JP2019163395A - 室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法 - Google Patents

室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法において、熟練した築炉工に頼ることなく、必要な寸法精度を有する煉瓦ブロックを製造する。【解決手段】煉瓦ブロック1の底面に面する底面金枠4と4つの側面に面する側面金枠5を有する成形枠3のうち、底面金枠4と2面又は3面の側面金枠5を組み立て、煉瓦ブロック1の段ごとに、煉瓦間にモルタルを塗布して側面金枠5に沿うように煉瓦2を配置し、1段の配置が完了したら前側面金枠6の第1アングル9Aを配置し、第1アングル9Aを煉瓦ブロック圧縮方向に押し付けつつ組み立る。続いて2段目煉瓦の配置が完了したら第2アングル9Bを配置する。3段目〜4段目についても、煉瓦2とアングル9の組み立てを各段で順次実施し、全段の煉瓦の配置を行う。煉瓦2に対して鉛直方向下向きに力を加えて煉瓦ブロック1の高さ方向の寸法を調整する。【選択図】図6

Description

本発明は、室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法に関するものである。
室炉式コークス炉においては、炭化室と燃焼室とが炉団長方向に交互に配置されて炭化室・燃焼室部を形成し、炭化室・燃焼室部の上部には炉頂部、下部には蓄熱室が配列されている。炭化室・燃焼室部と蓄熱室との間の部分は蛇腹部ともいわれる。蓄熱室の下部にはソールフリューが配置されている。通常、炭化室の寸法は、炉高4〜7.5m余、炉幅350〜550mm、炉長13〜17m程度である。燃焼室は、燃焼室煉瓦構造物を形成しており、炉長方向に配列された燃焼室フリュー列からなる。燃焼室煉瓦構造物、炉頂部、蛇腹部、蓄熱室、ソールフリューは、いずれも煉瓦積み構造で形成される。
室炉式コークス炉に用いられる耐火物としては、高温領域で機械的強度が大きく、かつ体積変化が少なく、熱伝導性が比較的良好であるとともに、材料が安価で大量に入手できる等の理由から、その多くが珪石煉瓦で構築されている。耐火物として用いる珪石煉瓦は、原料の珪石を焼成して製造する焼成煉瓦であり、高さは100〜150mm、長さと幅は例えば燃焼室であれば燃焼室フリューの形状から定まり、1個あたりの質量は20kg弱である。煉瓦と煉瓦の合わせ面を構成する目地にはモルタルを充填して耐火物構造が構築される。例えば、炭化室を50室有する室炉式コークス炉においては、上記硅石煉瓦を合計で130万個用いて、耐火物構造が構成されている。以下、硅石煉瓦を含め、総称して煉瓦2と呼ぶ。
室炉式コークス炉の新設時、あるいは室炉式コークス炉の老朽化に対応して耐火物構造全体を更新するに際しては、煉瓦2を、一つ一つ手積みで積み上げて構築する手積み工法が用いられる。コークス炉を構成する煉瓦構造物は、高い寸法精度が要求される。手積み工法は、煉瓦積みの専門職である築炉工によって作業が行われる。煉瓦構造物構築の現場において、水糸を張って位置基準を定めた後に、水糸に合わせながらモルタルを塗った単品煉瓦を、築炉工が順番に積み上げ、要求される精度を確保した煉瓦構造物を構築していた。
コークス炉は、製鉄所構内に設けられ、当該製鉄所の高炉で使用するコークスを製造している。従って、既設のコークス炉を老朽更新するに際しては、老朽更新のための休止中には別の手段でコークスを手配することが必要となるので、老朽更新のための休止期間をできるだけ短縮することが要請される。煉瓦2を手積み工法で積み上げる作業はすべて手作業であるため、築炉期間を短縮するためには、膨大な人数の熟練した築炉工によって作業を行う必要がある。しかし、熟練した築炉工の人数には限りがあるため、短期間で築炉を行うために十分な人数の築炉工を確保することが困難となる。
また、手積み工法による築炉作業は、労働集約型作業であることに加え、作業を行う築炉工は上述のように熟練した技能を要求されるため、将来はさらに築炉工の確保が困難となることが予想される。
