JP2019164378A - 光学シート、合わせガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】映像源の配置位置の自由度を向上させることができる表示装置を提供する。【解決手段】光学シート20は、入射した映像光を反射する光学シート20であって、映像光が入射する入射面21bを有した単位光学形状21aがシート面に沿って複数配列された光学形状層21と、光学形状層21の入射面21bに形成され、入射した光を反射する反射層22とを備え、単位光学形状21aの配列方向は、光学シート20の厚み方向から見た場合において、光学シート20の幾何学的中心を通り、上下方向に平行な線に対して傾斜しており、単位光学形状21aは、入射面21bに対向する対向面21cを有し、対向面21cには微細な凹凸形状が形成されていることを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、投影された映像光を反射する光学シート、合わせガラスに関するものである。
従来、LCD(Liquid Crystal Display)等の映像源を、光学系を介して観察者に観察させる表示装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
このような表示装置は、例えば、自動車のフロントウィンドウに光学シートを配置して、映像源から投射された映像光を、光学シートを介して運転者側へ反射させるヘッドアップディスプレイに適用されている。このような表示装置の映像源は、通常、光学シートの正面の鉛直下側に配置されており、そこから投射された映像光を光学シートに映し出している。
そのため、このような表示装置を自動車等の乗り物の運転席に配置する場合、映像源は、フロントウィンドウに配置された光学シートの正面の鉛直下側の領域に配置されることとなるが、この領域は、乗り物を操作する操縦桿(ハンドル)や計器類が多数配置されているため、映像源の配置位置の確保が困難になったり、映像源を適切な位置に配置することができなくなったりしてしまう場合があった。
特開2010−78860号公報
本発明の課題は、映像源の配置位置の自由度を向上させることができる光学シート、合わせガラスを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、入射した映像光を反射する光学シート(20)であって、映像光が入射する入射面(21b)を有した単位光学形状(21a)がシート面に沿って複数配列された光学形状層(21)と、前記光学形状層の前記入射面に形成され、入射した光を反射する反射層(22)とを備え、前記単位光学形状の配列方向は、当該光学シートの厚み方向から見た場合において、当該光学シートの幾何学的中心を通り、上下方向に平行な線に対して傾斜しており、前記単位光学形状は、前記入射面に対向する対向面(21c)を有し、前記対向面には微細な凹凸形状が形成されていること、を特徴とする光学シートである。
第2の発明は、第1の発明の光学シート(20)において、当該光学シートは、厚み方向から見た場合に、映像光の出射位置と当該光学シートの幾何学的中心とを結ぶ線分が、当該光学シートの幾何学的中心を通り、上下方向に平行な線に対して傾斜するようにして映像光が投射され、前記単位光学形状(21a)の配列方向は、厚み方向から見た場合において、映像光の前記線分と同じ側に傾斜していること、を特徴とする光学シートである。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の光学シート(20)と、前記光学シートの映像光が入射する側に設けられる第1基材と、前記光学シートの映像光が入射する側とは反対側に設けられる第2基材とを備える合わせガラスである。
本発明によれば、映像源の配置位置の自由度を向上させることができる。
第1実施形態の表示装置を配置した自動車の運転席周辺を示す図である。 第1実施形態の表示装置の詳細を説明する図である。 第1実施形態の光学シートの製造方法の一例を示す図である。 第2実施形態の表示装置の詳細を説明する図である。 比較例の表示装置を配置した自動車の運転席周辺を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の表示装置を配置した自動車の運転席周辺を示す図である。図1(a)は、自動車の運転席からフロントウィンドウ側(自動車の進行方向側)を見た状態を示す図である。図1(b)は、図1(a)のb部断面からの矢視図であり、図1(c)は、図1(a)のc部矢視図、すなわち運転席を上側から見た図である。
