JP2019158899A - 検出システム、情報処理装置、および検出方法 - Google Patents

検出システム、情報処理装置、および検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019158899A
JP2019158899A JP2019120180A JP2019120180A JP2019158899A JP 2019158899 A JP2019158899 A JP 2019158899A JP 2019120180 A JP2019120180 A JP 2019120180A JP 2019120180 A JP2019120180 A JP 2019120180A JP 2019158899 A JP2019158899 A JP 2019158899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic wave
sensors
sensor group
sensor
detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019120180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6933686B2 (ja
Inventor
隆 碓井
Takashi Usui
隆 碓井
渡部 一雄
Kazuo Watabe
一雄 渡部
隆広 大森
Takahiro Omori
隆広 大森
英文 高峯
Hidefumi Takamine
英文 高峯
笠原 章裕
Akihiro Kasahara
章裕 笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP2018148869A external-priority patent/JP6552693B2/ja
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2019120180A priority Critical patent/JP6933686B2/ja
Publication of JP2019158899A publication Critical patent/JP2019158899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6933686B2 publication Critical patent/JP6933686B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

【課題】構造物に生じる亀裂を簡便に検出することができる検出システム、情報処理装置、および検出方法を提供することである。【解決手段】実施形態の検出システムは、第1センサ群と、第2センサ群と、標定部とを持つ。前記第1センサ群は、溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され、トラフリブである第2部材に取り付けられた複数のAEセンサを含む。前記第2センサ群は、第1部材に取り付けられた複数のAEセンサを含む。前記標定部は、前記第1センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果と、前記第2センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果とを互いに区別して取り扱い、前記第1センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果に基づく弾性波の発生源位置の標定と、前記第2センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果に基づく弾性波の発生源位置の標定とを別々に行う。【選択図】図6

Description

本発明の実施形態は、検出システム、情報処理装置、および検出方法に関する。
例えば橋梁のような構造物の溶接部には、構造物の長期共用に伴い、疲労亀裂が生じることが知られている。
ここで、構造物の劣化を検出する種々の検出方法がこれまでにも提案されている。しかしながら、これら検出方法は、構造物の設置高さや状態などに関して種々の制約があり、構造物に生じる亀裂を簡便に検出することができない場合があった。
特開2010−54497号公報
内間満明、他5名、「熱赤外線計測法による鋼床版のUリブ滞水診断」、土木学会第64回年次学術講演会資料IV−340、平成21年9月、p.679−680
本発明が解決しようとする課題は、構造物に生じる亀裂を簡便に検出することができる検出システム、情報処理装置、および検出方法を提供することである。
実施形態の検出システムは、車両が走行する走行面を下方から支持する第1部材と、前記第1部材に対して前記走行面とは反対側に設けられたトラフリブである第2部材と、前記第2部材の前記第1部材に面する端部に沿って設けられ、前記第1部材と前記第2部材とを固定した溶接部とからなる構造物の状態を検出する検出システムであって、第1センサ群と、第2センサ群と、標定部とを持つ。前記第1センサ群は、前記溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され、前記第2部材に取り付けられて前記第2部材に伝わる弾性波をそれぞれ検出する複数のアコースティック・エミッション(AE)センサを含む。前記第2センサ群は、前記第1部材に取り付けられて前記第1部材に伝わる弾性波をそれぞれ検出する複数のAEセンサを含む。前記標定部は、前記第1センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果と、前記第2センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果とを互いに区別して取り扱い、前記第1センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果に基づく弾性波の発生源位置の標定と、前記第2センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果に基づく弾性波の発生源位置の標定とを別々に行う。
ひとつの実施形態の橋梁構造物を示す断面図。 上記実施形態の鋼床版を示す断面斜視図。 上記実施形態の鋼床版を別の角度から見た断面斜視図。 上記実施形態の鋼床版の溶接部とその周囲を示す断面斜視図。 上記実施形態の検出システムのシステム構成を示すブロック図。 上記実施形態のAEセンサの配置例を示す図。 上記実施形態の検出システムの検出結果の一例を示す図。 上記実施形態の亀裂位置の標定方法を概念的に示す側面図。 上記実施形態の亀裂進展限界曲線を示すグラフ。 上記実施形態の亀裂の大きさと標定位置のばらつきとの関係を示す図。 上記実施形態の設置パラメータθと標定位置のばらつきとの関係を示す図。 上記実施形態の信号処理部のシステム構成を示すブロック図。 上記実施形態の弾性波の特性に関するパラメータを示す図。 上記実施形態の劣化検出部のシステム構成を示すブロック図。 上記実施形態の検出方法の流れの一例を示すフローチャート。
以下、実施形態の検出装置、検出システム、および検出方法を、図面を参照して説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。
図1から図15を参照して、ひとつの実施形態について説明する。
本実施形態の検出システム1、検出装置2、および検出方法は、構造物の状態を検出するものである。なお本願で言う「構造物の状態」とは、劣化の状態や亀裂の状態などを含む広い意味で用いる。すなわち、本願で言う「構造物の状態を検出する」とは、劣化の有無、劣化の程度、亀裂の有無、亀裂の位置、亀裂の程度などの少なくともひとつを検出することを意味する。ここではまず、本実施形態の検出システム1、検出装置2、および検出方法が適用される構造物の一例について説明する。
図1は、橋梁構造物10の一例を示す断面図である。
