JP2016146247A - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属ケース内面の不良の有無を効果的に検査する。【解決手段】電極組立体と電解液を金属ケース2に収容した後、金属ケース2の表面を拘束具によって押さえる。リチウムイオン二次電池1を加熱または放熱する。金属ケース2の内面の凹凸、傷、異物の少なくとも1つの不良20の有無を検査するために加熱からリチウムイオン二次電池1の温度が定常状態となるまでの間において、金属ケース2の温度分布を検知する。【選択図】図1
Description
本発明は、リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
現在、リチウムイオン2次電池、リチウムイオンキャパシター、ニッケル水素電池などの蓄電装置が、さまざまな分野で用いられている。これらの蓄電装置の内、大型のものでは、正極・セパレータ・負極などよりなる電極組立体を、強度及び放熱性に優れる金属製のケースに収容した構造が多用されている。
蓄電装置は、部品単位あるいは装置全体につき、製造工程において様々な検査を経ることで、品質が維持されている。検査方法としては、目視又はそれに代わるカメラ(可視光CCDカメラ等)を用いた外観検査が多用されている。例えば特許文献1に記載されたように、X線を用いて電極基盤の内側を検査する技術も提案されている。
蓄電装置の内、特にリチウムイオン二次電池では、ケースの内面において、強度上の支障の無い小さな傷も検出出来ることが望まれている。これは、ケースの内面に凹凸があった場合に電極組立体の表面に加わる圧力にバラツキが生じ、リチウム析出の一因となるためである。ケースの表面の傷は、カメラを用いた外観検査で検出が可能である。しかしながらケース内面では、カメラの位置が制限されること、及び金属表面による乱反射で、傷を検出する精度が著しく低下する。金属製品の傷を、傷がある面の反対側面から検査する方法の一例として、例えば、特許文献2に記載された如く、渦電流探傷法が知られている。この渦電流探傷法を、リチウムイオン二次電池のケースの検査に適用することも可能である。しかし微小なキズを検出出来るように検出精度を上げる為には、探傷子(プローブ)をケース表面に沿って、ゆっくりと移動させる(走査する)必要がある。このため、製造工程内の検査に利用した場合、生産速度を悪化させる。その対策として、検査工程を複数ライン化して、複数のケースの検査を並行して行えるようにする等も可能だが、この場合は、設備のコストが増加する。
本発明の1つの特徴によると、下記のようにリチウムイオン二次電池の製造方法は、検査工程を含む。電極組立体と電解液とを金属ケースに収容した後、金属ケースの表面を拘束具によって押さえる。リチウムイオン二次電池を加熱または放熱させる。金属ケースの内面の凹凸、傷、異物の少なくとも1つの不良の有無を検査するために加熱または放熱からリチウムイオン二次電池の温度が定常状態となるまでの間において、金属ケースの表面の温度分布を検知する。
したがって検査工程によって、金属ケースの表面から内面に存在し得る不良の有無を効果的に検査出来る。例えばケースの表面を逐次走査すること無く、ケースの表面温度分布を一度確認するだけで、ケース内面の不良の有無を確認出来る。従って、渦電流探傷法など、ケースの表面を逐次走査する方法と比較して、短時間で金属ケース内面の不良の有無を検査出来る。
金属ケースの温度分布から不良の有無を検査出来る理由は、下記のように考えられる。例えば金属ケースの内面に凸がある場合、金属ケースと電極組立体が一領域で高い圧力で接触する。リチウムイオン二次電池を加熱した場合、熱伝導率の高い金属ケースの温度が容易に上昇する。一方で、内部の電極組立体の昇温は遅れる。すなわち、内部の電極組立体が十分に昇温し、リチウムイオン二次電池全体の温度が定常状態となる迄の間、ケースから電極組立体に熱が移動する。このとき、ケースの内面と電極組立体の外面との間で、特に圧が高い領域、すなわち不良がある領域では、周囲よりも熱の移動が顕著となる。このような領域のケースの表面温度は、周囲よりも低くなる。そのため不良の有る領域を温度分布のむらとして検出することが出来る。また金属ケースの表面は、拘束具で押さえられる。そのため金属ケースと電極組立体を確実に接触させることが出来る。これにより金属ケースの内面の不良を確実に検査出来る。