特許文献1には、コークス炉の築炉において、定形耐火物を、人手によらず、高い精度で効率よく積み上げることができる、コークス炉定形耐火物積みシステムが開示されている。コークス炉内の所定の場所に、定形耐火物を供給し、供給された定形耐火物を積み上げ、モルタルを塗布し、これらを制御する手段を有する、機械化した耐火物積みシステムである。しかし、特許文献1に記載のような、全自動化機械化した耐火物積みシステムを構築してコークス炉の築炉を行おうとしても、位置把握を自動かつ高速で行い、その情報を元に次に積む煉瓦位置を決めようとしても素早く決めることができず、また装置が高価になるので経済的に見合わないとの問題があり、実際には適用されていない。
特許文献2には、炉体構築現場から離れた別地において、平面方向に複数の煉瓦を並べ、さらに上下方向に複数段積層された複数の煉瓦壁モジュールを予め形成し、炉体築造現場において、当該複数の煉瓦壁モジュールを積層して煉瓦壁を形成する、コークス炉の炉体構築方法が開示されている。以下、複数の煉瓦を別地で構築した煉瓦壁モジュールを、煉瓦ブロックとも呼ぶ。特許文献2には、コークス炉の燃焼室を形成するための煉瓦ブロック(煉瓦壁モジュール)が記載されている。別地にて煉瓦を積層して煉瓦ブロックを構築するに際しても、水糸を張って位置基準を定めた後に、水糸に合わせながらモルタルを塗った単品煉瓦を、築炉工が順番に積み上げ、要求される精度を確保した煉瓦ブロックを構成する必要がある。
特開2017−14448号公報 特開2015−81300号公報 特開2016−222758号公報
コークス炉の現地において煉瓦を積層して煉瓦構造物を構成する場合においても、あるいは別地にて煉瓦を積層して煉瓦ブロックを構築するに際しても、水糸を張って位置基準を定めた後に、モルタルを塗った単品煉瓦を、熟練した築炉工が水糸に合わせながら順番に積み上げ、要求される精度を確保した煉瓦ブロックを構成する必要がある。
コークス炉の老朽更新において、多数の熟練した築炉工を確保する困難を解消することが喫緊の課題である。ところが、別地で煉瓦ブロックを構築した上で煉瓦ブロックをコークス炉内に搬入して煉瓦構造物を構成する方法においても、上記のように熟練した築炉工の技能を必要としたのでは、熟練した築炉工の所要人数削減効果を得ることができない。
本発明は、コークス炉を構成する煉瓦構造物について、複数の煉瓦を別地で構築して煉瓦ブロックとした上でコークス炉内に配置する方法において、熟練した築炉工に頼ることなく、必要な寸法精度を得ることのできる、室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)1段当たり複数の煉瓦を複数段組み合わせる煉瓦ブロックの製造方法であって、
製造する煉瓦ブロックの底面に面する金枠(以下「底面金枠」という。)と煉瓦ブロックの4つの側面に面する金枠(以下「側面金枠」という。)を有する成形枠のうち、底面金枠と1面以上3面以下の側面金枠を組み立て、
煉瓦ブロックを構成する煉瓦間の接触面にモルタルを塗布して煉瓦ブロックを段ごとに形成し、側面金枠を配置し、配置した側面金枠を煉瓦ブロックに押し付けつつ組み立て、
上記段ごとの煉瓦と金枠の組み立てを各段で順次実施し、全段の煉瓦の配置を行うことを特徴とする室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
(2)上記(1)に記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法であって、
前記底面金枠と前記側面金枠を有する成形枠のうち、底面金枠と2面又は3面の側面金枠を組み立て、
煉瓦ブロックの段ごとに、同一段の煉瓦間の接触面にモルタルを塗布して、組み立てた側面金枠に沿うように煉瓦を配置し、1段の配置が完了したら組み立てていない側面金枠のうちで当該段の煉瓦に接触する部分を配置し、配置した側面金枠を煉瓦ブロックに押し付けつつ組み立て、
上記段ごとの煉瓦と金枠の組み立てを各段で順次実施し、全段の煉瓦の配置を行うことを特徴とする室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