図2は、本実施形態の表示装置の詳細を説明する図である。図2(a)は、光学シートの厚み方向の運転者側から見た正面図である。図2(b)は、光学シートの左右方向の中心線上における断面、すなわち図2(a)のb部断面を示す図である。図2(c)は、厚み方向(Y方向)に平行であって、単位光学形状21aの配列方向に平行な断面における断面、すなわち図2(a)のc部断面を示す図である。
なお、図2を含め以下に示す図中及び以下の説明において、理解を容易にするために、光学シートの上下方向をZ方向とし、厚み方向をY方向とし、左右方向をX方向とする。ここで、上下方向(Z方向)のうち−Z側を下側とし、+Z側を上側とする。また、厚み方向(X方向)のうち−Y側を背面側とし、+Y側を運転者側とする。また、左右方向(X方向)のうち−X側を左側とし、+X側を右側とする。
本実施形態の自動車1は、図1に示すように、車内側から見て、フロントウィンドウ2の右側に運転席が設けられ、フロントウィンドウ2の下方側に内装パネル3が配置されている。また、この自動車1には、表示装置10が設けられており、表示装置10を構成する光学シート20(後述する)が、フロントウィンドウ2の内側(車内側)の面の右側に配置されている。
内装パネル3は、フロントウィンドウ2の下方側に配置された化粧パネルであり、その右側に自動車の操縦桿となるハンドル4や、自動車の速度計等の計器類5が配置されている。また、内装パネル3には、表示装置10を構成する映像源11(後述する)等が配置されている。
表示装置10は、自動車1の速度や、方向指示器の状態等を、運転者の視線上に表示することができる装置、いわゆるヘッドアップディスプレイ装置であり、自動車1を運転する運転者が視線を反らすことなく、自動車1の速度等の状態を把握することができる。
表示装置10は、映像源11、投射光学系12、光学シート20等を備えており、映像源11から出射した速度情報等の映像光を、光学シート20を介して運転者側に投影する。具体的には、表示装置10は、映像源11で結像された映像光を、投射光学系12を介して光学シート20へ入射させて運転者側に映像情報を反射する。本実施形態では、表示装置10は、自動車1の運転席に搭載されるヘッドアップディスプレイとして説明するが、これに限定されるものでなく、他の乗り物、例えば、航空機や、鉄道等に搭載されるヘッドアップディスプレイであってもよい。
映像源11は、映像光を表示するディスプレイであり、例えば、透過型の液晶表示デバイスや、反射型の液晶表示デバイス、有機EL等を使用することができる。本実施形態の映像源11は、図1に示すように、運転席からフロントウィンドウ2側を見て、光学シート20の下方側であって、光学シート20よりも左側の位置に投射光学系12とともに配置されている。
具体的には、映像源11は、図2(a)に示すように、光学シート20の厚み方向(Y方向)から見た状態において、映像源11の映像光Lの出射位置11aと光学シート20の幾何学的中心C1とを結ぶ線分が、光学シート20の幾何学的中心C1を通り、上下方向(Z方向)に平行な線に対して右側に傾斜するようにして配置されている。これにより、表示装置10は、運転席のハンドル4や計器類5の周囲を避けて映像源11を配置することができ、運転席内における映像源11の配置位置の自由度を向上させることができる。ここで、映像源11の出射位置11aとは、映像源11の映像光Lが出射する面の幾何学的中心となる位置である。
投射光学系12は、映像源11の出射位置11aに配置され、映像源11から出射された映像光を投射する複数のレンズ群から構成される光学系である。
光学シート20は、光透過性を有する層であり、図1に示すように、フロントウィンドウ2の内側(車内側)の面の右側に貼付されている。光学シート20は、図2(b)に示すように、運転者側(+Y側)から順に光学形状層21、反射層22、背面層23が積層されている。光学シート20は、運転者の視界を妨げない観点から、フロントウィンドウ2を通して運転席から見える自動車の進行方向の光の一部を、光学シート20の背面側から運転者側へ透過させて、その光と映像光とを重ねて見せる、いわゆるシースルー機能を備えている。
