図1に示されるように、本実施形態に係る遊技機10は、図2に示される遊技盤11を前面枠10Zで覆ってなり、その前面枠10Zに形成されたガラス窓10Wを通して、遊技盤11の前面側に形成された遊技領域R1(図2参照)の全体が視認可能となっている。なお、遊技領域R1は、遊技盤11の前面から突出した略円形のガイドレール12に囲まれている。
前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿26と下皿27が上下2段にして設けられ、下皿27の右側には、発射用ハンドル28が備えられている。そして、発射用ハンドル28が回動操作されると、上皿26に収容された遊技球が発射装置(図示せず)によって1球ずつ遊技領域R1に向けて弾き出される。
図2に示されるように、遊技盤11のうち遊技領域R1の中央には、表示開口11Hが貫通形成されていて、その表示開口11Hに遊技盤11の裏面側から表示装置13が対向している。表示装置13は、例えば、液晶モジュールで構成され、遊技に関する演出を行う表示画面13Gを前面に有する。
遊技盤11の前面中央には、表示画面13Gを囲むように表示装飾枠23が取り付けられている。表示装飾枠23は、遊技盤11の前面側から表示開口11Hに嵌め込まれると共に、遊技盤11の前面より前側に突出している。これにより、遊技領域R1を流下する遊技球が、表示装飾枠23を乗り越えて表示装飾枠23の内側に進入することが規制されている。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23より下側部分の横方向の中央部には、第1始動入賞口14AKが設けられている。第1始動入賞口14AKは、遊技球が1つずつ入球可能な大きさの開口を上部に有するポケット構造をなしている。
第1始動入賞口14AKの下方には、第1大入賞部15Aが設けられている。第1大入賞部15Aは、右側に開放した第1大入賞口15AKと、第2大入賞口15AKの右側に配置された第1可変部材15ATと、を備えている。第1可変部材15ATは、左下り傾斜し、遊技盤11の前面から突出した第1突出位置と、該第1突出位置より突出が抑えられた第1退避位置と、の間をスライド可能に構成されている。そして、第1可変部材15ATが第1突出位置に配置されたときに、第1可変部材15ATを案内にして遊技球が第1大入賞口15AKに入球可能となり、第1可変部材15ATが第1退避位置に配置されたときに、遊技球が第1大入賞口15AKに入球困難となる。
遊技領域R1のうち表示装飾枠23の右側には、始動ゲート18が設けられている。始動ゲート18は、遊技領域R1を流下する遊技球が潜って通過可能な門形状に形成されている。始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄当否判定が行われる。
始動ゲート18の下方には、第2始動入賞装置14Bが設けられている。第2始動入賞装置14Bは、左側に開放した第2始動入賞口14BKと、第2始動入賞口14BKの左側で右下がりに傾斜した始動可変部材14BTと、を備えている。始動可変部材14BTは、遊技盤11の前面から突出した始動突出位置と該始動突出位置より突出が抑えられた始動退避位置との間をスライド可能に構成されていて、通常は、始動退避位置に配置され、上述した普通図柄当否判定の結果が当りになると、所定の期間だけ始動突出位置に配置される。そして、始動可変部材14BTが始動突出位置に配置されたときに、始動可変部材14BTを案内にして遊技球が第2始動入賞口14BKに入球可能となり、始動可変部材14BTが始動退避位置に配置されたときに、遊技球が始動入賞口14BKに入球困難となる。
第2始動入賞装置14Bの下方には、第2大入賞装置15Bが設けられている。第2大入賞装置15Bは、上側に開放した第2大入賞口15BKと、第2大入賞口15BKを開閉する第2可変部材15BTと、を備えている。第2可変部材15BTは、遊技盤11の前面から突出した第2突出位置と、該第2突出位置より突出が抑えられた第2退避位置と、の間をスライド可能に構成されている。そして、第2可変部材15BTが第2突出位置に配置されたときに、第2大入賞口15BKが閉塞されて遊技球が第2大入賞口15BKに入球困難となり、第2可変部材15BTが第2退避位置に配置されたときに、第2大入賞口15BKが開放されて遊技球が第2大入賞口15BKに入球可能となる。
第1始動入賞口14AK又は第2始動入賞口14BKに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として上皿26(図1参照)に払い出されると共に、特別図柄当否判定(以下、「特図判定」という。)が行われる。特図判定の結果は、表示画面13Gに表示される。
具体的には、表示画面13Gには、通常、3つの左、中、右の特別図柄30L,30C,30Rが横並びに停止表示されている。各特別図柄30L,30C,30Rは、例えば、「0」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、各特別図柄30L,30C,30Rごと、所定の種類のものが停止表示されている。特図判定が行われると、3つの特別図柄30L,30C,30Rが、上下方向にスクロール表示(変動表示)され、所定時間経過後に、例えば、左、右、中の順に停止表示される。そして、停止した特別図柄30L,30C,30Rの組合せにより、特図判定の結果を表示するようになっている。
