JP2019157958A - 二面拘束座金及び回転機械 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1では、フランジ同士の合わせ面に形成した溝と突起とを噛み合わせることにより、車室内部の高圧ガスがフランジ間から外部へとリーク(漏洩)することを防いでいる。
特許文献1のようにリーク防止対策として、フランジの合わせ面に溝と突起を形成したとしても、ガスの圧力によっては、また、温度勾配によってフランジが変形したならば、ガスがリークしてしまう。
ここで、ボルトの頭部や、ボルトに取り付けられるナットと、フランジとの間には、座金が配置される。この座金により締付力が分散される範囲は、座金が配置された1つのボルトの軸の近い範囲に留まるため、リークを防止する効果は限定的である。この座金を厚くすると、締付力が分散される範囲が広がるものの、リークを防止するためには十分とはいえない。
しかも、本発明では、二面拘束座金の第2当接面をケーシングの外周曲面に接触するだけの簡単な構造となるので、コストの低減を図ることができる。
本実施の形態による二面拘束座金は、図1に示すように、フランジ同士が締結された車室6を備えた遠心圧縮機1(回転機械)に適用されている。
遠心圧縮機1は、複数のインペラ2が備えられたロータ3と、ダイアフラム群4と、シール装置5と、上半車室20(半割体)および下半車室30(半割体)から構成される車室6(ケーシング)と、を備えている。
ダイアフラム群4は、インペラ2を外周側から覆っている。
ダイアフラム40および車室6の内壁は、インペラ2の流路に連通してプロセスガスを通過させる流路を区画している。
本実施形態では、吐出ボリュート16の拡がる向きを軸線方向D1の内側に定めていることにより、車室6の後端部が軸線方向D1の下流側に向けて膨らむことを抑えている。
車室6の上半車室20の後端部は、上半車室20の第1フランジ61(図2参照)よりも背が高い台座24を有しており、下半車室30の後端部は、下半車室30の第2フランジ62(図2参照)よりも背が高い台座34を有している。
シール装置5は、回転軸3Aの両端側にそれぞれ配置されており、シールハウジングホルダ51に保持される。シールハウジングホルダ51の外周部と車室6との間はシール部材52により封止される。
車室6は、接触するプロセスガスに関する耐食性を備えた金属材料から形成することができる。本実施形態の車室6は、ステンレス鋼から形成されている。
収容部21は、半円筒状の周壁210と、周壁210の前端を塞ぐ前側壁211と、周壁210の後端を塞ぐ後側壁212とを有している。
包囲部22は、収容部21よりも径が小さい半円筒状に形成され、収容部21よりも前側(上流側)と、収容部21よりも後側(下流側)とにそれぞれ配置されている。
その他の挿通孔610には、植込みボルト70Bを使用してもよいし、通しボルト70Aを使用してもよい。
下半車室30の第2フランジ62には、ボルトが挿通される貫通孔、あるいはボルトがねじ込まれる雌ねじが形成されている。これらの貫通孔および雌ねじの図示は省略する。
リークを防止するために、本実施形態では、図4〜図7に示すように、二面拘束座金78を用いている。なお、図1及び図2では、二面拘束座金78が省略されている。
図5に示すように、合わせ面612では、分散範囲Rにわたって締付力が分散する。植込みボルト70Bの場合には、第1フランジ61の座面61aと合わせ面612との間に、軸から径方向に最も離れた位置にまで締付力が分散した最大の分散範囲が位置する。
通しボルト70Aを用いると、植込みボルト70Bと比べて軸長が長いため、締付力が植込みボルト70Bよりも軸から径方向に離れた位置まで分散する。そのため、合わせ面612において締付力が分散した分散範囲Rを植込みボルト70Bを用いる場合と比べて拡大することができる。
図4、図5、および図7に示すように、本実施の形態では、車室6内のガスの圧力が大きくなったときに、外側に押される車室6(上半車室20、下半車室30)が二面拘束座金78の第2当接面78bに当接する。すなわち、第2当接面78bで車室6を外側から拘束するので、車室6の外側への変形を防止することができる。そのため、フランジ61、62間の口開きを小さく抑えることができ、フランジ61、62間のシール性を向上させることが可能となり、ガスのリークを防止することができる。
しかも、本実施の形態では、二面拘束座金78の第2当接面78bを車室6の外周曲面6aに接触するだけの簡単な構造となるので、コストの低減を図ることができる。
図8に示すように、第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態において、下半車室30の第2フランジ62の厚さが上半車室20の第1フランジ61の厚さよりも大きく形成された構成となっている。
また、図9に示す第1変形例は、上述した第1の実施の形態における通しボルト70Aの軸部の両側に位置するナット部(頭部73、ナット71)の高さをそれぞれ大きくしたものである。
また、図10に示す第2変形例は、二面拘束座金78Aの平面視形状を四角形状(図10では正方形状)としたものである。このように、二面拘束座金78の形状は、第2当接面78bがボルト70の軸方向に直交する方法からみた側面視で、車室6の外周曲面6aに沿った形状をなしている。
また、図11及び図12に示す第3変形例による二面拘束座金78B、78Cは、複数(ここでは2つ)のボルト70を挿通可能な貫通穴が形成されたものである。図11は、二面拘束座金78Bの平面視形状で両端形状が曲面となっている。図12は、二面拘束座金78Cの平面視形状を四角形状(長方形状)としたものである。
また、図13及び図14に示す第4変形例による二面拘束座金78、78Dは、第2当接面78bがボルト70の軸方向からみた平面視で、車室6の外周曲面6aに沿った形状に湾曲している。図14に示す二面拘束座金78は、上述した第1の実施の形態の二面拘束座金78と同様で円形に形成されており、この二面拘束座金78の第2当接面78bと一致するように車室6の外周曲面6aが形成されている。
6 車室(ケーシング)
6a 外周曲面
20 上半車室(半割体)
30 下半車室(半割体)
61 第1フランジ(一方のフランジ)
61a 座面
62 第2フランジ(他方のフランジ)
70 ボルト
70A 通しボルト(締結ボルト)
70B 植込みボルト(締結ボルト)
71 ナット(ナット部)
72 ナット(ナット部)
78 二面拘束座金
78a 第1当接面
78b 第2当接面
612 合わせ面
R 分散範囲
Claims (6)
- 流体が導入され、軸線を中心とする筒状のケーシングを備え、前記ケーシングは周方向に二分割された半割体に形成され、前記半割体それぞれのフランジ同士を結合する締結ボルトの二面拘束座金であって、
前記フランジの座面に当接する第1当接面と、
前記半割体の外周曲面に接触する第2当接面と、を有し、
前記第2当接面は、前記締結ボルトの軸方向に直交する方法からみた側面視で、前記外周曲面に沿った形状をなしている二面拘束座金。 - 複数の前記締結ボルトを挿通可能な貫通穴が形成されている請求項1に記載の二面拘束座金。
- 前記第2当接面は、前記締結ボルトの軸方向からみた平面視で、前記ケーシングの内周面に沿った形状をなしている請求項1又は2に記載の二面拘束座金。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の二面拘束座金を使用して前記締結ボルトで前記ケーシングの前記フランジ同士が結合された回転機械。
- 前記締結ボルトは、一方の前記フランジのみを貫通し、他方のフランジに螺合し、
前記他方のフランジは、前記一方のフランジより厚さが大きい請求項4に記載の回転機械。 - 前記締結ボルトは、一対の前記フランジの双方を貫通し、
ボルト軸部の両端の各ナット部と前記フランジとの間に前記二面拘束座金が設けられている請求項4に記載の回転機械。
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