてブザー音を発する、構成としてもよい。
上述の構成によれば、転削工具用ホルダは、センサ部における計測結果を、ブザー音によって作業者に知らせることができる。一例として、センサ部が、工具本体のビビリ振動を検知する振動センサである場合には、ビビリ振動が生じた際にブザー素子がブザー音を発し、作業者にビビリ振動を知らせる。これにより、作業者は、切刃を被削材から一旦離間させることができる。また、他の例として、センサ部が、切刃の摩耗を計測し切刃の交換時期を検知する摩耗センサである場合には、切刃の摩耗が顕著となった際にブザー素子がブザー音を発し、作業者に切刃の交換を促すことができる。
上述の転削工具用ホルダにおいて、前記電気モジュールは、前記センサ部に接続される発光素子を有し、前記発光素子は、前記電池部から電力を供給され前記センサ部からの信号に応じて発光する、構成としてもよい。
上述の構成によれば、転削工具用ホルダは、センサ部における計測結果を、発光によって作業者に知らせることができる。一例として、センサ部が、工具本体のビビリ振動を検知する振動センサである場合には、ビビリ振動が生じた際に発光素子が発光し、作業者にビビリ振動を知らせる。これにより、作業者は、切削インサートの切刃を被削材から一旦離間させることができる。また、他の例として、センサ部が、切削インサートの摩耗を計測し切削インサートの交換時期を検知する摩耗センサである場合には、切削インサートの摩耗が顕著となった際に発光素子が発光し、作業者に切削インサートの交換を促すことができる。
上述の転削工具用ホルダにおいて、前記電気モジュールは、前記センサ部に接続される通信部を有し、前記通信部は、前記電池部から電力を供給され前記センサ部における計測データを外部に送信する、構成としてもよい。
上述の構成によれば、転削工具用ホルダは、センサ部における計測結果を外部に送信することができる。これにより、通信部から送信した計測データを転削工具用ホルダの外部で受信して、転削加工の状態をリアルタイムでモニタリングすることができる。
上述の転削工具用ホルダにおいて、前記工具本体に収容穴が設けられ、前記電気モジュールが、前記収容穴に収容される、構成としてもよい。
上述の構成によれば、電気モジュールが工具本体の収容穴に収容されるため、転削工具用ホルダを小型化することができる。
上述の転削工具用ホルダにおいて、前記収容穴が、前記工具本体の後端に開口し、前記電気モジュールは、前記工具本体の後端から前記収容穴に挿入される、構成としてもよい。
上述の構成によれば、工具本体の後端から電気モジュールが収容されるため、工具本体の先端側に位置する台座部の剛性を確保しつつ、電気モジュールを工具本体の内部に収容できる。
本発明の一態様の転削工具は、上述の転削工具用ホルダと、前記工具本体に装着される前記切削インサートと、を備える。
上述の構成によれば、取り付ける工作機械および加工環境に依存することなく、転削工具による加工状態を計測する、転削工具を提供できる。
本発明の一態様の転削工具は、上述の転削工具用ホルダと、前記工具本体に装着される交換式切削ヘッドと、を備える。
上述の構成によれば、取り付ける工作機械および加工環境に依存することなく、転削工具による加工状態を計測する、転削工具を提供できる。
本発明の一態様の転削方法は、上述の転削工具を用いた転削方法であって、前記工具本体を前記工具軸周りに回転させて前記切刃を被削材に接触させて前記被削材を加工し、前記センサ部において前記切刃による前記被削材の加工状態を計測する。
上述の構成によれば、切刃による被削材の加工状態の計測を、加工と同時に行うことができる。
上述の転削方法において、前記電気モジュールが通信部を有し、前記通信部が、前記センサ部における計測データを外部に送信する、構成としてもよい。
上述の構成によれば、通信部における計測データを転削工具の外部で受信して、転削加工の状態を外部でモニタリングすることができる。
上述の転削方法において、前記通信部は、前記センサ部における計測データを、前記工具本体を回転させる数値制御工作機械に送信し、前記数値制御工作機械は、前記計測データを基に前記工具本体の回転速度を変化させる、構成としてもよい。
上述の構成によれば、センサ部における計測データを基に、工具本体の回転速度を調整して、最適な転削状態を実現することができる。
上述の転削方法において、前記センサ部が、前記工具本体の振動を計測する振動センサであり、前記数値制御工作機械は、前記センサ部で検知した振動の振幅が、第1の閾値より小さい場合に、前記工具本体の回転速度を増加させ、前記数値制御工作機械は、前記センサ部で検知した振動の振幅が、第2の閾値より大きい場合に、前記工具本体の回転速度を減少させる、構成としてもよい。
上述の構成によれば、センサ部で検知した振動の振幅が、第1の閾値より小さい場合に、工具本体の回転速度を増加させることで、加工工程に要する時間が短くなるため、高効率な転削加工が可能となる。
上述の構成によれば、センサ部で検知した振動の振幅が、第2の閾値より大きい場合に、工具本体の回転速度を減少させることで、工具本体の振動を抑制した転削加工が可能となる。
上述の転削方法において、前記センサ部が、前記工具本体の振動を計測する振動センサであり、前記数値制御工作機械は、前記センサ部で検知した振動の振幅が、第3の閾値より大きい場合に、前記切刃を前記被削材から離間させる、構成としてもよい。