本発明の1つの実施形態を図1〜6に従って説明する。図1に示すようにリチウムイオン二次電池1は、ケース2と電極組立体9を有する。電極組立体9は、積層された正極板10と負極板11とセパレータ12よりなる。正極板10は、集電体としてのアルミニウム箔等の金属箔と、金属箔の両面に塗布された正極活物質層よりなる。負極板11は、集電体としての銅箔等の金属箔と、金属箔の両面に塗布された負極活物質層よりなる。セパレータ12は、例えばリチウムイオンを透過させることが出来る多孔質部材である。セパレータ12は,正極板10と負極板11の間に設置される。
ケース2の形状は、図1に示すように略六面体である。ケース2は、ケース2内に収容された正極板10又は負極板11と平行な2面を有し、該2面は他の面よりも広い面積を有する。ケース2は、図1に示すようにケース本体3と蓋4を有する。ケース本体3と蓋4は、金属製であって、例えば熱伝導率の高いアルミニウム製である。ケース本体3は、蓋4によって塞がれる開口部3cを有する。蓋4には、正極端子5と負極端子6が設けられる。正極端子5は、蓋4を貫通し、ケース2内で導電部材などを介して正極板10のタブ10aと接続される。負極端子6は、蓋4を貫通し、ケース2内で導電部材などを介して負極板11のタブ11aと接続される。
蓋4には、図1に示すように注液孔4aも設けられる。注液孔4aは、蓋4を貫通している。注液孔4aは、ケース2内に電解液を注入する際に利用されるもので、製品状態では、封止部材8によって塞がれている。
ケース2の内面には、不良箇所が生じている場合がある。例えば、図1に示すようにケース2に不良20が生じる場合がある。不良20は、図4に示すようにケース2の外面3aにおける凹み20aと、ケース2の内面3bにおける凸20bを有する。このような不良20は、例えば製造途中において、ケース2が製造装置や他のケースに接触することにより生じることが多い。
また、不良として、図5に示す不良19が生じている場合もある。不良19は、外面3aに現れないが、内面3bにおいて凸を有する。このような不良19は、例えば、ケース製造時に用いるプレス型の不良や異物の混入が原因で生じる。不良19は、ケース2の外面3a側には痕跡を生じない為、外面3a側からの外観検査では検出することはできない。不良19,20の大きさは、例えば直径数10μmである。以下に、不良箇所の検出に用いる一例の検査装置及び検査方法を説明する。
検査装置は、リチウムイオン二次電池1を押圧する拘束具13、リチウムイオン二次電池1の表面温度分布を検出する温度検知装置30、リチウムイオン二次電池1を一様に加熱又は冷却出来るチャンバ17よりなる。
拘束具13は、図2に示すようにケース2の表面を電極組立体9の積層方向に押さえる第1板14と第2板15を有する。第1板14と第2板15は、ケース2の表面を略均一に押さえる平滑な押え面を有する。第1板14と第2板15の間にリチウムイオン二次電池1が設置される。第1板14と第2板15は、近接具16によって近接される。近接具16は、例えばボルトを有する。ボルトは、第1板14を貫通し、第2板15に螺合される。そのためボルトによって拘束具13のケース2の表面を押す力が調整され得る。
第1板14と第2板15は、赤外線を透過する材料等から形成される。前記材料は、例えば耐熱ガラス、結晶化ガラスである。結晶化ガラスは、例えばゲルマニウム(Ge) ガラス、シリコン(Si) ガラス、サファイア(Al2O3) ガラス、フッ化カルシウム(CaF2) ガラス、フッ化バリウム(BaF2) ガラス、セレン化亜鉛(ZnSe) ガラス、硫化亜鉛(ZnS) ガラス、カルコゲナイドガラスである。また前記材料は、フッ化カルシウム(CaF2)ガラス、フッ化バリウム(BaF2)ガラス、フッ化マグネシウム(MgF2)ガラス、臭沃化タリウム(KRS-5)ガラス、フッ化リチウム(LiF)ガラス、光学用合成石英ガラス(SiO2)など、耐水性、耐薬品性、耐熱性など、化学的、物理的に安定な結晶でも良い。
