本発明の一実施形態を図1〜図6を参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の燃焼装置は、例えば給湯運転を実行可能な給湯器1であり、屋外に設置される熱源機2を有する。熱源機2には、燃焼室3aを内部に形成する燃焼筐3が搭載され、該燃焼筐3内の燃焼室3aの下部にバーナ4が配置されている。
バーナ4は、本実施形態ではガスバーナであり、複数のバーナ、例えば第1バーナ4a、第2バーナ4b及び第3バーナ4cにより構成されている。そして、熱源機2には、バーナ4に燃料ガスを供給するための構成要素として、図示しないガス供給源から燃料ガスが供給される主ガス供給路5と、該主ガス供給路5から分岐された3つの副ガス供給路6a,6b,6cとが備えられている。副ガス供給路6a,6b,6cのそれぞれは、第1バーナ4a、第2バーナ4b及び第3バーナ4cのそれぞれに各別に燃料ガスを供給し得るように燃焼筐3の外部から燃焼室3aに導入されている。
主ガス供給路5には、これを開閉する電磁弁により構成された元弁7と、バーナ4への燃料ガスの供給量を調整するためのガス量調整弁8とが介装されている。ガス量調整弁8は、例えば比例弁により構成され、その通電電流(以降、比例弁電流という)を増減制御することで、該比例弁電流に応じた流量の燃焼ガスをバーナ4に供給することが可能である。また、副ガス供給路6a,6b,6cには、それぞれを開閉する電磁弁により構成された切替弁9a,9b,9cが各々介装されている。
従って、バーナ4の燃焼運転時に、元弁7を開弁した状態で、切替弁9a,9b,9cのそれぞれの開閉状態の組み合わせを切替えることにより、バーナ4の全体の燃焼量を幅広い範囲で変化させることが可能となっている。例えば、本実施形態では、切替弁9a,9b,9cのうちの切替弁9aだけを開弁させた状態で、第1バーナ4aだけの燃焼運転を行う小燃焼量モードと、2つの切替弁9a,9bを開弁させた状態で、第1バーナ4a及び第2バーナ4bの燃焼運転を行う中燃焼量モードと、切替弁9a,9b,9cの全てを開弁させた状態で、第1〜第3バーナ4a,4b,4cの全ての燃焼運転を行う大燃焼量モードとの3種類のモードでバーナ4の燃焼運転を行うことが可能である。
なお、本実施形態では、ガス量調整弁8が、本発明における燃料供給調整器に相当するものである。
また、熱源機2には、バーナ4に燃焼用空気を供給するための送風装置として、図示しない電動モータにより回転駆動される燃焼ファン10が搭載されている。この燃焼ファン10は、その回転駆動により燃焼用空気としての外気を吸入し、吸入した燃焼用空気(外気)をバーナ4(第1〜第3バーナ4a,4b,4cの全体)に供給するように燃焼筐3の下部に取り付けられている。そして、燃焼ファン10の回転数(回転速度。以降、ファン回転数という)を可変的に制御することで、バーナ4への燃焼用空気の供給量を変化させることが可能である。
燃焼筐3の上部には、バーナ4の燃焼排ガスを燃焼室3aから排気するための排気口3bが開設されている。この排気口3bは、熱源機2の外部に連通されている。
さらに、燃焼筐3の側壁部には、熱源機2に搭載されたイグナイタ11を作動させることで、バーナ4に点火するための火花放電を発生する点火電極12と、バーナ4の燃焼炎の有無を検知するための炎検知センサ13とが取り付けられている。炎検知センサ13は、例えばフレームロッド、熱電対等により構成される。
熱源機2には、バーナ4の燃焼運転に係る上記の構成の他、給湯用水の通水に係る構成も備えられている。具体的には、燃焼筐3内の燃焼室3aには、バーナ4の燃焼熱により加熱される熱交換器21がバーナ4の上方に配置されている。そして、該熱交換器21を経由して通水を行い得る通水路22が配設されている。
通水路22は、図示しない給水源から給湯用水が供給される給水路22aと、該給水路22aに熱交換器21の通水路21aを介して連接された給湯路22bと、給水路22aから熱交換器21をバイパスさせて給湯路22bに給湯用水を流通させるように該給水路22a及び給湯路22bに接続されたバイパス路22cとを含む。そして、給湯路22bの下流側は、台所、洗面所、浴室等の図示しない給湯対象部(カラン等)に給湯用水を供給し得るように配設されている。
従って、バーナ4の燃焼運転時に、給水路22aから熱交換器21を経由して加熱された給湯用水と、給水路22aからバイパス路22cを経由する給湯用水とを給湯路22bで合流させて得られる湯を、給湯路22bから給湯対象部に供給し得るように通水路22が構成されている。
給水路22aには、該給水路22aの通水流量である給水流量を調整するための電動式の水量制御弁23と、該給水流量を検出する水量センサ24とが介装されている。また、給湯路22bには、給湯対象部に供給される給湯用水の温度である給湯温度を検出する温度センサ25と、熱交換器21から給湯路22bに流入する給湯用水の温度である熱交換器出湯温度を検出する温度センサ26と装着されている。
