JP2019162647A - Sn系はんだペースト及びこれを用いたはんだバンプの製造方法 - Google Patents

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司 八十嶋
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Abstract

【課題】Sn系はんだペースト用いて生成されたはんだ中にボイドが発生するのを抑制する。【解決手段】本発明のSn系はんだペーストは、Sn系金属粉末とフラックスとを含む。また、Sn系金属粉末は、SnとCuとTeを含むか、又はSnとAgとCuとTeを含み、TeをSn系金属粉末100質量%に対して10ppm以上30000ppm以下含む。上記Sn系はんだペーストの製造方法は、Sn系はんだペーストを回路基板の金属電極上に塗布する工程と、金属電極上に塗布されたSn系はんだペーストを加熱してはんだバンプを生成する工程とを含む。【選択図】なし

Description

本発明は、Sn系金属粉末とフラックスを含むPbフリーのSn系はんだペーストと、このはんだペーストを用いてはんだバンプを製造する方法に関するものである。
従来、Snはんだに、0.5〜3.0重量%のAgと、0.1〜0.8重量%のCuと、0.01〜0.1重量%のGeと、0.01〜0.1重量%のTeとが添加混合された耐酸化性に優れた無鉛はんだが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
このように構成された無鉛はんだは、耐酸化性に優れ、しかも酸化防止の持続時間が長いので、長時間プリント基板等のはんだ付けに使用しても、酸化物の生成を効果的に防止することができ、はんだ付け不良の発生を効果的に回避できる。具体的には、Sn−Ag−Cu又はSn−Ag−Cu−Bi合金に、Ge及びTeをそれぞれ0.01〜0.1重量%を複合添加することによって、はんだ浴の酸化物(又はドロス)発生量を半減でき、しかも耐酸化性を長時間持続させる効果が得られる。
特開平11−226776号公報(請求項1、段落[0031])
しかし、上記従来の特許文献1に示された無鉛はんだでは、Sn−Ag−Cu又はSn−Ag−Cu−Bi合金に、Ge及びTeをそれぞれ0.01〜0.1重量%を複合添加することによって、はんだ浴の酸化物(又はドロス)発生量を半減できるけれども、Geを添加しているため、GeがTeと結びついて、Cu製又はCu合金製の電極に対するはんだの濡れ性が低下する不具合があった。また、上記従来の特許文献1に示された無鉛はんだをフラックスと混合してはんだペーストを調製した後に、このはんだペーストを金属電極に塗布し加熱してはんだバンプを生成すると、はんだバンプ中に大きなボイドが発生してしまい、はんだバンプの品質が低下する問題点があった。
本発明の第1の目的は、Sn系はんだペースト用いて生成されたはんだ中にボイドが発生するのを抑制できる、Sn系はんだペーストを提供することにある。本発明の第2の目的は、はんだバンプ中にボイドが発生するのを抑制でき、これにより回路基板の金属電極に品質の優れたはんだバンプを形成できる、Sn系はんだペーストを用いたはんだバンプの製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、Sn系金属粉末とフラックスとを含むSn系はんだペーストであって、Sn系金属粉末が、SnとCuとTeを含むか、又はSnとAgとCuとTeを含み、TeをSn系金属粉末100質量%に対して10ppm以上30000ppm以下含むことを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に記載のSn系はんだペーストを回路基板の金属電極上に塗布する工程と、金属電極上に塗布されたSn系はんだペーストを加熱してはんだバンプを生成する工程とを含むはんだバンプの製造方法である。
本発明の第1の観点のSn系はんだペーストでは、Sn系金属粉末が、SnとCuとTeを含むか、又はSnとAgとCuとTeを含み、TeをSn系金属粉末100質量%に対して10ppm以上30000ppm以下含むので、このSn系はんだペースト用いて生成されたはんだの表面張力を低下でき、またTeの金属に対する良好な反応性により、回路基板の金属電極に対するはんだの濡れ性を向上できる。この結果、Sn系はんだペースト用いて生成されたはんだ中にボイドが発生するのを抑制できる。
本発明の第2の観点のはんだバンプの製造方法では、Sn系はんだペーストを回路基板の金属電極上に塗布した後に、金属電極上に塗布されたSn系はんだペーストを加熱してはんだバンプを生成するので、上記と同様の理由により、はんだバンプ中にボイドが発生するのを抑制できる。この結果、回路基板の金属電極に品質の優れたはんだバンプを形成できる。