温度検知装置30は、図2,3に示すように例えば赤外線サーモグラフィである。温度検知装置30は、センサ31と演算処理機32と表示機33を有する。センサ31は、赤外線を検出する。赤外線は、ケース2の表面から放射され、第1板14を通ってセンサ31によって検知される。センサ31は、例えば赤外線CCDである。演算処理機32は、センサ31からの信号に基づいてケース2の表面の温度分布を演算する。表示機33は、演算処理機32からの信号に基づいて温度分布を画像として表示する。例えば各温度に対応する色を各領域において表示し、ケース2の表面の温度分布を表す。
チャンバ17は、図3に示すようにリチウムイオン二次電池1と拘束具13とを内部に載置可能な筐体と、筐体内部の温度を変更可能な温度制御手段、例えば送風機とヒータを備える。
図4に示す不良20を検出する場合は、リチウムイオン二次電池1を拘束具13により拘束した後、図3に示すようにチャンバ17の筐体内にリチウムイオン二次電池1を設置する。電極組立体9は、その積層方向に加わる圧力にバラツキがあるとリチウム析出の一因となる為、電極組立体9とケース2との間の隙間は、特に電極組立体9の積層方向に密に設定されている。このため、拘束具13が、電極組立体9の積層方向にケース2を押すことで、ケース2の内面と電極組立体9の外面が密着する。
この後、チャンバ17の温度制御手段を操作し、筐体内の温度を上昇させる。これによりリチウムイオン二次電池1は、外から加熱され、ケース2の表面温度が上昇する。加熱開始後の所定時間後、蓄電装置の温度が定常状態に達する前に、ケース2の温度分布を検知する。詳しくは、拘束具13によって押されているケース2の面の温度分布を温度検知装置30によって検知し、表示機33によって表示する。不良20がある領域での温度上昇は、他の領域に比べて遅くなる。そのため温度分布にむらが生じ、むらの有無によって不良20の有無を検査出来る。
リチウムイオン二次電池1を加熱した場合、熱伝導率の高い金属製のケース2の温度は容易に上昇する。一方で、内部の電極組立体9の昇温は遅れる。すなわち、内部の電極組立体9が十分に昇温し、リチウムイオン二次電池1全体の温度が定常状態となる迄の間、ケース2から電極組立体9に熱が移動する。特に電極組立体9と密着されている積層方向のケース2の面を通じてケース2から電極組立体9に熱が移動する。このとき、ケース2の内面と電極組立体9の外面との間で、特に圧が高い箇所、すなわち不良19,20がある領域では、周囲よりも熱の電極組立体9への移動が顕著となる。このような領域のケース2の表面温度は、周囲よりも低くなる。そのため不良19,20の有る領域を温度分布のむらとして検出することが出来る。
温度むらの検出は、作業者が表示機33の表示に基づいて行ってもよいが、作業者に代えて演算処理機32が温度分布のむらを検査しても良い。例えば、演算処理機32がケース2の各領域における温度変化を測定する。1領域が他の領域と異なる温度変化を生じた場合に不良20が有ると判断する。
本実施形態の検査方法を用いた場合、ケース2の表面を逐次走査する必要は無く、ケース2の表面温度分布を一度確認するだけで、ケース2の内面の不良19,20の有無を確認出来る。従って、渦電流探傷法など、ケース2表面を逐次走査する方法と比較して、短時間で不良を検出出来る。本実施形態の検査方法では、リチウムイオン二次電池1の温度を変化させる必要があり、その為の時間を必要とする。しかし、リチウムイオン二次電池1の製造工程中では、リチウムイオン二次電池1の温度を変化させる既知の工程が複数存在する。その為、このような工程を利用することで、リチウムイオン二次電池1の温度変化に必要な時間の発生を回避出来る。以下に、本検査方法を、蓄電装置の製造工程中、既知の工程に適用した一例を詳述する。
