JP2005108801A - 積層体の欠陥検出装置及び燃料電池の検査装置 - Google Patents

積層体の欠陥検出装置及び燃料電池の検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 積層体の欠陥を非破壊・非接触で検出でき、SOFCの劣化診断や製造に利用可能な積層体の欠陥検出装置、SOFC用セルの検査装置、SOFCの製造装置及び劣化診断装置を提供すること。
【解決手段】 欠陥検出装置1は、ヒータ10と、赤外線カメラ20と、赤外線カメラからの検出データなどを経時的に格納可能な演算処理装置30を備え、ヒータ10は被検査物たる積層体40の多孔層41側に配置され、赤外線カメラ20は積層体40の緻密層43側に配置される。ヒータ10は、輻射熱Hによって多孔層41の被検査領域41aをほぼ均一に加熱可能で、赤外線カメラ20は、多孔層の被検査領域41aに積み重なっている緻密層の被検査領域43aを介して、積層体40を透過してきた透過赤外線を検知し、被検査領域43a全面に亘る透過熱hの温度分布を検出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、積層体の欠陥検出装置及び燃料電池の検査装置に係り、更に詳細には、透過熱の経時変化を検出・監視することにより、積層体の欠陥を非破壊・非接触で検出でき、積層体材質の影響を受け難く、特に固体酸化物型燃料電池(SOFC)の劣化診断や製造に利用可能な積層体の欠陥検出装置、SOFC用セルの検査装置などに関する。
従来より、セラミックスの欠陥検査方法としては、セラミックシートの両面を電極で挟み、シートに直流高電圧を印加したときに発生する放電電流を検出することにより貫通孔の有無を検査する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、管状物としては、セラミック管の内部を光源で照明し、管壁の透過光をカメラ等で画像を撮影したり、画像処理を施すことによって欠陥の有無を検査す方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
一方、赤外線を用いた欠陥検査装置も知られており、過渡サーモグラフィーによるプロセス制御に関するものとして、未焼結のグリーンシート(金属と有機物)の潜在的な欠陥を検出する検査装置が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、接合型バブルシートの非破壊検査装置として、バブルシートとシリンダヘッドとの接合性の評価を行う検査装置が開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
特開2002−90346号公報 特開平11−242000号公報 特表2002−502968号公報 特開平9−96204号公報
しかしながら、上述の従来技術のうち、特許文献1に記載のものは、被検査物たるセラミックスシートに高電圧を印加するので絶縁破壊を生ずる可能性があり、更に、高電圧を用いることは実際の操作上望ましいこととは言えない。
また、特許文献2に記載のものは、被検査物が光をある程度透過する材料でなければ適用できないという問題があった。
更に、特許文献3及び4に記載のものは、被検査物の構造が比較的簡単であることを要し、例えば燃料電池のような複雑な構造で且つ多種の材料を用いた製品の検査では更なる工夫が必要である。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、積層体の欠陥を非破壊・非接触で検出でき、固体酸化物型燃料電池(SOFC)の劣化診断や製造に利用可能な積層体の欠陥検出装置、SOFC用セルの検査装置、SOFCの製造装置及び劣化診断装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、積層体の所定方向からの透過熱の分布を検出・監視することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の積層体欠陥検出装置は、少なくとも多孔層と緻密層を積層した積層体の欠陥を検出する装置であって、熱源又は冷却源と、温度分布検出器を備えるものである。
この場合、上記熱源又は冷却源は、上記多孔層側に配置され、この多孔層の被検査領域をほぼ均一に加熱又は冷却でき、
上記温度分布検出器は、上記緻密層側に配置され、且つ多孔層の上記被検査領域に対して積層方向に隣接している上記緻密層の被検査領域において、上記多孔層側からの透過熱の分布を検出する。
本発明の積層体欠陥検出装置の好適形態は、上記温度分布検出器が放射熱量分布の経時変化監視機能を有するものである。
そして、放射熱量分布の経時変化を監視することにより、少なくとも、上記多孔層と緻密層に亘って存在する延在欠陥、上記多孔層のみに存在する多孔層欠陥及び上記緻密層のみに存在する緻密層欠陥を識別し、且つこれら欠陥の存在位置を特定可能である。
