JP2019166512A - 粉粒体用風力選別装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば特許文献1に記載の技術によれば、ビールの原料である麦芽では、粉砕された麦芽は成分要素ごとに風味に及ぼす効果が様々であるとされ、粉砕麦芽混合物の成分要素によっては、不要とされる成分要素のうちの少量を原料に戻すことでその効果が確認されている。
通常、この種の選別機は、選別対象の混合物を各成分要素それぞれに完全に分離させることを目的とするため、分離を行いつつ特定の成分要素の一部のみを指定量だけ回収することは困難である。例えば、選別した後にその成分要素の一部を原料に戻す場合、特許文献1に開示されるように、分離した内皮の一部を計量・回収する工程を必要とするので、工程数が増えてコストの増加を招くという問題がある。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、分離する被選別粉粒体の成分要素のうちの所望量を、別工程を設けることなく一つの工程中にて回収し得る粉粒体用風力選別装置を提供することを課題とする。
ここで、本発明の一態様に係る粉粒体用風力選別装置において、前記選別流路の延在方向に沿って設けられた選別室と、該選別室の選別流路の最上流に設けられた送風機と、前記選別室の下部にあって選別流路の延在方向での位置が前記送風機よりも下流側に位置する第一回収路と、前記選別室の上部にあって選別流路の延在方向での位置が前記第一回収路よりも下流側に位置する投入口と、前記選別室の下部にあって選別流路の延在方向での位置が前記投入口よりも下流側に位置する第二回収路と、前記選別室の下部にあって前記第二回収路よりも選別流路の上流側に設けられた遮風板と、前記選別室の下部にあって前記第二回収路よりも選別流路の下流側に設けられた第三回収路と、前記第三回収路から分岐されて選別流路の延在方向での上流方向に向けて延ばされた分岐路と、前記第三回収路と前記分岐路との分岐点に設けられた仕分板と、を備えることは好ましい。
なお、図面は模式的なものである。そのため、厚みと平面寸法との関係、比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記の実施形態に特定するものではない。
同図に示すように、この風力選別装置100は、一つの選別流路Rに、選別する成分要素の回収量を調整可能な複数の回収路3,4,5、11を設け、複数の回収路3,4,5、11に選別した複数の成分要素に対する三か所の貯留槽9,12,14を備えており、比重が比較的高い幼芽(高比重要素)、比重が中くらいの穀皮(中比重要素)および比重が比較的小さい内皮(小比重要素)の三つの成分要素を、一つの工程のみにより選別可能とし、さらに、後述する内皮回収量調整機構により、穀皮の全量と共に所望量の内皮を小比重要素回収量として一つの工程のみにより一の貯留槽12から回収する例である。なお、各貯留槽9,12,14には、成分要素の回収状態を計測するセンサとして、重量計(不図示)が装備されており、それぞれの重量計により、各貯留槽9,12,14に貯留した内容物の随時の重量を計測可能になっている。
選別室10は、送風機2が設けられた側が最も低い位置とされ、選別流路Rの下流側に向かうにつれて高くなるように配置されている。送風機2には、送風機2の風量を調整する風量調整機構2dが付設され、風量調整機構2dは、コンピュータを含む制御装置であるコントローラ20によって制御されるように構成されている。
選別室10の下部にあって穀皮回収路4よりも選別流路Rの上流側には、遮風角度を調整可能な遮風板7が設けられている。遮風板7の基端部には、遮風板7の角度を調整する遮風角度調整機構7dが設けられ、遮風角度調整機構7dは、コントローラ20によって制御されるように構成されている。なお、同図に示す符号aは、遮風板7の傾倒姿勢調整動作方向を示している。
不要内皮分離路5と使用内皮回収路11との分岐点には、仕分角度を調整可能な仕分板6が設けられている。仕分板6の基端部には、仕分板6の仕分角度を調整する仕分角度調整機構6dが設けられ、仕分角度調整機構6dは、コントローラ20によって制御されるように構成されている。なお、同図に示す符号cは、仕分板6の仕分姿勢調整動作方向を示している。
排気量調整機構8dは、コントローラ20によって開口量が制御されるように構成されている。なお、同図に示す符号dおよびDは、排気量調整機構8dの駆動により、風速調整用流路8の開口部が、小径dから大径Dの開口幅の範囲で排気量(ないしこれに伴う風速)を調整可能なイメージを示している。
また、中央の第二風速計13bは、選別室10の上部であって穀皮回収路4よりも下流側且つ風速調整用流路8の開口部よりも上流側の位置に設置されている。さらに、最下流の第三風速計13cは、選別室10の上部であって不要内皮分離路5の上方の位置に設置されている。
オペレータにより運転開始指令が風力選別装置100のコントローラ20に入力されると、コントローラ20は、各重量計貯留槽9,12,14の計測値に基づいて、選別する成分要素の回収量を逐次フィードバック制御する。
ここで、図4に示す粉砕麦芽投入量Wに対する幼芽分離量w1(高比重要素分離量)は、成分分析試験等の試験によって得られたデータから求められた幼芽分離比設定値R1(高比重要素分離比設定値)を目標とする制御値により所定範囲内になるように制御される。幼芽分離量w1の制御は、送風機2の風量調整(ステップS23)、遮風板7の角度調整(ステップS24)および選別室10の傾斜角度調整(ステップS25)の3段階のステップにて行われる。