リチウムイオン二次電池1の製造工程は、大きくは、正極又は負極活物質層のもととなる活物質合剤の製造、活物質合剤の塗布等による個々の電極(正極板10及び負極板11)の作成、正極板10及び負極板11を用いた電池の組立、の3つの段階に分けることができる。この内、活物質合剤の製造及び電極の作成は、特に公知の手段と変わるところは無い為、説明を省略する。リチウムイオン二次電池1の組立は、図6に示す製造工程を経て行われる。先ず、正極板10・セパレータ12・負極板11を積層後固定し、図1に示す電極組立体9を作成する(ステップS1)。タブ10a,11aを同極同士、及び正極端子5と負極端子6に溶接等によって接続する(ステップS2)。正極端子5及び負極端子6などを蓋4に固定した後、電極組立体9をケース本体3に挿入する(ステップS4)。ケース本体3の開口部3cに位置した蓋4を、レーザ溶接等により、ケース本体3の開口部3cに沿って固定する(ステップS5)。ケース内部を減圧した後、注液孔4aから電解液をケース2に注入する(ステップS6)。注液孔4aを仮封止する(ステップS7)。これにより電極組立体9と電解液がケース2に収容される(ステップS3)。
次にコンディショニング処理(ステップS8)とエージング処理(ステップS9)を行う。コンディショニング処理では、リチウムイオン二次電池1を室温において放電状態(約3.0V)から満充電(約4.1V)まで充電する。リチウムイオン二次電池1に対して充電、放電を繰返し実施しても良い。エージング処理では、満充電のリチウムイオン二次電池1を所定の温度にて所定時間保持する。所定温度としては、例えば、チャンバ17の筐体内の温度を常温(25℃)から45〜80℃、例えば60℃に上昇させる。その状態を10〜100時間保持する。エージング処理によって負極活物質に固体電解質界面が形成される。かくしてリチウムイオン二次電池1のサイクル寿命を長くし得る。
コンディショニング処理とエージング処理において図2,3に示すようにケース2の表面を拘束具13によって押さえる。電極組立体9は、充放電において、その積層方向に膨張・収縮する。また、コンディショニング処理とエージング処理によって、ケース2内にガスが発生する。そのため拘束具13を用い、ケース2が変形することを防止する。
本実施形態においては、エージング処理の前準備を利用し、不良検査を実施する(ステップS10)。不良検査は、図4に示すようにケース2の内面3bに不良20があるか否かを検査する。エージング処理においては、リチウムイオン二次電池1を所定の温度、常温よりも高温とするために、チャンバ17の筐体内の温度を、前述の所定温度まで上げる。これにより、リチウムイオン二次電池1の温度が上がり、最終的に電池全体が所定温度に達するが、過渡的には、先行してケース2の表面の温度が上昇する。ケース2の表面の温度分布を温度検知装置30によって検知して、ケース2の内面3bにおける不良20の有無を検査する。
不良20が無いと判断した場合は、エージング処理を継続する。エージング処理を所定時間行った後、注液孔4aを一旦開放する。これによりエージング処理等において生じたガスがケース2から開放される。その後、注液孔4aを封止部材8によって再開放が不可能な状態で塞ぐ(ステップS11)。次にリチウムイオン二次電池1の電圧を確認する。これによりリチウムイオン二次電池1が過渡に自己放電しているか否か、あるいはリチウムイオン二次電池1内で短絡しているか否かを検査出来る(ステップS12)。リチウムイオン二次電池1が上述する方法によって製造される。
上述の製造方法は、検査工程を含む。図1に示すように電極組立体9と電解液を金属ケース2に収容した後、金属ケース2の表面を拘束具13によって押さえる。リチウムイオン二次電池1を加熱する。金属ケース2の内面の凸である不良19,20の有無を検査するために加熱からリチウムイオン二次電池1の温度が定常状態となるまでの間において、金属ケース2の表面の温度分布を検知する。
したがって検査工程によって、金属ケース2の表面から内面に存在し得る不良19,20の有無を効果的に検査出来る。例えばケース2の表面を逐次走査すること無く、ケース2の表面温度分布を一度確認するだけで、ケース2内面の不良19,20の有無を確認出来る。従って、渦電流探傷法など、ケースの表面を逐次走査する方法と比較して、短時間で金属ケース2内面の不良19,20の有無を検査出来る。
さらに図2に示すように金属ケース2の表面(外面3a)は、拘束具13で押さえられる。そのため金属ケース2と電極組立体9を確実に接触させることが出来る。これにより金属ケース2の内面3bの不良19,20の有無を確実に検査出来る。また不良の有無は、リチウムイオン二次電池1を分解等することなく非破壊で判断出来る。そのため金属ケース2から電極組立体9を取り出すことなく、金属ケース2の内面3bの不良20の有無を検査出来る。
