JP2019160940A - 原子層堆積装置および原子層堆積方法 - Google Patents

原子層堆積装置および原子層堆積方法 Download PDF

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Abstract

【課題】原子層堆積装置において、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できるようにする。【解決手段】原子層堆積装置1は、巻き出し室10と、巻き取り室30と、フレキシブル基材2が通過可能かつ互いに対向する開口部50aを有する2つの隔壁50を含む複数の壁部によって囲まれて形成され、巻き出し室10と巻き取り室30との間に複数設けられた反応室20と、反応室20のうち少なくとも1つにおいて、フレキシブル基材2の移動経路上であって移動経路の中央までの距離よりも隔壁50までの距離の方が小さくなる位置にてフレキシブル基材2をその厚さ方向に支持するガイドローラー51と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、原子層堆積装置および原子層堆積方法に関する。
基材表面に薄膜を形成する方法として、原子層堆積法(Atomic Layer Deposition、以下、「ALD」)が知られている。ALD法には、時間分割(Temporal)ALD(以下、「TALD」)と、空間分割(Spatial)ALD(以下、「SALD」)と、が知られている。以下では、SALD、TALDを行うことができる装置は、それぞれ、SALD装置、TALD装置と称される。
TALDでは、反応容器内の一定領域でALDサイクルが繰り返される。このため、1つの基材に対する全ALDサイクルが終了するまでは、他の基材への薄膜形成が行えない。
これに対して、SALDでは、反応容器内の複数の空間に種々のガス雰囲気が形成される。種々のガス雰囲気内においては、ALDサイクルの一部が行われる。基材は、複数の空間を移動することによって、順次、各ガス雰囲気の作用を受ける。このため、基材上では、ALDサイクルに対応する複数の空間を通過する間に、1サイクルのALDサイクルが行われる。このように、SALDでは、基材の移動方向に沿って、複数のALDサイクル工程が並行して行われる。このため、SALDの方が、TALDよりも処理能力を向上できる。
例えば、特許文献1に記載のSALD装置では、反応容器内に、前駆体物質が供給される前駆体物質ゾーンと、不活性ガスが供給される分離ゾーンと、が交互に配置されている。基材は、前駆体物質ゾーンおよび分離ゾーンを順次通過するように渦巻き状の経路に沿って移動される。
例えば、特許文献2に記載のSALD装置の第1例では、反応容器内に、多数の反応室が直列に配置されている。各反応室には、種々の前駆体ガスとパージガスとが、必要に応じて供給可能である。基材は、反応室を順次通過するように直線状の経路に沿って移動される。
例えば、特許文献2に記載のSALD装置の第2例では、反応容器内に、多数の反応室がマトリクス状に配置されている。各反応室には、種々の前駆体ガスとパージガスとが、必要に応じて供給可能である。基材は、各反応室を順次通過するように、蛇行経路を描いて移動される。
特許第5828895号公報 特開2017−106052号公報
しかしながら、上記のような従来のSALD装置には、以下のような問題がある。
SALD装置では、成膜対象の基材が反応容器内で隔壁によって仕切られた空間を通過していく。このため、隔壁には基材が通過する通路が貫通している。通路は、隣り合う空間内のガスが移動しにくくなるように、できるだけ狭いことが好ましい。
しかし、通路が狭くなりすぎると、基材の移動時のたわみ振動(面外振動)によって、基材が通路と接触してしまう可能性がある。基材における成膜面が通路と接触すると、原子層堆積層に傷などの欠陥が生じる可能性がある。
特に、基材の厚さが薄くなると、引っ張り強度が小さくなる。このため、基材にあまり大きな張力がかけられないため、基材のたわみ振動の振幅も大きくなりやすい。基材の厚さが薄くなると、基材が通路と接触した際のダメージもより大きくなる。
これに対して、通路の開口面積を大きくすることも考えられるが、この場合には、隣の空間に流出する前駆体ガスの量が多くなる。この場合、前駆体ガスの分圧を維持することが困難になるため、前駆体ガスによる反応が不充分になる可能性がある。
さらには、隣の空間に流出する前駆体ガスは、隣の空間を超えて他の前駆体ガスが供給される空間に侵入する可能性もある。この場合には、侵入した前駆体ガスによって、他の前駆体ガスによる反応プロセスが乱される。この結果、他の前駆体ガスによる反応が不充分になる可能性がある。
このため、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる原子層堆積層装置および原子層堆積方法が強く求められている。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる原子層堆積層装置および原子層堆積方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の第1の態様の原子層堆積装置は、フレキシブル基材に原子層堆積法により原子層を形成する原子層堆積装置であって、前記フレキシブル基材が巻き出される巻き出し室と、前記原子層が形成された前記フレキシブル基材が巻き取られる巻き取り室と、前記フレキシブル基材が通過可能かつ互いに対向する開口部を有する2つの隔壁を含む複数の壁部によって囲まれて形成され、前記巻き出し室と前記巻き取り室との間に複数設けられた反応室と、前記反応室のうち少なくとも1つにおいて、前記フレキシブル基材の移動経路上であって前記移動経路の中央までの距離よりも前記隔壁までの距離の方が小さくなる位置にて前記フレキシブル基材を前記フレキシブル基材の厚さ方向に支持する支持機構と、を備える。
上記第1の態様の原子層堆積装置においては、前記支持機構は、前記開口部を通過する前記フレキシブル基材の一方の表面に当接するガイド部材からなってもよい。
上記第1の態様の原子層堆積装置においては、前記ガイド部材は、前記フレキシブル基材の移動方向に回転可能に支持されたローラーからなってもよい。
上記第1の態様の原子層堆積装置においては、前記支持機構は、前記フレキシブル基材にガスを噴射することによって、前記フレキシブル基材を前記厚さ方向に支持してもよい。
上記第1の態様の原子層堆積装置においては、前記支持機構は、前記フレキシブル基材の一方の表面に当接可能に設けられた搬送ベルトと、前記移動経路の中央までの距離よりも前記隔壁までの距離の方が小さくなる位置にて前記フレキシブル基材と反対側から前記搬送ベルトに当接する搬送ベルトガイドローラーと、を備え、前記搬送ベルトガイドローラーと前記搬送ベルトとの当接位置と重なる部位で、前記フレキシブル基材が前記厚さ方向に支持されてもよい。
上記第1の態様の原子層堆積装置においては、前記開口部は、前記隔壁から前記反応室に向かって延びるガイド壁を有してもよい。
上記第1の態様の原子層堆積装置においては、前記支持機構は、3以上設けられ、前記支持機構によって、前記フレキシブル基材の移動経路が折れ線状に変化する折れ線状搬送部が形成されていてもよい。
上記第1の態様の原子層堆積装置においては、第1前駆体を含むガスが収容された第1供給部と、前記第1供給部と接続された第1供給管と、パージガスが収容された第2供給部と、前記第2供給部と接続された第2供給管と、第2前駆体を含むガスが収容された第3供給部と、前記第3供給部と接続された第3供給管と、前記反応室にそれぞれ接続された排気管と、ガスの供給条件を調整する供給調整部と、をさらに備え、前記反応室のそれぞれには、前記第1供給管、前記第2供給管、および前記第3供給管の少なくとも1つが接続されており、前記反応室の少なくとも1つには、前記供給調整部を介して、前記第1供給管、前記第2供給管、および前記第3供給管のうち少なくとも2つが接続されていてもよい。
本発明の第2の態様の原子層堆積方法は、フレキシブル基材に原子層堆積法により原子層を形成する原子層堆積方法であって、前記フレキシブル基材が巻き出すことと、前記フレキシブル基材が通過可能かつ互いに対向する開口部を有する2つの隔壁を含む複数の壁部によって囲まれて形成され、前記原子層を形成するための反応が行われる複数の反応室に、前記開口部を通して、前記巻き出された前記フレキシブル基材を搬送することと、前記原子層が形成された前記フレキシブル基材を巻き取ることと、前記複数の反応室のうち少なくとも1つにおいて、前記フレキシブル基材の移動経路上であって前記移動経路の中央までの距離よりも前記隔壁までの距離の方が小さくなる位置にて前記フレキシブル基材を前記フレキシブル基材の厚さ方向に支持することと、を含む。
本発明の原子層堆積装置および原子層堆積方法によれば、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる。
本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の一例の内部構造を示す正面視の模式図である。 本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の一例を示す平面視の模式図である。 図1におけるA部の模式的な拡大図である。 図3におけるB視図である。 本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の制御系の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の動作説明図である。 本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の作用を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の動作説明図である。 本発明の第2の実施形態の原子層堆積装置の一例の内部構造を示す正面視の模式図である。 本発明の第3の実施形態の原子層堆積装置の一例の内部構造を示す正面視の模式図である。 図10におけるC視の内部構造を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態の原子層堆積装置の動作説明図である。 本発明の第3の実施形態の原子層堆積装置の作用を説明する模式図である。 本発明の第3の実施形態の変形例(第1変形例)の原子層堆積装置の主要部の構成を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態の原子層堆積装置の一例の内部構造を示す正面視の模式図である。 本発明の第5の実施形態の原子層堆積装置の主要部の構成を示す模式図である。 本発明の第6の実施形態の原子層堆積装置の主要部の構成を示す模式図である。 本発明の第7の実施形態の原子層堆積装置の一例の内部構造を示す正面視の模式図である。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の一例の内部構造を示す正面視の模式図である。図2は、本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の一例を示す平面視の模式図である。図3は、図1におけるA部の模式的な拡大図である。図4は、図3におけるB視図である。図5は、本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図1に示す本実施形態の原子層堆積装置1は、フレキシブル基材2の表面上に、SALDを用いて原子層を堆積して薄膜を形成する装置である。原子層堆積装置1において、フレキシブル基材2は、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll、RTR)方式で搬送される。