選別室10の最後尾まで到達した内皮は、第三回収路である不要内皮回収路5を介して第三貯留槽9(図3のステップS5)、または分岐路である使用内皮回収路11から穀皮・内皮用の第二回収槽12に回収される(図3のステップS4)。
また、この風力選別装置100によれば、穀皮回収路4の手前に傾き角度が可変式の遮風板7を設置したので、落下中の幼芽が誤って風で舞い上がった際の穀皮回収路4への混入を防止できる。なお、高比重である幼芽が選別室10内の上部へ舞い上がるほどの風を送ることは、本実施形態での用途上は行われないため、穀皮回収路4の手前に遮風板7を設置することで混入を確実に防ぐことができる。
なお、この可変式の風速調整用流路8から回収される要素は、内皮分として扱われ、図1に示すように、不要内皮回収路5で回収された内皮分と共に第三貯留槽9にて回収される。よって、風速調整用流路8についても、選別する成分要素の回収量を調整可能な複数の回収路のうちの一の回収路を構成する。なお、風速の調整が可能な機構であれば、流路幅調整による風量調整機構2dでなくてもよい。
以上説明したように、本実施形態の風力選別装置によれば、粉砕麦芽混合物から、必要とする穀皮と内皮とを効率よく回収可能であり、分離する内皮のうち所望の使用量のみを別工程を設けることなく一の工程中で回収できる。
また、例えば上記実施形態では、第二回収路と第三回収路とは、選別流路の延在方向にて隣り合っている例を示したが、これに限らず、その間に複数の回収路を更に設け、第二回収路で選別される被選別物よりも比重が小さく第三回収路にて選別される被選別物よりは比重が大きい粉粒体を選別して分離する構成であってもよい。
2…送風機
3…幼芽分離路(第一回収路)
4…穀皮回収路(第二回収路)
5…不要内皮分離路(第三回収路)
6…仕分板(仕分板)
7…遮風板
8…風速調整用流路(排気量調整管(第四回収路))
9…第三貯留槽
10…選別室
11…使用内皮回収路(分岐路)
12…第二貯留槽
13a、13b、13c…風速計
14…第一貯留槽
100…風力選別装置
a…遮風板の傾倒姿勢調整動作方向
b…選別室の傾倒姿勢調整動作方向
c…仕分板の傾倒姿勢調整動作方向
d〜D…流路幅による風速調整方向
A…風の流れ
R…選別流路(選別分離経路)
Claims (7)
- 固形物を微粉化した粉粒体を構成する複数の成分要素相互を比重の違いにより選別する風力選別装置であって、
選別流路に、選別する成分要素の回収量を調整可能な複数の回収路を設けたことを特徴とする粉粒体用風力選別装置。 - 前記選別流路の延在方向に沿って設けられた選別室と、
該選別室の選別流路の最上流に設けられた送風機と、
前記選別室の下部にあって選別流路の延在方向での位置が前記送風機よりも下流側に位置する第一回収路と、
前記選別室の上部にあって選別流路の延在方向での位置が前記第一回収路よりも下流側に位置する投入口と、
前記選別室の下部にあって選別流路の延在方向での位置が前記投入口よりも下流側に位置する第二回収路と、
前記選別室の下部にあって前記第二回収路よりも選別流路の上流側に設けられた遮風板と、
前記選別室の下部にあって前記第二回収路よりも選別流路の下流側に設けられた第三回収路と、
前記第三回収路から分岐されて選別流路の延在方向での上流方向に向けて延ばされた分岐路と、
前記第三回収路と前記分岐路との分岐点に設けられた仕分板と、
を備える請求項1に記載の粉粒体用風力選別装置。 - 前記選別流路の排気量を調整可能な排気量調整機構を有する排気量調整管と、
前記送風機の風量を調整する風量調整機構と、
前記遮風板の角度を調整する遮風角度調整機構と、
前記選別室の傾斜角度を調整する傾斜角度調整機構と、
前記仕分板の仕分角度を調整する仕分角度調整機構と、
前記風量調整機構、前記遮風角度調整機構、前記傾斜角度調整機構および前記仕分角度調整機構並びに前記排気量調整機構をそれぞれ制御する処理を実行するコントローラと、
を備える請求項2に記載の粉粒体用風力選別装置。 - 選別対象が、比重が比較的高い高比重要素、中くらいの中比重要素および小さい小比重要素の三つの成分要素からなる粉砕混合物であり、該三つの成分要素を、前記第一回収路、前記第二回収路および前記第三回収路の順に、各成分要素の比重に応じて一の工程により各回収路に選別するとともに、前記粉砕混合物から前記中比重要素の全量と共に前記小比重要素の所望量を小比重要素回収量として前記第二回収路から回収する請求項3に記載の粉粒体用風力選別装置。
- 前記コントローラは、
前記粉砕混合物の投入量に対する高比重要素分離量が、成分分析試験等の試験によって得られたデータから求められた高比重要素分離比設定値に対する所定範囲内になるように、
前記風量調整機構で前記送風機の風量を調整するステップと、
前記遮風角度調整機構で前記遮風板の角度を調整するステップと、
前記傾斜角度調整機構で前記選別室の傾斜角度を調整するステップと、
の3段階のステップによって調整する請求項4に記載の粉粒体用風力選別装置。 - 前記コントローラは、
前記高比要素重分離量が前記所定範囲内に安定した後に、
前記粉砕混合物の投入量に対する小比重要素分離比が、小比重要素分離比設定値に基づいて設定される適正範囲内となるように、
前記仕分角度調整機構で前記仕分板の仕分角度を調整するステップと、
前記排気量調整機構で前記排気量調整管の排気量を調整するステップと、
の2段階のステップによって調整する請求項5に記載の粉粒体用風力選別装置。 - 前記粉砕混合物は、高比重要素が幼芽、中比重要素が穀皮および小比重要素が内皮である粉砕麦芽混合物であり、
前記コントローラによる調整ステップは、測定された回収量が適正値となるように制御する逐次フィードバック制御である請求項5または6に記載の粉粒体用風力選別装置。
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