本実施形態では、停止した特別図柄30L,30C,30Rが全て同じ図柄(ゾロ目)の場合に、特図判定の結果が当りであることを示し、ゾロ目以外の組み合わせの場合に、特図判定の結果が外れであることを示すようになっている。なお、特別図柄30L,30C,30Rのうち1番目と2番目に停止する図柄(本実施形態では、左の特別図柄30Lと右の特別図柄30R)が同じになった状態を「リーチ」といい、特図判定の結果が当りの場合には、原則として、「リーチ」を経由してゾロ目となる。また、特図判定の結果が外れの場合には、「リーチ」となる場合と「リーチ」とならない場合の両方がある。
表示画面13Gに特図判定の結果が当りであることが表示されると、大当り遊技が実行され、第1大入賞口15AK又は第2大入賞口15BKに遊技球が入球可能となる。第1大入賞口15AK又は第2大入賞口15BKに遊技球が入球すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
なお、特別図柄30L,30C,30Rの変動中又は大当り遊技中に第1始動入賞口14AK又は第2始動入賞口14BKに遊技球が入球した場合、その入球に起因した特図判定の結果表示とそれに伴う図柄変動は、例えば、4回分まで保留される。そして、実行中の図柄変動又は大当り遊技が終了すると、保留が1つ消化されて、保留されていた図柄変動と結果表示が行われる。保留は、原則として、発生順に消化される。
遊技領域R1には、上述した入賞口14AK,14BK,15AK,15BKのほかに、上方又は側方に開放して遊技球が常時入球可能な一般入賞口20が複数設けられている。また、遊技領域R1の下端部、具体的には、第1可変部材15AKの下方には、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球を遊技領域R1の外側に排出するためのアウト口16が設けられている。さらに、遊技領域R1には、遊技球の流下方向をランダムに変更するための障害釘Kが多数植設されている。
[表示画面13Gでのセット演出]
表示装置13の表示画面13Gでは、特別図柄30L,30C,30Rが変動表示されてから停止表示されて特図判定の結果が報知されるまでの間に、変動中の特別図柄30L,30C,30Lがゾロ目で停止する(即ち、大当り遊技が実行される)蓋然性を示唆する示唆演出が表示される。そして、本実施形態の遊技機10では、示唆演出の1種として、図3に示されるセット演出が実行される。セット演出では、導入演出が行われた後、その導入演出の結果に応じた後続演出が実行される。以下、セット演出について詳説する。
セット演出は、特別図柄30L,30C,30Rがリーチになったことを条件にして行われる。図3に示されるように、セット演出における導入演出は、1又は複数段階のステップからなるステップアップ演出となっている。本実施形態の導入演出では、リーチ状態を形成する左右の特別図柄30L,30Rを段階的に増加させる。同図では、導入演出における各ステップが上から順番に示されていて、第1ステップでは、「1」の1種類の図柄のみがリーチ状態となっていて、第2ステップでは、「1」と「3」の2種類の図柄がリーチ状態となっていて、第3ステップでは、「1」、「3」及び「4」の3種類の図柄がリーチ状態となっていて、最終段階である第4ステップでは、「1」、「3」、「4」及び「7」の4種類の図柄がリーチ状態となっている。ここで、リーチ状態を形成する左右の特別図柄30L,30Rを結ぶラインをリーチラインといい、このリーチライン上に、真ん中の特別図柄30Cが同じ種類の図柄で停止すれば、3つの特別図柄30L.30C.30Rが全て同じ種類の図柄で停止することになる。従って、導入演出では、リーチラインの数が段階的に増加する、とも言える。
図4には、表示画面13Gにおける導入演出の具体的な流れが示されている。図4(A)に示されるように、導入演出が開始した状態では、左の特別図柄30Lと右の特別図柄30Rの1組が表示されていて、それら特別図柄30L,30Rは同じ種類の図柄(図4(A)の例では、数字の「1」)となっている。この状態は、導入演出をステップアップ演出としてみた場合には、1ステップ目に相当する。また、本実施形態では、リーチラインの数を遊技者に認識させ易くするため、リーチラインの数に対応して味方キャラクターの数がストックされるようになっている。従って、導入演出を味方キャラクターをストックするストック演出としてみた場合には、味方キャラクターを1つストックしている状態に相当する。なお、味方キャラクターは、将棋の駒をモチーフにしたものとなっていて、図4(A)の状態では、味方キャラクターとして「歩」のみがストックされている。図4(A)の状態で導入演出が終了すると、後続演出に発展する。
図4(A)の状態から導入演出が進行すると、図4(B)に示されるように、リーチ状態を形成する左右の特別図柄30L,30Rが1つ増加する。即ち、表示画面13Gには、左の特別図柄30Lと右の特別図柄30Rが2組上下に並べて表示され(詳細には、追加された組が最下段に表示される。)、各組の特別図柄30L,30Rは同じ種類の図柄(図4(B)の例では、数字の「1」と「3」)となっている。この状態は、導入演出をステップアップ演出としてみた場合には、2ステップ目に相当し、導入演出をストック演出としてみた場合には、味方キャラクターを2つストックしている状態に相当する。なお、このとき、味方キャラクターとして「歩」及び「銀」がストックされている。図4(B)の状態で導入演出が終了すると、後続演出に発展する。
