JP2019165528A - 電源装置、電源システム、及び電源装置におけるac商用電圧のゼロクロス点検出方法 - Google Patents

電源装置、電源システム、及び電源装置におけるac商用電圧のゼロクロス点検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回路を小型化しながら、精度良くゼロクロス点が検出できる、電源装置の提供。【解決手段】AC商用電源の交流電圧を直流電圧VDCに変換するアクティブPFC機能を搭載した絶縁型フライバック方式のAC/DCコンバータ2と、前記AC/DCコンバータの出力の直流電圧VDCからリップル電圧波形VRIPを取り出すACカップリング部又はオフセット部3と、前記ACカップリング部又はオフセット部の後段に接続され、前記リップル電圧波形VRIPを半波にする半波整流回路5、及び該半波整流回路の後段に接続され、前記半波を基に2値信号を出力するシュミットトリガ回路6を備えるゼロクロス点検出部4と、を備える電源装置1。【選択図】図1

Description

本発明は、電源装置、電源システム、及び電源装置におけるAC商用電圧のゼロクロス点検出方法に関する。
画像形成装置の電源装置やAC制御基板には、ヒータ定着制御に必要な情報として、AC商用電源の電圧値や位相をシステム制御部へ伝えるためにAC商用電圧検出回路やゼロクロス点検出回路を装備している。
一般的な画像形成装置向けの電源装置のための基板において、AC商用電圧検出用とゼロクロス点検出用とで各々専用回路の検出基板を実装している技術がある。
例えば、特許文献1には、AC商用電源との絶縁確保のために絶縁素子としてフォトカプラを使用し、AC商用電源のゼロクロス点を検出する技術が開示されている。
また、特許文献2には、AC商用電源との絶縁確保のために絶縁素子として低周波トランスを使用して、AC商用電圧の電圧値を検出する技術が開示されている。
しかし、特許文献1の構成では、フォトカプラの特性によりゼロクロス点の検出の精度が悪く、使用する商用電圧に応じてフォトカプラの仕様を使い分けたとしても、使用する温度変化により、ゼロクロス点の検出のばらつきが発生してしまっていた。
また、特許文献2のAC商用電圧検出回路では、絶縁確保のために使用するトランスが、サイズの大きい低周波用であるため、回路実装面積が大きくなってしまった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、回路を小型化しながら、精度良くゼロクロス点が検出できる、電源装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様では、
AC商用電源の交流電圧を直流電圧に変換するアクティブPFC機能を搭載した絶縁型フライバック方式のAC/DCコンバータと、
前記AC/DCコンバータの出力の直流電圧からリップル電圧波形を取り出すACカップリング部又はオフセット部と、
前記ACカップリング部又はオフセット部の後段に接続され、前記リップル電圧波形を半波にする半波整流回路、及び該半波整流回路の後段に接続され、前記半波を基に2値信号を出力するシュミットトリガ回路を備えるゼロクロス点検出部と、を備える
電源装置、を提供する。
一態様によれば、電源装置において、回路を小型化しながら、精度良くゼロクロス点が検出できる。
本発明の実施形態に係る電源装置の構成についての概略図。 比較例に係る電源装置の構成図。 比較例のフォトカプラを用いたAC商用電圧のゼロクロス点の検出についての説明図。 AC商用電源100V、200Vの、フォトカプラにバラツキを示す表。 図5に対応するAC商用電源100V、200Vの、フォトカプラにバラツキを示すグラフ。 本発明のゼロクロス点検出に使用する、リップル電圧波形とAC商用電圧について説明する図。 本発明のゼロクロス点検出の波形処理による検出手順について説明する図。 本発明のゼロクロス点検出における、リップル電圧波形とAC商用電圧波形との時間差について説明する図。 