更に、本発明の積層体欠陥検出装置の好適形態は、熱源又は冷却源と、温度分布検出器に加えて、超音波を発生する振動子と、該振動子からの超音波を受信する超音波探傷子を有する超音波探傷器を備えたものである。
また、本発明のSOFC用セルの検査装置は、上述の如き積層体欠陥検出装置を用いて構成されるものである。
この検査装置は、上記燃料電池用セルが、緻密層である固体電解質層の表面及び裏面に多孔層である空気極層及び燃料極層をそれぞれ被着して成り、
上記燃料極層及び空気極層のいずれか一方側に上記温度分布検出器を配置し、他方側に上記熱源又は冷却源を配置して成る。
更に、本発明のSOFCの製造装置は、上述の如きSOFC用セルの検査装置を備えた製造装置である。
上記SOFC用セルの検査装置は、上記SOFC用セル又はその構成部材に加熱及び/又は冷却処理を施す位置に配置され、製造工程のフィードバック制御などに利用可能である。
更にまた、本発明のSOFCの劣化診断システムは、上述のようなSOFC用セルの検査装置を用いた劣化診断システムである。
診断対象たるSOFCに対して上記検査装置による検査を繰り返し行い、得られた診断データを前回の診断データ又は前回迄に蓄積された診断データと比較することにより、診断が行われる。
本発明によれば、積層体の所定方向からの透過熱の分布を検出・監視することなどとしたため、積層体の欠陥を非破壊・非接触で検出でき、固体酸化物型燃料電池(SOFC)の劣化診断や製造に利用可能な積層体の欠陥検出装置、SOFC用セルの検査装置、SOFCの製造装置及び劣化診断装置を提供することができる。
以下、本発明の積層体欠陥検出装置について詳細に説明する。
図1に、本発明の積層体欠陥検出装置の一例を示す。同図において、この欠陥検出装置1は、熱源の一例であるヒータ10と、温度分布検出器の一例である赤外線カメラ20と、赤外線カメラからの検出データなどを経時的に格納可能な演算処理装置30を備えており、ヒータ10は被検査物たる積層体40の多孔層41側に配置されており、赤外線カメラ20は積層体40の緻密層43側に配置されている。
ヒータ10は、輻射熱Hによって多孔層41の被検査領域41aをほぼ均一に加熱可能であり、赤外線カメラ20は、多孔層の被検査領域41aに積み重なっている緻密層の被検査領域43aを介して、積層体40を透過してきた透過熱h(本例では透過赤外線)を検知し、被検査領域43a全面に亘る透過熱hの温度分布を検出する。
ここで、被検査領域は、本来的には厚さがあるもの、例えば、図1の水平方向をx軸、紙面に垂直な方向をy軸とするxy平面で概略的に規定することができ、多孔層41及び緻密層43の層毎に存在するが、各被検査領域41a及び43aは積層方向zにつき完全に重なる。
なお、本例において、被検査領域41a及び43aは、それぞれ多孔層41及び緻密層43の全面を占有しているが、一部しか占有しない場合には、積層体40を図示のxy方向に適宜移動させながら、温度分布検出を複数回行うことにより積層体40全面に亘る欠陥検出を実行することができる。
上述のように、本発明においては、透過熱の温度分布、特にその経時変化を基にして積層体の欠陥を検出するので、可視光や赤外線の反射を利用する検出方法とは異なり、被検査領域の表面に存在する凹部(盲孔)と積層体を貫通する貫通孔との識別が可能である。
ここで、赤外線の反射に基づく検出方法では、図2に示すように、被検査物である積層体40に赤外線(IR)を照射し、その表面からの反射赤外線(r−IR)と凹部からの反射赤外線(r−IR’)との強度差などにより積層体40の形状を検出する(図2(A))。
従って、凹部への入射角度によっては反射赤外線(r−IR’)が赤外線カメラ20に到達しないこともあり、また、赤外線カメラへ20の到達時間については、表面反射によるr−IRと凹部反射によるr−IR’とで計測上有意な差異がない。よって、凹部の微細形状を正確に検出できないことがあり、更には凹部がいわゆる盲孔であるか貫通孔であるか識別することができない。
一方、本発明で行う透過に基づく検出方法では、積層体40の裏面側に例えば赤外線(IR)を照射して加熱し、その表面から放出される透過赤外線(t−IR)と凹部から放出される透過赤外線(t−IR’)との強度差や赤外線カメラ20への到達時間差により、積層体40の形状を検出する(図2(B))参照。)。この場合、赤外線が積層体40を透過する時間は反射する時間よりも十分に長いので計測が可能である。
図2(B)に示した例では、凹部からの透過赤外線(t−IR’)は、赤外線カメラ20への到達時間が表面からの透過赤外線(t−IR)よりも早く、その強度も大きい。よって、t−IR’のカメラ到達時点で赤外線放射熱量の分布を観測すれば、表面透過のt−IRは検出されず、凹部透過のt−IR’のみが検出される。このことを利用すれば、積層体40の凹部を検出できる。
