JP2019165405A - 非可逆回路素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中心電極8やフェライト板4の過度な温度の上昇が抑制された非可逆回路素子を提供する。【解決手段】 永久磁石11と、フェライト板4と、永久磁石11の下面とフェライト板4の上面との間に設けられた中心電極8と、を備え、永久磁石11が発生させた直流磁界がフェライト板4に印加される非可逆回路素子であって、さらに、非磁性体からなる第1放熱体12を備え、第1放熱体12が、フェライト板4の上面に直接または間接に接する領域と、永久磁石11の側面の少なくとも一部に直接または間接に接する領域と、を有するものとする。【選択図】 図2

Description

本発明は、アイソレータやサーキュレータなどの非可逆回路素子に関する。
携帯電話やスマートフォンなどの電子機器に、信号を伝送方向のみに通過させ、逆方向への伝送を阻止する、アイソレータやサーキュレータなどの非可逆回路素子が広く使用されている。
特許文献1(特開昭55-105404号公報)に、そのような非可逆回路素子が開示されている。
図8に、特許文献1に開示された非可逆回路素子1000を示す。ただし、図8は、非可逆回路素子1000の分解斜視図である。
非可逆回路素子(ストリップライン・サーキュレータ)1000は、上から順番に、永久磁石(金属磁石)101、永久磁石(フェライト磁石)102、中心電極(中心導体)103、フェライト板(フェライトコア)104、グランド導体(地導体)105、永久磁石(金属磁石)106が積層された構造からなる。中心電極103は、3本の伝送線路107a、107b、107cを有している。
非可逆回路素子1000は、永久磁石101、102、106が発生させた直流磁界がフェライト板104に印加されることによって、伝送線路107a、107b、107cを入出力ポートにして、非可逆回路素子として機能する。
特開昭55-105404号公報
非可逆回路素子1000には、中心電極103やフェライト板104が発生させた熱が効率的に放熱されず、中心電極103やフェライト板104の温度が過度に上昇してしまい、電気的特性や信頼性が低下してしまうという問題があった。
すなわち、非可逆回路素子1000においては、中心電極103に高周波電流が流れると、抵抗成分によって中心電極103が発熱する。また、中心電極103に近接して配置されたフェライト板104も、磁気損失および誘電体損失によって発熱する。
しかしながら、中心電極103やフェライト板104に積層される永久磁石101、102、106は、一般的に、熱伝導率が5〜15W/m・K程度と低い。そのため、中心電極103やフェライト板104が発生させた熱の放熱が、永久磁石101、102、106によって妨げられ、中心電極103やフェライト板104の温度が過度に上昇してしまう場合があった。
そして、中心電極103やフェライト板104の温度が過度に上昇してしまうことによって、非可逆回路素子1000の電気的特性や信頼性が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一実施態様にかかる非可逆回路素子は、上面と、下面と、上面と下面とを繋ぐ側面とを有する永久磁石と、上面と、下面とを有するフェライト板と、永久磁石の下面と、フェライト板の上面との間に設けられた中心電極と、を備え、永久磁石が発生させた直流磁界がフェライト板に印加される非可逆回路素子であって、さらに、非磁性体からなる第1放熱体を備え、第1放熱体が、フェライト板の上面に直接または間接に接する領域と、永久磁石の側面の少なくとも一部に直接または間接に接する領域と、を有するものとする。
なお、第1放熱体がフェライト板と間接に接するとは、第1放熱体とフェライトとが、間にシートなどを介して接する場合をいう。同様に、第1放熱体が永久磁石と間接に接するとは、第1放熱体と永久磁石とが、間にシートなどを介して接する場合をいう。
第1放熱体が、永久磁石を囲むように配置されてもよい。この場合には、第1放熱体によって、永久磁石の熱を効率的に放熱することができる。
フェライト板の上面が、中心電極と、第1放熱体とで覆われてもよい。この場合には、第1放熱体によって、フェライト板の熱を効率的に放熱することができる。
永久磁石が希土類磁石であってもよい。すなわち、希土類磁石の熱伝導率は、一般的に、10〜15W/m・K程度あり、熱伝導率が5W/m・K程度のフェライト磁石に比べて2〜3倍大きいため、上記のように永久磁石に希土類磁石を使用することによって、永久磁石を経由した放熱の効率を向上させることができる。