(3)1面又は2面の側面金枠のうちの各段の煉瓦に接触する部分の上端位置は、当該段の煉瓦上面が位置すべき高さに等しく、
各段の煉瓦配置完了時又は全段の煉瓦配置完了時に、煉瓦に対して鉛直方向下向きに力を加えて煉瓦ブロックの高さ方向の寸法を調整することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
(4)煉瓦に対して鉛直方向下向きに力を加える手段として、ハンマーを用いて個別の煉瓦をたたく方法、プレス機で煉瓦ブロックの上面全体を圧縮する方法、又は振動装置で振動を加える方法のいずれかを用いることを特徴とする上記(3)に記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
(5)前記配置した側面金枠を煉瓦ブロック圧縮方向に押し付ける手段として、対象とする側面金枠をボルトで締め付けていく方法を用いることを特徴とする上記(1)から(4)までのいずれか1つに記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
(6)前記組み立てていない側面金枠の配置について、1段の煉瓦配置が完了する毎に配置することに替えて、煉瓦の複数段をまとめて押付手段で押し付けることを特徴とする上記(1)から(4)までのいずれか1つに記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
(7)煉瓦ブロックを構成する煉瓦間の隙間の厚さ下限を確保するためのスペーサーを配置することを特徴とする上記(1)から(6)までのいずれか1つに記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
本発明は、室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法において、熟練した築炉工に頼ることなく、必要な寸法精度を有する煉瓦ブロックを製造することができる。
煉瓦ブロックの一例を示す図である。 煉瓦ブロックを製造する成形枠の一例を示す斜視図であり、(A)は4つの側面金枠全部を組み立てた状態、(B)は3つの側面金枠を組み立てた状態を示す。 成形枠の一例を示す図であり、(B)(C)はそれぞれB方向、C方向矢視図である。 成形枠中に煉瓦ブロックを組み立てた状態を示す平面図である。 煉瓦ブロックの1段目煉瓦を組み立てた状態を示す斜視図であり、(A)(B)は第1アングル組み立て前後の状態を示す。 煉瓦ブロックの2段目煉瓦を組み立てた状態を示す斜視図であり、(A)(B)は第2アングル組み立て前後の状態を示す。 煉瓦ブロックの4段目煉瓦と第4アングルを組み立てた状態を示す斜視図である。
本発明が対象とする煉瓦ブロックは、室炉式コークス炉の煉瓦構造物の一部を構成する煉瓦ブロックであって、図1に示すように、1段当たり複数の煉瓦2を複数段組み合わせた煉瓦ブロック1である。炉体構築現場から離れた別地において煉瓦ブロック1を製造し、製造した煉瓦ブロック1を炉体構築現場に運び込んで組み上げることによってコークス炉の煉瓦構造物を形成する。
従来、煉瓦ブロックを構築するに際しても、水糸を張って位置基準を定めた後に、水糸に合わせながらモルタルを塗った単品煉瓦を、築炉工が順番に積み上げ、要求される精度を確保した煉瓦ブロックを構成していた。これに対して本発明は、製造する煉瓦ブロック1の底面に面する金枠(底面金枠4)と煉瓦ブロックの4つの側面に面する金枠(側面金枠5)を有する成形枠3を準備し、この成形枠3のうち、底面金枠4と1面以上3面以下の側面金枠5、好ましくは底面金枠4と2面又は3面の側面金枠5を組み立てた上で、組み立てた側面金枠5に沿うように煉瓦2を配置することを特徴とする。これにより、熟練した築炉工が水糸に沿って煉瓦を配置する必要がなくなり、非熟練工であっても配置精度の高い煉瓦ブロックを製造することが可能となった。
以下、室炉式コークス炉の燃焼室を構成する煉瓦構造物を形成するための煉瓦ブロックを例にとって、順次詳細に説明する。