フレキシブル基材2としては、ロール状に巻き取り可能な適宜のフィルム材料が用いらえる。フレキシブル基材2の材質は、SALDによって薄膜形成可能材料から、薄膜形成の目的に応じて適宜選択できる。例えば、原子層堆積装置1によって薄膜形成可能なフレキシブル基材2の材質の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、シクロオレフィンポリマー(COP)等が挙げられる。
フレキシブル基材2の厚さは、12μm以上250μm以下であってもよい。
フレキシブル基材2がRTR方式で搬送される場合、フレキシブル基材2の厚さが薄くなるほど、搬送時の振動によって、フレキシブル基材2が励振される。このため、フレキシブル基材2のたわみ振動または波打ちが激しくなりやすい。フレキシブル基材2のたわみ振動あるいは波打ちが激しくなると、フレキシブル基材2が搬送路に近接する部材とこすれて原子層が傷ついたり剥離したりする可能性がある。
このような理由で、RTR方式による従来のSALDでは、あまり薄肉のフレキシブル基材2が用いられることはない。しかし、本実施形態の原子層堆積装置1では、後述するように、フレキシブル基材2の搬送時のこすれを抑制できるため、例えば、12μm以上50μm以下のような薄肉のフレキシブル基材2が用いられてもよい。
原子層堆積装置1は、巻き出し室10と、巻き取り室30と、反応室20と、を備える。
巻き出し室10は、ロール体のフレキシブル基材2を収容する。巻き出し室10は、巻き出しロール11を備える。巻き出しロール11には、原子層の形成対象であるフレキシブル基材2がロール状に巻かれて配置される。巻き出しロール11が回転されると、フレキシブル基材2が後述する反応室20に送り出される(巻き出される)。
巻き出し室10には、必要に応じて、フレキシブル基材2にプラズマ処理を行うためのグロー放電ユニット(図示略)などが設けられてもよい。巻き出し室10において、フレキシブル基材2にプラズマ処理が施される場合、水酸基などの官能基の導入によって、フレキシブル基材2において前駆体の吸着サイト密度を高くすることができる。
巻き取り室30は、巻き取りロール31を備える。巻き取りロール31が回転されると、後述する反応室20から出てきたフレキシブル基材2が巻き取りロール31に巻き取られる。
巻き出しロール11および巻き取りロール31は、フレキシブル基材2に弛み等が生じにくいように同調して回転駆動される。回転駆動のための駆動源(図示略)は、巻き出しロール11および巻き取りロール31の一方に設けられてもよいし、両方に設けられてもよい。
本実施形態では、巻き出しロール11と巻き取りロール31との間のフレキシブル基材2は、重力による弛みを除いて、略水平に張られる。フレキシブル基材2は、巻き出しロール11から巻き取りロール31に向かって、水平方向に搬送される。
巻き取り室30には、必要に応じて、図示略のオーバーコートユニット、インターリーフユニットなどの後処理用の装置が設けられてもよい。
例えば、オーバーコートユニットは、フレキシブル基材2が巻き取りロール31に巻き取られる前に、フレキシブル基材2上に形成された薄膜層を保護するオーバーコートを行う。
例えば、インターリーフユニットは、フレキシブル基材2が巻き取りロール31に巻き取られる前に、フレキシブル基材2の間に例えば、保護フィルム(合紙)などのインターリーフシートを挿入する。
反応室20は、1サイクル以上のALDをSALDによって実行できるように、複数設けられている。このため、各反応室20は、SALDに必要な各ステップに対応して設けられる。反応室20の室数は特に限定されない。
反応室20は、巻き出し室10と巻き取り室30との間に配列されている。
図1には、一例として、9室の反応室20が直列に配列されている。
以下では、反応室20を互いに区別する必要がある場合には、第k反応室R(ただし、k=1,…,9)のように表す。符号kは、巻き出し室10から巻き取り室30に向かって昇順に付される。例えば、図1に示す例では、巻き出し室10に隣接して、第1反応室Rが配置されている。巻き取り室30には、第9反応室Rが隣接している。第n反応室Rと、第(n+1)反応室Rn+1と、は、互いに隣接している(ただし、n=1,…,8)。
以下では、特にkの値が指定されることなく「第k反応室R」と記載された場合には、k=1,…,9のすべてを表す。
原子層堆積装置1において、巻き出し室10、各反応室20、および巻き取り室30は、隔壁50によって仕切られている。以下では、巻き出し室10、各反応室20、および巻き取り室30のうち、隔壁50を間に挟んで互いに隣接する2室を、特に隔壁50に関する「隣接室」と称する場合がある。
各隔壁50には、隣接する室の方向に矩形状の開口部50aが貫通している。開口部50aは、フレキシブル基材2が通過可能な大きさを有する。このため、巻き出し室10、各反応室20、および巻き取り室30は各開口部50aによって互いに連通している。
本実施形態では、各開口部50aは、フレキシブル基材2の移動経路を内側に含むように、水平方向における同一平面に沿って整列している。すなわち、互いに隣接する隔壁50における各開口部50aは、水平方向において互いに対向している。
開口部50aの周辺の詳細構成は後述される。
図2に示すように、各反応室20には、それぞれ、第1供給管21、第2供給管22、および第3供給管23が接続されている。第1供給管21、第2供給管22、および第3供給管23は、ALDの各ステップの実行に用いるガスを反応室20に供給するために設けられている。第1供給管21からは、第1前駆体を含むガス(以下、「第1前駆体ガス」と称する場合がある。)が供給される。第2供給管22からは、パージガスが供給される。第3供給管23からは、第2前駆体を含むガス(以下、「第2前駆体ガス」と称する場合がある。)が供給される。
以下では、簡単のため、第1前駆体(ガス)および第2前駆体(ガス)をまとめて、前駆体(ガス)と称する場合がある。
各第1供給管21は、供給方向における上流側で一つに合流し、第1供給部26に接続されている。第1供給部26には、第1前駆体ガスが収容されている。
各第2供給管22は、供給方向における上流側で一つに合流し、第2供給部27に接続されている。第2供給部27には、パージガスが収容されている。
各第3供給管23は、供給方向における上流側で一つに合流し、第3供給部28に接続されている。第3供給部28には、第2前駆体ガスが収容されている。
各第1供給管21は、それぞれ開閉のいずれかに切り替え可能なバルブ31a(調整供給部)と、ガスの質量流量を測定するマスフローメーター32a(調整供給部)とを有する。各マスフローメーター32aは、各バルブ31aと各反応室20との間に設けられている。
同様に、各第2供給管22は、バルブ31b(調整供給部)と、マスフローメーター32b(調整供給部)とを有する。さらに、各第3供給管23は、バルブ31c(調整供給部)と、マスフローメーター32c(調整供給部)とを有する。バルブ31b、31cは、バルブ31aと同様な構成を有する。マスフローメーター32b、32cは、マスフローメーター32aと同様な構成を有する。
各反応室20において、第1供給管21、第2供給管22、および第3供給管23が接続された側壁部20aと反対側の側壁部20aには、それぞれ排気管24が接続されている。
排気管24は、接続された反応室20内のガスを反応室20の外部に排気する。各排気管24は、排気方向における下流側で一つに合流し、排気用のポンプ25に接続されている。
各排気管24は、開閉のいずれかに切り替え可能なバルブ36と、バルブ36と各反応室20との間に設けられたコンダクタンス可変バルブ37とをそれぞれ有する。
図1、2では図示が省略されているが、原子層堆積装置1は、各反応室20の雰囲気温度をそれぞれ独立に調整できるヒータを備えている。
次に、各開口部50aの周辺の詳細構成について説明する。
図3に示すように、各開口部50aの上端部には、各隔壁50に関する隣接室に向かって、ガイド壁50bが突出している。
ガイド壁50bは、図4に示すように、開口部50aの幅方向(図3における奥行き方向)の全体にわたって形成されている。ガイド壁50bは、開口部50aを通過するフレキシブル基材2との間に水平方向および開口部50aの長手幅方向に延びる隙間を形成している。ガイド壁50bとフレキシブル基材2との間の隙間は、各隣接室間のガスの流通の流通路を規制する目的で設けられている。
ガイド壁50bとフレキシブル基材2との間の隙間は、1mm以上20mm以下であってもよい。ガイド壁50bとフレキシブル基材2との間の隙間は、5mm以上10mm以下であることがより好ましい。
ガイド壁50bの隔壁50からの突出長さは、1mm以上50mm以下であってもよい。ガイド壁50bの隔壁50からの突出長さは、1mm以上20mm以下であることがより好ましい。
ガイド壁50bの隔壁50からの突出方向の先端部は、後述するガイドローラー51の上側の頂部の位置を超えないことがより好ましい。
図3に示すように、各反応室20において、ガイドローラー51(支持機構、ガイド部材、ローラー)が配置されている。ガイドローラー51は、開口部50aを通過するフレキシブル基材2の下面に当接するガイド部材である。
ガイドローラー51は、フレキシブル基材2の搬送方向に直交する方向(図3における図示奥行き方向)に延びている。
図4に示すように、ガイドローラー51の両端部には、回転軸51aが延出している。
ガイドローラー51は、反応室20内に設けられた支持部材52によって、ガイドローラー51の中心軸線回りに回転可能に支持されている。
本実施形態では、支持部材52は、開口部50aの幅方向の外側の隔壁50から立設された板状部材と、板状部材に設けられた軸受と、によって形成されている。ただし、支持部材52の配置位置は、反応室20の内部であれば、特に限定されない。例えば、支持部材52は、各反応室20における側壁部20a(壁部)に設けられていてもよい。
図3に示すように、ガイドローラー51は、各隔壁50の近傍に配置されている。ここで、各隔壁50の近傍とは、各隔壁50の対向方向における反応室20の中心軸線Cと、各隔壁50との間において、より隔壁50に近い位置である。例えば、隔壁50と中心軸線Cとの距離がd1、隔壁50からガイドローラー51の回転軸51aまでの距離がd2の場合、d2/d1は、0以上1/2未満である。d2/d1は、0以上1/10以下であることがより好ましい。
ただし、本実施形態では、ガイドローラー51は、開口部50aに進入しないように配置されている。すなわち、ガイドローラー51の半径をrとすると、d2>rである。このため、各隣接室には、隔壁50を間に挟んで、距離2×d2だけ離間した2本のガイドローラー51が配置されている。
隔壁50を間に挟んで対向する各ガイドローラー51の対向間隔は、広がるほど各ガイドローラー51間のフレキシブル基材2に弛みが大きくなる。弛みが大きくなると、搬送時の励振による垂直方向のたわみ振動、波打ちなども大きくなりやすい。このため、距離d2は、できるだけ短い方がよい。
開口部50aを通過するフレキシブル基材2は、隔壁50の近傍の各ガイドローラー51によって下方から支持されている。フレキシブル基材2の搬送中は、フレキシブル基材2に張力が発生しているため、フレキシブル基材2は、ガイドローラー51に上方から押し付けられる。フレキシブル基材2は、搬送中、ガイドローラー51の上側の頂部とは密着した状態である。
このため、各ガイドローラー51の上側の頂部の高さは、開口部50aを通過するフレキシブル基材2の支持高さを規定する。
ガイドローラー51は、ガイドローラー51の上側の頂部と、ガイド壁50bとの間の隙間が、1mm以上20mm以下になるように配置されてもよい、ガイドローラー51は、ガイドローラー51の上側の頂部と、ガイド壁50bとの間の隙間が、5mm以上10mm以下になるように配置されることがより好ましい。
図5に示すように、原子層堆積装置1は、装置全体の制御を行う制御部40と、制御部40に接続されたインターフェース部45とを備える。