次に本発明を実施するための形態を説明する。Sn系はんだペーストは、Sn系金属粉末とフラックスとを含む。Sn系金属粉末は、SnとCuとTeを含むか、又はSnとAgとCuとTeを含む。SnとCuとTeを含むSn系金属粉末としては、CuをSn系金属粉末100質量%に対して好ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以上1.2質量%以下含む。また、TeをSn系金属粉末100質量%に対して10ppm以上30000ppm以下、好ましくは15ppm以上1000ppm以下、更に好ましくは15ppm以上450ppm以下含む。更に、Sn系金属粉末100質量%からCu及びTeの含有割合を差し引いた残部がSnの含有割合である。
ここで、SnとCuとTeを含むSn系金属粉末において、Cuの好ましい含有割合を0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲内に限定したのは、0.1質量%未満では、本実施の形態のはんだペーストを用いて生成されたはんだバンプに作用する応力を十分に緩和できず、はんだバンプの強度が低下してしまい、1.5質量%を超えると、はんだペースト中の金属粉末の融点が高くなり、はんだ付け性の低下を招くおそれがあるからである。また、Teの含有割合を10ppm以上30000ppm以下の範囲内に限定したのは、10ppm未満では、TeのCuに対する反応性を十分に発揮できず、はんだバンプの金属電極に対する濡れ性が低くなってしまい、30000ppmを超えると、はんだペースト中の金属粉末の融点が高くなり、溶融時に固液共存状態となることから、はんだ付け性の低下を招くおそれがあるとともに、金属電極に対するはんだバンプの濡れ性が低くなってしまうからである。更に、SnとCuとTeを含むSn系金属粉末は、Sn源及びCu源として、Sn−Cu合金粉末、Sn粉末、Cu粉末のいずれかを含むことが好ましく、TeはSn及びCuのうち少なくとも1種の金属を含む合金粉末として含有されることが好ましい。即ち、SnとCuとTeを含むSn系金属粉末は、Sn−Cu−Te合金粉末、Sn−Te合金粉末、Cu−Te合金粉末のいずれかの合金粉末として含有されることが好ましい。
一方、SnとAgとCuとTeを含むSn系金属粉末としては、Agを好ましくは0.1質量%以上10.0質量%以下、更に好ましくは2質量%以上5質量%以下含む。また、CuをSn系金属粉末100質量%に対して好ましくは0.1質量%以上1.5質量%以下、更に好ましくは0.3質量%以上1.2質量%以下含む。また、TeをSn系金属粉末100質量%に対して10ppm以上30000ppm以下、好ましくは15ppm以上450ppm以下含む。更に、Sn系金属粉末100質量%からAg、Cu及びTeの含有割合を差し引いた残部がSnの含有割合である。ここで、SnとAgとCuとTeを含むSn系金属粉末において、Agの好ましい含有割合を0.1質量%以上10質量%以下の範囲内に限定したのは、0.1質量%未満では、本実施の形態のはんだペーストを用いて生成されたはんだバンプの耐熱疲労性及び機械的強度を向上できず、10質量%を超えると、はんだペースト中の金属粉末の融点が高くなり、はんだ付け性の低下を招くおそれがあるからである。また、Cuの好ましい含有割合を0.1質量%以上1.5質量%以下の範囲内に限定した理由は、上記SnとCuとTeを含むSn系金属粉末の場合と同一である。また、Teの含有割合を10ppm以上30000ppm以下の範囲内に限定したのは、上記SnとCuとTeを含むSn系金属粉末の場合と同一である。
更に、SnとAgとCuとTeを含むSn系金属粉末は、Sn源、Ag源及びCu源として、Sn−Ag−Cu合金粉末、Sn−Ag合金粉末、Sn−Cu合金粉末、Ag−Cu合金粉末、Sn粉末、Ag粉末、Cu粉末のいずれかを含むことが好ましく、TeはSn、Ag及びCuのうち少なくとも1種の金属を含む合金粉末として含有されることが好ましい。即ち、SnとAgとCuとTeを含むSn系金属粉末は、Sn−Ag−Cu−Te合金粉末、Sn−Ag−Te合金粉末、Sn−Cu−Te合金粉末、Ag−Cu−Te合金粉末、Sn−Te合金粉末、Ag−Te合金粉末、Cu−Te合金粉末のいずれかの合金粉末として含有されることが好ましい。
一方、フラックスとしては、通常用いられる一般的なフラックスを用いることができ、特に限定されないけれども、はんだペーストを用いて生成されるはんだバンプの濡れ性の観点等から、RA(活性)フラックスやRMA(弱活性)フラックスを用いることが好ましい。また、フラックスには、通常用いられるロジン、活性剤、溶剤及びチクソ剤等が含まれてもよい。更に、フラックスは、はんだペースト100質量%に対して5質量%以上40質量%以下であることが好ましく、6質量%以上15質量%以下であることが更に好ましい。ここで、フラックスの好ましい含有割合を5質量%以上40質量%以下の範囲内に限定したのは、5質量%未満では、ペースト状にならず、40質量%を超えると、はんだペーストの粘度が低すぎて、印刷の際にダレが生じてしまうからである。