なお、バイパス路22cを経由する給湯用水の流量と熱交換器21の通水路21aを経由する給湯用水の流量との比率(所謂、バイパス比)を調整するための制御弁がバイパス路22c等に設けられていてもよい。
次に、給湯器1の運転制御(バーナ4の燃焼運転制御を含む)に係る構成を説明する。給湯器1は、その運転制御を行う制御装置30と、給湯器1の運転操作用のリモコン40とを備える。
リモコン40は、台所、浴室等に設置される端末機であり、図示を省略する複数の操作スイッチ、表示器等が備えられている。このリモコン40の操作スイッチの操作を行うことで、給湯器1の給湯運転のオン・オフ、給湯温度の目標値(以降、目標給湯温度という)の設定等の操作を行うことが可能である。なお、給湯器1は、リモコン40を含む複数のリモコンを備えていてもよい。
制御装置30は、図示しないマイコン、メモリ、インターフェース回路等を含む一つ以上の電子回路ユニットにより構成され、熱源機2に搭載されている。該制御装置30は、リモコン40と有線又は無線により通信を行うことが可能であり、この通信によりリモコン40の操作情報(給湯運転のオン・オフ信号、目標給湯温度の設定値等)が入力される。また、制御装置30には、給湯器1に備えられた各センサ(前記炎検知センサ13、水量センサ24、温度センサ25,26を含む)の検出信号が入力される。
そして、制御装置30は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)の一方又は両方により実現される機能として、図1に二点鎖線の枠内に示す如く、給湯器1の給湯運転時の熱源機2の作動制御を行う運転制御部31と、バーナ4の燃焼運転時に前記炎検知センサ13の検出信号に基づいてバーナ4の失火の発生を検出する失火検出部32とを備える。そして、運転制御部31は、バーナ4の燃焼運転により発生する燃焼熱量の下限値である下限熱量を所定の条件下で可変的に調整する下限熱量調整部31aとしての機能を含む。
なお、運転制御部31による熱源機2の作動制御では、熱源機2の燃焼系の機器(イグナイタ11、元弁7、ガス量調整弁8、切替弁9a,9b,9c、燃焼ファン10)と、通水系の機器(水量制御弁23)とが制御される。
次に、本実施形態の給湯器1の作動を説明する。まず、給湯器1の通常の給湯運転時の作動を説明する。なお、通常の給湯運転というのは、詳しくは、後述する下限熱量調整フラグがOFFに設定されている状態(下限熱量の調整処理を実行しない状態)での給湯運転である。
給湯路22bの下流端のカランの開栓等により通水路22での通水が開始されると、制御装置30は、当該通水の開始を水量センサ24の検出信号に基づいて検知する。このとき、制御装置30の運転制御部31は、バーナ4を点火させる点火処理を実行する。
この点火処理では、運転制御部31は、燃焼ファン10を所定のファン回転数で作動させる(ひいては、点火用の風量の燃焼用空気をバーナ4に供給する)ことと、元弁7及び切替弁9aを開弁制御すると共にガス量調整弁8に所定値の比例弁電流を通電する(ひいては、第1バーナ4aに点火用のガス量の燃料ガスを供給する)ことと、イグナイタ11を作動させる(ひいては、点火電極12に火花放電を発生させる)こととを実行する。これにより、第1バーナ4aが点火され、該第1バーナ4aの燃焼運転が開始される。
なお、バーナ4の点火処理では、第1バーナ4aと異なるバーナ(第2バーナ4b又は第3バーナ4c)を点火したり、あるいは、第1〜第3バーナ4a,4b,4cのうちの2つ以上のバーナを点火してもよい。
上記のようにバーナ4の燃焼運転が開始すると、運転制御部31は、温度センサ25で検出される給湯温度をリモコン40で設定された目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致させるように、バーナ4の燃焼熱量を制御する。
具体的には、運転制御部31は、温度センサ25で検出される給湯温度を目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致させるための要求熱量(バーナ4の燃焼熱量の要求値)を所定の制御処理周期で逐次決定する。
上記要求熱量は、目標給湯温度と、温度センサ25,26及び水量センサ24のそれぞれの検出データ(給湯温度、熱交換器出湯温度及び給水流量のそれぞれの検出値)とを基に、所定の演算式、もしくはマップデータ等を用いて逐次決定される。さらに運転制御部31は、目標給湯温度等に応じて給水流量の上限値を設定する。