更に、上述のような放射熱量の温度分布を経時的に観測すれば、例えば、凹部についても当該凹部のどの部位を透過したかで赤外線強度や到達時間が異なってくるので、凹部の形状を精密に検出することも可能になり、その凹部が盲孔か貫通孔かの区別も可能になる。
また、緻密層の構成材料及び厚みによっては(YSZなど)、熱源からの放射熱をそのまま透過してしまう可能性があるが、熱伝導の経時変化を微細に監視することにより、緻密層表面からの熱放射状態を検出・分離して欠陥の有無を検査することが可能になる。
なお、透過赤外線は反射赤外線と異なり、基本的に全て赤外線カメラ20に到達するので、検出精度も向上する。
次に、上述した本発明の検出メカニズムを更に詳細に説明する。
図3は、本発明の検出装置による欠陥検出メカニズムの一例を示す部分拡大断面説明図である。同図において、破線矢印は輻射熱を示し、実線矢印は多孔層41を介する伝導熱を示し、一点鎖線矢印は緻密層43を介する伝導熱を示している。また、矢印(1)〜(4)はそれぞれ異なる熱伝達経路を示している。更に、符号Vは多孔層41と緻密層43に亘って存在する延在欠陥(貫通孔)、Cは多孔層41にのみ存在する多孔層欠陥(擬似空洞)、Rは緻密層43にのみ存在する緻密層欠陥(凹所)を示している。
一方、図4は、多孔層41側から供給された熱が緻密層43側で放射熱として検出される際の放射熱量の経時変化を、熱伝達経路(1)〜(4)の別で対比して示したグラフである。
図3及び図4を参照して、熱伝達経路(1)によれば、多孔層41側から図示しないヒータにより供給された熱(この場合、輻射熱)は延在欠陥Vをそのまま通過するので、緻密層43側に早期に伝達され、検出される(図4の(1)参照。)。
また、熱伝達経路(2)によれば、上記ヒータの輻射熱は擬似空洞Cを通過するまでは早く伝達されるが、その後に緻密層43を熱伝導により通過するので、緻密層43側への伝達・検出は途中で減速する(図4の(2)参照。)。
一方、熱伝達経路(3)によれば、上記ヒータ輻射熱は多孔層41及び緻密層43をそれぞれ熱伝導により伝達されるので、緻密層43側への伝達・検出は遅くなる(図4の(3))参照。)。
更に、熱伝達経路(4)によれば、上記ヒータ輻射熱は多孔層41を熱伝導により緩やか伝達されるが、その後は凹所Rを輻射によって通過するので、緻密層43側への伝達・検出は途中で加速される(図4の(4)参照。)。
上述のように、本発明においては、積層体の多孔層側からの透過熱の温度分布、代表的には透過熱に起因する熱放射量の分布、具体的には透過熱による放射赤外線の線量や分布を経時的に計測することにより、図4のような経時変化データを得、このデータに基づき、検査対象である積層体に存在する欠陥を少なくとも図3に示した分類に従って検出できる。
かかる経時変化データは、積層体をその材質などに応じて所定温度にまで加熱する間に取得できるが、所定温度到達後に放冷しながらでも取得できる。
このような所定温度としては、500℃以下の温度を採用することが望ましい。500℃を超えると、物体の放熱において赤外線の放射が支配的になり、放射による放熱は材料の赤外線吸収率に依存するため、材質による熱放射ムラが大きくなり、検出しようとしている欠陥とその他の形状との区別が難しくなる。よって、対流や伝導による放熱が支配的となる500℃以下を採用することが好ましい。
なお、温度が高ければ精度が高いというものでもないので、均質に加熱できる温度と加熱コストを考えると100℃以下とすることが更に好ましい。
ここで、以上に説明した本発明の欠陥検出装置における部材の材質や機能などにつき説明する。
まず、温度分布検出器の一例として赤外線カメラを挙げたが、被検査領域における透過熱の温度分布を検出できればこれに限定されるものではない。
なお、赤外線カメラとしては、画素配列を有し、積層体の被検査領域全体の平面画像を撮像可能で、各画素における放射熱量の経時変化データ(図4参照。)をモニタリング及び記憶可能なものが好ましく、画素毎の経時変化データに応じて画素毎の放射熱量経時変化グラフを描画可能な放射熱量分析手段を付加することが更に好ましい。
また、演算処理装置は、本発明必須の部材ではないが、放射熱量の経時変化データなどを格納したり、演算処理する際に便利であり、PCで十分である。
被検査物である積層体を加熱して欠陥を検出することを主体にして記載したが、放射熱量の温度分布さえ検出できれば十分であるので、冷却によっても本発明の検出を行うことができ、この場合は、ヒータ10の代わりにペルチェ素子を用いた電子冷却器などの冷却源を用いることができる。更に、ペルチェ素子を冷却源として用いた場合、素子に流す電流の向きを反対にすれば加熱源としても使用できるので熱源を取り替えることなく欠陥検出を実施できる。
なお、材料によって物質の放射率(=吸収率)は異なるため、放射率の高い材料が低い材料の中に存在する場合の放射熱量の増加と、欠陥による放射量熱の増加との区別は難しいが、冷却時の放射熱量の減少の早さに着目すれば、材質によるものか(減少が遅い。)、欠陥によるもの(減少が早い。)かを区別可能になる。よって、表面の材質ムラによる放射熱量変化要素を分離することができるので、欠陥や多孔層と緻密層接触面積検査の精度が向上する。