本発明のゼロクロス点検出の精度について説明する図。 本発明のAC商用電圧検出に使用する電源出力のDC電圧に含まれるリップル電圧のピークトゥーピーク電圧について説明する図。 本発明のAC商用電圧検出の電圧領域による識別方法について説明する図。 本発明のAC商用電圧検出の波形処理による検出手順について説明する図。 本発明の図1の電源装置の波形処理回路の詳細な構成例を示す回路図。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。下記、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<本発明の電源装置>
図1は、本発明の実施形態に係る電源装置の構成についての概略図である。
電源装置1は、AC商用電源10からAC(Alternating Current)商用電圧(交流電圧)VACが供給され、直流電圧に変換して、システム制御部30にDC(Direct Current)電圧(直流電圧)を供給する。電源装置1及びシステム制御部30は、電源システム100として機能する。
電源装置1は、電源部2、ACカップリング部又はオフセット部3、ゼロクロス点検出部4、及び両極性ピーク検出回路7を備える。電源部2は、アクティブPFC搭載絶縁型フライバックコンバータである。
ゼロクロス点検出部4は、半波整流回路5及びシュミットトリガ回路6によって構成されている。両極性ピーク検出回路7は、AC商用電圧検出部として機能する。
ACカップリング部又はオフセット部3、半波整流回路5、シュミットトリガ回路6、及び両極性ピーク検出回路7は、電源部2のための波形処理回路である。
電源部(電圧変換部)2は、AC商用電源10から電源部2へAC商用電圧VACが入力され、直流電圧に変換して出力する。電源部2は、AC-DCコンバータであって、ダイオードブリッジ21、電解コンデンサ22、高周波トランス23、整流ダイオード24、制御IC(Integrated Circuit)25、及びコイル26が設けられている。この電源部2では、高周波トランス23によってAC商用電圧と絶縁されている。
制御IC25は、高周波トランス23へのON/OFFを制御するスイッチ信号を発生する機能と、アクティブPFC(Power Factor Correction:力率改善回路)のための監視機能とを有している。
電源部2では、4個のダイオードを組み合わせたダイオードブリッジ21によって、入力されるAC商用電圧波形のマイナス側を反転させてプラス側に出して、全波形をプラス側の電圧にする。
電源部2のダイオードブリッジ21の後段の電解コンデンサ22、高周波トランス23、整流ダイオード24は、フライバック式DC‐DCコンバータであって、ON/OFF制御されるコンバータである。フライバック式DC‐DCコンバータでは、高周波トランス23の一次巻線と二次巻線が逆極性に接続している。フライバック式DC‐DCコンバータでは、制御IC25からの入力(スイッチ信号)がON期間に高周波トランス23の一次側がエネルギーを蓄積して、入力がOFF期間に二次側巻線から放出したエネルギーを、電解コンデンサ22及び整流ダイオード24で整流して直流化する。
また、制御IC25及びコイル26で構成されるアクティブPFC部では、交流電圧のピーク部分でのみ発生させる通常のパルス状の電流パターン(高調波)に代えて、ピーク部以外の期間もコイル26に電力を貯め込むことで、電流波形が正弦波になるように制御する。これにより、生成される電流波形(出力電流)が、高調波を含まないように、電圧波形と同相、相似形になるように補正される。
電源部2において、交流から直流に変換された直流電圧は、電解コンデンサ22によって平滑されてもリップル(Ripple:脈流)は残り、その振幅であるリップル電圧は電解コンデンサ22の容量と負荷によって変化する。
電源部2の出力の、リップル電圧が含まれる直流電圧(DC電圧)VDCは、ACカップリング部又はオフセット部3へ入力されている。