制御部40は、後述するインターフェース部45から送出される条件入力または制御部40に記憶された条件に基づいて、原子層堆積装置1の動作を制御する。
制御部40は、各反応室20に配置された、バルブ31a、31b、31c、マスフローメーター32a、32b、32c、バルブ36、およびコンダクタンス可変バルブ37と電気的に接続されている。制御部40は、上述の各バルブの開閉と、開度と、を反応室20ごとに独立して制御可能である。
同様に、各反応室20には、ヒータ38が取り付けられている。各ヒータ38は、制御部40と電気的に接続されている。ヒータ38の構成は特に限定されない。例えば、ヒータ38は、各反応室20の温度を常温(20℃)から200℃程度までの範囲で変更できる構成が用いられてもよい。
制御部40は、ヒータ38の温度制御によって、各反応室20内の温度を独立して制御することが可能である。
さらに、制御部40は、排気管24に接続されたポンプ25とも電気的に接続されている。制御部40は、ポンプ25の動作を制御することによって、排気管24からの排気量を制御することが可能である。
制御部40の装置構成は、例えば、CPU、メモリ、入出力インターフェース、外部記憶装置などからなるコンピュータおよび制御用のハードウェアの少なくとも一方からなる。例えば、制御部40の制御動作は、上述のような制御を行う適宜の制御プログラムをコンピュータが実行することによって実現されてもよい。制御部40の制御動作は、制御用のハードウェアによって実現されてもよい。
インターフェース部45は、原子層堆積装置1によるSALDを実行するための条件入力が行われる装置部分である。インターフェース部45は、入力された条件を制御部40に送出する。
インターフェース部45から行われる条件入力の例としては、例えば、使用する前駆体ガスおよびパージガスの種類、各反応室の温度や導入されるガスの種類、分圧、流量等のガス条件、フレキシブル基材2の搬送速度等が挙げられる。
インターフェース部45の装置構成としては、例えば、キーボード、操作パネルなどが用いられてもよい。
次に、本実施形態の原子層堆積装置1の動作について、本実施形態の原子層堆積方法を中心として説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の動作説明図である。図7は、本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の作用を説明する模式図である。図8は、本発明の第1の実施形態の原子層堆積装置の動作説明図である。
まず、準備工程が行われる。準備工程では、フレキシブル基材2のロール体が、巻き出し室10における巻き出しロール11に取り付けられる。ロール体におけるフレキシブル基材2の巻き出し端部は、第1反応室Rの開口部50aに進入させられる。フレキシブル基材2は、同様にして、第2反応室Rから第9反応室Rの各開口部50aに順に挿通される。第9反応室Rの開口部50aから巻き取り室30の入った巻き出し端部は、巻き取り室30の巻き取りロール31に取り付けられる。
フレキシブル基材2の巻き出し端部は、フレキシブル基材2に張力が発生するように巻き取りロール31に巻き付けられる。
各開口部50aを通過するフレキシブル基材2は、各ガイドローラー51に上方から当接する。フレキシブル基材2は、各ガイドローラー51間で張架される。フレキシブル基材2は、各ガイドローラー51の上側に押し付けられる。フレキシブル基材2は、搬送中、ガイドローラー51の上側の頂部とは密着した状態である。
準備工程では、SALDにおいて使用する前駆体ガスおよびパージガスも準備される。例えば、酸化アルミニウムの原子層堆積を行う場合、例えば、トリメチルアルミニウム(TMA)、窒素が、それぞれ第1前駆体、パージガスとして用いられてもよい。第2前駆体ガスとしては、例えば、HOのガスが用いられてもよい。
第1前駆体および第2前駆体として、それぞれ、TMAおよびHOが用いられる場合、通常は室温でも供給部では十分なガス圧が得られる。
さらに、準備工程では、使用者がインターフェース部45を用いて原子層堆積装置1の動作に関する条件を入力する。入力される条件としては、例えば、使用する第1前駆体ガス、第2前駆体ガス、およびパージガスの種類、各反応室の温度や導入されるガスの種類、分圧、流量等のガス条件、フレキシブル基材2の搬送速度等が挙げられる。
インターフェース部45は、入力された条件を制御部40に送出する。制御部40は、インターフェース部45から送られた条件を原子層堆積装置1の制御条件として設定する。
ただし、使用する前駆体ガスおよびパージガスの種類や条件等が、固定である場合、または、前回の操業時と同一である等の理由で、条件が既に制御部40に与えられている場合には、インターフェース部45を介した条件入力は省略されてもよい。
以上が終了すると、準備工程が終了する。
準備工程が終了した後、薄膜形成工程が行われる。
まず、薄膜形成工程では、まず、制御部40がポンプ25を作動させることによって、各反応室20の排気が行われる。各反応室20は真空状態にされる。
この後、制御部40は、第k反応室Rの温度がそれぞれ予め設定された範囲になるように、ヒータ38を動作させる。ヒータ38の制御としては、例えば、公知のフィードバック制御等が用いられてもよい。
各第k反応室Rの温度は、フレキシブル基材2の耐熱性、前駆体の反応性と前駆体の耐熱性(熱分解温度)等を考慮して選定される。例えば、フレキシブル基材2の材質がPETの場合、耐熱性は120℃以下とされるため、第k反応室Rの温度は、それぞれ100℃前後に設定される。第k反応室Rの温度が100℃であっても、TMAとHOを使用するALDでは反応が進行する。
この後、制御部40は、第k反応室Rにそれぞれ接続されたバルブ31a、31b、31c、バルブ36、およびコンダクタンス可変バルブ37を開閉制御し、第k反応室Rの内部状態を設定に基づいて調節する。
例えば、反応室20内に第1前駆体ガスまたは第2前駆体ガスが供給される場合、制御部40は、反応室20に接続された第1供給管21のバルブ31aまたは第3供給管23のバルブ31cを開放する。この状態で、制御部40は、対応するマスフローメーター32aまたはマスフローメーター32cの値を参照しつつ、対応する排気管24のバルブ36およびコンダクタンス可変バルブ37を調整する。このようにして、反応室20からの排気速度が調整される。排気速度に応じて、反応室20内のガスが排気管24から排気される。
一方、第1供給管21または第3供給管23からは、第1前駆体ガスまたは第2前駆体ガスが、反応室20内に供給される。
このようにして、反応室20内に、第1前駆体ガスまたは第2前駆体ガスが予め設定されたガス条件になるように反応室20内に満たされる。
例えば、反応室20内にパージガスが供給される場合、制御部40は、反応室20に接続された第2供給管22のバルブ31bと、排気管24のバルブ36と、を開放する。この状態で、制御部40は、対応するマスフローメーター32bの値を参照しつつ、対応する排気管24のコンダクタンス可変バルブ37を調整して排気速度を調整する。このようにして、反応室20内がパージガスで満たされ、かつパージガスのガス条件が設定された範囲に調節される。
制御部40が行う上述の制御によって、第k反応室R内の雰囲気は、割り当てられたALDのステップに必要な暴露条件に調節される。
例えば、図6に示す例では、第1反応室R、第3反応室R、第5反応室R、第7反応室R、および第9反応室Rにパージガスが供給される。第2反応室Rおよび第6反応室Rには第1前駆体ガスが供給される。第4反応室Rおよび第8反応室R、には第2前駆体ガスが供給される。図6では、各反応室20の内部が、供給されるガスの種類ごとに同じ模様に描かれている。
例えば、薄膜として酸化アルミニウム層を形成する場合、上述のように、第1前駆体としてはTMA、第2前駆体としてはHO、パージガスとしては窒素ガス、がそれぞれ用いられてもよい。
第k反応室R内の雰囲気の調整が完了した状態で、フレキシブル基材2が巻き出し室10から巻き取り室30に向かって予め決められた搬送速度で搬送される。
フレキシブル基材2が各反応室20を通過する際、フレキシブル基材2に対して、各反応室20に割り当てられたSALDの各ステップが実行される。この結果、フレキシブル基材2がALDの1サイクルに対応する各反応室20を通過するごとに、フレキシブル基材2には、第1前駆体および第2前駆体に対応した物質からなる原子層が堆積される。原子層堆積が終了したフレキシブル基材2は、順次巻き取りロール31に巻き取られる。
例えば、第k反応室Rにおける雰囲気が上述のように調節されている場合、フレキシブル基材2が、第1反応室Rから第9反応室Rまで順次一方向に搬送されると、ALDが2サイクル行われる。このため、フレキシブル基材2の表面に2サイクルのALDに対応する酸化アルミニウムの薄膜が形成される。
原子層堆積装置1におけるSALDでは、フレキシブル基材2は、開口部50aの内部を通過して搬送される。本実施形態では、フレキシブル基材2は、隔壁50の近傍において、ガイドローラー51で支持された状態で搬送される。
例えば、図7に示すように、1つの反応室20を仕切る図示左側の隔壁50の近傍には、ガイドローラー51として、ガイドローラー51A、51Bが配置されている。図示右側の隔壁50の近傍には、ガイドローラー51として、ガイドローラー51C、51Dが配置されている。
反応室20の内側において対向するガイドローラー51B、51Cの間のフレキシブル基材2は、2×(d1−d2)のスパンでガイドローラー51B、51Cによって張架されている。
これに対して、隔壁50を間に挟んで対向するガイドローラー51A、51B(51C、51D)の間のフレキシブル基材2は、2×d2(<2×(d1−d2))のスパンでガイドローラー51A、51B(51C、51D)によって張架されている。
スパン間における弛みは、スパンの3乗に比例し、フレキシブル基材2の厚さの3乗に反比例する。
このため、スパンが大きいガイドローラー51B、51C間では、フレキシブル基材2の弛みも大きいため、フレキシブル基材2が搬送時に励振されやすくなる。
例えば、ガイドローラー51B、51Cのスパン間において、二点鎖線で模式的に示すように、垂直方向へのたわみ振動と、波打ちと、が発生する可能性がある。このようなたわみ振動の振幅および波打ち量は、フレキシブル基材2の厚さが薄くなるほど、ガイドローラー51B、51Cのスパンが大きくなるほど、それぞれ大きくなる。
ただし、フレキシブル基材2とガイドローラー51B、51Cとの接触部はたわみ振動の節になっているため、両端部の変位は0である。
このようなたわみ振動および波打ちが大きい部位に、フレキシブル基材2と接触する部材があると、フレキシブル基材2に堆積した原子層が破損したり、剥離したりする可能性がある。
本実施形態では、ガイドローラー51B、51Cのスパン間は、反応室20の内部であり、フレキシブル基材2と接触可能な部材は存在しない。
一方、例えば、ガイドローラー51A、51Bのスパン間には、ガイド壁50bが対向している。しかし、ガイドローラー51A、51Bのスパンは、ガイドローラー51B、51Cのスパンに比べて小さいため、格段に弛みが小さくなり、搬送時に励振されても、たわみ振動の振幅および波打ちも格段に小さくなる。このため、開口部50aを通過するフレキシブル基材2がガイド壁50bと接触して原子層が破損することが防止される。
さらに、たわみ振動の振幅および波打ちが格段に小さくなることによって、ガイド壁50bとフレキシブル基材2との間の隙間を狭めることが可能になる。ガイド壁50bとフレキシブル基材2との間の隙間が小さくなると、反応室20の内部のガスが、隣接する反応室20に移動しにくくなる。このため、反応室20のガスが、隣接室のさらに隣の反応室20に進入して混ざり合うことも防止できる。
本実施形態の原子層堆積装置1では、第k反応室Rに、それぞれ第1供給管21、第2供給管22、および第3供給管23が接続されている。このため、原子層堆積装置1では、制御部40の制御によって、第k反応室Rを、第1または第2前駆体の反応空間とすること、およびパージの空間とすることのいずれも可能である。
