JP2019158180A - 車両用熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却水の沸騰を防ぐことの可能な車両用熱交換器を提供する。【解決手段】高温の流体を冷却水により冷却する車両用熱交換器1は、冷却水通路21、流体通路16、フィン30を備えている。複数の冷却水通路21は、冷却水入口24から冷却水出口25に向けて冷却水が流れる。流体通路16は、高温の流体が流入する流体入口14から流体が流出する流体出口15に向けて流体が流れるように、複数の冷却水通路21同士の間に形成される。フィン30は、冷却水通路21に設けられる。ここで、流体入口14側の領域と流体出口15側の領域との半分に冷却水通路21を分けたとき、フィン30は流体出口15側の領域よりも流体入口14側の領域に多く配置されている。【選択図】図5

Description

本発明は、冷却水を用いる車両用熱交換器に関し、特に過給機によって圧縮された過給吸気を冷却水により冷却する水冷式インタークーラに関するものである。
従来、高温の流体を不凍液や水等の冷却水により冷却する車両用熱交換器が知られている。特許文献1には、車両用熱交換器の一例として、過給機により圧縮されて内燃機関に供給される過給吸気を冷却水により冷却する水冷式インタークーラが記載されている。この水冷式インタークーラは、過給吸気と冷却水との熱交換効率を高めるため、冷却水が流れる冷却水通路のほぼ全領域にフィンを備えている。
特開2017−172537号公報
ところで、近年、フィン形状の最適化など、技術の進歩により、車両用熱交換器の熱交換性能が向上している。これにより、車両用熱交換器を通過する冷却水の温度は上昇する傾向にある。そのため、高温の過給空気を冷却水により冷却する水冷式インタークーラでは、その冷却水の温度が沸点を超えることもあり、冷却水の沸騰が懸念されている。車両用熱交換器の冷却水通路を流れる冷却水が沸騰した場合、その冷却水通路の内壁およびフィンが蒸気で覆われ、車両用熱交換器による冷却性能が低下するといった問題がある。
本発明は上記課題に鑑みて、冷却水の沸騰を防ぐことの可能な車両用熱交換器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、高温の流体を冷却水により冷却する車両用熱交換器であって、
冷却水入口(24)から冷却水出口(25)に向けて冷却水が流れる複数の冷却水通路(21)と、
高温の流体が流入する流体入口(14)から流体が流出する流体出口(15)に向けて流体が流れるように、複数の冷却水通路同士の間に形成される流体通路(16)と、
冷却水通路に設けられるフィン(30)と、を備え、
流体入口側の領域と流体出口側の領域との半分に冷却水通路を分けたとき、フィンは流体出口側の領域よりも流体入口側の領域に多く配置されている。
これによれば、冷却水通路のうち高温流体の流体入口側の領域にフィンを多く配置することで、冷却水の沸騰が懸念される領域で冷却水通路の内壁およびフィンを通じて冷却水に伝わる熱量が増加する。また、冷却水通路のうち高温流体の流体出口側の領域にフィンを配置しないか少なくすることで、冷却水通路の全領域にフィンを配置した構成と比較して、冷却水通路の通水抵抗が低減する。そのため、冷却水の流量が増加し、冷却水の温度が低下する。したがって、冷却水の沸騰が懸念される領域で冷却水通路の内壁およびフィンの温度が低下し、冷却水の沸騰が抑制される。
さらに、冷却水通路のうち高温流体の流体出口側の領域にフィンを配置しないか少なくすることで、冷却水通路の全領域にフィンを配置した構成と比較して、冷却水通路の通水抵抗が低減するので、冷却水通路を流れる冷却水の圧力が高くなる。そのため、冷却水通路を流れる冷却水の沸点が高くなり、冷却水が沸騰しにくくなる。したがって、この車両用熱交換器は、冷却水の沸騰を抑制することで、冷却性能の低下を防ぐことができる。
請求項5に係る発明は、高温の流体を冷却水により冷却する車両用熱交換器であって、
第1冷却水入口(43)から第1冷却水出口(44)に向けて第1冷却水が流れる複数の第1冷却水通路(41)と、
第2冷却水入口(45)から第2冷却水出口(46)に向けて第1冷却水よりも低温の第2冷却水が流れる複数の第2冷却水通路(42)と、
高温の流体が流入する流体入口(14)から流体が流出する流体出口(15)に向けて流体が流れるように、複数の第1冷却水通路同士の間と複数の第2冷却水通路同士の間に形成される流体通路(16)と、
第1冷却水通路に設けられる第1フィン(31)と、
第2冷却水通路に設けられる第2フィン(32)と、を備え、
流体入口側の領域と流体出口側の領域との半分に第1冷却水通路を分けたとき、第1フィンは流体出口側の領域よりも流体入口側の領域に多く配置されている。
これによれば、第1冷却水通路のうち高温流体の流体入口側の領域に第1フィンを多く配置することで、冷却水の沸騰が懸念される領域で第1冷却水通路の内壁および第1フィンを通じて第1冷却水に伝わる熱量が増加する。また、第1冷却水通路のうち高温流体の流体出口側の領域に第1フィンを配置しないか少なくすることで、第1冷却水通路の全領域に第1フィンを配置した構成と比較して、通水抵抗が低減する。そのため、第1冷却水の流量が増加し、第1冷却水の温度が低下する。したがって、第1冷却水の沸騰が懸念される領域で第1冷却水通路の内壁および第1フィンの温度が低下し、冷却水の沸騰が抑制される。
さらに、第1冷却水通路のうち高温流体の流体出口側の領域に第1フィンを配置しないか少なくすることで、第1冷却水通路の全領域に第1フィンを配置した構成と比較して、通水抵抗が低減するので、第1冷却水通路を流れる冷却水の圧力が高くなる。そのため、第1冷却水通路を流れる冷却水の沸点が高くなり、冷却水が沸騰しにくくなる。したがって、この車両用熱交換器は、冷却水の沸騰の可能性が高い2系統の冷却水通路を有する車両用熱交換器に特有の課題を解決し、冷却性能の低下を防ぐことができる。
なお、上記各構成に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載する具体的構成との対応関係の一例を示したものである。