光学形状層21は、その背面側(−Y側)の面に、単位光学形状21aが複数配列されている。
単位光学形状21aは、図2(c)に示すように、シート面(XZ面)に直交する方向(厚み方向、Y方向)に平行であって、単位光学形状21aの配列方向R1に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
単位光学形状21aは、背面側に凸であり、映像光が直接入射する入射面21bと、この入射面21bと対向する対向面21cとを備えている。本実施形態では、単位光学形状21aは、入射面21bが頂部tを挟んで対向面21cよりも上側(+Z側)に位置している。
この単位光学形状21aは、光学シート20のシート面内(XZ面内)において、その配列方向R1に直交する方向に延在している。
単位光学形状21aの配列方向R1は、図2(a)に示すように、光学シート20を厚み方向(Y方向)から見た場合において、映像源11の映像光Lの出射位置11aと光学シート20の幾何学的中心C1とを結ぶ線分と同じ側、すなわち本実施形態では右側(+X側)に傾斜している。このような構成にすることによって、光学シート20は、光学シート20に対して左側斜め下側に配置される映像源11から投射される映像光を効率よく運転者側に反射することができる。
ここで、単位光学形状21aの入射面21bが、シート面(XZ面)に平行な面となす角度は、αである。また、対向面21cがシート面に平行な面となす角度は、β(β>α)である。さらに、単位光学形状21aの配列ピッチは、Pであり、単位光学形状21aの高さ(厚み方向における頂部tから単位光学形状21a間の谷底となる部位vまでの寸法)は、hである。
配列ピッチPは、単位光学形状21aが起因となる筋状のラインが視認されてしまうのを抑制する観点から、100μm〜900μmの範囲で形成されるのが望ましい。また、角度αは5°〜30°、角度βは70°〜110°、高さhは10〜350μmの範囲で形成されるのが望ましく、角度αは10°〜18°、角度βは90°、高さhは35〜290μmの範囲で形成されるのが更に望ましい。
理解を容易にするために、図2では、単位光学形状21aの配列ピッチP、角度α,βは、単位光学形状21aの配列方向において一定であるように示している。本実施形態の単位光学形状21aは、配列ピッチP、角度β等が一定であるが、角度αが単位光学形状21aの配列方向において映像源11から離れるにつれて次第に大きくなってもよく、また、それに伴い高さhも変動してもよい。
なお、これに限らず、配列ピッチPは、単位光学形状21aの配列方向に沿って次第に変化する形態等としてもよく、映像源から投影される映像の大きさや、映像源11の投射角度(光学シート20の運転者側の面への映像光の入射角度)、運転者側に反射する映像のサイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
光学形状層21は、ウレタンアクリレートやエポキシアクリレート等の紫外線硬化性樹脂によりUV成形法等によって形成されている。また、光学形状層21は、電子線硬化性樹脂等の他の電離放射線硬化性樹脂により形成されるようにしてもよい。更に、光学形状層21は、熱可塑性樹脂や、熱硬化性樹脂、上述の紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とを組み合わせた樹脂や、熱可塑性樹脂と紫外線硬化性樹脂とを組み合わせた樹脂等によって形成されるようにしてもよい。
光学形状層21は、背面側に形成される単位光学形状21aに応じて、プレス成形法等により形成してもよい。このような光学形状層21の場合には、接合層等を介して透明基材に積層する形態としてもよい。
反射層22は、入射した光の一部を反射し、その他を透過する透過型の反射層、いわゆるマジックミラーである。反射層22の反射率と透過率の割合は、適宜設定することができるが、映像光を良好に反射させるとともに、自動車の進行方向側から入射する光を十分に透過させて、運転者の視界を良好にする観点から、透過率が70%以上の範囲であることが望ましい。
反射層22は、入射面21bの面上に光反射性の高い金属、例えば、アルミニウムや、銀、ニッケル等により形成されている。本実施形態では反射層22は、アルミニウムを蒸着することにより形成されている。また、これに限らず反射層22は、光反射性の高い金属をスパッタリングしたり、金属箔を転写したり、金属薄膜片を含有した塗料を塗布したりする等により形成されてもよい。