被検査物である積層体としては、多孔層と緻密層との積層部分を有する積層体であれば十分であるが、本発明は、多孔層がガス透過性を有し、且つ緻密層がガス不透過性を有する積層体の欠陥検出に特に有用であり、この観点からはSOFC用セルの欠陥検出に有用である。
SOFC用セルは、通常、ガス不透過性の固体電解質層の表裏面にガス透過性の空気極層と燃料極層とを挟着して成り、固体電解質層にはイットリアや酸化ネオジム等が、空気極層にはLa−Sr−Mn系やLa−Sr−Co系の酸化物等が、燃料極層にはニッケルやニッケルサーメットなどが用いられるが、これらは必ずしもセラミックスである必要はなく、空気極層や燃料極層には発泡金属のような多孔質金属体を使用することも可能である。
なお、図4に示したような放射熱量の経時変化を計測した際に、使用する温度分布検出器などの精度との関係で、得られる曲線データに変曲点を生ずるような2相、例えば、赤外線カメラの検出精度内において放射熱量の差が判別可能な2相を有する被検査物であれば、多孔層と緻密層との積層体に限定されるものではなく、例えば、材料組成や相状態の異なる2相間にも本発明の欠陥検出を適用することが可能である。
図5は、本発明の検出装置に備えた超音波探傷器を用いた積層体40の検査方法を示す部分断面説明図である。この場合には、被検査物である積層体40の一方の端部において、当該超音波探傷器の超音波振動子15を緻密層43に接触させ、加振させて発生した板波を超音波探傷子16によってもう一方の端部で検出する。このとき検出される波形は波頭面が広がるための拡散損失、材料の内部摩擦、組織境界における散乱などの要因によって減衰する。
図6は、その場合の減衰曲線の一例であるが、膜内に欠陥が存在すると、図6(a)に示すような欠陥のない健全材の場合と比較して、図6(b)に示すように、減衰にかかる時間が短くなる。減衰の現象は高周波数ほど顕著になるが、高周波の音波では欠陥で反射されてしまうため、ある程度周波数の低いA0モードやS0モードの板波を検出し、減衰を見ることによって、緻密層43に存在する大きな亀裂と共に、潜在的な欠陥、例えばガス透過の直接的な原因にならないような欠陥を検出することができる。
図7は、上記超音波探傷器を用いた積層体40の他の検査方法を示す部分断面説明図であって、当該装置においては、超音波振動子15と探傷子16が同一になっており、被検査物である積層体40の一端から発生した板波がもう一方の端部に反射してきた波を検出する。この際、欠陥が存在すれば端部からの反射波が到達する前に欠陥によって反射した波形が検出される。
図8は、この一例を示すものであって、欠陥が存在しない場合には欠陥による反射波は検出されない。欠陥による反射は高周波数の超音波ほど顕著であるため、A1モードやS1モードなど、周波数の高いモードの板波を用いて検査することが望ましい。
図9は、上記超音波探傷器を用いた積層体40の更に他の検査方法を示す部分断面説明図である。
一般に、被検査物の固有振動数(共振周波数や反共振周波数)は、材料およびその形状(ここでは緻密層43の膜厚)によって決まってくる。そして、積層された構造体においては、2層間に剥離がある場合には、これら固有振動周波数が変化する。これを検出することによって被検査物である積層体40に剥離があるか否かを検出することが可能である。
次に、本発明のSOFC用セルの検査装置について説明する。
本発明のSOFC用セルの検査装置は、上述した積層体欠陥検出装置を備えた検査装置であるが、そのうちでも赤外線等の放射熱量分布の経時変化監視機能を有する温度分布検出器、代表的には経時変化監視機能を有する赤外線カメラ、望ましくは画素毎の経時変化データを収集し得る赤外線カメラを備えたものである。
この場合、SOFC用セルの多孔層である燃料極層及び空気極層のいずれか一方側に赤外線カメラが配置され、他方側に熱源又は冷却源が配置されるが、熱源からの加熱をより均一にさせる観点から、多孔膜(空気極層)側に上記赤外線カメラを配置し、支持層(燃料極層)側に熱源を配置することが好ましい。なお、支持基板として多孔質体を用いる場合には、かかる支持基板側に熱源又は赤外線カメラを設置することも可能である。
図10は、本発明の検査装置を用いたSOFC用セルの検査方法を示す部分断面説明図である。
検査対象であるSOFC用セルは、緻密質の電解質層43の下面に多孔質の燃料極層41を被覆し、上面に多孔質の空気極層43を被覆して形成されている。また、熱源は燃料極層側に配置され(図示せず)、燃料極層側から熱Hが供給されている。
本発明の検査装置によれば、欠陥α、γ及びδのいずれも検出でき、しかもそれぞれの区別が可能であるが(図3参照。)、赤外線反射法によれば、各欠陥を検出できたとしても、ガスリークやショートの原因となり発電に悪影響を及ぼすために検出しなければならない欠陥αと、必ずしも検出の必要のない欠陥δ又はγとの区別が不可能である。