第1実施形態に係る水冷式インタークーラが用いられる過給吸気冷却システムの概要を示す構成図である。 第1実施形態に係る水冷式インタークーラの側面図である。 図2のIII方向の矢視図である。 図3のIV−IV線断面における水冷式インタークーラの斜視図である。 図4のV方向から見た水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。 第2実施形態に係る水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。 第3実施形態に係る水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。 第4実施形態に係る水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。 第5実施形態に係る水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。 第6実施形態に係る水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。 第7実施形態に係る水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。 第8実施形態に係る水冷式インタークーラが用いられる過給吸気冷却システムの概要を示す構成図である。 第8実施形態に係る水冷式インタークーラの平面図である。 第8実施形態に係る水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。 第9実施形態に係る水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。 第10実施形態に係る水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。 比較例の水冷式インタークーラの冷却水通路の平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、車両用熱交換器の一例として、水冷式インタークーラ1(以下、単に「インタークーラ1」という)について説明する。インタークーラ1は、内燃機関の吸気系統に搭載される。内燃機関の吸気系統には、過給機によって圧縮された高温の流体としての過給吸気が流れる。インタークーラ1は、その過給吸気を冷却液と熱交換することで過給吸気を冷却し、内燃機関への過給吸気の充填効率を向上させる役割を果たすものである。
図1に示すように、インタークーラ1は、冷却水回路100に配置されている。そのため、インタークーラ1には、冷却水回路100を循環する冷却水が流れる。冷却水は、例えば、不凍液や水等を用いることができる。冷却水回路100には、冷却水を循環させるウォータポンプ101と、冷却水の熱を外気に放熱させて冷却水を冷却するラジエータ102とが設けられている。インタークーラ1、ウォータポンプ101およびラジエータ102は、冷却水配管103により直列に配置されている。ウォータポンプ101が駆動すると、冷却水回路100を冷却水が循環し、ラジエータ102で冷却された冷却水がインタークーラ1に供給される。
次に、本実施形態のインタークーラ1の構成について説明する。
図2〜図4に示すように、インタークーラ1は、いわゆるドロンカップ型の熱交換器として構成されている。インタークーラ1のコアとなる構成部品は、例えば、アルミニウムの表面にろう材をクラッドしたクラッド材で形成されている。そのインタークーラ1のコアとなる構成部品は、クラッド材の表面にフラックスを塗布した状態で加熱することとで、各構成部品同士がろう付けにより接合される。
インタークーラ1は、略角筒状に形成されたダクト10の内側に、複数の流路管20が所定の隙間をあけて積層されている。以下の説明では、複数の流路管20が積層される方向を積層方向という。複数の流路管20は、所定の流路形状にプレス加工された一対のプレート同士を接合することで扁平状に形成されている。複数の流路管20の内側には、冷却水が流れる冷却水通路21が形成されている。複数の流路管20は、複数の冷却水通路21を積層方向に連通する入口側連通路22と出口側連通路23によって接続されている。
ダクト10には、冷却水回路100から複数の流路管20の冷却水通路21に冷却水を供給する入口パイプ11と、その冷却水通路21から冷却水回路100に冷却水を排出する出口パイプ12が設けられている。入口パイプ11から供給される冷却水は、入口側連通路22を経由し、複数の冷却水通路21に流れる。その複数の冷却水通路21を流れた冷却水は、出口側連通路23を経由して、出口パイプ12から冷却水回路100に流出する。
図4および図5に示すように、本実施形態では、流路管20が構成する冷却水通路21は、U字状に形成されている。以下の説明では、入口側連通路22が冷却水通路21に開口する箇所を冷却水入口24と呼び、出口側連通路23が冷却水通路21に開口する箇所を冷却水出口25と呼ぶ。また、冷却水通路21のうち、冷却水入口24から略直線状に延びる部位を往路部211と呼び、冷却水出口25から略直線状に延びる部位を復路部212と呼び、往路部211と復路部212とを接続する部位を方向変換部213と呼ぶ。なお、往路部211と復路部212は、仕切壁26によって仕切られている。冷却水入口24から冷却水通路21に流入した冷却水は、往路部211→方向変換部213→復路部212を流れ、冷却水出口25から流出する。なお、図4および図5では、冷却水通路21を冷却水が流れる方向を矢印W1で示している。また、図5及び後述する実施形態で参照する各図では、冷却水入口24から冷却水通路21に流出する冷却水の流れ方向と、冷却水通路21から冷却水出口25に流入する冷却水の流れ方向を、それぞれ冷却水入口24と冷却水出口25に白抜きの矢印で示している。