本実施形態の反射層22は、アルミニウムの蒸着によって約40〜60Åの厚みに形成されているが、光の透過率を上述の好ましい範囲に設定できるのであれば、その材料等に応じて厚さを自由に設定することができる。
背面層23は、光学形状層21の背面側(−Y側)の面に設けられた層であり、光学シート20の最背面を平坦にするために設けられている。背面層23は、光透過性の高いウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂等から形成されおり、その屈折率は光学形状層21と同等である。背面層23の背面側の面は、不図示の接合層を介してフロントウィンドウ2に接合される面であり、また、フロントウィンドウ2を介して背面側から光学シート20内に入射する自動車の進行方向側の光の入射面である。
なお、光学シート20をフロントウィンドウ2に接合する接合層は、光透過性を有する粘着剤や接着剤を用いることができ、例えば、アクリル樹脂や、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等を用いることが可能である。
次に、本実施形態の光学シート20に入射する映像光L及び自動車の進行方向からフロントウィンドウ2に入射する光Gの軌跡について説明する。
図5は、比較例の表示装置を配置した自動車の運転席周辺を示す図であり、図1(a)に対応する図である。
図1に示すように、映像源11から出射した映像光Lは、投射光学系12を介して光学シート20(光学形状層21)の運転者側の面へと入射する。
光学シート20に入射した映像光Lの一部の光L1は、図1及び図2(b)に示すように、光学形状層21に設けられた単位光学形状21aの入射面21bに入射し、反射層22によって運転者側(+Y側)へと反射する。また、映像光Lの他の一部の光L2は、反射層22を透過した上で背面層23を透過し、フロントウィンドウ2から車外へ出射する。
ここで、従来、主に用いられてきた表示装置(以下、比較例の表示装置という)は、図5に示すように、光学シートがフロントウィンドウの右側(運転席側)に配置され、映像源がフロントウィンドウに配置された光学シートの下側の領域に配置されている。この光学シートの下側の領域(フロントウィンドウの右下側の領域)には、自動車を操作するハンドルや、速度計等の計器類が多数配置されている。そのため、表示装置を運手席周辺に配置しようとした場合に、映像源の配置位置の確保が困難になったり、映像源を光学シートに対して適切な位置に配置することができなくなったりしてしまう場合があった。
そこで、本実施形態の表示装置10は、上述したように、映像源11及び投射光学系12が、光学シート20の厚み方向(Y方向)から見た状態において、映像源11の映像光Lの出射位置11aと光学シート20の幾何学的中心C1とを結ぶ線分が、光学シート20の幾何学的中心C1を通り、上下方向(Z方向)に平行な線に対して右側に傾斜するように配置されている(図2(a)参照)。これにより、本実施形態の表示装置10は、映像源11を、ハンドル4や計器類5が多数配置される光学シート20の下側の領域(フロントウィンドウ2の右下側の領域)を避けて配置することができ、自動車1の運転席に対して、映像源11の配置位置の自由度を向上させることができる。
また、光学シート20に設けられた単位光学形状21aも、映像源11の配置位置に対応させて、その配列方向R1を、光学シート20を厚み方向(Y方向)から見た場合において、映像源11の映像光Lの出射位置11aと光学シート20の幾何学的中心C1とを結ぶ線分と同じ側、すなわち本実施形態では右側に傾斜させている。これにより、本実施形態の光学シート20は、光学シート20に対して左側斜め下側に配置される映像源11から投射される映像光を効率よく運転者側に反射することができる。
一方、自動車の進行方向側から入射する光Gは、図1(b)に示すように、フロントウィンドウ2の外側の面から入射して背面層23を透過し、一部の光G2は、反射層22により反射してフロントウィンドウ2の外側(自動車の進行方向側)へと出射してしまうが、他の光G1は、図1(b)に示すように、反射層22及び光学形状層21を透過して光学シート20の表面側の面から出射し、運転者側へと届く。以上により、本実施形態の表示装置10は、映像源11から投射された映像を鮮明に運転者側に反射するとともに、光学シート20の背面側からの自動車の進行方向側から入射する光の一部を運転者側に透過させることができる。