上述の構成によれば、センサ部で検知した振動の振幅が、第3の閾値より大きい場合に、切刃を被削材から離間させることで、ビビリ振動が発生した場合に、被削材の加工面が荒れることを抑制できる。また、切刃が、ビビリ振動によって損傷を受けることを抑制できる。
上述の転削方法において、前記通信部は、前記センサ部における前記計測データを携帯情報端末に送信する、構成としてもよい。
上述の構成によれば、通信部から送信されたデータを携帯情報端末により直後に確認することができる。
上述の転削方法において、前記通信部から送信された前記計測データをネットワークを介して外部サーバに蓄積させる、構成としてもよい。
上述の構成によれば、計測データを外部サーバに蓄積することで、より好ましい加工条件に計測データを活用することができる。
上述の転削方法において、前記外部サーバは、ネットワークを介して複数の前記転削工具に繋がっている、構成としてもよい。
上述の構成によれば、外部サーバが複数の転削工具に繋がっていることで、複数の転削工具から様々なデータを収集することができる。
本発明によれば、回転する主軸に取り付けて工具単体で転削加工の状態を計測可能な転削工具用ホルダを提供できる。
図1は、一実施形態の転削工具の平面図である。 図2は、一実施形態の転削工具の分解斜視図である。 図3は、一実施形態の給電部の断面模式図である。 図4は、一実施形態の電気モジュールのブロック図である。 図5は、IoTを実現した転削工具の構成例を示す模式図である。 図6は、一実施形態の転削工具を用いた転削加工において、振動センサにおける振動測定の結果の第1の例を示すグラフである。 図7は、一実施形態の転削工具を用いた転削加工において、振動センサにおける振動測定の結果の第2の例を示すグラフである。 図8は、変形例の転削工具の分解斜視図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る転削工具1について説明する。以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
<転削工具>
図1は、本実施形態の転削工具1の平面図である。また、図2は、転削工具1の分解斜視図である。
本実施形態の転削工具1は、正面フライスカッタである。転削工具1は、切削インサート20の切刃22により金属材料等からなる被削材にフライス加工を施す。転削工具1は、工作機械の主軸部8に取り付けられる。より具体的には、転削工具1は、工作機械の主軸部8に取り付けられたミーリングチャック8aに挿入され固定される。転削工具1は、その工具軸Jを工作機械の回転軸と一致するように工作機械の主軸部8に固定され、工作機械によって工具軸Jを中心として回転させられる。
転削工具1は、切削インサート20と、切削インサート20を保持する転削工具用ホルダ2と、を有する。また、転削工具用ホルダ2は、工具本体10と、工具本体10に内蔵される電気モジュール30と、を備える。
なお、本実施形態の転削工具1は、4つの切削インサート20を有する。しかしながら、転削工具1の切削インサート20の数は限定されない。転削工具1は、1つの切削インサート20を有していても、複数の切削インサート20を有していてもよい。
切削インサート20は、超硬合金等の硬質材料からなる。切削インサート20は、切刃22を有する。切削インサート20は、工具本体10の先端外周部10aに工具軸J周りに互いに間隔をあけて設けられる台座部18にクランプネジ16によって着脱可能に取り付けられる。切削インサート20は、多角形板状をなす。切削インサート20の多角形状の主面と側面と交差稜線部には、切刃22が設けられている。
工具本体10は、軸状に延びる棒体である。ここで、工具本体10の延びる方向に沿って工具軸Jを設定する。すなわち、工具本体10は、工具軸Jに沿って延びる。
なお、以下の説明において特に断りのない限り、工具軸Jに平行な方向を単に「軸方向」と呼び、工具軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、工具軸Jを中心とする周方向、すなわち、工具軸Jの軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。
工具本体10は、軸方向から見て略円形である。すなわち、工具本体10は、円柱形状をなす。工具本体10は、鉄鋼などの金属材料から構成される。工具本体10の工具軸J方向に沿う両端部のうち、一端部(先端部)は、転削加工時において被削材の加工面に接近配置され、他端部を含む前記一端部以外の部位は、工作機械の主軸部8に着脱可能に取り付けられる。
工具本体10の先端外周部10aには、複数の台座部18が設けられる。台座部18は、工具軸J周りに略等間隔に設けられている。台座部18同士の間にはチップポケット17が設けられている。台座部18の工具回転方向を向く壁面には、切削インサート20を取り付けるための台座面18aが設けられる。台座面18aには、切削インサート20を固定するクランプネジ16が挿入されるネジ孔(図示略)が設けられる。転削工具用ホルダ2は、台座面18aに切削インサート20を固定することで、切削インサート20を保持する。すなわち、工具本体10には、切削インサート20が装着される。
図2に示すように、工具本体10の後端10bには、軸方向に沿って延びる収容穴11が設けられる。収容穴11には、電気モジュール30が収容される。また、工具本体10は、収容穴11の開口を塞ぐ閉塞部材12を有する。
