JP2019162034A - 自動微生物検査装置 - Google Patents

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桂 富永
研次 岩脇
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Abstract

【課題】薬剤感受性試験において、菌の発育不良を早期に発見し得る機構を備えた、自動微生物検査装置を提供することに関する。【解決手段】微生物の同定及び薬剤感受性を検査する装置であって、検体容器を格納するための検体容器格納部、培養プレートを格納するプレート格納部、分注用チップを格納するチップ格納部、使用済みチップを収納するチップ廃棄部、使用済み培養プレートを収納するプレート回収部、検体を培養する培養部、光学的分析を行う光学検出系、プレート搬送系、分注ユニット、並びに検体の希釈から、検体の分注、培養、光学分析及び判定、及びプレートの回収までの一連の工程を自動で行うプログラムが記憶された記憶装置と、このプログラムを実行する演算装置を備え、且つ薬剤感受性試験のための光学分析をリアルタイムで行い、分析結果をグラフ表示させる機構を備えてなる自動微生物検査装置。【選択図】図1

Description

本発明は、細菌の同定検査および薬剤感受性の検査に用いる自動微生物検査装置に関する。
細菌検査において、検査材料より分離された細菌の同定や薬剤感受性の判定は重要なことである。これまでの臨床検査の流れでは、検体からの分離培養に1日を要し、その分離培地上の新鮮コロニーから、あるいは増菌培養を介して細菌の同定・感受性試験を行うものであった。このため、通常の検査でも同定あるいは感受性試験結果が得られるまで3日ないし4日を要していた。
したがって、同定・感受性試験の作業を軽減し、迅速に結果を報告することが可能な自動迅速同定・感受性測定装置の開発が求められ、本発明者らは、菌懸濁液を調製するだけで、それ以降の希釈、分注、培養、判定を全自動で行う細菌検査装置で、迅速同定試験、迅速感受性試験に加え、18時間感受性試験も可能なシステムを提供している(非特許文献1)。
しかしながら、従来のシステムでは、薬剤感受性試験において、仮に菌が発育すべき対照ウェルにおいて発育不良が生じた場合には感受性結果が得られないが、この情報は培養終了後、コンピューター分析処理により「発育不良」として判定されるまで把握することができず、耐性菌の判定が大幅に遅れるという課題があった。
「最先端バイオマーカーを用いた診断薬/診断装置開発と薬事対応」、第12章、第3節 全自動迅速同定感受性測定装置RAISUS「ライサス」システムの開発、(株)技術情報協会、2015年1月30日
本発明は、薬剤感受性試験において、菌の発育不良を早期に発見し得る機構を備えた、自動微生物検査装置を提供することに関する。
本発明は、微生物の同定及び薬剤感受性を検査する装置であって、
検体容器を格納するための検体容器格納部、培養プレートを格納するプレート格納部、分注用チップを格納するチップ格納部、使用済みチップを収納するチップ廃棄部、使用済み培養プレートを収納するプレート回収部、検体を培養する培養部、光学的分析を行う光学検出系、プレート搬送系、分注ユニット、並びに検体の希釈から、検体の分注、培養、光学分析及び判定、及びプレートの回収までの一連の工程を自動で行うプログラムが記憶された記憶装置と、このプログラムを実行する演算装置を備え、且つ、
薬剤感受性試験のための光学分析をリアルタイムで行い、分析結果をグラフ表示させる機構を備えてなる自動微生物検査装置、に係るものである。
また、本発明は、菌液を希釈する希釈工程、検体を分注する分注工程、検体を培養する培養工程、並びに薬剤感受性試験及び同定試験を行う分析・判定工程を含み、これらを自動で行う微生物の同定及び薬剤感受性の検査方法であって、薬剤感受性試験のための光学分析をリアルタイムで行い、分析結果をグラフ表示させる工程を含む、方法に係るものである。
本発明の自動微生物検査装置によれば、高い正確度でかつ短い時間で微生物の同定と、薬剤感受性を検査できる。特に薬剤感受性試験において、リアルタイム検出表示される発育曲線グラフをみることで、対照ウェルにおいて発育できない菌株を最終判定前に認識でき、薬剤感受性試験方法の変更・最適化を前もって着手できる。これにより、正確な感受性結果を早く導くことができる。また、対照ウェルと薬剤添加ウェルの発育曲線データを確認することで、コンピューターが分析処理を開始する基準時前に耐性菌の可能性があることを発育曲線グラフから認識できる。このことにより、迅速感受性試験結果が得られる前に耐性菌であるかを推定でき、治療に用いる抗生物質種の変更といった最適治療をより早く実施できる。