図11に、SOFC用セルの検査方法を示す部分断面説明図を示す。
本発明の検査装置によれば、部位εと欠陥δとの区別も可能である。この場合、部位εは燃料極層41にガス流路が確保されているので、燃料ガスが固体電解質層にも到達する発電効率の良好な部位である。一方、欠陥δは燃料極層41が若干緻密になってガス流路が確保されていない発電効率のあまり良好でない欠陥である。
本発明によれば、部位εを検出できるので、検査対象であるセルの発電に実際に関与する開口面積を算出することができ、従って、当該セルの性能予測を行うことも可能になる。
なお、図12に、本発明の検査装置により識別可能な欠陥ないしは部位を示す。符号αからδの順に放射熱量の変化が早く、これによりそれぞれの識別が可能となる(図3参照。)。
また、本発明の検査装置は、上述のような演算処理装置を備えることが好ましく、この場合、SOFC用セルの空気極層、固体電解質層及び燃料極層の材質や厚さに別に、上述の如き欠陥に起因する放射熱量の経時変化を示す基準欠陥データを予め格納しておけば、検査に係るSOFC用セルの放射熱量の経時変化データと、かかる基準欠陥データとを対比でき、かかる演算処理によって、検査に係るSOFC用セルの形状や性能を精密且つ確実に決定し又は予測することができるようになる。
更に、このような演算処理装置、又は放射熱量の経時変化データを画素毎にモニタリング及び記憶可能な赤外線カメラに、上記基準欠陥データを画素毎に収集した基準欠陥画素データを格納しておけば、この基準欠陥画素データと、検査に係るSOFCセルの画素毎の放射熱量の経時変化データとを対比することも可能になり、より詳細な検査が行えるようになる。
また、上述した基準欠陥画素データには、画素毎の放射熱量の経時変化データとして、加熱時の経時変化データと冷却時の経時変化データを導入してもよく、これを基にして演算処理を実行し、検査に係るセルの材質と形状を決定することも可能である。
更にまた、固体電解質層がセラミックス層である場合、その未焼成状態から焼成状態までの放射熱量の経時変化に関する上記基準欠陥データ又は基準欠陥画素データを収集しておけば、当該データを用いて演算処理を行うことにより、この固体電解質層における欠陥の発生や形状を予測することも可能になる。
次に、本発明のSOFCの製造装置について説明する。
このSOFC製造装置は、上述した本発明のSOFC用セルの検査装置を備える装置であるが、この検査装置は、SOFC用セル又はその構成部材(部品や半製品)に加熱及び/又は冷却処理を行う場所に配置される。
ここで、SOFC用セルとしては、図10〜12に示したセル単体のみならず、セルを積み上げて構成したセルスタックも含むものとする。セルスタックを検査する場合は、スタックを構成する個々のセルにつき上述のような基準欠陥(画素)データなどを収集するとともに、個々のセルを一個一個積み上げながらそのようなデータを収集しておけば、上記同様の演算処理により、スタック全体の検査も個々のセルの検査も実行できるようになる。
また、加熱及び/又は冷却処理としては、固体電解質層、燃料極層及び空気極層の乾燥工程や焼成工程が挙げられる。
これらの層がセラミックス製の場合には、成形から焼成までの一連の経時変化データ(特に欠陥に関するもの)を収集しておけば、上述のような延在欠陥(貫通孔)のみならず、相変態などによる材料組成の変化や固溶状態なども検出可能となり、いっそう均質な製品を製造できるようになるとともに、初期データ(例えば、成形体の乾燥時点における放射熱量データ)から将来の欠陥発生が予測できる場合などには、この初期データを基にしてフィードバック制御を行うことも可能となり、製造効率を向上できる。例えば、製造ラインにおいては、工程途中での検査ができるので、特に固体電解質の焼成工程を含む場合、焼成前の検査で潜在的欠陥の検出が可能になり、製造コストを低減できる。
更に、かかる経時変化データから材料ムラ(性能に影響を与えない場合もあるので必ずしも欠陥ではない)と形状的な欠陥とを区別することも可能になるので、より詳細な性能予測・劣化診断を行うことが可能になる。
なお、かかる加熱及び/又は冷却処理は、セルやその部品が500℃以下になるように行えば、上述のように、熱放射ムラを回避して精密な検査を行うことができるようになる。例えば、材質の変化(還元による金属マイグレーションなど)と、形状変化による欠陥を分離した検査を行うことができる。
このような加熱及び/又は冷却処理時の検査を行うことにより、その時点での製品の微細形状や完成状態での性能を予測できるので、このような検査結果に応じて、更なる処理工程に送るとか、廃棄するとか、上流の工程に差し戻すとかの適切な次工程を実施できるようになり、製造コストが低減できる。なお、このような次工程に供する以外にも、性能別に所定のマーキングを施して分類し、適当な用途に用いてもよい。