収容穴11は、工具本体10の内部を工具本体10の先端まで延びる。本実施形態において、収容穴11は、工具本体10の先端に開口しない。しかしながら、収容穴11は、工具本体10の先端において開口していてもよい。
収容穴11は、後端10b側から見て円形である。収容穴11の開口近傍には、メネジ部11aが設けられる。また、閉塞部材12は、円柱形状を有する。閉塞部材12の外周面には、オネジ部12aが設けられる。収容穴11のメネジ部11aに閉塞部材12のオネジ部12aが挿入されることで、収容穴11の開口が閉塞される。
電気モジュール30は、ケース部材31と、給電部37と、基板36と、発光素子32と、通信部33と、振動センサ(センサ部)34と、ブザー素子35と、を有する。
ケース部材31は、軸方向に沿って延びる円柱形状である。すなわち、ケース部材31は、軸方向から見て円形である。ケース部材31の直径は、収容穴11の直径に対して若干小さい。ケース部材31は、収容穴11に収容される。また、ケース部材31は、図示略の固定ボルトにより、収容穴11の内周面に固定される。固定ボルトは、収容穴11の内外を径方向に貫通するメネジ(図示略)に挿入されている。なお、ケース部材31は、接着剤によって収容穴11の内周面に固定されていてもよい。
本実施形態によれば、工具本体10に収容穴11が設けられ、電気モジュール30が、収容穴11に収容されるため、転削工具用ホルダ2を小型化することができる。また、収容穴11は、工具本体10の後端10bに開口し、電気モジュール30は、工具本体10の後端10bから収容穴11に挿入される。このため、工具本体10の先端側に位置する台座部18の剛性を確保しつつ、電気モジュール30を工具本体10の内部に収容できる。
ケース部材31は、給電部37、基板36、発光素子32、通信部33、振動センサ34およびブザー素子35を収容する。ケース部材31は、工具軸Jに沿って2分割された蓋部31aおよびベース部31bを有する。ケース部材31は、樹脂材料から構成される。
蓋部31aおよびベース部31bは、それぞれ軸方向から見て半円状である。蓋部31aおよびベース部31bは、互いに向かい合い接触する対向面31aa、31baを有する。給電部37、基板36、発光素子32、通信部33、振動センサ34およびブザー素子35は、対向面31aa、31baに設けられた凹部に嵌ることで、ケース部材31に収容される。また、給電部37、基板36、発光素子32、通信部33、振動センサ34およびブザー素子35は、接着剤などの固定手段により、ケース部材31に固定される。
給電部37は、工具軸Jに沿って延びる円柱状である。ブザー素子35は、工具軸Jに沿って延びる円柱状である。給電部37は、基板36およびブザー素子35に接続される。また、ブザー素子35は、基板36に接続される。基板36は、蓋部31aおよびベース部31bの対向面31aa、31baと平行に配置される。基板36には、発光素子32、通信部33および振動センサ34が実装される。発光素子32、通信部33および振動センサ34は、基板36に設けられた回路パターン(図示略)によって、給電部37に接続される。また、振動センサ34は、基板36に設けられた回路パターンによって、ブザー素子35に接続される。給電部37は、発光素子32、通信部33、振動センサ34およびブザー素子35に電力を供給する。
図3は、給電部37の模式図である。
給電部37は、発電部37aと電池部37bとホルダ部37cとを有する。すなわち、電気モジュール30は、発電部37aと電池部37bとを有する。ホルダ部37cは、工具軸Jに沿って延びる円筒状である。ホルダ部37cは、発電部37aおよび電池部37bを収容する。
発電部37aは、一対のベアリング49と、ロータ40と、ステータ50と、ブラシ46と、を有する。本実施形態において、発電部37aは、いわゆるDCモータである。なお、本実施形態の発電部37aの構成は、一例であり、発電部37aは、ロータおよびステータを有してれいば、他の構成であってもよい。一例として、発電部37aは、ブラシレスモータであってもよい。
ロータ40は、シャフト41と複数のティース部43とコイル42と整流子45を有する。シャフト41は、工具軸Jに沿って延びる。また、シャフト41の中心軸は、工具軸Jと一致する。シャフト41の両端部は、それぞれベアリング49により支持されている。ティース部43は、シャフト41の外周面から径方向外側に突出する。複数のティース部43は、工具軸Jの周方向に沿って等間隔に並ぶ。コイル42は、ティース部43に巻き付けられる。コイル42は、シャフト41の外周面に固定される整流子45に接続される。また、整流子45は、ブラシ46と接触する。
ステータ50は、ハウジング51と複数のマグネット52とを有する。ハウジング51は、工具軸Jに沿って延びる円筒状である。ハウジング51の中心軸は、工具軸Jと一致する。マグネット52は、ハウジング51の内周面に固定される。ハウジング51は、工具軸Jの周方向に沿って並ぶ。周方向において互いに隣り合うマグネット52の磁極は、互いに異なる。マグネット52は、径方向においてコイル42に対向する。
ベアリング49の外輪は、ケース部材31を介して工具本体10に固定されている。また、ベアリング49は、内輪がシャフト41の外周面に固定されている。これにより、一対のベアリング49は、ロータ40のシャフト41を支持する。また、ロータ40は、工具本体10に対して回転可能に支持されている。すなわち、ロータ40は、工具本体10に対して工具軸J周りに回転する。