図4(B)の状態から導入演出がさらに進行すると、図4(C)に示されるように、リーチ状態を形成する左右の特別図柄30L,30Rがさらに1つ増加する。即ち、表示画面13Gには、左の特別図柄30Lと右の特別図柄30Rが3組上下に並べて表示され(詳細には、追加された組が最下段に表示される。)、各組の特別図柄30L,30Rは同じ種類の図柄(図4(C)の例では、数字の「1」と「3」と「4」)となっている。この状態は、導入演出をステップアップ演出としてみた場合には、3ステップ目に相当し、導入演出をストック演出としてみた場合には、味方キャラクターを3つストックしている状態に相当する。なお、このとき、味方キャラクターとして「歩」、「銀」及び「角」がストックされている。図4(C)の状態で導入演出が終了すると、後続演出に発展する。
図4(C)の状態から導入演出がさらに進行すると、図4(D)に示されるように、リーチ状態を形成する左右の特別図柄30L,30Rがさらに1つ増加する。即ち、表示画面13Gには、左の特別図柄30Lと右の特別図柄30Rが4組上下に並べて表示され(詳細には、追加された組が最下段に表示される。)、各組の特別図柄30L,30Rは同じ種類の図柄(図4(D)の例では、数字の「1」と「3」と「4」と「7」)となっている。この状態は、導入演出をステップアップ演出としてみた場合には、4ステップ目に相当し、導入演出をストック演出としてみた場合には、味方キャラクターを4つストックしている状態に相当する。なお、このとき、味方キャラクターとして「歩」、「銀」、「角」及び「飛車」がストックされている。本実施形態では、図4(D)の状態から導入演出が進行することはなく、この状態で導入演出が終了して後続演出に発展する。即ち、図4(D)の状態は、ステップアップ演出の最終ステップとなっている。
図3に示されるように、セット演出における後続演出は、味方キャラクターが敵キャラクターに攻撃して敵キャラクターに勝利することを目的とする、所謂、バトル演出になっている。ここで、敵キャラクターへの攻撃回数は、導入演出で進行したステップ数(導入演出でのリーチラインの数でもある。)に応じて増加するようになっている。本実施形態では、後続演出での攻撃回数は、導入演出のステップ数(導入演出でのリーチラインの数でもあり、味方キャラクターのストック数でもある。)に一致している。
敵キャラクターへの攻撃回数が複数回である場合、後続演出は、一番最後の攻撃が行われる最終演出と、それ以前の攻撃が行われる中間演出と、で構成される。中間演出は、1回の攻撃ごとに行われる。敵キャラクターへの攻撃回数が1回である場合、後続演出は、最終演出のみで構成される。このように、後続演出では、原則として、最終演出が行われる。なお、本実施形態では、敵キャラクターへの攻撃は、導入演出が終了したときの味方キャラクターを1つずつ消費することで行われる。従って、導入演出が終了したときの味方キャラクターの数が後続演出での攻撃回数となる。味方キャラクターが消費される順番は、「歩」が「銀」、「角」及び「飛車」より優先し、「銀」が「角」及び「飛車」より優先し、「角」が「飛車」より優先するようになっている。
図5〜図9には、導入演出でのステップ数が4である場合の表示画面13Gにおける後続演出の具体的な流れが示されている。図5の上段に示されるように、後続演出では、まず、1回目の中間演出(以下、「第1中間演出」という。)が開始され、敵キャラクターへの1回目の攻撃が行われる。第1中間演出で消費される味方キャラクターは、「歩」である。なお、第1中間演出では、導入演出で形成されたリーチラインが並び順をそのままにして表示されている。
図5の中段以下に示されるように、第1中間演出は、攻撃の結果が異なる3つのパターンに分岐する。第1中間演出の第1のパターンでは、同図の中段左に示されるように、攻撃が失敗する(ミスする)。このとき、表示画面13Gにおいて1番上のリーチラインの上に、左右の特別図柄30L,30Rとは異なる種類の図柄が真ん中の特別図柄30Cとして停止する。第1中間演出の第2のパターンでは、同図の下段に示されるように、攻撃が成功し、敵キャラクターに勝利するまではいかないものの、敵キャラクターにダメージが与えられる(同図の例では、敵キャラクターの砦が1つ壊される)。このとき、表示画面13Gにおいて1番上のリーチラインの上には、チャンス図柄(図示略)が真ん中の特別図柄30Cとして停止する。第1中間演出の第3のパターンでは、同図の中段右に示されるように、攻撃が成功して、敵キャラクターに勝利する。このとき、表示画面13Gにおいて1番上のリーチラインの上に、左右の特別図柄30L,30Rとは同じ種類の図柄が真ん中の特別図柄30Cとして停止する。そして、該リーチライン上の3つ特別図柄30L,30C,30Rが全て同じ図柄(ゾロ目)となる。
第1中間演出で第1又は第2のパターン(図5の中段左又は下段のパターン)となった場合には、次いで、図6の上段に示されるように、2回目の中間演出(以下、「第2中間演出」という。)が開始され、敵キャラクターへの2回目の攻撃が行われる。第2中間演出で消費される味方キャラクターは、「銀」である。なお、第2中間演出が開始されると、第1中間演出での味方キャラクターの消費に対応して、リーチラインが1つ減少する。具体的には、第1中間演出の実行中に1番上に表示されていたリーチラインが消失し、上から2番目以降に表示されていたリーチラインが1つ上に繰り上げられる。