このため、原子層堆積装置1は、様々な前駆体の組み合わせやサイクル構成に好適に対応することができるため、多機能で汎用性が高い装置になっている。
さらに、第k反応室Rに設けられた第1供給管21、第2供給管22、および第3供給管23には、それぞれバルブ31a、31b、31cおよびマスフローメーター32a、32b、32cが設けられている。さらに、第k反応室Rに設けられた各排気管24には、バルブ36およびコンダクタンス可変バルブ37が設けられている。
このため、第k反応室Rのガス条件は、制御部40によって独立して設定可能である。この結果、例えば同じガスが導入される反応室20であっても、何回目のサイクルであるか等により、分圧や流量等を異ならせてそれぞれ異なるガス条件に調節することができる。この結果、SALDにおける各ステップの暴露条件を容易に調節し、ALDによる成膜を好適に行うことができる。
例えば、本実施形態の原子層堆積装置1によれば、反応の吸着速度が大きく異なる複数の前駆体が使用される場合、吸着反応の遅い前駆体の反応室を連続する配置をとる方法と、吸着反応の遅い前駆体の分圧を高く設定する方法とが、適宜選択できる。
原子層堆積装置1では、各反応室20に供給する前駆体ガス、パージガスの圧力、流量、反応室20からの排気速度が調整されることによって、SALDの性能(例えば、薄膜の品質)と、SALDの処理能力と、を両立できる。
さらに、前駆体の分圧を原子層の成長段階に合わせて調整することで、成膜する原子賞の単位面積当たりの前駆体の消費量を低減することができる。特に、前駆体が貴金属(例えば、Pt(白金)など)、レアアース(例えば、インジウムなど)のように、高価な元素を含む前駆体を使用する場合には、薄膜形成の製造コストが低減される。
さらに、原子層堆積装置1のメリットとして、SALDの各ステップを行う時間も容易に調節することができるという点が挙げられる。
例えば、図8には、図6において第1反応室Rに供給されるパージガスが、第1前駆体ガスに変更された場合の例が示されている。
図8に示す態様では、図6同様、一回の搬送でALDの2サイクルが行われるが、1回目のサイクルにおいて、第1反応室Rおよび第2反応室Rを通過する間、第1前駆体の反応ステップが続く。このため、1回目のサイクルにおける第1前駆体の反応ステップの時間は、図6の態様の2倍になる。
このように、原子層堆積装置1においては、第k反応室Rごとのガス条件を異ならせることができるだけでなく、ALDの各ステップの暴露時間の調節も容易に行うことができる。
例えば、フレキシブル基材2が高分子フィルムの場合、表面における分子鎖が露出することによって微細な凹凸が形成されている。このような表面に原子層を堆積すると、一部の原子層が凹部に埋もれてしまうため、1層目の原子層が良好に堆積できない可能性がある。このため、1層目の原子層を形成する際に、第1前駆体の暴露時間を長く設定することが特に有効である。
以上説明したように、本実施形態の原子層堆積装置1および原子層堆積装置1を用いた本実施形態の原子層堆積方法によれば、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態の原子層堆積装置について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態の原子層堆積装置の一例の内部構造を示す正面視の模式図である。
図9に示すように、本実施形態の原子層堆積装置1Aは、上記第1の実施形態の原子層堆積装置1に、搬送ベルト60(支持機構、ガイド部材)追加されて構成されている。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
搬送ベルト60は、各ガイドローラー51(支持機構、ガイド部材、搬送ベルトガイドローラー)と、駆動ローラー61と、テンションローラー62と、に掛け回されている。
搬送ベルト60は、フレキシブル基材2の搬送路においては、各ガイドローラー51に上方から当接している。フレキシブル基材2の搬送路においては、搬送ベルト60は、ガイドローラー51の上側の頂部の間に上側から当接している。搬送ベルト60は、フレキシブル基材2の搬送路上では、ガイドローラー51で規定される高さに搬送ベルト60の厚さを加算した位置にて、フレキシブル基材2を下方から支持している。フレキシブル基材2の搬送路上では、原子層を堆積するフレキシブル基材2の表面と反対側の表面は搬送ベルト60によって下方から支持されている。
駆動ローラー61は、巻き取りロール31に配置されたガイドローラー51の下方の巻き取りロール31内に配置されている。駆動ローラー61は、各反応室20に共通の底面部20b(壁部)よりも下方の位置に配置されている。
駆動ローラー61は、図示略の駆動モーターに連結されている。駆動ローラー61は、図示略の駆動モーターによって、搬送ベルト60を搬送駆動する。搬送ベルト60は、駆動ローラー61によって、フレキシブル基材2の搬送速度に同速度で、同方向に回転駆動される。
テンションローラー62は、巻き出しロール11に配置されたガイドローラー51の下方の巻き出しロール11内に配置されている。テンションローラー62は、底面部20bよりも下方の位置において、駆動ローラー61と対応する位置に配置されている。
テンションローラー62は、図示略の付勢手段によって、搬送ベルト60の外側に向けて付勢されている。
このため、搬送ベルト60は、各ガイドローラー51と、駆動ローラー61と、テンションローラー62と、によって、略矩形状に張られている。駆動ローラー61とテンションローラー62とによって張られた部位における搬送ベルト60は、各反応室20の底面部20bと、原子層堆積装置1の底面部1aとの間に形成された搬送ベルト挿通部1bに配置されている。搬送ベルト挿通部1bは、巻き出しロール11および巻き取りロール31に連通している。
搬送ベルト60の材質は、各反応室20に供給されるガスおよび各反応室20の温度に対する耐性を有している可撓性材料であれば特に限定されない。例えば、搬送ベルト60としては、スチール等の金属ベルト、EPR(Ethylene Propylene Rubber)等の耐熱ゴムベルトなどが用いられてもよい。特に、耐熱性とエンドレス加工の点で、搬送ベルト60の材質としては、テフロン(登録商標)コーティングガラスクロスが用いられることがより好ましい。
原子層堆積装置1Aでは、フレキシブル基材2が、各ガイドローラー51に下方から支持された搬送ベルト60によって、厚さ方向に支持されている。このため、本実施形態における搬送ベルト60は、フレキシブル基材2の一方の表面に当接可能に設けられている。開口部50aを通過するフレキシブル基材2の一方の表面に当接するガイド部材を構成している。
本実施形態における各ガイドローラー51は、フレキシブル基材2と反対側から搬送ベルト60に当接する搬送ベルトガイドローラーを構成している。
本実施形態における各ガイドローラー51は、隔壁50に対して上記第1の実施形態と同様、フレキシブル基材2の移動経路の中央までの距離よりも隔壁50までの距離の方が小さくなる位置に配置されている。
このため、本実施形態におけるフレキシブル基材2は、搬送ベルトガイドローラーと搬送ベルトとの当接位置と重なる部位で、厚さ方向に支持されている。
本実施形態において、搬送ベルト60、各ガイドローラー51、駆動ローラー61、およびテンションローラー62は、フレキシブル基材2の移動経路上であって移動経路の中央までの距離よりも隔壁50までの距離の方が小さくなる位置にてフレキシブル基材2をその厚さ方向に支持する支持機構を構成している。
搬送ベルト60の内側には、搬送ベルト60の張力を調整するため、ダンサーロール(図示略)が配置されてもよい。
このような構成を有する原子層堆積装置1Aでは、上記第1の実施形態と同様にして、フレキシブル基材2が各反応室20内に搬送されることによって、フレキシブル基材2の表面にSALDによる原子層が形成される。
ただし、本実施形態のように、ベルトで基材を支持して搬送する機構では、ベルトに原子層堆積が形成されると、堆積層の剥離によりベルトから異物(粉塵)が発生する恐れがある。ベルトへの堆積を抑制する一例として、プラズマ支援原子層堆積法(PE−ALD、Plasma Enhanced Atomic Layer Deposition)の利用が挙げられる。基材に吸着した前駆体の酸化や窒化のプラズマを被コート面のみに暴露することで、ベルトへの堆積を抑制できる。
本実施形態において、プラズマ支援原子層堆積法を行うためのプラズマ電極が適宜の反応室に設けられてもよい。
本実施形態の原子層堆積装置1Aおよび原子層堆積装置1Aを用いた本実施形態の原子層堆積方法によれば、上記第1の実施形態と同様、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる。
特に、本実施形態によれば、フレキシブル基材2の支持面が、搬送ベルト60の表面によって支持される。搬送ベルト60に張力が付与されることによって、ガイドローラー51間の搬送ベルト60の弛みは、上記第1の実施形態におけるフレキシブル基材2の弛みの大きさよりも小さくすることが可能である。
さらに、本実施形態では、フレキシブル基材2が搬送ベルト60によって全面的に支持されるため、搬送ベルト60とフレキシブル基材2との相対移動が生じる際に、広範囲に摩擦力が作用しやすくなる。このため、フレキシブル基材2に振動が発生しても、搬送ベルト60との摩擦力によって、振動が減衰しやすい。このため、フレキシブル基材2が搬送ベルト60の表面に沿ってより安定的に搬送されやすくなる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態の原子層堆積装置について説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態の原子層堆積装置の一例の内部構造を示す正面視の模式図である。図11は、図10におけるC視の内部構造を示す模式図である。
図10に示すように、本実施形態の原子層堆積装置1Bは、上記第1の実施形態の原子層堆積装置1と、同様、巻き出し室10、複数の反応室20、および巻き取り室30を備える。
ただし、本実施形態では、反応室20の室数と、巻き出し室10、複数の反応室20、および巻き取り室30の配列とは、上記第1の実施形態と異なっている。
さらに、本実施形態では、上記第1の実施形態における隔壁50、ガイドローラー51に代えて、隔壁70、ガイドローラー71(支持機構、ガイド部材、ローラー)を備える。
以下、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本実施形態における巻き出し室10および巻き取り室30は、水平方向に互いに隣り合って配置されている。巻き取り室30は、巻き出し室10の右側に配置されている。
図10に示す例では、巻き出し室10と巻き取り室30とは、隔壁73によって隔てられている。ただし、巻き出し室10および巻き取り室30は、隔壁73における図示略の貫通口によって互いに連通していてもよい。
本実施形態における反応室20は、36室設けられている。このため、巻き出し室10と巻き取り室30との間には、巻き出し室10から巻き取り室30に向かって、第m反応室R(ただし、m=1,…,36)が添字mの昇順に配列されている。以下では、特にmの値が指定されることなく「第m反応室Rm」と記載された場合には、m=1,…,36のすべてを表す。
第1反応室R〜第3反応室Rは、巻き出し室10の下側にこの順に配置されている。巻き出し室10と第1反応室Rとは隔壁70によって仕切られている。第1反応室R〜第3反応室Rの隣接室同士も、それぞれ、同様な隔壁70によって仕切られている。
さらに、本実施形態では、後述する他の反応室20における隣接室同士も、すべて同様な隔壁70によって仕切られている。
