JP2019158578A - バッテリの異常箇所特定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バッテリの異常箇所を精度よく特定することが可能なバッテリの異常箇所特定方法を提供することである。【解決手段】本発明にかかるバッテリの異常箇所特定方法は、次のステップを備える。バッテリを所定の周期で加熱し、第2の面における周期的な温度変化の位相差分布を求めるステップS1。バッテリを所定の周期で加熱し、第1の面における周期的な温度変化の位相差分布を求めるステップS2。ステップS1、S2で求めた位相差分布の一方の位相差分布に対する他方の位相差分布の変化量を用いて異常箇所を特定するステップS3。【選択図】図2

Description

本発明はバッテリの異常箇所特定方法に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等のバッテリが様々な分野において利用されている。バッテリは安全性が重要であり、例えば、リチウムイオン二次電池では、Li析出等の異常箇所の有無を出荷前に検査し、異常箇所がある場合は製品の出荷を停止している。
特許文献1には、バッテリの使用時や充放電時等におけるバッテリ内部の状態や状態変化、発熱や短絡などの挙動等を直接的に測定、観察または解析する技術が開示されている。特許文献1に開示されている技術では、充放電を実施しているバッテリの発熱状態をサーモグラフィを用いて測定することでバッテリの不良を予測している。
特開2016−051642号公報
例えば、リチウムイオン二次電池においてLi析出等の異常が発生した場合は、析出するLiの量が少ないため、リチウムイオン二次電池の表面における温度変化が小さい。このため、特許文献1のように単にバッテリの発熱状態をサーモグラフィを用いて測定するだけでは異常箇所を検出することが困難であるという問題がある。
本発明の目的は、バッテリの異常箇所を精度よく特定することが可能なバッテリの異常箇所特定方法を提供することである。
本発明にかかるバッテリの異常箇所特定方法は、第1の面と、当該第1の面と反対側の第2の面と、を備えるバッテリの異常箇所特定方法であって、次のステップを備える。前記バッテリを所定の周期で加熱し、前記第2の面に伝達される熱による前記第2の面の周期的な温度変化を測定し、前記第2の面における前記周期的な温度変化の位相差分布を求める第1のステップ。前記バッテリを所定の周期で加熱し、前記第1の面に伝達される熱による前記第1の面の周期的な温度変化を測定し、前記第1の面における前記周期的な温度変化の位相差分布を求める第2のステップ。前記第1及び第2のステップで求めた位相差分布の一方の位相差分布に対する他方の位相差分布の変化量を用いて異常箇所を特定する第3のステップ。
上述の本発明にかかるバッテリの異常箇所特定方法では、第1のステップにおいてバッテリを所定の周期で加熱し、バッテリの第2の面における温度変化の位相差分布を求めている。また、第2のステップにおいてバッテリを所定の周期で加熱し、バッテリの第1の面における温度変化の位相差分布を求めている。そして、第3のステップにおいて、第1及び第2のステップで求めた位相差分布の一方の位相差分布に対する他方の位相差分布の変化量を用いて異常箇所を特定している。このように、本発明にかかるバッテリの異常箇所特定方法では、バッテリの両面における温度変化の位相差分布を用いているので、バッテリの厚さ方向における異常箇所を精度よく特定することができる。
本発明により、バッテリの異常箇所を精度よく特定することが可能なバッテリの異常箇所特定方法を提供することができる。
実施の形態にかかる異常箇所特定装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法を説明するためのフローチャートである。 実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法を説明するための図である。 実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法を説明するための図である。 実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法を説明するための図である。 実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法を説明するための図である。 検証実験で用いたサンプルを説明するための図である。 図6に示すサンプルの切断線VII−VIIにおける断面図である。 検証実験の結果を示す図である。 実施の形態にかかる異常箇所特定装置の他の構成例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる異常箇所特定装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法は、図1に示す異常箇所特定装置を用いて実施することができる。図1に示すように、異常箇所特定装置1は、加熱装置11、サーモカメラ12、波形発生器13、電源部14、及び解析部15を備える。