本発明装置の前面の概略図 本発明装置の背面の概略図 本発明装置の分注ユニット周辺の概略図 検体格納部及びチップ格納部の概略図 プレート格納部・培養部の概略図 菌液調製から微生物の同定及び薬剤感受性判定までのフロー MRSA臨床分離株の発育曲線(0〜1080分) MRSA臨床分離株の発育曲線(0〜420分) MSSA臨床分離株の発育曲線(0〜1080分) MSSA臨床分離株の発育曲線(0〜420分)
本発明の自動微生検査装置では、菌液(一次検体)の調製、検体情報及びプレート情報の入力、及び専用試薬のセットを測定者が行うだけで、それ以降の希釈、分注、培養、試験結果の算出・報告、及びプレート回収までが全自動で行われる。図5に菌液調製から微生物の同定及び薬剤感受性判定までのフローを示す。
ここで、専用試薬としては、同定用基質及び薬剤感受性試験用抗菌薬を乾燥固定した培養プレート、菌液を調製するための滅菌水、薬剤感受性試験で希釈に使用するブイヨン(希釈液)、薬剤感受性試験において発育要求性の厳しい菌種を供試する場合に必要となる専用のサプリメント(発育支持物質)及び試料を培養プレートに分注するための分注用ピペットチップ(「チップ」という)等が挙げられる。
検体情報としては、検体番号、検体種(喀痰、血液など)、菌番号などが挙げられる。
プレート情報としては、プレート名、薬剤種、薬剤濃度、測定モードなどが挙げられる。これらの情報は装置内の記憶手段に入力され、バーコード、QRコード(登録商標)等の形で出力される。
検体となる被検菌は、検査材料を非選択培地で培養し、純培養されたものが使用され、斯かる純培養菌を少量とって滅菌水に懸濁し、菌液(一次検体)が調製される。調製された菌液は、上述した情報が登録されたラベルが貼付され、検体格納部にセットされる。
図1〜3に、本発明の自動微生物同定感受性測定装置の概略を示す(図1:前面、図2:背面、図3:分注ユニット周辺)。
1は菌液や希釈液を収納した容器を格納するための検体格納部、2は培養プレートをセットするプレート格納部、3はチップを格納するチップ格納部、4は培養プレートに試料を注入するための分注エリア、5は使用済みチップを収納するチップ廃棄部、6は使用済みプレートを収納するためのプレート回収部、7は検体を培養(同定試験/薬剤感受性試験)する培養部、8はプレートを搬送するためのプレート搬送系、9は試料を吸引・吐出させて容器に分注するための分注ユニット、10は光学検出系である。
検体格納部1は、菌液(一次検体)が格納された容器と、希釈液(ブイヨン)が格納された容器を格納するための構造体である(図4)。検体格納部の構造は、複数の検体格納容器(例えば、10検体分)とそれに対する希釈液格納容器をセットすることが可能であれば特に限定されず、円筒形等であってもよい。
培養プレートは、複数(例えば、96ウェル)の独立した反応ウェルを有し、同定用基質及び薬剤感受性試験用抗菌薬が乾燥固定されている。迅速同定・感受性試験を行う場合には、マイクロプレートの1〜4列の32ウェルに同定用基質が乾燥固定され、且つ5〜12列の64ウェルに薬剤感受性試験用抗菌薬が乾燥固定されたコンビプレートが使用される。また、CLSI準拠の18時間法感受性測定を行う場合には、全ウェルに薬剤感受性試験用抗菌薬が乾燥固定されたMICプレートも用いられる。各プレートには、薬剤種や濃度、配置等の情報が登録されたラベルが貼付される。
プレート格納部2は、検体数に合わせて複数枚(例えば10枚)のプレートがセットされる。プレート格納部は、プレートを重ねてセットできるようになっており、フック状の部材が稼動することにより、最下段のプレートから順番に取り出すことが可能となっている。
チップ格納部3は、チップのテーパ部を支えるよう穴が空けてあり、必要な数のチップが格納される。
分注ユニット9は、チップをチップノズルに装着・脱着させる機構と、試料を吸引・注入する機構とを有し、X−Z軸方向へ自在に移動可能な分注アームユニットを備える。
例えば、菌液の希釈は、チップ格納部3に格納されたチップに分注ユニットが移動してチップが装着され、次いで分注ユニットが菌液上に移動して菌液を吸引し、次いで希釈液上に移動して菌液を希釈液に吐出することにより行われる。