このように構成されたSn系はんだペーストでは、Teが含有されていることから、このSn系はんだペースト用いて生成されたはんだの表面張力をTeにより低下できる。また、TeのCuに対する良好な反応性により、Cu製又はCu合金製の電極に対するはんだの濡れ性を向上できる。この結果、Sn系はんだペースト用いて生成されたはんだ中にボイドが発生するのを抑制できる。
このように構成されたSn系はんだペーストの製造方法を説明する。先ず、Sn系金属粉末を作製する。具体的には、SnとCuとTeを所定の割合で含む合金、又はSnとAgとCuとTeを所定の割合で含む合金を作製した後に、この合金からアトマイズ法によりSn系金属粉末を作製する。ここで、アトマイズ法とは、合金の溶湯を噴霧し、急冷微細化する方法であり、合金の組織・組成を均質で微細にすることができる。このアトマイズ法としては、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、真空アトマイズ法等が挙げられる。また、Sn系金属粉末の粒径が5μm〜15μmの範囲内になるように、Sn系金属粉末を分級することが好ましい。次に、Sn系金属粉末とフラックスとを所定の割合で混合し撹拌することにより、Sn系はんだペーストを製造する。
このように製造されたSn系はんだペーストを用いてはんだバンプを製造する方法を説明する。先ず、Sn系はんだペーストを回路基板の金属電極上に塗布する。金属電極としては、導電性を有する種々の金属を用いることができるが、導電性の高いCu又はCu合金で形成されることが好ましい。ここで、ペーストの塗布方法としては、スクリーン印刷法、ディスペンス法等が挙げられる。次に、金属電極上に塗布されたSn系はんだペーストを加熱してはんだバンプを生成する。ここで、ペーストの加熱方法としては、リフロー炉を用いた加熱方法や、ホットプレートを用いた加熱方法等が挙げられる。
このように製造されたはんだバンプは、Teが含有されていることによってその表面張力を低下でき、またTeのCuに対する良好な反応性により、Cu製又はCu合金製の電極に対する濡れ性を向上できる。この結果、はんだバンプ中にボイドが発生するのを抑制できるので、金属電極に品質の優れたはんだバンプを形成できる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、SnとCuとTeを含むSn系金属粉末を作製した。具体的には、Cuを0.7質量%と、Teを15ppmと、Snを残部含む合金を作製した後に、この合金からガスアトマイズ法によりSn系金属粉末を作製し、更にこのSn系金属粉末の粒径が5μm〜15μmの範囲内になるようにSn系金属粉末を分級した。次に、このSn系金属粉末を89質量%と、RA(活性)フラックスを11質量%とを混合し撹拌して、Sn系はんだペーストを得た。このSn系はんだペーストを実施例1とした。
<実施例2〜5及び比較例1〜7>
実施例2〜5及び比較例1〜7のSn系はんだペーストは、Sn、Cu、Te及びその他の添加元素を、表1に示すようにそれぞれ配合して調製した。なお、表1に示した配合以外は、実施例1と同様にして、Sn系はんだペーストを調製した。
<比較試験1及び評価>
実施例1〜5及び比較例1〜7のSn系はんだペーストを用いて、はんだの濡れ性及びはんだバンプ中のボイドの最大直径率をそれぞれ測定した。
<はんだの濡れ性の測定方法>
Cu板へのはんだの濡れ性を、濡れ性試験機を用いて、メニスコグラフ法により測定した。Cu板として、幅、長さ及び厚さがそれぞれ10mm、30mm及び0.3mmである無酸素銅板を用い、測定温度は257℃とした。ここで、メニスコグラフ法とは、Cu板(試料)を、一定の深さ、速度、時間間隔で、溶融はんだ内に浸漬させたときの濡れの時間的変化を測定する方法である。このメニスコグラフ法では、Cu板が溶融はんだに濡れる前のCu板にかかる浮力と濡れ開始後の表面張力により垂直方向に作用する力を高感度の電子天秤によって連続的に検出し、連続的に検出された作用力が濡れ曲線(横軸:時間、縦軸:濡れ力)として表示される。この濡れ曲線の縦軸の最大値である最大濡れ力(mN)をはんだの濡れ性とした。
<はんだバンプ中のボイドの最大直径率の測定・算出方法>
実施例1〜5及び比較例1〜7のSn系はんだペーストを、直径、厚さ及びピッチがそれぞれ85μm、20μm及び150μmである1600個の開口部が設けられたソルダーレジスト(SR)を有する回路基板に、直径、厚さ及びピッチがそれぞれ110μm、20μm及び150μmである1600個の開口部を有するステンシルマスクを用いて印刷した。次いで、これらの回路基板を熱対流式リフロー炉に入れ、窒素ガス雰囲気中で257℃の温度に1分間保持して、1600個のはんだバンプを生成した。次に、これらのはんだバンプ中のボイドの直径を透過X線により測定した。更に、直径を測定したボイドのうち最も直径が大きいボイド(最大ボイド)が発生したバンプの直径と、その最大ボイドの直径とから、次の式(1)によりボイドの最大直径率(%)を算出した。