第1放熱体が非磁性体の金属からなり、第1放熱体の下面に、第1放熱体と中心電極との接触を回避するための溝部が形成されてもよい。この場合には、溝部によって、第1放熱体と中心電極との絶縁をはかることができる。
フェライト板の下面に、強磁性体からなる板状の下ヨークが配置されてもよい。この場合には、永久磁石が発生させた直流磁界を、効率的にフェライト板に印加させることができる。
また、永久磁石の上面に、強磁性体からなる上ヨークを備え、上ヨークが第2放熱体を兼ねてもよい。この場合には、永久磁石が発生させた直流磁界を、効率的にフェライト板に印加させることができる。また、フェライト板や中心電極や永久磁石の熱を、より効率的に放熱することができる。
本発明の非可逆回路素子は、中心電極やフェライト板の過度な温度の上昇が抑制されているため、電気的特性が安定しており信頼性が高い。
第1実施形態にかかる非可逆回路素子100の斜視図である。 非可逆回路素子100の分解斜視図である。 図3(A)、(B)は、それぞれ、非可逆回路素子100の断面図である。 第2実施形態にかかる非可逆回路素子200の斜視図である。 図5(A)、(B)は、それぞれ、非可逆回路素子200の断面図である。 第3実施形態にかかる非可逆回路素子300の斜視図である。 図7(A)、(B)は、それぞれ、非可逆回路素子300の断面図である。 特許文献1に開示された非可逆回路素子1000の分解斜視図である。
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。また、図面は、明細書の理解を助けるためのものであって、模式的に描画されている場合があり、描画された構成要素または構成要素間の寸法の比率が、明細書に記載されたそれらの寸法の比率と一致していない場合がある。また、明細書に記載されている構成要素が、図面において省略されている場合や、個数を省略して描画されている場合などがある。
[第1実施形態]
図1、図2、図3(A)、(B)に、第1実施形態にかかる非可逆回路素子100を示す。ただし、図1は、非可逆回路素子100の斜視図である。図2は、非可逆回路素子100の分解斜視図である。図3(A)、(B)は、それぞれ、非可逆回路素子100の断面図であり、図1に一点鎖線で示したX-X部分を示している。なお、図3(A)には熱の伝導経路を、図3(B)には直流磁界の磁束の経路を、それぞれ併せて示している。
非可逆回路素子100は、板状の下ヨーク1を備えている。下ヨーク1の材質は任意であるが、後述する永久磁石11が発生させる直流磁界の磁束を効率的に回流させるためには、Fe、Ni、Coなどの強磁性体を用いることができる。
また、下ヨーク1の表面は、高周波電流が流れるため、挿入損失を低減させるために、Cu、Ag、Au、Ptなどの高導電率材料でメッキされてもよい。
下ヨーク1の4つの辺のうち、3つの辺に、それぞれ切欠きが設けられ、それらの切欠きに、それぞれ絶縁体2が埋め込まれている。絶縁体2の材質は任意であるが、たとえば、絶縁性樹脂を使用することができる。
下ヨーク1との間に絶縁体2を介在させて、入出力端子3a、3b、3cが形成されている。本実施形態においては、入出力端子3a、3b、3cとして、絶縁体2に、CuやAgなどを主成分とする導電性樹脂を埋め込んだ。入出力端子3a、3b、3cは、絶縁体2を貫通して形成されており、絶縁体2の上面、側面、下面の3つの面において外部に露出している。なお、入出力端子3a、3b、3cの構造は任意であり、上記に代えて、たとえば、CuやAgなどの金属片を絶縁体2に埋め込んで、入出力端子としても良い。あるいは、絶縁体2の上面、側面、下面の3つの面にわたって、CuやAgなどの金属膜を形成して、入出力端子としても良い。
非可逆回路素子100は、フェライト板4を備えている。フェライト板4の組成は任意であるが、たとえば、NiZn系、MnZn系、YIG系、CVG系のフェライト等を使用することができる。
本実施形態においては、フェライト板4は、平面視において正方形である。ただし、フェライト板4の形状は任意であり、平面視において、長方形、菱形、台形、四角形以外の多角形、円形、楕円形、など他の形状であっても良い。
フェライト板4の下ヨーク1側の下側主面と、後述する中心電極8側の上側主面とを貫通して、6つのスルーホール導体5a、5b、5c、5d、5e、5fが形成されている。スルーホール導体の材質は任意であるが、たとえば、CuやAgなどを使用することができる。