次に、本実施形態の光学シート20の製造方法の一例について説明する。
図3は、本実施形態の光学シートの製造方法を説明する図である。図3の各図は、光学シートが製造されるまでの過程を示す図である。
まず、図3(a)に示すように、単位光学形状21aに対応する凹凸形状が設けられた金型を使用して、光学シート20を構成する光学形状層21を射出成形法等により形成する。
次に、図3(b)に示すように、単位光学形状21aの入射面21b上に、真空蒸着法により蒸着金属(アルミニウム)を蒸着して反射層22を形成する。本実施形態では、真空蒸着装置を使用し、真空状態下においてアルミニウムを加熱、溶融して、光学形状層21の入射面21bに対してそのアルミニウムを蒸着する。
続いて、図3(c)に示すように、光学形状層21の単位光学形状21aが形成された側の面に、背面層23を構成する樹脂を充填し、平坦面が形成された金型によって押圧し、硬化させた後に離型する等により、背面層23が形成される。以上により、光学形状層21、反射層22、背面層23が順に積層された光学シート20が完成する。
以上より、本実施形態の表示装置10は、光学シート20の厚み方向(Y方向)から見た場合において、映像源11の映像光Lの出射位置11aと光学シート20の幾何学的中心C1とを結ぶ線分が、光学シート20の幾何学的中心C1を通り、上下方向(Z方向)に平行な線に対して右側に傾斜している。これにより、本実施形態の表示装置10は、映像源11をハンドル4や計器類5が多数配置される光学シート20の下側の領域(フロントウィンドウ2の右下側の領域)を避けて配置することができ、自動車1の運転席に対する映像源11の配置位置の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態の表示装置10は、単位光学形状21aの配列方向R1が、光学シート20の厚み方向(Y方向)から見た場合において、映像源11の映像光Lの出射位置11aと光学シート20の幾何学的中心C1とを結ぶ線分と同じ側(右側)に傾斜している。これにより、本実施形態の表示装置10は、光学シート20に対して左側斜め下側から投射される映像光を運転者側により効率よく反射することができる。
また、人間の眼は、左右方向に延在するラインが、左右方向に対して傾斜した方向や、上下方向に延在するライン等よりも視認され易くなる傾向である。そのため、上述のように、単位光学形状21aの配列方向R1を、出射位置11aと光学シート20の幾何学的中心C1とを結ぶ線分と同じ側(右側)に傾斜させることによって、単位光学形状21aが起因となるライン(図2(a)中の破線)を左右方向(X方向)に対して傾斜させることができ、運転者の眼に視認され難くすることができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態の表示装置110について説明する。
図4は、本実施形態の表示装置の詳細を説明する図である。図4(a)は、光学シートの厚み方向の運転者側から見た正面図である。図4(b)は、厚み方向(Y方向)に平行であって、単位光学形状21aの配列方向に平行な断面における断面図、すなわち図4(a)のb部断面を示す図である。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾(下2桁)に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態の表示装置110は、図4に示すように、光学シート120の光学形状層121に設けられる単位光学形状121aが、フレネルレンズ形状に形成されている点で、上述の第1実施形態の表示装置10と相違する。
光学シート120は、第1実施形態の光学シート20と同様に、フロントウィンドウ2の内側の面(車内側)の右側に配置されており(図1参照)、運転者側から順に光学形状層121、反射層122、背面層123が積層されている。
光学形状層121は、光透過性を有する層であり、図4(a)に示すように、点C2を中心として単位光学形状121aが同心円状に複数配列されたサーキュラーフレネルレンズ形状をその背面側(−Y側)の面に有している。このサーキュラーフレネルレンズ形状は、その光学的中心(フレネルセンター)C2が、厚み方向(Y方向)から見て光学シート120の外形よりも外側(本実施形態では光学シート120の左下側)に位置している。