図6の中段以下に示されるように、第1中間演出と同様に、第2中間演出も攻撃の結果が異なる3つのパターンに分岐する。第2中間演出の第1のパターンでは、同図の中段左に示されるように、攻撃が失敗する(ミスする)。第1のパターンでは、表示画面13Gにおいて1番上のリーチラインの上に、左右の特別図柄30L,30Rとは異なる種類の図柄が真ん中の特別図柄30Cとして停止する。第2中間演出の第2のパターンでは、同図の下段に示されるように、攻撃が成功し、敵キャラクターに勝利するまではいかないものの、敵キャラクターにダメージが与えられる(同図の例では、敵キャラクターの砦が1つ壊される)。このとき、表示画面13Gにおいて1番上のリーチラインの上には、チャンス図柄(図示略)が真ん中の特別図柄30Cとして停止する。第2中間演出の第3のパターンでは、同図の中段右に示されるように、攻撃が成功して、敵キャラクターに勝利する。このとき、表示画面13Gにおいて1番上のリーチラインの上に、左右の特別図柄30L,30Rと同じ種類の図柄が真ん中の特別図柄30Cとして停止する。そして、特図判定の結果が当りである旨が報知される。
第2中間演出で第1又は第2のパターン(図6の中段左又は下段のパターン)となった場合には、次いで、3回目の中間演出(以下、「第3中間演出」という。)が開始され、敵キャラクターへの3回目の攻撃が行われる。第3中間演出で消費される味方キャラクターは、「角」である。なお、第3中間演出が開始されると、第2中間演出での味方キャラクターの消費に対応して、第2中間演出の実行中に1番上に表示されていたリーチラインが消失し、上から2番目以降に表示されていたリーチラインが1つ上に繰り上げられる。
図3に示されるように、第1中間演出及び第2中間演出と同様に、第3中間演出も攻撃の結果が異なる3つのパターンに分岐する。第3中間演出の第1のパターンでは、攻撃が失敗する(ミスする)。第3中間演出の第2のパターンでは、攻撃が成功して、敵キャラクターにダメージが与えられる(具体的には、敵キャラクターの砦が1つ壊される)。第3中間演出の第3のパターンでは、攻撃が成功して、敵キャラクターに勝利する。なお、第3中間演出の各パターンにおける特別図柄30L,30C,30Rの停止態様も、第1中間演出及び第2中間演出と同様になっている。
図3に示されるように、導入演出でのステップ数が4である場合の後続演出では、中間演出が3回行われると、最終演出が行われる。同図に示されるように、最終演出は、それまでに行われた中間演出の内容に応じて、2つのパターンに分岐する。本実施形態の例では、最終演出の演出パターンは、それまでの中間演出で敵キャラクターに与えたダメージの大きさ、即ち、壊した砦の数nに応じて決定される。壊した砦の数nが3未満である場合、最終演出の演出パターンとして通常パターンが選択され、壊した砦の数nが3以上である場合、最終演出の演出パターンとしてチャンスパターンが選択される。
図7〜図9には、最終演出の各演出パターンの流れが示されている。図7の上段に示されるように、例えば、第3中間演出が第1のパターンであると、壊した砦の数nが3未満となり、通常パターンの最終演出が実行される。具体的には、最終演出が開始されると、第3中間演出の実行中に1番上に表示されていたリーチラインが消失し、最後のリーチラインが1つ上に繰り上げられる。また、表示画面13Gには、最後の攻撃である旨のメッセージが表示される(図7の上から2段目)。そして、最終演出で消費される味方キャラクター(図7の例では、「飛車」である。)が表示画面13Gの中央部に表示される(図7の上から3段目)。最後の攻撃が失敗すると、敵キャラクターに敗北し、表示画面13Gに表示される最後のリーチラインの上に、左右の特別図柄30L,30Rとは異なる種類の図柄が真ん中の特別図柄30Cとして停止する。そして、特図判定の結果が外れである旨が報知される(図7の最下段左)。一方、最後の攻撃が成功すると、敵キャラクターに勝利し、表示画面13Gに表示される最後のリーチラインの上に、左右の特別図柄30L,30Rと同じ種類の図柄が真ん中の特別図柄30Cとして停止する。そして、特図判定の結果が当りである旨が報知される(図7の最下段右)。
図8の上段に示されるように、第3中間演出が第2のパターンで、壊した砦の数nが3以上となると、チャンスパターンの最終演出が実行される。具体的には、まず、第3中間演出の実行中に1番上に表示されていたリーチラインが消失し、最後のリーチラインが1つ上に繰り上げられる。また、壊した砦の数nが3以上になった旨が表示される(図8の中段)。次いで、最終演出で消費される味方キャラクターのチャンスアップが行われる(図8の下段)。このチャンスアップは、味方キャラクターの態様を通常パターンの場合と異ならせることで行われ、具体的には、味方キャラクターが模す将棋の駒が裏返しにされる(図8の例では、「飛車」が「龍」に変化する。)。