各隔壁70には、それぞれ開口部70aが基材の搬送方向と平行に貫通している。開口部70aは、少なくともフレキシブル基材2が挿通可能な矩形状の開口形状を有する。
巻き出しロール11から下方に巻き出されたフレキシブル基材2は、鉛直方向の搬送路に沿って移動される。フレキシブル基材2は、巻き出し室10から第3反応室Rまで、鉛直方向に重なる各隔壁70の開口部70aを通して、鉛直下方に延びている。
第4反応室Rは、第3反応室Rの水平方向左側に配置されている。
第3反応室Rの内部には、ガイドローラー75が設けられている。ガイドローラー75は、第3反応室Rの上側の隔壁70における開口部70aから内部に進入したフレキシブル基材2の移動経路を水平方向左側に転換する。
隔壁70の開口部70aにおけるフレキシブル基材2のたわみ振動の大きさが低減されるためには、ガイドローラー75は、隔壁70の近傍に配置されることがより好ましい。
ここで、ガイドローラー75が隔壁70の近傍にあるとは、上記第1の実施形態と同様、d2/d1(いずれも図示略)が、0以上1/2未満であることをいう。ただし、d2は上記第1の実施形態と同様、隔壁70の中心からガイドローラー75の回転軸までの距離で定義され、d1は、第3反応室R内のフレキシブル基材2の搬送経路長の半分と定義される。この場合、d2/d1は、0以上1/10以下であることがより好ましい。図10に示す例では、ガイドローラー75は、第4反応室Rとの間の隔壁70の近傍に配置されている。
さらに、第2反応室Rとの間の隔壁70の開口部70aにおけるたわみ振動を抑制したい場合には、第2反応室Rとの間の隔壁70の近傍にももう一本のガイドローラー75を配置されてもよい。
第5反応室R〜第8反応室Rは、第4反応室Rから水平方向左側に進むにつれて、上側に斜め45度に延びる直線上に、この順に配列されている。
第9反応室R〜第12反応室R12は、第8反応室Rから鉛直方向上側に延びる直線上に、この順に配列されている。
第13反応室R13〜第16反応室R16は、第12反応室R12から水平方向右側に進むにつれて、上側に斜め45度に延びる直線上に、この順に配列されている。
第17反応室R17〜第20反応室R20は、第16反応室R16から水平方向右側に延びる直線上に、この順に配列されている。
第21反応室R21〜第24反応室R24は、第20反応室R20から水平方向右側に進むにつれて、下側に斜め45度に延びる直線上に、この順に配列されている。
第25反応室R25〜第28反応室R28は、第24反応室R24から鉛直方向下側に延びる直線上に、この順に配列されている。
第29反応室R29〜第32反応室R32は、第28反応室R28から水平方向左側に進むにつれて、下側に斜め45度に延びる直線上に、この順に配列されている。
第33反応室R33、第34反応室R34は、第32反応室R32から水平方向左側に延びる直線上に、この順に配列されている。第33反応室R34は、第3反応室Rと隔壁73を間に挟んで隣り合っている。
第35反応室R35、第36反応室R36は、第34反応室R34から鉛直方向上側に延びる直線上に、この順に配列されている。第35反応室R35、第36反応室R36は、第2反応室R、第1反応室Rと隔壁73を間に挟んで隣り合っている。
第36反応室R36は、隔壁70を間に挟んで巻き取り室30と隣り合っている。第36反応室R36と、第2反応室R、第1反応室Rと隔壁73を間に挟んで隣り合っている。
第34反応室R34〜第36反応室R36は、巻き取り室30の下側において、この順に配置されている。巻き取り室30と第36反応室R36とは、隔壁70によって仕切られている。隔壁70には、少なくともフレキシブル基材2が挿通可能な矩形状の開口部70aが貫通している。
第34反応室R34の内部には、ガイドローラー76が設けられている。ガイドローラー76は、第34反応室R34の左側の隔壁70における開口部70aから内部に進入したフレキシブル基材2の移動経路を鉛直方向上側に転換する。
隔壁70の開口部70aにおけるフレキシブル基材2のたわみ振動の大きさが低減されるためには、ガイドローラー76は、ガイドローラー75と同様、隔壁70の近傍に配置されることがより好ましい。
第34反応室R34から巻き取り室30に向かって鉛直上側に延びるフレキシブル基材2は、鉛直方向の搬送路に沿って移動される。フレキシブル基材2は、第34反応室R34から巻き取り室30まで、鉛直方向に重なる各隔壁70の開口部70aを通して、鉛直上方に延びている。
このような配置により、第3反応室R〜第34反応室R34は、正面視正八角形状に配置されている。巻き出し室10および巻き取り室30は、第3反応室R〜第34反応室R34が形成する八角形の中心部に配置されている。第5反応室R〜第33反応室R33における各隔壁70は、八角形の中心部から外側に向かって対向間隔が広がる放射状に配置されている。
八角形の各頂角に対応する位置の隔壁70には、フレキシブル基材2の移動経路を転換するガイドローラー71が、開口部70aの内部に配置されている。本実施形態では、一例として、ガイドローラー71の中心軸線は、隔壁70の厚さ方向の中心を通る平面と同一平面に配置されている。このため、ガイドローラー71が配置される開口部70aの短手方向の開口量は、ガイドローラー71の外径よりも大きい。
ただし、ガイドローラー71は、フレキシブル基材2の内側から外側に向かって支持しているため、フレキシブル基材2の搬送中に、開口部70aにおけるフレキシブル基材2はガイドローラー71に密着した状態で搬送される。このため、フレキシブル基材2と開口部70aとの間の隙間は、フレキシブル基材2のたわみ振動および波打ちを考慮することなく、適宜設定することができる。例えば、フレキシブル基材2と開口部70aとの間の隙間は、1mm以上20mm以下であってもよい。
このような開口部70aを有する隔壁70は、第4反応室Rと第5反応室Rとの間、第8反応室Rと第9反応室Rとの間、第12反応室R12と第13反応室R13との間、第16反応室R16と第17反応室R17との間、第20反応室R20と第21反応室R21との間、第24反応室R24と第25反応室R25との間、第28反応室R28と第29反応室R29との間、および第32反応室R32と第33反応室R33との間の隔壁70である。
原子層堆積装置1Bでは、巻き出しロール11から巻き出されたフレキシブル基材2は、鉛直下方に延びて、ガイドローラー75によって水平方向左側に屈曲される。
さらに、フレキシブル基材2は、第4反応室Rから第33反応室R33までの間に配置された8本のガイドローラー71によって、正面視正八角形状に屈曲されている。
第32反応室R32と第33反応室R33との間のガイドローラー71によって水平方向左側に屈曲されたフレキシブル基材2は、第34反応室R34の内部に配置されたガイドローラー76によって、鉛直上方に屈曲された後、巻き取りロール31によって巻き取られる。
原子層堆積装置1Bにおいて、ガイドローラー71が配置されていない開口部70aは、フレキシブル基材2が開口部70aの内縁部にこすれることなく通過できる大きさに開口していればよい。ガイドローラー71が配置されていない開口部70aの大きさは、開口部70aを通過するフレキシブル基材2に発生し得るたわみ振動および波打ちに対する余裕を考慮して適宜設定される。たわみ振動および波打ちの大きさは、ガイドローラー71等のフレキシブル基材2を張架するローラーのスパン、フレキシブル基材2の剛性、およびフレキシブル基材2に付与される張力等の条件から、シミュレーション、実験などによって決めることができる。
本実施形態では、34室の反応室20が八角形状に配列されているため、一対のガイドローラー71のスパン間には、4つの反応室20および3つの隔壁70が配置されている。このため、例えば、フレキシブル基材2の移動経路に沿って互いに対向するガイドローラー71のスパン間に34室の反応室20が直線的に配置された配置に比べると、開口部70aの開口量が格段に低減されることが可能になる。
各ガイドローラー71のスパンは、原子層堆積装置1Bの外径が同じであれば、反応室20の多角形配列における多角形の角数が多いほど短くなる。このため、原子層堆積装置1Bにおいて、反応室20が配列される多角形形状の角数は、九以上であってもよい。さらに、原子層堆積装置1Bにおいて、反応室20が配列される多角形形状の角数は、七以下であってもよい。
このように、反応室20を正面視多角形状に配置することによって、同数の反応室20が正面視直線状に配置される場合に比べて、原子層堆積装置1Bの設置面積を低減することができる。
第m反応室Rには、原子層を形成するフレキシブル基材2の表面に対向するように、プラズマ電極72が配置されてもよい。図10に示す例では、プラズマ電極72は、第j反応室R(ただし、j=3、7、11、15、19、23、27、31、35)に配置されている。各プラズマ電極72は、ガイドローラー71等のローラー間に張架されたフレキシブル基材2において、ローラーとの当接面と反対側の表面に、対向して配置されている。
各ガイドローラー71の回転軸71aは、上記第1の実施形態と同様の支持部材52によって支持されていてもよい。ただし、本実施形態では、一例として、図11に示すように、各ガイドローラー71の回転軸71aは、支持部材74によって回転可能に支持されている。支持部材74は、反応室20の各側壁部20aに設けられている。
図11に、第17反応室R17〜第22反応室R22の例で示すように、本実施形態における各反応室20には、上記第1の実施形態と同様、それぞれ、第1供給管21、第2供給管22、および第3供給管23が接続されている。
各第1供給管21は、供給方向における上流側で一つに合流し、上記第1の実施形態と同様の第1供給部26に接続されている。
各第2供給管22は、供給方向における上流側で一つに合流し、上記第1の実施形態と同様の第2供給部27に接続されている。
各第3供給管23は、供給方向における上流側で一つに合流し、上記第1の実施形態と同様の第3供給部28に接続されている。
さらに、上記第1の実施形態と同様、各第1供給管21は、バルブ31aと、マスフローメーター32aとを有する。各第2供給管22は、バルブ31bと、マスフローメーター32bとを有する。各第3供給管23は、バルブ31cと、マスフローメーター32cとを有する。
各反応室20において、第1供給管21、第2供給管22、および第3供給管23が接続された側壁部20aと反対側の側壁部20aには、上記第1の実施形態と同様、それぞれ排気管24が接続されている。各排気管24は、上記第1の実施形態と同様、排気方向における下流側で一つに合流し、排気用のポンプ25に接続されている。さらに、各排気管24は、上記第1の実施形態と同様、バルブ36と、コンダクタンス可変バルブ37とをそれぞれ有する。
さらに、図10、11では図示が省略されているが、原子層堆積装置1Bは、上記第1の実施形態と同様、ヒータ38を備えている。
図5に示すように、原子層堆積装置1Bは、上記第1の実施形態と同様、制御部40と、インターフェース部45とを備える。
次に、本実施形態の原子層堆積装置1Bの動作について、本実施形態の原子層堆積方法を中心として説明する。
図12は、本発明の第3の実施形態の原子層堆積装置の動作説明図である。図13は、本発明の第3の実施形態の原子層堆積装置の作用を説明する模式図である。
まず、上記第1の実施形態と同様に準備工程が行われる。ただし、本実施形態における準備工程は、巻き出しロール11から巻き出されたフレキシブル基材2が、ガイドローラー75と、8本のガイドローラー71と、ガイドローラー76と、に掛け回された後、巻き取りロール31に巻き取られる点が上記第1の実施形態と異なる。フレキシブル基材2は、ガイドローラー75、各ガイドローラー71、およびガイドローラー76によって、正面視八角形状に張架される。
巻き出しロール11とガイドローラー75との間、ガイドローラー76と巻き取りロール31との間では、フレキシブル基材2は、鉛直方向に張架されるため、重力による面外の弛みは発生しない。第9反応室R〜第12反応室R12の間、および第25反応室R25〜第28反応室R28の間の鉛直方向の移動経路でも同様である。