橋梁構造物10は、本実施形態の検出システム1、検出装置2、および検出方法が適用される「構造物」の一例である。なお本願で言う「橋梁」とは、河川や渓谷などの上に架設される構造物に限らず、地面よりも上方に設けられる種々の構造物(例えば高速道路の高架橋)などを広く含む。また、本実施形態の検出システム1、検出装置2、および検出方法が適用可能な構造物は、橋梁に限定されるものではなく、亀裂の発生または進展に伴い弾性波が発生する構造物であればよい。すなわち、本実施形態の検出システム1、検出装置2、および検出方法は、例えば道路とは関係のない構造物に適用されてもよい。
図1に示すように、橋梁構造物10は、主桁11と、鋼床版12とを備える。
主桁11は、地面の上に設けられ、略鉛直方向に起立している。
鋼床版12は、主桁11の上に設置されて、車両Vが走行する走行面TSを形成している。鋼床版12は、主桁11によって下方から支持され、地面よりも高い位置に配置されている。
図2は、鋼床版12を示す断面斜視図である。
図2に示すように、鋼床版12は、デッキプレート21、舗装部22、トラフリブ(縦リブ)23、および横リブ24(図3参照)を備える。
デッキプレート21は、車両Vが走行する走行面TSの下方に広がり、走行面TSを下方から支持する。デッキプレート21は、「第1部材」の一例である。例えば、デッキプレート21は、走行面TSと略平行に広がる金属製の板部材である。
舗装部(舗装部材)22は、デッキプレート21の上面に設けられている。舗装部22は、例えばアスファルトなどで形成されている。舗装部22の上面は、車両Vが走行する走行面TSを形成している。なお、本願で言う「(第1部材が)走行面を下方から支持する」とは、例えば、走行面TSを形成した部材(例えば舗装部22)を第1部材が下方から支持する意味を含む。
図3は、鋼床版12を斜め下方から見た断面斜視図である。
図3に示すように、トラフリブ23は、デッキプレート21の下方に設けられている。すなわち、トラフリブ23は、デッキプレート21に対して、走行面TSとは反対側に設けられている。トラフリブ23は、「第2部材」の一例である。トラフリブ23は、デッキプレート21を補強する補強部材である。例えば、トラフリブ23は、U字形の断面形状を有した金属製のリブ(Uリブ)である。トラフリブ23は、デッキプレート21の下面に取り付けられ、橋軸方向BDに沿って延びている。なお「橋軸方向」とは、橋梁構造物10が延びた方向であり、例えば橋梁構造物10を走る車両Vの走行方向に沿う方向である。
詳しく述べると、トラフリブ23は、起立部26A,26Bと、水平部27とを含む。
一対の起立部26A,26Bは、それぞれ走行面TSとは交差する方向に沿う板部であり、走行面TSから離れる方向に延びている。例えば、一対の起立部26A,26Bは、走行面TSから離れるに従い、該起立部26A,26Bの間の間隔が徐々に狭くなるように互いに傾いている。例えば、起立部26A,26Bの各々の厚さ(板厚)は、デッキプレート21の厚さ(板厚)よりも薄い。また、起立部26A,26Bの各々の厚さ(板厚)は、例えば橋軸方向BDに略一定である。
水平部27は、走行面TSと略平行な板部である。水平部27は、一対の起立部26A,26Bの下端部の間に設けられ、起立部26A,26Bの下端部同士を接続している。トラフリブ23は、起立部26A,26Bと水平部27とが接続されることで、U字状に形成されている。
一方で、横リブ24は、橋軸方向BDとは交差する(例えば略直交する)方向に沿う金属製の板部材である。横リブ24は、トラフリブ23が通される切欠き24aを有する。例えば、横リブ24は、デッキプレート21の下面およびトラフリブ23の起立部26A,26Bの側面に固定されている。
次に、鋼床版12に設けられる溶接部28について説明する。
図3に示すように、鋼床版12は、デッキプレート21とトラフリブ23との間に溶接部28を有する。詳しく述べると、トラフリブ23の起立部26A,26Bの各々は、デッキプレート21に面する端部(上端部)26eを有する。溶接部28は、トラフリブ23の起立部26A,26Bの端部26aに沿って設けられている。溶接部28は、トラフリブ23が延びた方向に沿って、橋軸方向BDに延びている。溶接部28は、デッキプレート21の下面とトラフリブ23の起立部26A,26Bの端部26eとを固定(接合)している。
図4は、鋼床版12の溶接部28とその周囲を示す。なお説明の便宜上、図4では断面部分に施すハッチングを省略している。
図4に示すように、トラフリブ23の起立部26A,26Bの端部26eは、傾斜部(傾斜面、ルート面)26iを含む。傾斜部26iは、起立部26A,26Bの端部26eにおいて、一対の起立部26A,26Bの外側部分に設けられている。傾斜部26iは、一対の起立部26A,26Bの外側に進むに従いデッキプレート21の下面から離れる方向に傾いている。このため、デッキプレート21の下面と、起立部26A,26Bの傾斜部26iとの間には、溶接部28が入り込む隙間が形成される。溶接部28の少なくとも一部は、デッキプレート21の下面と、起立部26A,26Bの傾斜部26iとの間に設けられている。
ここで、上記溶接部28には、橋梁構造物10の長期共用に伴い、疲労亀裂C(以下、単に亀裂Cと言う。)が生じる可能性がある。この亀裂Cには、大きく分けて2つのパターンがある。図4中の(a)に示すように、第1のパターンの亀裂Cは、溶接部28のルート(根元部分)28aから溶接ビードに向けて進展する亀裂(ビード貫通亀裂)である。一方で、図4中の(b)に示すように、第2のパターンの亀裂Cは、溶接部28のルート28aからデッキプレート21に進展する亀裂(デッキプレート貫通亀裂)である。ここで、デッキプレート21の上面は、舗装部22によって覆われている。このため、デッキプレート21に進展する亀裂Cは、目視での確認が特に困難である。
次に、本実施形態の検出システム1について説明する。
図5は、本実施形態の検出システム1のシステム構成を示すブロック図である。
図5に示すように、検出システム(劣化検出システム、劣化診断システム)1は、検出装置2、情報集約装置3、および情報処理装置4を含む。
まず、検出装置2について説明する。
検出装置2は、橋梁構造物10に設置され、橋梁構造物10に生じる弾性波を検出するアコースティック・エミッション(AE:Acoustic Emission)方式の検出装置である。なお、AEとは、材料の疲労亀裂の発生、または疲労亀裂の進展に伴い材料の内部に弾性波が発生する現象である。AE方式の検出装置は、例えば、構造物の疲労亀裂の発生、または疲労亀裂の進展に伴い発生する弾性波を高感度センサによって検出し、検出された弾性波に基づき構造物の状態を検出する。
詳しく述べると、本実施形態の検出装置2は、第1のAEセンサ群31、第2のAEセンサ群32、BPF(バンドパスフィルタ)33、ADC(アナログ−デジタル変換器)34、信号処理部35、および無線送信部36を有する。
図6は、第1および第2のAEセンサ群31,32の配置例を示す。なお、図6中の(a)は、鋼床版12の平面図を示す。図6中の(b)は、鋼床版12の側面図を示す。図6中の(c)は、鋼床版12の断面図を示す。
まず、第1のAEセンサ群31について説明する。
図6に示すように、第1のAEセンサ群31は、複数のAEセンサ41を含む。なお、図6中に実線で示す第1のAEセンサ群31は、例えばトラフリブ23の一方の起立部26Aに設けられた溶接部28の亀裂Cを検出するセンサ群である。なお、トラフリブ23の他方の起立部26Bに設けられた溶接部28の亀裂Cを検出するセンサ群については後述する。また、図6は、第1のAEセンサ群31に含まれる2つのAEセンサ41を代表して示す。なお、第1のAEセンサ群31は、例えば橋軸方向BDに所定の間隔で配置された3つ以上のAEセンサ41を含んでもよい。
ここで、本実施形態に係るAEセンサ41について説明する。
AEセンサ41は、圧電素子を有し、亀裂Cの発生部から伝わる弾性波(AE波)を検出し、電圧信号(AE信号)に変換して出力する。AE信号は、材料の破断が生じる前の兆候として検出される。このため、AE信号の発生頻度および信号強度は、材料の健全性を表す指標として有用である。例えば、AEセンサ41は、10kHz〜1MHzの範囲に感度を有する圧電素子を有する。なお、AEセンサ41は、前記周波数範囲内に共振ピークを持つ共振型、および共振を抑えた広帯域型などのいずれでもよい。また、AEセンサ41は、プリアンプを内蔵したプリアンプ型でもよく、またはこれら以外のものでもよい。AEセンサ41の検出素子自体は、電圧出力型、抵抗変化型、および静電容量型のいずれでもよく、またはこれら以外のものでもよい。なお、後述する第2のAEセンサ群32に含まれるAEセンサ42も、センサの構成および機能は、第1のAEセンサ群31のAEセンサ41と同様である。