プレート搬送系8は、培養プレートをつかむためのハンドと、培養槽に収納するための昇降ユニットを有し、プレート格納部、分注エリア、培養部、光学検出系、プレート回収部の各部位への培養プレートの移動、及び培養プレートへの上蓋の載置を行う。蓋はあらかじめプレートに被せてあり、分注時は吸盤により蓋を持ち上げる機構となっている。
培養部7では、同定試験及び薬剤感受性試験のための培養が行われる。したがって、培養部には、温度を34〜36℃に調節可能な温度調節機構11が備えられている(図5)。
10は光学検出系であり、蛍光検出器と吸光検出器からなる。
蛍光検出器としては、4-methylumbelliferoneなどの蛍光物質が検出可能なものであればよく、光源としては、ハロゲンランプを使用することも可能であるが、光源寿命や省エネルギーの点で、LEDランプを用いるのが好ましい。好適なLEDランプとしては、例えば、日亜化学(株)製の新型NCSU275(U365)(最大150mW)が挙げられる。
また、吸光検出器としては、メタニルイエローなどの吸光物質が検出可能なものであればよいが、光源としてLEDランプを用いるのが好ましい。好適なLEDランプとしては、例えば、Philips Lumileds社製のLXML−PR01−0500が挙げられる。
本発明の自動微生物検査装置は、少なくとも上記の構成を有し、且つ、検体の希釈(希釈工程)、検体の分注(分注工程)、培養、光学分析及び判定(分析・判定工程)、並びにプレートの回収までの一連の工程を自動で行うプログラムが記憶された記憶装置と、このプログラムを実行する演算装置を備える。
以下に、本発明の自動微生物検査装置において、自動で行われる主要工程について説明する。
1)希釈工程
本工程は、薬剤感受性試験のために、菌液(一次検体)から培養可能な検体(二次検体)を調製する工程である。具体的には、分注ユニット9が稼働してチップノズルにチップを装着した後、検体格納部1の菌液上に移動して菌液を吸引し、次いで希釈液上に移動して、菌液を吐出することにより、培養可能な二次検体が調製される。
2)分注工程
培養プレートの各反応ウェルに、一次検体及び二次検体をそれぞれ自動分注するステップである。分注操作は、プレート搬送系8を駆動して、培養プレートを分注エリア4に移動させ、分注ユニット9を稼働して、検体格納部1の一次検体及び二次検体液がそれぞれ吸引され、プレート内の各ウェル中に吐出注入される。
3)培養工程
検体が分注された培養プレートは、プレート搬送系8により培養部7に搬送され、薬剤感受性試験及び同定試験のための培養が行われる。
培養は、検体ごとに設定された培養時間まで培養が行われる。
本発明においては、リアルタイムで菌の発育状態を把握するために、あらかじめ設定する間隔(例えば15分間隔)で、培養プレートを培養部から光学検出系10に搬送し、光学測定が行われる。
4)分析・判定工程
本工程は、菌の発育状態を、少なくとも2種の異なるアッセイによって、複数の反応ウェル中で生じる光学的変化により、独立にかつ個々に測定し分析する工程である。
前記アッセイの1つが薬剤感受性試験用の吸光度アッセイであり、別のアッセイが同定試験用の蛍光アッセイである。吸光度アッセイは吸光検出器によって行われ、蛍光アッセイは蛍光検出器によって行われる。
i)同定試験
同定試験に使用される生化学試験項目は、蛍光基質を用いる項目と、蛍光物質を指示薬とする項目の合計32項目からなる。
蛍光基質を用いる項目では、菌がもつ菌体酵素が基質を分解することにより遊離する蛍光物質(例えば、4-methylumbelliferone、7-amino-4-methylcoumarin)の蛍光量が測定される。
蛍光物質を指示薬とする項目では、菌の代謝に伴い、培地がpH変化することを、蛍光量の増減により測定される。例えば菌が糖を分解し酸を産生するとpHが低下し、それに伴って減少する蛍光量が測定される。蛍光量は、励起波長360nm±25nm(半値幅)、蛍光波長450nm±32.5nm(半値幅)で蛍光測定され、相対蛍光強度として数値化される。
これらの蛍光強度に対して、各生化学試験項目毎に一定のカットオフ値を設定しておき、陽性反応(+)・陰性反応(−)を判定し、これらの判定結果を基に予め同定システムが保持するデータベースをもとに、コンピューター分析処理(確率的同定法)により未知菌株の菌名が求められる。