さらに、上記の製造装置に加えて超音波を用いた欠陥検査を併用することができ、例えば、製造ラインにおいて、焼成後のSOFCセルの評価が可能である。
この際には、図13に示すように、SOFCセルの任意の端部に超音波振動子15を接触させてセルを加振することにより、反対側の端部もしくは超音波振動子15と同一箇所にある探傷子16によって波形を検出する。得られた波形について、予め健全材で測定した波形と比較することによって欠陥・剥離の有無を確認することができる。
次に、本発明のSOFCの劣化診断システムについて説明する。
この劣化診断システムは、上述した本発明のSOFC用セルの検査装置を用いたものである。診断対象たるSOFCに対して上記検査装置による検査を繰り返し行い、得られた診断データを前回の診断データ又は前回迄に蓄積された診断データと比較することにより、診断を行う。
かかる劣化診断は、SOFCセルが破損すると出力低下だけではなく、亀裂が大きい場合には、燃料ガスと酸化性ガスの混合による不具合が発生することもあり得ないとは言えず、重要である。
典型的には、実際に製品として作動しているSOFCに対して定期的な検査を行い、同一セル又はスタックの検査データを対比・蓄積することにより、劣化診断を行うことができる。
セルスタックについては、個々のセルの検査データ同士を比較し、同一セルの同一箇所のデータを比較して劣化状態を判断すればよい。
具体的には、前回・前々回などと遡ったデータと現データとを比較すると、劣化の進行具合が分かり易くなり、例えば急激に劣化が進行したセルは使用禁止にするといった判断基準を設定することもできる。
このように、データ蓄積により劣化状況をより詳細に評価することができるので、当該検査によって初めて欠陥が検出されたセル以外の劣化状況のランク分けが可能となる。
図14は、本発明の劣化診断システムの一例を示すシステム構成図である。
同図において、この劣化診断システムは、セル40の燃料極層20側に配置されたヒータ10と、空気極層側に配置された赤外線カメラ20と、赤外線カメラ20とデータ伝送可能に接続された制御装置30とを備えている。
なお、セル40はスタッキングされてSOFCスタック50を形成しているが、検査対象となる所定のセル40は、診断時点では、赤外線カメラ20及びヒータ10の移動に応じて図示の位置に移動し、欠陥検出などの検査が行われる。得られたデータは演算処理装置30に送信され、劣化診断に供される。
この劣化診断の結果、所定のセル交換基準に該当した場合には、演算処理装置30からセルの交換信号が発信される。
ここで、上述のセル交換基準の例としては、(1)欠陥や亀裂を検出したときには即座に交換、(2)多孔層と緻密層の接触面積比が所定の範囲(例えば20%〜80%)から逸脱したときには交換、(3)前回の検査でベースとなっていた材質と異なる放射熱量変化を示す材質の比率がある範囲(例えば20%)を超えたときには交換、などを挙げることができる。
また、このセル交換信号の発信とともに、当該セルを自動的に交換する機構を付加することも可能であり、このようなセル交換信号の発信と自動交換により、スタック50全体の出力低下を防止し、安定的な出力を得られるようになるため、SOFCスタック50全体の長寿命化が可能となる。
さらに、図15は、実際に発電に使用しているスタックにおける欠陥検査システムに超音波探傷を併用する場合を示し、このような検査は、毎回起動前もしくは終了後に実行される。このとき、使用するたびにスタック内のすべての各セルについて検出された波形を記憶しておき、前回評価時に検出された波形と比較することによって欠陥の有無を診断することが可能である。
また、赤外線を用いた評価結果と総合評価することによって、潜在的な欠陥の診断精度を向上させることができる。例えば、超音波探傷によって潜在的な欠陥が検出された場合、赤外線によっても同様な評価結果が得られたときには、当該セルの交換するようになすことができる。
なお、上述のような劣化診断システムは、装置構成やシステム構成がコンパクトなので自動車に搭載することが可能であり、また、短時間で劣化診断を行うことが可能なので、SOFCをパワーユニットとする自動車の暖機時に、上記診断の実行及び/又は交換信号の発生を行うことができ、極めて有用である。
以上に説明してきた本発明の積層体欠陥検出装置やSOFCの劣化診断装置によれば、積層体やSOFCセル等の被検査物を非破壊・被接触で検査でき、また、熱源を用いるので、透過光を用いる手法とは異なり、被検査物の材質による制約が殆ど無い。更には、X線スキャンなどによる他の非接触検査と比べて低コストであるという利点を有する。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
加熱源10としてペルチェ素子を用いた熱電モジュール、赤外線画像装置20としてRadiance 1(商品名;Amber社製)を用い、図1に示したような欠陥検出装置を作製した。