図2〜図4に示すように、略角筒状に形成されたダクト10の一方の開口部と他方の開口部にはそれぞれ、フランジ13が設けられている。このフランジ13にはそれぞれ、図示していない過給吸気タンクが接続される。その過給吸気タンクは、内燃機関の吸気系統に接続される。以下の説明では、ダクト10の一方の開口部を高温の流体としての過給吸気が流入する過給吸気入口14(すなわち、流体入口)と呼び、ダクト10の他方の開口部を過給吸気が流出する過給吸気出口15(すなわち、流体出口)と呼ぶ。流体入口としての過給吸気入口14から流入した過給吸気は、複数の流路管20同士の間(すなわち、複数の冷却水通路21同士の間)に形成される流体通路16を流れ、流体出口としての過給吸気出口15から流出する。過給吸気出口15から流出した過給吸気は、内燃機関111に供給される。なお、図4および図5では、ダクト10内の流体通路16に過給吸気が流れる方向を矢印A1、A2で示している。
本実施形態では、冷却水通路21は、過給吸気が過給吸気入口14側から過給吸気出口15側に向けてダクト10内の流体通路16を流れる方向に対して往路部211および復路部212が交差するように蛇行して形成されている。したがって、本実施形態では、過給吸気が流体通路16を流れる方向と、冷却水が冷却水通路21の往路部211および復路部212を流れる方向とは交差するように構成されている。また、本実施形態では、冷却水通路21が有する復路部212は、冷却水通路21のうちで最も過給吸気入口14側に配置される部位である。
図3および図4に示すように、過給吸気が流れる流体通路16には、アウターフィン17が設けられている。アウターフィン17は、複数の流路管20同士の間に配置され、流路管20の外壁面にろう付け接合されている。アウターフィン17は、過給吸気が流れる流体通路16のほぼ全域に設けられ、過給吸気と冷却水との熱交換を促進する。なお、アウターフィン17としては、ストレートフィン、ルーバーフィン、ウェーブフィン、オフセットフィンなど、種々の形状のフィンを採用することが可能である。
図4および図5に示すように、複数の流路管20の内側の冷却水通路21にも、フィン30が設けられている。このフィン30は、冷却水通路21を構成する流路管20の内壁面にろう付け接合されている。フィン30としては、ストレートフィン、ルーバーフィン、ウェーブフィン、オフセットフィンなど、種々の形状のフィンを採用することが可能である。なお、以下の説明では、単に「フィン」というときは、冷却水通路21に設けられたフィン30をいうものとする。
冷却水通路21のフィン30は、冷却水通路21が有する復路部212のうち、過給吸気入口14側、且つ、冷却水出口25側の一部の領域に多く配置されている。なお、本明細書において、「所定の領域にフィン30が多く配置されている」とは、所定の領域のみにフィン30が配置されることに加え、他の領域にも少しのフィン30が配置されていることを含む趣旨である。したがって、フィン30は、冷却水通路21が有する復路部212のうち、過給吸気入口14側、且つ、冷却水出口25側の一部の領域のみに配置されていてもよい。或いは、フィン30は、冷却水通路21が有する復路部212のうち、過給吸気入口14側、且つ、冷却水出口25側の一部の領域に配置されていることに加え、他の領域にも少しのフィン30が配置されていてもよい。これにより、冷却水通路21のうちフィン30が配置された領域において、過給吸気と冷却水との熱交換量が増加する。すなわち、フィン30が配置された領域では、過給吸気から冷却水通路21の内壁およびフィン30を介して冷却水に伝熱する熱量が増加する。したがって、フィン30が配置された領域では、冷却水通路21の内壁およびフィン30の温度が低下するため、冷却水の沸騰が抑制される。
ここで、本実施形態のインタークーラ1と比較するため、比較例のインタークーラ2について説明する。図17は、比較例のインタークーラ2の冷却水通路21の平面図である。比較例では、冷却水通路21の略全域にフィン30が配置されている。この構成では、冷却水通路21を流れる冷却水は、往路部211→方向変換部213→復路部212 の順に流れるに従って、次第に温度が高くなる。また、過給吸気は、過給吸気入口14側の温度が、過給吸気出口15側の温度よりも高いので、冷却水通路21が有する復路部212のうち、過給吸気入口14側、且つ、冷却水出口25側の一部の領域が、冷却水の沸騰が最も懸念される領域となる。図17では、その領域を、沸騰懸念領域として、符号Bを付した破線で示している。
さらに、比較例では、冷却水通路21の略全域にフィン30を配置しているので、冷却水通路21の通水抵抗が大きく、冷却水通路21を流れる冷却水の圧力が低下する。これにより、冷却水の沸点が低くなり、冷却水が沸騰しやすくなる。そのため、比較例のインタークーラ2では、冷却水通路21の沸騰懸念領域で冷却水の沸騰が生じることが懸念される。冷却水の沸騰が生じた場合、冷却水通路21の内壁およびフィン30が蒸気で覆われ、冷却性能が低下する。また、その場合、冷却水の沸騰に起因して、冷却水通路21の内壁およびフィン30に異物が堆積すると、冷却水通路21の内壁およびフィン30が腐食するおそれがある。
上述した比較例のインタークーラ2に対し、本実施形態のインタークーラ1は、次の作用効果を奏する。すなわち、本実施形態では、冷却水通路21のフィン30は、冷却水通路21が有する復路部212のうち、過給吸気入口14側、且つ、冷却水出口25側の一部の領域に多く配置されている。その領域は、比較例で説明した沸騰懸念領域に対応する領域を含んでいる。換言すれば、本実施形態では、冷却水通路21のフィン30は、沸騰懸念領域に対応する領域に多く配置されている。これにより、冷却水通路21のうち、過給吸気入口14側、且つ、冷却水出口25側の一部の領域、すなわち、冷却水の沸騰が懸念される領域にフィン30を多く配置することで、冷却水通路21の内壁およびフィン30を通じて冷却水に伝わる熱量が増加する。また、本実施形態では、冷却水通路21のうち、沸騰懸念領域を除く領域にはフィン30を配置しないか、または少なくすることで、通水抵抗が低減する。そのため、冷却水通路21の冷却水の流量が増加し、冷却水の温度が低下する。したがって、このインタークーラ1は、冷却水の沸騰が懸念される領域で冷却水通路21の内壁およびフィン30の温度が低下し、冷却水の沸騰が抑制される。