同定試験では、培養後3時間から測定を開始し、コンピューター分析処理により得られた同定結果の精度が高く、信頼できると判定された場合、同定が終了する。得られた結果の同定精度が低いと判断された場合には、適宜延長培養(4時間,5時間,6時間,8時間,12時間,最長18時間)が実施される。尚、測定時間は、1時間毎最大8測定点で任意に設定することができる。
ii)薬剤感受性試験
プレートに乾燥固定された薬剤感受性試験用抗菌薬には、あらかじめ段階希釈された薬剤と酸化還元指示薬が含まれ、酸化還元指示薬には、2-(4-indophenyl)-3-(4-nitrophenyl)-5-(2,4-disulfophenyl)-2H-tetrazolium,monosodiumsalt(water soluble tetrazolium、以下、WST−1)が用いられている。WST−1は菌の発育増殖の過程で還元され水溶性黄色のホルマザンとなりウェル内で呈色し、高感度な吸光度変化(410〜455nm)をもたらすことから、測定波長440nm±2nm(中心波長)10±2nm(半値幅)相当で当該吸光度を測定することにより、MIC(Minimum Inhibitory Concentration;最小発育阻止濃度)値が算出される。
得られた吸光値変化から対照ウェル(薬剤無添加)の吸光度と薬剤添加ウェルの吸光度を比較し、上記i)の同定試験により決定された菌名情報と、抗菌スペクトルおよび薬効を考慮してあらかじめ作成された菌種/薬剤の組み合わせからなるコンピューター分析処理(演算条件)によりMIC(Minimum Inhibitory Concentration;最小発育阻止濃度)値が算出される。
ここで、予め設定する条件をクリアできない場合延長培養される。例えば、対照ウェルの到達吸光度(発育指標)に達しなければ、当該菌株の発育が不十分であるとし、延長培養される。
本発明の装置における薬剤感受性試験は、迅速法とCLSIに準拠した方法(10cfu/mL相当)を行うことができる。迅速法はCLSI法に対して10倍量の菌(10cfu/mL相当)を接種する方法である。
本発明においては、迅速法では判定終了まで、CLSI準拠法では18〜24時間(又は48時間)の培養期間、所定の間隔(例えば、15分間隔)で410〜455nmの吸光度が測定される。そして、当該測定結果が、発育曲線として逐次グラフ表示される。これにより、対照ウェルおよび薬剤添加ウェルにおける発育状況をリアルタイムで把握でき、曲線データから当該装置で結果が出る前に、結果を予想できる。
従来法では、例えば、薬剤が固定されていない、本来発育すべき対照ウェルにおいても発育不良が生じた場合、感受性結果が得られない。この発育不良は、これまで例えば18〜48時間培養した後、コンピューター分析処理により「発育不良」として判定されていた。迅速感受性試験においても、一定の培養時間や対照ウェルが一定の発育(吸光度)を示さないとコンピューター分析処理によりMICを計算せず、結果的に顧客が期待する耐性菌の判定が遅れる場合がある。
本発明の装置によれば、対照ウェルにおいて発育できない菌株を、発育曲線グラフをみることで最終判定前に認識でき、感受性試験方法の変更・最適化を前もって着手できる。これにより、正確な感受性結果を早く導くことができ、臨床的に高い意義がある。
また、対照ウェルと薬剤添加ウェル(特に耐性菌を判定する濃度域)の発育曲線データを確認することで、コンピューターが分析処理を開始する基準時前に耐性菌の可能性があることを発育曲線グラフから認識できる。このことにより、迅速薬剤感受性試験結果が得られる前に耐性菌であるかを推定でき、治療に用いる抗生物質種の変更といった最適治療をより早く実施できる(実施例1)。
本発明の装置を用いて一つの検体について、菌の同定及び薬剤感受性を検査する場合の動作の一態様を以下に示す。
1)スタート。
2)菌液バーコード読取、培養プレートバーコード読取(最下段プレート)
3)2)で選択された培養プレートに該当する菌液上に分注ユニット9が移動し、菌液を吸引。
4)分注ユニット9が希釈液上に移動し、菌液を希釈液に吐出。
5)分注ユニット9が菌液上に再度移動し、32ウェルに所定量連続分注できる容量の菌液を吸引。
6)プレート搬送系8が稼働し、2)で選択された培養プレートを分注エリア4に移動。
7)分注ユニット9が6)でセットされた培養プレートの同定試験用エリア(32ウェル)に移動し、各ウェルに所定量を吐出注入。
8)分注ユニット9が菌液上に移動し、チップの残菌液を吐出。