ACカップリング部又はオフセット部3の出力の1つは両極性ピークを検出する両極性ピーク検出回路7へ接続されている。
両極性ピーク検出回路7はAC商用電圧検出部であり、AC商用電圧信号を生成し、システム制御部30へ出力する。
ACカップリング部又はオフセット部3の出力の他方は、半波整流回路5とシュミットトリガ回路6で構成されるゼロクロス点検出部4へ接続されている。ゼロクロス点検出部4は、リップル電圧波形VRIPを用いてゼロクロス点信号を生成して、システム制御部30へ出力する。
システム制御部30は、電源入力端子31、AC商用電圧検出端子32、及びゼロクロス点検出端子33を備える。電源入力端子31には、電源部2からの直流電圧VDCが入力される。
システム制御部3のAC商用電圧検出端子32は、両極性ピーク検出回路7からのAC商用電圧信号により、AC商用電圧の正確な電圧値を検出する。
ゼロクロス点検出端子33は、ゼロクロス点検出部4からのゼロクロス点信号により、AC商用電圧の位相を検出する。
<比較例>
ここで、従来との比較のため、図2〜図5を用いて、比較例における、AC商用電源のゼロクロス点およびAC商用電圧検出について説明する。
図2は、比較例に係る電源装置の構成図である。図2に示す比較例の電源装置1Xは、電源部2Xと、電源部2Xの波形処理回路としての、リレー8と、ゼロクロス点検出部4Xと、AC商用電圧検出部9とを備えている。
リレー8は、システム制御部30Xのリレー電源34から電力を受け、リレーON/OFF制御部35によって制御されてON/OFFされる。
ゼロクロス点検出部4Xは、ダイオードブリッジ41と、フォトカプラ42と、同期パルス回路43とを備えている。
AC商用電圧検出部9は、低周波トランス91と、ダイオードブリッジ92と、検知回路93と、を備えている。
比較例の電源装置1Xでは、AC商用電源10からのAC商用電圧VACの1つが、リレー8を経由して接続することで、ゼロクロス点検出部4Xへ入力される。
ゼロクロス点検出部4XにAC商用電圧VACが入力されると、ダイオードブリッジ41にて整流して、フォトカプラ42に電圧が印加されてフォトカプラ42が動作する。そして、フォトカプラ42のCTR(電流伝達率:Current Transfer Ratio)に準じた電流でフォトカプラ42の2次側に接続された同期パルス回路43が動作することでゼロクロス信号が生成される。
この比較例では、電源部2Xの入力前のAC商用電圧を、ゼロクロス点検出部4Xに引き込んでいる。そのため、ゼロクロス点検出部4XにおけるAC商用電源10との絶縁のために、フォトカプラ42を必要とし、ゼロクロス点検出部4Xの回路規模が大きくなる。
また、電源装置1Xでは、AC商用電源10からのAC商用電圧VACのもう1つが、リレー8を経由して接続することで、AC商用電圧検出部9へ入力される。
AC商用電圧検出部9では、入力されたAC商用電圧VACが低周波トランス91にて降圧される。その降圧された電圧をダイオードブリッジ92にて整流して、検知回路93にて直流電圧信号に変換する。直流変換された信号をシステム制御部で換算しAC商用電圧の電圧値を算出する。
図2のAC商用電圧検出部9による電源電圧検出方法では、AC商用電圧を直流電圧信号に変換して測定するので、トランス91、ダイオードブリッジ92、検知回路93が必要となる。この比較例では、AC商用電圧検出部9は、低周波トランス91にてAC商用電圧と絶縁されるため、回路規模が大きくなる。
ここで、図3〜図5を用いてフォトカプラの特性について説明する。
図3は、フォトカプラを用いたAC商用電圧のゼロクロス点の検出について説明する図である。
フォトカプラがゼロクロス点を検知する場合、フォトカプラを含む検出回路(例えば、ゼロクロス点検出部4X)は、図3に示すようにAC商用電圧のゼロクロス点が、低電位保持期間内に収まるように、矩形波(2値信号)を生成することで、ゼロクロス点を検知する。