ハウジング51の外周面は、ケース部材31を介して工具本体10に固定されている。したがって、ステータ50は、工具本体10に固定される。また、ステータ50は、径方向においてロータ40に対向する。ロータ40がステータ50に対して回転すると、コイル42を通過する磁界が反転しコイル42に電流が流れる。これにより、発電部37aは、発電する。
発電部37aは、工具本体10の回転に伴う慣性力によりロータ40を回転させて発電する。工具本体10の回転速度が増加する際、又は工具本体10の回転速度が減少する際に、工具本体10に内蔵される発電部37aには、工具本体10の回転方向と反対方向に慣性力が働く。発電部37aのステータ50は、工具本体10に固定されているため、工具本体10とともに工具軸J周りに回転する。一方で、発電部37aのロータ40は、ベアリング49によって工具本体10に対し回転可能に支持されるため、工具本体10の回転に伴う慣性力により工具軸J周りに回転する。結果的に、ロータ40はステータ50に対して回転してロータ40に電流が流れる。すなわち、本実施形態の発電部37aは、工具本体10の回転に伴う慣性力によりロータ40を回転させて発電する。
電池部37bは、導線46aを介してブラシ46に接続される。電池部37bには、発電部37aで発電された電力が充電される。電池部37bに充電された電力は、発光素子32、通信部33、振動センサ34およびブザー素子35に供給される。すなわち、電力は、発電部37aで発電され、電池部37bを充電する又は電池部37bを介して、発光素子32、通信部33、振動センサ34およびブザー素子35に供給される。
工具本体10の回転速度が一定となった際、又は工具本体10の回転が停止した際に、ロータ40には、慣性力が働かず、発電部37aは、発電しない。しかしながら、本実施形態によれば、本実施形態によれば、給電部37が発電された電力を充電する電池部37bを有ため、ロータ40に慣性力が働かなくなった後においても、発光素子32、通信部33、振動センサ34およびブザー素子35に電力を供給することができる。
本実施形態によれば、センサ部(本実施形態の振動センサ34)に電力を供給する給電部37(すなわち、発電部37aおよび電池部37b)が転削工具用ホルダ2に設けられる。このため、切削インサート20の切刃22による被削材の加工状態を、転削工具1単体で計測することができる。したがって、取り付ける工作機械および加工環境に依存することなく、転削工具1による加工状態をセンサ部において計測することができる。
また、本実施形態によれば、給電部37(すなわち、発電部37aおよび電池部37b)は、工具本体10に内蔵されており、工具本体10の回転に伴う慣性力により発電する。このため、転削工具用ホルダ2を工作機械の主軸に取り付けて主軸を回転させることで、工具単体で転削加工の状態を計測することができる。すなわち、本実施形態によれば、汎用性の高い転削工具1を提供できる。
振動センサ34は、振動を計測する素子である。振動センサ34は、基板36を介して工具本体10に固定される。振動センサ34は、工具本体10の振動を計測する。これにより、振動センサ34は、切削インサート20の切刃22による被削材の加工状態を間接的に計測できる。
一般的に、工具本体10の回転速度を増加させると、工具本体10の振動が大きくなることが知られている。振動センサ34が工具本体の振動を計測することで、工具本体10の最適な回転数を判断することができる。
また、振動センサ34は、工具本体10のビビリ振動を検知する。工具本体10にビビリ振動が発生すると、切削インサート20によって形成される被削材の加工面が荒れる。また、ビビリ振動が続くと、切削インサート20に損傷が生じる虞がある。本実施形態によれば、転削工具用ホルダ2がビビリ振動を検知する機能を有するため、ビビリ振動を検知した際に、切削インサート20の切刃22を被削材から離間させることができる。
なお、本実施形態では、電気モジュール30に備えられるセンサ部として、振動センサ34が採用される場合について説明した。しかしながら、電気モジュール30には、振動センサ34に加えて他のセンサが設けられていてもよく、また振動センサ34に変わって他のセンサが設けられていてもよい。すなわち、電気モジュール30は、切削インサート20による被削材の加工状態を計測するセンサ部を有していればよい。
一例として、電気モジュール30は、センサ部として切削インサート20の摩耗を計測し切削インサート20の交換時期を検知する摩耗センサを有していてもよい。この場合、摩耗センサが、切削インサート20の摩耗が顕著となったことを検知して、作業者に切削インサート20の交換を促すことができる。
また、他の例として、電気モジュール30は、センサ部として、工具本体10の温度を検知する温度センサ38であってもよい。温度センサ38としては、基板36に実装されるサーミスタを採用できる。
温度センサ38は、工具本体10の温度を介して、切削インサート20の切刃22の温度を間接的に計測する。なお、切削インサート20の温度は、温度センサ38による実測値を演算部(図示略)においてパラメータ変換することで求められる。切刃22の温度は、切刃22による被削材の加工状態、加工時間等に依存して変化する。したがって、センサ部として温度センサ38を採用することで、切刃22による被削材の加工状態を間接的に計測できる。