準備工程が終了した後、本実施形態の薄膜形成工程が行われる。
例えば、原子層堆積装置1Bでは、薄膜として酸化アルミニウム層を形成する場合、第1前駆体としてはTMA、第2前駆体としてはO、パージガスとしては窒素ガス、がそれぞれ用いられてもよい。
本実施形態では、上記第1の実施形態と同様、第m反応室Rに設けられた第1供給管21、第2供給管22、および第3供給管23には、それぞれバルブ31a、31b、31cおよびマスフローメーター32a、32b、32cが設けられている。さらに、第m反応室Rに設けられた各排気管24には、バルブ36およびコンダクタンス可変バルブ37が設けられている。
このため、本実施形態の各反応室20においても、ガス種、ガス条件などは、必要に応じて、適宜の設定が可能である。
[設定例1]
下記[表1]に、各反応室20のガス種と、ガス条件と、の一例が記載されている。
Figure 2019160940
[表1]において、「反応室番号」は、第j反応室Rにおける添字jを表す。1Toorは、101.325/760Pa(=1mmHg)で定義された圧力である。「暴露量」の単位Lは、ラングミュアーである。1Lは、1Torr×secである。
[表1]に示す例では、第j反応室R(j=1,5,9,13,17,21,25,29,33)には、第1前駆体ガスとして、TMAが供給される。この場合、第1前駆体ガスの暴露量を調整するため、第1反応室R、第5反応室R、第9反応室RのTMA分圧は、それぞれ、1Torr、0.8Torr、0.6Torrとされる。第1前駆体ガスが供給されるその他の反応室20のTMA分圧は、0.4Torrとされる。
第j反応室R(j=3,7,11,15,19,23,27,31,35)には、第2前駆体ガスとして、酸素(O)ガスが供給される。第j反応室R(j=3、7、11、15、19、23、27、31、35)には、プラズマ電極72が配置されているため、成膜時に酸素プラズマが発生される。
第j反応室R(j=2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36)には、パージガスとして、窒素ガスが供給される。
図12には、第17反応室R17〜第22反応室R22における上述のガス種の設定が、模式的に示されている。
このようなガス条件が設定される場合、例えば、各反応室20におけるフレキシブル基材2の搬送長さが、0.3m、フレキシブル基材2の搬送速度が36m/minとされてもよい。この場合、フレキシブル基材2の各反応室20における滞在時間は、0.5secである。
反応室20のガス条件が[表1]に示されるように設定されることによって、フレキシブル基材2は、第1前駆体ガス(TMA)、パージガス(窒素)、第2前駆体ガス(酸素プラズマ)、およびパージガス(窒素)にこの順に暴露される。第1前駆体ガス雰囲気下では、フレキシブル基材2にTMAが吸着する。パージガス雰囲気では、フレキシブル基材2に物理吸着しているTMAが除去される。第2前駆体ガス雰囲気では、酸素プラズマ暴露によって化学吸着したTMAが酸化される。
原子層堆積装置1Bにおいて、フレキシブル基材2が巻き出し室10から巻き取り室30に移動する間に、上述のようなALDが7サイクル行われる。このため、フレキシブル基材2の表面に7サイクルのALDに対応する酸化アルミニウムの薄膜が形成される。
[設定例2]
本実施形態の原子層堆積装置1Bにおいても、各反応室20のガス種、ガス条件などを適宜設定すれば、TMA分圧をあまり大きくすることなく、TMAの暴露量を容易に増大させることができる。
下記[表2]に、このような設定の一例が記載されている。
Figure 2019160940
[表2]に示す例では、第j反応室R(j=1〜9,13,17,21,25,29,33)には、第1前駆体ガスとして、TMAが供給される。特に、第1反応室R〜第9反応室Rには、すべてTMAが供給される。この場合、第1前駆体ガスの暴露量を調整するため、第1反応室R〜第9反応室RのTMA分圧は、1Torrとされる。第j反応室R(j=13,17,21,25,29,33)のTMA分圧は、0.4Torrとされる。
第j反応室R(j=3,7,11,15,19,23,27,31,35)には、第2前駆体ガスとして、HOガスが供給される。
第j反応室R(j=2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,34,36)には、パージガスとして、窒素ガスが供給される。
各反応室20におけるフレキシブル基材2の搬送長さ、フレキシブル基材2の搬送速度、および滞在時間は、[表1]の例と同様である。
このようなガス条件が設定される場合、フレキシブル基材2には、0.5×10LのTMAが第1反応室Rから第9反応室Rまで9ステップ連続で4.5秒間(=0.5秒×9)暴露される。これにより、フレキシブル基材2の内部へのTMAの浸透量が増加するため、より確実にフレキシブル基材2の表面に、TMAを飽和吸着させることができる。
このようなガス条件によれば、フレキシブル基材2と酸化アルミニウム原子層堆積層との界面に緻密な層が形成されやすくなる。
[設定例3]
さらに、本実施形態の原子層堆積装置1Bにおいては、混合酸化物の堆積も可能である。
下記[表3]に、このような設定の一例が記載されている。
Figure 2019160940
[表3]に示す例では、第j反応室R(j=1,3,5,7,9,11,13,17,21,25,29,33)には、第1前駆体ガスとして、TMAが供給される。TMA分圧は、第j反応室R(j=1,3,5,7,9,11)では1Torr、第j反応室R(j=13,17,21,25,29,33)では、0.4Torrとされる。
第j反応室R(j=15,19,23,27,29,31,35)には、第1前駆体ガスとして、塩化チタン(IV)(TiCl)が供給される。TiCl分圧は、1Torrとされる。
TMAは、酸化アルミニウムを堆積するための第1前駆体である。これに対して、TiClは、酸化チタンを堆積するための第1前駆体である。
これら2種の第1前駆体に対応する第2前駆体としては酸素が用いられる。ただし、本実施形態では、第2前駆体はパージガスに含まれる。
具体的には、第j反応室R(j=2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36)に、窒素および二酸化炭素(CO)の混合ガスが供給されるとともに、N+COプラズマが発生される。このため、本設定例の場合には、第j反応室R(j=2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36)にプラズマ電極72が設けられている。
このように、窒素および二酸化炭素の混合ガスは、パージガスとしての機能と、プラズマによって第1前駆体の酸化を行う機能とを兼ねている。このため、窒素および二酸化炭素の混合ガスは、パージガスであるとともに第2前駆体である酸素を含んでいる。
このようなガス条件が設定されることによって、フレキシブル基材2に対して、第1前駆体ガス(TMA)の暴露と、パージおよび酸化と、が繰り返されることによって、フレキシブル基材2に酸化アルミニウムが堆積される。さらに、フレキシブル基材2に対して、第1前駆体ガス(TiCl)の暴露と、パージおよび酸化と、が繰り返されることによって、フレキシブル基材2に酸化チタンが堆積される。
この結果、原子層堆積装置1Bにおいて、フレキシブル基材2が巻き出し室10から巻き取り室30に移動する間に、上述のようなALDサイクルを受ける結果、フレキシブル基材2の表面に酸化アルミニウムと酸化チタンとの混合酸化物の薄膜が形成される。
図13に示すように、原子層堆積装置1BにおけるSALDでは、フレキシブル基材2は、開口部70aの内部を通過して搬送される。本実施形態では、フレキシブル基材2は、多角形状の移動経路の屈曲部において、ガイドローラー71で多角形の内側から支持された状態で搬送される。各ガイドローラー71は、開口部70aに設けられているため、ガイドローラー71に掛け回されたフレキシブル基材2は、ガイドローラー71に当接している。このため、フレキシブル基材2に振動が発生しても、ガイドローラー71との接触部は、振動の節になる。このため、フレキシブル基材2は、移動経路の屈曲部において、開口部70aとこすれる可能性が抑制される。
例えば、第18反応室R18〜第21反応室R21のように、直線状の移動経路では、フレキシブル基材2にたわみ振動、波打ちなどが発生すると、フレキシブル基材2の面外変位の大きさによっては、フレキシブル基材2が開口部70aとこすれる可能性がある。しかし、ガイドローラー71のスパンが適正に設定されることによって、フレキシブル基材2の面外変位は、開口部70aの短手方向の大きさの範囲内に抑えられる。
さらに、原子層堆積装置1Bでは、第1の実施形態と同様、第m反応室Rのガス条件は、制御部40によって独立に設定可能である。この結果、SALDにおける各ステップの暴露条件を容易に調節し、ALDによる成膜を好適に行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の原子層堆積装置1Bおよび原子層堆積装置1Bを用いた本実施形態の原子層堆積方法によれば、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる。
[第1変形例]
次に、上記第3の実施形態の変形例(第1変形例)の原子層堆積装置について説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態の変形例(第1変形例)の原子層堆積装置の主要部の構成を示す模式図である。
図14に主要部の構成を示すように、本変形例の原子層堆積装置1Cは、上記第3の実施形態の原子層堆積装置1Bにおける各隔壁70の開口部70aの内部にそれぞれガイドローラー71が設けられた点が上記第3の実施形態と異なる。本変形例では、各ガイドローラー71の中心軸線は、それぞれに対応する隔壁70の厚さ方向の中心を通る平面と同一平面に配置されている。
以下、上記第3の実施形態と異なる点を中心に説明する。
本変形例によれば、上記第3の実施形態と同様にして、SALDが行える。
さらに、本変形例では、各開口部70aにおいて、フレキシブル基材2は、ガイドローラー71に当接した状態で移動される。このため、フレキシブル基材2に振動が発生しても、各開口部70aの内部で、フレキシブル基材2とガイドローラー71との接触部が振動の節になる。この結果、フレキシブル基材2が、移動中に各開口部70aとこすれることがより確実に防止される。
以上説明したように、本変形例の原子層堆積装置1Cおよび原子層堆積装置1Cを用いた本変形例の原子層堆積方法によれば、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態の原子層堆積装置について説明する。
図15は、本発明の第4の実施形態の原子層堆積装置の一例の内部構造を示す正面視の模式図である。
図15に示すように、本実施形態の原子層堆積装置1Dは、上記第1の実施形態の原子層堆積装置1と同様、巻き出し室10、複数の反応室20、および巻き取り室30を備える。
ただし、本実施形態では、反応室20の室数と、巻き出し室10、複数の反応室20、および巻き取り室30の配列とは、上記第1の実施形態と異なっている。
さらに、本実施形態では、上記第1の実施形態における隔壁50、ガイドローラー51に代えて、上記第3の実施形態と同様、隔壁70、ガイドローラー71(支持機構、ガイド部材、ローラー)を備える。ただし、本実施形態のガイドローラー71は、上記第1変形例と同様に、各隔壁70の開口部70aの内部に設けられている。
以下、上記第1および第3の実施形態、ならびに上記第1変形例と異なる点を中心に説明する。
本実施形態における巻き出し室10および巻き取り室30は、水平方向に互いに隣り合って配置されている。巻き取り室30は、巻き出し室10の右側に配置されている。ただし、巻き出し室10および巻き取り室30は、水平方向に互いに離間して配置されている。