ボイドの最大直径率=(最大ボイドの直径/バンプの直径)×100 ……(1)
これらの結果を表1に示す。
Figure 2019162647
表1から明らかなように、比較例1のTeを添加しなかったSn系はんだペーストでは、このペーストを用いて生成されたはんだの最大濡れ力が7.30mNと小さく、このペーストを用いて生成されたはんだバンプ中のボイドの最大直径率が40%と大きかった。
比較例2のTeの含有割合が5ppmと少なすぎたSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.33mNと未だ小さく、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が36%と未だ大きかった。
比較例3のTeの含有割合が32000ppmと多すぎたSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.32mNと未だ小さく、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が36%と未だ大きかった。
これらに対し、実施例1〜5のTeの含有割合が10ppm〜30000ppmと適切な範囲内であるSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.45mN〜7.66mN(比較例1との差が0.15mN〜0.36mN)と大きくなり、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が19%〜34%(比較例1との差が−6%〜−21%)と小さくなった。
ここで、実施例1〜5のTeを適切な割合で添加したSn系はんだペーストを用いた場合、はんだの最大濡れ力が大きくなり、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が小さくなったのは、Teによりはんだの表面張力が低下するという効果と、TeのCuとの高い反応性によりCuに対して濡れ性を高めるという効果が発揮されたためであると考えられる。
特に、実施例1〜3のTeの含有割合が10ppm〜450ppmの範囲内であるSn系はんだペーストを用いると、はんだの最大濡れ力及びはんだバンプ中のボイドの最大直径率がより向上することが分かった。
一方、比較例4のTeを450ppm添加し更にGeを100ppm添加したSn系はんだペーストでは、このペーストを用いて生成されたはんだの最大濡れ力が7.29mNと未だ小さく、このペーストを用いて生成されたはんだバンプ中のボイドの最大直径率が40%と比較例1と同様に大きかった。
比較例5のTeを450ppm添加し更にPdを300ppm添加したSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.34mNと未だ小さく、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が37%と未だ大きかった。
比較例6のTeを450ppm添加し更にSbを1000ppm添加したSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.35mNと未だ小さく、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が36%と未だ大きかった。
比較例7のTeを450ppm添加し更にGaを500ppm添加したSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.30mNと比較例1と同様に小さく、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が39%と未だ大きかった。
これらに対し、実施例2のTeを450ppm添加したけれども他の元素を添加しなかったSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.57mN(比較例1との差が0.27mN)と大きくなり、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が20%(比較例1との差が−20%)と小さくなった。