ブザー素子35は、ブザー音を発することができるスピーカである。ブザー素子35は、振動センサ34に接続される。ブザー素子35は、振動センサ34からの信号に応じてブザー音を発する。
発光素子32は、発光ダイオード(LED: light emitting diode)などの光を発する素子である。発光素子32は、振動センサ34に接続される。発光素子32は、振動センサ34からの信号に応じて発光する。
ケース部材31の蓋部31aには、発光素子32の光軸Lと重なる部分に貫通孔31cが設けられる。同様に、工具本体10には、発光素子32の光軸Lと重なる部分に貫通孔10cが設けられる。蓋部31aの貫通孔31cと工具本体10の貫通孔10cとは、光軸L方向から見て互いに重なる。発光素子32は、貫通孔31c、10cを介して外部に露出する。
振動センサ34が工具本体10のビビリ振動を検知した際に、ブザー素子35および発光素子32には振動センサ34から信号が送られる。ブザー素子35は、振動センサ34から受信した信号を基にブザー音を発し、作業者にビビリ振動を知らせる。また、発光素子32は、振動センサ34から受信した信号を基に発光し、作業者にビビリ振動を知らせる。すなわち、本実施形態によれば、センサ部(本実施形態において振動センサ34)における計測結果を、ブザー素子35によるブザー音および発光素子32による発光によって作業者に知らせることができる。これにより、作業者は、切削インサート20の切刃22を被削材から一旦離間させることができる。
なお、本実施形態では、電気モジュール30が、ブザー素子35および発光素子32の両方を有する場合について説明した。しかしながら、電気モジュール30は、ブザー素子35および発光素子32のうち、何れか一方を有していてもよい。
通信部33は、転削工具用ホルダ2の外部に設けられた外部装置39(図5参照)に電磁波により無線でデータを送信する。通信部33は、振動センサ34に接続される。通信部33は、振動センサ34における計測データを外部(外部装置39)に送信する。
工具本体10には、径方向から見て通信部33と重なる部分に、開口部10eが設けられる。また、工具本体10には、開口部10eを覆う、被覆部10dが設けられる。被覆部10dは、接着などの固定手段により工具本体10の外周面に固定されている。被覆部10dは、樹脂材料から構成される。被覆部10dは、開口部10eから工具本体10の内部に、切屑およびクーラントが侵入することを抑制する。通信部33から送信される電磁波は、開口部10eおよび被覆部10dを通過して外部装置39に送信される。
本実施形態の転削工具用ホルダ2は、振動センサ34と、振動センサ34に接続されて振動センサ34における計測データを無線で送信する通信部33と、を有する。このため、通信部33から送信した計測データを転削工具用ホルダ2の外部で受信して、転削加工の状態をリアルタイムでモニタリングすることができる。
図4は、電気モジュール30の各構成の相互の関係を示すブロック図である。
図4に示すように、電気モジュール30には、制御回路30aが設けられる。制御回路30aは、電気モジュール30の発光素子32と、通信部33と、振動センサ34と、ブザー素子35を制御する。
また、給電部37は、発電部37aおよび電池部37bに加えて、充放電監視部37eおよび電源回路37dを有する。充放電監視部37eは、電池部37bの放電電圧を監視する。また、充放電監視部37eは、電池部37bに対して充電を行う際に電池部37bに付与される電圧を制御する。
電源回路37dは、電池部37bから供給される電力の電圧を安定させる。電源回路37dは、制御回路30a、発光素子32、通信部33、振動センサ34およびブザー素子35への電力供給において、発電部37aと電池部37bとの電力の供給のバランスを取る。すなわち、電源回路37dは、発電部37aによる発電量が不足する場合に、電池部37bから電力を供給させる。また、電源回路37dは、発電部37aによる発電量が供給するべき電力量を上回る場合に、充放電監視部37eを介して電池部37bを充電させる。
次に、転削工具用ホルダ2をインターネットに繋いで計測データを活用してIoT(Internet of Things、もののインターネット)を実現する構成について説明する。
図5は、IoTを実現した転削工具用ホルダ2の構成例を示す模式図である。
本実施形態の転削工具1を用いた転削方法では、工具本体10を工具軸J周りに回転させて切削インサート20を被削材に接触させて被削材を加工し、振動センサ34において切削インサート20による被削材の加工状態を計測する。また、この転削方法では、通信部33が、振動センサ34における計測データを外部に送信する。
上述したように、転削工具1は、通信部33を介して外部装置39に無線接続される。外部装置39は、液晶画面などの表示装置を有していてもよい。この場合、外部装置39は、転削工具1による転削加工の状態を示す計測データを転削工具1の外部で受信して表示する。したがって、作業者は、転削工具1による転削加工の状態を外部装置39でモニタリングすることができる。外部装置39は、例えば、専用のアプリケーションをインストールしたスマートフォン又はタブレットなどの携帯情報端末であってもよい。すなわち、本実施形態の転削方法では、通信部33は、携帯情報端末(外部装置39)に振動センサ34における計測データを送信してもよい。