上述するようにリチウムイオン二次電池1は、外から加熱される。従ってリチウムイオン二次電池1自身を発熱させる場合等に比べてリチウムイオン二次電池1を容易に加熱出来る。
上述する製造方法では、リチウムイオン二次電池1を充電し常温よりも高い所定の温度に保持するエージング処理を行う。エージング処理における温度変化時に金属ケース2の表面の温度分布を検知する。従ってエージング処理における加熱を利用して金属ケース2の内面3bの不良20を検査出来る。かくして不良検査だけのためにリチウムイオン二次電池1を加熱する必要がない。
上述する製造方法では、リチウムイオン二次電池1を拘束具13により拘束する。エージング処理では、そもそもケース2の変形を防止する為に、リチウムイオン二次電池1を拘束する。従って、エージング処理に用いる拘束具を、赤外線を透過可能な第1板14と第2板15とを備えた拘束具13に置き換えるのみで、拘束に必要な新たな工数を要することなく、実施することが出来る。
上述するように拘束具13が赤外線を透過する材料から形成される。赤外線サーモグラフィ(温度検知装置30)によって金属ケース2の温度分布を得る。従って拘束具13を通して金属ケース2の温度分布を得ることが出来る。
本発明の形態を上記構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。従って本発明の形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば本発明の形態は、前記特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。
例えば不良検査は、リチウムイオン二次電池1を外から加熱した際に行われる。これに代えて不良検査は、リチウムイオン二次電池1を放熱した際に行われても良い。例えば、エージング処理においてチャンバ17内の温度を外気温から所定の温度に上げ、その後に室温へ下げる。この時にリチウムイオン二次電池1は放熱される。ケース2の表面の温度分布を温度検知装置30によって検知する。その温度分布にむらがあるか否かを判定することで、ケース2の内面3bにおける不良20の有無を検査出来る。
例えば図4に示すようにケース2の内面3bに凸20bがある場合、ケース2と電極組立体9が一領域で高い圧力で接触する。加熱されたリチウムイオン二次電池1を放熱した場合、熱伝導率の高い金属製のケース2の温度は容易に降下する。一方で、内部の電極組立体9の冷却は遅れる。すなわち、内部の電極組立体9が十分に冷却されて、リチウムイオン二次電池1全体の温度が定常状態となる迄の間、電極組立体9からケース2に熱が移動する。特に電極組立体9と密着されている積層方向のケース2の面を通じて電極組立体9からケース2に熱が移動する。このとき、ケース2の内面と電極組立体9の外面との間で、特に圧が高い箇所、すなわち不良19,20がある領域では、周囲よりも熱のケース2への移動が顕著となる。このような領域のケース2の表面温度は、周囲よりも高くなる。そのため不良19,20の有る領域を温度分布のむらとして検出することが出来る。
上述する不良検査は、図4に示す不良19,20のみならず図7〜9の不良21〜23の有無を確認する際にも利用出来る。図7の不良21は、ケース2の内面3bにおける凹み21bと、外面3aにおける凸21aを有する。この不良21も不良検査によって確認され得る。
例えば図7に示すようにケース2の内面3bに凹み21bがある場合、ケース2と電極組立体9が一領域において他の領域よりも低い圧力で接触する。あるいは一領域においてケース2が電極組立体9から離れる。そのため一領域ではケース2から電極組立体9へ熱が伝わり難い。リチウムイオン二次電池1を加熱した場合、熱伝導率の高い金属製のケース2の温度は容易に上昇する。一方で、内部の電極組立体9の昇温は遅れる。ケース2の内面と電極組立体9の外面との間で、低い圧力で接触する箇所、すなわち不良21がある領域では、周囲よりも電極組立体9への熱の移動が遅くなる。このような領域のケース2の表面温度は、周囲よりも高くなる。そのため不良21の有る領域を温度分布のむらとして検出することが出来る。リチウムイオン二次電池1を放熱した場合にケース2の表面の温度分布を測定した際にも温度分布のむらによって不良21の有無を検出出来る。