味方キャラクターのチャンスアップが終了すると、表示画面13Gに、最後の攻撃である旨のメッセージが表示され(図9の上段)、最終演出で消費される味方キャラクター(図9の例では、「龍」である。)が表示画面13Gの中央部に表示される(図9の中段)。最後の攻撃が失敗すると、敵キャラクターに敗北し、表示画面13Gに表示される最後のリーチラインの上に、左右の特別図柄30L,30Rとは異なる種類の図柄が真ん中の特別図柄30Cとして停止する(図9の下段左)。そして、特図判定の結果が外れである旨が報知される。一方、最後の攻撃が成功すると、敵キャラクターに勝利し、表示画面13Gに表示される最後のリーチラインの上に、左右の特別図柄30L,30Rと同じ種類の図柄が真ん中の特別図柄30Cとして停止する。そして、特図判定の結果が当りである旨が報知される(図9の下段右)。
図10には、表示画面13Gにおける後続演出の別の例として、導入演出でのステップ数が2である場合の一例が示されている。同図の上段に示されるように、この後続演出では、まず、第1中間演出が開始され、敵キャラクターへの1回目の攻撃が行われる。第1中間演出で消費される味方キャラクターは、「歩」である。図10の例では、第1中間演出が第1のパターンとなって、攻撃が失敗する(同図の上から2段目)。第1中間演出が終了すると、通常パターンの最終演出が開始される。最終演出で消費される味方キャラクターは、「銀」である。図10の例では、最終演出で攻撃が失敗して、特図判定の結果が外れである旨が報知される。
ところで、中間演出が第2のパターンとなったときに壊される砦の数nは、1以下に限定されるものではなく、2以上であってもよい。ここで、全ての中間演出が消化される前に、壊した砦の数nが3以上となれば、未消化の中間演出が実行されることなく、最終演出が実行されてもよい。
図11(A)及び図11(B)には、特図判定の結果が当りの場合と外れの場合におけるセット演出の演出パターンの振分データテーブルが示されている。図11(A)及び図11(B)において、縦の欄は、導入演出で形成されるリーチラインの数(即ち、導入演出で進行するステップ数)の振り分けを示し、横の欄は、後続演出が終了するタイミング、即ち、後続演出において特図判定の結果が表示されるタイミングを示している。
また、図11(C)には、導入演出で形成されるリーチラインの数が3の場合と4の場合のセット演出の大当り信頼度が示されている。ここで、演出の大当り信頼度とは、その演出が実行されたときに特図判定の当りが報知される確率である。具体的には、特図判定の結果が当りであるときに該演出が実行される確率を該演出が実行される総合確率で除して定義される。
図11(C)に示されるように、リーチラインの数が3であるときのット演出のトータルの大当り信頼度は7.9%となっているが、最終演出の演出パターンによって大当り信頼度が変動する。具体的には、最終演出の演出パターンが通常パターンである場合には、大当り信頼度が3.3%と低くなり、最終演出の演出パターンがチャンスパターンである場合には、大当り信頼度が19.5%と高くなる。
また、リーチラインの数が4であるときのトータルの大当り信頼度は23.6%となっていて、リーチラインの数が3であるときよりもトータルの大当り信頼度が高くなっている。リーチラインの数が3であるときと同様に、リーチラインの数が4であるときも、最終演出の演出パターンによって大当り信頼度が変動する。具体的には、最終演出の演出パターンが通常パターンである場合には、大当り信頼度が10.3%と低くなり、最終演出の演出パターンがチャンスパターンである場合には、大当り信頼度が47.1%と高くなる。なお、リーチラインの数が3で最終演出の演出パターンがチャンスパターンであるときの大当り信頼度は、リーチラインの数が4で最終演出の演出パターンが通常パターンであるときの大当り信頼度より高くなっている。
このように、本実施形態の遊技機では、導入演出が終了してリーチラインの数(導入演出で進行するステップ数でもある。)が決定されても、後続演出の最終演出で何れの演出パターンが実行されるかによって大当り信頼度が変化する。そして、最終演出の演出パターンは、後続演出で最終演出の前に行われる中間演出の結果によって決定されるので、中間演出の展開について遊技者に興味を持たせることが可能となる。これにより、セット演出において導入演出以降行われる演出(具体的には、後続演出の中間演出)の興趣の低下を抑制可能となる。また、中間演出の実行回数は、導入演出で形成されるリーチラインの数の増加に応じて増加するので、セット演出における導入演出の興趣が低下することも抑制される。しかも、本実施形態では、リーチラインの数が多くなると、トータルの大当り信頼度が高くなるので、導入演出の展開についても遊技者に興味を持たせることが可能となる。
また、本実施形態の遊技機10では、後続演出での目的が敵キャラクターに勝利することであり、その勝利までの通過点として、中間演出で敵キャラクターの砦を壊す演出が行われる。そして、壊した砦の数nが多いと、最終演出の大当り信頼度が高くなる。このように、本実施形態では、中間演出で壊した砦の数n(言い換えれば、中間演出で到達した通過点の数)の増加に応じて、最終演出の大当り信頼度が高くなるので、後続演出での展開、特に、中間演出で砦を壊すか否かについて、遊技者に興味を持たせることが可能となる。具体的には、遊技機10では、壊した砦の数nが3未満であると、最終演出の演出パターンが通常パターンとなり、壊した砦の数nが3以上であると、最終演出の演出パターンが、通常パターンよりも大当り信頼度が高いチャンスパターンとなる。従って、遊技機10では、中間演出で砦を3つ以上壊すか否かについて遊技者に興味を持たせることが可能となる。