加熱装置11は、バッテリ20の一方の面を所定の周期で加熱するための装置である。加熱装置11は、例えばフラッシュランプやハロゲンランプを用いて構成することができる。
サーモカメラ12は、バッテリ20の他方の面の温度を測定するための装置である。具体的には、サーモカメラ12は、バッテリ20の他方の面から放射された赤外線を検出する赤外線カメラである。加熱装置11を用いてバッテリ20を一方の面側から所定の周期で加熱すると、バッテリ20の一方の面から他方の面(つまり、一方の面と反対側の面)に熱が伝達される。そして、この伝達された熱によって、バッテリ20の他方の面が周期的に温度変化する。サーモカメラ12は、このバッテリ20の他方の面の周期的な温度変化を測定する。サーモカメラ12で測定された測定結果(赤外線熱画像データ)は、解析部15に出力される。
波形発生器13は、所定の周期(周波数)の波形を生成し、生成した波形を電源部14および解析部15に出力する。
電源部14は、波形発生器13から供給された波形に応じた周期(周波数)の電源を加熱装置11に供給する。これにより、加熱装置11は、所定の周期でバッテリ20の一方の面を加熱することができる。
解析部15は、波形発生器13から供給された波形情報、及びサーモカメラ12から供給された測定結果を用いてバッテリ20の表面における周期的な温度変化の位相差分布を求める。波形発生器13から供給された波形情報は、例えば波形の周波数および位相に関する情報である。例えば、解析部15は、サーモカメラ12から供給された測定結果に対してロックイン解析を実施することで、サーモカメラ12から供給された測定結果を解析することができる。
サーモカメラ12から供給された測定結果は赤外線熱画像データであり、バッテリ20の表面温度を反映した画像データである。バッテリ20の表面温度は周期的に変化しているので、サーモカメラ12から供給された画像データも周期的に変化する。解析部15は、この画像データの周期的な変化を、波形発生器13から供給された波形情報を用いてロックイン解析することで、バッテリ20の表面における周期的な温度変化の位相差分布を求めることができる。ここで、バッテリ20の表面における位相差分布は、基準波形に対する各々の箇所における位相のずれ(遅れ)を示している。
次に、本実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法について、図2に示すフローチャート、及び図3A、図3Bを用いて説明する。
バッテリの異常箇所特定方法を実施する際は、まず、図2のフローチャートに示すように、バッテリ20を所定の周期で加熱し、バッテリ20のA面21における温度変化の位相差分布を求める(ステップS1)。つまり、図3Aに示すように、バッテリ20のB面22側からバッテリ20を加熱し、バッテリ20のA面21における温度変化の位相差分布を求める。
具体的には、加熱装置11に所定の周波数の加熱パルス24を供給する。つまり、図1に示した電源部14は、波形発生器13から供給された波形に応じた周期の電源(加熱パルス24)を加熱装置11に供給する。加熱装置11は、所定の周期でバッテリ20のB面22側を加熱する。これにより、バッテリ20のB面22からA面21に熱が伝達されて、バッテリ20のA面21が周期的に温度変化する。
サーモカメラ12は、バッテリ20のA面21における周期的な温度変化を測定して、この測定結果を解析部15に出力する。解析部15は、波形発生器13から供給された波形情報、及びサーモカメラ12から供給された測定結果を用いてロックイン解析を実施することで、バッテリ20のA面21における周期的な温度変化の位相差分布を求める。