なお、通信部33と外部装置39との無線通信としては、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi(登録商標), ZigBee(登録商標)などの一般的な無線通信を採用することができる。
外部装置39は、ネットワーク4を介して外部サーバ5に接続されている。すなわち、転削工具1は、外部装置39を介して外部サーバ5に接続されている。本実施形態の転削方法において、通信部33から送信された計測データをネットワーク4を介して外部サーバ5に蓄積させる。これにより、外部サーバ5に蓄積された計測データを用いて、より好ましい加工条件の解析を行うことができる。
本実施形態において、転削工具1は、マシニングセンタ(数値制御工作機械)9の刃物台(図示略)に取り付けられる。マシニングセンタ9は、数値制御装置を有する工作機械である。マシニングセンタ9は、転削工具1を保持して転削工具1(すなわち、工具本体10)を主軸周りに回転させる。マシニングセンタ9は、転削工具1(すなわち、工具本体10)の回転速度を調整できる。また、マシニングセンタ9は、転削工具1を移動させることができる。これにより、マシニングセンタ9は、転削工具1の切刃22を被削材に接触又は離間させる。
本実施形態の転削方法では、通信部33は、振動センサ34における計測データを、工具本体10を回転させるマシニングセンタ9に送信する。マシニングセンタ9は、通信部33から送信された計測データを受信する受信部9aを有する。
マシニングセンタ9は、受信部9aで受信した計測データを基に、工具本体10の回転速度を変化させる。本実施形態において、受信部9aで受信する計測データは、振動センサ34で検知した転削工具1の振動である。
一般的に、転削工具1(すなわち、工具本体10)の回転速度を増加させると、工具本体10の振動の振幅が大きくなることが知られている。また、切削インサート20の切刃22の摩耗が進むと、工具本体10の振動の振幅が大きくなることが知られている。したがって、切削インサート20の交換直後では、転削工具1の回転速度を大きくした場合であっても、工具本体10の振動の振幅はわずかである。しかしながら、切削インサート20の使用時間が長くなった場合、回転速度を大きくすると工具本体10の振幅が大きくなりやすく、振動が被削材の加工面に影響を与えやすくなる。
本実施形態の転削方法において、マシニングセンタ9は、振動センサ34で検知した振動の振幅が、第1の閾値より小さい場合に、工具本体10の回転速度を増加させる。工具本体10の回転速度の増加は、振動センサ34で検知する振動の振幅が、第1の閾値を超えるまでなされる。工具本体10の回転速度を増加させることで、加工工程に要する時間が短くなるため、高効率な転削加工が可能となる。
本実施形態の転削方法において、マシニングセンタ9は、振動センサ34で検知した振動の振幅が、第2の閾値より大きい場合に、工具本体10の回転速度を減少させる。工具本体10の回転速度の減少は、振動センサ34で検知する振動の振幅が、第1の閾値より小さくなるまでなされる。これにより、工具本体10の振動の抑制を抑制した転削加工が可能となる。
本実施形態において、マシニングセンタ9は、振動センサ34で検知した振動の振幅が、第3の閾値より大きい場合に、転削工具1を移動させて切削インサート20の切刃22を被削材から離間させる。これにより、ビビリ振動が発生した場合に、被削材の加工面が荒れることを抑制できる。また、切削インサート20の切刃22が、ビビリ振動によって損傷を受けることを抑制できる。
なお、上述した第1の閾値、第2の閾値および第3の閾値は、予めマシニングセンタ9に記憶された値である。第1の閾値、第2の閾値および第3の閾値は、作業者が、マシニングセンタ9に入力して記憶させることができる。また、マシニングセンタ9が、外部サーバ5と接続される場合には、第1の閾値、第2の閾値および第3の閾値は、外部サーバ5からマシニングセンタ9に送信されてもよい。
また、本実施形態の転削方法において、1つの外部サーバ5は、ネットワーク4を介して複数の転削工具1に接続されている。このため、外部サーバ5には、複数の転削工具1による転削加工時のデータが集積される。したがって、外部サーバ5は、複数の転削工具1から様々なデータを収集することができる。
(第1の例)
図6は、本実施形態の転削工具1を用いた転削加工において、振動センサ34における振動測定の結果の第1の例を示すグラフである。図6において、横軸は、切削累積時間である。
第1の例では、切削速度(すなわち、主軸の回転数)を5000rpm(回転/分)の一定に保っている。第1の例では、切削加工の累積時間が長くなるに従い、振動センサ34において計測する振動の加速度が徐々に高まっている。第1の例では、振動の加速度が0.04m/sに達した段階で、切削を中止している。すなわち、第1の例における第3の閾値は、0.04m/sである。
第1の例では、振動の加速度が、第3の閾値を超えた瞬間に、切削を中止するとともに、ブザー素子35においてブザーを発し、発光素子を発光させ、さらに通信部33において外部装置にビビリ振動の発生を通知する。
(第2の例)
図7は、本実施形態の転削工具1を用いた転削加工において、振動センサ34における振動測定の結果の第2の例を示すグラフである。第1の例と同様に、図7において、横軸は、切削累積時間である。