また、本実施形態の遊技機10では、中間演出の演出パターンとして、敵キャラクターに勝利するパターン(例えば、図6の中段右を参照)、即ち、特図判定の結果が当りである旨が報知されるパターンが存在するので、中間演出で砦を壊すか否かについてのみ注意を払っていた遊技者に意外性を付与可能となる。
図12には、上記したセット演出を実行するための遊技機10の電気的な構成が示されている。同図において、符号50は主制御回路50、符号52はサブ制御回路52、符号54は表示制御回路54である。
主制御回路50は、CPU50A、RAM50B及びROM50Cを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータとサブ制御回路52を接続する入出力回路と、該マイクロコンピュータと第1大入賞装置15A等を図示しない中継回路を介して接続する入出力回路とを備え、遊技に関わる主制御を行う。CPU50Aは、当否判定部、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、特図判定や普通図柄当否判定に関する乱数等を生成し、制御信号をサブ制御回路52等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM50Bは、CPU50Aで生成される各種乱数値用の記憶領域、特図判定の結果表示や図柄変動の保留に関する記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPU50Aの作業領域を備える。ROM50Cには、CPU50Aで実行されるメインプログラムや制御データの他、特図判定及び普通図柄当否判定の判定値等が書き込まれている。
主制御回路50は、特図判定を実行し、特図判定が当りのときには、大当り遊技を実行する。具体的には、第1始動入賞口14AK又は第2始動入賞口14BKへの入球をセンサが検出すると、その検出信号が主制御回路50に出力される。該センサからの検出信号を受信した主制御回路50は、特図判定用の乱数を取得し、その取得した乱数が特図判定の判定値に一致するか否かを判断し、特図判定の結果をサブ制御回路52に送信する。そして、特図判定の結果が当りである場合、主制御回路50は、第1大入賞装置15A又は第2大入賞装置15Bに制御信号を送信して、大当り遊技を実行する。なお、大当り遊技の実行は、表示画面13Gにおいて特別図柄30L,30C,30Rによる特図判定の結果が報知された後に行われる。
サブ制御回路52は、主制御回路50と同様に、CPU52A、RAM52B及びROM52Cを備えたマイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータと主制御回路50を結ぶ入出力回路と、該マイクロコンピュータと表示制御回路54を結ぶ入出力回路と、を備えている。CPU52Aは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、制御信号を表示制御回路54等へ出力(送信)可能に構成されている。RAM52Bは、各種データの記憶領域とCPU52Aによる作業領域を有している。ROM52Cには、CPU52Aで実行されるメインプログラム、特別図柄30L,30C,30Rの変動パターンテーブル、示唆演出の演出パターンテーブル等が記憶されている。
なお、図11(A)及び図11(B)に示されたセット演出の振分データテーブルは、ROM52Cに記憶されている。また、セット演出を含む示唆演出の演出パターンの振り分けは、CPU52Aで生成される演出用乱数に基づいて行われる。具体的には、サブ制御回路52は、主制御回路50で行われた特図判定の結果に基づいて、ROM52Cに記憶されている当り用演出パターンテーブル又は外れ用演出パターンテーブルの何れかを参照し、その演出パターンテーブルと演出用乱数とに基づいて演出パターンを決定する。
表示制御回路54は、表示装置13に組み込まれ、サブ制御回路52からの制御信号に基づきCPUがROMから所定の表示制御データを読み出し、RAMの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、CPUからの指令に基づいてROMから必要なデータを読み出し、表示画面13Gで表示する画像(特別図柄30L,30C,30R、チャンス図柄、背景画像、キャラクター画像、文字画像等)のマップデータを作成し、VRAMに格納する。VRAMに格納記憶された画像データは、入出力回路に備えるD/A変換回路にてRGB信号に変換されて表示画面13Gに出力される。
以下、本実施形態の遊技機10から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下では、理解の容易のため、本実施形態の遊技機10において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
以下の特徴A群は、「特別遊技が実行される蓋然性を演出で示唆する」遊技機に関し、「特許文献A(特開2010−279555号(段落[0130]、[0162]))の遊技機では、リーチ演出が実行されるときに、リーチラインの数の増加に応じて大当りに対する信頼度が高く設定されている。」いう背景技術について、「特許文献Aの遊技機では、リーチラインの数が決まった段階で大当りに対する信頼度も決まってしまうため、演出の残りの部分の興趣が低いという問題があった。」という課題をもってなされたものである。