さらに、本実施形態では、冷却水通路21のうち、フィン30を配置する領域を除く領域にはフィン30を配置しないか少なくすることで、冷却水通路21の通水抵抗が低減するので、冷却水通路21を流れる冷却水の圧力が高くなる。そのため、冷却水通路21を流れる冷却水の沸点が高くなり、冷却水が沸騰しにくくなる。したがって、このインタークーラ1は、冷却水の沸騰を抑制することで、冷却性能の低下を防ぐことができる。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態に対して冷却水通路21のフィン30の配置を変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図6に示すように、第2実施形態では、冷却水通路21のフィン30は、冷却水通路21が有する復路部212の略全ての範囲に配置されている。復路部212は、過給吸気入口14側の領域と過給吸気出口15側の領域との半分に冷却水通路21を分けたとき、過給吸気入口14側の領域である。したがって、過給吸気入口14側の領域と過給吸気出口15側の領域との半分に冷却水通路21を分けたとき、フィン30は、過給吸気出口15側の領域よりも、過給吸気入口14側の領域に多く配置されている、と言える。
また、冷却水通路21が有する復路部212は、冷却水入口24側の領域と冷却水出口25側の領域との半分に冷却水通路21を分けたとき、冷却水出口25側の領域である。したがって、冷却水入口24側の領域と冷却水出口25側の領域との半分に冷却水通路21を分けたとき、フィン30は、冷却水入口24側の領域よりも冷却水出口25側の領域に多く配置されている、と言える。以上説明した第2実施形態においても、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。第3実施形態も、第1実施形態等に対して冷却水通路21のフィン30の配置を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図7に示すように、第3実施形態では、冷却水通路21のフィン30は、冷却水通路21が有する復路部212の中央位置Sよりも冷却水出口25側の領域に多く配置されている。すなわち、フィン30は、冷却水通路21のうち最も過給吸気入口14側に配置される部位の中で、その部位の中央位置Sよりも冷却水出口25側の領域に多く配置されている、と言える。以上説明した第3実施形態においても、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第4〜第7実施形態)
第4〜第7実施形態は、第1実施形態等に対して冷却水通路21の構成を変更したものであり、その他については第1実施形態等と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
(第4実施形態)
図8に示すように、第4実施形態では、流路管20が構成する冷却水通路21は、直線状に形成されている。図8でも、冷却水入口24から冷却水出口25に向けて冷却水通路21を冷却水が流れる方向を矢印W1で示し、ダクト10内の流体通路16に過給吸気が流れる方向を矢印A1、A2で示している。第4実施形態でも、過給吸気が流体通路16を流れる方向と、冷却水が冷却水通路21を流れる方向とは、交差するように構成されている。
第4実施形態でも、冷却水通路21のフィン30は、冷却水通路21のうち、過給吸気入口14側、且つ、冷却水出口25側の一部の領域に多く配置されている。これにより、冷却水通路21のうちフィン30が配置された領域では過給吸気と冷却水との熱交換量が増加し、冷却水通路21の内壁およびフィン30の温度が低下するため、冷却水の沸騰が抑制される。したがって、第4実施形態においても、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第5実施形態)
図9に示すように、第5実施形態では、流路管20が構成する冷却水通路21は、S字状に形成されている。図9でも、冷却水入口24から冷却水出口25に向けて冷却水通路21を冷却水が流れる方向を矢印W1で示し、ダクト10内の流体通路16に過給吸気が流れる方向を矢印A1、A2で示している。第5実施形態でも、過給吸気が流体通路16を流れる方向と、冷却水が冷却水通路21を流れる方向とは、交差するように構成されている。
第5実施形態でも、冷却水通路21のフィン30は、冷却水通路21のうち、過給吸気入口14側、且つ、冷却水出口25側の一部の領域に多く配置されている。これにより、冷却水通路21のうちフィン30が配置された領域では過給吸気と冷却水との熱交換量が増加し、冷却水通路21の内壁およびフィン30の温度が低下するため、冷却水の沸騰が抑制される。したがって、第5実施形態においても、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第6実施形態)
図10に示すように、第6実施形態では、流路管20が構成する冷却水通路21は、W字状に形成されている。図10でも、冷却水入口24から冷却水出口25に向けて冷却水通路21を冷却水が流れる方向を矢印W1で示し、ダクト10内の流体通路16に過給吸気が流れる方向を矢印A1、A2で示している。第6実施形態でも、過給吸気が流体通路16を流れる方向と、冷却水が冷却水通路21を流れる方向とは、交差するように構成されている。
第6実施形態でも、冷却水通路21のフィン30は、冷却水通路21のうち、過給吸気入口14側、且つ、冷却水出口25側の一部の領域に多く配置されている。これにより、冷却水通路21のうちフィン30が配置された領域では過給吸気と冷却水との熱交換量が増加し、冷却水通路21の内壁およびフィン30の温度が低下するため、冷却水の沸騰が抑制される。したがって、第6実施形態においても、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第7実施形態)
図11に示すように、第7実施形態では、流路管20が構成する冷却水通路21は、直線状に形成されている。図11でも、冷却水入口24から冷却水出口25に向けて冷却水通路21を冷却水が流れる方向を矢印W1で示し、ダクト10内の流体通路16に過給吸気が流れる方向を矢印A1、A2で示している。
第7実施形態では、過給吸気が流体通路16を流れる方向と、冷却水が冷却水通路21を流れる方向とは、対向するように構成されている。すなわち、過給吸気入口14側に冷却水通路21の冷却水出口25が設けられ、過給吸気出口15側に冷却水通路21の冷却水入口24が設けられている。