図6に示すように、第1のAEセンサ群31に含まれる複数のAEセンサ41は、それぞれトラフリブ23に取り付けられる。詳しく述べると、各AEセンサ41は、トラフリブ23の起立部26Aの側面に取り付けられ、起立部26Aに接する。これにより、各AEセンサ41は、亀裂Cからトラフリブ23の起立部26Aに伝わる弾性波を検出する。
複数のAEセンサ41は、橋軸方向BDに互いに離間して配置される。すなわち、複数のAEセンサ41は、溶接部28の延びた方向に互いに離間して配置される。なお、複数のAEセンサ41は、図6中の(b)に示すように、例えば同じ高さに配置される。なお、複数のAEセンサ41は、後述する図8に示すように、互いに異なる高さに配置されてもよい。また、AEセンサ41が取り付けられる場所は、トラフリブ23の起立部26Aに限られない。例えば、AEセンサ41は、トラフリブ23の水平部27に取り付けられてもよい。
また、検出装置2は、トラフリブ23の他方の起立部26Bに設けられた溶接部28の亀裂Cを検出する複数のAEセンサ43を有してもよい。このAEセンサ43は、図6中の(c)に2点鎖線で示すように、例えば、トラフリブ23の起立部26Bの側面に取り付けられる。
次に、第2のAEセンサ群32について説明する。
図6に示すように、第2のAEセンサ群32は、複数のAEセンサ42を含む。図6では、第2のAEセンサ群32に含まれる4つのAEセンサ42を代表して示す。なお、第2のAEセンサ群32は、例えば橋軸方向BDに所定の間隔で配置されたより多くのAEセンサ42を含んでもよい。
図6に示すように、第2のAEセンサ群32に含まれる複数のAEセンサ42は、それぞれデッキプレート21に取り付けられる。詳しく述べると、各AEセンサ42は、デッキプレート21の下面に取り付けられ、デッキプレート21に接する。これにより、各AEセンサ42は、亀裂Cからデッキプレート21に伝わる弾性波を検出する。
複数のAEセンサ42は、橋軸方向BD、および橋軸方向BDとは交差する(例えば略直交する)方向に互いに離間して配置される。すなわち、第2のAEセンサ群32に含まれるいくつかのAEセンサ42は、溶接部28の延びた方向に互いに離間して配置される。また、第2のAEセンサ群32に含まれるいくつかのAEセンサ42は、橋軸方向BDとは交差する(例えば略直交する)方向において、トラフリブ23の両側に分かれて配置される。なお以下では、橋軸方向BDとは交差する(例えば略直交する)方向を、単に「幅方向」と称する。
ここで、説明の便宜上、図6中に示されたAEセンサ41,42において、第1のAEセンサ群31に含まれる2つのAEセンサ41を、第1AEセンサ41A、第2AEセンサ41Bと称する。また、第2のAEセンサ群32に含まれる4つのAEセンサ42を、第3AEセンサ42A、第4AEセンサ42B、第5AEセンサ42C、第6AEセンサ42Dと称する。
図7は、検出システム1の実際の検出結果の一例を示す。すなわち、図7は、図6の配置例において第1および第2のAEセンサ群31,32に含まれるAEセンサ41,42によって検出された信号を解析し、AE発生頻度の検出結果を表示したものである。なお、図7中の(a)は、第2のAEセンサ群32(デッキプレート21に取り付けられたAEセンサ42)によるAE発生頻度の検出結果を示す。図7中の(a)では、図中の色が濃くなるほど、AE発生頻度が多いことを示す。一方で、図7中の(b)は、第1のAEセンサ群31(トラフリブ23に取り付けられたAEセンサ41)によるAE発生頻度の検出結果を示す。図7中の(b)では、図中の棒グラフが高いほど、AE発生頻度が多いことを示す。
上述したように、溶接部28に亀裂Cが発生すると、弾性波が発生する。この弾性波は、亀裂Cからデッキプレート21およびトラフリブ23にそれぞれ伝播する。ここで、橋梁構造物10には、走行面TSを走行する車両Vからノイズが加わる場合がある。また、亀裂Cの進展方向や溶接の溶け込み状態の違いなどによって、弾性波がより強く伝播する方向が異なる場合がある。
ここで、本発明者らの研究によって、デッキプレート21に取り付けられたAEセンサ42では検出できない弾性波についても、トラフリブ23にAEセンサ41を設置することで、検出することができることが見出された。すなわち、図7に示すように、デッキプレート21に取り付けられたAEセンサ42では弾性波が検出されていない複数個所でも、トラフリブ23に取り付けられたAEセンサ41によって、亀裂Cに伴う弾性波を検出することができることが分かった。すなわち、トラフリブ23にAEセンサ41を設置すると、亀裂Cの検出精度を高めることができることが見出された。
次に、亀裂Cの位置を標定する方法について説明する。
本実施形態では、第1のAEセンサ群31に含まれる互いに隣り合う2つのAEセンサ41A,41Bの検出結果を用いて、亀裂Cの位置が標定される。なお本願で言う「標定する」とは、例えばセンサの検出結果に基づいて、対象物の位置などを求める(算出する、特定する)ことを意味する。
図8は、亀裂Cの位置を標定する方法を概念的に示す側面図である。
図8に示すように、本実施形態では、弾性波の発生源位置(亀裂Cの位置)は、2つのAEセンサ41A,41Bが弾性波を検出した時刻の時間差と、トラフリブ23における弾性波の伝播速度と、溶接部28の位置とに基づき、標定される。
詳しく述べると、図8中に示す破線の曲線は、2つのAEセンサ41A,41Bを焦点とする双曲線51である。すなわち、双曲線51の線上に位置する各点では、双曲線51に対する2つのAEセンサ41A,41Bからの距離の差が一定である。言い換えると、トラフリブ23における弾性波の伝播速度をvとし、第1AEセンサ41Aが弾性波を検出した時刻(t)と第2AEセンサ41Bが弾性波を検出した時刻(t)との間の時間差(t−t)をΔtとすると、双曲線51は、v×Δtが一定となる点を連ねた線である。なお本願で言う「センサが弾性波を検出した時刻」とは、「センサに弾性波が到達した時刻」と読み替えられてもよい。
ここで、亀裂Cは、溶接部28に生じるものと見做すことができる。また、溶接部28は、トラフリブ23の端部26eに沿って、直線状に設けられている。このため、図8に示すように、双曲線51と溶接部28との交点(交差部)52は、1点のみが定まる。この双曲線51と溶接部28とが交わる交点52を、弾性波の発生源位置(亀裂Cの位置)として標定することができる。これにより、溶接部28から離れた場所にAEセンサ41が設置されても、亀裂Cの位置を正確に標定することができる。
ここで、材料中を伝わる弾性波の伝播速度vは、その材料(材質)の体積弾性率をκ(Pa)、密度をρ(kg/m)とすると、
Figure 2019158899
と表すことができる。
また、3次元体の場合は、せん断弾性率をGとすると、
Figure 2019158899
と表すことができる。
これは、材料中を伝わる弾性波の伝播速度vは、その材料固有の物性値で決まることを意味する。このため、材料に対して弾性波の伝播速度vを予め計算しておき、ルックアップテーブルを用意しておくことができる。すなわち、亀裂Cの位置標定の計算において伝播速度vを選択する場合に、上記ルックアップテーブルを参照することで、材料に応じた伝播速度を適切に選択することができる。
次に、AEセンサ41の配置位置と、亀裂Cの検出精度との関係を説明する。
ここで、本実施形態で検出すべき亀裂Cの大きさは、例えば最小で3mmである。この3mmという数値は、亀裂進展限界曲線から求めることができる。すなわち、亀裂の進展と応力の関係は、亀裂形状パラメータをa[mm]、応力範囲をΔσ[MPa]、下限応力拡大係数範囲をΔKth[MPa/m0.5]、材料によって決まる補正係数をFとすると、次の亀裂進展限界曲線で表すことができる。
Figure 2019158899
図9は、上記式(3)に基づく亀裂進展限界曲線を示す。