そして、運転制御部31は、制御処理周期毎に、決定した要求熱量に応じてバーナ4の燃焼運転を制御する。さらに、運転制御部31は、水量センサ24により検出される給水流量が設定した上限値を超える場合には、該給水流路を上限値に制限するように水量制御弁23を制御する。なお、熱源機2がバイパス比を調整するための制御弁を備える場合には、バイパス比の目標値も決定され、その目標値に応じて該制御弁が制御される。
バーナ4の燃焼運転の制御は、より詳しくは次のように実行される。運転制御部31は、決定した要求熱量に応じて、バーナ4の燃焼運転を前記小燃焼量モード、中燃焼量モード及び大燃焼量モードのいずれのモードで行うかを選定すると共に、バーナ4で実際に発生させる燃焼熱量の目標値である目標熱量を決定する。
この場合、図2に示すように、バーナ4の燃焼運転の各モード毎に、バーナ4の燃焼熱量の下限値(下限熱量)と上限値(上限熱量)とがあらかじめ設定されている。図2において、Qmin(小)、Qmin(中)、Qmin(大)のそれぞれは、小燃焼量モード、中燃焼量モード、大燃焼量モードのそれぞれにおける下限熱量、Qmax(小)、Qmax(中)、Qmax(大)のそれぞれは、小燃焼量モード、中燃焼量モード、大燃焼量モードのそれぞれにおける上限熱量である。
図示の如く、小燃焼量モード及び中燃焼量モードのそれぞれにおける燃焼熱量の範囲は、互いに一部の範囲が重なり合うように(Qmin(小)<Qmin(中)<Qmax(小)<Qmax(中)となるように)設定されている。同様に、中燃焼量モード及び大燃焼量モードのそれぞれにおける燃焼熱量の範囲は、互いに一部の範囲が重なり合うように(Qmin(中)<Qmin(大)<Qmax(中)<Qmax(大)となるように)設定されている。
そして、燃焼運転のモードの選定処理では、運転制御部31は、基本的には、要求熱量の値が属する熱量範囲のモードを選定する。ただし、要求熱量の値が上記の重なり範囲の値である場合には、運転制御部31は、現在の燃焼運転のモードを維持するように、該燃焼運転のモードを選定する。
また、目標熱量の決定処理では、運転制御部31は、要求熱量が、選定したモードに対応する熱量範囲内の値である場合には、要求熱量をそのまま目標熱量として決定する。また、選定したモードが小燃焼量モードであり、且つ、要求熱量が、小燃焼量モードの下限熱量Qmin(小)よりも小さい場合には、運転制御部31は、該下限熱量Qmin(小)を目標熱量として決定する。また、選定したモードが大燃焼量モードであり、且つ、要求熱量が、大燃焼量モードの上限熱量Qmax(大)よりも大きい場合には、該上限熱量Qmax(大)を目標熱量として決定する。
従って、給湯器1の通常の給湯運転時には、目標熱量は、小燃焼量モードの下限熱量Qmin(小)と、大燃焼量モードの上限熱量Qmax(大)との間の範囲内で要求熱量に応じて決定される。
次いで、運転制御部31は、上記の如く決定した目標熱量を実現するように、燃焼ファン10の風量(バーナ4への燃焼用空気の供給量)を規定するファン回転数の指令値である回転数指令値と、バーナ4への燃料ガスの供給量を規定するガス量調整弁8の比例弁電流の指令値である電流指令値とを決定し、回転数指令値のファン回転数で燃焼ファン10を作動させると共に、電流指令値の比例弁電流をガス量調整弁8に通電する。
この場合、本実施形態では、運転制御部31は、バーナ4の燃焼運転の各モード毎に、バーナ4の燃焼熱量とファン回転数との関係を規定する第1関数データ(演算式、マップデータ等)を有しており、目標熱量から該第1関数データを用いて回転数指令値を決定する。該第1関数データは、バーナ4の熱量とファン回転数との関係を、バーナ4の燃焼運転の各モード毎に、図2に例示する如きパターン(燃焼熱量の増加に伴い、ファン回転数が単調に増加するパターン)で規定するように設定されている。
なお、図2に示す如く、各モードでのファン回転数の範囲は、互いに概ね同等の範囲である。これは、大燃焼量モードでは、燃焼ファン10によりバーナ4に供給される空気のほぼ全量が、第1〜第3バーナ4a,4b,4cで燃焼用空気として使用されるのに対して、中燃焼量モードでは、バーナ4に供給される空気のうち、主に、第1バーナ4a及び第2バーナ4bに供給される空気(第3バーナ4cに供給される空気を除いた空気)が燃焼用空気として使用され、小燃焼量モードでは、バーナ4に供給される空気のうち、主に、第1バーナ4aに供給される空気(第2バーナ4b及び第3バーナ4cに供給される空気を除いた空気)が燃焼用空気として使用されるからである。
また、運転制御部31は、バーナ4の燃焼運転の各モード毎に、ファン回転数と比例弁電流との関係を規定する第2関数データ(演算式、マップデータ等)を有しており、図示しないセンサによるファン回転数の検出値から、該第2関数データを用いて電流指令値を決定する。
該第2関数データは、ファン回転数と比例弁電流との関係を、バーナ4の燃焼運転の各モード毎に、図6に実線又は一点鎖線のグラフb0,b1で例示する如きパターン(ファン回転数の増加に伴い、比例弁電流が単調に増加するパターン)で規定するように設定されている。