この際、フォトカプラを含む検出回路は、矩形波の、下に凸の部分である低い電位保持期間の全幅において、その電位が始まる低電位開始点(立ち下がり時間)から所定時間(フロント時間)経過した時間が、実際にAC商用電圧が0Vに交差するゼロクロス点となる。
そのため、矩形波の立ち下がりタイミングである低電位開始時間と、実際にAC商用電圧が0Vとクロスするゼロクロス点との時間差(フロント)が、測定の際のゼロクロス点の時間差になり、AC商用電圧のゼロクロスが、フロントの分、早まって検出されることになる。
また、通常フォトカプラは、同一部品でもCTR(電流伝達率)が50%〜600%まで分布する。そのため、AC商用電源が異なる仕向け地(国や地域)により、例えば下記のようにCTRを指定する。
100V系:80%〜160%
200V系:200%〜400%
そのため、ゼロクロス点検出にフォトカプラを使用する一般的な電源構成では、AC商用電圧VACによる変動や環境温度によるCTR変動を小さくするため、仕向地(AC商用電源100V系200V系)に準じてフォトカプラの部品の特性値としてCTRを指定し、使い分けている。
ここで、図2に示す比較例の電源装置におけるゼロクロス点について測定した。図4、図5を用いて、図2に示す比較例の電源装置におけるゼロクロス点検出を説明する。
図4はフォトカプラのバラツキを示す表である。図4において、(a)は、AC商用電源100Vのフォトカプラのバラツキを示し、(b)はAC商用電源200Vのフォトカプラのバラツキを示している。
図4において、フロントは低電位開始時間からAC商用電圧のゼロクロス点までの時間差、全幅は、図3(b)に示す矩形波における低電位保持期間を示している。フロント、全幅の数値の単位は、msである。また、左の欄のCTR列は常温(25℃)でのCTR値を示している。
表の分布をわかりやすくするため、フロントの値を縦軸に、AC商用電圧VAC(83V,138V)を横軸に、各変動要因(周波数、環境温度、CTR)で比べた例を図5(a)、図5(b)に示す。図5(a)は図4(a)の表のAC商用電源100Vのフォトカプラのフロントバラツキの比較を示し、図5(b)は図4(b)の表のAC商用電源200Vのフォトカプラのフロントのバラツキの比較を示す。
図5(a)、図5(b)により、フロントは温度に応じて太線矢印の範囲でばらつくことがわかる。
100V系:0.077ms〜1.13ms
200V系:0.253ms〜1.794ms
電圧全範囲では、0.077ms〜1.794ms(0.08ms〜1.80msとする)
このように、仕向地(AC商用電源100V系200V系)に応じて仕分けたとしても、図4、図5に示すように、低電位保持期間の開始からゼロクロス点までの時間差であるとフロントの時間は、大きく変動する。
即ち、ゼロクロス点検出として比較例のようにフォトカプラを使用すると、環境温度により部品特性(CTR)が大きく変わり、さらにAC商用電圧によりフォトカプラに流れる電流も変わることから、ゼロクロス点検出が大きく変動する。
これに対して、本発明では、ゼロクロス点の検出にフォトカプラは使用しない。本発明のゼロクロス点の詳細について下記説明する。
<本発明の波形処理:リップル電圧のAC成分>
図6は、本発明のゼロクロス点検出で使用する、リップル電圧波形とAC商用電圧について説明する図である。
図1の構成において、ゼロクロス検出は、アクティブPFC搭載絶縁型フライバックコンバータ2の出力電圧の波形特性から算出していく。
電源部2を構成するアクティブPFC搭載絶縁型フライバックコンバータ2は、電解コンデンサ22の容量が小さく、フライバック方式のコンバータであるため、AC商用電源の周波数特徴が、電源部2からの出力の直流電圧VDCにおいて、そのままリップル電圧として重畳して現れる。
ゼロクロス点検出において、このリップル電圧を利用する。詳しくは、電源部2の出力の直流電圧VDCには、周波数特徴として、AC商用電源の周波数(50Hz,60Hz)の倍の周波数のリップル電圧が現れる。