図9に示すように、亀裂Cの大きさと応力の関係が上記曲線以下であれば、亀裂Cは、進展しない。ここで、デッキプレート21の下面において想定される最大の応力範囲は、30MPaである。このため、3mm未満の亀裂Cは、進展しないものと見做すことができる。言い換えると、3mm以上の亀裂Cを検出することができると、橋梁構造物10の劣化の状況を精度良く検出することができる。
またここで、亀裂Cの大きさと標定位置のばらつきとの関係を説明する。
図10は、亀裂Cの大きさと、弾性波の発生源の標定位置のばらつき(標定誤差)との関係を示す。なお、図10中の(a)は、大きさが3mmの亀裂Cの一例を示す。図10中の(b)は、弾性波の発生源の標定位置のばらつきの分布を示す。
図10中の(a)に示すように、亀裂Cから発生する弾性波は、亀裂Cがある程度大きい場合、亀裂Cの両端部e1,e2からそれぞれ発生する。ここで仮に、弾性波の発生源の標定位置のばらつきが3mmよりも大きいと、亀裂Cの両端部e1,e2を含む範囲で標定位置がばらつくため、3mm以上の亀裂Cであるのか、3mm未満の亀裂Cであるのかの判定が困難になる場合がある。一方で、弾性波の発生源の標定位置のばらつきが3mmよりも小さいと、亀裂Cの一方の端部e1から放出される弾性波と、亀裂Cの他方の端部e2から放出される弾性波とを区別して検出することができる。このため、弾性波の発生源の標定位置のばらつきが3mmよりも小さいと、3mm以上の大きさの亀裂Cをより確実に発見することができる。
次に、弾性波の発生源の標定位置のばらつきを3mmよりも小さくするためのAEセンサ41の配置位置について説明する。
ここで、再び図8を参照し、延長線L1、基準線L2、設定パラメータθを定義する。延長線L1は、隣り合う2つのAEセンサ41A,41Bを通る直線を延長した線である。基準線L2は、溶接部28が延びた方向に沿う線である。例えば、基準線L2は、第1AEセンサ41Aを通り、溶接部28と略平行(走行面TSと略平行)な線である。設定パラメータθは、延長線L1と基準線L2との間の角度である。ここで、本発明者らは、設置パラメータθの違いによって、弾性波の発生源の標定位置のばらつきが変化することを見出した。
図11は、設置パラメータθと標定位置のばらつきとの関係を示す。なお、図11中の(a)は、設置パラメータθの変化による標定位置のばらつきの変化を概念的に示す。図11中の(b)は、設置パラメータθを変化させた場合の標定位置のばらつきの変化のシミュレーション結果である。
図11中の(a)に示すように、設置パラメータθが変化すると、溶接部28に対する双曲線51の交差角度が変化する。このため、設置パラメータθが変化すると、弾性波の発生源位置の標定位置のばらつきが変化する。
図11中の(b)は、図6の配置例に基づいてモンテカルロシミュレーションを行い、設置パラメータθに対する弾性波の発生源の標定位置のばらつきを求めた結果である。なお、シミュレーション条件は、xを400mm、yを100mm、試行回数を34000回とした。また、弾性波の発生源位置は、x=0、x=100、x=200の3通りについて計算した。
図11中の(b)に示すように、上記シミュレーションの結果、弾性波の発生源位置に関わらず、設置パラメータθが20度よりも小さい場合に、弾性波の発生源の標定位置のばらつきが3mmよりも小さくなることが見出された。すなわち、−20度<θ<20度の関係を満たすように2つのAEセンサ41A,41Bが配置されると、弾性波の発生源の標定位置のばらつきを3mmよりも小さくすることができる。
以上を纏めると、−20度<θ<20度の関係を満たすように2つのAEセンサ41A,41Bが配置されると、弾性波の発生源の標定位置のばらつきを3mmよりも小さくすることができる。弾性波の発生源の標定位置のばらつきを3mmよりも小さくすることができると、3mm以上の亀裂Cをより確実に検出することができる。3mm以上の亀裂Cをより確実に検出することができると、橋梁構造物10の劣化の状況をより正確に検出することができる。
次に、再び図5を参照し、検出装置2のBPF33、ADC34、信号処理部35、および無線送信部36について説明する。
BPF(バンドパスフィルタ)33は、第1および第2のAEセンサ群31,32と、ADC34との間に設けられる。第1および第2のAEセンサ群31,32のAEセンサ41,42から出力された電圧信号は、BPF33に入力され、信号帯域以外のノイズ成分が除去される。
ADC(アナログ−デジタル変換器)34は、BPF33と信号処理部35との間に設けられる。BPF33を通った信号は、ADC34に入力される。ADC34に入力された信号は、離散化された波形データとして信号処理部35に入力される。
信号処理部(信号処理回路)35は、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)によって形成されている。例えば不揮発性のFPGAによって信号処理部35が形成されると、待機時の消費電力を抑えることができる。なお、信号処理部35は、専用のLSIによって形成されてもよい。
図12は、信号処理部35のシステム構成を示すブロック図である。
図12に示すように、信号処理部35は、時間情報生成部61、波形整形フィルタ62、ゲート生成回路63、特徴量抽出部64、到達時刻決定部65、送信データ生成部66、および内部メモリ67を備える。
時間情報生成部61は、水晶発振器などのクロック源からの信号に基づき、検出装置2の電源投入時からの累積の時刻情報を生成する。例えば、時間情報生成部61は、クロックのエッジをカウントするカウンタを含み、カウンタのレジスタの値を時刻情報とする。
詳しく述べると、カウンタのレジスタは、所定のビット長bを有する。所定のビット長bは、時刻分解能をdt、測定継続時間をyとすると、
Figure 2019158899
の関係を満たす整数である。
すなわち、ビット長bは、時刻分解能dtと、測定継続時間yとから決定される。
また、時刻分解能dtは、橋梁構造物10の材質(例えばトラフリブ23の材質)に基づく弾性波の伝播速度をv、位置標定精度をdrとすると、
Figure 2019158899
の関係から求められる。
すなわち、時刻分解能dtは、弾性波の伝播速度vと、位置標定精度drとから決定される。言い換えると、位置標定精度drに基づいてビット長bを決定することで、位置標定精度drを任意の範囲で設定することができ、必要かつ十分な位置標定を実現することができる。
例えば、対象となる構造物が鉄製であるとすると、弾性波の伝播速度v=5950[m/s]となる。弾性波の発生源の位置標定精度を3mm、測定継続年数を100年とすると、
dt=0.50[μsec]となる。
これにより、b≧53ビットとなる。
ここで、一般的な無線モジュールの送信パケットは、バイト(Byte)単位でデータ送信が行われる。このため、ビット長bは、上記式(4)を満たす8の倍数となる。すなわち、ビット長b≧56ビット=7バイトとすることで、汎用の無線モジュールを使用することが可能となる。
波形整形フィルタ62は、ADC34と、ゲート生成回路63との間に設けられる。ADC34から信号処理部35に入力された信号(波形データ)は、波形整形フィルタ62に通される。波形整形フィルタ62を通された信号は、ゲート生成回路63および特徴量抽出部64に入力される。
ゲート生成回路63は、一連の持続波形を抽出する。ゲート生成回路63は、例えばエンベロープ検出器とコンパレータとを含む。例えば、ゲート生成回路63は、検出されたエンベロープが所定の閾値以上の場合に、H(High)となるゲート信号を出力する。一方で、ゲート生成回路63は、検出されたエンベロープが前記閾値を下回る場合に、L(Low)となるゲート信号を出力する。
特徴量抽出部64は、「抽出部」の一例である。特徴量抽出部64は、ゲート生成回路63から出力されるゲート信号がHの場合に、波形データを処理し、弾性波の波形形状の特徴量(波形形状を特徴付けるパラメータ)を抽出する。波形形状の特徴量は、「弾性波の特性に関する情報」の一例である。特徴量抽出部64は、各弾性波において、例えば、信号の振幅、エネルギー、立ち上がり時間、持続時間、周波数、ゼロクロスカウント数などの少なくとも1つの値を、波形形状の特徴量として抽出する。なお本願で言う「ある内容(例えば弾性波の特性)に関する情報」とは、前記内容を直接に含む情報でもよく、または予め設定される演算処理または判定処理などが行われることで前記内容が抽出可能な情報でもよい。