図3Aに示すように、バッテリ20のB面22側を所定の周期(加熱パルス24)で加熱すると、この熱がバッテリ20のB面22側からA面21側に伝わる。このとき、バッテリ20のA面21側に伝わる熱は、所定の位相ずれて伝わる。図3Aに示す例では、バッテリ20の正常箇所における波形25は、加熱パルス24に対して位相がP1ずれており、振幅がA1である。また、バッテリ20に異常箇所31がある場合の波形26は、加熱パルス24に対して位相がP2ずれており、振幅はA2である。
バッテリ20に異常箇所31がある場合は、バッテリ20の厚さ方向(積層方向)にLi析出などの異常箇所があるため、その部分における熱伝導が悪くなり、熱の伝達が遅くなる。よって、図3Aに示す場合は、正常箇所の波形25の位相P1よりも異常箇所の波形26の位相P2のほうが遅くなる(つまり、P1<P2)。また、正常箇所の波形25の振幅A1よりも異常箇所の波形26の振幅A2のほうが小さくなる(つまり、A1>A2)。
解析部15は、バッテリ20のA面21の各々の場所における位相差を求めることで、バッテリ20のA面21における周期的な温度変化の位相差分布を求めることができる。例えば、解析部15は、正常箇所(波形25)に対する異常箇所(波形26)の位相の遅れ(位相差=P2−P1)を求めることで、バッテリ20のA面21における周期的な温度変化の位相差分布を求めてもよい。このように、バッテリ20のA面21における位相差分布を求めることで、バッテリ20の面内における異常箇所を検出することができる。
次に、図2のフローチャートに示すように、バッテリ20を所定の周期で加熱し、バッテリ20のB面22における温度変化の位相差分布を求める(ステップS2)。つまり、図3Bに示すように、バッテリ20のA面21側からバッテリ20を加熱し、バッテリ20のB面22における温度変化の位相差分布を求める。換言すると、バッテリ20を裏返して、ステップS1と同様の測定を実施する。
図3Bに示すように、バッテリ20のA面21側を所定の周期(加熱パルス24)で加熱すると、この熱がバッテリ20のA面21側からB面22側に伝わる。このとき、バッテリ20のB面22側に伝わる熱は、所定の位相ずれて伝わる。図3Bに示す例では、バッテリ20の正常箇所における波形27は、加熱パルス24に対して位相がP3ずれており、振幅がA3である。また、バッテリ20に異常箇所31がある場合の波形28は、加熱パルス24に対して位相がP4ずれており、振幅はA4である。
バッテリ20に異常箇所31がある場合は、バッテリ20の厚さ方向にLi析出などの異常箇所があるため、その部分における熱伝導が悪くなり、熱の伝達が遅くなる。よって、図3Bに示す場合は、正常箇所の波形27の位相P3よりも異常箇所の波形28の位相P4のほうが遅くなる(つまり、P3<P4)。また、正常箇所の波形27の振幅A3よりも異常箇所の波形28の振幅A4のほうが小さくなる(つまり、A3>A4)。
解析部15は、バッテリ20のB面22の各々の場所における位相差を求めることで、バッテリ20のB面22における周期的な温度変化の位相差分布を求めることができる。例えば、解析部15は、正常箇所(波形27)に対する異常箇所(波形28)の位相の遅れ(位相差=P4−P3)を求めることで、バッテリ20のB面22における周期的な温度変化の位相差分布を求めてもよい。このように、バッテリ20のB面22における位相差分布を求めることで、バッテリ20の面内における異常箇所を検出することができる。
次に、図2のフローチャートに示すように、ステップS1で求めた位相差分布とステップS2で求めた位相差分布とを用いて異常箇所を特定する(ステップS3)。つまり、ステップS1、S2で求めた位相差分布の一方の位相差分布に対する他方の位相差分布の変化量を用いて異常箇所を特定する。
以下、異常箇所の特定方法について、図4、図5を用いて具体的に説明する。図4(a)は、ステップS1において測定したA面側の位相差分布41を示す。また、位相差分布43は、破線L1における位相差分布を示している。図4(b)は、ステップS2において測定したB面側の位相差分布45を示す。また、位相差分布47は、破線L2における位相差分布を示している。
図4(a)に示すように、バッテリ20の異常箇所31が加熱装置11側にある場合は、A面側の位相差分布41において、異常箇所31に対応する箇所の位相差分布42、43はブロードになる。この理由は、異常箇所31が加熱装置11側にある場合は、加熱装置11側から伝わった熱が早い段階で異常箇所31に到達し、異常箇所31において熱が分散するためである。このときの位相差分布43のピーク値はFaである。