第2の例では、切削速度(すなわち、主軸の回転数)を10000rpm(回転/分)の一定に保っている。第2の例では、切削加工の累積時間が500時間に近づくと、振動センサ34において計測する振動の加速度が急激に高まっている。第2の例では、振動の加速度が0.05m/sに達した段階で、切削を中止している。すなわち、第2の例における第3の閾値は、0.05m/sである。
第2の例では、振動の加速度が、第3の閾値を超えた瞬間に、切削を中止するとともに、ブザー素子35においてブザーを発し、発光素子を発光させ、さらに通信部33において外部装置にビビリ振動の発生を通知する。
<変形例>
図8に、上述の実施形態の変形例の転削工具101の分解斜視図である。
以下、図8を基に、変形例の転削工具101について説明する。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
本変形例の転削工具101は、正面フライスカッタである。転削工具101は、切削インサート20の切刃22により金属材料等からなる被削材にフライス加工を施す。
転削工具101は、交換式切削ヘッド119と、交換式切削ヘッド119を保持する転削工具用ホルダ102と、を有する。また、転削工具用ホルダ102は、工具本体110と、工具本体10に内蔵される電気モジュール30と、を備える。
工具本体110の先端110aには、ネジ穴110hが設けられる。ネジ穴110hは、工具軸Jに沿って延びる。ネジ穴110hは、工具本体110に設けられる収容穴11に繋がる。ネジ穴110hの内周面には、メネジが形成される。ネジ穴110hは、交換式切削ヘッド119が取り付けられる。すなわち、工具本体110には、交換式切削ヘッド119が装着される。
交換式切削ヘッド119は、ヘッド本体113と、複数の切削インサート20と、を有する。ヘッド本体113は、切削インサート20を保持する。ヘッド本体113の基端部119bには、ネジ部119aが設けられる。ネジ部119aは、工具軸Jに沿って延びる。ネジ部119aには、オネジが形成される。ネジ部119aは、工具本体110のネジ穴110hに挿入される。
本実施形態の交換式切削ヘッド119は、切削インサート20と、切削インサート20を保持するヘッド本体113と、を有する。しかしながら、交換式切削ヘッド119は、ヘッド本体113に直接的に切刃が形成されていてもよい。
以上に、本発明の実施形態を説明したが、実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
例えば、上述の実施形態では、転削工具として正面フライスカッタおよびを例示した。しかしながら、転削工具は、工具本体が回転して被削材を加工するものであればよく、例えばドリルであってもよい。
上述の実施形態では、切刃が、切削インサートに設けられる構成について説明した。しかしながら、切刃が工具本体に設けられていてもよい。すなわち、転削工具は、工具本体に切刃が設けられたソリッド工具であってもよい。
1…転削工具
2…転削工具用ホルダ
4…ネットワーク
5…外部サーバ
10…工具本体
10a…先端外周部
10b…後端
11…収容穴
18…台座部
20…切削インサート
30…電気モジュール
32…発光素子
33…通信部
34…振動センサ
34…振動センサ(センサ部)
35…ブザー素子
37…給電部
37a…発電部
37b…電池部
38…温度センサ(センサ部)
39…外部装置
40…ロータ
50…ステータ
J…工具軸

Claims (28)

  1. 切刃を有する切削インサート又は切刃を有する交換式切削ヘッドを保持する転削工具用ホルダであって、
    工具軸に沿って延び前記切削インサート又は交換式切削ヘッドが装着され前記工具軸周りに回転する工具本体と、
    前記工具本体に内蔵される電気モジュールと、を備え、
    前記電気モジュールは、センサ部と、前記センサ部に電力を供給する電池部と、を有する、
    転削工具用ホルダ。
  2. 前記電気モジュールは、発電部を有し、
    前記発電部は、前記工具本体に対し前記工具軸周りに回転するロータと、前記工具本体に固定され前記ロータに対向するステータと、を有し、
    前記発電部は、前記工具本体の回転に伴う慣性力により前記ロータを回転させて発電し、前記電池部を充電する又は前記センサ部に電力を供給する、
    請求項1に記載の転削工具用ホルダ。
  3. 前記センサ部が、前記工具本体の振動を計測する振動センサである、
    請求項1又は2に記載の転削工具用ホルダ。
  4. 前記センサ部が、前記工具本体の温度を検知する温度センサである、
    請求項1又は2に記載の転削工具用ホルダ。
  5. 前記電気モジュールは、前記センサ部に接続されるブザー素子を有し、
    前記ブザー素子は、前記電池部から電力を供給され前記センサ部からの信号に応じてブザー音を発する、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の転削工具用ホルダ。
  6. 前記電気モジュールは、前記センサ部に接続される発光素子を有し、
    前記発光素子は、前記電池部から電力を供給され前記センサ部からの信号に応じて発光する、
    請求項1〜5の何れか一項に記載の転削工具用ホルダ。