第7実施形態でも、冷却水通路21のフィン30は、冷却水通路21のうち、過給吸気入口14側、且つ、冷却水出口25側の一部の領域に多く配置されている。換言すれば、過給吸気入口14側の領域と過給吸気出口15側の領域との半分に冷却水通路21を分けたとき、フィン30は、過給吸気出口15側の領域よりも、過給吸気入口14側の領域に多く配置されている、と言える。また、冷却水入口24側の領域と冷却水出口25側の領域との半分に冷却水通路21を分けたとき、フィン30は、冷却水入口24側の領域よりも冷却水出口25側の領域に多く配置されている、と言える。これにより、冷却水通路21のうちフィン30が配置された領域では過給吸気と冷却水との熱交換量が増加し、冷却水通路21の内壁およびフィン30の温度が低下するため、冷却水の沸騰が抑制される。したがって、第7実施形態においても、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第8〜第10実施形態)
第8〜第10実施形態は、第1実施形態等に対して、2系統の冷却水通路を有するインタークーラ1について説明するものである。
(第8実施形態)
図12に示すように、インタークーラ1は、第1冷却水回路110と第2冷却水回路120に接続されている。そのため、インタークーラ1には、第1冷却水回路110を循環する第1冷却水と、第2冷却水回路120を循環する第2冷却水とが流れる。第1冷却水回路110を循環する第1冷却水は、内燃機関111を冷却する冷却水である。第2冷却水回路120を循環する第2冷却水は、内燃機関111を冷却しない冷却水である。第1冷却水および第2冷却水は、例えば、不凍液や水等を用いることができる。
第1冷却水回路110は、内燃機関111、メインポンプ112、メインラジエータ113、ヒータコア114およびインタークーラ1などが配管115により接続されている。メインポンプ112は、第1冷却水回路110の各構成に配管115を通じて第1冷却液を循環させるものである。メインラジエータ113は、第1冷却水を外気との熱交換によって放熱させる放熱器である。ヒータコア114は、第1冷却水の熱を利用して車室内の空気調和を行うために空調風を加熱する熱交換器である。
なお、図示していないが、第1冷却水回路110には、第1冷却水が低温(例えば、80℃以下)となった際に、メインラジエータ113等を迂回して第1冷却水を流すためのバイパス通路、およびそのバイパス通路を開閉する開閉弁が設けられている。第1冷却水回路110では、バイパス通路および開閉弁によって、第1冷却水の温度が80℃〜100℃程度の範囲に調整される。
第2冷却水回路120は、サブポンプ121、サブラジエータ122およびインタークーラ1などが配管123により接続されている。サブポンプ121は、第2冷却水回路120の各構成に配管123を通じて第2冷却水を循環させるものである。サブラジエータ122は、第2冷却水を外気との熱交換によって放熱させる放熱器である。この第2冷却水回路120は、内燃機関111に接続されていない。そのため、第2冷却水回路120を循環する第2冷却水は、第1冷却水よりも低温(例えば、40℃程度)である。
インタークーラ1は、第1冷却水回路110と第2冷却水回路120に接続されていることで、温度の異なる第1冷却水と第2冷却水を用いて、過給吸気を目的とする温度に調整し、内燃機関111への過給吸気の充填効率を向上させる役割を果たすものである。
次に、本実施形態のインタークーラ1の構成について説明する。
図13および図14に示すように、本実施形態のインタークーラ1も、いわゆるドロンカップ型の熱交換器として構成されている。インタークーラ1は、略角筒状に形成されたダクト10の内側に、複数の流路管20が所定の隙間をあけて積層されている。複数の流路管20の内側には、第1冷却水が流れる第1冷却水通路41と、第2冷却水が流れる第2冷却水通路42が形成されている。
ダクト10には、第1冷却水回路110から複数の流路管20の第1冷却水通路41に第1冷却水を供給する第1入口パイプ51と、その第1冷却水通路41から第1冷却水回路110に第1冷却水を排出する第1出口パイプ52が設けられている。また、ダクト10には、第2冷却水回路120から複数の流路管20の第2冷却水通路42に第2冷却水を供給する第2入口パイプ53と、その第2冷却水通路42から第2冷却水回路120に第2冷却水を排出する第2出口パイプ54が設けられている。
本実施形態では、第1冷却水通路41はU字状に形成されている。そのため、第1冷却水通路41は、第1往路部411、第1復路部412、第1方向変換部413を有している。また、第1冷却水通路41は、第1冷却水入口43と第1冷却水出口44を有している。第1入口パイプ51は第1冷却水入口43に連通しており、第1出口パイプ52は第1冷却水出口44に連通している。そのため、第1入口パイプ51から第1冷却水入口43を経由して第1冷却水通路41に流入した第1冷却水は、第1往路部411→第1方向変換部413→第1復路部412を流れ、第1冷却水出口44を経由して第1出口パイプ52から流出する。
また、本実施形態では、第2冷却水通路42もU字状に形成されている。そのため、第2冷却水通路42は、第2往路部421、第2復路部422、第2方向変換部423を有している。また、第2冷却水通路42は、第2冷却水入口45と第2冷却水出口46を有している。第2入口パイプ53は第2冷却水入口45に連通しており、第2出口パイプ54は第2冷却水出口46に連通している。そのため、第2入口パイプ53から第2冷却水入口45を経由して第2冷却水通路42に流入した第2冷却水は、第2往路部421→第2方向変換部423→第2復路部422を流れ、第2冷却水出口46を経由して第2出口パイプ54から流出する。なお、図13および図14では、第1冷却水通路41を第1冷却水が流れる方向を矢印W1で示し、第2冷却水通路42を第2冷却水が流れる方向を矢印W2で示している。また、ダクト10内の流体通路16に過給吸気が流れる方向を矢印A1、A2で示している。