なお、図6に示すグラフb0,b1は、詳しくは、小燃焼量モードに対応する第2関数データのパターンを例示するものであるが、中燃焼量モード及び大燃焼量モードについても、第2関数データのパターンは小燃焼量モードと同様である。ただし、各モードでの比例弁電流の範囲は、小燃焼量モードよりも中燃焼量モードの方がより大きい側の範囲であり、中燃焼量モードよりも大燃焼量モードの方がより大きい側の範囲である。
給湯器1の通常の給湯運転時には、上記の如く、小燃焼量モードの下限熱量Qmin(小)と、大燃焼量モードの上限熱量Qmax(大)との間の範囲内で要求熱量に応じて目標熱量が決定され、該目標熱量に応じてファン回転数と比例弁電流とが制御される。これにより、目標熱量を実現するようにバーナ4の燃焼量が制御される。
ところで、通常の給湯運転時の、バーナ4の制御上の最小の燃焼熱量に相当する小燃焼量モードの下限熱量Qmin(小)のデフォルト値(給湯器1の工場出荷時の値)は、給湯器1の燃焼系の構成部品のばらつき、あるいは、使用する燃料ガスの組成のばらつき等によらずに、バーナ4の正常な燃焼運転を行い得るように、実際に実現可能な最小の燃焼熱量よりも十分な余裕を持たせた値に設定されている。
このため、目標給湯温度が低い温度に設定されている場合に、要求熱量が小燃焼モードの下限熱量Qmin(小)のデフォルト値よりも低い値に決定される場合が多々ある。この場合、バーナ4の目標熱量をデフォルト値の下限熱量Qmin(小)に制限すると、実際の給湯温度が目標給湯温度よりも高めの温度に制御されてしまう。
そこで、本実施形態では、制御装置30は、所定の条件下で、下限熱量Qmin(小)をデフォルト値よりも低い値に更新する下限熱量調整処理を下限熱量調整部31aにより実行する。以下に、この下限熱量調整処理を図3〜図6を参照して説明する。なお、以降の説明では、下限熱量Qmin及び上限熱量Qmaxは、それぞれ、特に断らない限り、小燃焼量モードの下限熱量Qmin(小)及び上限熱量Qmax(大)を意味するものとする。
下限熱量調整部31aは、給湯器1の給湯運転時(前記通常の給湯運転時を含む)に、バーナ4の燃焼運転が開始された後に、図3のフローチャートに示す処理を実行する。
STEP1において、下限熱量調整部31aは、前記した如く決定された要求熱量Qreq(給湯温度を目標給湯温度に一致もしくはほぼ一致させるための要求熱量)が下限熱量Qminの現在値よりも小さいか否かを判断する。
この判断結果が否定的である場合(Qreq≧Qminである場合)には、下限熱量調整部31aは、STEP1の判断結果が肯定的になるまでSTEP1の判断処理を繰り返す。
STEP1の判断結果が肯定的になった場合(Qreq<Qminとなった場合)には、下限熱量調整部31aは、STEP1の判断結果が肯定的となった回数をカウントする回数カウンタのカウント値Ncをカウントアップする処理をSTEP2で実行する。なお、該カウント値Ncは、給湯器1の運転停止状態でも図示しないメモリに記憶保持される。
次いで、下限熱量調整部31aは、STEP3において、下限熱量調整処理を実行すべきか否かをそれぞれON、OFFで示す下限熱量調整フラグが、ON状態であるか否かを判断する。この下限熱量調整フラグの設定処理については後述する。
STEP3の判断結果が否定的である場合(下限熱量調整フラグがOFF状態である場合)には、下限熱量調整部31aは、STEP1からの処理を繰り返す。なお、この場合には、前記した通常の給湯運転が行われる。
STEP3の判断結果が肯定的である場合(下限熱量調整フラグがON状態である場合)には、下限熱量調整部31aによる実体的な下限熱量調整処理が実行される。具体的には、STEP4において、下限熱量調整部31aは、図5及び図6の破線矢印で示す如く、バーナ4への燃料供給量を徐々に減少させていくようにガス量調整弁8の比例弁電流を減少させていくことで、バーナ4で発生させる実際の燃焼熱量Qnow(制御処理周期毎の燃焼熱量)を要求熱量Qreqに向かって減少させる。
この場合、ガス量調整弁8の比例弁電流は、例えば一定の時間的変化率で、制御処理周期毎に減少される。また、燃焼ファン10のファン回転数は、本実施形態では、前記小燃焼量モードでの第1関数データにおいて下限熱量Qminに対応する一定の回転数(下限回転数)に制御される。
なお、STEP1で要求熱量Qreqが現在の下限熱量Qminよりも小さくなる直前のバーナ4の実際の燃焼熱量Qnow(≒目標熱量)が、該下限熱量Qminよりも大きい場合には、通常の給湯運転時と同様の仕方で(第1関数データ及び第2関数データを用いて)、バーナ4の燃焼熱量Qnowを下限熱量Qminまで減少させるようにファン回転数及び比例弁電流を減少させた上で、ファン回転数を下限回転数で一定に維持しつつ、比例弁電流を減少させていく(ひいては、燃焼熱量Qnowを要求熱量Qreq向かって減少させる)ようにしてもよい。