フェライト板4の下側主面にグランド導体7が配置され、さらにグランド導体7の縁に、グランド導体7から間隔を開けて3つの信号電極6a、6b、6cが配置されている。信号電極6aは、入出力端子3aに対応する位置に形成され、かつ、スルーホール導体5aに電気的に接続されている。信号電極6bは、入出力端子3bに対応する位置に形成され、かつ、スルーホール導体5bに電気的に接続されている。信号電極6cは、入出力端子3cに対応する位置に形成され、かつ、スルーホール導体5cに電気的に接続されている。
グランド導体7は、スルーホール導体5d、5e、5fに電気的に接続されている。ただし、本実施形態においては、スルーホール導体5d、5e、5fは、電気的な経路としては使用されていない。
フェライト板4の上側主面に、膜状の中心電極8が形成されている。中心電極8は、中心電極部9と、中心電極部9から延出された3本の伝送線路部10a、10b、10cとを有している。
本実施形態においては、中心電極部9を、平面視において円形にした。ただし、中心電極部9の形状は任意であり、平面視において、楕円形や多角形など、円形以外の形状であっても良い。
伝送線路部10aは、スルーホール導体5aに電気的に接続されている。伝送線路部10bは、スルーホール導体5bに電気的に接続されている。伝送線路部10cは、スルーホール導体5cに電気的に接続されている。
なお、中心電極8(中心電極部9、伝送線路部10a、10b、10c)は、フェライト板4の上側主面に膜状に形成されたものではなく、金属板を加工して作製した、フェライト板4とは別体のものであっても良い。
信号電極6a、6b、6c、グランド導体7、中心電極8の材質は、それぞれ任意であるが、たとえば、CuやAgなどを使用することができる。
下ヨーク1の上側主面に、フェライト板4が配置されている。そして、入出力端子3aと信号電極6a、入出力端子3bと信号電極6b、入出力端子3cと信号電極6cが、それぞれ電気的に接続されている。また、下ヨーク1とグランド導体7が電気的に接続されている。
この結果、伝送線路部10aが、スルーホール導体5a、信号電極6aを経由して、入出力端子3aと電気的に接続されている。同様に、伝送線路部10bが、スルーホール導体5b、信号電極6bを経由して、入出力端子3bと電気的に接続されている。伝送線路部10cが、スルーホール導体5c、信号電極6cを経由して、入出力端子3cと電気的に接続されている。
非可逆回路素子100は、永久磁石11を備えている。
本実施形態においては、永久磁石11に、正四角柱(直方体)からなる、サマリウムコバルト系、ネオジム系などの希土類磁石を使用した。すなわち、永久磁石は、上面と、下面と、上面と下面とを繋ぐ4つの側面とを有している。ただし、永久磁石11の形状は任意であり、平面視において、長方形、菱形、台形、四角形以外の多角形、円形、楕円形など、他の形状であっても良い。また、永久磁石11の材質も任意であり、希土類磁石に代えて、フェライト磁石を使用してもよい。
なお、希土類磁石を使用した永久磁石11の熱伝導率は、一般的に、10〜15W/m・K程度である。フェライト磁石の熱伝導率が、一般的に、5W/m・K程度であるため、希土類磁石を使用した永久磁石11は、フェライト磁石を使用した場合に比べて良好な熱伝導性を備えている。
非可逆回路素子100は、非磁性体からなる第1放熱体12を備えている。本実施形態においては、第1放熱体12の材質にCuを使用した。ただし、第1放熱体12の材質は任意であり、Alなどの他の非磁性体の金属を使用してもよい。あるいは、第1放熱体12の材質に樹脂を使用してもよい。また、第1放熱体12の材質に樹脂を使用する場合には、熱伝導性を向上させるために、非磁性体の金属粉を混入させてもよい。
Cuを使用した本実施形態の第1放熱体12は、熱伝導率が400W/m・K程度であり、非常に良好な熱伝導性を備えている。なお、Cuに限らず、非磁性体の金属は、一般的に、100W/m・K以上の熱伝導率を備えており、希土類磁石(10〜15W/m・K程度)やフェライト磁石(5W/m・K程度)に比べて、非常に良好な熱伝導性を備えている。
本実施形態においては、第1放熱体12を、正四角柱(直方体)とした。ただし、第1放熱体12の形状は任意であり、平面視において、長方形、菱形、台形、四角形以外の多角形、円形、楕円形など、他の形状であっても良い。
第1放熱体12の上下両主面間を貫通して、永久磁石11を収容するための磁石収容部12aが形成されている。磁石収容部12aの形状は、永久磁石11の形状に合わせて形成する。なお、磁石収容部12aは、第1放熱体12の上下両主面間を貫通した貫通孔である必要はなく、たとえば、上側の開口をなくして有底孔としてもよい。