本実施形態における反応室20は、40室設けられている。このため、巻き出し室10と巻き取り室30との間には、巻き出し室10から巻き取り室30に向かって、第n反応室R(ただし、n=1,…,40)が添字nの昇順に配列されている。図15は見易さのため、一部の符号Rは省略されている。
以下では、特にnの値が指定されることなく「第n反応室Rn」と記載された場合には、n=1,…,40のすべてを表す。
本実施形態では、第n反応室Rは、正面視において、下方に開口する略C字状に配列されている。
第1反応室R、第2反応室Rは、巻き出し室10の下側にこの順に配置されている。巻き出し室10と第1反応室Rとは、隔壁70によって仕切られている。隔壁70には、開口部70aが基材の搬送方向と平行に貫通している。開口部70aには、上記第1変形例と同様に、ガイドローラー71が配置されている。
本実施形態では、他の反応室20における隣接室同士も、すべて同様な隔壁70によって仕切られている。各隔壁70には、それぞれ開口部70aが貫通している。
巻き出しロール11から下方に巻き出されたフレキシブル基材2は、鉛直方向の搬送路に沿って移動される。フレキシブル基材2は、巻き出し室10から第2反応室Rまで、鉛直方向に重なる各隔壁70の開口部70aを通して、鉛直下方に延びている。
第2反応室Rの内部には、ガイドローラー81が設けられている。ガイドローラー81は、第2反応室Rに進入したフレキシブル基材2の移動経路を水平方向左側に転換する。
第3反応室R〜第8反応室Rは、第2反応室Rから水平方向左側に延びる直線上に、この順に配列されている。
第9反応室R〜第13反応室R13は、第8反応室Rから鉛直方向上側に延びる直線上に、この順に配列されている。
第14反応室R14〜第27反応室R27は、第13反応室R13から水平方向右側に延びる直線上に、この順に配列されている。
第29反応室R29〜第33反応室R33は、第28反応室R28から鉛直方向下側に延びる直線上に、この順に配列されている。
第34反応室R34〜第39反応室R39は、第33反応室R33から水平方向左側に延びる直線上に、この順に配列されている。第39反応室R39は、第2反応室Rと水平方向に対向している。
第39反応室R39は、第40反応室R40を間に挟んで、巻き取り室30と対向している。第40反応室R40と巻き取り室30とは、開口部70aを有する隔壁70によって仕切られている。
このような配置によって、第2反応室R、第8反応室R、第13反応室R13、第28反応室R28、第33反応室R33、および第39反応室R39は、反応室20の配列の角部に位置している。
第8反応室R、第13反応室R13、第28反応室R28、第33反応室R33、および第39反応室R39の内部には、第2反応室Rと同様、フレキシブル基材2の移動経路を屈曲させるために、フレキシブル基材2が掛け回されるガイドローラー81がそれぞれ設けられている。
本実施形態では、さらに、各反応室20を通過するフレキシブル基材2の移動経路の一部が折れ線状になっている。
第2反応室Rと第8反応室Rとの間の各ガイドローラー71は、正面視において、フレキシブル基材2の移動経路が下側に凸の弓形の折れ線を描くように、配置されている。
第13反応室R13と第28反応室R28との間の各ガイドローラー71は、正面視において、フレキシブル基材2の移動経路が上側に凸の弓形の折れ線を描くように、配置されている。
第33反応室R33と第39反応室R39との間の各ガイドローラー71は、正面視において、フレキシブル基材2の移動経路が下側に凸の弓形の折れ線を描くように、配置されている。
すなわち、図15に示す原子層堆積装置1Dでは、第2反応室Rと第8反応室Rとの間、第13反応室R13と第28反応室R28との間、および第33反応室R33と第39反応室R39との間に形成されたフレキシブル基材2の移動経路は、折れ線状に変化する折れ線状搬送部である。
このように、本実施形態では、水平方向に並んだ反応室20の内部を通るフレキシブル基材2の移動経路は、全体としてC字状の移動経路において、外側に凸の折れ線状である。この結果、折れ線状の移動経路では、互いに隣接するガイドローラー71によって、フレキシブル基材2が確実に張架されるため、フレキシブル基材2がより確実にガイドローラー71に当接できる。このため、これらの略水平な移動経路では、フレキシブル基材2のたわみ振動がより確実に低減される。
フレキシブル基材2における鉛直方向の移動経路においても、水平方向と同様にして、移動経路が外側に凸の折れ線状とされてもよい。
ただし、鉛直方向における移動では、重力はフレキシブル基材2の面内方向に作用する。このため、水平方向の搬送とは異なり、フレキシブル基材2には重力による弛みが発生しないため、弛みに起因するたわみ振動も励起されにくい。
そこで、本実施形態では、一例として、巻き出し室10と第2反応室Rとの間、第8反応室Rと第13反応室R13との間、第29反応室R29と第33反応室R33との間、および第39反応室R39と巻き取り室30との間におけるガイドローラー71、81は、それぞれ鉛直方向に直線状に延びる移動経路を形成するように配置されている。
このように、本実施形態では、反応室20が屈曲した直線的に配列されることによって、フレキシブル基材2の移動経路が屈曲されるとともに、直線的に並んだ各反応室20内で、フレキシブル基材2の移動経路が折れ線状に屈曲されている場合の例になっている。
このため、反応室20の配列が単純化されていても、反応室20が角数の多い多角形状に配列されているのと、同様な効果が得られる。
この結果、フレキシブル基材2の移動経路が長くなっても、移動経路におけるフレキシブル基材2のこすれを容易かつ確実に防止することが可能になる。
本実施形態の原子層堆積装置1Dにおいても、上記第1の実施形態等と同様、各反応室20に供給するガス種、ガス条件などを適宜設定することによって、様々な前駆体の組み合わせやサイクル構成に好適に対応することができる。
以上説明したように、本実施形態の原子層堆積装置1Dおよび原子層堆積装置1Dを用いた本実施形態の原子層堆積方法によれば、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態の原子層堆積装置について説明する。
図16は、本発明の第5の実施形態の原子層堆積装置の主要部の構成を示す模式図である。
図16に主要部の構成を示すように、本実施形態の原子層堆積装置1Eは、上記第1変形例の原子層堆積装置1Cまたは上記第4の実施形態の原子層堆積装置1Dにおける各隔壁70に、ガイド壁70bが設けられて構成される。
以下、上記第1変形例または上記第4の実施形態と異なる点を中心に説明する。
ガイド壁70bは、各開口部70aにおいて、フレキシブル基材2を間に挟んで、ガイドローラー71と対向する内縁部から、各隔壁70に関する隣接室に向かって突出している。ガイド壁70bは、上記第1の実施形態におけるガイド壁50bのように、正面視において隔壁70に対して垂直に交差する垂直方向に延びていてもよい。ガイド壁70bは、隔壁70の垂直方向から傾斜した平板状でもよい。ガイド壁70bは、湾曲板でもよい。
図16に示すガイド壁70bは、ガイドローラー71に当接するフレキシブル基材2の表面に略沿う略円筒面状の湾曲板で構成されている。ガイド壁70bは、フレキシブル基材2の表面に略沿う山形状の湾曲板で構成されてもよい。
このようなガイド壁70bが設けられることによって、ガイド壁70bとフレキシブル基材2との間に、フレキシブル基材2の移動方向に延びる隙間が、開口部70aの長手幅方向に渡って形成されている。
フレキシブル基材2とガイド壁70bとの隙間の大きさは、上記第1の実施形態におけるフレキシブル基材2とガイド壁50bとの間の隙間の大きさと同様であってもよい。
ガイドローラー71に当接した部位におけるフレキシブル基材2は、たわみ振動の節になるため、ガイド壁70bとフレキシブル基材2との間がある程度狭くても、フレキシブル基材2は、移動中にガイド壁70bとの接触を抑制することができる。
ガイド壁70bによって、このような隙間が形成されることで、反応室20の内部のガスが、隣接する反応室20に移動しにくくなる。このため、反応室20のガスが、隣接室のさらに隣の反応室20に進入して混ざり合うことも防止できる。
本実施形態の原子層堆積装置1Eは、ガイド壁70bによって、隣接室同士のガスの混合がより低減される以外は、上記第1変形例または上記第4の実施形態と同様にしてSALDを行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の原子層堆積装置1Eおよび原子層堆積装置1Eを用いた本実施形態の原子層堆積方法によれば、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態の原子層堆積装置について説明する。
図17は、本発明の第6の実施形態の原子層堆積装置の主要部の構成を示す模式図である。
図17に主要部の構成を示すように、本実施形態の原子層堆積装置1Fでは、上記第5の実施形態の原子層堆積装置1Eの各ガイドローラー71に代えて、支持機構90A、90Bを備える。原子層堆積装置1Fでは、原子層堆積装置1Eにおける各ガイド壁70bは削除されている。
以下、上記第5の実施形態と異なる点を中心に説明する。
支持機構90A、90Bは、それぞれ、開口部70aの上端および下端において互いに対向して設けられている。支持機構90A、90Bは、互いに異なる構成および形状を有していてもよい。本実施形態では、一例として、支持機構90A、90Bは、互いに同様の構成を有している場合の例で説明する。ただし、支持機構90A、90Bは、図示における水平面を対称面とする面対称な形状を有している。
支持機構90A、90Bは、開口部70aを通過するフレキシブル基材2に鉛直上方および下方から支持用ガスGを噴射することによって、フレキシブル基材2を支持機構90A、90Bの中間部に非接触支持する装置部分である。
支持機構90A、90Bは、それぞれ、ガス噴射口部90aと、ガイド壁90bと、を備える。
ガス噴射口部90aは、開口部70aに通過するフレキシブル基材2に支持用ガスGを噴射する凹状部である。本実施形態では、ガス噴射口部90aは、矩形状断面を有する溝が開口部70aの長手方向に延びて構成されている。ただし、ガス噴射口部90aの形状は、フレキシブル基材2に支持用ガスGを安定して噴射できる形状であれば、矩形溝には限定されない。例えば、半円状溝、三角形溝などであってもよい。さらに、ガス噴射口部90aは、開口部70aの長手方向において、互いに離間して複数設けられていてもよい。
支持機構90Aにおけるガス噴射口部90aは、隔壁70の厚さ方向の中心軸線上に、開口を下方に向けて、開口部70aの上端に固定されている。支持機構90Bにおけるガス噴射口部90aは、隔壁70の厚さ方向の中心軸線上に、開口を上方に向けて、開口部70aの下端に固定されている。
各ガス噴射口部90aの開口と反対側の底部には、支持用ガスGをガス噴射口部90aに供給する支持用ガス供給管91が接続されている。
各支持用ガス供給管91には、支持用ガスGを給送する支持用ガス供給源(図示略)が接続されている。
支持用ガスGとしては、各反応室20に流入しても、各反応室20で行われるALDステップを阻害しない適宜のガスが用いられる。例えば、支持用ガスGは、各反応室20に供給されるガス種に応じて、第1前駆体ガス、パージガス、および第2前駆体ガスの少なくとも1種が用いられてもよい。
各ガス噴射口部90aの開口端からは、ガイド壁90bが、各隔壁70に関する隣接室に向かって突出している。ガイド壁90bの形状は、平板状でもよいし、湾曲板状でもよい。
鉛直方向において、互いに対向するガイド壁90bの間の間隔は、支持用ガスGの流速に応じて、浮上支持されたフレキシブル基材2とガイド壁90bとの間に、支持用ガスGによる適正な流体圧が形成されるように設定される。支持用ガスGによるガス流によって、ガイド壁90bとフレキシブル基材2との間に適正な流体圧が発生することによって、フレキシブル基材2は、ガイド壁90bの中間部において、ガイド壁90bと接触することなく浮上支持される。