略角筒状に形成されたダクト10の一方の開口部と他方の開口部にはそれぞれ、フランジ13が設けられている。このフランジ13にはそれぞれ、過給吸気タンク60、61が接続される。その過給吸気タンク60、61は、内燃機関111の吸気系統に接続される。そのため、ダクト10の一方の開口部に設けられた過給吸気入口14(すなわち、流体入口)から上流側の過給吸気タンク60を経由して過給吸気が流入する。また、ダクト10の他方の開口部に設けられた過給吸気出口15(すなわち、流体出口)から下流側の過給吸気タンク61を経由して過給吸気が流出する。したがって、過給吸気入口14から流入した過給吸気は、複数の流路管20同士の間(すなわち、複数の第1冷却水通路41同士の間と複数の第2冷却水通路42同士の間)に形成される流体通路16を流れ、流体出口としての過給吸気出口15から流出する。過給吸気出口15から流出した過給吸気は、内燃機関に供給される。なお、図13および図14では、過給吸気が流れる方向を矢印A1、A2、A3で示している。
本実施形態でも、第1冷却水通路41は、過給吸気が過給吸気入口14側から過給吸気出口15側に向けてダクト10内の流体通路16を流れる方向に対して第1往路部411および第1復路部412が交差するように蛇行して形成されている。したがって、本実施形態では、過給吸気が流体通路16を流れる方向と、第1冷却水通路41の第1往路部411および第1復路部412を第1冷却水が流れる方向とは、交差するように構成されている。また、本実施形態では、第1冷却水通路41が有する第1復路部412は、第1冷却水通路41と第2冷却水通路42の中で最も過給吸気入口14側に配置される部位である。
過給吸気が流れる流体通路16には、図示していないアウターフィンが設けられている。アウターフィンは、複数の流路管20同士の間に配置され、流路管20の外壁面にろう付け接合されている。アウターフィンは、過給吸気が流れる流体通路16のほぼ全域に設けられ、過給吸気と第1冷却水および第2冷却水との熱交換を促進する。
第1冷却水通路41の一部には、第1フィン31が設けられている。この第1フィン31は、第1冷却水通路41を構成する複数の流路管20の内壁面にろう付け接合されている。第2冷却水通路42には、第2フィン32が設けられている。第2フィン32は、第2冷却水通路42のほぼ全領域に設けられ、過給吸気と第2冷却水との熱交換を促進する。第2フィン32も、第2冷却水通路42を構成する複数の流路管20の内壁面にろう付け接合されている。なお、第1フィン31、第2フィン32、アウターフィンとしては、ストレートフィン、ルーバーフィン、ウェーブフィン、オフセットフィンなど、種々の形状のフィンを採用することが可能である。
第1冷却水通路41の第1フィン31は、第1冷却水通路41が有する第1復路部412のうち、過給吸気入口14側、且つ、第1冷却水出口44側の一部の領域に多く配置されている。これにより、第1冷却水通路41のうち第1フィン31が配置された領域、すなわち、第1冷却水の沸騰が懸念される領域において、過給吸気と第1冷却水との熱交換量が増加する。また、第1冷却水通路41のうち、第1冷却水の沸騰が懸念される領域を除く領域にはフィンを配置しないか、または少なくすることで、通水抵抗が低減する。そのため、第1冷却水通路41の第1冷却水の流量が増加し、第1冷却水の温度が低下する。したがって、本実施形態のインタークーラ1は、第1冷却水の沸騰が懸念される領域で第1冷却水通路41の内壁および第1フィン31の温度が低下し、第1冷却水の沸騰を抑制できる。
さらに、本実施形態では、第1冷却水通路41のうち、第1フィン31を配置する領域を除く領域には第1フィン31を配置しないか少なくすることで、第1冷却水通路41の通水抵抗が低減するので、第1冷却水通路41を流れる第1冷却水の圧力が高くなる。そのため、第1冷却水通路41を流れる第1冷却水の沸点が高くなり、第1冷却水が沸騰しにくくなる。したがって、本実施形態では、冷却水の沸騰の可能性が高い2系統の冷却水通路41、42を有するインタークーラ1に特有の課題を解決し、冷却性能の低下を防ぐことができる。
(第9実施形態)
第9実施形態について説明する。第9実施形態は、第8実施形態に対して第1冷却水通路41のフィン31の配置を変更したものであり、その他については第8実施形態と同様であるため、第8実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図15に示すように、第9実施形態では、第1冷却水通路41の第1フィン31は、第1冷却水通路41が有する第1復路部412の略全ての範囲に配置されている。第1復路部412は、過給吸気入口14側の領域と過給吸気出口15側の領域との半分に第1冷却水通路41を分けたとき、過給吸気入口14側の領域である。したがって、過給吸気入口14側の領域と過給吸気出口15側の領域との半分に第1冷却水通路41を分けたとき、第1フィン31は、過給吸気出口15側の領域よりも、過給吸気入口14側の領域に多く配置されている、と言える。
また、第1冷却水通路41が有する第1復路部412は、第1冷却水入口43側の領域と第1冷却水出口44側の領域との半分に第1冷却水通路41を分けたとき、第1冷却水出口44側の領域である。したがって、第1冷却水入口43側の領域と第1冷却水出口44側の領域との半分に第1冷却水通路41を分けたとき、第1フィン31は、第1冷却水入口43側の領域よりも第1冷却水出口44側の領域に多く配置されている、と言える。以上説明した第9実施形態においても、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(第10実施形態)
第10実施形態について説明する。第10実施形態も、第8実施形態等に対して第1冷却水通路41のフィン31の配置を変更したものであり、その他については第8実施形態等と同様であるため、第8実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図16に示すように、第10実施形態では、第1冷却水通路41の第1フィン31は、第1冷却水通路41が有する第1復路部412の中央位置Sよりも第1冷却水出口44側の領域に多く配置されている。すなわち、第1フィン31は、第1冷却水通路41のうち最も過給吸気入口14側に配置される部位の中で、その部位の中央位置Sよりも第1冷却水出口44側の領域に多く配置されている、と言える。以上説明した第10実施形態においても、上述した第1実施形態等と同様の作用効果を奏することができる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