そして、ACカップリング部又はオフセット部3は、電源出力の直流電圧VDCからACカップリング(あるいはDC成分のオフセット)してAC成分波形(リップル電圧)のみ取り出すと、図6のように、位相としてリップル電圧波形VRIPの上から下へ0Vと交差する点でAC商用電源周波数がゼロクロスする点とがほぼ合致する。これによりAC商用電圧や周波数が変動してもゼロクロス点を精度よく検出できる。
<ゼロクロス点検出>
図7は、本発明のゼロクロス点検出の波形処理による検出手順について説明する図である。
検出手順として図のように、電源部2の出力⇒ACカップリング(あるいはDCオフセット)回路⇒半波整流回路5⇒シュミットトリガ回路6の順でゼロクロス点を検出する。また各回路で、どのように波形整形していくかを右側に図で示している。
S1:電源部2は、リップルを含むDC電圧波形VDCを出力する。このDC電圧波形には、交流成分であるリップル電圧が重畳している。
S2:ACカップリング部3では、電源部2から出力されたAC(交流)成分(リップル成分)とDC(直流)成分の両方を含むDC電圧波形VDCから、DC信号成分を除去してAC成分(リップル電圧VRIP)を取り出す。電源出力のDC電圧波形VDCのDC成分が電圧オフセットとなり、そのオフセットを除去することで後段の計測の分解能を向上することができる。
S3:半波整流回路5では、電源出力のDC電圧波形VDCのリップル電圧から取り出されたAC成分であるリップル電圧波形VRIPを、半周期ごとにカットして半周期だけ電流を流すように整流する。
S4:シュミットトリガ回路6では、入力信号に対する閾値を2つ持ち、入力信号の電位が高い閾値を超えたときに論理Hの電位を出力し、逆に入力信号の電位が低い閾値を下回ったときに論理Lの電位を出力する。入力信号が低い閾値と高い閾値の間にあるときは直前の出力電位を保持する。シュミットトリガ回路6により出力された波形は2値信号(矩形波)になり、立ち下がり部分でゼロクロスのタイミングを検出する。
次に、AC商用電源の交流電圧波形(AC商用電圧波形)と、電源出力のDC電圧波形VDCのリップル電圧から取り出されたAC成分であるリップル電圧波形VRIPとを比較する。図8は、本発明のゼロクロス点検出における、リップル電圧波形とAC商用電圧波形との時間差について説明する図である。
詳しくは、図8(a)は、リップル電圧波形VRIPとAC商用電圧波形を示す図である。図8(b)はAC商用電源10が低電圧(83V)のときのリップル電圧波形VRIPとAC商用電圧波形のゼロクロス点付近の拡大図である。図8(c)はAC商用電源10が高電圧(276V)のときのリップル電圧波形VRIPとAC商用電圧波形のゼロクロス点付近の拡大図である。
図8(a)を参照すると、リップル電圧波形VRIPが上から下へ0Vと交差する点で、AC商用電圧波形のゼロクロス点がほぼ合致している。
しかし、その拡大波形にて時間差を確認すると、図8(b)に示すAC商用電源の低電圧(83V)と、図8(c)に示す高電圧(276V)で、リップル電圧波形VRIPとAC商用電圧波形で時間差が発生している。そして、図8(b)と図8(c)を比較すると、高電圧になるほど時間差が大きくなる。
図8の例では、リップル電圧波形VRIPと、AC商用電圧のゼロクロス点との時間差は、最小差0.25ms(83Vのとき)、最大差0.63ms(276V)となる。
また、図8(b)及び図8(c)より、リップル電圧波形VRIPのゼロクロス点は、AC商用電圧波形のゼロクロス点よりも、早まるように時間差が発生することがわかる。
次に、上記のゼロクロス点検出手順によって発生する本発明のゼロクロス点の検出誤差について説明する。図9は、本発明のゼロクロス点検出の精度について説明する図である。
まず、(1)として、図6で示したように、電源出力のDC電圧波形VDCのリップル電圧から取り出されたAC成分であるリップル電圧波形VRIPは、AC商用電圧波形の本来のゼロクロス点から、0.25ms〜0.63ms早まる方に時間差が発生する。