9)分注ユニット9が希釈液上に移動し、吸引・吐出撹拌した後、32ウェルに所定量連続分注できる容量の菌液を吸引。
10)分注ユニット9が6)でセットされた培養プレートの感受性試験エリア(64ウェル)に移動し、32ウェルエリア分の各ウェルに所定量を吐出注入。
11)9)−10)を繰り返し、残りの32ウェルに所定量を吐出注入。
12)分注ユニットがチップ廃棄部5に移動し、チップを廃棄。
13)プレート搬送系8が稼働し、培養プレートに蓋を載置し、培養部7に搬送。
14)培養開始。培養終了時まで、所定の間隔で培養プレートを光学検出系10に搬送し、光学分析して発育曲線をグラフ表示。
15)培養終了後、判定結果の出力。
16)プレート搬送系8が稼働し、使用済みの培養プレートをプレート回収部6に移動。
実施例1
臨床検査の現場において黄色ブドウ球菌が臨床検体から分離された場合、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)か否かが治療のための抗菌薬選択に大きく影響する。本実施例では、MRSAとメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)の臨床分離株を用い、MRSAを鑑別するのに有効なセフォキシチン(CFX)の薬剤感受性試験を当該機器の迅速法により測定した。
MRSAの鑑別はCFXのMICが≧8μg/mLを示すことが必要であり、故にCFX 4μg/mLのウェルで発育を認めた場合は、MRSAと判定される。MRSA臨床分離株を当該装置の迅速法で試験させたとき、対照ウェルの吸光度が予め設定する値(例えば1.5)を越えた時間は培養後300分であった。このときCFXの各薬剤濃度ウェルの吸光度と予め設定された一定の閾値とを比較し、その閾値以上の場合に“発育”とする。今回、4μg/mL以下のウェルは“発育”となり、MRSAと判定された。
図7はMRSA臨床分離株の1080分(18時間)まで培養させた発育曲線である。この発育曲線をリアルタイムに当該装置のモニタ上で監視した場合、図8のように4μg/mLのウェルの発育を注目することで、早期(培養後195分)に当該曲線の上昇を視認でき、MRSAの可能性を予想することができ、早期の治療に役立つものと考えられる。
一方、MSSA臨床分離株を当該装置の迅速法で試験させたとき、対照ウェル吸光度が上述と同様に例えば1.5を越えた時間は培養後285分であった。その閾値未満のウェルを“非発育”とする。今回、4μg/ml以上のウェルは“非発育”となり、MSSAと判定された。
図9はMSSA臨床分離株の1080分(18時間)培養させた発育曲線である。図8と同様に発育曲線をモニタ上で監視した場合、図10のように4μg/mLのウェルの発育を注目することで、早期(培養195分)に当該曲線に変化の見られないことを視認でき、本装置でCFXのMICが確定する前にMSSAの可能性を予想することができる。
1 検体格納部
2 プレート格納部
3 チップ格納部
4 分注エリア
5 チップ廃棄部
6 プレート回収部
7 培養部
8 プレート搬送系
9 分注ユニット
10 光学検出系
11 温度調節機構

Claims (3)

  1. 微生物の同定及び薬剤感受性を検査する装置であって、
    検体容器を格納するための検体容器格納部、培養プレートを格納するプレート格納部、分注用チップを格納するチップ格納部、使用済みチップを収納するチップ廃棄部、使用済み培養プレートを収納するプレート回収部、検体を培養する培養部、光学的分析を行う光学検出系、プレート搬送系、分注ユニット、並びに検体の希釈から、検体の分注、培養、光学分析及び判定、及びプレートの回収までの一連の工程を自動で行うプログラムが記憶された記憶装置と、このプログラムを実行する演算装置を備え、且つ
    薬剤感受性試験のための光学分析をリアルタイムで行い、分析結果をグラフ表示させる機構を備えてなる自動微生物検査装置。
  2. リアルタイムで行われる光学分析が、培養開始後15分毎に行われる、請求項1記載の自動微生物検査装置。
  3. 菌液を希釈する希釈工程、検体を分注する分注工程、検体を培養する培養工程、並びに薬剤感受性試験及び同定試験を行う分析・判定工程を含み、これらを自動で行う微生物の同定及び薬剤感受性の検査方法であって、薬剤感受性試験のための光学分析をリアルタイムで行い、分析結果をグラフ表示させる工程を含む、方法。
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