第1放熱体12の底部に、3つの溝部12b、12c、12dが形成されている。溝部12b、12c、12dは、第1放熱体12と、中心電極8(中心電極部9、伝送線路部10a、10b、10c)との接触を回避するために形成されている。なお、第1放熱体12に溝部12b、12c、12dを形成する代わりに、第1放熱体12と中心電極8との間に絶縁性のシートを挟み、そのシートによって、第1放熱体12と中心電極8とを絶縁してもよい。
第1放熱体12の磁石収容部12aに、永久磁石11が収容されている。永久磁石11の熱を効率的に放熱させるためには、磁石収容部12aと永久磁石11との間の隙間が小さい方がよい。なお、磁石収容部12aと永久磁石11との間の隙間を小さくするために、熱伝導率の高いシートを挟んでもよい。
永久磁石11および第1放熱体12が、中心電極8(中心電極部9、伝送線路部10a、10b、10c)が形成されたフェライト板4の上側主面上に、配置されている。この結果、フェライト板4の上側主面は、中心電極8と、第1放熱体12とで覆われている。
非可逆回路素子100は、永久磁石11が発生させた直流磁界がフェライト板4に印加されることによって、入出力端子3a、3b、3cを入出力ポートにして、非可逆回路素子として機能する。
以上の構造からなる第1実施形態にかかる非可逆回路素子100は、従来から非可逆回路素子の製造において一般的に用いられている製造方法によって製造することができる。
図3(A)に、非可逆回路素子100の放熱経路および放熱方向を示す。図3(A)から分かるように、非可逆回路素子100では、中心電極8(中心電極部9、伝送線路部10a、10b、10c)やフェライト板4で発生した熱が、第1放熱体12を経由して効率的に放熱される。したがって、非可逆回路素子100は、中心電極8やフェライト板4の温度が過度に上昇することが抑制されており、電気的特性や信頼性の低下が抑制されている。
図3(B)に、非可逆回路素子100の磁束経路を示す。図3(B)から分かるように、非可逆回路素子100では、第1放熱体12が非磁性体で形成されているため、永久磁石11が発生させた直流磁界の磁束は、第1放熱体12の外側を通ってフェライト板4に印加される。したがって、第1放熱体12によって、磁束経路が阻害されることがない。
また、非可逆回路素子100では、永久磁石11に、フェライト磁石よりも熱伝導性に優れた希土類磁石を使用しているため、フェライト磁石を使用した場合よりも、永久磁石11を経由した放熱が効率的におこなわれる。
[第2実施形態]
図4、図5(A)、(B)に、第2実施形態にかかる非可逆回路素子200を示す。ただし、図4は、非可逆回路素子200の斜視図である。図5(A)、(B)は、それぞれ、非可逆回路素子200の断面図であり、図4に一点鎖線で示したY-Y部分を示している。なお、図5(A)には熱の伝導経路を、図5(B)には直流磁界の磁束の経路を、それぞれ併せて示している。
非可逆回路素子200は、第1実施形態にかかる非可逆回路素子100に、上ヨーク13を追加した。上ヨーク13は板状であり、永久磁石11と第1放熱体12の天面に取付けられている。
上ヨーク13の材質は任意であるが、永久磁石11が発生させる直流磁界の磁束を効率的に回流させるためには、Fe、Ni、Coなどの強磁性体であることが望ましい。また、上ヨーク13の表面は、高周波電流が流れるため、挿入損失を低減させるために、Cu、Ag、Au、Ptなどの高導電率材料でメッキされていることが望ましい。
図5(A)から分かるように、非可逆回路素子200においては、上ヨーク13が、第2放熱体としての機能を果たす。すなわち、中心電極8(中心電極部9、伝送線路部10a、10b、10c)やフェライト板4で発生した熱が、第1放熱体12を経由して第2放熱体(上ヨーク13)に伝わり、表面積の大きい第2放熱体(上ヨーク13)からも外部に放熱される。
非可逆回路素子200も、第1放熱体12および第2放熱体(上ヨーク13)から効率的に放熱がおこなわれるため、中心電極8やフェライト板4の温度が過度に上昇することが抑制されており、電気的特性や信頼性の低下が抑制されている。
また、図5(B)から分かるように、非可逆回路素子200においては、永久磁石11が発生させた直流磁界の磁束が、上ヨーク13および下ヨーク1を通って、より効率的にフェライト板4に印加される。
[第3実施形態]
図6、図7(A)、(B)に、第3実施形態にかかる非可逆回路素子300を示す。ただし、図6は、非可逆回路素子300の斜視図である。図7(A)、(B)は、それぞれ、非可逆回路素子300の断面図であり、図6に一点鎖線で示したZ-Z部分を示している。なお、図7(A)には熱の伝導経路を、図7(B)には直流磁界の磁束の経路を、それぞれ併せて示している。