図1は、事例として取り上げる煉瓦ブロック1を示す図である。コークス炉の炉長方向22には、燃焼室フリュー2個分の長さを有し、炉幅方向21(炉団長方向)には燃焼室の幅を有し、高さ方向23には煉瓦2を4段積み上げた高さを有している。煉瓦ブロック1の炉幅方向21側面は炭化室に面する面を形成しており、高い寸法精度で面が形成されていることが要求される。煉瓦ブロック1の炉長方向22側面は、燃焼室フリュー16の断面に位置しており、炉長方向22に隣接する煉瓦ブロックと組み合わせることによって燃焼室フリュー16が形成される。煉瓦ブロック1の炉長方向22中央には燃焼室フリュー16が形成されている。煉瓦ブロック1の高さ方向23の面は段差のない面を形成する。
図2は、上記取り上げた煉瓦ブロック1を構築するために準備した成形枠3である。図2(A)は底面金枠4と4つの側面金枠5の全部を組み立てた状態、図2(B)は底面金枠4と、3つの側面金枠5を組み立てた状態を示す。炉長方向22の側面金枠5(右側面金枠8R、左側面金枠8L)は、金属板17とその背面に配置したアングル11によって構成される。炉幅方向21の側面金枠5(前側面金枠6、後側面金枠7)は、それぞれ4本のアングル(9、10)のみからなり、4本のアングル(9、10)が高さ方向23に複数配置されて両端において右側面金枠8R、左側面金枠8Lにねじ止めされることにより、側面金枠5としての形状を実現している。図3には、底面金枠4と3つの側面金枠5(右側面金枠8R、左側面金枠8L、後側面金枠7)を組み立てた上で、前側面金枠6の第1アングル9Aを組み立てた状態を示している。図3(B)は前側面の右側を前方から見た図であり、前側面金枠6の第1アングル9Aと、後側面金枠7の下から2〜4番目のアングル10が見えている。図3(C)は右側面の前側を右側から見た図である。右側面金枠8Rの前側にはねじ止めジグ12が取り付けられており、前側面金枠6の第1アングル9A〜第4アングル9Dをねじ止めるための雌ねじ14が形成されている。第1アングル9Aが、ねじ止めジグ12の第1アングル用雌ねじにボルト13でねじ止めされている。図4は、成形枠中に煉瓦ブロックを組み立てた状態を示す平面図である。なお、アングルについては、例えばチャンネルやボックスなど、必要な剛性を有する部材であればいずれの形状でも良い。
図2(B)に示す、底面金枠4と3つの側面金枠5(右側面金枠8R、左側面金枠8L、後側面金枠7)を組み立てた状態において、底面金枠4の上に、図5(A)に示すように1段目の煉瓦2を配置する。同一段の煉瓦間の接触面にモルタルを塗布して、組み立てた側面金枠に沿うように煉瓦2を配置する。後側面金枠7が配置された側については、煉瓦2を後側面金枠7に接触させることにより、煉瓦ブロック1の面に凹凸が生じないように配置することができる。
1段目の煉瓦配置が完了したら、まだ組み立てていない前側面金枠6の側について、図5(B)に示すように、煉瓦2の1段目に対応する位置の第1アングル9Aを、その両端において右側面金枠8Rと左側面金枠8Lそれぞれのねじ止めジグ12にボルト13でねじ止めする。ねじ止めに際し、ボルト13を回転して第1アングル9Aを押し込むことにより、煉瓦ブロックを圧縮方向24(図中矢印方向)に押し付ける。ねじ止め位置において、対象とする第1アングル9Aと右側面金枠、左側面金枠それぞれのねじ止めジグ12とが接触するまでねじ込むことにより、煉瓦ブロック1の煉瓦目地が圧縮されて所定の形状と凹凸のない面の形成を実現することができる。
続いて、1段目の煉瓦2の上面にモルタルを塗りつけた上で、図6(A)に示すように、1段目の煉瓦2の上に2段目の煉瓦2を配置する。煉瓦配置手順は1段目の煉瓦と同様である。そして、前側面金枠6の側について、図6(B)に示すように、2段目に対応する位置の第2アングル9Bを、その両端において右側面金枠と左側面金枠のねじ止めジグ12にボルト13でねじ止めする。1段目と同様、第2アングル9Bと隣接する右側面金枠と左側面金枠のねじ止めジグ12が接触するまでねじをねじ込むことにより、煉瓦ブロック1の煉瓦目地が圧縮されて所定の形状と凹凸のない面の形成を実現することができる。