[特徴A1]
識別図柄(特別図柄30L,30C,30R)を変動表示する変動表示手段(表示装置13)と、
前記識別図柄が特定の態様(ゾロ目)で停止表示されることに基づいて、遊技者に有利となる特典を付与可能な特別遊技(大当り遊技)を実行する特別遊技実行手段(主制御回路50)と、
前記識別図柄の変動が停止される前に該識別図柄が前記特定の態様で停止する蓋然性を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(サブ制御回路52)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記示唆演出には、
1又は複数段階のステップからなるステップアップ演出(セット演出の導入演出)と、
前記ステップアップ演出より後に行われる後続演出(セット演出の後続演出)と、が含まれ、
前記後続演出では、前記識別図柄が前記特定の態様で停止することに対する信頼度(大当り信頼度)を上げる契機となる契機演出(中間演出)を1回又は複数回繰り返して実行可能であって、その契機演出の実行回数が前記ステップアップ演出のステップ数の増加に応じて増加するように設定されている、遊技機。
本特徴に示す構成では、ステップアップ演出が行われた後の後続演出で、ステップ数の増加に応じた数だけ契機演出が実行される。そして、契機演出は、識別図柄が特定の態様で停止する、即ち、特別遊技が実行されることに対する信頼度を上げる契機となっている。本特徴の構成によれば、示唆演出において、ステップアップ演出が終了しても、契機演出で信頼度が上昇するか否かについて遊技者に興味を持たせることが可能となり、示唆演出の興趣の低下を抑制することが可能となる。
[特徴A2]
前記契機演出の実行回数は、前記ステップアップ演出のステップ数(導入演出で進行したステップ数。導入演出で形成されたリーチラインの数でもある。)から特定の数を差し引いた回数(ステップ数から1を差し引いた回数)である、特徴A1に記載の遊技機。
契機演出の実行回数は、特定の回数にステップ数を加えた回数あってもよいし、本特徴に示す構成のように、ステップ数から特定の数を差し引いた回数であってもよい。本特徴の構成によれば、ステップアップ演出においてステップ数が特定の数を超えるか否かに興味を持たせることが可能となる。
[特徴A3]
前記後続演出には、全ての前記契機演出が消化された後に行われる消化後演出(最終演出)が含まれ、
前記契機演出では、前記後続演出において設定された目標(敵キャラクターに勝利すること)までに設定された1又は複数の通過点(敵キャラクターの砦を壊すこと)に到達したか否かが示され、
前記消化後演出は、前記契機演出で到達した前記通過点の増加に応じて、前記信頼度が高くなるように設定されている、特徴A1又はA2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、後続演出で到達した通過点の増加に応じての信頼度が高くなるので、後続演出の展開について遊技者に興味を持たせることが可能となる。
[特徴A4]
前記消化後演出の演出パターンには、前記契機演出で到達した前記通過点が規定数未満である場合に実行される通常演出パターン(最終演出の通常パターン)と、前記契機演出で到達した前記通過点が規定数以上である場合に実行される特別演出パターン(最終演出のチャンスパターン)と、が含まれ、
前記特別演出パターンの前記信頼度が前記通常演出パターンの前記信頼度よりも高く設定されている、特徴A3に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、後続演出において規定数以上の通過点に到達するか否かについて遊技者に興味を持たせることが可能となる。
[特徴A5]
前記契機演出には、前記識別図柄が前記特定の態様で停止することが確定する演出パターン(中間演出で敵キャラクターに勝利する演出パターン)が含まれる、特徴A1乃至A4のうち何れか1に記載の遊技機。
本特徴に示す構成では、契機演出において識別図柄が前記特定の態様で停止することが確定する場合があるので、遊技者に意外性を付与可能となる。
[特徴A6]
前記示唆演出には、複数列のうち一列を除いた残りの列に前記識別図柄を停止させたときに前記特定の態様となる組合せが成立する可能性のあるリーチ状態を形成するリーチ演出が含まれ、
前記ステップアップ演出及び前記後続演出は、前記リーチ演出を伴って実行され、
前記ステップアップ演出のステップ数は、前記リーチ状態におけるリーチラインの数に一致する、特徴A1乃至A4のうち何れか1に記載の遊技機。
ステップアップ演出のステップ数は、演出要素の態様が段階的に変化する場合における演出要素の態様で表されてもよいし、演出要素の数が段階的に変化する場合における演出要素の数で表されてもよいし、本特徴の構成に示されるように、リーチラインの数が段階的に変化する場合におけるリーチラインの数で表されてもよい。
[特徴A7]
識別図柄(特別図柄30L,30C,30R)を変動表示する変動表示手段(表示装置13)と、
前記識別図柄が特定の態様(ゾロ目)で停止表示されることに基づいて、遊技者に有利となる特典を付与可能な特別遊技(大当り遊技)を実行する特別遊技実行手段(主制御回路50)と、