(1)上記各実施形態では、高温の流体が流体入口側から流体出口側に向けて流体通路を流れる方向と、冷却水入口から冷却水出口に向けて冷却水が冷却水通路を流れる方向とが、交差または対向するように構成された車両用熱交換器について説明した。これに対し、他の実施形態では、車両用熱交換器は、高温の流体が流体入口側から流体出口側に向けて流体通路を流れる方向と、冷却水入口から冷却水出口に向けて冷却水が冷却水通路を流れる方向とが、ほぼ同一方向となるように構成されたものであってもよい。
(2)上記各実施形態では、車両用熱交換器の一例として、水冷式インタークーラについて説明した。これに対し、他の実施形態では、車両用熱交換器は、高温の流体を冷却水により冷却するものであれば、例えばラジエータ、オイルクーラ、EGRクーラ、電子機器用クーラなど、種々の車両用熱交換器とすることが可能である。
(3)上記第8〜第10実施形態では、第1冷却水通路と第2冷却水通路がいずれもU字状に形成されているものとして説明した。これに対し、他の実施形態では、第1冷却水通路と第2冷却水通路はそれぞれ、直線状、U字状、S字状、W字状など、任意の形状を組み合わせて採用することが可能である。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、高温の流体を冷却水により冷却する車両用熱交換器は、冷却水通路、流体通路、フィンを備える。複数の冷却水通路は、冷却水入口から冷却水出口に向けて冷却水が流れる。流体通路は、高温の流体が流入する流体入口から流体が流出する流体出口に向けて流体が流れるように、複数の冷却水通路同士の間に形成される。フィンは、冷却水通路に設けられる。ここで、流体入口側の領域と流体出口側の領域との半分に冷却水通路を分けたとき、フィンは流体出口側の領域よりも流体入口側の領域に多く配置されている。
第2の観点によれば、流体通路を流体入口側から流体出口側に向けて高温の流体が流れる方向と、複数の冷却水通路を冷却水入口から冷却水出口に向けて冷却水が流れる方向とは、交差または対向するように構成されている。その際、冷却水入口側の領域と冷却水出口側の領域との半分に冷却水通路を分けたとき、フィンは冷却水入口側の領域よりも冷却水出口側の領域に多く配置されている。
これによれば、高温の流体が流体通路を流れる方向と冷却水が冷却水通路を流れる方向とが交差または対向する構成では、冷却水通路のうち冷却水出口側の領域を流れる冷却水の温度が高くなる。そのため、従来の車両用熱交換器では、その領域で冷却水が沸騰することが懸念される。そこで、第2の観点の構成では、その領域にフィンを多く配置することで、冷却水通路の内壁およびフィンを通じて冷却水に伝わる熱量が増加する。したがって、この車両用熱交換器は、冷却水の沸騰が懸念される領域で冷却水通路の内壁およびフィンの温度を低下させることで、冷却水の沸騰を抑制することができる。
第3の観点によれば、フィンは、冷却水通路のうち最も流体入口側に配置される部位の中で、その部位の中央位置よりも冷却水出口側の領域に多く配置されている。
これによれば、従来の車両用熱交換器では、冷却水通路のうち最も流体入口側に配置される部位の中で、その部位の中央位置よりも冷却水出口側の領域を流れる冷却水の温度が高くなり、その領域で冷却水が沸騰することが懸念される。そこで、第3の観点の構成では、その領域にフィンを多く配置することで、冷却水通路の内壁およびフィンを通じて冷却水に伝わる熱量が増加する。これにより、この車両用熱交換器は、冷却水の沸騰が懸念される領域で冷却水通路の内壁およびフィンの温度を低下させ、冷却水の沸騰を抑制することができる。
第4の観点によれば、フィンは、冷却水通路のうち最も流体入口側に配置される部位の中で、流体入口側かつ冷却水出口側の一部の領域に多く配置されている。
これによれば、冷却水通路のうち高温流体の流体入口側かつ冷却水出口側の一部の領域にフィンを多く配置することで、冷却水の沸騰が懸念される領域で冷却水通路の内壁およびフィンを通じて冷却水に伝わる熱量が増加する。また、冷却水通路のうち高温流体の流体入口側かつ冷却水出口側の一部の領域を除く領域にフィンを配置しないか少なくすることで、通水抵抗が低減する。そのため、冷却水の流量が増加し、冷却水の温度が低下する。したがって、冷却水の沸騰が懸念される領域で冷却水通路の内壁およびフィンの温度が低下し、冷却水の沸騰が抑制される。
さらに、冷却水通路のうち高温流体の流体入口側かつ冷却水出口側の一部の領域を除く領域にフィンを配置しないか少なくすることで、冷却水通路の通水抵抗が低減するので、冷却水通路を流れる冷却水の圧力が高くなる。そのため、冷却水通路を流れる冷却水の沸点が高くなり、冷却水が沸騰しにくくなる。したがって、この車両用熱交換器は、冷却水の沸騰を抑制することで、冷却性能の低下を防ぐことができる。
第5の観点によれば、高温の流体を冷却水により冷却する車両用熱交換器は、複数の第1冷却水通路、複数の第2冷却水通路、流体流路、第1フィンおよび第2フィンを備える。複数の第1冷却水通路は、第1冷却水入口から第1冷却水出口に向けて第1冷却水が流れる。複数の第2冷却水通路は、第2冷却水入口から第2冷却水出口に向けて第1冷却水よりも低温の第2冷却水が流れる。流体流路は、高温の流体が流入する流体入口から流体が流出する流体出口に向けて流体が流れるように、複数の第1冷却水通路同士の間と複数の第2冷却水通路同士の間に形成される。第1フィンは、第1冷却水通路に設けられる。第2フィンは、第2冷却水通路に設けられる。ここで、流体入口側の領域と流体出口側の領域との半分に第1冷却水通路を分けたとき、第1フィンは流体出口側の領域よりも流体入口側の領域に多く配置されている。