下限熱量調整部31aは、上記の如くSTEP4で燃焼熱量Qnowを減少させることを実行しながら、さらにSTEP5において、失火検出部32を介してバーナ4の失火の発生の有無を監視する。
そして、失火検出部32により失火の発生が検出されない状況(STEP5の判断結果が否定的となる状況)では、下限熱量調整部31aは、STEP13からの処理を実行する。この場合、STEP13では、下限熱量調整部31aは、現在の要求熱量Qreqがバーナ4の現在の燃焼熱量Qnow以上の値であるか否かを判断する。この場合、現在の燃焼熱量Qnowは、現在の比例弁電流の指令値(電流指令値)に応じて規定される燃料ガスの供給量を熱量に換算してなる値として、該電流指令値から所定の演算式又はマップデータ等を用いて求められる。
燃焼熱量Qnowが要求熱量Qreqまで減少しておらず、STEP13の判断結果が否定的になる場合(Qreq<Qnowである場合)には、下限熱量調整部31aは、STEP4からの処理を継続する。
一方、燃焼熱量Qnowの減少途中で、目標給湯温度の増加変更等により、要求熱量Qreqが燃焼熱量Qnow以上の値に増加した場合、あるいは、バーナ4の失火を生じることなく、燃焼熱量Qnowが要求熱量Qreq以下の値まで減少した場合に、STEP13の判断結果が肯定的になる。
この場合には、下限熱量調整部31aは、STEP14において、バーナ4の燃焼熱量Qnowの減少(比例弁電流の減少)を停止する。これにより、バーナ4の燃焼熱量Qnowが要求熱量Qreqよりも低い熱量に制御されるのが防止される。ひいては、給湯温度が、目標給湯温度よりも低い温度に制御されるのが防止される。
さらに、下限熱量調整部31aは、STEP15において、要求熱量Qreqが現在の下限熱量Qminよりも大きい値に変更されたか否かを判断する。燃焼熱量Qnowの減少途中での目標給湯温度の増加変更等により、要求熱量Qreqが現在の下限熱量Qminよりも大きくなる場合があり、このような場合に、STEP15の判断結果が肯定的になる。
この場合には、下限熱量調整部31aは、下限熱量Qminを更新することなく、STEP1からの処理を再開する(実体的な下限熱量調整処理を中止する)。なお、この場合には、給湯器1の通常の給湯運転が行われ、バーナ4の燃焼熱量は、下限熱量Qmin(=Qmin(小))と、上限熱量Qmax(大)との間の範囲内で設定される目標熱量に応じて制御される。
STEP15の判断結果が否定的である場合(Qreq≦Qminである場合)には、下限熱量調整部31aは、STEP16において、現在の要求熱量Qreqと、バーナ4の燃焼熱量Qnow(比例弁電流に対応する熱量換算値)と、下限熱量Qminとの大小関係が、Qreq<Qnow≦Qminであるか否かを判断する。
ここで、STEP13の判断結果が肯定的になった後、下限熱量Qmin以下の範囲内で、Qreq≧Qnowという状態が継続している場合には、STEP16の判断結果が否定的になる。この場合には、下限熱量調整部31aは、STEP15からの処理を繰り返す。なお、この状況(STEP15,16の判断処理が繰り返される状況)では、下限熱量調整部31aは、ガス量調整弁8の比例弁電流を、該比例弁電流に対応する燃焼熱量Qnowが要求熱量Qreqに一致するように決定した電流指令値により制御する。
一方、STEP13の判断結果が肯定的になった後、目標給湯温度の減少変更等により、要求熱量Qreqが、現在の燃焼熱量Qnowよりも小さい値に変化した場合に、STEP16の判断結果が肯定的になる。この場合には、下限熱量調整部31aは、前記STEP4からの処理を再開する。これにより、バーナ4の燃焼熱量Qnowの減少(比例弁電流の減少)が再開される。
バーナ4の燃焼熱量Qnowの減少中に、失火検出部32によりバーナ4の失火の発生が検出されると、STEP5の判断結果が肯定的になる。この場合には、下限熱量調整部31aは、STEP6において、失火発生の検出時におけるバーナ4の燃焼熱量Qnow(失火発生の検出時における比例弁電流に対応する熱量換算値)を、失火発生熱量Qmin_offとして記憶保持する。
例えば、図6の破線の矢印で示す如く比例弁電流を減少させることによって、バーナ4の燃焼熱量Qnowを図5の破線の矢印で示す如く減少させた場合、該燃焼熱量Qnowが図5中の点Poffに対応する熱量Qmin_offまで減少したとき(図6で比例弁電流がImin_offまで減少したとき)に、失火が発生し、当該点Poffに対応する燃焼熱量Qmin_off(比例弁電流Imin_offに対応する熱量換算値)が失火発生熱量として記憶保持される。