加えて、(2)半波整流後のシュミットトリガ回路6の閾値の特性により、シュミットトリガ回路6の入力値であるリップル電圧波形VRIPのゼロクロス点から0.2msで時間遅延する。この遅延時間はAC商用電圧や環境温度でのばらつきは小さく、固定値となる。
そして、システム制御部30において、(1)の時間差(誤差)から(2)の固定値(0.2ms)を差し引くように補正すると、(3)差分の0.05ms〜0.43msの誤差が発生する。
ここで、本発明の誤差と、AC商用電圧や環境温度で変動するフォトカプラを使用したゼロクロス点検出の誤差0.08ms〜1.80msと比較すると、本発明のゼロクロス点検出の方が誤差が少なく、精度が良いことがわかる。
<AC商用電圧の検出>
図10〜図12を用いて、本発明のAC商用電圧検出の方法について説明する。
図10は、本発明のAC商用電圧検出に使用する電源出力のDC電圧に含まれるリップル電圧のピークトゥーピーク電圧について説明する図である。
図1の構成において、AC商用電圧検出も、アクティブPFC搭載絶縁型フライバックコンバータ2の出力電圧の波形特性から算出していく。
両極性ピーク検出回路7から成るAC商用電圧検出部では、この電源部2のリップル電圧を含むDC電圧波形に含まれるリップル電圧の最大値と最小値の差(=リップルの幅)であるピークトゥーピーク電圧の値を利用する。
図11は、本発明のAC商用電圧検出の電圧領域による識別方法について説明する図である。
AC商用電圧検出方法として、アクティブPFC搭載絶縁型フライバックコンバータの出力電圧は、AC商用電圧の電圧領域に応じて、図11のようにピークトゥーピーク電圧の値が変動する。
図11のようにピークトゥーピーク電圧値がリニア特性ではないのでAC商用電源の100V系の電圧領域、200V系の電圧領域のどちらを使用するか、システム制御部30であらかじめ設定した上でピークトゥーピーク電圧検出値からAC商用電圧を識別する。
図12は、本発明のAC商用電圧検出の波形処理による検出手順について説明する図である。
検出手順としてS11での電源装置出力からS12のACカップリング(あるいはDC成分のオフセット)までは、図7に示すゼロクロス点検出と同様であるが、AC商用電圧検出では、ACカップリング(オフセット)後に、両極性ピーク検出回路7にてピークトゥーピーク電圧値を取り出す(S13)。
また各回路で、どのように波形整形していくかを右側図で示している。図11において、S11、S12は、図7のS1、S2と共通する。
S13:両極性ピーク検出回路7は、ピークトゥーピーク電圧値を取り出すことで、リップル電圧をとり除いた、安定した直流電圧値を出力する。例えば、両極性ピーク検出回路7は、リップル電圧のプラス側とマイナス側のピーク値をホールドして中央値を算出し、S12でオフセットさせたDC成分を基に戻すようにオフセットさせることで、安定した直流電圧値を出力する。
<電源装置の波形処理回路>
図13は、本発明の図1の電源装置の波形処理回路の詳細な構成例を示す回路図である。なお、図13に示す回路構成は一例であって、各部の上述の図6〜図11で示した波形処理が達成できれば、他の回路構成であってもよい。
ACカップリング部3は、信号に対して直列に接続される、コンデンサC0によって構成される。
半波整流回路5は、オペアンプO1と、2つのダイオードD1,D2、及び抵抗R1を備えている。オペアンプO1により、Vin<0のときにVout=0を出力することで、半波を生成する。
シュミットトリガ回路6は、2つのNPNトランジスタT1,T2、5つの抵抗R2〜R6を備えている。T1,T2が夫々閾値に対してオン、オフすることで、シュミットトリガ回路6は、ヒストリシス特性を有する。
両極性ピーク検出部は、4つのオペアンプO2〜O5と、2つのダイオードD3、D4と、4つのコンデンサC1〜C4と、2つのスイッチS1、S2と、1つの可変抵抗接続オペアンプO6と、9個の抵抗R7〜R16とを備えている。