図13は、弾性波の特性に関するパラメータの具体例を示す。
図13に示すように、「信号の振幅」は、例えば、弾性波のなかで最大振幅Aの値である。「エネルギー」は、例えば、各時点において振幅を二乗したものを時間積分した値である。なお、「エネルギー」の定義は、上記例に限定されず、例えば波形の包絡線を用いて近似されたものでもよい。「立ち上がり時間」は、例えば、弾性波がゼロ値から予め設定される所定値を超えて立ち上がるまでの時間T1である。「持続時間」は、例えば、弾性波の立ち上がり開始から振幅が予め設定される値よりも小さくなるまでの時間T2である。「周波数」は、弾性波の周波数である。「ゼロクロスカウント数」は、例えば、ゼロ値を通る基準線BLを弾性波が横切る回数である。
特徴量抽出部64は、各AEセンサ41,42の検出結果に基づき、各AEセンサ41,42における弾性波の波形形状の特徴量を抽出する。特徴量抽出部64は、抽出された各AEセンサ41,42における波形形状の特徴量に関する情報を、送信データ生成部66に送る。
一方で、図12に示すように、到達時刻決定部65は、上記時間情報生成部61から、時刻情報を受け取る。また、到達時刻決定部65は、ゲート生成回路63から、AE信号の有無を示すゲート信号を受け取る。そして、到達時刻決定部65は、時間情報生成部61から受け取る時刻情報と、ゲート生成回路63から受け取る上記ゲート信号とに基づき、弾性波の到達時刻情報を生成する。例えば、到達時刻決定部65は、ゲート信号の立ち上がりエッジが発生したときの時刻情報を弾性波の到達時刻とする。
到達時刻決定部65は、各AEセンサ41,42の検出結果に基づき、各AEセンサ41,42に対する弾性波の到達時刻を算出する。到達時刻決定部65は、算出された各AEセンサ41,42に対する弾性波の到達時刻に関する情報を、送信データ生成部66に送る。
送信データ生成部66は、特徴量抽出部64から受け取る各AEセンサ41,42における波形形状の特徴量に関する情報と、到達時刻決定部65から受け取る各AEセンサ41,42に対する弾性波の到達時刻に関する情報とを関連付けて(対応付けして)、送信するための一群のAEデータを生成する。生成されたAEデータは、内部メモリ67に保存される。内部メモリ67は、例えばデュアルポートRAMである。なお、生成されたAEデータは、内部メモリ67に保存されずに、直接に無線送信部36(図5参照)に送られてもよい。
次に、図5を参照し、無線送信部36について説明する。
無線送信部(無線送信回路)36は、例えば、アンテナと、高周波信号を生成する無線モジュールとを含む。無線送信部36は、予め設定された所定のタイミングで、AEデータを無線送信する。無線送信部36は、「出力部」および「送信部」のそれぞれ一例である。無線送信部36は、AEセンサ41,42の出力から得られる情報を外部に出力する。なお、「AEセンサの出力から得られる情報」とは、AEセンサから出力される電圧信号そのものでもよく、または前記電圧信号に対して予め設定されたノイズ処理、演算処理または判定処理などが施されたものでもよい。また、後述する劣化検出部72が検出装置2内に設けられる場合、無線送信部36が出力する「AEセンサの出力から得られる情報」とは、橋梁構造物10の劣化の有無または劣化の程度に関する情報を含んでもよい。
本実施形態では、無線送信部36は、AEセンサ41,42の出力から得られる情報として、各AEセンサ41,42における弾性波の波形形状の特徴量に関する情報と、各AEセンサ41,42に対する弾性波の到達時刻に関する情報とを関連付けて送信する。
次に、情報集約装置3と、情報処理装置4とについて説明する。
図5に示すように、情報集約装置3は、無線受信部(無線受信回路)71を有する。無線受信部71は、例えば、アンテナと、高周波信号を処理する無線モジュールとを含む。情報集約装置3は、1つの橋梁構造物10に例えば1つ設けられる。また、無線受信部71は、図示しないストレージDBを有する。無線受信部71は、橋梁構造物10に設置される1つ以上の検出装置2から上記AEデータを受信し、受信したAEデータをストレージDBに保存する。
情報処理装置4は、例えば、橋梁構造物10を管理する団体の管理事務所に設置される電子機器(例えばサーバ)である。情報処理装置4は、劣化検出部72を有する。劣化検出部72の各機能部の全部または一部は、例えば、情報処理装置4のプロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit))によってプログラムが実行されることによって実現される。なおこれに代えて、劣化検出部72の各機能部の全部または一部は、情報処理装置4に含まれるハードウェア(例えばLSI(Large Scale Integration))によって形成されてもよい。
図14は、劣化検出部72のシステム構成を示すブロック図である。
図14に示すように、劣化検出部72は、位置標定部81、閾値設定部82、および劣化診断部83を備える。
位置標定部81は、「標定部」の一例であり、弾性波の発生源位置を標定する。詳しく述べると、位置標定部81は、無線受信部71のストレージDB内のAEデータ群を、予め設定される所定のタイミングで読み込む。位置標定部81は、各AEセンサ41,42における弾性波の波形形状の特徴量に関する情報を比較することで、各AEセンサ41,42が検出した弾性波が互いに同一であるか否かを判定する。すなわち、位置標定部81は、各AEセンサ41,42(例えばAEセンサ41A,41B)で検出された弾性波の信号の振幅、エネルギー、立ち上がり時間、持続時間、周波数、ゼロクロスカウント数などの少なくとも1つ(例えば2つ以上)を比較することで、各AEセンサ41,42(例えばAEセンサ41A,41B)が検出した弾性波が同一であるか否かを判定する。
位置標定部81は、複数のAEセンサ41(または複数のAEセンサ42)における弾性波の波形形状の特徴量の類似度(波形形状の類似度)が予め設定された所定の範囲内である場合に、複数のAEセンサ41(または複数のAEセンサ42)が検出した弾性波が同一の弾性波であると判定し、その弾性波の発生源位置を標定する。なお、弾性波の類似度の判定は、トラフリブ23に取り付けられたAEセンサ41と、デッキプレート21に取り付けられたAEセンサ42とでは別々に行われる。これは、トラフリブ23の板厚とデッキプレート21の板厚とが異なるため、AEセンサ41に入力される弾性波の波形形状と、AEセンサ42に入力される波形形状とが異なるためである。
具体的には、位置標定部81は、図8を参照して上述したように、例えば2つのAEセンサ41A,41Bが弾性波を検出した時刻の時間差と、トラフリブ23における弾性波の伝播速度と、溶接部28の位置とに基づき、弾性波の発生源位置を標定する。すなわち、位置標定部81は、図8における双曲線51と溶接部28との交点52を、弾性波の発生源位置として標定する。
また、位置標定部81は、位置標定に伴うノイズ処理を行う。位置標定部81は、予め設定される所定のアルゴリズムに基づいてノイズを除去するノイズ除去部の一例である。例えば、位置標定部81は、ノイズ処理の判定基準となる閾値を、閾値設定部82から受け取る。閾値設定部82に格納される閾値は、ユーザーによって変更可能である。位置標定部81は、位置標定結果により、所定の閾値の範囲外から生じていると判定された弾性波をノイズと見做す。このようにノイズ除去においては、所定の閾値に基づき、ノイズであるか、意味のある信号であるかが判断される。このため、サーバ側でノイズ処理を行うことで、閾値条件を柔軟に変更することができる。すなわち、設置状況や測定対象物の条件、気候条件など、多くの条件を加味し、柔軟に閾値を設定することができる。これにより、ノイズをより効果的に除去することができる。