一方、図4(b)に示すように、バッテリ20の異常箇所31がサーモカメラ12側にある場合は、B面側の位相差分布45において、異常箇所31に対応する箇所の位相差分布46、47はシャープになる。この理由は、異常箇所31がサーモカメラ12側にある場合は、加熱装置11側から伝わった熱がB面側の表面近くで異常箇所31を通過するため、異常箇所31による熱の分散の影響が少ないためである。このときの位相差分布47のピーク値はFbである。
本実施の形態では、ステップS1で求めた異常箇所31に対応する位相差分布43のピーク値Faと、ステップS2で求めた異常箇所31に対応する位相差分布47のピーク値Fbとを用いて、異常箇所31の厚さ方向の位置を特定することができる。例えば、位相差分布43のピーク値Faを位相差分布47のピーク値Fbで除算した値(Fa/Fb)を用いることで、異常箇所31の厚さ方向の位置を特定することができる。
図5に示すグラフは、Fa/Fbの値と異常箇所の推定箇所との関係を示している。図5のグラフは片対数グラフであり、横軸はFa/Fbの対数目盛となっている。また、縦軸はバッテリ20の中央部からの異常箇所存在位置を示しており、縦軸の上側はA面側の位置を示し、縦軸の下側はB面側の位置を示している。なお、異常箇所がバッテリ20の中央部(縦軸の位置が0)である場合は、位相差分布43のピーク値Faと位相差分布47のピーク値Fbとが等しくなるため、Fa/Fb=1となる。
図4(a)、(b)に示すように、異常箇所31がバッテリ20のB面22側にある場合は、A面側の位相差分布のピーク値Faは、B面側の位相差分布のピーク値Fbよりも小さくなる(Fa<Fb)。この場合は、Fa/Fbの値が1よりも小さくなるので、図5のグラフに示すように、異常箇所31はバッテリ20のB面側の位置と推定することができる。
一方、異常箇所31がバッテリ20のA面21側にある場合(不図示)は、A面側の位相差分布のピーク値Faは、B面側の位相差分布のピーク値Fbよりも大きくなる(Fa>Fb)。この場合は、Fa/Fbの値が1よりも大きくなるので、図5に示すグラフを用いることで、異常箇所31がバッテリ20のA面側の位置と推定することができる。
なお、上記の説明では、ステップS2で求めた位相差分布に対するステップS1で求めた位相差分布の変化量(Fa/Fb)を用いて、バッテリ20の異常箇所31を推定する場合を説明した。しかし、ステップS3では、ステップS1で求めた位相差分布に対するステップS2で求めた位相差分布の変化量(Fb/Fa)を用いて、バッテリ20の異常箇所31を推定してもよい。この場合は、図5に示したグラフの縦軸が逆、つまり縦軸の上側がB面側となり、下側がA面側になる。
以上で説明したように、本実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法では、バッテリ20のB面22側からバッテリ20を加熱し、バッテリ20のA面21における温度変化の位相差分布を求め(図2のステップS1)、その後、バッテリ20のA面21側からバッテリ20を加熱し、バッテリ20のB面22における温度変化の位相差分布を求めている(図2のステップS2)。そして、ステップS1、S2で求めた位相差分布の一方の位相差分布に対する他方の位相差分布の変化量(Fa/Fb)を用いて異常箇所を特定している(図2のステップS3)。このように、本実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法では、バッテリ20の両面における温度変化の位相差分布を用いているので、バッテリの厚さ方向における異常箇所を精度よく特定することができる。
次に、本実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法の検証実験について説明する。図6は、検証実験で用いたサンプル60を説明するための図である。図7は、図6に示すサンプル60の切断線VII−VIIにおける断面図である。図6は、サンプル60のB面側を図示しており、各々の部材71〜74の位置を示している。
異常箇所(Li析出)を模擬した検証実験をするために、サンプル60のB面側に各々の部材71〜74を配置した。部材71は70μmの銅箔とし、部材72は100μmのアルミニウム箔とし、部材73は50μmのカプトン(登録商標)とし、部材74は200μmのビニールとした。
また、図7に示すように、サンプル60の中央に負極部材65を配置し、負極部材65の両側にセパレータ63、64を配置し、セパレータ63、64の各々の外側に正極部材61、62を配置し、正極部材61、62の各々の外側に黒体塗料66、67を配置して積層体のサンプル60を形成した。