両極性ピーク検出回路7の上段の2つのオペアンプO2、O3と、ダイオードD3、2つのコンデンサC1、C2と、スイッチS1と、4つの抵抗R7〜R10はピークホールド回路である。同様に、下段の2つのオペアンプO4、O5と、ダイオードD4、2つのコンデンサC3、C4と、スイッチS2と、4つの抵抗R11〜R14はピークホールド回路である。
可変抵抗接続オペアンプO6と抵抗R15は、入力のオフセット電圧を調整する。
図1に示したように電源部2は、低周波トランスよりも小さい高周波トランスによって、絶縁機能を有している。そして、AC商用電圧検出としては、当該電源装置の出力に現れるリップル電圧波形からAC商用電圧を検出できるため、AC商用電圧検出専用の低周波トランスが不要になり、図10に示したように波形処理回路において大型の素子が不要になる。そのため、本発明では、波形処理回路を含めた電源装置を小型化することができる。
また、図9に示したように、本発明のゼロクロス点検出では、フォトカプラを使用せずに、AC商用電源の周波数および電圧特徴が出たアクティブPFC搭載絶縁型フライバックコンバータ方式の電源装置に波形処理回路を付け、電源出力のDC電圧波形のリップル電圧を使用することで、精度良くゼロクロス点を検出することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
10 AC商用電源
1 電源装置
2 電源部(アクティブPFC搭載絶縁型フライバックコンバータ)
3 ACカップリング又はオフセット回路
4 ゼロクロス点検出部
5 半波整流回路
6 シュミットトリガ
7 両極性ピーク検出回路(AC商用電圧検出部)
30 システム電源
1 電源装置
10 AC商用電源
100 電源システム
AC AC商用電圧(交流電圧)
DC 電源出力のDC電圧(直流電圧)
RIP リップル電圧波形
特開平06‐110141号公報 特開2008−052045号公報

Claims (5)

  1. AC商用電源の交流電圧を直流電圧に変換するアクティブPFC機能を搭載した絶縁型フライバック方式のAC/DCコンバータと、
    前記AC/DCコンバータの出力の直流電圧からリップル電圧波形を取り出すACカップリング部又はオフセット部と、
    前記ACカップリング部又はオフセット部の後段に接続され、前記リップル電圧波形を半波にする半波整流回路、及び該半波整流回路の後段に接続され、前記半波を基に2値信号を出力するシュミットトリガ回路を備えるゼロクロス点検出部と、を備える
    電源装置。
  2. 前記ACカップリング部又はオフセット部の後段に、前記リップル電圧波形のピークトゥーピーク電圧を検出するAC商用電圧検出部を備える
    請求項1に記載の電源装置。
  3. 前記AC/DCコンバータは、
    ダイオードブリッジ、コンデンサ、高周波トランス、及び整流ダイオードを備える絶縁型フライバック方式のAC/DCコンバータ部と、
    コイル及び制御ICを備えるアクティブPFC部と、を備える
    請求項1又は2に記載の電源装置。
  4. 請求項1乃至3にいずれか一項に記載の電源装置と、
    前記電源装置と接続されるシステム制御部と、を備える
    電源システム。
  5. 電源装置におけるAC商用電圧のゼロクロス点検出方法であって、
    アクティブPFC機能を搭載した絶縁型フライバック方式のAC/DCコンバータによって、AC商用電源の交流電圧を絶縁しながら直流電圧に変換するステップと、
    ACカップリング部又はオフセット部によって、前記AC/DCコンバータの出力の直流電圧からリップル電圧波形を取り出すステップと、
    半波整流回路によって、前記リップル電圧波形を半波にするステップと、
    シュミットトリガ回路によって、前記半波を基に2値信号を出力することで、ゼロクロス点を検出するステップと、を有する
    電源装置におけるAC商用電圧のゼロクロス点検出方法。
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