煉瓦ブロックの2段目に対応する前側面金枠6の第2アングル9Bの組み立てが完了したところで、1段目と2段目の間のモルタル層の厚みを調整し、2段目レンガ層の上面の位置を調整する。具体的には、2段目煉瓦に対して鉛直方向下向きに力を加えて煉瓦ブロックの高さ方向の寸法を調整する。煉瓦に対して鉛直方向下向きに力を加える手段として、ハンマーを用いて個別の煉瓦をたたく方法、プレス機で煉瓦ブロックの上面全体を圧縮する方法、又は振動装置で振動を加える方法のいずれかを用いることができる。側面金枠5に、各段煉瓦の上面が位置すべき高さに予めマーキングを施しておくと良い。2段目煉瓦上面が当該マーキング高さに一致するように高さを調整することにより、煉瓦の高さを正確に配置することができる。図2〜図7に示す例では、前側面金枠6の第2アングル9B〜第4アングル9Dの上端、後側面金枠7の2段目〜4段目のアングル10の上端が、当該段の煉瓦上面が位置すべき高さを示している。煉瓦ブロックの高さ調整を行うとき、目地のモルタル層厚みが調整されて薄くなり、余剰のモルタルは煉瓦ブロック1の各表面から外方に排出される。本発明の成形枠3において、前側面金枠6、後側面金枠7としてアングルのみを用い、金属板を用いないこととすれば、排出された余剰モルタルの逃げ場所が確保できるので好ましい。また、1面又は2面の側面金枠のうちの各段の煉瓦に接触する部分の上端位置は、当該段の煉瓦上面が位置すべき高さに等しくしておくと好ましい。これにより、各段の煉瓦を積み終わった後の煉瓦ブロックの高さ調整において、煉瓦ブロック各段の高さが側面金枠の当該段部分の高さに等しくなるように調整することで、煉瓦ブロック各段の高さを正確に目標どおりとすることができる。
以下、3段目、4段目の煉瓦についても、2段目と同様に煉瓦配置を行う。4段目について、煉瓦配置、前側面金枠6の第4アングル9Dの組み立て、煉瓦の高さ調整が完了したら、図7に示すように、煉瓦ブロック1が完成する。モルタル固化のための所定の時間経過後に各金枠を取り外すことにより、煉瓦ブロック1を取り出すことができる(図1)。
煉瓦に対して鉛直方向下向きに力を加える方法として、上述のように各段の煉瓦配置完了時にそれぞれ力を加えるのではなく、全段の煉瓦配置完了時に、煉瓦に対して鉛直方向下向きに力を加えて煉瓦ブロックの高さ方向の寸法を調整することとしても良い。
煉瓦ブロックの外形形状を必要な寸法精度に収めるための調整方法について説明する。炉幅方向21の煉瓦ブロック1の位置調整については、それぞれの煉瓦2の表面が炉幅方向側面金枠(前側面金枠6、後側面金枠7)に接触するように配置することで、良好に位置調整することができる。炉長方向22の煉瓦ブロック1の位置調整について、図1〜図7に示す例では、成形枠3の四隅に配置した位置調整ピース15によって調整する。図4に示すように、成形枠3の四隅部に配置する煉瓦2について、炉幅方向21の煉瓦表面が炉幅方向側面金枠(前側面金枠6、後側面金枠7)に接触すると同時に、煉瓦2のコーナー部の炉長方向22端面が、位置調整ピース15の炉長方向22端面に接触するように配置することにより、炉長方向22において煉瓦配置位置が正確に配置されることとなる。また、図3に示す例では、位置調整ピース15が、前側面金枠6のアングル9と炉幅方向側面金枠(右側面金枠8R、左側面金枠8L)とを結合するねじ止めジグ12を兼ねている。
本発明は、上述の方法によって煉瓦ブロックの外形形状を必要な寸法精度に収めることとするので、結果として煉瓦間の隙間(モルタルで充填されている)の厚さについても適正な厚さを確保することができる。一方、このような方法を用いたとしても、煉瓦間の隙間の厚さがばらつくことがある。そのような場合でも、煉瓦間の隙間の最小厚さを確保することは重要であり、最小厚さを確保することによってモルタルによる煉瓦間の接着力を確保することができる。そこで本発明ではさらに、煉瓦ブロックを構成する煉瓦間の隙間の厚さ下限を確保するためのスペーサーを配置することとすると好ましい。煉瓦間の必要最小隙間厚さは1〜4mm、通常は2mm程度であり、隙間最小厚みに等しい厚みのスペーサーを煉瓦間に配置することにより、必要最低厚みのモルタル厚みを確保することが可能となる。スペーサーは、厚みが上記必要最低隙間厚みであり、幅と長さはそれぞれ10mm程度とすると好ましい。スペーサーの材質は煉瓦と同材質が好ましい。煉瓦1個について、各面に4個以上のスペーサーを配置すると良い。煉瓦ブロックの1段目の煉瓦の上面にはスペーサーを配置せず、2段目より上の段の煉瓦の下面にスペーサーを形成し、煉瓦ブロックのすでに配置した煉瓦の上面にモルタルを塗りつけた上で、煉瓦積みを行う。