本実施形態の単位光学形状121aは、光学シート120の厚み方向から見た場合において、この光学的中心C2と光学シート120の幾何学的中心C1とを結ぶ線分が、映像源11の映像光Lの出射位置11aと光学シート120の幾何学的中心C1とを結ぶ線分と同じ側に傾斜している。このような構成にすることによって、光学シート120は、左側斜め下側から投射される映像光を効率よく運転者側に反射することができる。
単位光学形状121aは、図4(b)に示すように、シート面(XZ面)に直交する方向(厚み方向、Y方向)に平行であって、単位光学形状121aの配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
単位光学形状121aは、背面側に凸であり、映像光が直接入射する入射面121bと、この入射面121bと対向する対向面121cとを備えている。
本実施形態では、図2(a)に示す使用状態において、単位光学形状121aは、入射面121bが頂部tを挟んで対向面121cよりも上側(+Z側)に位置している。
ここで、単位光学形状121aの入射面121bが、シート面(XZ面)に平行な面となす角度は、α2である。また、対向面121cがシート面に平行な面となす角度は、β2(β2>α2)である。さらに、単位光学形状121aの配列ピッチは、P2であり、単位光学形状121aの高さ(厚み方向における頂部tから単位光学形状121a間の谷底となる点vまでの寸法)は、h2である。なお、配列ピッチP2は100〜600μm、角度α2は1〜15°、角度β2は80〜100°、高さ2は1〜160μmの範囲で形成されるのが望ましい。また、配列ピッチP2は200〜500μm、角度α2は3〜12°、角度β2は90°、高さh2は10〜110μmの範囲で形成されるのが更に望ましい。
理解を容易にするために、図4では、単位光学形状121aの配列ピッチP2、角度α2,β2は、単位光学形状121aの配列方向において一定であるように示している。しかし、本実施形態の単位光学形状121aは、実際には、配列ピッチP2等が一定であるが、角度α2が単位光学形状121aの配列方向においてフレネルセンターとなる点C2から離れるにつれて次第に大きくなっている。また、それに伴い高さh2も変動している。
なお、これに限らず、配列ピッチP2は、単位光学形状121aの配列方向に沿って次第に変化する形態等としてもよく、映像源11から投影される映像の大きさや、映像源11の投射角度(光学シート20の運転者側の面への映像光の入射角度)、運転者側に反射する映像のサイズ、各層の屈折率等に応じて、適宜変更可能である。
以上より、本実施形態の表示装置110は、上述の第1実施形態と同様に、映像源11をハンドル4や計器類5が多数配置される光学シート120の下側の領域(フロントウィンドウ2の右下側の領域)を避けて配置することができ、自動車1の運転席に対する映像源11の配置位置の自由度を向上させることができる。
また、本実施形態の表示装置110は、単位光学形状121aがサーキュラーフレネル形状に形成され、サーキュラーフレネルレンズ形状の光学的中心C2が、光学シート120の厚み方向から見て、光学シート120の外形よりも外側に位置しており、光学シート120の厚み方向から見た場合において、光学的中心C2と光学シート120の幾何学的中心C1とを結ぶ線分が、映像源11の映像光Lの出射位置11aと光学シート120の幾何学的中心C1とを結ぶ線分と同じ右側に傾斜している。これにより、本実施形態の表示装置110は、光学シート120に対して左斜め下側から投射される映像光をより効率よく運転者側に反射することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
(1)上述の実施形態において、表示装置10の光学シート20は、フロントウィンドウ2の車内側の面に配置される例を示したが、これに限定されるものでない。例えば、光学シート20は、映像光Lが入射する側の面(表面)を覆う第1基材(ガラス基板)と、映像光Lが入射する側とは反対側の面(背面)を覆う第2基材(ガラス基板)とを更に備える形態、すなわち光学シートが2枚の基材に挟まれる合わせガラスの形態にしてフロントウィンドウと一体になるようにしてもよい。これにより、光学シートをフロントウィンドウの外観から目立たなくすることができ、自動車の外観を向上させることができる。