  7. 前記電気モジュールは、前記センサ部に接続される通信部を有し、
    前記通信部は、前記電池部から電力を供給され前記センサ部における計測データを外部に送信する、
    請求項1〜6の何れか一項に記載の転削工具用ホルダ。
  8. 前記工具本体に収容穴が設けられ、
    前記電気モジュールが、前記収容穴に収容される、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の転削工具用ホルダ。
  9. 前記収容穴が、前記工具本体の後端に開口し、
    前記電気モジュールは、前記工具本体の後端から前記収容穴に挿入される、
    請求項8に記載の転削工具用ホルダ。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の転削工具用ホルダと、
    前記工具本体に装着される前記切削インサートと、を備える、
    転削工具。
  11. 請求項1〜9の何れか一項に記載の転削工具用ホルダと、
    前記工具本体に装着される交換式切削ヘッドと、を備える、
    転削工具。
  12. 工具軸に沿って延び、切刃を有し、前記工具軸周りに回転する工具本体と、
    前記工具本体に内蔵される電気モジュールと、を備え、
    前記電気モジュールは、センサ部と、前記センサ部に電力を供給する電池部と、を有する、
    転削工具。
  13. 前記電気モジュールは、発電部を有し、
    前記発電部は、前記工具本体に対し前記工具軸周りに回転するロータと、前記工具本体に固定され前記ロータに対向するステータと、を有し、
    前記発電部は、前記工具本体の回転に伴う慣性力により前記ロータを回転させて発電し、前記電池部を充電する又は前記センサ部に電力を供給する、
    請求項12に記載の転削工具。
  14. 前記センサ部が、前記工具本体の振動を計測する振動センサである、
    請求項12又は13に記載の転削工具。
  15. 前記センサ部が、前記工具本体の温度を検知する温度センサである、
    請求項12又は13に記載の転削工具。
  16. 前記電気モジュールは、前記センサ部に接続されるブザー素子を有し、
    前記ブザー素子は、前記電池部から電力を供給され前記センサ部からの信号に応じてブザー音を発する、
    請求項12〜15の何れか一項に記載の転削工具。
  17. 前記電気モジュールは、前記センサ部に接続される発光素子を有し、
    前記発光素子は、前記電池部から電力を供給され前記センサ部からの信号に応じて発光する、
    請求項12〜16の何れか一項に記載の転削工具。
  18. 前記電気モジュールは、前記センサ部に接続される通信部を有し、
    前記通信部は、前記電池部から電力を供給され前記センサ部における計測データを外部に送信する、
    請求項12〜17の何れか一項に記載の転削工具。
  19. 前記工具本体に収容穴が設けられ、
    前記電気モジュールが、前記収容穴に収容される、
    請求項12〜18の何れか一項に記載の転削工具。
  20. 前記収容穴が、前記工具本体の後端に開口し、
    前記電気モジュールは、前記工具本体の後端から前記収容穴に挿入される、
    請求項19に記載の転削工具。
  21. 請求項10〜20の何れか一項に記載の転削工具を用いた転削方法であって、
    前記工具本体を前記工具軸周りに回転させて前記切刃を被削材に接触させて前記被削材を加工し、
    前記センサ部において前記切刃による前記被削材の加工状態を計測する、
    転削方法。
  22. 前記電気モジュールが通信部を有し、
    前記通信部が、前記センサ部における計測データを外部に送信する、請求項21に記載の転削方法。
  23. 前記通信部は、前記センサ部における計測データを、前記工具本体を回転させる数値制御工作機械に送信し、
    前記数値制御工作機械は、前記計測データを基に前記工具本体の回転速度を変化させる、
    請求項22に記載の転削方法。
  24. 前記センサ部が、前記工具本体の振動を計測する振動センサであり、
    前記数値制御工作機械は、前記センサ部で検知した振動の振幅が、第1の閾値より小さい場合に、前記工具本体の回転速度を増加させ、
    前記数値制御工作機械は、前記センサ部で検知した振動の振幅が、第2の閾値より大きい場合に、前記工具本体の回転速度を減少させる、
    請求項23に記載の転削方法。
  25. 前記センサ部が、前記工具本体の振動を計測する振動センサであり、
    前記数値制御工作機械は、前記センサ部で検知した振動の振幅が、第3の閾値より大きい場合に、前記切刃を前記被削材から離間させる、
    請求項23又は24に記載の転削方法。
  26. 前記通信部は、前記センサ部における前記計測データを携帯情報端末に送信する、
    請求項22〜25のいずれか一項に記載の転削方法。
  27. 前記通信部から送信された前記計測データをネットワークを介して外部サーバに蓄積させる、
    請求項22〜26の何れか一項に記載の転削方法。
  28. 前記外部サーバは、ネットワークを介して複数の前記転削工具に繋がっている、
    請求項27に記載の転削方法。
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