1 煉瓦ブロック
2 煉瓦
3 成形枠
4 底面金枠
5 側面金枠
6 前側面金枠
7 後側面金枠
8L 左側面金枠
8R 右側面金枠
9 アングル
10 アングル
11 アングル
12 ねじ止めジグ
13 ボルト
14 雌ねじ
15 位置調整ピース
16 燃焼室フリュー
17 金属板
21 炉幅方向
22 炉長方向
23 高さ方向
24 圧縮方向

Claims (7)

  1. 1段当たり複数の煉瓦を複数段組み合わせる煉瓦ブロックの製造方法であって、
    製造する煉瓦ブロックの底面に面する金枠(以下「底面金枠」という。)と煉瓦ブロックの4つの側面に面する金枠(以下「側面金枠」という。)を有する成形枠のうち、底面金枠と1面以上3面以下の側面金枠を組み立て、
    煉瓦ブロックを構成する煉瓦間の接触面にモルタルを塗布して煉瓦ブロックを段ごとに形成し、側面金枠を配置し、配置した側面金枠を煉瓦ブロックに押し付けつつ組み立て、
    上記段ごとの煉瓦と金枠の組み立てを各段で順次実施し、全段の煉瓦の配置を行うことを特徴とする室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
  2. 請求項1に記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法であって、
    前記底面金枠と前記側面金枠を有する成形枠のうち、底面金枠と2面又は3面の側面金枠を組み立て、
    煉瓦ブロックの段ごとに、同一段の煉瓦間の接触面にモルタルを塗布して、組み立てた側面金枠に沿うように煉瓦を配置し、1段の配置が完了したら組み立てていない側面金枠のうちで当該段の煉瓦に接触する部分を配置し、配置した側面金枠を煉瓦ブロックに押し付けつつ組み立て、
    上記段ごとの煉瓦と金枠の組み立てを各段で順次実施し、全段の煉瓦の配置を行うことを特徴とする室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
  3. 1面又は2面の側面金枠のうちの各段の煉瓦に接触する部分の上端位置は、当該段の煉瓦上面が位置すべき高さに等しく、
    各段の煉瓦配置完了時又は全段の煉瓦配置完了時に、煉瓦に対して鉛直方向下向きに力を加えて煉瓦ブロックの高さ方向の寸法を調整することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
  4. 煉瓦に対して鉛直方向下向きに力を加える手段として、ハンマーを用いて個別の煉瓦をたたく方法、プレス機で煉瓦ブロックの上面全体を圧縮する方法、又は振動装置で振動を加える方法のいずれかを用いることを特徴とする請求項3に記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
  5. 前記配置した側面金枠を煉瓦ブロック圧縮方向に押し付ける手段として、対象とする側面金枠をボルトで締め付けていく方法を用いることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
  6. 前記組み立てていない側面金枠の配置について、1段の煉瓦配置が完了する毎に配置することに替えて、煉瓦の複数段をまとめて押付手段で押し付けることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
  7. 煉瓦ブロックを構成する煉瓦間の隙間の厚さ下限を確保するためのスペーサーを配置することを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の室炉式コークス炉の煉瓦ブロックの製造方法。
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