(2)上述の実施形態において、表示装置10の映像源11は、光学シート20の厚み方向(Y方向)から見て、光学シート20の左下側に配置される例を示したが、これに限定されるものでなく、ハンドル4の位置や、計器類5の位置等に応じて、光学シート20の右下側や、左上側、右上側等に配置されるようにしてもよい。例えば、自動車の左側に運転席(ハンドル)がある場合、映像源を、光学シートの右下側に配置するようにしてもよい。このような場合でも、単位光学形状の配列方向R1や、単位光学形状の光学的中心C2と光学シートの幾何学的中心C1とを結ぶ線分を、映像源の映像光の出射位置と光学シートの幾何学的中心C1とを結ぶ線分と同じ側に傾斜させることによって、映像源の映像光をより効率よく観察者側に反射させることができる。
(3)単位光学形状21aは、対向面21cに微細な凹凸形状を形成してもよい。光学形状層21と背面層23とは、同一の屈折率を有する材料により形成されていたとしても、両者に微小な屈折率差が生じてしまう場合があり、その場合、対向面21cを透過する光の一部が、その対向面21cにおいて反射してしまい、2重像(ゴースト)として運転者に視認されてしまうが、上述のように、対向面21cに微細な凹凸形状を形成することによって、対向面21cに入射した光を拡散させて2重像の発生を抑制することができる。
(4)上述の実施形態において、表示装置10は、自動車1の運転席に配置される例を示したが、これに限定されるものでなく、他の乗り物の運転席等に配置されるようにしてもよい。また、表示装置は、店舗等のショーウィンドウ等に適用することも可能である。この場合、例えば、ショーウィンドウの内側の面に光学シートを貼付して、光学シートの左側又は右側の斜め下方又は上方に映像源を配置することによって、店舗の外側からショーウィンドウに展示される商品を見せるとともに、映像源から商品の情報等を表示することができる。
(5)上述の実施形態において、光学シート20の運転者側(+Y側)の面に、傷つき防止を目的としたハードコート処理を施すようにしてもよい。このハードコート処理は、例えば、光学シート20の運転者側の面に、ハードコート機能を有する紫外線硬化型樹脂(例えば、ウレタンアクリレート等)を塗布してハードコート層を形成するようにしてもよい。
1 自動車
2 フロントウィンドウ
3 内装パネル
4 ハンドル
5 計器類
10 表示装置
11 映像源
11a 出射位置
12 投射光学系
20 光学シート
21 光学形状層
21a 単位光学形状
21b 入射面
21c 対向面
22 反射層
23 背面層
C1 光学シートの幾何学的中心
C2 光学的中心(フレネルセンター)

Claims (3)

  1. 入射した映像光を反射する光学シートであって、
    映像光が入射する入射面を有した単位光学形状がシート面に沿って複数配列された光学形状層と、
    前記光学形状層の前記入射面に形成され、入射した光を反射する反射層とを備え、
    前記単位光学形状の配列方向は、当該光学シートの厚み方向から見た場合において、当該光学シートの幾何学的中心を通り、上下方向に平行な線に対して傾斜しており、
    前記単位光学形状は、前記入射面に対向する対向面を有し、前記対向面には微細な凹凸形状が形成されていること、
    を特徴とする光学シート。
  2. 請求項1に記載の光学シートにおいて、
    当該光学シートは、厚み方向から見た場合に、映像光の出射位置と当該光学シートの幾何学的中心とを結ぶ線分が、当該光学シートの幾何学的中心を通り、上下方向に平行な線に対して傾斜するようにして映像光が投射され、
    前記単位光学形状の配列方向は、厚み方向から見た場合において、映像光の前記線分と同じ側に傾斜していること、
    を特徴とする光学シート。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学シートと、
    前記光学シートの映像光が入射する側に設けられる第1基材と、
    前記光学シートの映像光が入射する側とは反対側に設けられる第2基材と、
    を備える合わせガラス。
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