前記識別図柄の変動が停止される前に該識別図柄が前記特定の態様で停止する蓋然性を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(サブ制御回路52)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記示唆演出には、
演出要素(味方キャラクター)をストック可能なストック演出(セット演出の導入演出)と、
前記ストック演出に次いで行われ、前記識別図柄が前記特定の態様で停止することを報知可能な報知タイミング(中間演出が終了するタイミング)が前記ストック演出でのストック数に応じた数だけ設けられた後続演出(セット演出の後続演出)と、が含まれ、
前記後続演出では、前記報知タイミングで前記識別図柄が前記特定の態様で停止することが報知されない場合であっても、その報知タイミングで前記識別図柄が前記特定の態様で停止することに対する信頼度(大当り信頼度)を上げる契機となる契機演出(中間演出)が実行される、遊技機。
本特徴に示す構成では、ストック演出が行われた後の後続演出で、識別図柄が特定の態様で停止する、即ち、特別遊技が実行されることを報知可能な報知タイミングがストック数に応じた数だけ設定される。そして、報知タイミングでは、識別図柄が特定の態様で停止することが報知されない場合であっても、該特定の態様で停止することに対する信頼度を上げる契機となる契機演出が実行される。本特徴の構成によれば、示唆演出において、ストック演出が終了しても、契機演出で信頼度が上昇するか否かについて遊技者に興味を持たせることが可能となり、示唆演出の興趣の低下を抑制することが可能となる。
[特徴A8]
前記報知タイミングの数は、前記ストック演出でのストック数から特定の数を差し引いた数(ストックした味方キャラクターの数から1を差し引いた数)である、請求項1に記載の遊技機。
報知タイミングの数は、特定の数にストック数を加えた数あってもよいし、本特徴に示す構成のように、ストック数から特定の数を差し引いた数であってもよい。本特徴の構成によれば、ストック演出においてストック数が特定の数を超えるか否かに興味を持たせることが可能となる。
[特徴A9]
当否判定結果(特図判定の結果)が当りであることに基づいて、遊技者に有利となる特典を付与可能な特別遊技(大当り遊技)を実行する特別遊技実行手段(主制御回路50)と、
前記特別遊技が実行される蓋然性を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(サブ制御回路52)と、を有する遊技機(遊技機10)において、
前記示唆演出には、
その示唆演出の最後に行われる最終演出(後続演出の最終演出)と、
前記最終演出に先立って行われ、前記最終演出の前記当りに対する信頼度を高める契機となる契機タイミング(中間演出)を有する事前演出(後続演出のうち最終演出より前に行われる部分)と、
前記事前演出に先立って前記契機タイミングの数(中間演出の実行回数)を決定する導入演出(導入演出)と、が含まれる、遊技機。
本特徴に示す構成では、導入演出において事前演出での契機タイミングの数が決定される。契機タイミングは、事前演出の後に行われる最終演出の信頼度を高める契機となる。従って、導入演出では契機タイミングの数について、事前演出では最終演出の信頼度について、遊技者に興味を持たせることが可能となる。このように、本特徴の構成によれば、示唆演出において導入演出が終了しても遊技者の興味を持続させることが可能となり、示唆演出の興趣の低下を抑制することが可能となる。
なお、特徴A7,A8に示す構成に、特徴A3〜A6に示す構成が組み合わされてもよい。その際、特徴A6の「ステップアップ演出」を特徴A7,A8の「ストック演出」に置き換えればよい。また、特徴A9に示す構成に、特徴A1〜A8に示す構成が組み合わされてもよい。その際には、特徴A1〜A8の「契機演出」、「消化後演出」を特徴A9の「事前演出」、「最終演出」に、特徴A1〜A6の「ステップアップ演出」を特徴A9の「導入演出」に、特徴A7、A8の「ストック演出」を特徴A9の「導入演出」に置き換えればよい。
[特徴A群に含まれる他の実施形態]
特徴A群には、上記実施形態の他に、例えば、以下に示される実施形態も含まれる。
(1)後続演出での中間演出の実行回数が、導入演出で進行したステップ数と同じであってもよいし、該ステップ数より所定数多い回数であってもよい。
(2)後続演出での中間演出の実行回数が、導入演出で1又は複数のステップが進行したときに1回増えてもよい。この場合、中間演出の実行回数の増加に必要なステップ数は、固定されてもよいし変動してもよい。
(3)最終演出の大当り信頼度が、壊した砦の数nに比例して増加してもよい。
(4)特別図柄30L,30C,30Rの変動と特図判定の結果表示が保留されている場合には、セット演出は、その保留内で連続する複数回の図柄変動に跨って行われてもよい。この場合、導入演出が複数回の図柄変動に亘って行われ、最後の図柄変動において後続演出が行われる。
(5)導入演出をステップアップ演出と捉えた場合のステップの進行は、リーチラインの増加の代わりとして、演出要素や態様変化や増加であってもよいし、疑似連の回数であってもよい。
(6)導入演出では、表示画面13Gが複数分割されて、各分割画面で特別図柄30L,30C,30Rを変動表示させ、リーチとなった分割画面の数をリーチラインの数としてもよい。この場合、複数の分割画面で、同じ種類の図柄(例えば、数字の「1」)がリーチを形成してもよい。