また、実施例5のTeを450ppm添加し更にNa、Li及びPをそれぞれ1000ppmずつ添加したSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.66mN(比較例1との差が0.36mN)と大きくなり、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が19%(比較例1との差が−21%)と小さくなった。
ここで、比較例4〜7のGe、Pd、Sb及びGaをそれぞれ添加したSn系はんだペーストを用いた場合、はんだの最大濡れ力が小さく、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が大きくなったのは、これらの元素(Ge、Pd、Sb及びGa)がTeと結びついて、Teによりはんだの表面張力が低下するという効果と、TeのCuとの高い反応性によりCuに対して濡れ性を高めるという効果が失われたためであると考えられる。
<実施例6>
先ず、Sn、Ag、Cu及びTeを含むSn系金属粉末を作製した。具体的には、Agを3質量%と、Cuを0.5質量%と、Teを15ppmと、Snを残部含む合金を作製した後に、この合金からガスアトマイズ法によりSn系金属粉末を作製したこと以外は、実施例1と同様にしてSn系はんだペーストを調製した。このSn系はんだペーストを実施例6とした。
<実施例7〜9及び比較例8〜10>
実施例7〜9及び比較例8〜10のSn系はんだペーストは、Sn、Ag、Cu及びTeを、表2に示すようにそれぞれ配合して調製した。なお、表2に示した配合以外は、実施例6と同様にして、Sn系はんだペーストを調製した。
<比較試験2及び評価>
実施例6〜9及び比較例8〜10のSn系はんだペーストを用いて、はんだの最大濡れ力及びはんだバンプ中のボイドの最大直径率を、はんだバンプの生成温度以外それぞれ比較試験1と同様に測定した。比較試験2では、はんだバンプの生成温度を247℃とした。その結果を表2に示す。
Figure 2019162647
表2から明らかなように、比較例8のTeを添加しなかったSn系はんだペーストでは、このペーストを用いて生成されたはんだの最大濡れ力が7.42mNと小さく、このペーストを用いて生成されたはんだバンプ中のボイドの最大直径率が34%と大きかった。
比較例9のTeの含有割合が5ppmと少なすぎたSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.42mNと比較例8と同様に小さく、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が34%と比較例8と同様に大きかった。
比較例10のTeの含有割合が32000ppmと多すぎたSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.44mNと未だ小さく、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が33%と未だ大きかった。
これらに対し、実施例6〜9のTeの含有割合が10ppm〜30000ppmと適切な範囲内であるSn系はんだペーストでは、はんだの最大濡れ力が7.53mN〜7.66mN(比較例8との差が0.11mN〜0.24mN)と大きくなり、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が20%〜28%(比較例8との差が−6%〜−14%)と小さくなった。
ここで、実施例6〜9のTeを適切な割合で添加したSn系はんだペーストを用いた場合、はんだの最大濡れ力が大きくなり、はんだバンプ中のボイドの最大直径率が小さくなったのは、Teによりはんだの表面張力が低下するという効果と、TeのCuとの高い反応性によりCuに対して濡れ性を高めるという効果が発揮されたためであると考えられる。
特に、実施例6〜7のTeの含有割合が10ppm〜450ppmの範囲内であるSn系はんだペーストを用いると、はんだの最大濡れ力及びはんだバンプ中のボイドの最大直径率がより向上することが分かった。
本発明のSn系はんだペーストは、プリント回路基板、フレキシブルプリント回路基板、半導体集積回路などの回路基板への、コンデンサやサーミスタ等の素子のはんだ付けに利用できる。

Claims (2)

  1. Sn系金属粉末とフラックスとを含むSn系はんだペーストであって、
    前記Sn系金属粉末が、SnとCuとTeを含むか、又はSnとAgとCuとTeを含み、
    前記Teを前記Sn系金属粉末100質量%に対して10ppm以上30000ppm以下含む
    ことを特徴とするSn系はんだペースト。
  2. 請求項1記載のSn系はんだペーストを回路基板の金属電極上に塗布する工程と、
    前記金属電極上に塗布されたSn系はんだペーストを加熱してはんだバンプを生成する工程と
    を含むはんだバンプの製造方法。
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