劣化診断部83は、位置標定部81におけるノイズ処理を通過した情報に基づき、橋梁構造物10の劣化の状況を判定する。劣化診断部83は、「判定部」の一例である。劣化診断部83は、弾性波の発生源位置に関する情報に基づき、橋梁構造物10の劣化の有無または劣化の程度を検出する。例えば、劣化診断部83は、位置標定部81によって標定された弾性波の発生源位置の情報を蓄積することで得られる弾性波の発生源位置の密度に関する情報に基づき、橋梁構造物10の劣化の有無または劣化の程度を判定する。例えば、劣化診断部83は、弾性波の発生源の空間密度が予め設定される所定値以上となった場合に、劣化が存在すること(またはあるレベルの劣化度合いであることなど)を判定する。なお、劣化診断部83は、上記例に限定されない。例えば、劣化診断部83は、弾性波の発生頻度や弾性波の強度(例えば振幅やエネルギー)に基づき、橋梁構造物10の劣化の有無や劣化の程度を判定するものでもよい。
次に、本実施形態の検出システム1を用いた検出方法(劣化検出方法、劣化診断方法)について説明する。
図15は、本実施形態の検出方法の流れの一例を示すフローチャートである。
図15に示すように、まず、橋梁構造物10に設けられたAEセンサ41,42を用いて、亀裂Cの発生または亀裂Cの進展に伴う弾性波を検出する(ステップS11)。本実施形態では、例えばトラフリブ23に取り付けられたAEセンサ41によって、亀裂Cからトラフリブ23に伝わる弾性波を検出する。
次に、各AEセンサ41,42の検出結果に基づき、各AEセンサ41,42によって検出された弾性波の波形形状を特徴付ける特徴量(波形形状を特徴付けるパラメータ)を抽出する(ステップS12)。また、各AEセンサ41,42の検出結果に基づき、各AEセンサ41,42に対する弾性波の到達時刻を算出する(ステップS13)。なお、上記ステップS12と上記ステップS13とは、行われる順序が逆でもよく、または同時に行われてもよい。
次に、弾性波の発生源の位置標定が行われる(ステップS14)。具体的には、弾性波の波形形状の特徴量に関する情報に基づき、例えばAEセンサ41A,41Bによって検出された弾性波の類似度が比較される。そして、AEセンサ41A,41Bによって検出された弾性波の類似度が所定の範囲内である場合に、それら弾性波が同一の弾性波であると判定され、弾性波の発生源の位置標定が行われる。例えば、弾性波の発生源の位置標定は、2つのAEセンサ41A,41Bが弾性波を検出した時刻の時間差と、トラフリブ23における弾性波の伝播速度と、溶接部28の位置とに基づき行われる。
次に、位置標定に伴うノイズ処理が行われる(ステップS15)。具体的には、位置標定結果に基づき、弾性波が所定の閾値の範囲内から生じているか否かが判定される。弾性波が所定の閾値に範囲内から生じていると判定された場合(ステップS15:YES)、劣化の状況の判定へと進む。一方で、弾性波が所定の閾値に範囲外から生じていると判定された場合(ステップS15:NO)、AEセンサ41A,41Bによって検出された信号はノイズと見做され、劣化度の程度の判定は行われない。
次に、橋梁構造物10の劣化の状況が判定される(ステップS16)。例えば、劣化の状況は、弾性波の発生源位置の密度に関する情報に基づき判定される。これにより、橋梁構造物10の劣化の有無または劣化の程度が検出される。
なお、上記各ステップの動作の詳細は、検出システム1の説明のなかで述べたとおりである。
以上のような構成によれば、構造物に生じる亀裂Cを簡便に検出することができる検出システム1、検出装置2、および検出方法を提供することができる。
すなわち、例えば鋼床版では、デッキプレートとトラフリブとの溶接部に疲労亀裂が生じる場合がある。溶接部に疲労亀裂が生じると、道路の崩落などに繋がる可能性がある。このため、疲労亀裂を検知することは、インフラ構造物の維持管理上、重要である。
ここで比較例1として、超音波探傷法によって構造物に生じる亀裂を検出する検出方法について考える。このような検出方法では、実際に構造物の表面に探傷子を接触させ、スキャニングする必要があるため、作業者が構造物に近付く必要がある。このため、橋梁のような構造物に対して、足場を組む必要がある。このため、構造物の広範囲をくまなく調査することが困難な場合がある。
また比較例2として、亀裂に浸入して構造物の内部に溜まった滞水を赤外線で検出することで、間接的に亀裂を検出する検出方法について考える。このような検出方法では、直接的には滞水を検出しているため、亀裂からの雨水などの浸入がない場合には、亀裂を検出できない場合がある。
一方で、本実施形態の検出装置2は、車両Vが走行する走行面TSを下方から支持するデッキプレート21と、デッキプレート21に対して走行面TSとは反対側に設けられたトラフリブ23と、トラフリブ23のデッキプレート21に面する端部26eに沿って設けられ、デッキプレート21とトラフリブ23とを固定した溶接部28とからなる橋梁構造物10に設置される検出装置であって、複数のAEセンサ41と、無線送信部36とを持つ。複数のAEセンサ41は、溶接部28が延びた方向に互いに離間して配置され、それぞれトラフリブ23に取り付けられてトラフリブ23に伝わる弾性波を検出する。無線送信部36は、複数のAEセンサ41の出力から得られる情報を外部に出力する。
このような構成によれば、亀裂Cからトラフリブ23に伝わる弾性波をAEセンサ41によって検出することで、例えば目視での確認が困難な亀裂であっても、亀裂Cを検出することができる。また上記構成によれば、構造物の設置高さや状態(滞水があることなど)に制約されずに、亀裂Cを検出することができる。
ここで本実施形態では、複数のAEセンサ41は、デッキプレート21ではなく、トラフリブ23に取り付けられている。また、図7を参照して上述したように、トラフリブ23にAEセンサ41を取り付けることで、デッキプレート21に取り付けられたAEセンサ42では検出できない亀裂Cも検出することができる。これにより、トラフリブ23にAEセンサ41を取り付けることで、亀裂Cをより精度良く検出することができる。
なお、トラフリブ23にAEセンサ41を取り付けることで、デッキプレート21に取り付けられたAEセンサ42では検出できない亀裂Cを検出することができる理由のひとつは、次の通りと考えられる。すなわち、デッキプレート21は、車両Vが走行する走行面TSに比較的近い。このため、デッキプレート21には、走行面TSから種々の振動が入力されやすい。また、AEセンサ41,42は、一般的に高感度であるため、走行面TSから入力される振動を検出しやすい。このため、AEセンサ42からの出力信号には、弾性波を検出した信号と、走行面TSから入力される振動を検出した信号とが混在する。その結果、ノイズ除去の過程で、弾性波を検出した信号がノイズと共に除去されてしまう可能性がある。
一方で、トラフリブ23は、デッキプレート21に比べて走行面TSから遠くに配置されている。このため、走行面TSからトラフリブ23に入力される振動は限定的である。その結果、トラフリブ23にAEセンサ41を取り付けると、亀裂Cを精度良く検出することができるものと考えられる。
また本実施形態では、トラフリブ23は、走行面TSから離れる方向に沿う起立部26Aを含む。複数のAEセンサ41は、トラフリブ23の起立部26Aに取り付けられ、起立部26Aに伝わる弾性波を検出する。
このような構成によれば、AEセンサ41は、トラフリブ23のなかでも、トラフリブ23の端部26eに比べて走行面TSから遠くに配置されている。このため、走行面TSからAEセンサ41に入力されるノイズがさらに少なくなる。その結果、亀裂Cの検出精度をさらに高めることができる。
本実施形態では、複数のAEセンサ41に含まれる隣り合う2つのAEセンサ41A,41Bを結ぶ直線の延長線L1と、溶接部28が延びた方向に沿う基準線L2との間の角度をθとすると、−20度<θ<20度の関係が満たされる。
ここで、橋梁構造物10のトラフリブ23は、部分的に穴や突起などを有する場合がある。また、トラフリブ23には、別のセンサが取り付けられる場合もある。このため、複数のAEセンサ41A,41Bを同一の高さに配置することができない場合がある。
しかしながら、上記関係を満たすように複数のAEセンサ41A,41Bを配置することで、亀裂Cをより精度良く標定することができる。これにより、橋梁構造物10の劣化の状況をさらに精度良く検出することができる。