なお、図5において、二点鎖線のラインa2の上側の領域は、エアリッチによりバーナ4の失火が発生する領域(エアリッチ失火領域)、二点鎖線のラインa3の下側の領域は、ガスリッチによりバーナ4の失火が発生する領域(ガスリッチ失火領域)であり、これらの間の領域がバーナ4の燃焼運転を正常に行い得る領域である。そして、上記点Poffは、エアリッチ失火領域の点である。
次に、STEP7において、下限熱量調整部31aは、下限熱量Qminの更新後の値としての下限熱量更新値Qmin_newを失火発生熱量Qmin_offに応じて設定する。この場合、下限熱量更新値Qmin_newは、失火発生熱量Qmin_offよりも若干大きめの値(所定量だけ大きい値)に設定される。例えば、失火発生熱量Qmin_offに、“1”よりも若干大きいマージン係数α(例えば、1/0.9)を乗じてなる値が、下限熱量更新値Qmin_newとして設定される。これにより、下限熱量更新値Qmin_newは、失火発生熱量Qmin_offに近い値でありながら、その燃焼熱量でのバーナ4の燃焼運転を失火を生じずに行い得るように設定される。
例えば、図5に例示する如く、下限熱量更新値Qmin_newは、点Poffに対応する失火発生熱量Qmin_offよりも若干大きめの値の設定され、これにより、該下限熱量更新値Qmin_newは、バーナ4の燃焼運転を正常に行い得る領域の値となる。
次いで、STEP8において、下限熱量調整部31aは、上記の如く設定した下限熱量更新値Qmin_newが、下限熱量Qminのデフォルト値Qmin_fst以下の値であるか否かを判断する。
このSTEP8の判断結果が肯定的である場合(Qmin_new≦Qmin_fstである場合)には、下限熱量調整部31aは、STEP9において、下限熱量Qminを下限熱量更新値Qmin_newに一致する値に更新する。これにより、下限熱量Qminは、該下限熱量Qminでのバーナ4の失火の発生を防止し得る範囲で、デフォルト値Qmin_fst以下の値に更新される。
この場合、本実施形態では、下限熱量Qminの更新と併せて、小燃焼量モードに対応する前記第1関数データ及び第2関数データも更新される。具体的には、更新後の第1関数データは、更新後の下限熱量Qmin(=Qmin_new)と、上限熱量Qmax(=Qmax(小))との間の範囲での熱量の増加に伴い、ファン回転数が、下限熱量Qminに対応する下限回転数から上限熱量Qmaxに対応する上限回転数まで単調に増加するパターンになるように更新される。なお、上限熱量Qmax(=Qmax(小))、並びに、ファン回転数の下限回転数及び上限回転数は更新の前後で同じである。
例えば、更新前の第1関数データが、図5の実線のグラフa0で示される関数データ(ここでは、デフォルトの第1関数データ)である場合、更新後の第1関数データは、図5の一点鎖線のグラフa1で示される関数データに更新される。
また、更新後の第2関数データは、下限回転数と上限回転数との間の範囲内でのファン回転数の増加に伴い、比例弁電流が、更新後の下限熱量Qmin(=Qmin_new)に対応する電流値Imin_newから上限熱量Qmax(=Qmax(小))に対応する電流値Imaxまで、単調に増加するパターンになるように更新される。なお、上限熱量Qmax(=Qmax(小))に対応する電流値Imaxは、更新の前後で同じである。
例えば、更新前の第2関数データが、図6の実線のグラフb0で示される関数データである場合(Iminは更新前の下限熱量Qminに対応する電流値)、更新後の第2関数データは、図6の一点鎖線のグラフb1で示される関数データに更新される。
一方、外風等の影響で、失火発生熱量Qmin_offが下限熱量Qminのデフォルト値Qmin_fstに近い値になる場合もあり、このような場合に、STEP8の判断結果が否定的になる(Qmin_new>Qmin_fstとなる)場合があり得る。そして、仮に、下限熱量Qminをデフォルト値Qmin_fstよりも大きい値に更新すると、バーナ4で発生可能な最小の燃焼熱量が、工場出荷時の給湯器1よりも大きくなって、バーナ4の燃焼熱量の制御幅が低下してしまう。
そこで、STEP8の判断結果が否定的である場合には、下限熱量調整部31aは、STEP10において、下限熱量Qminの更新を行うことなく、その値を現状の値に維持する。これにより、下限熱量調整処理により設定される下限熱量Qminは、デフォルト値Qmin_fst以下の値に制限される。なお、STEP10では、デフォルト値Qmin_fstを下限熱量Qminとして設定してもよい。
上記STEP9又は10の処理の次に、下限熱量調整部31aは、STEP11において、下限熱量調整フラグをOFF状態にすべき旨の指令を生成する。さらに、STEP12において、下限熱量調整部31aは、失火したバーナ4を再点火する処理を実行する。この再点火処理は、通常の給湯運転時のバーナ4の点火処理と同様に行われる。