評価対象物たる積層体40としては、固体酸化物型燃料電池の燃料極として機能するNiO−YSZサーメット多孔質焼結体を多孔層41とし、この多孔層上に、固体電解質として機能するYSZ膜(緻密層43)を印刷法により成膜したものとした。この際、多孔質焼結体は30mmφ×0.5mm(厚)程度、YSZ膜の厚みは10〜20μm程度とした。
上記熱電モジュール(モジュールの表面温度は約50℃)に直流電流(0.1mA)を流して加熱を開始し、赤外線画像装置によってYSZ膜の表面温度をモニタリングした。加熱開始から約5秒後、15秒後及び30秒後における表面温度の観測データを図16に示す。なお、図16(A)は加熱開始約5秒後、(B)は約15秒後、(C)は加熱開始約30秒後のデータを示している。
また、上述の積層体と同一組成の他の評価対象物を2つ用意し、これらについても上記同様の処理を行った。得られた観測データを図17及び図18に示す。なお、これらの図において、(A)、(B)及び(C)は図16の場合と同様のデータを示している。
図6〜図18において、加熱開始後5秒程度で明るく表示されている部位には、盲孔ではなく貫通孔が形成されていることが分かる。
(比較例1)
加熱源として通常の熱電ヒータを用い、YSZ膜に赤外線画像装置側から熱照射を行った以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、YSZ膜の表面温度をモニタリングしたが、盲孔と貫通孔の区別は不可能であった。
本発明の積層体欠陥検出装置の一例を示す構成図である。 赤外線を利用した表面等の検査法を示す断面説明図である。 本発明の検出装置による欠陥検出メカニズムの一例を示す部分拡大断面説明図である。 多孔層側からの熱が緻密層側で検出される際の放射熱量の経時変化を、図3に示す熱伝達経路の別で対比して示したグラフである。 本発明の検出装置に備えた超音波探傷器を用いた積層体の検査方法を示す部分断面説明図である。 図5に示した方法によって検出された欠陥のない場合(a)及びある場合(b)の透過波形例を示すグラフである。 超音波探傷器を用いた積層体の他の検査方法を示す部分断面説明図である。 図7に示した方法によって検出された反射波形の例を示すグラフである。 超音波探傷器を用いた積層体のさらに他の検査方法を示す部分断面説明図である。 本発明の検出装置を用いたSOFC用セルの検査方法を示す部分断面説明図である。 SOFC用セルの検査方法を示す部分断面説明図である。 本発明の検出装置により識別可能な欠陥ないしは部位を示す部分拡大断面図である。 本発明のSOFCの製造装置に加えて超音波を用いた欠陥検査を併用した例を示す説明図である。 本発明の劣化診断システムの一例を示すシステム構成図である。 本発明の劣化診断システムに超音波を用いた欠陥検査を併用した例を示す説明図である。 本発明の欠陥検出装置の一例による積層体表面温度の観測データを示す写真である。 本発明の欠陥検出装置の一例による積層体表面温度の観測データを示す写真である。 本発明の欠陥検出装置の一例による積層体表面温度の観測データを示す写真である。
符号の説明
1 積層体欠陥検出装置
10 ヒータ
15 超音波振動子
16 超音波探傷子
20 赤外線カメラ
30 演算処理装置
40 積層体
41 多孔層
41a 被検査領域
43 緻密層
43a 被検査領域
50 スタック

Claims (19)

  1. 少なくとも多孔層と緻密層を積層した積層体の欠陥を検出する装置であって、
    熱源又は冷却源と、温度分布検出器を備え、
    上記熱源又は冷却源は、上記多孔層側に配置され、この多孔層の被検査領域をほぼ均一に加熱又は冷却でき、
    上記温度分布検出器は、上記緻密層側に配置され、且つ多孔層の上記被検査領域に対して積層方向に隣接している上記緻密層の被検査領域において、上記多孔層側からの透過熱の分布を検出する、ことを特徴とする積層体欠陥検出装置。
  2. 上記温度分布検出器が温度分布の経時変化監視機能を有することを特徴とする請求項1に記載の積層体欠陥検出装置。
  3. 上記温度分布検出器が、放射熱量分布の経時変化監視機能を有し、放射熱量分布の経時変化を監視することにより、少なくとも、上記多孔層と緻密層に亘って存在する延在欠陥、上記多孔層のみに存在する多孔層欠陥及び上記緻密層のみに存在する緻密層欠陥を識別し、且つこれら欠陥の存在位置を特定可能であることを特徴とする請求項1に記載の積層体欠陥検出装置。
  4. 上記熱源又は冷却源による加熱又は冷却開始温度から所定温度迄、及び所定温度到達後の加熱又は冷却終了時から加熱又は冷却開始温度迄、の少なくとも2つの経路における熱放射量分布の経時変化を監視することを特徴とする請求項3に記載の積層体欠陥検出装置。
  5. 上記所定温度が500℃以下の温度であることを特徴とする請求項4に記載の積層体欠陥検出装置。