本実施形態の原子層堆積装置1Fは、フレキシブル基材2が支持機構90A、90Bによって各開口部70aで、浮上支持される以外は、原子層堆積装置1Eと同様にしてSALDを行うことができる。
以上説明したように、本実施形態の原子層堆積装置1Eおよび原子層堆積装置1Eを用いた本実施形態の原子層堆積方法によれば、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる。
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態の原子層堆積装置について説明する。
図18は、本発明の第7の実施形態の原子層堆積装置の一例の内部構造を示す正面視の模式図である。
図18に示すように、本実施形態の原子層堆積装置1Gは、上記第2の実施形態の原子層堆積装置1Aの搬送ベルト60に代えて、搬送ベルト60A、60B(支持機構、ガイド部材)を備える。さらに、原子層堆積装置1Gには、駆動ローラー61、テンションローラー62、およびプラズマ電極72が追加されている。
以下、上記第2の実施形態と異なる点を中心に説明する。
搬送ベルト60Aは、巻き出し室10および第1反応室R〜第4反応室Rに配置されたガイドローラー51と、第5反応室Rにおいて第4反応室R側に配置されたガイドローラー51と、駆動ローラー61と、テンションローラー62と、に掛け回されている。このような掛け回しが行われるため、第5反応室Rにおける底面部20bには、第5反応室Rにおいて第4反応室R側に配置されたガイドローラー51から鉛直下方に延びる搬送ベルト60Aを挿通する開口部が形成されている。
搬送ベルト60Aに掛け回されるテンションローラー62は、上記第2の実施形態と同様の位置に配置されている。搬送ベルト60Aに掛け回される駆動ローラー61は、第5反応室Rにおける底面部20bの下方において、テンションローラー62と水平方向に対向する位置に配置されている。駆動ローラー61には、開口部に挿通する搬送ベルト60Aが、底面部20bの下方で掛け回されている。
搬送ベルト60Aは、上記第2の実施形態の搬送ベルト60同様な材料からなる。
搬送ベルト60Bは、第5反応室Rにおいて第6反応室R側に配置されたガイドローラー51と、第6反応室R〜第9反応室Rおよび巻き取り室30に配置されたガイドローラー51と、駆動ローラー61と、テンションローラー62と、に掛け回されている。このような掛け回しが行われるため、第5反応室Rにおける底面部20bには、第5反応室Rにおいて第6反応室R側に配置されたガイドローラー51から鉛直下方に延びる搬送ベルト60Bを挿通する開口部が形成されている。
搬送ベルト60Bに掛け回される駆動ローラー61は、上記第2の実施形態と同様の位置に配置されている。搬送ベルト60Bに掛け回されるテンションローラー62は、第5反応室Rにおける底面部20bの下方において、駆動ローラー61と水平方向に対向する位置に配置されている。テンションローラー62には、開口部に挿通する搬送ベルト60Bが、底面部20bの下方で掛け回されている。
搬送ベルト60Bは、上記第2の実施形態の搬送ベルト60同様な材料からなる。
本実施形態におけるプラズマ電極72は、プラズマ支援原子層堆積法を行うために設けられてもよい。図18に示す例では、プラズマ電極72は、第3反応室Rおよび第8反応室Rにおいて、フレキシブル基材2の上方において、フレキシブル基材2と対向する位置に配置されている。
本実施形態の原子層堆積装置1Gによれば、搬送ベルト60A、60Bがそれぞれ駆動ローラー61によって同期して駆動される。これにより、フレキシブル基材2が、巻き出し室10から巻き取り室30まで搬送される。このため、本実施形態の原子層堆積装置1Gでは、上記第2の実施形態と同様にして、フレキシブル基材2が各反応室20内に搬送されることによって、フレキシブル基材2の表面にSALDによる原子層が形成される。
特に本実施形態では、第3反応室Rおよび第8反応室Rにおけるプラズマ電極72によって、プラズマ支援原子層堆積法が行われる。このため、搬送ベルト60A、60Bにおける原子層堆積が抑制される。
本実施形態の原子層堆積装置1Gおよび原子層堆積装置1Gを用いた本実施形態の原子層堆積方法によれば、上記第2の実施形態と同様、剛性が小さいフレキシブル基材を用いても、良好な原子層堆積層が形成できる。
特に本実施形態では、フレキシブル基材2が、搬送ベルト60A、60Bによって搬送されるため、第2の実施形態と、反応室20の数、搬送距離が同一でも、搬送ベルト60A、60Bの長さが搬送ベルト60よりも短くなる。このため、長尺の搬送ベルトが容易に入手しにくい場合に、容易に装置を構成することができる。
なお、上記各実施形態および変形例の説明では、ALDのサイクル数の具体例に基づいて、原子層堆積装置の動作が説明された。しかし、各原子層堆積装置の反応室20の室数およびALDサイクル数の設定は、上述の例に限定されることはない。
上記各実施形態および変形例の説明では、支持機構における接触式のガイド部材は、ローラーの場合の例で説明された。しかし、フレキシブル基材2との摩擦係数が低い部材であれば、ローラー以外の固定部材でもよい。例えば、支持部材は、回転しない丸棒、湾曲板などで構成されてもよい。
上記各実施形態および変形例の説明では、支持機構が開口部を有するすべての隔壁または一部の隔壁の近傍に設けられた例で説明された。支持機構は、必要に応じて、反応室のうち少なくとも1つに設けられていればよい。
上記第2の実施形態では、搬送ベルト60が駆動ローラー61によって駆動される場合の例で説明した。しかし、搬送ベルト60がフレキシブル基材2の移動によって容易にフレキシブル基材2とともに移動する場合には、駆動ローラー61による駆動は省略されてもよい。
以上、本発明の好ましい各実施形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの実施形態および変形例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
例えば、上記第1の実施形態における各ガイドローラー51を用いた支持機構は、上記第3の実施形態等におけるガイドローラー71を用いた支持機構、あるいは、上記第6の実施形態における支持機構90A、90Bに置き換えられてもよい。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F 原子層堆積装置
2 フレキシブル基材
10 巻き出し室
20 反応室
21 第1供給管
22 第2供給管
23 第3供給管
24 排気管
25 ポンプ
26 第1供給部
27 第2供給部
28 第3供給部
30 巻き取り室
31a、31b、31c バルブ(調整供給部)
32a、32b、32c マスフローメーター(調整供給部)
37 コンダクタンス可変バルブ
38 ヒータ
40 制御部
50、70 隔壁(壁部)
50a、70a 開口部
50b、70b、90b ガイド壁
51 ガイドローラー(支持機構、ガイド部材、ローラー、搬送ベルトガイドローラー)
51A、51B、51C、51D、71 ガイドローラー(支持機構、ガイド部材、ローラー)
60、60A、60B 搬送ベルト
61 駆動ローラー
62 テンションローラー
72 プラズマ電極
90a ガス噴射口部
90A、90B 支持機構
91 支持用ガス供給管
G 支持用ガス
第k反応室
第m反応室
第n反応室

Claims (9)

  1. フレキシブル基材に原子層堆積法により原子層を形成する原子層堆積装置であって、
    前記フレキシブル基材が巻き出される巻き出し室と、
    前記原子層が形成された前記フレキシブル基材が巻き取られる巻き取り室と、
    前記フレキシブル基材が通過可能かつ互いに対向する開口部を有する2つの隔壁を含む複数の壁部によって囲まれて形成され、前記巻き出し室と前記巻き取り室との間に複数設けられた反応室と、
    前記反応室のうち少なくとも1つにおいて、前記フレキシブル基材の移動経路上であって前記移動経路の中央までの距離よりも前記隔壁までの距離の方が小さくなる位置にて前記フレキシブル基材を前記フレキシブル基材の厚さ方向に支持する支持機構と、
    を備える、
    原子層堆積装置。
  2. 前記支持機構は、
    前記開口部を通過する前記フレキシブル基材の一方の表面に当接するガイド部材からなる、
    請求項1に記載の原子層堆積装置。
  3. 前記ガイド部材は、前記フレキシブル基材の移動方向に回転可能に支持されたローラーからなる、
    請求項2に記載の原子層堆積装置。
  4. 前記支持機構は、
    前記フレキシブル基材にガスを噴射することによって、前記フレキシブル基材を前記厚さ方向に支持する、
    請求項1に記載の原子層堆積装置。
  5. 前記支持機構は、
    前記フレキシブル基材の一方の表面に当接可能に設けられた搬送ベルトと、
    前記移動経路の中央までの距離よりも前記隔壁までの距離の方が小さくなる位置にて前記フレキシブル基材と反対側から前記搬送ベルトに当接する搬送ベルトガイドローラーと、
    を備え、
    前記搬送ベルトガイドローラーと前記搬送ベルトとの当接位置と重なる部位で、前記フレキシブル基材が前記厚さ方向に支持される、
    請求項1に記載の原子層堆積装置。
  6. 前記開口部は、
    前記隔壁から前記反応室に向かって延びるガイド壁を有する
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の原子層堆積装置。
  7. 前記支持機構は、3以上設けられ、
    前記支持機構によって、前記フレキシブル基材の移動経路が折れ線状に変化する折れ線状搬送部が形成されている、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の原子層堆積装置。
  8. 第1前駆体を含むガスが収容された第1供給部と、
    前記第1供給部と接続された第1供給管と、
    パージガスが収容された第2供給部と、
    前記第2供給部と接続された第2供給管と、
    第2前駆体を含むガスが収容された第3供給部と、
    前記第3供給部と接続された第3供給管と、
    前記反応室にそれぞれ接続された排気管と、
    ガスの供給条件を調整する供給調整部と、
    をさらに備え、
    前記反応室のそれぞれには、前記第1供給管、前記第2供給管、および前記第3供給管の少なくとも1つが接続されており、
    前記反応室の少なくとも1つには、前記供給調整部を介して、前記第1供給管、前記第2供給管、および前記第3供給管のうち少なくとも2つが接続されている、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の原子層堆積装置。
  9. フレキシブル基材に原子層堆積法により原子層を形成する原子層堆積方法であって、
    前記フレキシブル基材が巻き出すことと、
    前記フレキシブル基材が通過可能かつ互いに対向する開口部を有する2つの隔壁を含む複数の壁部によって囲まれて形成され、前記原子層を形成するための反応が行われる複数の反応室に、前記開口部を通して、前記巻き出された前記フレキシブル基材を搬送することと、
    前記原子層が形成された前記フレキシブル基材を巻き取ることと、
    前記複数の反応室のうち少なくとも1つにおいて、前記フレキシブル基材の移動経路上であって前記移動経路の中央までの距離よりも前記隔壁までの距離の方が小さくなる位置にて前記フレキシブル基材を前記フレキシブル基材の厚さ方向に支持することと、
    を含む、
    原子層堆積方法。
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