これにより、STEP5でバーナ4の失火が発生した後、速やかにバーナ4の燃焼運転が再開される。このため、バーナ4の失火中における給湯温度の低下を極力抑制することができる。本実施形態では、下限熱量調整部31aによる下限熱量調整処理は、以上の如く実行される。
なお、バーナ4の再点火後は、通常の給湯運転が再開されると共に、下限熱量調整部31aによるSTEP1からの処理が再開される。この場合、再点火後の通常の給湯運転では、バーナ4の小燃焼量モードでの燃焼運転の制御は、更新後の第1関数データ及び第2関数データを用いて行わる。
上記の如く下限熱量調整処理が実行されるので、給湯器1の製品毎に、バーナ4の失火の発生を防止し得る範囲で、下限熱量Qminを極力低い熱量に設定することができる。そして、該下限熱量Qminに対応する第1関数データ及び第2関数データを用いてバーナ4の燃焼運転が制御される。その結果、給湯温度の制御幅を低温側に広げることができ、目標給湯温度が低めの温度に設定された場合でも、実際の給湯温度を該目標給湯温度もしくはそれに近い温度に制御することができる。従って、給湯器1の使い勝手や、利便性を高めることができる。
また、バーナ4の燃焼熱量Qnowが要求熱量Qreqよりも低くならないように燃焼熱量Qnowを減少させるので、給湯温度が目標給湯温度よりも低くなるのを極力抑制することができる。
補足すると、本実施形態では、STEP5の判断結果が肯定的になるまで実行されるSTEP4の処理が本発明における第1処理に相当し、STEP6の処理が本発明における第2処理に相当する。また、STEP8〜10の処理が本発明における第3処理に相当する。
次に、前記下限熱量調整フラグの設定処理を説明する。下限熱量調整部31aは、給湯器1の給湯運転の停止時などにおいて、図4のフローチャートに示す如く下限熱量調整フラグを設定する。STEP21において、下限熱量調整部31aは、現在の下限熱量調整フラグがOFF状態であるか否かを判断する。このSTEP21の判断結果が肯定的である場合には、下限熱量調整部31aは、STEP22において、給湯器1の電源リセット動作がなされたか否かを判断する。該電源リセット動作は、給湯器1の設置業者、メンテナンス業者等により給湯器1の電源が投入された場合に制御装置30が実行する給湯器1の初期化動作である。
このSTEP22の判断結果が肯定的である場合には、下限熱量調整部31aは、給湯器1の給湯運転時に下限熱量調整処理を実行するために、STEP25において下限熱量調整フラグをON状態に設定する。
また、STEP22の判断結果が否定的である場合には、下限熱量調整部31aは、次にSTEP23において、前記回数カウンタのカウント値Ncが所定回数に達したか否かを判断する。このSTEP23の判断結果が肯定的となる状況は、給湯器1の給湯運転時に、要求熱量が現在の下限熱量Qmin(=Qmin(小))よりも小さくなる頻度が比較的高い状況(換言すれば、現在の下限熱量Qminよりもより低い熱量でのバーナ4の燃焼運転を行う必要性が比較的高い状況)である。そこで、この場合には、下限熱量調整部31aは、前記STEP25において下限熱量調整フラグをON状態に設定する。
また、STEP23の判断結果が否定的である場合には、下限熱量調整処理部33は、STEP24において、給湯運転時に、デフォルト値Qmin_fstから更新された後の現在の下限熱量Qminと、デフォルト値Qmin_fstとの間の範囲の熱量Qnowでのバーナ4の燃焼運転が行われたときに、バーナ4の失火が発生したか否かを判断する。
このSTEP24の判断結果が肯定的である場合は、更新後の下限熱量Qminが不適切である可能性がある。このため、STEP24の判断結果が肯定的である場合には、下限熱量調整部31aは、前記STEP25において下限熱量調整フラグをON状態に設定する。
また、STEP24の判断結果が否定的である場合(換言すれば、STEP22,23,24の判断結果がいずれも否定的である場合)には、下限熱量調整部31aは、下限熱量調整フラグをOFF状態に維持したままで、下限熱量調整フラグの設定処理を終了する。
また、STEP21の判断結果が否定的である場合(現在の下限熱量調整フラグがON状態である場合)には、下限熱量調整部31aは、STEP26において、下限熱量調整フラグのOFF指令が設定されているか否かを判断する。このSTEP26の判断結果が否定的である場合には、下限熱量調整部31aは、下限熱量調整フラグをON状態に維持したままで、下限熱量調整フラグの設定処理を終了する。
また、STEP26の判断結果が肯定的である場合には、下限熱量調整部31aは、STEP27において、前記回数カウンタをリセットすることで、カウント値Ncをゼロに初期化する。さらに、下限熱量調整部31aは、STEP28において、下限熱量調整フラグをOFF状態に設定する。