  6. 上記温度分布検出器が、画素配列を有する赤外線カメラ機能を有し、上記緻密層の被検査領域に対し積層方向に離間した位置に配置されてこの被検査領域全体の平面画像を撮像可能で、且つ上記画素配列を構成する各画素における放射熱量の経時変化を監視可能であり、
    得られた画素毎の経時変化データに応じて、放射熱量の経時変化グラフを画素毎に描画可能な放射熱量分析手段を備えることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つの項に記載の積層体欠陥検出装置。
  7. 超音波振動子と、該振動子からの超音波を受信する超音波探傷子を有する超音波探傷器を備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つの項に記載の積層体欠陥検出装置。
  8. 上記超音波探傷器は、 超音波振動子から緻密層を透過して超音波探傷子に到達した超音波に基づいて緻密層の欠陥を検出するものであることを特徴とする請求項7に記載の積層体欠陥検出装置。
  9. 上記超音波探傷器は、超音波振動子から発生する超音波の共振数端数変化に基づいて緻密層と多孔層の剥離状態を検出するものであることを特徴とする請求項7に記載の積層体欠陥検出装置。
  10. 請求項3〜9のいずれか1つの項に記載の積層体欠陥検出装置を備えた固体酸化物型燃料電池用セルの検査装置であって、
    上記燃料電池用セルが、緻密層である固体電解質層の表面及び裏面に多孔層である空気極層及び燃料極層をそれぞれ被着して成り、
    上記燃料極層及び空気極層のいずれか一方側に上記温度分布検出器を配置し、他方側に上記熱源又は冷却源を配置して成る、ことを特徴とする固体酸化物型燃料電池用セルの検査装置。
  11. 固体酸化物型燃料電池用セルの空気極層、固体電解質層及び燃料極層の材質及び厚さに別に、上記欠陥に起因する放射熱量の経時変化を示す基準欠陥データを格納した演算処理装置を備え、
    検査対象たる燃料電池用セルの放射熱量の経時変化データと、上記基準欠陥データとを対比することを特徴とする請求項10に記載の固体酸化物型燃料電池用セルの検査装置。
  12. 請求項6に記載の温度分布検出器を有し、上記基準欠陥データを画素毎に収集して成る基準欠陥画素データを有し、この基準欠陥画素データと、検査対象の燃料電池用セルにおける画素毎の放射熱量の経時変化データとを対比することを特徴とする請求項11に記載の固体酸化物型燃料電池用セルの検査装置。
  13. 上記基準欠陥画素データに、上記画素毎の放射熱量の経時変化データとして加熱時の経時変化データと冷却時の経時変化データを導入し、演算処理を実行して、検査対象である燃料電池用セルの材質と形状を決定することを特徴とする請求項12に記載の固体酸化物型燃料電池用セルの検査装置。
  14. 上記固体電解質層がセラミックス層であり、その未焼成状態から焼成状態までの放射熱量の経時変化に関する上記基準欠陥データ又は基準欠陥画素データを保有し、当該データを用いて上記固体電解質層における欠陥を予測することを特徴とする請求項10〜13のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池用セルの検査装置。
  15. 請求項10〜14のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池用セルの検査装置を備えた固体酸化物型燃料電池の製造装置であって、
    上記固体酸化物型燃料電池用セル又はその構成部材に加熱及び/又は冷却処理を施す位置に、上記検査装置を配置して成ることを特徴とする固体酸化物型燃料電池の製造装置。
  16. 上記加熱又は冷却処理は上記固体酸化物型燃料電池用セル又はその構成部材の温度を500℃以下に制御して行われ、この処理の際に上記検査装置によって得られた検査結果に応じて、当該固体酸化物型燃料電池用セル又はその構成部材を検査結果別の次工程に供することを特徴とする請求項15に記載の固体酸化物型燃料電池の製造装置。
  17. 請求項10〜14のいずれか1つの項に記載の固体酸化物型燃料電池用セルの検査装置を用いた固体酸化物型燃料電池の劣化診断システムであって、
    診断対象たる燃料電池に対して上記検査装置による検査を繰り返し行い、得られた診断データを前回の診断データ又は前回迄に蓄積された診断データと比較することにより、診断を行うことを特徴とする固体酸化物型燃料電池の劣化診断システム。
  18. 診断結果に応じて当該燃料電池セルの交換を促す信号を発することを特徴とする請求項17に記載の固体酸化物型燃料電池の劣化診断システム。
  19. 固体電解質型燃料電池を有する自動車に搭載され、暖機時に、上記診断の実行及び/又は交換信号の発生を行うことを特徴とする請求項17又は18に記載の固体酸化物型燃料電池の劣化診断システム。
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