本実施形態では、溶接部28が延びた方向に互いに離間して配置され、それぞれデッキプレート21に取り付けられてデッキプレート21に伝わる弾性波を検出する複数のAEセンサ42をさらに備える。無線送信部36は、トラフリブ23に取り付けられた複数のAEセンサ41およびデッキプレート21に取り付けられた複数のAEセンサ42の出力から得られる情報を外部に出力する。
このような構成によれば、トラフリブ23に取り付けられた複数のAEセンサ41に加え、デッキプレート21に取り付けられた複数のAEセンサ42を併用することで、亀裂Cの検出精度をさらに高めることができる。また、図6中の(a)に示すように、橋梁構造物10の幅方向においてトラフリブ23の両側に分かれて複数のAEセンサ42を配置することで、二次元平面における亀裂Cの位置を検出することができる。
本実施形態では、検出装置2は、特徴量抽出部64をさらに備える。特徴量抽出部64は、例えば、AEセンサ41A,41Bの検出結果に基づき、AEセンサ41A,41Bにおける弾性波の特性に関する情報を抽出する。無線送信部36は、特徴量抽出部64が抽出したAEセンサ41A,41Bにおける弾性波の特性に関する情報と、AEセンサ41A,41Bに対する弾性波の到達時刻に関する情報とを関連付けて出力する。
このような構成によれば、弾性波の特性に関する情報に基づき、AEセンサ41A,41Bが検出した弾性波が同一の弾性波であるか否かを高い精度で判定することができる。これにより、亀裂Cの検出の精度をさらに高めることができる。
本実施形態の検出システム1は、上記橋梁構造物10の状態を検出する検出システムであって、複数のAEセンサ41と、位置標定部81とを備える。位置標定部81は、複数のAEセンサ41の出力から得られる情報に基づき、弾性波の発生源位置を標定する。
このような構成によれば、上述したように、亀裂Cからトラフリブ23に伝わる弾性波をAEセンサ41によって検出することで、例えば目視での確認が困難な亀裂であっても、構造物の設置高さや状態に制約されずに、亀裂Cを検出することができる。
本実施形態では、複数のAEセンサ41は、第1AEセンサ41Aと、第2AEセンサ41Bとを含む。位置標定部81は、第1AEセンサ41Aと第2AEセンサ41Bとに対する弾性波の到達時刻の時間差と、トラフリブ23における弾性波の伝播速度と、溶接部28の位置とに基づき、弾性波の発生源位置を標定する。
このような構成によれば、実際の亀裂Cの位置から離れて配置されたAEセンサ41A,41Bによっても、亀裂Cの位置を精度良く検出することができる。
本実施形態では、位置標定部81は、第1AEセンサ41Aにおける弾性波の特性と、第2AEセンサ41Bにおける弾性波の特性との類似度が予め設定された範囲内にある場合に、第1AEセンサ41Aが検出した弾性波と第2AEセンサ41Bが検出した弾性波とが同一の弾性波であると判定し、弾性波の発生源位置を標定する。
このような構成によれば、第1AEセンサ41Aが検出した弾性波と、第2AEセンサ41Bが検出した弾性波とが同一の弾性波であるか否かを、より精度良く判定することができる。これにより、亀裂Cの検出精度をさらに高めることができる。
本実施形態では、検出システム1は、劣化診断部83をさらに備える。劣化診断部83は、例えば、位置標定部81によって標定された弾性波の発生源位置の情報を蓄積することで得られる弾性波の発生源位置の密度に関する情報に基づき、橋梁構造物10の劣化の状況を判定する。なお本願で言う「劣化の状況を判定する」とは、劣化の有無および劣化の程度の少なくともいずれかを判定することを含む。
このような構成によれば、弾性波の発生源位置の密度に基づいて、橋梁構造物10の劣化の状況を容易に、且つ、比較的高い精度で検出することができる。
本実施形態の検出方法は、上記橋梁構造物10の状況を検出する検出方法であって、溶接部28が延びた方向に互いに離間した複数の位置でトラフリブ23に伝わる弾性波を検出した検出結果に基づき、弾性波の発生源位置を標定する。なお本願で言う「検出結果」とは、AEセンサから出力される電圧信号そのものでもよく、または前記電圧信号に対して予め設定されたノイズ処理、演算処理または判定処理などが施されたものでもよい。
このような構成によれば、上述したように、亀裂Cからトラフリブ23に伝わる弾性波をAEセンサ41によって検出することで、例えば目視での確認が困難な亀裂であっても、構造物の設置高さや状態に制約されずに、亀裂Cを検出することができる。
以上、ひとつの実施形態に係る検出システム1、検出装置2、および検出方法について説明した。ただし、検出システム1、検出装置2、および検出方法の構成は、上記実施形態に限定されない。例えば、検出装置2は、トラフリブ23に取り付けられるAEセンサ41のみを有し、デッキプレート21に取り付けられるAEセンサ42を有しなくてもよい。劣化検出部72の位置標定部81、閾値設定部82、および劣化診断部83の各々は、情報処理装置4のプロセッサ(例えばCPU)によってプログラムが実行されることによって実現されるソフトウェア機能部でもよく、LSIなどのハードウェア機能部であってもよい。また、検出装置2において、BPF33およびADC34は、信号処理部35の一部として形成されてもよい。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、検出装置は、車両が走行する走行面を下方から支持する第1部材と、前記第1部材に対して前記走行面とは反対側に設けられた第2部材と、前記第2部材の前記第1部材に面する端部に沿って設けられ、前記第1部材と前記第2部材とを固定した溶接部とからなる構造物に設置される検出装置であって、複数のAEセンサと、出力部とを持つ。前記複数のAEセンサは、前記溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され、それぞれ前記第2部材に取り付けられて前記第2部材に伝わる弾性波を検出する。前記出力部は、前記複数のAEセンサの出力から得られる情報を出力する。このような構成によれば、構造物に生じる亀裂を簡便に検出することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…検出システム、2…検出装置、10…橋梁構造物(構造物)、21…デッキプレート(第1部材)、23…トラフリブ(第2部材)、26A,26B…起立部(板部)、28…溶接部、36…無線送信部(出力部)、41,42…AEセンサ、41A…第1AEセンサ、41B…第2AEセンサ、64…特徴量抽出部(抽出部)、81…位置標定部(標定部)、83…劣化診断部(判定部)、V…車両、TS…走行面、L1…延長線、L2…基準線。

Claims (5)

  1. 車両が走行する走行面を下方から支持する第1部材と、前記第1部材に対して前記走行面とは反対側に設けられたトラフリブである第2部材と、前記第2部材の前記第1部材に面する端部に沿って設けられ、前記第1部材と前記第2部材とを固定した溶接部とからなる構造物の状態を検出する検出システムであって、
    前記溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され、前記第2部材に取り付けられて前記第2部材に伝わる弾性波をそれぞれ検出する複数のアコースティック・エミッション(AE)センサを含む第1センサ群と、
    前記第1部材に取り付けられて前記第1部材に伝わる弾性波をそれぞれ検出する複数のAEセンサを含む第2センサ群と、
    前記第1センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果と、前記第2センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果とを互いに区別して取り扱い、前記第1センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果に基づく弾性波の発生源位置の標定と、前記第2センサ群に含まれる複数のAEセンサの検出結果に基づく弾性波の発生源位置の標定とを別々に行う標定部と、
    を備えた検出システム。
  2. 前記標定部は、
    前記第1センサ群に含まれる複数のAEセンサによりそれぞれ検出された弾性波同士の類似度に基づき前記第1センサ群に含まれる複数のAEセンサによりそれぞれ検出された弾性波が同一の弾性波であるか否かを判定し、