図8の不良22は、ケース2の内面3bに形成された傷である。この不良22によって一領域においてケース2が電極組立体9から離れる。そのため一領域ではケース2から電極組立体9へ熱が伝わり難い。したがってリチウムイオン二次電池1を加熱し、その際のケース2表面の温度分布から不良21の有無を検出出来る。あるいはリチウムイオン二次電池1を放熱し、その際のケース2表面の温度分布から不良21の有無を検出出来る。
図9の不良23は、ケース2の内面3b上に位置する異物である。異物は、例えば電極組立体9をケース2に収容する際にケース2内に入り得る。不良23がある場合、不良23の近傍の一領域においてケース2が電極組立体9と高い圧力で接触する。そのため一領域ではケース2から電極組立体9へ熱が伝わりやすい。したがってリチウムイオン二次電池1を加熱し、その際のケース2表面の温度分布から不良23の有無を検出出来る。あるいはリチウムイオン二次電池1を放熱し、その際のケース2表面の温度分布から不良23の有無を検出出来る。
図5,8,9に示すようにケース2の内面3bの不良19,22,23は、外面3aから判断できない。また図4,7に示す不良20,21は、ケース2の外面3aから判断出来る可能性もあるが、内面3bにおける不良の大きさは外面における不良の大きさとは一致しない。そのため上記の不良検査は、有用な検査である。
不良19〜23の有無は、リチウムイオン二次電池1を外気温よりも低い温度に冷却する際にも検査出来る。すなわちリチウムイオン二次電池1を冷却した場合、熱伝導率の高い金属製のケース2の温度は容易に降下する。一方で、内部の電極組立体9の冷却は遅れる。不良19〜23によるケース2と電極組立体9の接触圧のバラツキで熱伝導の速度にバラツキが生じる。そのため不良19〜23の有る領域が温度分布のむらとして検出され得る。
上述の不良検査は、エージング処理におけるチャンバ17内の加熱または放熱を利用して行われ得る。これに代えてエージング処理とは別にリチウムイオン二次電池1を加熱または放熱して、この温度変化を利用して不良検査を実施しても良い。例えばリチウムイオン二次電池1にパルス熱源からパルス熱を加えて、この時における温度変化を利用して不良検査を実施しても良い。温度変化は、例えば2〜3℃であっても良い。
上述の不良検査は、エージング処理において行われる。これに代えて図6の仮封止S7後のいずれかの工程、例えばリチウムイオン二次電池1を加熱または放熱しつつ検査する際において不良検査を実施しても良い。
上述の不良検査は、リチウムイオン二次電池1を外から加熱した際等に実施される。これに代えて不良検査は、リチウムイオン二次電池1を内部から発熱させた際に、実施しても良い。例えばリチウムイオン二次電池1を充電することでリチウムイオン二次電池1は内部より発熱する。この時のリチウムイオン二次電池1では、周囲温度との関係によって、放熱させた場合、あるいは外から冷却した場合と同様の熱移動が生じる。そのためリチウムイオン二次電池1の発熱時のケース2表面の温度分布を測定して、温度分布にむらが有るか否かを検査することで不良を検出し得る。
上述の電極組立体9は、積層型である。すなわち電極組立体9は、相互に積層された複数の正極板10と複数のセパレータ12と複数の負極板11とを有する。これに代えて電極組立体は、捲回型でも良い。すなわち電極組立体は、積層して旋回された帯状の正極板と帯状の負極板と帯状のセパレータを有していても良い。
上述の拘束具13に反射防止コートを設けても良い。例えば第1板14のリチウムイオン二次電池1に対向する面とセンサ31に対向する面に反射防止コートを設けても良い。反射防止コートは、例えば耐環境性の高いDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コートである。赤外線は、反射防止コートによって拘束具13に対して反射し難い。そのため赤外線は、拘束具13を通過しやすい。従ってケース2から発せられた赤外線は、拘束具13を通って赤外線サーモグラフィ(温度検知装置30)によって検出されやすい。