そして、サンプル60に対して上記で説明したステップS1、S2の処理を実施した。このとき、加熱装置11としてフラッシュランプを用い、100J/Fのエネルギーで照射した。また、波形発生器13を用いて、0.25HzのTTL信号(0−5V)を生成した。そして、フラッシュランプを2秒間オン、2秒間オフする動作を80秒間(20周期)繰り返した。この周期とすることで、サンプル60の温度を50℃以下に抑えることができた。
図8は、検証実験の結果を示す図である。左図はサンプル60のB面側の解析結果81を示し、右図はサンプル60のA面側の解析結果82を示している。位相差分布83は、解析結果81の直線L5における位相差分布を示している。また、位相差分布84は、解析結果82の直線L6における位相差分布を示している。
図8に示すように、B面側の解析結果81では、各々の部材71〜74が配置されている場所において、位相差分布83がシャープな形状となった。また、A面側の解析結果82では、各々の部材71〜74が配置されている場所において、位相差分布84がブロードな形状となった。また、配置さている部材によって位相差分布84のピークの高さが異なった。これは、配置されている部材によって熱伝導率が異なるため、A面側に到達する熱の位相がずれたためである。
図8に示す結果から、本実施の形態にかかるバッテリの異常箇所特定方法の有効性を検証することができた。
次に、本実施の形態にかかる異常箇所特定装置の他の構成例について説明する。図9は、本実施の形態にかかる異常箇所特定装置の他の構成例を示すブロック図である。図1に示した異常箇所特定装置1では、フラッシュランプ等の加熱装置11を用いてバッテリ20を加熱する例を示したが、図9に示す異常箇所特定装置2では、バッテリ20自身を加熱装置として用いている。つまり、図9に示す異常箇所特定装置2では、充放電装置91を設けて、この充放電装置91を用いてバッテリ20を充放電することで、バッテリ20の内部からバッテリ20を所定の周期で加熱している。充放電は、例えば0.25Hz、1/2Cで実施することができる。
図9に示す異常箇所特定装置においても、第1のステップにおいてバッテリを所定の周期で加熱し、バッテリの一方の面における温度変化の位相差分布を求める。また、第2のステップにおいてバッテリを所定の周期で加熱し、バッテリの他方の面における温度変化の位相差分布を求める。そして、第3のステップにおいて、第1及び第2のステップで求めた位相差分布の一方の位相差分布に対する他方の位相差分布の変化量を用いて異常箇所を特定する。このように、図9に示す異常箇所特定装置を用いた場合も、バッテリの両面における温度変化の位相差分布を用いることができるので、バッテリの厚さ方向における異常箇所を精度よく特定することができる。
なお、図9に示す異常箇所特定装置を用いる場合は、バッテリ20自身を加熱装置として用いているため、バッテリ20が均一に加熱されない場合も想定される。このような場合は、解析部15において温度変化を解析する際に、温度変化のばらつきを適宜補正してもよい。
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1、2 異常箇所特定装置
11 加熱装置
12 サーモカメラ
13 波形発生器
14 電源部
15 解析部
20 バッテリ
31 異常箇所
60 サンプル
61、62 正極部材
63、64 セパレータ
65 負極部材
66、67 黒体塗料
71、72、73、74 部材

Claims (1)

  1. 第1の面と、当該第1の面と反対側の第2の面と、を備えるバッテリの異常箇所特定方法であって、
    前記バッテリを所定の周期で加熱し、前記第2の面に伝達される熱による前記第2の面の周期的な温度変化を測定し、前記第2の面における前記周期的な温度変化の位相差分布を求める第1のステップと、
    前記バッテリを所定の周期で加熱し、前記第1の面に伝達される熱による前記第1の面の周期的な温度変化を測定し、前記第1の面における前記周期的な温度変化の位相差分布を求める第2のステップと、
    前記第1及び第2のステップで求めた位相差分布の一方の位相差分布に対する他方の位相差分布の変化量を用いて異常箇所を特定する第3のステップと、を備える、
    バッテリの異常箇所特定方法。
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