    前記第2センサ群に含まれる複数のAEセンサによりそれぞれ検出された弾性波同士の類似度に基づき前記第2センサ群に含まれる複数のAEセンサによりそれぞれ検出された弾性波が同一の弾性波であるか否かを判定する、
    請求項1に記載の検出システム。
  3. 前記第1部材は、デッキプレートである、
    請求項1または請求項2に記載の検出システム。
  4. 車両が走行する走行面を下方から支持する第1部材と、前記第1部材に対して前記走行面とは反対側に設けられたトラフリブである第2部材と、前記第2部材の前記第1部材に面する端部に沿って設けられ、前記第1部材と前記第2部材とを固定した溶接部とからなる構造物の状態を検出する情報処理装置であって、
    前記溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され前記第2部材に取り付けられて前記第2部材に伝わる弾性波をそれぞれ検出する複数のアコースティック・エミッション(AE)センサを含む第1センサ群の検出結果に基づく弾性波の発生源位置の標定と、
    前記第1部材に取り付けられて前記第1部材に伝わる弾性波をそれぞれ検出する複数のAEセンサを含む第2センサ群の検出結果に基づく弾性波の発生源位置の標定と、
    を別々に行う標定部
    を備えた情報処理装置。
  5. 車両が走行する走行面を下方から支持する第1部材と、前記第1部材に対して前記走行面とは反対側に設けられたトラフリブである第2部材と、前記第2部材の前記第1部材に面する端部に沿って設けられ、前記第1部材と前記第2部材とを固定した溶接部とからなる構造物の状態を検出する検出方法であって、
    前記溶接部が延びた方向に互いに離間して配置され前記第2部材に取り付けられて前記第2部材に伝わる弾性波をそれぞれ検出する複数のアコースティック・エミッション(AE)センサを含む第1センサ群の検出結果に基づく弾性波の発生源位置の標定と、
    前記第1部材に取り付けられて前記第1部材に伝わる弾性波をそれぞれ検出する複数のAEセンサを含む第2センサ群の検出結果に基づく弾性波の発生源位置の標定と、
    を別々に行う
    検出方法。
JP2019120180A 2018-08-07 2019-06-27 検出システム、情報処理装置、および検出方法 Active JP6933686B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019120180A JP6933686B2 (ja) 2018-08-07 2019-06-27 検出システム、情報処理装置、および検出方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018148869A JP6552693B2 (ja) 2018-08-07 2018-08-07 検出装置の配置方法
JP2019120180A JP6933686B2 (ja) 2018-08-07 2019-06-27 検出システム、情報処理装置、および検出方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018148869A Division JP6552693B2 (ja) 2018-08-07 2018-08-07 検出装置の配置方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019158899A true JP2019158899A (ja) 2019-09-19
JP6933686B2 JP6933686B2 (ja) 2021-09-08

Family

ID=67996865

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019120180A Active JP6933686B2 (ja) 2018-08-07 2019-06-27 検出システム、情報処理装置、および検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6933686B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022014004A1 (ja) * 2020-07-16 2022-01-20 株式会社東芝 構造物評価システム、構造物評価装置及び構造物評価方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022014004A1 (ja) * 2020-07-16 2022-01-20 株式会社東芝 構造物評価システム、構造物評価装置及び構造物評価方法
JPWO2022014004A1 (ja) * 2020-07-16 2022-01-20
JP7323698B2 (ja) 2020-07-16 2023-08-08 株式会社東芝 構造物評価システム、構造物評価装置及び構造物評価方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6933686B2 (ja) 2021-09-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6385911B2 (ja) 検出システム、情報処理装置、および検出方法
JP7160695B2 (ja) 検出システム、検出方法、および情報処理装置
JP6917344B2 (ja) 構造物評価システム、構造物評価装置及び構造物評価方法
US20180011063A1 (en) System for monitoring the condition of structural elements
JP7222014B2 (ja) 構造物評価システム、構造物評価装置及び構造物評価方法
US11073498B2 (en) Detection system, detection device, and detection method
JP6678019B2 (ja) ポットホールの発生を防止する方法
JP6933686B2 (ja) 検出システム、情報処理装置、および検出方法
JP6552693B2 (ja) 検出装置の配置方法
CN108966667B (zh) 位置标定系统、位置标定方法及计算机可读取记录介质
JP6120186B2 (ja) 鉄筋コンクリート床版内部の非破壊検査方法
CN112525998A (zh) 一种墙体质量的检测方法及装置
JP6110804B2 (ja) Pcまくらぎ劣化判定システム、pcまくらぎ劣化判定方法およびプログラム
JP6614889B2 (ja) Aeを利用した床版劣化範囲あるいは床版劣化状況の検知方法
JP6271070B1 (ja) 伸縮装置の検査方法
JP2012237561A (ja) 検査装置
EP4339578A1 (en) Structure evaluation system, structure evaluation apparatus, structure evaluation method, and computer program
JP3834660B2 (ja) 構造物のひび割れ検知装置
JP2019184313A (ja) 空隙判定方法及び空隙判定システム
JP2014032123A (ja) 地盤表面補強層の亀裂部分評価方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210112

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210126

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210720

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210819

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6933686

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151