本実施形態では、下限熱量調整フラグの設定処理は上記の如く実行される。これにより、下限熱量調整フラグは、STEP22,23,24のいずれかの判断結果が肯定的となる場合にON状態に設定される。
この場合、特にSTEP24の判断結果が肯定的となる場合に、下限熱量調整フラグがON状態に設定されるので、その直後の給湯運転時に、下限熱量調整処理が実行される。このため、バーナ4の失火を発生させずに燃焼運転を行い得る適切な下限熱量Qminを改めて設定することが可能となる。
また、STEP23の判断結果が肯定的となる場合にも、下限熱量調整フラグがON状態に設定されるので、下限熱量Qminよりも低い要求熱量Qreqが決定される頻度が高い場合(換言すれば、下限熱量Qminを下げることの要求度合いが高い場合)に、下限熱量調整処理を実行して、下限熱量Qminを設定し直すことができる。
さらに、STEP22の判断結果が肯定的となる場合に、下限熱量調整フラグがON状態に設定することで、給湯器1の設置直後に好適な下限熱量Qminを設定することが可能となる。ひいては、給湯器1の使い勝手や、利便性を高めることができる。
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態を採用することもできる。以下に他の実施形態をいくつか説明する。
前記実施形態では、下限熱量調整処理により下限熱量Qminを更新した場合、第1関数データ及び第2関数データも併せて更新し、その更新後の第1関数データ及び第2関数データを用いて小燃焼量モードでのバーナ4の燃焼運転を制御するようにした。ただし、第1関数データ及び第2関数データを更新せずに、バーナ4の燃焼運転を制御することも可能である。
例えば、下限熱量Qminの更新後において、小燃焼量モードでのバーナ4の燃焼運転時に、要求熱量Qreqが下限熱量Qminのデフォルト値Qmin_fst以上である場合には、デフォルトの第1関数データ及び第2関数データを用いて小燃焼量モードでのバーナ4の燃焼運転を制御する。そして、要求熱量Qreqがデフォルト値Qmin_fstよりも小さい場合には、燃焼ファン10のファン回転数を前記下限回転数に制御した状態で、更新後の下限熱量Qmin以上の範囲で、要求熱量Qreqに応じて決定した比例弁電流をガス量調整弁8に通電する。このようにしても、小燃焼量モードでのバーナ4の燃焼運転を、更新後の下限熱量Qmin以上の範囲で適切に制御することができる。
また、前記実施形態では、下限熱量調整処理で、バーナ4の燃焼熱量Qnowを減少させるとき、ファン回転数を一定の下限回転数に維持するようにした。ただし、比例弁電流の減少と併せて、ファン回転数を減少させることも可能である。なお、この場合は、下限熱量Qminの更新時には、第1関数データ及び第2関数データにおけるファン回転数の下限側の範囲も併せて更新する必要がある。
また、前記実施形態では、下限熱量調整フラグの設定処理では、STEP22,23,24のいずれかの判断結果が肯定的となるという条件下で、下限熱量調整処理を実行するために下限熱量調整フラグをON状態に設定した。ただし、例えば、STEP22,23,24のうちのいずれかの条件を省略してもよい。また、下限熱量調整処理を実行するための条件として、他の条件を採用してもよい。
例えば、リモコン40等の所定の操作スイッチの操作がなされた場合に、下限熱量調整処理を実行したり、バーナ4の燃焼運転の実行回数、もしくは累積的な実行時間が所定値に達した場合に、下限熱量調整処理を実行することも可能である。
また、前記実施形態では下限熱量調整処理を、小燃焼量モードに係る下限熱量Qmin(小)に対して実行した。ただし、下限熱量調整処理を、小燃焼量モードに係る下限熱量Qmin(小)だけでなく、中燃焼量モードに係る下限熱量Qmin(中)、あるいは、大燃焼量モードに係る下限熱量Qmin(大)に対して実行することも可能である。
例えば、所定の条件下での中燃焼量モード又は大燃焼量モードでの燃焼運転中に、要求熱量Qreqが現在のモードでの下限熱量Qmin(中)又はQmin(大)よりも所定の範囲内で下回った場合に、現在のモードを維持したままで、該モードに対応する下限熱量Qmin(中)又はQmin(大)を調整する処理を、前記実施形態と同様の仕方で実行してもよい。
また、前記実施形態では、バーナ4は、3種類のモードで燃焼運転を行い得るバーナであるが、バーナ4は、その燃焼運転時に、常に、バーナ4の全体の燃焼運転を行うものであってもよい。
また、前記実施形態では、燃焼装置として給湯器1を例示したが、本発明の燃焼装置は、給湯器に限られない。本発明は、給湯器以外にも、例えばファンヒータ等の暖房装置に適用することもできる。また、本発明の燃焼装置の燃料は燃料ガスに限らず、灯油等の液体燃料であってもよい。