非可逆回路素子300は、第2実施形態にかかる非可逆回路素子200の構成に変更を加えた。具体的には、非可逆回路素子200の板状の上ヨーク13に代えて、1対の壁部23a、23bを有する断面がU字状の上ヨーク23を、永久磁石11および第1放熱体12の外側に取付けた。
図7(A)から分かるように、非可逆回路素子300においては、上ヨーク23が、第2放熱体としての機能を果たす。すなわち、中心電極8(中心電極部9、伝送線路部10a、10b、10c)やフェライト板4で発生した熱が、第1放熱体12を経由して第2放熱体(上ヨーク23)に伝わり、表面積の大きい第2放熱体(上ヨーク23)からも外部に放熱される。
非可逆回路素子300も、第1放熱体12および第2放熱体(上ヨーク23)から効率的に放熱がおこなわれるため、中心電極8やフェライト板4の温度が過度に上昇することが抑制されており、電気的特性や信頼性の低下が抑制されている。
また、図7(B)から分かるように、非可逆回路素子300においては、永久磁石11が発生させた直流磁界の磁束が、上ヨーク23および下ヨーク1を通って、より効率的にフェライト板4に印加される。
以上、第1実施形態〜第3実施形態にかかる非可逆回路素子100、200、300について説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って、種々の変更をなすことができる。
たとえば、非可逆回路素子100、200、300は、いずれもサーキュレータであったが、これに代えて、アイソレータであっても良い。なお、アイソレータを構成するためには、入出力ポートである入出力端子3a、3b、3cのうちの1つを、抵抗を挿入したうえでグランドに接続し、終端させれば良い。
また、第1放熱体12や第2放熱体(上ヨーク13、23)の形状や材質なども任意であり、上述した内容には限られない。たとえば、第1放熱体12の材質には、Cuに代えて、Alなどの他の非磁性体の金属や、非磁性体の金属粉が混入された樹脂などを使用することができる。
1・・・下ヨーク
2・・・絶縁体
3a、3b、3c・・・入出力端子
4・・・フェライト板
5a、5b、5c、5d、5e・・・スルーホール導体
6a、6b、6c・・・信号電極
7・・・グランド導体
8・・・中心電極
9・・・中心電極部
10a、10b10c・・・伝送線路部
11・・・永久磁石
12・・・第1放熱体
12a・・・磁石収納部
12b、12c、12d・・・溝部
13、23・・・上ヨーク(第2放熱体)
23a、23b・・・壁部

Claims (7)

  1. 上面と、下面と、前記上面と前記下面とを繋ぐ側面とを有する永久磁石と、
    上面と、下面とを有するフェライト板と、
    前記永久磁石の前記下面と、前記フェライト板の前記上面との間に設けられた中心電極と、を備え、
    前記永久磁石が発生させた直流磁界が前記フェライト板に印加される非可逆回路素子であって、
    さらに、非磁性体からなる第1放熱体を備え、
    前記第1放熱体が、前記フェライト板の前記上面に直接または間接に接する領域と、前記永久磁石の前記側面の少なくとも一部に直接または間接に接する領域と、を有する非可逆回路素子。
  2. 前記第1放熱体が、前記永久磁石を囲むように配置された、請求項1に記載された非可逆回路素子。
  3. 前記フェライト板の前記上面が、前記中心電極と、前記第1放熱体とで覆われた、請求項1または2に記載された非可逆回路素子。
  4. 前記永久磁石が希土類磁石である、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された非可逆回路素子。
  5. 前記第1放熱体が非磁性体の金属からなり、
    前記第1放熱体の下面に、前記第1放熱体と前記中心電極との接触を回避するための溝部が形成された、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された非可逆回路素子。
  6. 前記フェライト板の下面に、強磁性体からなる板状の下ヨークが配置された、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された非可逆回路素子。
  7. 前記永久磁石の前記上面に、強磁性体からなる上ヨークを備え、
    前記上ヨークが第2放熱体を兼ねる、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された非可逆回路素子。
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