温度検知装置30は、図3に示すようにセンサ31と演算処理機32と表示機33を有する赤外線サーモグラフィである。これに代えて赤外線サーモグラフィは、センサと演算処理機と表示機を一体に有していても良い。
上述の温度検知装置30は、赤外線サーモグラフィである。これに代えて温度検知装置30は、物体から放射される赤外線または可視光線の強度を測定する他の装置であっても良い。例えば温度検知装置30は、放射温度計であっても良い。
1 リチウムイオン二次電池
2 ケース(金属ケース)
3 ケース本体
3a 外面
3b 内面
4 蓋
4a 注液孔
5 正極端子
6 負極端子
7 圧力開放弁
8 封止部材
9 電極組立体
10 正極板
11 負極板
12 セパレータ
13 拘束具
17 チャンバ
19,20,21,22,23 不良
20b 凸
30 温度検知装置
31 センサ
32 演算処理機
33 表示機
2 ケース(金属ケース)
3 ケース本体
3a 外面
3b 内面
4 蓋
4a 注液孔
5 正極端子
6 負極端子
7 圧力開放弁
8 封止部材
9 電極組立体
10 正極板
11 負極板
12 セパレータ
13 拘束具
17 チャンバ
19,20,21,22,23 不良
20b 凸
30 温度検知装置
31 センサ
32 演算処理機
33 表示機
Claims (6)
- リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
電極組立体と電解液とを金属ケースに収容した後、
前記金属ケースの表面を拘束具によって押さえ、
前記リチウムイオン二次電池を加熱または放熱させ、
前記金属ケースの内面の凹凸、傷、異物の少なくとも1つの不良の有無を検査するために前記加熱または前記放熱から前記リチウムイオン二次電池の温度が定常状態となるまでの間において、前記金属ケースの表面の温度分布を検知する検査工程を含むリチウムイオン二次電池の製造方法。 - 請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
前記リチウムイオン二次電池は、外から加熱または該加熱後に放熱されるリチウムイオン二次電池の製造方法。 - 請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
前記リチウムイオン二次電池を充電し常温よりも高い所定の温度に保持するエージング処理を行い、
前記エージング処理における温度変化時に前記金属ケースの表面の前記温度分布を検知するリチウムイオン二次電池の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
前記電極組立体は、積層された正極板と負極板を有し、前記金属ケースは、前記電極組立体に積層方向に対向する面を有し、前記面を前記拘束具によって前記積層方向に押さえ、前記面の温度分布を検知するリチウムイオン二次電池の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか1つに記載のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
前記拘束具が赤外線を透過する材料から形成され、
赤外線サーモグラフィによって前記金属ケースの表面の前記温度分布を得るリチウムイオン二次電池の製造方法。 - 請求項5に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
前記拘束具に反射防止コートが設けられるリチウムイオン二次電池の製造方法。
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2015
- 2015-02-06 JP JP2015022094A patent/JP2016146247A/ja active Pending
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