これによれば、第1冷却水通路のうち高温流体の流体入口側の領域に第1フィンを多く配置することで、第1冷却水の沸騰が懸念される領域で第1冷却水通路の内壁および第1フィンを通じて冷却水に伝わる熱量が増加する。また、第1冷却水通路のうち高温流体の流体出口側の領域に第1フィンを配置しないか少なくすることで、通水抵抗が低減するので、第1冷却水の流量が増加し、第1冷却水の温度が低下する。そのため、この車両用熱交換器は、冷却水の沸騰が懸念される領域で第1冷却水通路の内壁および第1フィンの温度が低下し、冷却水の沸騰が抑制される。
さらに、第1冷却水通路のうち高温流体の流体出口側の領域に第1フィンを配置しないか少なくすることで、第1冷却水通路の通水抵抗が低減するので、第1冷却水通路を流れる第1冷却水の圧力が高くなる。そのため、第1冷却水通路を流れる第1冷却水の沸点が高くなり、第1冷却水が沸騰しにくくなる。したがって、この車両用熱交換器は、第1冷却水の沸騰の可能性が高い2系統の冷却水通路を有する車両用熱交換器に特有の課題を解決し、冷却性能の低下を防ぐことができる。
第6の観点によれば、高温の流体が流体入口側から流体出口側に向けて流体通路を流れる方向と、第1冷却水が第1冷却水入口から第1冷却水出口に向けて複数の第1冷却水通路を流れる方向とは、交差または対向するように構成されている。その際、第1冷却水入口側の領域と第1冷却水出口側の領域との半分に第1冷却水通路を分けたとき、第1フィンは第1冷却水入口側の領域よりも第1冷却水出口側の領域に多く配置されている。
これによれば、高温の流体が流体通路を流れる方向と第1冷却水が第1冷却水通路を流れる方向とが交差または対向する構成では、第1冷却水通路のうち第1冷却水出口側の領域を流れる第1冷却水の温度が高くなる。そのため、従来の車両用熱交換器では、その領域で第1冷却水が沸騰することが懸念される。そこで、第7の観点の構成では、その領域に第1フィンを多く配置することで、第1冷却水通路の内壁および第1フィンを通じて第1冷却水に伝わる熱量が増加する。したがって、この車両用熱交換器は、第1冷却水の沸騰が懸念される領域で第1冷却水通路の内壁の温度を低下させることで、第1冷却水の沸騰を抑制することができる。
第7の観点によれば、車両用熱交換器は、過給機によって圧縮された高温の流体としての過給吸気を冷却水により冷却する水冷式インタークーラである。
これによれば、上述した構成をインタークーラに適用することで、高温の過給空気を冷却する際に生じる冷却水の沸騰により冷却性能が低下するという、水冷式インタークーラに特有の課題を解決することが可能である。
1 水冷式インタークーラ
14 過給吸気入口
15 過給吸気出口
16 流体通路
21 冷却水通路
24 冷却水入口
25 冷却水出口
30 フィン
211 往路部
212 復路部

Claims (7)

  1. 高温の流体を冷却水により冷却する車両用熱交換器であって、
    冷却水入口(24)から冷却水出口(25)に向けて冷却水が流れる複数の冷却水通路(21)と、
    高温の流体が流入する流体入口(14)から流体が流出する流体出口(15)に向けて流体が流れるように、複数の前記冷却水通路同士の間に形成される流体通路(16)と、
    前記冷却水通路に設けられるフィン(30)と、を備え、
    前記流体入口側の領域と前記流体出口側の領域との半分に前記冷却水通路を分けたとき、前記フィンは前記流体出口側の領域よりも前記流体入口側の領域に多く配置されている、車両用熱交換器。
  2. 高温の流体が前記流体入口側から前記流体出口側に向けて流体通路を流れる方向と、冷却水が前記冷却水入口から前記冷却水出口に向けて複数の前記冷却水通路を流れる方向とは、交差または対向するように構成されており、
    前記冷却水入口側の領域と前記冷却水出口側の領域との半分に前記冷却水通路を分けたとき、前記フィンは前記冷却水入口側の領域よりも前記冷却水出口側の領域に多く配置されている、請求項1に記載の車両用熱交換器。
  3. 前記フィンは、前記冷却水通路のうち最も前記流体入口側に配置される部位(212)の中で、その部位の中央位置(S)よりも前記冷却水出口側の領域に多く配置されている、請求項1または2に記載の車両用熱交換器。
  4. 前記フィンは、前記冷却水通路のうち最も前記流体入口側に配置される部位(212)の中で、前記流体入口側かつ前記冷却水出口側の一部の領域に多く配置されている、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用熱交換器。
  5. 高温の流体を冷却水により冷却する車両用熱交換器であって、
    第1冷却水入口(43)から第1冷却水出口(44)に向けて第1冷却水が流れる複数の第1冷却水通路(41)と、
    第2冷却水入口(45)から第2冷却水出口(46)に向けて第1冷却水よりも低温の第2冷却水が流れる複数の第2冷却水通路(42)と、
    高温の流体が流入する流体入口(14)から流体が流出する流体出口(15)に向けて流体が流れるように、複数の前記第1冷却水通路同士の間と複数の前記第2冷却水通路同士の間に形成される流体通路(16)と、
    前記第1冷却水通路に設けられる第1フィン(31)と、
    前記第2冷却水通路に設けられる第2フィン(32)と、を備え、
    前記流体入口側の領域と前記流体出口側の領域との半分に前記第1冷却水通路を分けたとき、前記第1フィンは前記流体出口側の領域よりも前記流体入口側の領域に多く配置されている、車両用熱交換器。
  6. 高温の流体が前記流体入口側から前記流体出口側に向けて前記流体通路を流れる方向と、第1冷却水が前記第1冷却水入口から前記第1冷却水出口に向けて複数の前記第1冷却水通路を流れる方向とは、交差または対向するように構成されており、
    前記第1冷却水入口側の領域と前記第1冷却水出口側の領域との半分に前記第1冷却水通路を分けたとき、前記第1フィンは前記第1冷却水入口側の領域よりも前記第1冷却水出口側の領域に多く配置されている、請求項5に記載の車両用熱交換器。
  7. 前記車両用熱交換器は、過給機によって圧縮された高温の流体としての過給吸気を冷却水により冷却する水冷式インタークーラ(1)である、請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用熱交換器。
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